JP3282825B2 - アレン/アルキンコポリマー - Google Patents

アレン/アルキンコポリマー

Info

Publication number
JP3282825B2
JP3282825B2 JP51558898A JP51558898A JP3282825B2 JP 3282825 B2 JP3282825 B2 JP 3282825B2 JP 51558898 A JP51558898 A JP 51558898A JP 51558898 A JP51558898 A JP 51558898A JP 3282825 B2 JP3282825 B2 JP 3282825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
allene
alkyne
catalyst
propyne
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP51558898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000500824A (ja
Inventor
ノバック,ブルース,エム.
充 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Publication of JP2000500824A publication Critical patent/JP2000500824A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3282825B2 publication Critical patent/JP3282825B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F238/00Copolymers of compounds having one or more carbon-to-carbon triple bonds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、国立科学財団(the National Science Fou
ndation)により与えられた許可番号DMR−9350473の下
で、政府の支援を得てなされたものである。政府は、本
発明において一定の権利を有する。
発明の背景 本発明は置換及び未置換アレン及びアルキンから製造
される新規なコポリマー、並びにこれらの新規なコポリ
マーを製造するための効率的な共重合方法に関する。
高級オレフィンポリマーは、早期の遷移金属触媒(ea
rly transitionmetal catalysts)、例えばメタロセン
触媒を用いて重合されている。ポリオレフィンの立体規
則性は、メタロセン触媒により調節され得るが、官能化
ポリオレフィンを、これらの触媒を用いて製造するのは
極めて困難である。従って、官能化ポリオレフィンを製
造するためには、他の技術が開発されている。例えば、
一つの技術として、1,4−ポリブタジエンのような不飽
和プレポリマーを改質して、官能化ポリオレフィンを合
成する方法がある。(例えば、M.P.McGrath et.al.,Che
m.Rev.,95:381−198,1995参照)。別の技術としては、
無水マレイン酸のポリオレフィンへのフリーラジカルグ
ラフト化がある。
アレン(C3H4,プロパジエンとしても知られる)は、
最も単純なクムレンであり、ポリプロピレンのようなポ
リオレフィンの製造において魅力的なモノマーの候補で
ある。ポリアレンは、多目的に使用できる中間体ポリマ
ー“ブランク(blank)”だからである。ずっと以前
に、Otsukaet al.,J.Am.Chem.Soc.,87:3017−3019(196
5)は、一定のニッケル鎖体、主にアリルニッケルブロ
マイドを、アレンの重合に使用し得ることを報告した。
さらに、慣用のチーグラーナッタ触媒が、プロピレンの
重合に使用されてきた。例えば、Chien et al.,Macromo
lecules,14:479−485(1981)は、Ti(O−n−Bu)4/E
t3Alを用いたプロピン重合による、アセチレン/プロピ
ン(メチルアセチレン)コポリマーの製造を記載してい
る。
アレンは、石油クラッキングプラントの副生成物(C3
H4)として、例えばエチレンまたはガソリンの製造の結
果として、大量に生産される。しかしながら、このC3H4
副生成物は、約60%のアレンと40%のプロピンとの混合
物であり、これを二つの別々の異性体に分離するのは非
常に困難である。この副生成物は、現在廃物として処理
されるか、単純に燃焼させている。
発明の要約 本発明は、一定のニッケルまたはパラジウム触媒が、
メチルアレンのようなアレン(例えば、アレンまたは置
換アレン)とプロピンのようなアルキン(例えばアセチ
レン及び置換アルキン)の混合物からの、新規な線状、
弾性コポリマーの重合に使用し得るという発見に基づく
ものである。これらの新規なコポリマーには、内部及び
末端オレフィンの両方が含まれ、これにより容易に改質
されるポリオレフィン前駆体となる。各タイプのオレフ
ィンは、改質に対して異なる反応性を与えるからであ
る。さらに、この新規な方法は、これまで廃物として燃
焼させてきた、石油産業により生産される大量のC3H
4の、環境に優しく、産業的に魅力的な利用を提供す
る。
一般的には、本発明は、線状コポリマー、例えば次
式: R1−C≡C−R2 で表されるアルキン、例えばプロピンと、次式: で表されるアレンの混合物のコポリマーである。式中、
R1〜R6は、独立して、水素原子;アルキル、例えばCaH
2a+1(式中、aは1〜20、またはそれ以上の数を表
す);アリール、例えばフェニルまたは置換されたフェ
ニル、例えばCH3、CF3またはSi(H3で置換されたも
の;アルコキシ、例えばOCaH2a+1(式中、aは1〜20、
またはそれ以上の数を表す);アリールオキシ、例え
ば、 または、 を表す。さらに、R3(またはR4)及びR5(またはR6
は、互いに結合して環状アレンを形成してもよい。
これらの新規なコポリマーは、次式: で表される。式中、R1〜R6は、上記で定義したとおりで
あり、x+nは1〜10,000、好ましくは20〜2500であ
り、mは、1〜10,000、好ましくは20〜2500である。例
えば、アルキンを100単位、アレンを50単位使用する
と、コポリマー150単位が得られ、各単位の繰り返し数
は、重合に使用されるモノマーの数と同じになる。さら
に、上記の一般式に示した三つの単位を、コポリマー中
にランダムに分散あせることもできる。
特別な実施態様においては、コポリマーは、未置換の
アレンと、アセチレン、1−ペンチン、2−ペンチンま
たはフェニルアセチレンからなる。別の実施態様におい
ては、アレンはCH3CH=C=CH2であり、アルキンはプロ
ピンである。コポリマーが未置換のアレンとプロピンか
らなる場合、次式となる。
別の観点において、本発明は、溶媒中のニッケルまた
はパラジウム触媒、例えばアリルニッケルまたはパラジ
ウム触媒の溶液を得て;この溶液にアレンとアルキンの
混合物を添加し;この溶液を少なくとも−20℃の温度で
コポリマーを製造する迄の時間撹拌し;そしてコポリマ
ーを溶液から単離することによる、アレンとアルキンの
コポリマーの製造方法に関する。
アリルニッケルまたはパラジウム触媒の一般式、及び
好ましいアリルニッケル触媒の式を下記に示す。
式中、Mはニッケルまたはパラジウムであり、Xは対
イオン、例えばアセテートまたはベンゾエートのような
カルボキシレート;ハロゲンイオン、例えばフッ素、塩
素または臭素;またはハロゲンイオン含有化合物、例え
ばPF6またはBF4である。これらの触媒のうち、好ましい
のは、[(η−アリル)Ni(トリフルオロアセテー
ト)](ANiTFA)である。
触媒は、ニッケルまたはパラジウムの下記式のジイミ
ンリガンドとの錯体(中性またはカチオン性)であって
もよい。
式中、Mはニッケルまたはパラジウムを表し;Yはハロ
ゲンまたはアルキルを表し、またはカチオン錯体の場合
にはYは金属中心に弱く配位するジエチルエーテルのよ
うな溶媒であってもよく;R1及びR2は独立してH、アル
キル、例えばCaH2a+1(式中、aは1〜20、またはそれ
以上の数を表す);またはアリール、例えばフェニル;
或いは置換されたフェニル、アルコキシまたはアリール
オキシである。R1及びR2は、同じであってもよく、例え
ばHまたはフェニルであり、または結合してビスイミノ
アセナフチルを形成しても良い。
カチオン型の場合、上記の式は正の電荷を有し、メチ
ルアミノオキサン(methylaluminoxane)(MAO)(ウィ
スコンシン州、ミルウォーキーのAldrich chemical C
o.,Inc.)、または芳香環であり、好ましくは−CF3基の
ような電子吸引性置換基で置換された、アリールホウ素
アニオン(Ar'4B-)、例えば により活性化される。
別の観点において、本発明は石油クラッキングのC3H4
副生成物(例えば、未置換アレンとプロピンの混合物)
を、本発明の方法においてアレン・アルキン混合物とし
て用いることにより、この副生成物を重合する方法に関
する。
この新規な方法及び新規なコポリマーは二つの理由か
ら環境に優しい。第一に、この新規な方法は、現在石油
クラッキングの廃物流(waste stream)である出発材料
を利用する。第二に、この新規なコポリマーはハロゲン
を含まず、従って、燃焼しても汚染を生じず、容易にリ
サイクルできる。この新規なコポリマーは、車のインテ
リアトリム材料及びバンパーのような外部部品のような
製品に幅広く使用することができる。
特記しない限り、ここで使用される全ての技術的及び
科学的用語は、本発明の属する分野の技術者に一般的に
理解されるのと同じ意味である。ここに記載したのと同
様または同等の方法及び材料を、本発明の実施または試
験に使用することができるが、好ましい方法及び材料は
下記に示すものである。ここに言及された全ての文献、
特許出願、特許及び他の参考文献は、全てそのまま参考
文献として取り入れられる。争いがある場合には、定義
を含む本明細書が調整する。さらに、材料、方法及び実
施例は、説明のためのものであって、限定することを意
図するものではない。
本発明の他の特徴及び効果は、下記の詳細な説明及び
請求の範囲から明らかになるであろう。
図面の簡単な説明 図1は、トルエン−d8中、室温における、[(η
アリル)Ni(トリフルオロアセテート)](ANiTFA)
により触媒された32時間にわたるプロピンホモ重合試験
の一連の1HNMRスペクトルを示す。
図2は、トルエン−d8中、室温における、[(η
アリル)Ni(トリフルオロアセテート)](ANiTFA)
により触媒された52時間にわたるアレン/プロピン共重
合の一連の1HNMRスペクトルを示す。
図3は、溶離剤THF中、(I)により触媒されたアレ
ン/プロピン共重合のゲル濾過クロマトグラフィー(GP
C)トレースを示す。
図4は、トルエン−d8中、室温でIにより触媒された
アレン/プロピン共重合の経時変化を示すグラフであ
る。
図5A及び図5Bは、コポリマー形成を確認するための、
各々アレン/プロピンコポリマーのアルカン領域及びア
ルケン領域の二つの13CNMRスペクトルを示す。
図6A〜図6Eは、プロピン単位中の主要な異性体がcis
異性体であることを示すアレン/プロピンコポリマーの
一連の1HNMRスペクトルである。
詳細な説明 本発明は、一定のニッケルまたはパラジウム触媒が、
アレンまたは置換アレンとプロピンのようなアルキン
(例えばアセチレン及び置換アルキン)との混合物から
の、新規なコポリマーの製造に使用し得るという発見に
基づくものである。これらの新規な方法は、新規で、経
済的で、且つ容易に改質されるポリオレフィン前駆体を
提供し、同時に、石油クラッキングの副生成物として生
じるC3H4廃物流の利用法を提供する。
アレン/アルキン共重合 この新規な方法は、ニッケルまたはパラジウム触媒、
例えば[η−アリル)Ni(トリフルオロアセテー
ト)](I)のようなアリルニッケル錯体を、アレン
・アルキン混合物の共重合の触媒として使用する。触媒
Iは、Dewans et al.,J.Organomet.Chem.21:259(197
0)に記載された方法により製造され得る。簡単に説明
すると、エーテル(50ml)中の0.3gのアリル−トルフル
オロアセテート(Aldrich)を、0.5gのNi(シクロオク
タジエン)(Aldrich)に添加し、0℃で2時間撹拌
して、反応を完結させた。ポンプによりエーテル(溶
媒)を除去し、残留した結晶を−78℃の冷n−ヘキサン
で3回洗浄した。減圧下で乾燥して、所望の結晶を得た
(収率約80%)。
典型的な重合条件は下記の通りであり、標準的なシュ
レンク(Schlenk)ライン及びグローブボックス技術を
用いて、全ての作業が空気及び水を厳密に排除した窒素
雰囲気下に保たれるように行われる。触媒を、まず炭化
水素溶媒中に溶解し、約1.0〜100mmol/リットルの濃度
の溶液を生じさせる。有用な炭化水素溶媒として、トル
エン及びベンゼンが挙げられる。ハロゲン化溶媒、例え
ばCHCl3またはCH2Cl3のような塩素化溶媒を使用するこ
ともできる。例えば、トルエンは、使用前にナトリウム
ベンゾフェノンケチルから蒸留され得る。ハロゲン化溶
媒、例えばCHCl3またはCH2Cl3のような塩素化溶媒を使
用することもできる。
アレン(または置換アレン)及びアルキンの混合物
は、不活性雰囲気下、標準的な技術、例えば真空移送を
用いて、触媒溶液に導入される。出発モノマーは、好ま
しくは前処理して、全ての水の痕跡を除去する。そうし
なければ、触媒の触媒活性が低下することになるであろ
う。例えば、アレンは室温でモレキュラーシーブ(3A)
上で1週間乾燥することができる。アルキン、例えばプ
ロピンは、CaH2上で数日間乾燥することができる。全て
のモノマーは好ましくは、重合反応に使用する前に、い
くつかの凍結ポンプ融解(freeze−pump thaw)サイク
ルにより脱ガスされる。
モノマーの供給比(アレン:アルキン)は、100:0〜2
0:80まで広く変化し得るが、好ましくは少なくとも30:7
0である。アレンモノマーが30%より少ない量で存在す
ると、得られるコポリマーの収量が減少するからであ
る。
その後、混合物を、例えばマグネチック撹拌バーで、
数時間、例えば3〜24時間またはそれ以上(温度、及び
広い範囲で、好ましくは約50/1〜10,000/1の範囲で変化
し得るモノマー/触媒比に依存する)、例えば室温で少
なくとも約20時間、または40℃で少なくとも約3時間撹
拌し、新規コポリマーを製造する。温度は、−20℃〜80
℃の範囲であることができ、好ましくは30℃と60℃の
間、例えば40℃である。
コポリマーは、標準的な技術、例えばメタノール中で
の沈殿により単離しうる。
共重合体の結果は、標準的な技術、例えばNMR分析に
より追跡し得る。例えば、空気を含まないNMR管内での
共重合反応は、室温下1HNMRスペクトルによりジュウテ
リウム置換トルエン(トルエン−d8)中で追跡しうる。
分子量及び耐分散指数(PDI)は、ゲル濾過クロマトグ
ラフィー(GPC)により、テトラヒドロフラン(THF)中
のポリスチレン標準との関連で、決定され得る。得られ
るポリマーの1H及び13CNMRスペクトルは、トルエン−d8
またはCDCL3中で測定することができる。
実施例 実施例1−アレン/プロピン共重合 グローブボックス中で、4.0mgの触媒I、0.5mlのトル
エン及びマグネチック撹拌バーを30mlの厚壁ガラス関に
入れた。この管を真空ラインに連結し、アレン/プロピ
ン混合物(アレン/プロピン比=57/43,これは実質的に
C3H4石油クラッキング廃物流中のアレン/プロピン比に
等しい)を、不活性雰囲気下で反応混合物中に真空移送
した。40℃で約3〜5時間撹拌した後、分子量約11,000
(GPCで測定)の黄色のコポリマーが得られ、これをメ
タノールに沈殿させて単離した。収量は、出発モノマー
の量に直接的に比例した。例えば、各モノマー0.5gから
コポリマー1.0gが生じた。
共重合を、1H及び13CNMRにより追跡し、得られた黄色
コポリマーが、実際にコポリマーであり、ホモポリマー
の混合物ではないことを確認した。何故なら、1)同じ
条件下で触媒Iを用いた場合、プロピンはホモ重合しな
かった、2)共重合の間、プロピンのコポリマーへの転
化率は、アレンのコポリマーへの転化率と殆ど同じであ
った、3)得られたコポリマーのGPCトレースは単一モ
ードである、即ちコポリマー及び/またはホモポリマー
の混合物でないことが、2.2という合理的に狭いPDIによ
り判明したからである。
具体的には、図1に示すように、各々プロピンのメチ
ルプロトン及びメチンプロトンに特徴的な1.40ppm及び
1.59ppmにおける1HNMRシグナルがゆっくり減少したが、
室温で20時間混合し、続いて40℃で12時間混合した後
も、プロピンホモポリマーのピークは見られなかった。
これらの結果は、プロピンモノマーが、触媒Iの存在下
ではホモ重合しないことを示す。
しかしながら、アレン及びプロピンモノマーは、有効
に共重合することができた。図2は、アレン/プロピン
混合物を、トルエン−d8中、室温で、[(η−アリ
ル)Ni(トリフルオロアセテート)](ANiTFA)と、
5分〜2時間の範囲の異なる時間混合した後の1HNMRス
ペクトルを示す。モノマー供給比は、アレン:プロピン
=57:43である。各モノマーは、有効に消費され、コポ
リマーの両ポリマー単位に帰する広いピークを生じさせ
た。特に、4.9ppm及び2.9ppmにおける1HNMRシグナル
は、各々exo−メチレン及び主鎖メチレンに対応する。
1.8ppmの強いピーク及び約5.3及び5.9ppmの小さなピー
クは、各々コポリマーのメチル置換基及び主鎖に沿った
メチンに特徴的なものである。
ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)分析により、ポ
リマーが真正な単一モードのアレン/プロピンコポリマ
ーであることが照明された。図3のGPCトレースは、既
知の分子量を有するポリスチレン標準をベースとして計
算される、合理的に狭い分子量分散及びPDI2.2の単一モ
ードのピークを示す。このトレースは、ポリマーが真正
なコポリマーであることを示した。他方、広いPDI(約
3または4以上)を有する双峰(bimodal)または単一
モードのトレースは、ホモポリマー及び/またはコポリ
マーの混合物を示すであろう。図3の右側の小さな第二
のピークは、溶媒によるものである。
さらに、図4に示すように、共重合の間、プロピンの
転化率は、アレンの転化率と殆ど同じであった。図4
は、トルエン−d8中、室温で、0〜3000分間、Iにより
触媒されたアレン/プロピン共重合の経時変化曲線(モ
ノマー転化のパーセント)を示すグラフである。
アレン/プロピンコポリマーの真正なコポリマーの性
質の別の証拠は、13CNMRの研究により行われる。図5A及
び図5Bは、各々アレン/プロピンコポリマーのアルカン
領域及びアルケン領域のNMRトレースを示す。図5A及び
図5Bに示されるように、得られた混合物がポリアレンホ
モポリマーを含んでいれば現れるであろう、白い矢印で
マークされた広い位置に“ポリアレン”のピークはな
い。そのかわりに、トレースは、真正なアレン/プロピ
ンコポリマーの存在を示す多数のピークを示す。
さらに、コポリマーのプロピン単位の一つの異性体の
みの存在を示す一つのCH3ピークのみが存在する。この
構造の結果は、図6A〜図6Cの1HNMRスペクトルをベース
として、図6D及び図6Eに示される標準NOE(nuclear Ove
rhauser effect)の差スペクトルにより確認された。図
6Aの1HNMRトレースは、40℃で3時間のアレン/プロピ
ンコポリマーから生じたものである。図6Bのトレース
は、プロピン単位に隣接するアレン単位のメチレンプロ
トンを照射し、その後NMR分析を行うことにより生じ
る。図6Cのトレースは、プロピン単位のメチルプロトン
を照射し、その後NMR分析を行うことにより生じる。図6
Dの差スペクトルは、図6Bのトレースから図6Aのトレー
スを差し引くことにより生じた。図6Eの差スペクトル
は、図6Cのトレースから図6Aのトレースを差し引くこと
により生じた。これらの二つのトレースは、プロトン−
プロトン距離の情報を提供し、コポリマーのプロピン単
位のcis異性体が優勢な異性体であることを示す。
実施例2−アレン/アセチレン共重合 この実施例においては、出発モノマーとしてのアレン
及びアセチレンを、供給比55対45(モル比)で、実施例
1の触媒混合物に入れる。重合条件及び触媒は、実施例
1と同じである。40℃で3時間撹拌した後、約16,000ダ
ルトンの分子量(GPCにより測定)のコポリマーが生
じ、メタノールに沈殿させることにより単離され得る。
出発物質の量をアレン0.41g、アセチレン0.22gとする
と、コポリマーの収量は0.61gとなり、これは次式(n
及びmは上記で定義したとおり)で表される。
実施例3−アレン/1−ペンチン共重合 この実施例においては、出発モノマーとしてのアレン
及び1−ペンチン (HC≡C−(CH2−CH3) を、供給比51対49(モル比)で、実施例1の触媒混合物
に入れる。重合条件及び触媒は、実施例1と同じであ
る。40℃で7時間撹拌した後、約32,000ダルトンの分子
量(GPCにより測定)のコポリマーが生じ、メタノール
に沈殿させることにより単離され得る。出発物質の量を
アレン0.39g、1−ペンチン0.62gとすると、コポリマー
の収量は1.0gとなり、これは次式で表される。
実施例4−アレン/2−ペンチン共重合 この実施例においては、出発モノマーとしてのアレン
及び2−ペンチン (CH3−C≡C−CH2−CH3) を、供給比65対35(モル比)で、実施例1の触媒混合物
に入れる。重合条件及び触媒は、実施例1と同じであ
る。60℃で10時間撹拌した後、約14,000ダルトンの分子
量(GPCにより測定)のコポリマーが生じ、メタノール
に沈殿させることにより単離され得る。出発物質の量を
アレン0.51g、2−ペンチン0.47gとすると、コポリマー
の収量は0.93gとなり、これは次式で表される。
実施例5−アレン/フェニルアセチレン共重合 この実施例においては、出発モノマーとしてのアレン
及びフェニルアセチレン (HC≡C−O) を、供給比62対38(モル比)で、実施例1の触媒混合物
に入れる。重合条件及び触媒は、実施例1と同じであ
る。60℃で10時間撹拌した後、約25,000ダルトンの分子
量(GPCにより測定)のコポリマーが生じ、メタノール
に沈殿させることにより単離され得る。出発物質の量を
アレン0.5g、フェニルアセチレン1.18gとすると、コポ
リマーの収量は1.5gとなり、これは次式で表される。
実施例6−メチルアレン/プロピン共重合 この実施例においては、出発モノマーとしてのメチル
アレン (CH3−C=C=CH2) 及びプロピンを、供給比47対53(モル比)で、実施例1
の触媒混合物に入れる。重合条件及び触媒は、実施例1
と同じである。40℃で4時間撹拌した後、約30,000ダル
トンの分子量(GPCにより測定)のコポリマーが生じ、
メタノールに沈殿させることにより単離され得る。出発
物質の量をメチルアレン0.5g、プロピン0.42gとする
と、コポリマーの収量は0.92gとなり、これは次式で表
される。
新規なコポリマーの使用 新規なコポリマーの重要な利点の一つは、改質に対す
る高い反応性にある。広範囲の官能基、例えば水酸基、
カルボキシル基、アルデヒド基、またはエステル基を新
規なコポリマーに導入して、官能性のポリオレフィンベ
ースのエラストマーを得ることができる。従って、新規
なコポリマーは、非常に利用性が高い。例えば、少量の
水酸基を添加することにより、コポリマー全体の親水性
を改良することができる。アルキルシリル基(SiR3,Rは
例えばCH3,C2H5,フェニルまたはOC2H5)を添加すると、
ガラス繊維のような無機材料とコポリマーとの相溶性を
改良することができる。
これらのコポリマーは、例えば樹脂改質剤として有用
である。例えば、それらはナイロン及びポリエステルの
ような加工プラスチックに添加することができ、柔軟性
の増加、脆性の減少及び耐衝撃性の増加を達成すること
ができる。
さらに、新規なコポリマーは、部分的に水素化し、及
び官能基により改質することにより、これらの官能基を
有するポリプロピレンを提供する。これらのポリプロピ
レンは、自動車の種々の部品、例えばバンパー、及びダ
ッシュボード、ドアトリム及びグローブコンパートメン
トのようなインテリアトリム部品の製造に使用され得
る。さらに、新規なコポリマーは、ポリオレフィンベー
スの接着剤、及びポリオレフィンベースの膜及びフィル
ム、例えば保護ラッピングとして使用されるものにも使
用され得る。
新規なコポリマーは、また、少量のエステル基のよう
な官能基を添加すると、塗料に対する受容性を著しく向
上することができる。さらに、新規なコポリマーは、架
僑して、耐熱性を高めることができる。これは、自動車
のエンジンのように熱源の近くで使用される場合に非常
に重要である。
さらに、新規なコポリマーは、トルエンまたはベンゼ
ンのような炭化水素溶媒、並びに、CHCl3またはCH2Cl3
のようなハロゲン化溶媒、及びTHFのような酸素含有溶
媒に溶解性である。この性質により、コポリマーは容易
に改質されるようになる。
このコポリマーは、濃縮されたコポリマー溶液(例え
ば、トルエンのような溶媒1ml中に1gのコポリマー)を
ガラス板に注ぎ、溶媒をポンプで除去し、薄いフィルム
を板上で乾燥させる、溶液流延法のような標準技術を用
いて、薄いフィルムに成形することができる。
他の実施態様 本発明を詳細な説明との関連で記載してきたが、前記
の記載は、説明のためのものであって、本発明の範囲を
限定するものでなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲
により定められるものであると理解されるべきである。
他の観点、利点及び変更も、下記の請求の範囲の範囲内
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ノバック,ブルース,エム. アメリカ合衆国,マサチューセッツ州 01002,アムハースト,オールド ファ ーム ロード 495 (72)発明者 中野 充 アメリカ合衆国,マサチューセッツ州 01002,アムハースト,リバーサイド ドライブ #ケイ 500 (56)参考文献 Chemical Abstract s vol.114(1991)82650,Che m.Pru (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 238/00 - 238/04 C08F 4/70 C08F 4/80 C08F 236/02 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式を有する、線状コポリマー。 (式中、R1〜R6は、独立して、H、アルキル、アリー
    ル、フェニルまたは置換されたフェニル、アルコキシ、
    またはアリールオキシであり;x+nは1〜10,000であ
    り、mは1〜10,000である)
  2. 【請求項2】前記コポリマーが、 (i)次式を有するアルキン R1−C≡C−R2 及び (ii)次式を有するアレン の混合物から製造される請求項1記載のコポリマー。
  3. 【請求項3】前記アルキルが、CaH2a+1(式中、aは1
    〜20である)である請求項1記載のコポリマー。
  4. 【請求項4】前記アルコキシが、OCaH2a+1(式中、aは
    1〜20である)である請求項1記載のコポリマー。
  5. 【請求項5】x+nが20〜2500であり、mが20〜2500で
    ある請求項1記載のコポリマー。
  6. 【請求項6】次式で表される請求項1記載のコポリマ
    ー。 (式中、n及びmは各々1〜10,000である)
  7. 【請求項7】前記アレンが未置換であり、前記アルキン
    がアセチレンである請求項2記載のコポリマー。
  8. 【請求項8】前記アレンが未置換であり、前記アルキン
    が1−ペンチンである請求項2記載のコポリマー。
  9. 【請求項9】前記アレンが未置換であり、前記アルキン
    が2−ペンチンである請求項2記載のコポリマー。
  10. 【請求項10】前記アレンが未置換であり、前記アルキ
    ンがフェニルアセチレンである請求項2記載のコポリマ
    ー。
  11. 【請求項11】前記アレンがCH3CH=C=CH2であり、前
    記アルキンがプロピンである請求項2記載のコポリマ
    ー。
  12. 【請求項12】溶媒中の次式の触媒の溶液を得ること (式中、Mはニッケルまたはパラジウムであり、Xは対
    イオンである); この溶液にアレンとアルキンの混合物を添加すること; この溶液を少なくとも−20℃の温度でコポリマーを製造
    する迄の時間攪拌すること;及び 前記コポリマーを前記溶液から単離することを含む、ア
    レンとアルキンのコポリマーの製造方法。
  13. 【請求項13】前記撹拌時間が少なくとも3時間である
    請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】前記温度が少なくとも40℃である請求項
    12記載の方法。
  15. 【請求項15】前記溶媒がトルエンである請求項12記載
    の方法。
  16. 【請求項16】前記対イオンがカルボキシレートまたは
    ハロゲンイオンであるか、またはハロゲン含有化合物で
    ある請求項12記載の方法。
  17. 【請求項17】前記カルボキシレートがアセテートまた
    はベンゾエートである請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】前記ハロゲンイオンがフッ素、塩素また
    は臭素である請求項16記載の方法。
  19. 【請求項19】前記触媒が[(η−アリル)Ni(トリ
    フルオロアセテート)](ANiTFA)である請求項12記
    載の方法。
  20. 【請求項20】アレンとアルキンのコポリマーの製造方
    法であって、 溶媒中の触媒の溶液を得ること、該触媒は下記式のジイ
    ミンリガンドのニッケルまたはパラジウム錯体である、 (式中、Mはニッケルまたはパラジウムを表し;Yはハロ
    ゲン、アルキルまたは溶媒であり、;R1及びR2は独立し
    てH、アルキル、アリール、フェニルまたは置換された
    フェニルであり、アルコキシまたはアリールオキシであ
    る); この溶液にアレンとアルキンの混合物を添加すること; この溶液を少なくとも−20℃の温度でコポリマーを製造
    する迄の時間攪拌すること;及び 前記コポリマーを前記溶液から単離することを含む方
    法。
  21. 【請求項21】R1とR2が同じである請求項20記載の方
    法。
  22. 【請求項22】前記触媒がカチオン型であり、メチルア
    ルミノキサンにより活性化される請求項20記載の方法。
  23. 【請求項23】前記触媒がカチオン型であり、アリール
    ホウ素アニオンにより活性化される請求項20記載の方
    法。
  24. 【請求項24】前記溶媒がジエチルエーテルである請求
    項20記載の方法。
  25. 【請求項25】石油クラッキングのC3H4副生成物の重合
    方法であって、前記副生成物を、請求項12記載の方法に
    おけるアレン・アルキン混合物として用いることを含む
    方法。
JP51558898A 1996-09-27 1996-09-27 アレン/アルキンコポリマー Expired - Fee Related JP3282825B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/US1996/015650 WO1998013400A1 (en) 1996-09-27 1996-09-27 Allene/alkyne copolymers

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000500824A JP2000500824A (ja) 2000-01-25
JP3282825B2 true JP3282825B2 (ja) 2002-05-20

Family

ID=22255883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51558898A Expired - Fee Related JP3282825B2 (ja) 1996-09-27 1996-09-27 アレン/アルキンコポリマー

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP3282825B2 (ja)
WO (1) WO1998013400A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023225216A1 (en) 2022-05-18 2023-11-23 University Of Houston System Fluorinated polymerization catalysts and methods of making and using the same

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4496700A (en) * 1983-08-08 1985-01-29 Union Carbide Corporation Polymerization of haloalkynes by a nickel catalyst

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Chemical Abstracts vol.114(1991)82650,Chem.Pru

Also Published As

Publication number Publication date
WO1998013400A1 (en) 1998-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yasuda Organo transition metal initiated living polymerizations
US6310163B1 (en) α-olefins and olefin polymers and processes therefor
Boffa et al. Bimetallic Samarium (III) Initiators for the Living Polymerization of Methacrylates and Lactones. A New Route into Telechelic, Triblock, and" Link-Functionalized" Polymers
JP3872808B2 (ja) 触媒組成物
JP2003510430A (ja) 加水分解性オレフィンコポリマー
Ricci et al. Polymerization of (Z)-1, 3-pentadiene with CpTiCl3/MAO. Effect of temperature on polymer structure and mechanistic implications
US5382634A (en) Terminal-modifed polyolefins
EP0786477B1 (en) Process for producing polyolefin having terminal functional group
DE69515697T2 (de) Blockcopolymere und verfahren zur herstellung
US20110313120A1 (en) Cyclobutene polymers and methods of making the same
JP3282825B2 (ja) アレン/アルキンコポリマー
KR20110008239A (ko) 아이소프렌계 중합체 환화물, 지환식 중합체 및 광학 수지
US5747618A (en) Allene/alkyne copolymers
JP3334650B2 (ja) 環状共役ジエン系重合体及びその重合方法
Chen et al. Synthetic rubbers prepared by lanthanide coordination catalysts
JP3207502B2 (ja) 共重合体の製造方法
JP2000500824A (ja) アレン/アルキンコポリマー
JPH0125490B2 (ja)
JP2004149704A (ja) 環状ジエン単量体、重合体、およびそれらの製造方法
JP2794891B2 (ja) エチレン―酢酸ビニル共重合体の製造方法
JPH0686482B2 (ja) 末端修飾プロピレン重合体及びその製造方法
JP3390523B2 (ja) オレフィンブロック共重合体
JPH0686483B2 (ja) 末端修飾プロピレン重合体及びその製造法
JP3947832B2 (ja) オレフィン系リビングポリマー製造用触媒及び同ポリマーの製造方法
JP2886906B2 (ja) ポリシクロペンテンおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees