JP3282556B2 - 多管式水管ボイラ - Google Patents

多管式水管ボイラ

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JP3282556B2
JP3282556B2 JP24996997A JP24996997A JP3282556B2 JP 3282556 B2 JP3282556 B2 JP 3282556B2 JP 24996997 A JP24996997 A JP 24996997A JP 24996997 A JP24996997 A JP 24996997A JP 3282556 B2 JP3282556 B2 JP 3282556B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多管式水管ボイ
ラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】多管式水管ボイラは、複数の水管によっ
て缶体が構成されている。この多管式水管ボイラには、
熱効率を高めるために種々のものが提案されている。
えば、複数の水管を環状に配列して内外二重の環状水
管壁を形成し、内側水管壁の内の空間を燃焼室とし
この内側水管壁と外側水管壁との間にガス通路を設け
ものがある。そして、前記内側水管壁の一部に開口部を
形成し、この開口部によって前記燃焼室と前記ガス通路
とを連通させてある。また、前記側水管壁には、前記
開口部からほぼ180°ずらせた位置に排ガス出口を形
成し、この排ガス出口によって前記ガス通路と煙道とを
連通させてある。
【0003】この多管式水管ボイラでは、前記燃焼室内
で発生した燃焼ガスは、前記側水管壁の内周面と主に
輻射による伝熱を行う。そして、燃焼ガスは、前記開口
部から前記ガス通路内流入し、前記ガス通路に面する
水管と主に対流による伝熱を行った後、前記排ガス出口
から排ガスとして排出される。
【0004】このような多管式水管ボイラでは、前記
口部が1箇所あるいは数箇所であり、燃焼ガスは前記
口部かって集中して流れる。そのため、前記開口部
近傍の各水管の熱負荷が高くなり、これらの水管には過
熱やスケール付着の問題が生じやすい。
【0005】また、前記ガス通路内流入した燃焼ガス
は、前記ガス通路に面する水管と伝熱を行うため、燃焼
ガスの温度は、下流側ほど低下する。そのため、燃焼ガ
スの体積は、前記ガス通路の下流側ほど減少する。通
常、この種の多管式水管ボイラにおいては、前記ガス通
路の流路断面積は、上流側から下流側までほぼ一様であ
るため、下流側ほど体積の減少にともなってガス流速が
低下する。したがって、前記ガス通路の下流側では、ガ
ス温度が低くガス流速の遅い燃焼ガスが流通するため、
熱回収量は大幅に低下する。すなわち、このような多管
式水管ボイラでは、多数の水管配置しているにもかか
わらず、下流側の各水管はほとんど熱回収には貢献しな
い。
【0006】また、ボイラの燃料として液体燃料特に
C重油などの低質油を用いる場合、前記ガス通路に面
る水管表面への煤付着も問題となる。すなわち、前
成の多管式水管ボイラにおいては、前記ガス通路の下流
側ほどガス流速が低下するため、煤が付着しやすくな
る。この煤の付着量が増えると前記ガス通路の圧損が上
昇し、バーナの着火性が低下するという問題も引き起こ
す。
【0007】そこで、前記ガス通路の下流側の水管での
熱回収量を増加させるために、前記ガス通路全体を狭く
し、前記内外水管壁間の間隔を狭いものとすると、上流
側での熱回収量が増加し、過熱の危険性が生じる。ま
た、この場合には、前記ガス通路での圧損が増加する
上、煤が少しでも付着すると圧損が大幅に増加するとい
う問題もあり、ボイラの運転に支障を来してしまう。す
なわち、前記内外水管壁間の間隔が狭いと、同じ煤の付
着量(厚み)であっても流路断面積の変化割合が大きく
なるためである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、多管式水管ボイラにおいて、各水管の熱
負荷を均一化するとともに煤の付着に関する諸問題を
解消することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、前課題を
解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明
は、複数の水管を環状に配列して第一水管壁を形成し、
この第一水管壁の内側に燃焼室を設けるとともに、前記
第一水管壁に開口部を形成し、前記第一水管壁の外側に
前記開口部から排ガス出口へ至るガス通路を設け、この
ガス通路内に複数の通路内水管を配置して、ガス流れ方
向に整列する通路内水管列を形成するとともに、前記ガ
ス通路の流路断面積を上流側を下流側より大きく設定
し、前記各通路内水管列において隣り合う前記各通路内
水管間の隙間を閉塞し、前記ガス通路内に前記各通路内
水管列によって形成された小ガス通路が合流する合流空
間を設けたことを特徴としている。
【0010】さらに、請求項2に記載の発明は、前記通
路内水管列は、前記ガス通路の上流側の第一領域におい
ては、この第一領域の下流側に隣接する第二領域よりも
列数を少なくし、この第二領域以降の下流側の領域では
ガス流れ方向下流側の列数を少なくしたことを特徴とし
ている。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて説明する。この発明は、蒸気ボイラや温水ボイラ
の他、熱媒を加熱する熱媒ボイラ適用される。
【0012】この発明に係る多管式水管ボイラは、つぎ
のような構成となっている。すなわち、複数の水管を環
状に配置して第一水管壁を形成し、この第一水管壁の内
側に燃焼室を設け、前記第一水管壁の外側にガス通路を
設けている。そして、前記第一水管壁に開口部を形成
し、この開口部によって前記燃焼室と前記ガス通路とを
連通させる。前記ガス通路は、前記開口部から排ガス出
口へ至るように形成されている。前記ガス通路の外郭
は、水管壁で構成することもできるが、実施に応じてボ
イラ外壁によって構成することもできる。ボイラ外壁に
よって構成する場合には、適宜の断熱部材を介在させる
のが好ましい。
【0013】ここにおいて、前記ガス通路をつぎのよう
に構成することができる。たとえば、前記開口部と前記
排ガス出口とを前記第一水管壁の周方向にほぼ180°
ずらせた位置に形成し、前記開口部から前記ガス通路へ
流入した燃焼ガスを互いに逆方向へ分岐させた後、前記
第一水管壁の外周に沿って互いに逆方向にほぼ半周ずつ
流通させる構成である。あるいは、前記開口部の周方向
の一端側において前記ガス通路を閉鎖し、前記開口部か
ら前記ガス通路へ流入した燃焼ガスを前記第一水管壁の
外周に沿って一方向へ流通させる構成である。
【0014】また、前記ガス通路内に複数の通路内水管
を配置するとともに、前記ガス通路の流路断面積を上流
を下流側より大きく設定している。前記ガス通路内に
は、前記ガス通路の流路断面積が下流側ほど小さくなる
ように、前記各通路内水管を配置する。この流路断面積
とは、前記水管前記各通路内水管との間に形成され
る流路のそれぞれの断面積の合計である。したがって、
前記ガス通路内において、前記流路のそれぞれの断面積
は、下流側ほど小さくする必要はくそれらの流路の
断面積は、適宜に調整することができる
【0015】前記構成によると、前記ガス通路内を燃焼
ガスが流通する過程において、燃焼ガスは、前記各水管
前記各通路内水管の伝熱によりその温度を低下し、
その体積も減少する。しかし、前記ガス通路は、下流側
ほどその流路断面積を小さく設定してあるため、燃焼ガ
スの体積が減少しても、流速の低下を抑制することがで
きる。さらに、流路断面積の調整を前記各通路内水管を
配置することによって行っているため、前記ガス通路内
の伝熱面積を大きくすることができ、燃焼ガスからの熱
回収量が増加する。
【0016】さらに、前記ガス通路の下流側において、
ガス流速の低下を抑制することができるため、この箇所
での煤付着を抑制することができる。加えて、前記
前記通路内水管との間に形成される流路のそれぞ
れの断面積は、下流側ほど小さくする必要がく、それ
らの流路の断面積は適宜に調整することができるため、
前記水管前記通路内水管の間隔を広げて、煤付
着に対して充分余裕のある間隔とすることができる。し
たがって、前記構成によれば、煤の付着を効果的に防止
して、圧損の増大や伝熱効率の低下を抑制することが
き、しかも煤が付着したとしても、圧損の増加を僅かに
抑えることができる。
【0017】また前記構成では、前記通路内水管を
前記ガス通路内のガス流れ方向に整列するように配置し
て通路内水管列を形成している。この通路内水管列は、
1乃至複数列設けている。このように、前記ガス通路内
前記通路内水管列を形成することにより、燃焼ガス
円滑に流れるように規制することができる。
【0018】また前記構成では、前記ガス通路の幅を
上流側を広く、下流側を狭く設定している。前記ガス通
路の幅は、上流側から下流側向けて、連続的に狭くな
るように設定することもできるし、段階的に狭くなるよ
うに設定することもできる。前記ガス通路の幅をこのよ
うに設定するには、前記ガス通路を挟んで対向する水管
間の間隔が下流側のものほど狭くなるように水管を配置
することで実現することができる。あるいは、前記ガス
通路を画成する水管のうち上流側のものを前記ガス通路
の外側向けて偏位させることで実現することができ
る。このように前記ガス通路の幅を設定すると、前記ガ
ス通路内の流路断面積の設定を容易に行うことができ、
さらに前記通路内水管列の列数の設定を容易に行うこと
ができる。
【0019】また前記構成では、前記各通路内水管列
は、燃焼ガスの流れ方向上流側ほど列数を多く設定す
る。この構成によると、前記ガス通路の上流側では、
通路内水管列の列数を多く設定してあるので、流路断
面積当りの伝熱面積が大きく、前記各水管および前記各
通路内水管の1本当りの熱負荷が小さくなる。したがっ
て、前記ガス通路上流側における前記各水管や前記
通路内水管における熱負荷の集中を緩和することができ
る。また、前記構成では、前記ガス通路下流側での熱
回収量を増加させており、前記ガス通路に面する前記
水管や前記各通路内水管の熱負荷が均一化するため、全
ての伝熱面を有効に利用し、全体として熱効率が向上す
る。
【0020】また前記構成では、前記各通路内水管列
において、隣り合う前記各通路内水管間の隙間を閉鎖し
ている。の隙間を閉鎖するには、前記各通路内水管同
士を密接させて配置した構成とする。あるいは、隣り合
前記各通路内水管を所定の隙間をおいて配置し、
隙間を他の部材(ヒレ状部材など)で閉鎖した構成とす
る。このように、隣り合う前記各通路内水管間の隙間を
閉鎖することにより、船舶の主機などの振動源からの振
動が、前記各通路内水管伝わっても、前記各通路内水
管同士が共振するのを互いに抑制しあうので、この共振
による前記各通路内水管の損傷を防止することができ
る。
【0021】さらに、前記構成では、前記ガス通路内に
おいて、前記各通路内水管列によって画成された小ガス
通路が合流する合流空間を形成している。この合流空間
は、上流側の小ガス通路から燃焼ガスが合流し、下
流側の小ガス通路へほぼ均等に燃焼ガスを分配するも
のである。前記合流空間により、前記各小ガス通路内で
のガス流速をほぼ均一に保つことができる。また、前記
各通路内水管列の列数の変更部にも前記合流空間が設け
れるが、前記合流空間は、上流側の流路数の多い小ガ
ス通路から下流側の流路数の少ない小ガス通路燃焼ガ
スを均等に分配する。さらに、前記合流空間は、前記
ス通路が湾曲状や環状のものにおいて、前記各小ガス通
路のうち内周側のものと外周側のものとでの流路長の違
いによる圧力低下量の差を吸収する。すなわち、前記
小ガス通路のうち外周側のものほど流路長が長いため、
圧力低下が大きく、また内周側のものに比べて燃焼ガス
が若干流れ難くなる。そこで、前記合流空間を設けるこ
とにより、圧力低下量の差を吸収して、燃焼ガスを同じ
圧力で前記各小ガス通路内流入させることができ、
各小ガス通路内においてもガス流速を均一化すること
できる。
【0022】ところで前記構成においては、つぎのよ
うな構成とすることもできる。前記通路内水管列は、前
記ガス通路の上流側の第一領域においては、この第一領
域の下流側に隣接する第二領域よりも列数を少なくし、
この第二領域以降の下流側の領域ではガス流れ方向下流
側の列数を少なくしている。すなわち、前記ガス通路の
幅を上流側を広く、下流側を狭く設定し、前記第一領
は、隣接する前記第二領域よりも前記通路内水管列の
列数を少なく設定しているため、前記第一領域では流路
断面積が大幅に大きくなっている。そのため、前記第一
領域でのガス流速は大幅に低下するため、前記第一領域
において、前記各水管や前記各通路内水管の過熱を防止
することができる。ここで、この構成では、前記第一領
域において、前記各水管や前記各通路内水管の過熱を防
止するために熱回収量が低下するが、後続の前記第二領
域以降の領域においては、前記のように前記各通路内水
管の列数を上流側ほど多く設定し、流路断面積を下流側
ほど小さく設定しているため、全体として十分な熱回収
量を得ることができる。
【0023】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。まず、この発明を自然循環式水管
ボイラに適用した第一実施例について、図面を参照しな
がら説明する。図1は、この発明の第一実施例の縦断面
の説明図であり、図2は、図1のII−II線に沿う断面の
説明図である。
【0024】図1および図2において、ボイラの缶体1
は、所定の距離を離して配置した上部管寄せ2および下
部管寄せ3と、この上部管寄せ2と下部管寄せ3との間
に配置した複数の水管4,4,…とで構成されている。
前記上部管寄せ2は、断面角型の環状をなす中空容器
で、頂壁部と底壁部とを貫通するようにして固定した複
数のステー部材5,5,…を備えている。前記上部管寄
せ2のほぼ中央には、バーナ6を取り付けてある。前記
下部管寄せ3は、円筒状の中空容器で、同様に頂壁部と
底壁部とを貫通するようにして固定した複数のステー部
材7,7,…を備えている。
【0025】前記水管のうち、最内周側に位置する
各水管4は、互いに密接状態でほぼ環状に配置されて第
一水管壁8を構成している。また、前記水管のう
ち、最外周側に位置する各水管4は、互いに密接状態で
ほぼ環状に配置されて第二水管壁9を構成している。前
記第一水管壁8の内側は、燃焼室10が設けられてい
る。また、前記第一水管壁8と前記第二水管壁9との間
には、環状のガス通路11が設けられている。
【0026】前記燃焼室10と前記ガス通路11とは、
前記第一水管壁8の一箇所に形成した開口部12によっ
て連通している。また、前記第二水管壁9には、排ガス
出口13を形成してある。この排ガス出口13は、前記
開口部12に対して前記第一水管壁8の周方向にほぼ1
80°ずらせた位置としてある。
【0027】前記ガス通路11内には、複数の通路内水
管14,14,…を配置し、これらの通路内水管14に
よって、複数の通路内水管列15,15,…を構成して
いる。これらの各通路内水管列15は、前記ガス通路1
1内の燃焼ガスの流れ方向に沿って整列してあり、前記
ガス通路11の上流側では2列配置し、下流側では1列
配置している。ここで、前記各通路内水管列15は、隣
り合う前記各通路内水管14同士を密接して配置し、隣
り合う前記各通路内水管14間の隙間を塞いだ構成とし
てある。そして、前記各通路内水管列15は、前記ガス
通路11を径方向に区画して複数の小ガス通路16,1
6,…を形成している。前記ガス通路11内における流
路断面積すなわち前記各小ガス通路16の流路断面積
の合計は、下流側ほど小さくなるように設定している。
この流路断面積の調整は、燃焼ガスが、伝熱によって温
度低下し体積が減少しても、ガス流速を一定に維持し得
るように設定する。
【0028】以下では、前記各通路内水管列15の配置
要領と前記ガス通路11の流路断面積の設定要領につい
て説明する。ここで、この第一実施例では、前記ガス通
路11の構成および前記各通路内水管列15の配置は、
ほぼ対称(図2では上下対称となる)であり、前記ガス
通路11内を流れる燃焼ガスもほぼ対称的な流れとなる
ように構成している。そこで、前記設定要領について
は、前記ガス通路11の一方側(図2の上方側)につい
て詳細に説明する。
【0029】この第一実施例においては、図2に示すよ
うに、前記ガス通路11を前記開口部12側から前記
ガス出口13側かっ第一領域A,第二領域B,
第三領域Cおよび第四領域Dの4つの領域に分けてあ
る。これらの各領域A〜Dは、前記第二水管壁9の中心
を原点とし、前記開口部12側から順に、約30°,4
0°,50°,60°の範囲である。
【0030】前記通路内水管列15は、前記開口部12
側の前記第一領域Aおよびつぎ前記第二領域Bにおい
ては、2列であり、前記第三領域Cおよび前記第四領域
Dにおいては、1列である。したがって、前記各小ガス
通路16は、前記第一領域Aおよび前記第二領域Bでは
3通路であり前記第三領域Cおよび前記第四領域Dで
は2通路となっている。前記各小ガス通路16は、前記
各領域A〜Dのそれぞれにおける最小隙間前記第一
領域Aから順に、3.0cm,2.5cm,3.0cm,2.
5cmとしている。また、前記ガス通路11の高さは約3
38cmである。したがって、前記各領域A〜Dにおける
流路断面積は、前記各領域A〜Dにおける前記各小ガス
通路16の通路数を加味すると、前記第一領域Aから順
に、3042cm2 ,2535cm2 ,2028cm2 ,16
90cm2 と段階的に順次小さくなっている。
【0031】ここで、前記各領域A〜D内の1つ1つの
前記各小ガス通路16に着目すると、前記各小ガス通路
16の流路断面積が必ずしも下流側ほど小さくはなって
いない。この第一実施例においては、前記第一領域Aお
よび前記第三領域Cの小ガス通路16の流路断面積が一
番大きく、前記第二領域Bおよび前記第四領域Dの小ガ
ス通路16の流路断面積が一番小さくなっている。すな
わち、前記各領域A〜Dにおける前記各小ガス通路16
ごとの流路断面積が、段階的に小さくなる必要はなく、
前記各領域A〜Dごとの前記各小ガス通路16の流路断
面積の合計が、段階的に小さくなるように設定する。
【0032】ここで、この第一実施例においては、前記
第一領域Aおよび前記第二領域Bにおける前記各水管4
前記第一水管壁8の内側向けて移動させて配置し、
前記第一水管壁8と前記第二水管壁9との間隔を、前記
開口部12側が広く、前記排ガス出口13側が狭くなる
ようにしている。すなわち、前記ガス通路11の幅を上
流側が広く、下流側が狭くなるように設定している。こ
のように設定することにより、前記ガス通路11の上流
側の前記通路内水管列15の列数を多く設定すること
や、流路断面積を大きく設定することを容易に行うこと
ができる。
【0033】また、前記各領域A〜Dの境界部には合流
空間17,17,…をそれぞれ形成してある。これら
合流空間17は、前記各領域A〜Dの境界部において
前記各通路内水管列15同士が接触しない(前記各通路
内水管14が存在しない)空間である。
【0034】以上の構成において、前記バーナ6を作動
させると、前記燃焼室10内には高温の燃焼ガスが発生
する。この燃焼ガスは、前記開口部12から前記ガス通
路11内流入する。このときの燃焼ガスは、高温であ
り体積も大きいが、前記ガス通路11の上流側では、流
路断面積を大きく設定してあるため、従来のボイラに比
べてガス流速が低下する。また、前記ガス通路11の上
流側では、前記各通路内水管列15の列数が多いため、
流路断面積当りの伝熱面積が大きくなっている。したが
って、前記ガス通路11の上流側では、燃焼ガスの流
を低減し、しかも広い伝熱面積で受熱するため、水管1
本当りの熱負荷が減少する。この燃焼ガスは前記ガス通
路11内を流通する過程において、前記第一水管壁8や
前記各通路内水管列15の伝熱によりその温度低下
し、その体積も減少する。しかし前記ガス通路11
は、下流側ほどその流路断面積を小さく設定してあるた
め、燃焼ガスの体積が減少しても、ガス流速の低下を
することができる。
【0035】したがって、前の伝熱面積の調整と流路
断面積の調整により、前記ガス通路11上流側の前記
各水管4や前記各通路内水管14においては過熱を防
止し、下流側の前記各水管4や前記各通路内水管14に
おいては熱回収量を増加させることができ、前記各水
管4および前記各通路内水管14の熱負荷が均一化す
る。また、前記ガス通路11下流側での前記各水管4
および前記各通路内水管14の熱回収効率が改善される
ので、全ての伝熱面を燃焼ガスからの熱回収に有効に利
用できる。
【0036】さらに、前記ガス通路11の下流側におい
て、ガス流速の低下を抑制することができるから、この
箇所での煤付着を抑制することができる。さらに加え
て、前記各小ガス通路16の流路断面積は、下流側ほど
小さくする必要がく、前のようにそれらの流路断
面積は適宜に調整することができるため、煤付着のおそ
れのある箇所においては、前記水管4前記通路内
水管14の間隔を広げて、煤付着に対して充分余裕の
ある間隔とすることができる。したがって、前記構成
よれば、煤の付着を効果的に防止して、圧損の増大や伝
熱効率の低下を抑制することができ、しかも煤が付着し
たとしても、圧損の増加を僅かに抑えることができる。
そのため、前記バーナへの送風量の大幅な低下や、
バーナの着火性の低下のような支障生じることな
く、長期間にわたって、ボイラを安定して運転すること
できる。
【0037】ここで、この第一実施例の多管式水管ボイ
ラは、前記第二水管壁9における前記各水管4のピッチ
円の直径を約257cmとし、前記各水管4および前記
通路内水管14として外径約6.0cmのものを用いるこ
とにより、蒸発量20t/H を達成している。一方、従来
の流路断面積を一様とした多管式水管ボイラでは、前記
第二水管壁におけるピッチ円の直径を同じとし、また
前記各水管および前記各通路内水管14も外径同じ
ものを使用した場合、13t/H 程度が上限である。した
がって、この第一実施例の多管式水管ボイラでは従来
構造と同じ外径寸法で、蒸発量を約50%増加させるこ
とができる。また、この第一実施例において、前記第一
領域Aの上流側での燃焼ガスの温度を1100℃,ガス
流速を50m/s に設定した場合に、前記第四領域Eの下
流端での燃焼ガスの温度は280℃程度であり、ガス流
速は36m/s であった。ここで、従来の流路断面積を一
様とした多式水管ボイラでは、前記ガス通路11の
流側での燃焼ガスの温度とガス流速を同じに設定した場
合、前記ガス通路11の下流側での燃焼ガスの流速は2
0m/s まで低下する。このことからしても、この第一実
施例では、前記ガス通路11の下流側でのガス流速の低
が抑制され、熱回収量が大幅に増加していることが分
かる。
【0038】さらに、前記各合流空間17内は、上流
側の前記各小ガス通路16からの燃焼ガスが流れ込み、
そして下流側の前記各小ガス通路16内ほぼ均等に分
配されて流入ため前記各合流空間17の上流側お
よび下流側において、前記各小ガス通路16の通路数が
異なっても、前記各小ガス通路16燃焼ガスを均等に
して流通させることができる。また、前記各小ガス
通路16は、内周側のものと外周側のものとでは流路長
が異なるため、同じ領域の前記各小ガス通路16を燃焼
ガスが通過しても圧力の低下量が異なる。また、前記流
路長の違いにより、圧損も異なり、流路長が長く圧損の
大きい外周側の小ガス通路16のほうが燃焼ガスが流れ
くなる。そこで、前記合流空間17を設けることに
より、前記各小ガス通路16内で生じた圧力の低下量の
差を均一化した上で、燃焼ガスを下流側の前記各小ガス
通路16流入させることにより、前記ガス通路11全
体において燃焼ガスの流れに偏りが生じるのを防止し、
ガス流速を均一化することができる。
【0039】ところで、この第一実施例においては、前
記第一水管壁8における前記開口部12周辺の部分で
は、前記第一水管壁8の中心向けて前記各水管4を
させて配置してあるが、前記第一水管壁8を前記排ガ
ス出口13側偏心させることにより、前記第一水管壁
8を滑らかな環状の配置とすることもできる。
【0040】また、この第一実施例では、前記各水管4
および前記各通路内水管14を密接配置している。その
ため、このような構成の多管式水管ボイラを舶用ボイラ
として適用する場合には、主機からの振動が、前記各水
管4や前記各通路内水管14伝わっても、密接してい
前記各水管4同士および前記各通路内水管14同士が
共振するのを互いに抑制しあうので、この共振による
各水管4や前記各通路内水管14の損傷を防止するこ
とができる。
【0041】つぎに、この発明の第二実施例について、
図3を参照しながら説明する。図3は、この発明の第二
実施例の横断面の説明図であり、図2と対応する所の
断面を示すものである。以下の第二実施例の説明におい
て、前記第一実施例と同様の構成部材には、同一の参照
番号を附してその詳細説明を省略する。
【0042】この第二実施例では、前記第一領域Aにお
ける前記通路内水管列15の列数を1列とし、前記小
ス通路16を2通路として、前記第一領域Aにおける流
路断面積を拡大している。この第二実施例においても、
前記ガス通路11における流路断面積の設定は、前記
一実施例と同様に行う。すなわち、前記各領域A〜Dの
最小隙間は、第一領域Aから順に、6.7cm,2.5c
m,3.5cm,2.5cmである。また、前記ガス通路1
1の高さは、340cmである。したがって、前記各領域
A〜Dにおける流路断面積は、前記各領域A〜Dにおけ
る小ガス通路16の通路数を加味すると、前記第一領域
Aから順に、4388cm2 ,2550cm2,2380cm
2 ,1700cm2 と段階的に順次小さくなっている。こ
こで、前記各領域A〜Dは、前記第一実施例と同様、
記開口部12側から順に約30°,40°,50°,6
0°の範囲としてある。
【0043】この第二実施例では、前記第一領域Aにお
ける前記各通路内水管列15を1列とし、その分、流路
断面積を大きく設定している。この構成により、前記第
一領域Aでは、燃焼ガスの流速は、前記第一実施例の場
合よりも低下するため、前記各水管前記各通路内水
14の1本当りの熱負荷が減少する。そのため、前記
バーナ6として大きな出力のものを用いても、前記第一
領域Aにおける前記各水管4や前記各通路内水管14が
過熱するのを防止することができる。
【0044】ここで、以上の各実施例の説明において
は、具体的数値を挙げて説明しているが、この発明は、
そのような実例例に限定されるものではなく、発明の実
施に応じて適宜変更することができる。
【0045】
【発明の効果】この発明によれば、ガス通路の下流側に
おけるガス流速の低下を抑制することができるため、
ガス通路の下流側に位置する各水管や各通路内水管に
おける伝熱量を向上させることができる。また、前記
ス通路内の流路断面積の調整は、前記各通路内水管を配
置することによって行われるため、前記ガス通路内の伝
熱面積を大きくすることができ、燃焼ガスからの熱回収
量を増加させることができる。
【0046】また前記ガス通路の下流側において、ガ
ス流速の低下を抑制することができるため、この箇所で
の煤付着を抑制することができる。加えて、各小ガス通
流路断面積は、下流側ほど小さくする必要がく、
それらの流路断面積は適宜に調整することができるた
め、前記水管前記通路内水管の間隔を広げて、
煤付着に対して充分余裕のある間隔とすることができ
る。したがって、この発明によれば、煤の付着を効果的
に防止して、圧損の増大や伝熱効率の低下を抑制するこ
とができ、しかも煤が付着したとしても、圧損の増加を
僅かに抑えることができるため、バーナへの送風量の大
幅な低下や、バーナの着火性の低下のような支障が生じ
ることなく、長期間にわたって、ボイラを安定して運転
することができる。
【0047】また、前記ガス通路上流側における前記
各水管や前記各通路内水管における熱負荷の集中を緩和
することができるため、熱負荷均一化することができ
。そのため、伝熱面を有効に利用し、全体として熱効
向上させることができる
【0048】さらに、合流空間を設けることにより、前
記ガス通路全体において燃焼ガスの流れに偏りが生じる
のを防止し、ガス流速を均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例の縦断面の説明図であ
る。
【図2】図1のII−II線に沿う断面の説明図である。
【図3】この発明の第二実施例の横断面の説明図であ
る。
【符号の説明】
4 水管 8 第一水管壁 10 燃焼室 11 ガス通路 12 開口部13 排ガス出口 14 通路内水管 15 通路内水管列 16 小ガス通路 17 合流空間A 第一領域 B 第二領域

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の水管4,4,…を環状に配列して
    第一水管壁8を形成し、この第一水管壁8の内側に燃焼
    室10を設けるとともに、前記第一水管壁8に開口部1
    2を形成し、前記第一水管壁8の外側に前記開口部12
    から排ガス出口13へ至るガス通路11を設け、このガ
    ス通路11内に複数の通路内水管14,14,…を配置
    して、ガス流れ方向に整列する通路内水管列15,1
    5,…を形成するとともに、前記ガス通路11の流路断
    面積を上流側を下流側より大きく設定し、前記各通路内
    水管列15において隣り合う前記各通路内水管14間の
    隙間を閉塞し、前記ガス通路11内に前記各通路内水管
    列15によって形成された小ガス通路16が合流する合
    流空間17を設けたことを特徴とする多管式水管ボイ
    ラ。
  2. 【請求項2】 前記通路内水管列15は、前記ガス通路
    11の上流側の第一領域Aにおいては、この第一領域A
    の下流側に隣接する第二領域Bよりも列数を少なくし、
    この第二領域B以降の下流側の領域ではガス流れ方向下
    流側の列数を少なくしたことを特徴とする請求項1に記
    載の多管式水管ボイラ。
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