JP3282310B2 - ディーゼルエンジンの排気後処理装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの排気後処理装置

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JP3282310B2
JP3282310B2 JP23385493A JP23385493A JP3282310B2 JP 3282310 B2 JP3282310 B2 JP 3282310B2 JP 23385493 A JP23385493 A JP 23385493A JP 23385493 A JP23385493 A JP 23385493A JP 3282310 B2 JP3282310 B2 JP 3282310B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はディーゼルエンジンの
排気後処理装置、特にヒーターの通電制御に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンから排出されるパー
ティキュレートを排気通路に設けたフィルターで捕集す
るものでは、このフィルターにパーティキュレートが堆
積するにつれ排気通路での圧力損失が増加し、加速時の
運転性に与える影響が大きくなるため、圧力損失が所定
値以上になるとフィルターの再生を行う必要がある。
【0003】このため、圧力損失を実際に検出してある
いは運転の履歴から再生の時期になると、このフィルタ
ーをヒーターで加熱してパーティキュレートを燃焼温度
まで高めることで、フィルターに堆積したパーティキュ
レートを焼却除去するのである。
【0004】しかしながら、ヒーターは大きな電流を消
費することから、ヒーターへのバッテリーからの通電中
(フィルターの再生中)に、ヘッドライトなどの運転に
必須の電装品を作動させることは、バッテリーへの大き
な負担となるので、実開昭59−168541号公報で
は、運転に必須の電装品を作動させるときには、フィル
ターの再生途中でもヒーターへの通電を停止したりヒー
ターへの通電量を低減している。
【0005】一方、実開昭60−72916号公報のよ
うに、フィルターの再生中にライトの点灯や運転条件
(エンジン回転数)に応じてヒーターへの通電量を制御
するほか、再生の時期に到達したタイミングで、バッテ
リーの端子電圧が所定値以上(または電流値が所定値以
下)であること、およびスターターモーター、グロープ
ラグ、インテークヒーターなどの負荷の大きな電装品へ
の通電がなされていないことを確認の上、ヒーターへの
通電を許可するものもある。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、再生時
期の到達タイミングで再生開始を行うかどうかの判断に
ついて、それ以前の発電状態が考慮されていないため、
通電を開始できる機会を逃す結果となっている。たとえ
ば、再生時期の到達タイミングにいたるまでの所定期間
のあいだ、発電量に余裕のある運転条件が多く生じたと
きは、再生時期の到達タイミング以降もこの状態が継続
されるであろうと予測されるので、このような状況のと
きは、電力供給源に少しは負担を強いる条件であって
も、通電を許容できるわけである。
【0011】
【0012】そこでこの発明は、再生時期の到達タイミ
ング以前での運転状態にもとづいても再生を開始するか
どうかを判断することにより、再生開始の機会が増やさ
れるようにすることなどを目的とする。
【0013】
【0014】
【0015】
【課題を解決するための手段】の発明は、図に示
すように、パーティキュレートを捕集するフィルター再
生用の電気負荷(たとえばヒーター)32と、このフィ
ルター再生用の電気負荷32以外の電気負荷量A ou
tを検出するセンサ36と、発電機の発電量Th Aを
運転条件信号(エンジン回転数Neと冷却水温Tw)に
応じて算出する手段37と、運転条件信号に応じて再生
時期になったかどうかを判定する手段33と、この判定
結果より再生時期でないとき前記発電量Th Aと前記
フィルター再生用の電気負荷32以外の電気負荷量A
outの差を計算する手段51と、この差X(=Th
A−A out)に応じて充電か放電かを判定する手段
52と、この判定結果より充電のときはバッテリーの充
電特性を用いて充電後のバッテリー電圧を、また放電の
ときはバッテリーの放電特性を用いて放電後のバッテリ
ー電圧をそれぞれ予測する手段53と、前記差Xにもと
づいて再生時期の到達タイミングに至る所定期間のあい
だに発電機の発電に余裕のある運転条件が生じた頻度Z
を検出する手段61と、前記再生時期の到達タイミング
であるかどうかを判定する手段54と、この判定結果よ
り再生時期の到達タイミングで前記バッテリー予測電圧
Pr Vbと前記差Xにもとづいてバッテリーと発電機
からなる電力供給源に負担を強いる条件であるかどうか
を判定する手段62と、この判定結果より電力供給源に
負担を強いる条件で前記頻度Zが所定値Cを越えている
かどうかを判定する手段63と、この判定結果より前記
頻度Zが所定値Cを越えているとき前記フィルター再生
用の電気負荷32への通電を行う手段64とを設けた。
【0016】第の発明は、第1の発明の前記通電手段
64は、排気温度の高い条件でヒーターへの通電期間を
短縮する。
【0017】第の発明は、図21に示すように、パー
ティキュレートを捕集するフィルター再生用の電気負荷
(たとえばヒーター)32と、このフィルター再生用の
電気負荷32以外の電気負荷量A outを検出するセ
ンサ36と、発電機の発電量Th Aを運転条件信号
(エンジン回転数Neと冷却水温Tw)に応じて算出す
る手段37と、運転条件信号に応じて再生時期になった
かどうかを判定する手段33と、この判定結果より再生
時期でないとき前記発電量Th Aと前記フィルター再
生用の電気負荷32以外の電気負荷量A outとの差
Xを計算する手段51と、この差X(=Th A−A
out)に応じて充電か放電かを判定する手段52と、
この判定結果より充電のときはバッテリーの充電特性を
用いて充電後のバッテリー端子電圧を、また放電のとき
はバッテリーの放電特性を用いて放電後のバッテリー端
子電圧をそれぞれ予測する手段53と、前記差Xにもと
づいて再生時期の到達タイミングに至る所定期間のあい
だに発電機の発電に余裕のある運転条件が生じた頻度Z
を検出する手段61と、前記再生時期の到達タイミング
であるかどうかを判定する手段54と、この判定結果よ
り再生時期の到達タイミングで前記バッテリー予測電圧
Pr Vbと前記差Xにもとづいてバッテリーと発電機
からなる電力供給源に負担を強いる条件であるかどうか
を判定する手段55と、この判定結果より電力供給源に
負担を強いる条件で前記頻度Zが所定値Cを越えている
かどうかを判定する手段63と、この判定結果より前記
頻度Zが所定値Cを越えていないとき前記再生時期の到
達タイミングでのバッテリー予測電圧Pr Vbと前記
差Xにもとづいて前記電力供給源から短期間の通電を行
うことが許容できるかどうかを判定する手段71と、こ
の判定結果より電力供給源から短期間の通電を行うこと
が許容できるときは排気温度の高い条件に限って通電期
間を短縮して前記フィルター再生用の電気負荷32への
通電を行う手段72とを設けた。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【作用】 電力供給源に負担を強いる条件であっても、頻
度Zが所定値Cを越えることより、再生時期の到達タイ
ミングに至る所定期間のあいだに発電機の発電に余裕の
ある運転条件が多く生じたときは、再生時期の到達タイ
ミングからもこの状態が継続される可能性が高いと予測
されることから、第の発明で電力供給源に負担を強い
る条件であって頻度Zが所定値Cを越えるとき通電が行
われると、再生開始の機会が増やされる。再生時期の到
達タイミング以前での発電状態にもとづいても再生開始
を判断することで、再生開始の機会を増やし、これによ
って再生時期の到達タイミングでの通電停止をできるだ
け回避し、フィルターへのパーティキュレートの過剰堆
積による燃費の悪化や次の再生時でのフィルターの焼損
を避けるのである。
【0023】第の発明で、再生時期の到達タイミング
で通電を開始する場合に、排気温度の高い条件で通電期
間が短くされると、第1の発明の作用に加えて、無駄な
電力消費が抑えられる。
【0024】第の発明で、頻度Zが所定値Cを越えな
いことより、再生時期の到達タイミングに至る所定期間
のあいだに発電機の発電に余裕のある運転条件が少なか
ったときでも、短期間であれば通電を行うことができる
と判断されるときは、排気温度の高い条件に限って通電
時間を短くした通電を行うことで、通電開始の機会が増
やされる。この発明でも、再生時期の到達タイミングで
の通電開始の機会を増やすことで、再生時期の到達タイ
ミングでの通電停止をできるだけ回避し、フィルターへ
のパーティキュレートの過剰堆積による燃費の悪化や次
の再生時でのフィルターの焼損を避けるわけである。
【0025】
【実施例】図2において、排気通路2が2つに分岐さ
れ、各分岐通路2A,2Bにエンジン1からのパーティ
キュレートを捕集するフィルター3A,3Bが配置され
る。フィルター3A,3Bは3次元網目状に形成した付
着捕集タイプである。
【0026】分岐通路2Aにはまた、フィルター3Aの
後流にバタフライ型の絞り弁4Aが設けられ、この絞り
弁4Aは図示しない駆動装置により開閉される。この駆
動装置は、たとえば絞り弁4Aと連結されるダイヤフラ
ムアクチュエータと、このダイヤフラムアクチュエータ
への制御圧力を切換える三方電磁弁とからなり、電磁弁
がOFFの状態では絞り弁4Aが全開位置にあるが、電
磁弁をOFFからONにすると、ダイヤフラムアクチュ
エータの圧力室に大気圧に代えて一定圧の負圧が導入さ
れ、絞り弁4Aがほぼ全閉位置まで閉じられる。
【0027】フィルター3Aのすぐ前面にはヒーター6
Aが設けられ、ヒーターリレー7Aを介してヒーター6
AがONにされると、バッテリー8からの電流がヒータ
Aを流れ、フィルター3Aに堆積したパーティキュ
レートが燃焼できる温度にまでフィルター3Aが加熱さ
れる。
【0028】同様にして、残りの分岐通路2Bの側に
も、ヒーター6B、ヒーターリレー7B、絞り弁4B、
絞り弁駆動装置(図示しない)が設けられ、絞り弁4
A,4Bの下流で2つの分岐通路2A,2Bが合流され
ている。
【0029】このように、排気通路を2つに分岐してそ
の各分岐通路2Aと2Bにフィルター3Aと3Bをそれ
ぞれ配置した構成は公知で、マイコンピュータからなる
コントロールユニット1では、再生の時期になると、一
方の分岐通路を遮断して他方の分岐通路に排気のほとん
どを流し、遮断された通路側のフィルターを再生すると
ともに、再生中に流れる排気のパーティキュレートは、
遮断されなかった通路側のフィルターで捕集する。排気
の遮断された側のフィルターの再生が終了すると、次の
再生時には前回の再生時に排気を流していたほうの分岐
通路を遮断してその通路のフィルターを再生し、このフ
ィルターの再生中に流れる排気のパーティキュレート
は、前回に再生の終了したほうのフィルターで捕集する
のである。
【0030】一方、電力供給源はバッテリー8とこれに
並列接続されるオルタネーター(発電機)9とからな
り、オルタネーター9の発電量が電気負荷量より少ない
と、バッテリー8が電源として働いて放電し、発電量が
電気負荷量より多いときはオルタネーター9だけが電源
として働くとともに、オルタネーター9によりバッテリ
ー8が充電されるのであるが、スターターモーター1
0、グロープラグ11、その他の電装品(たとえばエア
コンディショナーやヘッドライトなど)12とヒーター
AまたはBとが同時にONになると、バッテリー8
への負担が過大になることがあるので、一定の条件では
ヒーターへの通電を停止したり、通電量を制限すること
が考えられる。13,14,15はスイッチである。
【0031】この場合に、再生中の電装品の使用状態や
実際のバッテリー電圧だけからヒーターへの通電を停止
するかどうかや通電量を制限するかどうかを判断したの
では、通電を停止しなくともよい条件で通電停止や通電
量の制限が行われ、また再生時期の到達タイミングでの
運転条件でだけ通電を開始するかどうかを判断したので
は、通電を開始できる条件でありながら通電が開始され
ないことがあり、これらの条件では、不十分な再生によ
り燃費の悪化やフィルターの溶損を招いたり、無駄な電
力消費が生じる。
【0032】これに対処するため、コントロールユニッ
ト1では、 (1)再生中;オルタネーター15の出力電流値(発電
量)Th Aからヒーターを流れる電流値(電気負荷
量)Heat Aと残りの電装品10,11,12を流
れる電流値A outとを差し引いた値Y(=Th
−Heat A−A out)から充電か過放電かを判
定し、この判定結果より充電のときはバッテリーの充電
特性を用いて充電後のバッテリー電圧を、また過放電の
ときはバッテリーの過放電特性を用いて過放電後のバッ
テリー電圧を予測し、このバッテリー予測電圧Pr Vb
とYの値にもとづいて電力供給源に過大な負担を強いる
条件であるかどうかを判定し、この判定結果より電力供
給源に過大な負担を強いる条件になるとヒーターへの通
電を停止する。
【0033】(2)再生時期到達タイミング; 再生時期の到達以前に、オルタネーターの出力電流値
Th Aからヒーター以外の電装品10,11,12を
流れる電流値A outを差し引いた値X(=Th
−A out)から充電か放電かを判定し、この判定結
果より充電のときはバッテリーの充電特性を用いて充電
後のバッテリー電圧を、また放電のときはバッテリーの
放電特性を用いて放電後のバッテリー電圧を予測してお
き、再生時期の到達タイミングでのバッテリー予測電圧
Pr VbとXの値にもとづいて電力供給源に余裕のあ
る条件であるかどうかを判定し、この判定結果より電力
供給源に余裕のある条件ではヒーターへの通電を行う。
【0034】 において再生時期の到達タイミング
にいたる所定期間のあいだに発電に余裕のある運転条件
が生じた頻度Zを検出しておき、再生時期の到達タイミ
ングで電力供給源に負担を強いる条件であっても、頻度
Zが所定値Cを越えているときはヒーターへの通電を行
う。
【0035】 とでヒーターへの通電を行う場合
に、さらに排気温度の高い条件であるかどうかをみて、
排気温度の高い条件のときは通電期間を短くする。
【0036】 において頻度Zが所定値Cを越えな
いときでも、再生時期の到達タイミングでのバッテリー
予測電圧Pr VbとXの値にもとづいて電力供給源か
ら短期間の通電を行うことが許容できるかどうかを判定
し、この判定結果より電力供給源から短期間の通電を行
うことが許容できるときは排気温度の高い条件に限って
通電期間を短縮してヒーターへの通電を行う。
【0037】これらの制御のため、バッテリー電圧(バ
ッテリー端子電圧)Vbを検出するセンサ17、ヒータ
ーを流れる電流値を検出するセンサ18、ヒーター以外
の電装品10,11,12を流れる電流値を検出するセ
ンサ19からの信号が、エンジン回転数Ne、冷却水温
Tw、アクセル開度Tr、エンジントルクTqととも
に、コントロールユニット1に入力されている。
【0038】図3〜図6はひとつながりの流れ図で、一
定周期(たとえば1sec〜10sec)で実行する。
ステップ1,2ではエンジン回転数Neとアクセル開度
(エンジン負荷相当量)Trを読み込む。エンジン回転
数Neはポンプ回転数から計算することができる。アク
セル開度Trの代わりに燃料噴射量で代用してもかまわ
ない。
【0039】ステップ3では回転数Neが所定値未満か
どうかをみて所定値未満であれば、ステップ4,5に進
む。
【0040】ステップ4,5ではスターターモーター1
0やグロープラグ11が作動しているかどうかをみて、
スターターモーター10とグロープラグ11がともにO
FF(非作動)のときはクランキング前であると判断
し、ステップ6,7,8でタイマーTimer Cの値
をクリアし、バッテリー電圧Vbを変数Pr Vbに初
期値として入れる。
【0041】ステップ4,5でスターターモーターやグ
ロープラグが作動するとき(始動時)はステップ9〜1
2に進む。スターターモーターやグロープラグの作動に
よって放電されるので、ステップ9でこの放電時間を測
定するためのタイマーTimer Cの値をインクリメ
ントし、ステップ12の過放電演算のサブルーチン(後
述する)に進む。ステップ10,11では電装品10,
11,12を流れる電流値A outの値を、変数Yに
入れる。
【0042】ステップ12で過放電という名称にしたの
は、スターターモーターやグロープラグ(後述するよう
にヒーター7A,7Bについても)は大きな電流を消費
するので、これらによる放電を他の電装品の場合と区別
するためである。
【0043】図4に移り、ステップ13,14,15で
冷却水温Tw、バッテリー電圧Vb、電装品10,1
1,12を流れる電流値A outを読み込む。ステッ
プ13,14,15に進むのは、ステップ3で回転数N
eが所定値以上のとき(つまり始動後)のときとクラン
キング前とであるから、いずれの場合もスターターモー
ター、グロープラグとも作動することはないので、ステ
ップ15での電流値A outは電装品12だけの分にな
る。
【0044】ステップ16,17では回転数Neと冷却
水温Twから図7を内容とするテーブルを参照してオル
タネーターの出力電流値Th Aを求め、この出力電流
値Th Aと電流値A outの差を変数Xに入れる。
オルタネーターの出力電流値は図7のように、回転数N
eが高くなるほど大きくなり、同じ回転数でも冷却水温
Twが高いと小さくなる。
【0045】ステップ18では再生時期(期間)である
かどうかを公知の手法で判断する。たとえば、フィルタ
ーの前後差圧や運転履歴などを用いて、パーティキュレ
ートの捕集量が所定値以上になったかどうかをみればよ
い。
【0046】この判定結果より再生時期でないときはス
テップ19に進む。ステップ19では変数Xの値をみて
X>0のときは充電状態であるため、ステップ22の充
電量演算のサブルーチン(後述する)に進んで充電後の
バッテリー電圧を予測するのであるが、その準備とし
て、ステップ20で充電時間を測定するためのタイマー
Timer Aの値をインクリメントし、ステップ21
で放電時間を測定するためのタイマーTimer Bを
クリアする。
【0047】同様にして、X≦0(放電状態)では、放
電時間を測定するためのタイマーTimer Bだけを
インクリメントして、放電量演算のサブルーチン(後述
する)に進む(ステップ23,24,25)。
【0048】ステップ26では、変数Xの値が所定値T
X1を越えるかどうかをみる。所定値Th X1は
オルタネーターの発電量に余裕があるかどうかを判断を
するための値で、X>Th X1であれば発電量に余裕
がある運転条件であると判断して、ステップ27でリン
グバッファの最小ビットに“1”を入力し、余裕がない
運転条件のときはステップ28でリングバッファの最小
ビットに“0”を入力して終了する。
【0049】リングバッファは、所定数のビットをも
ち、最小ビット(右側ビット)に“1”または“0”が
入力されると、各ビットが左側に1ビットずつシフト
し、前回まで最上位ビットにあったデータを捨てられる
もので、メモリ内の“1”が立っているビット数を数え
ることができる。後述するように、リングバッファの値
は再生時期の到達タイミングで検索することになるた
め、リングバッファには、再生時期に至る前の所定期間
のあいだにオルタネーターの発電に余裕のある運転条件
が生じた頻度が記憶されることになる。
【0050】ステップ18で再生時期(再生期間)と判
断されたときは、図5のステップ29に移る。ここでは
冷却水温Twから通電不可電圧を図8を内容とするテー
ブルを参照して求め、変数SR Pr Vbに入れる。
この電圧は、再生中にこの電圧未満にまでバッテリー予
測電圧(後述する)が低下したとき、バッテリー上がり
が生じてエンジンの再始動などが行えなくなることが予
測される電圧である。冷却水温が低いほど、充電に時間
がかかり放電可能時間も短くなるため、通電不可電圧
は、図8のように低水温ほどその値を高くする。
【0051】ステップ30では、再生中(ヒーターへの
通電中)かどうかをみる。ステップ30に進んでくるの
は、ステップ18で再生時期であると判断されている場
合であるから、ここで再生中であるかどうかをみるの
は、再生時期に到達したタイミングを知るためである。
再生時期であると判断されしかも再生中でなければ、再
生時期に到達したタイミングであると判断し、このとき
は、ステップ31以降に進む。
【0052】ステップ31,32では通電許可電圧を冷
却水温Twから図9を内容とするテーブルを参照して求
めて変数Ct Pr Vbに入れ、このCt Pr
bの値と再生時期の到達タイミングでのバッテリー予測
電圧Pr Vbを比較し、Pr Vb>Ct Pr
bであれば、ヒーターへの通電を行ったときバッテリー
の消耗が問題にならないと判断し、ステップ33に進
む。ステップ33では、再生時期の到達タイミングでの
Xの値が所定値B(B>0)を越えているかどうかをみ
て、X>Bであれば、ヒーターへの通電を行ったときオ
ルタネーターの発電量にも問題が発生しないと判断し、
ステップ36に進む。つまり、再生時期の到達タイミン
グでのバッテリー予測電圧Pr Vbが通電許可電圧C
Pr Vbを越えておりかつ再生時期の到達タイミン
グでのXの値が所定値Bを越えている条件は、再生を行
っても、オルタネーターとバッテリーからなる電力供給
源に余裕のある条件なわけである。
【0053】一方、ステップ32,33からステップ3
4,35に進むのは、再生時期の到達タイミングでのバ
ッテリー予測電圧やオルタネーターの発電量が、再生を
行うにしては少し不足していると判断されるときであ
る。このときはリングバッファの“1”の数をカウント
して変数Zに入れ、このZの値と所定値Cを比較する。
このCとの比較によって、Z>Cであれば、再生時期の
到達タイミングまでの所定期間のあいだにオルタネータ
ーの発電に余裕がある運転条件での頻度が高かったと判
断される。このことから、この高い頻度は再生時期の到
達タイミング以降も継続することのほうが多いだろうと
予測することができる。そこで、Z>Cのときは、再生
時期の到達タイミングでこのまま再生に入っても問題な
いと判断し、ステップ36に進む。
【0054】ステップ36に進むのは、ヒーターへの通
電を開始する場合である。ここでは回転数Neとエンジ
ントルクTqから定まる運転条件が図10に示したH領
域内にあるかどうかをみて、H領域にあればステップ3
7でフラグFlag highをセットし、H領域以外
にあるときはステップ38でFlag highをリセ
ットした後ステップ39でヒーターへの通電命令を出
す。H領域は排気温度が高い領域をNeとTqから定ま
る運転条件の上に移したものであり、H領域では、ヒー
ターへの通電期間をH領域以外より短くしても再生を完
了できると判断し、通電期間の切換をフラグFlag
highで指示するのである。
【0055】一方、ステップ35においてZ≦Cのとき
(再生時期の到達タイミングにいたる所定期間のあいだ
にはオルタネーターの発電に余裕がある運転条件での頻
度が少なかったと判断されるとき)は、ヒーターへの通
電を行うと、電力供給源に負担を強いることが予測され
るので、ステップ40,41に進む。
【0056】ステップ40では、再生時期の到達タイミ
ングでのバッテリ予測電圧Pr Vbと通電不可電圧S
Pr Vbに所定値Eを加えた値との比較より、P
Vb<SR Pr Vb+Eのときは、ヒーターへの
通電によってバッテリー上がりが生じる可能性があると
判断してステップ41に進む。所定値Eは、ヒーターへ
の通電によって低下する電圧に相当するものである。ス
テップ41では再生時期の到達タイミングでのXの値と
所定値D(ただし0<D<B)を比較し、X<Dであれ
ばオルタネーターの発電量の面でもヒーターへの通電は
困難であると判断し、ステップ59以降の通電停止ルー
チンに進む。
【0057】一方、ステップ40,41からステップ4
2に進むのは、再生時期の到達タイミングでの電力供給
源の状態からみて短期間の通電は許容できると判断され
る条件である。この条件ではステップ42,43,45
で運転条件がH領域内にあるときに限りフラグFlag
highをセットして通電信号を出す。運転条件がH
領域の外にあるときは、通電期間を短かくできないの
で、ステップ44でフラグFlag highをリセッ
トし、ステップ59以降の通電停止ルーチンに進む。
【0058】ステップ30から図6のステップ46に移
ると再生中の制御になる。ステップ46ではオルタネー
ターの出力電流値Th Aから電流値A outとヒー
ター電流値Heat Aを差し引いた値を変数Yに入れ
る。
【0059】ステップ47〜53では、ステップ19〜
25と同様にして、Y>0であれば、充電であると判断
し、ステップ48で充電時間を計測するためのタイマー
Timer Aをインクリメントした後ステップ50の
充電量演算のサブルーチン(後述)に進み、Y≦0のと
きはステップ51で過放電時間を計測するためのタイマ
ーTimer Dをインクリメントした後ステップ53
の過放電量演算ルーチン(後述)に進む。不要なほうの
タイマーはクリアする(ステップ49、52)。ヒータ
ー6Aまたは6Bは大きな電流を消費するため、過放電
の名称を用いている。
【0060】ステップ54では、再生途中でのバッテリ
ー予測電圧Pr Vbと通電不可電圧SR Pr Vb
とを比較し、Pr Vb<SR Pr Vbであれば、
これ以上放電を続けると、バッテリー上がりが生じて再
始動などができなくなる可能性があると判断してステッ
プ55に進む。ステップ55では、再生途中でのYの値
と所定値Aを比較し、Y<Aであればオルタネーターの
発電量からみても余裕がないと判断し、ステップ59以
降の通電停止ルーチンに進む。再生途中でのバッテリー
予測電圧Pr Vbが通電不可電圧SR Pr Vb未
満であり、かつ再生途中でのYの値が所定値A未満であ
る条件は、ヒーターへの通電をこれ以上継続すると、電
力供給源に過大な負担を強い、その結果としてバッテリ
ー上がりを誘起し得る条件なわけである。
【0061】一方、ステップ54,55からステップ5
6に進むのは、ヒーターへの通電継続が可能であると判
断されるときある。このときはフラグFlag hig
hがセットされているかどうかみて、フラグFlag
highがセットされていないと、ステップ58で通電
開始から所定期間T1が経過したかどうかをみて、また
フラグFlag highがセットされているときは、
ステップ57で通電開始から所定期間T2(T2<T
1)が経過したかどうかをみて、経過してない場合に
は、通電を継続するためリターンに進む。フラグFla
highがセットされるH領域では通電期間を短く
しても再生が完了するため、H領域でのヒーター通電期
間(T2のこと)はH領域以外でのヒーター通電期間
(T1のこと)よりも短くなるのである。ステップ5
7,58で所定時間T1またはT2が経過したときはス
テップ59以降の通電停止ルーチンに進む。
【0062】ステップ59以降は通電停止ルーチンであ
る。ステップ59,60では通電中止命令を出し、再生
時期信号をキャンセルする。ステップ61,62,63
では、次回の制御に必要となるデータの初期化を行って
(タイマーTimer AとTimer Cをクリア
し、フラグFlag highをリセットする)、本ルー
チンを終了する。
【0063】図11、図12、図13はそれぞれ充電量
演算(ステップ22とステップ50)、放電量演算(ス
テップ25)、過放電量演算(ステップ12とステップ
53)の各サブルーチンである。
【0064】まず図11から説明すると、ステップ70
で前回に充電量演算を行っているかどうかみて、充電量
演算を前回に行っていないときは、ステップ71,72
に進む。
【0065】ステップ71,72では前回に放電してい
れば、充電量演算に切換わる直前に変数Bに入っている
値(図12のサブルーチンにおいてステップ87での
値)を、また前回に過放電しているときは、充電量演算
に切換わる直前に変数Cに入っている値(図13のサブ
ルーチンにおいてステップ97での値)を読み出し、こ
れらの前回値(Bの前回値をB-1、Cの前回値をC-1
表記している)を仮の値として変数Aに入れる。
【0066】B-1またはC-1は今回の充電量演算の直前
にバッテリーに蓄えられている電流値に相当する(正確
には前回に放電していればB-1はその放電後にバッテリ
ーに蓄えられている電流値に、また前回に過放電してい
るときはC-1はその過放電後にバッテリーに蓄えられて
いる電流値に相当する)ので、その電流値を今回の充電
量演算を行うに際しての初期値とするわけである。した
がって、2回目以降は、ステップ71,72の操作は不
要となるため、ステップ70ですでに充電量演算を行っ
ているときは、ステップ71,72を飛ばしているので
ある。
【0067】ステップ73,74で冷却水温Twとバッ
テリー電圧Vbを読みだし、ステップ75でこれらの値
と変数Aの値から図14の特性を内容とするマップを用
いてT軸(時間軸のこと)の基点を定める。図14は、
バッテリーに全く充電されていない状態から充電を行っ
たときにバッテリーに蓄えられる電流値の推移(充電電
流特性)を示したもので(バッテリー電圧Vbが高いほ
ど、また冷却水温Twが高いほど充電効率が高くな
る)、たとえば充電を開始したタイミングでのバッテリ
ー電圧Vbと冷却水温Twから定まる特性が1番上に位
置する破線であったとすると、縦軸にとったAとの交点
を横軸に落とした点がT軸の基点となるのである。
【0068】T軸の基点が必要となる理由は、時間に対
して充電電流特性が変化するため、充電開始タイミング
ですでにバッテリーに蓄えられている電流値を考慮する
必要があるからである。たとえば、同じ時間だけ充電す
るにしても、少ない電流値しか蓄えられてない状態から
充電するのと、既に多量の電流値が蓄えられている状態
から充電するのとでは、充電によって増加する電流値が
異なってくるので、充電によって増加した後の電流値を
精度良く求めるには、どのタイミング(つまりT軸の基
点)から充電を開始するのかを知る必要があるのであ
る。
【0069】なお、新車時とバッテリー交換直後(バッ
テリー交換はVb=0で検出する)には、B-1とC-1
初期値の0を与えている。ステップ8で読み込んだバッ
テリー電圧によってB-1とC-1を定めることもできる。
【0070】ステップ76,77ではタイマーTime
Aの値を読み込み、図14の充電電流特性を用いて
T軸の基点からタイマーTimer Aの値だけ時間的
に後ろの値を求め、これを変数Aに入れる。たとえば充
電を開始したタイミングでのバッテリー電圧Vbと冷却
水温Twから定まる充電電流特性が1番上の破線であっ
て、タイマーTimer A=10[sec]であった
とすれば、図14においてT軸の基点(ここでTime
A=0)から10[sec]だけ右側の値と1番上
の破線特性との交点を縦軸に落とした点の値を拾うので
ある。変数Aに2度目に入ったこの値は、充電終了のタ
イミングでバッテリーに蓄えられている電流値である。
つまり、充電の開始タイミングでバッテリーに蓄えられ
ている電流値に、充電量演算で得た充電量を加えること
によって、充電後にバッテリーに蓄えられている電流値
を求めているわけである。
【0071】ステップ78では、変数AとPr Vb-1
(変数Pr Vbの前回値)の値から図15の充電電圧
特性を内容とするテーブルを参照して充電後のバッテリ
ー予測電圧を求め、これを変数Pr Vbに入れる。バ
ッテリー予測電圧の最新値は、図15のように、バッテ
リー予測電圧の前回値が大きくなるほど、またバッテリ
ーに蓄えられる電流値が大きくなるほど高くなる。
【0072】同様にして、図12に示した放電量演算の
サブルーチンでは図16の放電電流特性を内容とするマ
ップと図17の放電電圧特性を内容とするテーブルを用
いて放電後のバッテリー予測電圧を、また図13に示し
た過放電演算のサブルーチンでは図18の過放電電流特
性を内容とするマップと図19の過放電電圧特性を内容
とするテーブルを用いて過放電後のバッテリー予測電圧
を求め、これらを変数Pr Vbに入れる。
【0073】図16と図18は、図14と異なってT軸
の方向が左向きになり、また図17と図19は、図15
と異なり右下がりになっている。
【0074】図20は、ヒーター3A,3Bと絞り弁4
A,4Bの切換制御を示す流れ図で、これも一定周期
(たとえば1sec〜10sec)で実行する。なお、
図20では一方の分岐通路2AのほうをA側、他方の分
岐通路2BのほうをB側としている。
【0075】ステップ101では再生時期であるかどう
かみて、再生時期でないときは、ステップ102〜10
5でA側,B側とも、絞り弁4A,4Bに開信号を出力
し、ヒーターリレー7A,7BにOFF信号(ヒーター
非通電)を出力する。
【0076】再生時期になると、ステップ106と10
7で通電中止命令と通電命令をみて通電中止命令はな
く、通電命令が出たときは、ステップ108に進む。
【0077】ステップ108では前回再生したのがA
側,B側のいずれであるかをフラグ(図示しない)の値
などからみて、前回再生したのがA側であればステップ
109〜112で今回はB側を再生するため、B側絞り
弁に閉信号を、A側絞り弁に開信号を出力し、B側ヒー
ターリレーにON信号、A側ヒーターリレーにOFF信
号を出力する。
【0078】前回再生したのがB側であるときは、ステ
ップ113〜116でA側とB側を逆にして制御する
(A側絞り弁に閉信号、B側絞り弁に開信号、A側ヒー
ターリレーにON信号、B側ヒーターリレーにOFF信
号を出力する)。
【0079】一方、ステップ101,106からステッ
プ102〜105に進むのは、再生途中で通電停止命令
が出たときである。
【0080】ここで、この例の作用を説明する。 (1)再生中;再生中に通電を停止する条件は、(ア)
バッテリー予測電圧Pr Vbが通電不可電圧SR
Vb未満であることより、これ以上放電を続けると
バッテリー上がりが生じると判断されること、(イ)オ
ルタネーター15の出力電流値Th Aからヒーター電
流値Heat Aと電装品12を流れる電流値A ou
tの総和を差し引いた値Yが所定値A未満であることよ
り、オルタネーターの発電量に余裕もないと判断される
ことの2つをともに満たすときである。
【0081】この場合、(ア)のバッテリー電圧を予測
するのに、再生中に充電が行われるときはバッテリーの
充電特性(図14に示した充電電流特性と図15に示し
た充電電圧特性)を用い、また再生中に過放電されると
バッテリーの過放電特性(図18に示した過放電電流特
性と図19に示した過放電電圧特性)を用いていること
から、再生中にオルタネーターの出力電流値や電装品1
2を流れる電流値が変化しても、バッテリー電圧が精度
良く予測され、これによってバッテリー電圧に関して通
電停止を行うかどうかを精度良く判断することができ
る。従来例のように再生中のバッテリー電圧Vbを計測
しただけでは、充電後や過放電後の正確なバッテリー電
圧はわからないのである。
【0082】このようにして、通電停止の判断を精度良
く行えることになると、バッテリー状態からすればまだ
余裕があるのに通電を停止してしまったり、もう余裕が
ないのに通電を継続してしまったりといった事態を避け
ることができる。
【0083】また、(イ)をも満たすことを通電停止の
条件としていることから、バッテリーのほうには余裕は
なくとも、オルタネーターの発電量に余裕あるときは、
通電が継続されるので、再生途中での通電停止が極力避
けられる。再生途中での通電停止により、再生が不十分
になると、排気圧力の上昇による燃費の悪化や次の再生
時でのフィルターの溶損を生じたり、無駄に電力が消費
されたりするのであるが、再生途中ではできるだけ再生
を継続することで、こうしたことが避けられるのであ
る。
【0084】
【0085】(2)再生時期の到達タイミング; 再生時期の到達タイミングで通電を開始する条件は、
(ウ)再生時期の到達タイミングでのバッテリー予測電
圧Pr Vbが通電許可電圧Ct Pr Vbを越えて
いることより、放電を開始してもバッテリーの負担に何
らならないと判断されること、(エ)オルタネーター1
5の出力電流値Th Aから電装品12を流れる電流値
outを差し引いた値Xが所定値Bを越えているこ
とより、再生時期の到達タイミングでのオルタネーター
の発電量にも余裕がある判断されることの2つをともに
満たすときである。
【0086】この場合、(ウ)のバッテリー電圧を予測
するのに、再生時期の到達タイミング以前において充電
が行われるときはバッテリーの充電特性(図14に示し
た充電電流特性と図15に示した充電電圧特性)を用
い、また再生時期の到達タイミング以前に電装品12の
ONで放電されるとバッテリーの放電特性(図16に示
した放電電流特性と図17に示した放電電圧特性)を用
いていることから、再生時期の到達タイミング以前にオ
ルタネーターの出力電流値や電装品12を流れる電流値
が変化しても、再生時期の到達タイミングでのバッテリ
ー電圧が精度良く予測され、これによってバッテリー電
圧に関して通電を開始するかどうかを精度良く判断する
ことができる。バッテリー電圧Vbを計測しただけで
は、充電後や過放電後の正確なバッテリー電圧はわから
ないのである。
【0087】このようにして、再生時期の到達タイミン
グで通電開始の判断を精度良く行えることになると、バ
ッテリー状態からすれば十分余裕があるのに通電を開始
しなかったり、もう余裕がないのに通電を開始したりす
る事態を避けることができる。
【0088】また、(エ)をも満たすことを通電開始の
条件とすることで、バッテリーとオルタネーターの発電
量にともに余裕があるときに限って通電が開始される
と、バッテリーとオルタネーターからなる電力供給源
が、通電を開始するタイミングでフィルタの再生を確実
に終了できる状態になっている確率が非常に高くなって
おり、再生をほぼ確実に行うことができるのである。
【0089】
【0090】この例ではさらに、(オ)再生時期の到
達タイミングでのバッテリー予測電圧Pr Vbが通電
許可電圧Ct Pr Vb未満であることより、通電を
開始すると少しバッテリーの負担になると判断されると
きや、(カ)再生時期の到達タイミングでのバッテリー
予測電圧Pr Vbが通電許可電圧Ct Pr Vbを
越えていることより、放電を開始してもバッテリーの負
担に何らならないと判断されるものの、オルタネーター
の出力電流値Th Aから電装品12を流れる電流値A
outを差し引いた値Xが所定値B未満であることよ
り、通電を開始すると再生時期の到達タイミングでのオ
ルタネーターの発電量に少し不足があると判断されると
きのいずれかにおいても、一定の条件を満たせば、通電
が開始される。
【0091】一定の条件は、再生時期の到達タイミング
でリングバッファの“1”の数をカウントした数(Zの
値)が所定値Cを越えているとき、つまり再生時期の到
達タイミングまでの所定期間のあいだにオルタネーター
の発電に余裕がある運転条件での頻度が高かったと判断
されるときである。
【0092】このようにして、再生時期の到達タイミン
グ以前での運転状態にもとづいても再生を開始するかど
うかを判断することで、再生開始の機会が増やされる
と、再生時期の到達タイミングでの通電停止ができるだ
け回避されることになり、フィルターへのパーティキュ
レートの過剰堆積による燃費の悪化や次の再生時でのフ
ィルターの焼損を避けることができる。
【0093】これに対して、従来例ではたとえば再生時
期の到達タイミングでスターターモーター、グロープラ
グ、インテークヒーターなどへの通電がなされてないこ
とを確認して通電を許可することから、再生を開始する
かどうかを再生時期の到達タイミングでの値にもとづい
てだけ判断しているわけで、通電開始の機会を狭くして
いたのである。
【0094】この例ではさらにまた、再生時期の到達
タイミングで通電を開始する2つの場合((ウ)と
(エ)をともに満たす場合および(オ)と(カ)のいず
れかを満たしかつ一定の条件を満たす場合)に、排気温
度の高い条件では通電期間が短くされることから、無駄
な電力消費が抑えられる。
【0095】この例ではさらにまた、の場合にカウ
ント値Zが所定値Cを越えないときでも、(キ)再生時
期の到達タイミングでのバッテリー予測電圧Pr Vb
が通電不可電圧SR Pr Vbに所定値Eを加えた値
未満であることと、(ク)Xの値が所定値D未満である
ことの両方を満たす条件以外の条件であることより、短
期間であれば通電を行うことができると判断されるとき
は、排気温度の高い条件に限って通電時間を短くした通
電が行われることから、通電開始の機会が増やされる。
再生時期の到達タイミングでの通電開始の機会を増やす
ことで、再生時期の到達タイミングでの通電停止をでき
るだけ回避し、フィルターへのパーティキュレートの過
剰堆積による燃費の悪化や次の再生時でのフィルターの
焼損を避けるわけである。
【0096】
【0097】
【0098】
【発明の効果】の発明は、パーティキュレートを捕
集するフィルター再生用の電気負荷と、このフィルター
再生用の電気負荷以外の電気負荷量を検出するセンサ
と、発電機の発電量を運転条件信号に応じて算出する手
段と、運転条件信号に応じて再生時期になったかどうか
を判定する手段と、この判定結果より再生時期でないと
き前記発電量と前記フィルター再生用の電気負荷以外の
電気負荷量との差を計算する手段と、この差に応じて充
電か放電かを判定する手段と、この判定結果より充電の
ときはバッテリーの充電特性を用いて充電後のバッテリ
ー電圧を、また放電のときはバッテリーの放電特性を用
いて放電後のバッテリー電圧をそれぞれ予測する手段
と、前記差にもとづいて再生時期の到達タイミングに至
る所定期間のあいだに発電機の発電に余裕のある運転条
件が生じた頻度を検出する手段と、前記再生時期の到達
タイミングであるかどうかを判定する手段と、この判定
結果より再生時期の到達タイミングで前記バッテリー予
測電圧と前記差にもとづいてバッテリーと発電機からな
る電力供給源に負担を強いる条件であるかどうかを判定
する手段と、この判定結果より電力供給源に負担を強い
る条件で前記頻度が所定値を越えているかどうかを判定
する手段と、この判定結果より前記頻度が所定値を越え
ているとき前記フィルター再生用の電気負荷への通電を
行う手段とを設けたので、再生開始の機会が増やされる
ことから、再生時期の到達タイミングでの通電停止がで
きるだけ回避されることになり、フィルターへのパーテ
ィキュレートの過剰堆積による燃費の悪化や次の再生時
でのフィルターの焼損を避けることができる。
【0099】第の発明は、第1の発明において、前記
通電手段は、排気温度の高い条件でヒーターへの通電期
間を短縮するため、第1の発明の効果に加えて、無駄な
電力消費が抑えられる。
【0100】第の発明は、パーティキュレートを捕集
するフィルター再生用の電気負荷と、このフィルター再
生用の電気負荷以外の電気負荷量を検出するセンサと、
発電機の発電量を運転条件信号に応じて算出する手段
と、運転条件信号に応じて再生時期になったかどうかを
判定する手段と、この判定結果より再生時期でないとき
前記発電量と前記フィルター再生用の電気負荷以外の電
気負荷量との差を計算する手段と、この差に応じて充電
か放電かを判定する手段と、この判定結果より充電のと
きはバッテリーの充電特性を用いて充電後のバッテリー
端子電圧を、また放電のときはバッテリーの放電特性を
用いて放電後のバッテリー端子電圧をそれぞれ予測する
手段と、前記差にもとづいて再生時期の到達タイミング
に至る所定期間のあいだに発電機の発電に余裕のある運
転条件が生じた頻度を検出する手段と、前記再生時期の
到達タイミングであるかどうかを判定する手段と、この
判定結果より再生時期の到達タイミングで前記バッテリ
ー予測電圧と前記差にもとづいてバッテリーと発電機か
らなる電力供給源に負担を強いる条件であるかどうかを
判定する手段と、この判定結果より電力供給源に負担を
強いる条件で前記頻度が所定値を越えているかどうかを
判定する手段と、この判定結果より前記頻度が所定値を
越えていないとき前記再生時期の到達タイミングでのバ
ッテリー予測電圧と前記差にもとづいて前記電力供給源
から短期間の通電を行うことが許容できるかどうかを判
定する手段と、この判定結果より電力供給源から短期間
の通電を行うことが許容できるときは排気温度の高い条
件に限って通電期間を短縮して前記フィルター再生用の
電気負荷への通電を行う手段とを設けたので、再生時期
の到達タイミングでの再生開始の機会が増えることか
ら、第の発明と同様に、再生時期の到達タイミングで
の通電停止をできるだけ回避して、フィルターへのパー
ティキュレートの過剰堆積による燃費の悪化や次の再生
時でのフィルターの焼損を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のクレーム対応図である。
【図2】一実施例のシステム図である。
【図3】再生処理を説明するための流れ図である。
【図4】再生処理を説明するための流れ図である。
【図5】再生処理を説明するための流れ図である。
【図6】再生処理を説明するための流れ図である。
【図7】オルタネーターの出力電流Th Aの特性図で
ある。
【図8】通電不可電圧SR Pr Vbの特性図であ
る。
【図9】通電許可電圧Ct Pr Vbの特性図であ
る。
【図10】回転数NeとトルクTqに対する運転領域図
である。
【図11】充電量演算のサブルーチンを説明するための
流れ図である。
【図12】放電量演算のサブルーチンを説明するための
流れ図である。
【図13】過放電量演算のサブルーチンを説明するため
の流れ図である。
【図14】バッテリーの充電電流特性図である。
【図15】バッテリーの充電電圧特性図である。
【図16】バッテリーの放電電流特性図である。
【図17】バッテリーの放電電圧特性図である。
【図18】バッテリーの過放電電流特性図である。
【図19】バッテリーの過放電電圧特性図である。
【図20】ヒーターと絞り弁の切換制御を説明するため
の流れ図である。
【図21】第3の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
1 コントロールユニット 2 排気通路 2A,2B 分岐通路 3A,3B フィルター 4A,4B 絞り弁 6A,6B ヒーター(フィルター再生用電気負荷) 8 バッテリー 9 オルタネーター 10 スターターモーター 11 グロープラグ 12 電装品 17 電圧センサ 18 電流センサ(フィルター再生用電気負荷センサ) 19 電流センサ(フィルター再生用電気負荷以外の電
気負荷センサ) 32 フィルター再生用電気負荷 33 再生時期判定手段 36 フィルター再生用電気負荷以外の電気負荷センサ 37 発電量算出手段 51 差計算手段 52 充電・放電判定手段 53 バッテリー電圧予測手段 54 再生時期到達タイミング判定手段 61 頻度検出手段 62 負担条件判定手段 63 判定手段 64 通電手段 71 判定手段 72 通電手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−96416(JP,A) 特開 昭63−136216(JP,A) 特開 平5−179931(JP,A) 特開 平5−209508(JP,A) 実開 昭60−72916(JP,U) 実開 昭60−30313(JP,U) 実開 平4−87317(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/02 - 3/038

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パーティキュレートを捕集するフィルター
    再生用の電気負荷と、 このフィルター再生用の電気負荷以外の電気負荷量を検
    出するセンサと、 発電機の発電量を運転条件信号に応じて算出する手段
    と、 運転条件信号に応じて再生時期になったかどうかを判定
    する手段と、 この判定結果より再生時期でないとき前記発電量と前記
    フィルター再生用の電気負荷以外の電気負荷量との差を
    計算する手段と、 この差に応じて充電か放電かを判定する手段と、 この判定結果より充電のときはバッテリーの充電特性を
    用いて充電後のバッテリー電圧を、また放電のときはバ
    ッテリーの放電特性を用いて放電後のバッテリー電圧を
    それぞれ予測する手段と、 前記発電量と前記フィルター再生用の電気負荷以外の電
    気負荷量との差にもとづいて再生時期の到達タイミング
    に至る所定期間のあいだに発電機の発電に余裕のある運
    転条件が生じた頻度を検出する手段と、 前記再生時期の到達タイミングであるかどうかを判定す
    る手段と、 この判定結果より再生時期の到達タイミングで前記バッ
    テリー予測電圧と前記差にもとづいてバッテリーと発電
    機からなる電力供給源に負担を強いる条件であるかどう
    かを判定する手段と、 この判定結果より電力供給源に負担を強いる条件で前記
    頻度が所定値を越えているかどうかを判定する手段と、 この判定結果より前記頻度が所定値を越えているとき前
    記フィルター再生用の電気負荷への通電を行う手段と を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの排気後
    処理装置。
  2. 【請求項2】前記通電手段は排気温度の高い条件でヒー
    ターへの通電期間を短縮することを特徴とする請求項1
    に記載のディーゼルエンジンの排気後処理装置。
  3. 【請求項3】パーティキュレートを捕集するフィルター
    再生用の電気負荷と、 このフィルター再生用の電気負荷以外の電気負荷量を検
    出するセンサと、 発電機の発電量を運転条件信号に応じて算出する手段
    と、 運転条件信号に応じて再生時期になったかどうかを判定
    する手段と、 この判定結果より再生時期でないとき前記発電量と前記
    フィルター再生用の電気負荷以外の電気負荷量との差を
    計算する手段と、 この差に応じて充電か放電かを判定する手段と、 この判定結果より充電のときはバッテリーの充電特性を
    用いて充電後のバッテリー端子電圧を、また放電のとき
    はバッテリーの放電特性を用いて放電後のバッテリー端
    子電圧をそれぞれ予測する手段と、 前記発電量と前記フィルター再生用の電気負荷以外の電
    気負荷量との差にもとづいて再生時期の到達タイミング
    に至る所定期間のあいだに発電機の発電に余裕のある運
    転条件が生じた頻度を検出する手段と、 前記再生時期の到達タイミングであるかどうかを判定す
    る手段と、 この判定結果より再生時期の到達タイミングで前記バッ
    テリー予測電圧と前記差にもとづいてバッテリーと発電
    機からなる電力供給源に負担を強いる条件であるかどう
    かを判定する手段と、 この判定結果より電力供給源に負担を強いる条件で前記
    頻度が所定値を越えているかどうかを判定する手段と、 この判定結果より前記頻度が所定値を越えていないとき
    前記再生時期の到達タイミングでのバッテリー予測電圧
    と前記差にもとづいて前記電力供給源から短期間の通電
    を行うことが許容できるかどうかを判定する手段と、 この判定結果より電力供給源から短期間の通電を行うこ
    とが許容できるときは排気温度の高い条件に限って通電
    期間を短縮して前記フィルター再生用の電気負荷への通
    電を行う手段と を設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの排気後
    処理装置。
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