JP5256397B2 - 吸水撥油性防汚加工剤、該防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品及びその製造方法並びにスプレー容器 - Google Patents

吸水撥油性防汚加工剤、該防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品及びその製造方法並びにスプレー容器 Download PDF

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Description

本発明は、吸水撥油性防汚加工剤、該防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品及びその製造方法並びにスプレー容器に関する。
繊維の防汚加工剤には、次の二つのタイプが知られている。
一つは、親水性物質を主成分とする吸水性防汚剤である。他の一つは、フッ素系樹脂に親水性物質を組み込んだ撥水撥油性防汚剤である。
しかしながら、これらの防汚剤には、種々の欠点がある。
前者の吸水性防汚剤は、合成繊維、特にポリエステル繊維に対して防汚効果を発現し得る。ところが、天然繊維及び天然繊維と合成繊維との混紡繊維に対しては、これらの繊維が元来吸水性を有しているために、吸水性防汚剤としての効果を期待できない。
後者の撥水撥油性防汚剤は、各種の繊維に対して良好な撥油効果及び防汚効果を発現する。ところが、綿のような吸水性を有する繊維を撥水撥油性防汚剤で処理すると、繊維の吸水性が損なわれて汗を吸わなくなり、繊維の快適性が損なわれる。
また、撥水撥油性防汚剤は、撥油性を備えているために、油性汚れが繊維に付着するのを防止又は抑制することができるが、一旦油性汚れが繊維に付着し、それが繊維内部に浸透すると、洗濯により油性汚れを除去することができなくなり、油性汚れの除去に特殊な技術が必要になる。特にワイシャツの襟等に皮脂が付着すると、摩擦等により皮脂が繊維内部に浸透することがあり、このような場合には、一般の家庭での洗濯によって繊維から皮脂汚れを取り除くのが殆ど不可能になる。
更に、撥水撥油性防汚剤は、洗濯耐久性に乏しく、繊維の洗濯を繰り返すうちに撥水撥油性防汚剤が繊維表面から脱落し、防汚効果が低下するのが避けられない。
発明が解決しようとする課題
本発明は、吸水性及び撥油性を備えた防汚加工剤を提供することを課題とする。
本発明は、皮脂汚れを容易に除去し得る吸水撥油性防汚加工剤を提供することを課題とする。
本発明は、繊維を処理した場合、洗濯を繰り返すことによっても繊維から実質的に脱落することがない防汚加工剤を提供することを課題とする。
本発明は、洗濯耐久性に優れた吸水撥油性防汚加工剤を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記特定の(A)成分と特定の(B)成分とを特定割合で配合することにより、上記課題を解決できることを見い出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
1.本発明は、(A)成分と(B)成分とを含有し、(A)成分及び(B)成分の含有割合が前者:後者=15〜90:10〜85(固形分重量比)である吸水撥油性防汚加工剤であって、(A)成分が、一段式(1)
Figure 0005256397
[式中、R1fはパーフルオロアルキル基を示す。Aは2価の有機基を示す。mは1又は2を示し、nは0又は1を示す。但し、m+n≦2を満たすものとする。Y1 +は対イオンを示す。Pはリン原子であり、一般式(1)の化合物中のリン含有量は2.2〜7.0重量%の範囲である。]
で表される化合物であるか、
又は上記一般式(1)で表される化合物の水性分散液中で、該化合物100重量部当たり250重量部以下の(i)一般式(2)
Figure 0005256397
[式中、R2は水素原子又はメチル基を示す。R3はエチレン基又は−CONH−基を示す。iは0又は1を示す。R4はC1-6のアルキレン基を示す。kは0又は1を示す。Y2 +は対イオンを示す。]
で表されるアクリレート化合物又は(ii)15重量%以上の一般式(2)のアクリレート化合物と85重量%以下の一般式(3)
Figure 0005256397
[式中、R5は水素原子又はメチル基を示す。R6及びR7は各々C1-6のアルキレン基を示す。lは1〜100の整数を示す。oは0〜99の整数を示す。但し、l+o≦100を満たすものとする。R8は水素原子、C1-6のアルキル基、フェニル基又はフェニル置換C1-6アルキル基を示す。]
で表されるアクリレート化合物を重合させて得られる化合物であり、
(B)成分が、一般式(4)
Figure 0005256397
[式中、R2fはパーフルオロアルキル基を示す。Jは2価の有機基を示す。R9は水素原子又はメチル基を示す。pは1〜100整数を示す。]
で表されるアクリレート化合物35〜85重量%、一般式(5)
Figure 0005256397
[式中、R10は水素原子又はメチル基を示す。R11及びR12は各々C1-6のアルキレン基を示す。qは1〜100の整数を示す。rは0〜99の整数を示す。但し、q+r≦100を満たすものとする。R13は水素原子、C1-6のアルキル基、フェニル基又はフェニル置換C1-6アルキル基を示す。]
で表されるアクリレート化合物1〜60重量%及び一般式(
Figure 0005256397
[式中、R14は水素原子又はメチル基を示す。R15はC1-6のアルキレン基、−COO−基又は−CONH−基を示す。sは0又は1を示す。R16はC1-6のアルキレン基を示す。tは0〜100の整数を示す。Xは水素原子、C1-6のアルキル基、ニトリル基、グリシジル基、フェニル置換C1-6アルキル基、基−NR1718、基−SO3 -・M+又は基−PO3 3-・(M+3を示す。R17及びR18は、同一又は異なって、水素原子又はC1-6のアルキル基を示す。また、R17及びR18は、これらが結合する窒素原子と共に互いに結合して5〜6員の飽和環を形成してもよい。M+はアルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。]
で表されるアクリレート化合物5〜50重量%からなる三元共重合体であることを特徴とする吸水撥油性防汚加工剤である。
2.本発明は、(A)成分が、一般式(1)で表される化合物の水性分散液中で、一般式(1)で表される化合物100重量部当たり250重量部以下のアクリレート化合物を重合させて化合物であって、該アクリレート化合物が(i) 一般式(2)で表されるアクリレート化合物又は(ii) 15重量%以上の一般式(2)のアクリレート化合物と85重量%以下の一般式(3)で表されるアクリレート化合物との混合物である、上記1に記載の吸水撥油性防汚加工剤である。
3.本発明は、水性分散液の形態にある上記1又は2に記載の吸水撥油性防汚加工剤。
4.本発明は、(A)成分及び(B)成分の総固形分濃度が0.1〜50重量%である上記1又は2に記載の吸水撥油性防汚加工剤である。
5.本発明は、繊維又は繊維製品へ上記1〜4のいずれかに記載の防汚加工剤を付着及び/又は含浸させ、乾燥後、加熱処理を行うことを特徴とする防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品の製造方法である。
6.本発明は、上記1〜4のいずれかに記載の吸水撥油性防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品である。
7.本発明は、上記5に記載の方法で製造される吸水撥油性防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品である。
8.本発明は、上記1〜4のいずれかに記載の吸水撥油性防汚加工剤を充填したスプレー容器である。
本発明の吸水撥油性防汚加工剤は、(A)成分及び(B)成分を、重量比(固形分)で前者:後者=15〜90:10〜85の割合で含有するものである。(A)成分及び(B)成分を、重量比で前者:後者=35〜65:65〜35の割合で含有するものが好ましい。(A)成分の含有割合が上記範囲より多くなる場合には、汚れ除去性が低下する。また、(A)成分の含有割合が上記範囲より少なくなると、吸水性を備えた防汚加工剤が得られなくなる。
本発明の吸水撥油性防汚加工剤は、通常(A)成分及び(B)成分を水性媒体に分散した形態にある。
水性媒体としては、例えば、水又は水と水溶性有機溶剤との混合物等が挙げられる。(A)成分及び(B)成分の水性媒体への分散を容易にするために、水と水溶性有機溶剤とを併用するのがよい。
使用される水溶性有機溶剤としては、低級アルコール類、多価アルコール類及びそのアルキルエーテル又はアルキルエステル等を例示できる。
低級アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
多価アルコール類のアルキルエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコール類のアルキルエステルとしては、例えばプロピレングリコールアセテート等が挙げられる。
水溶性有機溶媒の使用量は、水に対して通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。
本発明の吸水撥油性防汚加工剤中の(A)成分及び(B)成分の総固形分濃度は、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
(A)成分
本発明の(A)成分は、下記に示す(A-1)又は(A-2)である。
(A-1) 上記一般式(1)で表される化合物
(A-2) 上記一般式(1)で表される化合物の水性分散液中で、(i) 一般式(2)で表されるアクリレート化合物又は(ii) 一般式(2)のアクリレート化合物と一般式(3)で表されるアクリレート化合物との混合物を重合させて得られる化合物。
まず、(A-1)につき説明する。
上記一般式(1)において、R1fで示されるパーフルオロアルキル基としては、例えばC6-18のパーフルオロアルキル基であり、具体的にはCF3(CF25−、CF3(CF26−、CF3(CF27−、CF3(CF28−、CF3(CF29−、CF3(CF210−、CF3(CF211−、CF3(CF212−、CF3(CF213−、CF3(CF214−、CF3(CF215−、CF3(CF216−、CF3(CF217−、(CF32CF(CF26−等が挙げられる。
Aで示される2価の有機基としては、例えば−(CH2)x−、−SO2N(R17)−(CH2)x−、−(CH2)x−CH(OH)−(CH2)x−等が挙げられる。ここでxは1〜6の整数、R17はC1-6のアルキル基を示す。これらの中で、−(CH22−、−SO2N(C25)−(CH22−、−CH2CH(OH)CH2−が好ましい。
1 +で示される対イオンとしては、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等の1価の金属イオン、NH4 +等の有機アミン類等のアルカリ性イオン等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
Figure 0005256397
一般式(1)の化合物中のリン含有量は、通常2.2〜7.0重量%、好ましくは2.5〜5.0重量%の範囲である。
(A-1)は、公知の化合物であり、本発明では該化合物をそのまま(A)成分として配合してもよいし、該化合物の水性分散液を(A)成分として配合してもよい。
一般式(1)で表される化合物の水性分散液を用いる場合、分散液中における一般式(1)で表される化合物の濃度は、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
一般式(1)で表される化合物の水性媒体への分散は、例えば撹拌下、好ましくは50〜90℃の温水に一般式(1)で表される化合物を分散させることにより行われる。
本発明において、(A-1)は、本発明防汚加工剤の撥油性、洗濯耐久性及び水分散安定性に寄与する。
次に、(A-2)につき説明する。
(A-2)は、上記一般式(1)で表される化合物の水性分散液中で、(i) 一般式(2)で表されるアクリレート化合物又は(ii) 一般式(2)のアクリレート化合物と一般式(3)で表されるアクリレート化合物との混合物を重合させて得られる化合物である。これらアクリレート化合物の使用量は、水性分散液中の一般式(1)で表される化合物100重量部当たり、通常250重量部以下、好ましくは50〜200重量部、より好ましくは100〜200重量部、更に好ましくは120〜180重量部とする。また、一般式(2)のアクリレート化合物と一般式(3)で表されるアクリレート化合物との混合物を用いる場合、前者が混合物全量中に15重量%以上、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは50〜70重量%含まれるように使用する。
一般式(2)において、R4で示されるC1-6のアルキレン基としては、具体的にはメチレン基、エチレン基、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−メチルトリメチレン、メチルメチレン、エチルメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキレン基を例示できる。
一般式(2)において、Y2 +で示される対イオンとしては、一般式(1)におけるY1 +で示される対イオンと同じものを例示できる。
一般式(3)において、R8で示されるC1-6のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を挙げることができる。フェニル置換C1-6アルキル基としては、例えばベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル、2−メチル−3−フェニルプロピル、ジフェニルメチル、2,2−ジフェニルエチル基等のフェニル基が1〜2個置換した炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を挙げることができる。
一般式(3)において、R6及びR7で示されるC1-6のアルキレン基としては、例えば前記R4で示されるC1-6のアルキレン基と同じものを挙げることができる。
一般式(2)で表されるアクリレート化合物の具体例としては、例えば、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸のアンモニウム塩等を挙げることができる。
一般式(3)で表されるアクリレート化合物の具体例としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
Figure 0005256397
(A-2)は、上記一般式(1)で表される化合物の水性分散液中で、一般式(2)で表されるアクリレート化合物又は一般式(2)で表されるアクリレート化合物及び一般式(3)で表されるアクリレート化合物の混合アクリレート化合物を重合させることにより製造される。
重合は、公知の重合方法を採用して行われ、例えばラジカル重合、レドックス重合等を適用できる。例えば、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等の公知の重合開始剤を用いて重合反応を行うことができる。重合開始剤は、一般式(2)及び/又は(3)で表されるアクリレート化合物に対して、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%使用するのがよい。重合反応の反応温度は、通常30〜90℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間は一般に1〜6時間である。
重合反応の反応系内には、重合調節剤を存在させて、生成する重合物の分子量を調節してもよい。重合調節剤としては、公知のものを広く使用でき、例えばn−オクチルメルカプタン、チオグリセロール等を挙げることができる。重合調節剤の使用量は、得られる重合物の分子量に応じて適宜選択すればよい。
また、重合は、γ線等の電離性放射線を照射することにより行ってもよい。
上記重合により得られる重合物の数平均分子量は、通常5000〜50万、好ましくは1万〜30万である。
(A-2)の化合物は、重合反応終了後、反応液から通常の単離手段、例えば蒸発乾固等により、単離することができる。
本発明においては、(A)成分として単離された(A-2)をそのまま使用してもよいし、単離された(A-2)を水性媒体に分散させて使用してもよいし、或いは上記重合反応後の反応液をそのまま使用してもよい。
(A-2)の化合物の水性分散液を用いる場合、分散液中における(A-2)の化合物の濃度は、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
(A-2)は、(A-1)が発現する撥油性、洗濯耐久性及び水分散安定性を阻害させないで、更に優れた吸水性及び汚れ除去性を付与する作用を有している。
(B)成分
本発明の(B)成分は、一般式(4)で表されるアクリレート化合物35〜85重量%、一般式(5)で表されるアクリレート化合物10〜60重量%及び一般式(6)で表されるアクリレート化合物5〜50重量%から得られる三元共重合体である。この三元共重合体中の上記三成分の構成割合は、原料として使用されるモノマーの配合割合と同じである。これら3種のアクリレート化合物の含有割合が必須であり、本発明防汚加工剤の撥油性及び汚れ除去性を更に改善することができる。
一般式(4)において、R2fで示されるパーフルオロアルキル基としては、一般式(1)におけるR1fで示されるパーフルオロアルキル基と同じものを例示でき、CF3(CF27−、(CF32CF(CF26−等が好ましい。
一般式(4)において、Jで示される2価の有機基としては、一般式(1)におけるAで示される2価の有機基と同じものを例示できる。
一般式(4)で表されるアクリレート化合物の具体例としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
Figure 0005256397
一般式(5)において、R11及びR12で示されるC1-6のアルキレン基としては、例えば前記R4で示されるC1-6のアルキレン基と同じものを挙げることができる。
一般式(5)において、R13で示されるC1-6のアルキル基としては、例えば前記R8で示されるC1-6のアルキル基と同じものを挙げることができる。
一般式(5)において、R13で示されるフェニル置換C1-6のアルキル基としては、例えば前記R8で示されるフェニル置換C1-6のアルキル基と同じものを挙げることができる。
一般式(5)で表されるアクリレート化合物の具体例としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
Figure 0005256397
一般式(6)において、R15及びR16で示されるC1-6のアルキレン基としては、例えば前記R4で示されるC1-6のアルキレン基と同じものを挙げることができる。
一般式(6)において、Xで示されるC1-6のアルキル基としては、例えば一般式(3)においてR4で示されるC1-6のアルキル基と同じものを挙げることができる。
一般式(6)において、M+で示されるアルカリ金属イオンとしては、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられる。
一般式(6)で表される化合物の具体例としては、例えば酢酸ビニル、アクリル酸アルキルエステル(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル等)、メタクリル酸アルキルエステル(例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等)、ダイアセトンアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルアルキルエーテル、ビニルアルキルケトン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、カルボキシル基を有する重合性カルボン酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸等)、重合性カルボン酸のアルキレンオキサイド付加物、重合性カルボン酸のアミド、重合性スルホン酸及びそのアミド又はこれらの塩、水酸基含有重合性化合物、重合性のリン酸重合体等を例示できる。
重合性カルボン酸のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば以下のものを挙げることができる。
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)H
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)2
CH2=CHCOO(CH2CH2O)H
CH2=CHCOO(CH2CH2O)2
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)CH3
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)2CH3
CH2=CHCOO(CH2CH2O)CH3
CH2=CHCOO(CH2CH2O)2CH3
更に、重合性カルボン酸のアミドとしては、例えばN−メチロールアクリルアミド等を、重合性スルホン酸及びそのアミド又はこれらの塩としては、例えば2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム塩等を、水酸基含有重合性化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等を、重合性のリン酸重合体としては、例えばモノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等を各々挙げることができる。
本発明の(B)成分は、上記一般式(4)で表されるアクリレート化合物、一般式(5)で表されるアクリレート化合物及び一般式(6)で表されるアクリレート化合物の三成分を共重合させることにより製造される。
本発明の(B)成分は、一般式(4)で表されるアクリレート化合物40〜65重量%、一般式(5)で表されるアクリレート化合物30〜45重量%及び一般式(6)で表されるアクリレート化合物5〜15重量%から得られる三元共重合体であるのが好ましい。
共重合は、公知の重合方法、例えばラジカル重合、レドックス重合等を採用して行われる。例えば、水性媒体中、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等の公知の重合開始剤を用いて重合反応を行うことができる。
水性媒体としては、例えば、水又は水と水溶性有機溶剤との混合物等が挙げられる。水と水溶性有機溶剤との混合物を使用する場合、水溶性有機溶媒の使用量は、水に対して通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%とするのがよい。
水溶性有機溶剤としては、低級アルコール類、多価アルコール類及びそのアルキルエーテル又はアルキルエステル等を例示できる。
低級アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
多価アルコール類のアルキルエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコール類のアルキルエステルとしては、例えばプロピレングリコールアセテート等が挙げられる。
重合開始剤は、一般式(4)〜(6)で表されるアクリレート化合物に対して、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%使用するのがよい。重合反応の反応温度は、通常30〜90℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間は一般に1〜6時間である。
重合反応の反応系内には、重合調節剤を存在させて、生成する重合物の分子量を調節してもよい。重合調節剤としては、公知のものを広く使用でき、例えばn−オクチルメルカプタン、チオグリセロール等を挙げることができる。重合調節剤の使用量は、得られる重合物の分子量に応じて適宜選択すればよい。
また、重合は、γ線等の電離性放射線を照射することにより行ってもよい。
上記共重合により得られる共重合物の数平均分子量は、通常5000〜50万、好ましくは1万〜30万である。
上記で得られる三元共重合体は、重合反応終了後、反応液から通常の単離手段、例えば蒸発乾固、沈殿等により、単離することができる。
本発明においては、単離された三元共重合体をそのまま使用してもよいし、単離された三元共重合体を水性媒体に分散させて使用してもよいし、或いは上記重合反応後の反応液をそのまま(B)成分として使用してもよい。
三元共重合体の水性分散液を用いる場合、分散液中における三元共重合体の濃度は、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
その他の成分
本発明の吸水撥油性防汚加工剤は、(A)成分及び(B)成分の他に、公知の吸水剤、撥油剤、帯電防止剤、染料安定剤、防皺剤等を含有することができる。
本発明防汚加工剤の製造
本発明の吸水撥油性防汚加工剤は、(A)成分及び(B)成分、更に必要に応じて各種添加剤を混合することにより製造される。混合は、公知の方法に従って行うことができる。
本発明防汚加工剤の使用
本発明防汚加工剤は、防汚加工すべき繊維又は繊維製品に付着又は含浸させて使用される。本発明防汚加工剤は、希釈することなくそのまま使用することもできるが、使用形態に応じて更に水、アルコール(例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール等)の水溶性有機溶媒等の溶媒で希釈して使用することができる。
繊維又は繊維製品へ本発明防汚加工剤を付着及び/又は含浸させるに当っては、公知の方法、例えば浸漬法、スプレー法、コーティング法(刷毛、スポンジ等を用いて塗布する方法を含む)等の各種の方法を広く適用することができる。
浸漬法に従えば、本発明防汚加工剤を含有する処理液中に処理すべき繊維又は繊維製品を浸漬すればよい。コーティング法に従えば、本発明防汚加工剤を含有する処理液を繊維又は繊維製品にコーティングすればよい。スプレー法に従えば、本発明防汚加工剤を含有する処理液を繊維又は繊維製品にスプレーすればよい。
以下、浸漬法について詳述する。
処理液中の(A)成分及び(B)成分の濃度は、処理液の絞り率と必要とする担持量より算出した濃度に設定すればよい。
上記処理液を構成する溶媒としては有機溶媒でも差し支えないが、安全面、価格面等を考慮すれば水を溶媒にするのが好ましい。
上記処理液の繊維又は繊維製品に対する浸透時間は充分に速く、浸漬時間、浴温度に特に制限はない。通常、浸漬時間0.1秒〜300秒、浴温は10〜40℃で行われる。絞りは加工する製品によって異なり、各々に適当な絞り方法、絞り率が採用できる。通常、均一な絞り率になるようマングル等で絞るのがよい。
(A)成分及び(B)成分の付着又は含浸量は、生地重量に対して、(A)成分及び(B)成分の合計量で、通常0.1〜20%、好ましくは0.5〜10%、より好ましくは1〜5%がよい。
浸漬、絞りを行った後、乾燥を行う。工業的には、乾燥温度は常温〜200℃、時間は温度に応じて選定すればよい。乾燥手段は、乾燥温度は常温〜200℃の範囲内である限り、つり干し乾燥、熱風乾燥、プレス乾燥及びアイロンによる乾燥のいずれであってもよい。
本発明においては、繊維又は繊維製品に本発明防汚加工剤を固着させるために加熱処理を行う。加熱温度及び加熱時間は、本発明防汚加工剤に含まれる(A)成分及び(B)成分の種類等により異なり、一概には言えない。加熱温度は、通常100〜250℃、好ましくは120〜200℃、更に好ましくは140〜160℃であり、加熱時間は、一般に1秒〜1時間である。加熱手段は、加熱温度は100〜250℃の範囲内である限り、熱風乾燥、プレス乾燥及びアイロンによる乾燥のいずれであってもよい。
尚、乾燥温度が高い場合には、乾燥処理と加熱処理とを同時に行うことができる。
本発明防汚加工剤で処理する際に、形態安定加工樹脂及びその触媒、柔軟剤、カルボキシメチルセルロース等の糊剤等を併用してもよい。
また、耐久性向上の目的で、本発明防汚加工剤で繊維又は繊維製品を処理する際に、適当な架橋剤、例えばブロックイソシアネートの分散物等を用い、キュアリングを行ってもよい。
本発明防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品
本発明における繊維は、合成繊維、再生繊維及び天然繊維のいずれでもよい。
合成繊維としては、公知のものを広く使用でき、例えばポリエステル、ナイロン、アクリル、アセテート等が挙げられる。
再生繊維としては、公知のものを広く使用でき、例えばレーヨン等が挙げられる。
天然繊維としては、公知のものを広く使用でき、例えば木綿、麻、ウール、絹等が挙げられる。木綿には、原綿そのものの他、苛性マーセル化した木綿、液体アンモニアで処理した木綿等が包含される。
本発明の繊維は、上記各種繊維の混紡であってもよい。
また、本発明の繊維には、上記繊維の一次加工品、例えば糸、紐、ロープ、織物、編物、不織布、紙等が包含される。
本発明において、繊維製品とは、上記繊維を更に加工したもの、例えば外衣、中衣、内衣等の衣料、寝装品、インテリア、生活雑貨品、車の内装品等の製品を意味する。具体的にはコート、ジャケット、ズボン、スカート、ワイシャツ、ニットシャツ、ブラウス、ナイトウエアー、肌着、セーター、サポーター、靴下、タイツ、ストッキング、帽子、スカーフ、服の裏地、服の芯地、服の中綿、作業着、ユニフォーム、学童用制服等の衣料;布団地、布団綿、布団カバー、シーツ、枕カバー等の寝装品;マット、カーテン、カーペット等のインテリア;タオル、ハンカチ、ふきん等の生活雑貨品;シート、シートカバー、ハンドルカバー等の自動車の内装品等の製品を例示できる。また、本発明の繊維製品には、例えば壁布、フロア外張り等の産業資材分野で使用される繊維製品の形態のものも包含される。
本発明防汚加工剤が充填されたスプレー容器
スプレー容器の形状は、特に限定がなく、公知のものでよい。例えば、代表的なものとして、トリガー式スプレーボトル、アトマイザー、霧吹き機、スプレー缶等を例示できる。
本発明防汚加工剤をスプレー容器に充填するに当たっては、特に限定がなく、公知の方法を採用すればよい。
本発明のスプレー容器を使用するに際しては、従来のスプレーと同様の方法で使用することができる。例えば、防汚処理すべき繊維又は繊維製品にスプレーにて本発明防汚加工剤を所定量噴霧すればよい。
発明の効果
本発明防汚加工剤は、吸水性及び撥油性を備えている。
本発明防汚加工剤で繊維又は繊維製品を処理しておくと、繊維又は繊維製品に付着した皮脂汚れを、一般の家庭での洗濯により容易に除去することができる。
本発明防汚加工剤は、洗濯耐久性に優れている。従って、本発明防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品を繰り返し洗濯することによっても、本発明防汚加工剤が繊維又は繊維製品から実質的に脱落することがなく、防汚加工剤としての上記性能を長期間に亘って発揮することができる。
以下に実施例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
以下の実施例及び比較例において、使用する(A)成分及び(B)成分は、以下の通りである。
(A)成分を次のようにして調製した。
▲1▼ 2−パーフルオロオクチルエチルアルコール570g及び無水リン酸30gを70℃で6時間反応させ、反応生成物(リン含有量4.4重量%)を得た。次に、この反応生成物に28重量%アンモニア水100g、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル400g及びイオン交換水900gを加え、60℃に加温して、固形分濃度30重量%の分散液を得た。この分散液を以下「FA−P1」という。
▲2▼ 2−パーフルオロオクチルエチルアルコール480g及び無水リン酸120gを70℃で6時間反応させ、反応生成物(リン含有量8.7重量%)を得た。次に、この反応生成物に28重量%アンモニア水100g、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル400g及びイオン交換水900gを加え、60℃に加温して、固形分濃度30重量%の分散液を得た。この分散液を以下「FA−P2」という。
▲3▼ N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチル−アミノエチルアルコール534g及び無水リン酸66gを70℃で6時間反応させ、反応生成物(リン含有量2.6重量%)を得た。次に、この反応生成物に28重量%アンモニア水100g、イソプロピルアルコール400g及びイオン交換水900gを加え、60℃に加温して、固形分濃度30重量%の分散液を得た。この分散液を以下「FOS−P」という。
一般式(2)のアクリレート化合物として、下記のものを使用した。
TBAS:2−アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム塩
SVS:ビニルスルホン酸ナトリウム
一般式(3)のアクリレート化合物として、下記のものを使用した。
M−230G:CH2=C(CH3)OCO(CH2CH2O)23CH3
M−90G:CH2=C(CH3)OCO(CH2CH2O)9CH3
上記▲1▼で得られたFA−P1 300g、TABS 63g、M−230G27g、イオン交換水164g及びn−オクチルメルカプタン1.8gを1リットルのセパラブルフラスコに仕込み、窒素置換中で1時間攪拌を行った後、40℃に加温し、過硫酸アンモニウム1.2g及び35重量%重亜硫酸ナトリウム水溶液43gを添加し、40〜45℃で4時間かけてレドックス重合を行った。得られた分散液を「A1」という。
上記と同様の方法で、各種分散液(A2〜A8)を得た。但し、A4は、▲1▼で得られた水分散液そのものである。
A9は、TBASとM−230Gとの共重合体を▲1▼で得られる水分散液に単に混合した組成物である。尚、TBASとM−230Gとの共重合体は、FA−P1を使用しない以外は、上記と同様の条件で製造した。
尚、使用した水性分散液の種類及び使用量並びにアクリレート化合物の種類及び使用量を表1に示す。表1における固形分重合比率は、水分散液中の固形分と共重合させるアクリレート化合物との重量比率である。
Figure 0005256397
(B)成分を次のようにして調製した。
一般式(4)のアクリレート化合物として、下記のものを使用した。
FA−M:C817CH2CH2OCOC(CH3)=CH2
一般式(5)のアクリレート化合物として、下記のものを使用した。
M−230G:CH2=C(CH3)OCO(CH2CH2O)23CH3
M−90G:CH2=C(CH3)OCO(CH2CH2O)9CH3
一般式(6)のアクリレート化合物として、下記のものを使用した。
AN:アクリロニトリル
N−MAN:N−メチロールアクリルアミド
FA−M 108g、M−230G 54g、AN 18g、イソプロピルアルコール180g、イオン交換水237g及びn−オクチルメルカプタン1.8gを1リットルのセパラブルフラスコに仕込み、窒素置換中で1時間攪拌を行った後、40℃に加温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(アゾ系化合物)1.2gを添加し、50〜55℃で6時間かけてラジカル重合を行った。得られた分散液を「B1」という。分散液中の固形分濃度は30重量%であった。
上記と同様の方法で、各種分散液(B2〜B7)を得た。分散液中の固形分濃度は、いずれも30重量%であった。
Figure 0005256397
実施例1〜実施例6
上記で得られた(A)成分(水性分散液)及び(B)成分(水性分散液)を、両者の配合割合が固形分比で表3に示す割合になるように配合し、本発明の防汚加工剤を製造した。
比較例1〜比較例11
上記で得られた(A)成分(水性分散液)及び(B)成分(水性分散液)を、両者の配合割合が固形分比で表3又は表4に示す割合になるように配合し、比較のための防汚加工剤を製造した。
Figure 0005256397
Figure 0005256397
試験例1
実施例1〜6及び比較例1〜11の防汚加工剤の性能を、以下の方法で調べた。
実施例1〜6及び比較例1〜11の各防汚加工剤を、固形分濃度が1.5重量%になるようにイオン交換水で希釈した。この希釈液に綿ブロード布を1分間浸漬し、2本のゴムローラーの間で綿ブロード布を絞って絞り率80%とした。次いで100℃で3分間乾燥し、更に160℃で1分間熱処理して、防汚処理を行った。
上記防汚処理された各綿ブロード布を洗濯前試験布とした。更にこれらの試験布を、洗剤(商品名:アタック、花王(株)製)を使用し、JIS L−0217 103法(但し、水洗として15分間のオーバーフローを行う)にて15回洗濯を繰返し、洗濯15回試験布とした。また、洗濯前試験布を同様に30回洗濯を繰返し、洗濯30回試験布とした。
(1)吸水性
防汚処理された長さ30cm、巾2.5cmの綿ブロード布(洗濯前試験布、洗濯15回試験布及び洗濯30回試験布)の下部0.5cmに水を浸漬し、10分後に水が吸い上げられた長さを測定する(バイレック法)ことで、吸水性を評価した。
(2)撥油性
表5に示す各種の試験溶液を綿ブロード布(洗濯前試験布、洗濯15回試験布及び洗濯30回試験布)の上に三ヶ所滴下し、3分間で浸透・湿潤しない試験溶液を判別し、その試験溶液について予め付与されている数値で撥油性の評価を行った。
Figure 0005256397
(3)皮脂汚れ除去性
40℃に加温し、溶解した市販のラード(牛脂)を、綿ブロード布(洗濯前試験布、洗濯15回試験布及び洗濯30回試験布)に2滴滴下し、その上にガラス板を置き、数秒間押しつけた。ガラス板を取り外し、36℃の雰囲気中で2時間放置した後、家庭用洗濯機で綿ブロード布を洗濯し(洗剤(商品名:アタック、花王(株)製)、洗剤濃度0.75g/l、浴比1:50)、40℃で15分間洗濯、すすぎ15分)、遠心脱水後、風乾した。
乾燥した綿ブロード布につき、残存するシミの状態を下記表6に示す判定標準表と比較し、該当する判定数をもって、皮脂汚れ除去性を評価した。
Figure 0005256397
結果を表7に示す。
Figure 0005256397
試験例2
綿ブロード布の代わりにポリエステル繊維/綿混紡布(比率50/50)を用い、上記試験例1と同様にして、吸水性、撥油性及び皮脂汚れ除去性を調べた。
結果を表8に示す。
Figure 0005256397
試験例3
実施例1〜6及び比較例1〜11の防汚加工剤の性能を、以下の方法で調べた。
実施例1〜6及び比較例1〜11の各防汚加工剤を、固形分濃度が3重量%になるようにイオン交換水で希釈した。この希釈液をトリガー式スプレーボトルに入れ、綿ブロード布に均一にスプレー(付着量:生地重量に対して30%)し、常温で2時間吊り干し乾燥後、アイロン(温度:高目盛)で均一に熱処理を行い、防汚処理を行った。
上記防汚処理された各綿ブロード布を洗濯前試験布とした。更にこれらの試験布を、洗剤(商品名:アタック、花王(株)製)を使用し、JIS L−0217 103法(但し、水洗として15分間のオーバーフローを行う)にて15回洗濯を繰返し、洗濯15回試験布とした。また、洗濯前試験布を同様に30回洗濯を繰返し、洗濯30回試験布とした。
上記試験例1と同様にして、吸水性、撥油性及び皮脂汚れ除去性を調べた。
結果を表9に示す。
Figure 0005256397
試験例4
綿ブロード布の代わりにポリエステル繊維/綿混紡布(比率50/50)を用い、上記試験例3と同様にして、吸水性、撥油性及び皮脂汚れ除去性を調べた。
結果を表10に示す。
Figure 0005256397

Claims (7)

  1. (A)成分と(B)成分とを含有し、(A)成分及び(B)成分の含有割合が前者:後者=15〜90:10〜85(固形分重量比)である吸水撥油性防汚加工剤であって、(A)成分が、一般式(1)
    【化1】
    Figure 0005256397
    [式中、R1fはパーフルオロアルキル基を示す。Aは2価の有機基を示す。mは1又は2
    を示し、nは0又は1を示す。但し、m+n≦2を満たすものとする。Y1 +は対イオンを示す。Pはリン原子であり、一般式(1)の化合物中のリン含有量は2.2〜7.0重量%の範囲である。]で表される化合物の水性分散液中で、該化合物100重量部当たり250重量部以下の(i) 一般式(2)
    【化2】
    Figure 0005256397
    [式中、R2は水素原子又はメチル基を示す。R3はエチレン基又は−CONH−基を示す
    。iは0又は1を示す。R4はC1-6のアルキレン基を示す。kは0又は1を示す。Y2 +は対イオンを示す。]で表される化合物又は(ii) 15重量%以上の一般式(2)の化合物と85重量%以下の一般式(3)
    【化3】
    Figure 0005256397
    [式中、R5は水素原子又はメチル基を示す。R6及びR7は各々C1-6のアルキレン基を示
    す。lは1〜100の整数を示す。oは0〜99の整数を示す。但し、l+o≦100を満たすものとする。R8は水素原子、C1-6のアルキル基、フェニル基又はフェニル置換C1-6アルキル基を示す。]で表されるアクリレート化合物を重合させて得られる化合物であり、
    (B)成分が、一般式(4)
    【化4】
    Figure 0005256397
    [式中、R2fはパーフルオロアルキル基を示す。Jは2価の有機基を示す。R9は水素原
    子又はメチル基を示す。pは1〜100整数を示す。]で表されるアクリレート化合物35〜85重量%、一般式(5)
    【化5】
    Figure 0005256397
    [式中、R10は水素原子又はメチル基を示す。R11及びR12は各々C1-6のアルキレン基
    を示す。qは1〜100の整数を示す。rは0〜99の整数を示す。但し、q+r≦100を満たすものとする。R13は水素原子、C1-6のアルキル基、フェニル基又はフェニル置換C1-6アルキル基を示す。]で表されるアクリレート化合物10〜60重量%及び一般式(6)
    【化6】
    Figure 0005256397
    [式中、R14は水素原子又はメチル基を示す。R15はC1-6のアルキレン基、−COO−
    基又は−CONH−基を示す。sは0又は1を示す。R16はC1-6のアルキレン基を示す。tは0〜100の整数を示す。Xは水素原子、C1-6のアルキル基、ニトリル基、グリシジル基、フェニル置換C1-6アルキル基、基−NR1718、基−SO3 -・M+又は基−PO3 3-・(M+3を示す。R17及びR18は、同一又は異なって、水素原子又はC1-6のアルキル基を示す。また、R17及びR18は、これらが結合する窒素原子と共に互いに結合して5〜6員の飽和環を形成してもよい。M+はアルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。]で表される化合物5〜50重量%からなる三元共重合体であることを特徴とする吸水撥油性防汚加工剤。
  2. 水性分散液の形態にある請求項1に記載の吸水撥油性防汚加工剤。
  3. (A)成分及び(B)成分の総固形分濃度が0.1〜50重量%である請求項1又は2に記載の吸水撥油性防汚加工剤。
  4. 繊維又は繊維製品へ請求項1に記載の防汚加工剤を付着及び/又は含浸させ、乾燥後、加熱処理を行うことを特徴とする防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の吸水撥油性防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品。
  6. 請求項4に記載の方法で製造される吸水撥油性防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の吸水撥油性防汚加工剤を充填したスプレー容器。
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