JP3281640B2 - 抗菌性繊維構造物の製造方法及びその抗菌性繊維構造物 - Google Patents

抗菌性繊維構造物の製造方法及びその抗菌性繊維構造物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性繊維構造物の製
造方法及びその抗菌性繊維構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、抗菌性物質として、塩化ベンザル
コニウムや塩化ベンゼントニウム等の第4アンモニウム
塩やクロロヘキシジンの塩類が用いられている。しか
し、これらは抗菌性を保持しにくく、特に繊維材料に適
用すると、洗濯によって容易に脱落し、抗菌性が失われ
るという欠点があった。しかも、上記塩化ベンザルコニ
ウムの第4アンモニウム塩は、繊維加工装置を腐食させ
るという問題があった。
【0003】このような欠点を解消する対策として、特
公昭56−34203号公報には、前記塩類に比べて抗
菌力がより一層強いクロロヘキシジンの水溶液を用い
て、それに高分子シート材料を浸漬することにより、ク
ロロヘキシジンを結合した抗菌性高分子シート材料が提
案されている。しかしながら、この抗菌性高分子シート
材料はクロロヘキシジンが単に高分子の表面に付着して
いるのに過ぎないため、十分な持続性のある抗菌性を織
布、不織布、フィラメント等の繊維材料に付与しにくい
欠点があった。
【0004】また、特開昭64−79102号公報及び
特開平1−11302号公報には、抗菌性物質として第
4アンモニウムリン酸塩が提案されている。しかし、こ
の第4アンモニウムリン酸塩は、上記塩化ベンザルコニ
ウムに代表される第4アンモニウム塩のように、繊維加
工装置を腐食させるという問題はないものの、被処理物
への固着性に乏しく持続性のある抗菌性を付与すること
が困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、持続
性に優れた抗菌性を有し、安全かつ容易に繊維材料に抗
菌性を付与することができ、しかも加工装置を腐蝕させ
ることがない抗菌性繊維構造物の製造方法及びその抗菌
性繊維構造物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第一の発明は、1価又は2価のリン酸エステル基を
有するビニル系重合体又は共重合体に第3アミンを反応
させて該リン酸エステル基をアミン塩とした後、1価の
グリシジル化合物を反応せしめ、第4アンモニウム塩化
することによって抗菌性樹脂を製造し、しかる後、該抗
菌性樹脂を0.2〜3.0%owfの範囲で、繊維材料
に付与することを特徴とする抗菌性繊維構造物の製造方
法である。
【0007】第二の発明は、繊維材料に、第4アンモニ
ウム塩化した1価又は2価のリン酸エステル基を有する
ビニル系重合体又は共重合体からなる抗菌性樹脂を0.
2〜3.0%owfの範囲で付与した抗菌性繊維構造物
である。
【0008】本発明において、抗菌性を付与するために
繊維構造物に付与するための抗菌性樹脂は、下記化1式
又は化2式で示される第4アンモニウム塩化された1価
又は2価のリン酸エステル基を有するビニル系重合体又
は共重合体からなっている。
【0009】化1
【0010】化2
【0011】(上記化1式と化2式中、Rは、高分子主
示し、R1は炭素数8〜18のアルキル基を示し、
2は炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基又は置
換アリール基を示す。) 上記化1式又は化2式で示される第4アンモニウム塩化
されたリン酸エステル基を有するビニル系重合体又は共
重合体は優れた抗菌性を有している。しかも、両性を有
する高分子物質であるため、合成繊維や天然繊維に強固
に付着させることができる。このため、持続性、洗濯耐
久性に優れた抗菌性繊維構造物を得ることができる。ま
た、水溶液や水―アルコール混合溶液として得られるた
め、繊維材料への適用が容易であり、かつ装置を腐蝕さ
せることないという利点を有している。
【0012】本発明において、抗菌性を付与するために
繊維構造物に付与するための抗菌性樹脂は、1価又は2
価のリン酸エステル基を有するビニル系重合体又は共重
合体を出発原料として使用することにより製造すること
ができる。このビニル系重合体又は共重合体の例として
は、例えば、下記化3〜10式で示される重合性ビニル
モノマーの単独重合体、又はこれら重合性ビニルモノマ
ーと後述する他種の重合性ビニルモノマーとの共重合体
が挙げられる。
【0013】化3
【0014】化4
【0015】化5
【0016】化6
【0017】化7
【0018】化8
【0019】化9
【0020】化10
【0021】(上記化3〜10式中、Rは水素原子又は
メチル基を示す。) 上記化3〜10式で示される重合性ビニルモノマーと共
重合性の他種のビニルモノマーとしては、アクリル酸メ
チル又はメタアクリル酸メチル (以下、 (メタ) アクリ
ル酸メチルのように示す) 、 (メタ)アクリル酸エチ
ル、 (メタ) アクリル酸ブチル、 (メタ) アクリル酸−
2−エチルヘキシル、 (メタ) アクリル酸ラウリル、
(メタ) アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、 (メタ)
アクリル酸メトキシポリエチレングリコール (エチレ
ングリコール繰り返し単位2〜23)、 (メタ) アクリ
ル酸アミド、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。
【0022】上記化3〜10式の重合性ビニルモノマー
と共重合性の他種のビニルモノマーは、溶液重合法によ
り単独重合又は共重合することが望ましい。上記溶液重
合法は、溶媒として水、アルコール又は水とアルコール
の混合溶液を使用するのが良い。ここで使用されるアル
コールとしてはメタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等がある。
【0023】また、溶液重合に使用する重合触媒として
は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩、アゾイソバレロニトリル、アゾイソブチロニトリル
等のアゾ化合物、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイ
ド、6−ブチルヒドロパーオキサイド等の酸化型重合触
媒がある。これら酸化型重合触媒と還元剤とを併用す
る、所謂レドックス重合触媒を使用することもできる。
還元剤としては重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、
P−トルエンスルフィン酸、ロンガリット等が挙げられ
る。
【0024】このような溶液重合法により得られた1価
又は2価のリン酸エステル基を有するビニル系重合体又
は共重合体は、その内部に含有されるリン酸イオンに対
し0.5〜1.1モル当量の第3アミンを反応せしめ、
これをアミン塩とした後、1価のグリシジル化合物を反
応させ、第4アンモニウム塩化される。第3アミンとし
ては、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメ
チルデシルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、
N,N−ジメチルミリスチルアミン、N,N−ジメチル
パルミチルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン
等が挙げられる。
【0025】また、1価のグリシジル化合物としては、
メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテ
ル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ステアリ
ルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、
Sec−ブチルフェノールグリシジルエーテル等が挙げ
られる。上述の第4アンモニウム塩を生成させる4級化
反応において、水又は水とアルコールの混合溶媒中で第
3アミンで塩とした樹脂を得た場合は、その状態でアミ
ンに対して等モル又はやや過剰のグリシジル化合物を加
え、60〜100℃の温度下で5〜15時間かけて反応
を行なうのがよい。また、アルコール溶媒中で第3アミ
ンで塩とした樹脂を得た場合は、アミンに対して等モル
又はやや過剰のグリシジル化合物と過剰の水を加えて6
0〜100℃の温度下、5〜15時間かけて行なうのが
よい。
【0026】本発明の抗菌性繊維構造物は、上述のごと
くして得られた抗菌性樹脂を繊維材料に付与含有させる
ことにより得られる。繊維材料としては、ポリエステ
ル、アクリル、ナイロン等の合成繊維や綿、羊毛、絹等
の天然繊維並びに前記合成繊維と天然繊維を組み合わせ
た糸、織物、編物、不織布等を使用することができる。
中でも、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維、50%
以上の合成繊維を含有する合成繊維と天然繊維との組み
合わせ(混紡、交織、混繊した糸、織物、編物等)から
なる繊維材料を使用することが望ましく、優れた抗菌性
効果を付与することができる。これまで洗濯耐久性のあ
る抗菌性が得られ難かったアクリル繊維に対しても優れ
た抗菌性を付与することが可能である。
【0027】上記繊維材料に抗菌性樹脂を付与する方法
としては、繊維材料を温度が60〜130℃の上記抗菌
性樹脂を単独で含む浴や、染料等と併用した染色浴で処
理する方法、浸漬、スプレー、泡、グラビア処理等によ
って抗菌性樹脂を付与した後、70〜200℃で乾熱処
理やスチーム処理する方法等がある。この場合、上記抗
菌性樹脂の付与後乾熱処理を実施するまでに、50℃以
上150℃以下の乾燥工程を組み入れてもよい。このよ
うな乾燥工程により抗菌性樹脂の効果が損なわれること
はない。
【0028】本発明において、抗菌性樹脂の繊維材料に
対する付与量〔処理液中の樹脂量(固形分換算)〕は、
0.2%〜3.0%owfの範囲になるようにする。抗
菌性樹脂の付与量を上記範囲にすることにより、持続性
及び洗濯耐久性に優れた抗菌性繊維構造物を低コストで
製造することができる。本発明において、抗菌性樹脂は
上述した溶液重合により得られた水溶液や水−アルコー
ル系溶液を希釈し、そのまま使用することが望ましい。
このような抗菌性樹脂溶液は、織布、不織布、その他の
繊維材料に対する加工を極めて容易にし、持続性や洗濯
耐久性に優れた抗菌性を付与することができる。また、
加工装置が腐食する恐れもない。
【0029】本発明で抗菌性を付与するために繊維構造
物に付与するための抗菌性樹脂は両性を示し、優れた相
溶性を有している。このため、染色浴等の処理浴に添加
し、染料、均洗剤、緩洗剤、酸(例えば、ウルトラリン
酸等)と併用したり、さらに柔軟剤、硬仕上剤、帯電防
止剤、吸剤、撥水剤等、他の薬剤を併用することもで
きる。
【0030】
【実施例】
実施例 1 1000mlの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコ
ール200g、イオン交換水60g、下式化11で示さ
れるリン酸エステルモノマー60g、予め温水浴中で溶
融させておいたメトキシポリエチレングリコールメタク
リレート (エチレングリコール繰り返し単位2〜11)
100gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら温水浴上
で75〜80℃に加熱した。
【0031】化11
【0032】次いで、0.5gの2,2−アゾビス (2
−アミノジプロパン) 二塩酸塩を15gのイオン交換水
に溶解させた開始剤を5等分し、1時間間隔で順次5回
にわたって添加し、重合を行なった。開始剤の添加を完
了した後、4時間加熱攪拌を続行し、自然冷却して重合
を完結した。
【0033】得られた重合体溶液を再び80℃になるま
で加熱攪拌し、その途中で、N,N−ジメチルラウリル
アミン19.8gを加え、80℃になった時点でn−ブ
チルグリシジルエーテル11gを加えて9時間加熱攪拌
を続け4級化を行なった。次いで冷却してイオン交換水
12.5gを加えて希釈し、抗菌性樹脂溶液を得た。
【0034】なお、上記N,N−ジメチルラウリルアミ
ンを添加した直後とn−ブチルグリシジルエーテルを添
加して4級化反応を終えた時点でサンプリングを行な
い、キンヒドロンによる呈色反応を行なったところ、
N,N−ジメチルラウリルアミンを添加した直後は赤色
に呈色し、n−ブチルグリシジルエーテルを添加して4
級化反応を終えた時点では褐色に呈色した。このことに
よりアミン塩がすべて第4アンモニウム塩化しているこ
とが確認された。 実施例2 1000mlの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコ
ール200g、イオン交換水60g、リン酸エステルモ
ノマー (実施例1で用いたのと同じものを使用(以下同
じ) 60g、予め温水浴中で溶融させておいたエトキシ
ポリエチレングリコールメタクリレート (エチレングリ
コール繰り返し単位2〜11) 95gを仕込み、窒素気
流下、攪拌しながら温水浴上で75〜80℃に加熱し
た。
【0035】次いで、0.5gの2,2−アゾビス (2
−アミノジプロパン) 二塩酸塩を15gのイオン交換水
に溶解させた開始剤を5等分し、1時間間隔で順次5回
にわたって添加し、重合を行なった。開始剤の添加を完
了した後、4時間加熱攪拌を続けて自然冷却して重合を
完結した。得られた重合体溶液を再び80℃になるまで
加熱攪拌し、その途中で、N,N−ジメチルオクチルア
ミン13.9gを加え、80℃になった時点でn−ブチ
ルグリシジルエーテル11gを加えて9時間加熱攪拌を
続けて4級化を行なった。次いで、冷却してイオン交換
水12.5gを加えて希釈し、抗菌性樹脂の溶液を得
た。
【0036】なお、N,N−ジメチルオクチルアミンを
添加した直後とn−ブチルグリシジルエーテルを添加し
て4級化反応を終えた時点でサンプリングを行ない、キ
ンヒドロンによる呈色反応を行なったところ、N,N−
ジメチルオクチルアミンを添加した直後は赤色に呈色
し、n−ブチルグリシジルエーテルを添加して4級化反
応を終えた時点では褐色に呈色した。このことによりア
ミン塩がすべて第4アミンとなっていることが確認され
た。 実施例3 1000mlの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコ
ール200gとイオン交換水90g、リン酸エステルモ
ノマー (実施例1で用いたのと同じものを使用,以下同
じ) 60g、予め温水浴中で溶融させておいたメトキシ
ポリエチレングリコールメタクリレート (エチレングリ
コール繰り返し (単位2−11) 40g、及び2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート30gを仕込み、窒素気流
下、攪拌しながら温水浴上で75〜80℃に加熱した。
0.5gの2,2−アゾビス (2−アミノジプロパン)
二塩酸塩を15gのイオン交換水に溶解させた開始剤を
5等分し、1時間間隔で順次5回にわたって添加し、重
合を行なった。開始剤の添加を完了した後、4時間加熱
攪拌を続けながら自然冷却して重合を完結した。
【0037】次いで、得られた重合体溶液を再び80℃
になるまで加熱攪拌し、その途中で、N,N−ジメチル
オクチルアミン13.9gを加え、80℃になった時点
でn−エチルヘキシルグリシジルエーテル16.4gを
加えて9時間加熱攪拌を続け4級化を行なった。その
後、冷却してイオン交換水を12.5g加えて希釈し、
抗菌性樹脂溶液を製造した。
【0038】なお、N,N−ジメチルオクチルアミンを
添加した直後と2−エチルヘキシルグリシジルエーテル
を添加して4級化反応を終えた時点でサンプリングを行
ない、キンヒドロンによる呈色反応を行なったところ、
N,N−ジメチルオクチルアミンを添加した直後は赤色
に呈色し、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを添
加して4級化反応を終えた時点では褐色に呈色した。こ
のことによりアミン塩がすべて第4アンモニウム塩化し
ていることが確認された。 実施例4 1000mlの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコ
ール200g、イオン交換水50g、リン酸エステルモ
ノマー60g、予め温水浴中で溶融させておいたメトキ
シポリプロピレングリコールメタクリレート (プロピレ
ングリコール繰り返し単位2〜5) 90gを仕込み、窒
素気流下、攪拌しながら温水浴上で75〜80℃に加熱
した。次いで、0.5gの2,2−アゾビス (2−アミ
ノジプロパン) 二塩酸塩を15gのイオン交換水に溶解
させた開始剤を5等分し、1時間間隔で順次5回にわた
って添加し、重合を行った。開始剤の添加を完了した
後、4時間加熱攪拌を続けながら自然冷却して重合を完
結した。
【0039】得られた重合体溶液を再び80℃になるま
で加熱攪拌し、その途中で、N,N−ジメチルラウリル
アミン13.9gを加え、80℃になった時点でn−ブ
チルグリシジルエーテル11gを加えて9時間加熱攪拌
を続け4級化を行なった。次いで、冷却してイオン交換
水を12.5g加えて希釈した後、抗菌性樹脂の溶液を
得た。
【0040】なお、N,N−ジメチルラウリルアミンを
添加した直後とn−ブチルグリシジルエーテルを添加し
て4級化反応を終えた時点でサンプリングを行ない、キ
ンヒドロンによる呈色反応を行なったところ、N,N−
ジメチルラウリルアミンを添加した直後は赤色に呈色
し、n−ブチルグリシジルエーテルを添加して4級化反
応を終えた時点では褐色に呈色した。このことによりア
ミン塩がすべて第4アンモニウム塩化していることが確
認された。 比較例1 1000mlの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコ
ール180g、イオン交換水100g、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル52g、予め温水浴中で溶融させて
おいたメトキシポリプロピレングリコールメタクリレー
ト (プロピレングリコール繰り返し単位2〜5) 68g
を仕込み、窒素気流下、攪拌しながら温水浴上で75〜
80℃に加熱した。
【0041】次いで、0.5gの2,2−アゾビス (2
−アミノジプロパン) 二塩酸塩を15gのイオン交換水
に溶解させた開始剤を5等分し、1時間間隔で順次5回
にわたって添加し、重合を行なった。開始剤の添加を完
了した後、4時間加熱攪拌を続けながら、自然冷却して
重合を完結した。得られた重合体溶液をブチルアシドホ
スフェート40.1gで中和し、n−ブチルグリシジル
エーテル56.2gを加えて85〜90℃で5時間加熱
攪拌を続けて4級化を行なった。その後、冷却してイオ
ン交換水20gを加えて希釈し、抗菌性樹脂溶液を得
た。
【0042】実施例1〜4及び比較例1で得られた抗菌
性樹脂溶液をそれぞれ、カチオン染料 (Astrazon染料、
保土ヶ谷化学 (株) 製) 酢酸 (90%)0.5g/l、
D−267 (緩染剤、日華化学 (株) 製) 2.0g/l
を含有する染色液に混入し、抗菌性樹脂を固形分換算で
0.6%owf含有する、浴比1:20の処理浴を調製
した。この処理浴でアクリル繊維100%使い44番単
糸からなる試料を98℃で30分処理した。
【0043】このようにして染色,抗菌処理した各試料
について、下記方法により抗菌性を評価した。この場
合、評価結果は処理後及び下記洗濯方法により10回洗
濯後の菌数増減値差で示した。 抗菌性の評価方法:菌数測定法を採用し、試験菌として
黄色ブドウ状球菌 (stapyloco-ccusaureusATTC6538p)
を用いて、滅菌試料布上に上記試験菌のブイヨン懸濁液
を注加し、密閉容器中で37℃18時間培養後の生菌数
を測定した。測定結果を次の基準に従って合格レベルを
判定した。
【0044】log (B/A)>2の条件下、log
(B/C)を菌数増減値差とし、1.6以上を合格レベ
ルとした。ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収し
た菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌
数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を表
す。 洗濯方法:家庭用洗濯機VH−3410 (東芝 (株)
製) を用い、中性洗剤“ザブ (花王(株) 製) 0.2
%、温度40℃±2℃、浴比1:50で5分間強反転で
洗濯し、その後、排液、オーバーフローさせながらすす
ぎを2分間行なう操作を2回繰り返し、これを洗濯1回
とする。
【0045】 実施例5、比較例2 実施例1で得られた抗菌性樹脂を固形分換算でそれぞれ
0.15%owf,0.2%owf,0.6%owf,
1.0%owf,2.0%owf,3.0%owf,
4.0%owfを混入し、浴比1:20の処理浴を調製
した。これら処理浴でアクリル繊維100%使い44番
単糸からなる試料を98℃で30分処理した。上述した
方法により処理後及び10回洗濯後の抗菌性(菌数増減
値差で表示)を評価した。
【0046】 表2から明らかなように、本発明の抗菌性樹脂を0.2
%owf以上含有する処理浴で処理したとき (実施例
5) は良好な抗菌性が得られる。しかし、処理浴に抗菌
性樹脂が3.0%owf以上含有されていても抗菌性は
平衡に達するので、コストアップを少なくするには、
3.0%owf未満にするのがよい。 実施例6 実施例1で得られた抗菌性樹脂を固形分換算で0.6%
owf混入し、浴比1:20の処理浴を調製した。この
処理浴で、アクリル90%/ウール10%混紡糸使い3
2番単糸を精練した試料を98℃で30分処理した。
【0047】得られた処理済み試料の抗菌性を上記方法
にしたがって評価し、その結果を表3に示した。 比較例3 n−ブタノール3モルと無水リン酸1モルとから調製し
たモノアルキル置換体/ジアルキル置換体の混合比が1
/1のアルキルリン酸エステル143部と水500部を
反応釜に仕込み、ラウリルジメチルアミン260部を加
えて中和した。この中和物の中にエチレンオキシド10
0部を仕込み、100℃で3時間反応させ、得られた抗
菌剤にイオン交換水を加え抗菌剤純分を6.5%に調製
した。該抗菌剤を秤量し、実施例6と同様の試料を98
℃で30分処理した。
【0048】得られた処理済み試料の抗菌性を上記方法
にしたがって評価し、その結果を表3に示した。 実施例7 ナイロン編物 (目付:100g/m2 ) をサンデットg
−29 (三洋化成 (株) 製) 2g/l,ソーダ灰1g/
lを含む処理溶液中で98℃、20分の条件で精練した
後、乾燥し、180℃で中間セットを行なった。その
後、カヤノール染料 (酸性染料、日本化薬 (株) 製) 、
酢酸 (90%) 0.5g/lの水溶液で98℃、20分
の条件で染色した後、乾燥した。次いで、実施例1で表
される抗菌製樹脂を固形分換算で0.6%owf (固形
分:32%,ピックアップ:60%) 付着させる溶液を
調製し、マングルで絞り、120℃で2分間乾燥した。
その後、170℃の条件で40秒の乾熱処理をピンテン
ターで行なった。上記染色,抗菌処理したナイロン編物
の抗菌性を上述の方法にしたがって評価し、その結果を
表4に示した。 比較例4 実施例7で染色したナイロン編物 (目付:100g/m
2 ) を比較例3で得た抗菌剤 (固形分:6.5%) 水溶
液に浸漬し、マングルで絞り、固形分換算で0.4%o
wf、0.6%owf、0.3%owf付着させた後、
実施例7と同様に乾燥、乾熱処理した。上記染色,抗菌
処理したナイロン編物の抗菌性を上述の方法にしたがっ
て評価し、その結果を表4に示した。
【0049】
【表4】
【0050】
【0051】
【発明の効果】本発明で抗菌性を付与するために繊維構
造物に付与するための抗菌性樹脂は、1価又は2価のリ
ン酸エステル基を有するビニル系重合体又は共重合体に
第3アミンを反応させて該リン酸エステル基をアミン塩
とした後、1価のグリシジル化合物を反応せしめて第4
級アンモニウム塩化することにより得られた高分子物質
であるため、合成繊維や天然繊維等の繊維材料に強固に
付着させることができ、持続性、洗濯耐久性に優れた
発明の抗菌性繊維構造物を得ることができる。しかも、
水溶液や水―アルコール混合溶液として得られるため、
そのまま繊維材料に適用することができ、しかも装置を
腐食させることないという利点を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬川 常博 兵庫県伊丹市千僧5丁目41番地 帝国化 学産業株式会社 伊丹工場内 (72)発明者 浦部 信治 兵庫県伊丹市千僧5丁目41番地 帝国化 学産業株式会社 伊丹工場内 (56)参考文献 特開 平2−274752(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 15/356 C08F 30/00 - 30/02 C08F 8/30 - 8/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1価又は2価のリン酸エステル基を有する
    ビニル系重合体又は共重合体に第3アミンを反応させて
    該リン酸エステル基をアミン塩とした後、1価のグリシ
    ジル化合物を反応せしめ、第4アンモニウム塩化するこ
    によって抗菌性樹脂を製造し、しかる後、該抗菌性樹
    脂を0.2〜3.0%owfの範囲で、繊維材料に付与
    することを特徴とする抗菌性繊維構造物の製造方法。
  2. 【請求項2】繊維材料に、第4アンモニウム塩化した1
    価又は2価のリン酸エステル基を有するビニル系重合体
    又は共重合体からなる抗菌性樹脂を0.2〜3.0%o
    wfの範囲で付与した抗菌性繊維構造物。
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