JP3280441B2 - マイクロ加工によりレンズとミラーを製作する方法 - Google Patents

マイクロ加工によりレンズとミラーを製作する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本件出願は、出願番号第07/725,1
74(D/90321)号「マイクロ工学的要素の製造
方法(Fabrication Methods for Micromechanical Elem
ents)」、出願番号第07/725,176(D/90
321Q)号「懸垂式マイクロ工学的要素の製造(Manu
facture of a Suspended Micromechanical Elemen
t)」、及び出願番号第07/725,173(D/9
0322)号「2自由度を備えたマイクロ工学的要素の
製造(Manufacture of a Micromechanical Element wit
h Two Degrees of Freedom)」という1991年7月3
日付けで出願した本出願人の出願中の米国特許出願に関
連するものである。
【0002】〔発明の概要〕簡略的に言って本発明に拠
れば、シリコンにおいて滑らかな湾曲を作製するプロセ
ス、更に、レンズ、光学システム及び集束鏡の作製のプ
ロセスに対する当該プロセスの適用が準備されるのであ
る。
【0003】滑らかな3次元の湾曲は、2段階のパター
ン形成工程を使用して作製される。第1の段階は、従来
通りのフォトレジスト及びエッチングの技術を使用し
て、湾曲されるべきシリコン・ブロックの縁部即ち壁部
を基板の表面において画成することである。第2の段階
は、湾曲されるべき縁部即ち壁部の中に緩衝材を成長さ
せ、当該緩衝材が縁部即ち壁部と共に3次元的なボウル
形状を形成することである。緩衝材は、縁部即ち壁部の
中へ外側に突き出し、縁部即ち壁部が緩衝材を収容する
ようにして内側へ突き出すことになる。この段階の終結
は、縁部即ち壁部がそのボウル形状を保っている間にお
ける緩衝材の除去が鏡面を形成することであり、或い
は、湾曲した緩衝材を残しておくブロックの除去がレン
ズを形成することである。
【0004】〔図面の簡単な説明〕図1は、被着されパ
ターン形成された構造層及び被着されパターン形成され
たマスキング層を備えた基板の側面図である。
【0005】図2は、エッチングされた構造層及びマス
キング層を備えた基板の側面図である。
【0006】図3は、マスキング層内におけるスリット
のパターン形成及びイオン注入の後における図2の平面
図である。
【0007】図4は、拡散の後における図3の側面図で
ある。
【0008】図5は、図4の端面図である。
【0009】図6は、シリコン窒化物の被着の後におけ
る図4の側面図である。
【0010】図7は、図6のパターン形成の後における
側面図である。
【0011】図8は、図7の上面図である。
【0012】図9は、図7の端面図である。
【0013】図10は、酸化物緩衝材の成長の後におけ
る図7の側面図である。
【0014】図11は、図1から図10において示され
た工程から製造される鏡面の側面図である。
【0015】図12は、図1から図10において示され
た工程から製造される1対のレンズの側面図である。
【0016】図13は、被着された窒化物層、被着され
パターン形成された構造層、及び被着されパターン形成
されたマスキング層を備えた基板の側面図である。
【0017】図14は、マスキング層内におけるスリッ
トのパターン形成及びイオン注入の後における図13の
平面図である。
【0018】図15は、拡散の後における図14の側面
図である。
【0019】図16は、図15の端面図である。
【0020】図17は、シリコン窒化物の被着の後にお
ける図15の側面図である。
【0021】図18は、図17のパターン形成の後にお
ける側面図である。
【0022】図19は、図18の上面図である。
【0023】図20は、図18の平面図である。
【0024】図21は、酸化物緩衝材の成長の後におけ
る図18の側面図である。
【0025】図22は、図13から図21において示さ
れた工程から製造される鏡面の側面図である。
【0026】図23は、図13から図21において示さ
れた工程から製造される1対のレンズの側面図である。
【0027】〔発明の説明〕図1は、構造層12及びマ
スキング層13の被着及び形成の後における基板10を
示している。この実施例では、基板にはシリコンが使用
されている。シリコンは、高温の工程段階においても損
傷を受けないので理想的である。セラミックのようなそ
の他の材料に置き換えられることもまた可能である。従
来通りのフォトレジスト及びエッチングの工程は、非シ
リコン基板の表面におけるシリコンの被着層から構造層
12を形成するために使用され、或いは図2において示
されるようにシリコン基板から突起部を形成するために
使用されることも可能である。マスキング層は、イオン
注入という後の工程段階において使用される。低エネル
ギーイオン注入の場合には、従来通りのフォトレジスト
のマスキングが使用されることも可能である。高エネル
ギーイオン注入の場合には、ほぼ0.2ミクロンという
厚さの金属の薄層がマスキング層13として使用され
る。
【0028】図3において示されるように、マスキング
層は、スリット内においてパターン形成される。マスキ
ング層がフォトレジストであるならば、従来通りの技術
が使用されることも可能である。マスキング層が金属で
あるならば、スリットは、薄いフォトレジストを利用し
て微細な金属のパターン形成を達成することになる周知
のプロセスを使用してパターン形成される。マスキング
層13が一旦パターン形成されると、構造層12内への
リン、ヒ素又はホウ素のドーピング添加剤のイオン注入
14が、構造層12の中心にドーピング添加剤を配置す
るに足るほどの十分なエネルギーにおける立方センチ当
り凡そ1014から1016個の原子という範囲の濃度にお
いて、従来通りのイオン注入プロセスを使用して行われ
る(図3を参照すること)。構造層12内へのリン、ヒ
素又はホウ素の注入の目的は、後の工程段階における構
造層12の酸化速度を制御することである。その濃度が
最大である場合、構造層12は、最も速く酸化すること
になる。濃度が最小である場合には、構造層12は、最
も遅く酸化することになる。
【0029】続いて、マスキング層13が除去され、ド
ーピング添加剤は、その後、図4において示されるよう
に構造層の全体に渡って濃度勾配14’を形成するよう
にして拡散される。濃度勾配14’を示す構造層の端面
図は、図5において示されている。注入マスキング及び
拡散プロセスの故に、この濃度勾配14’は、一連の同
心円である。ドーピング添加剤の濃度は、それらの線図
即ち円が互いに最も接近している個所の中心において最
も高いのである。
【0030】続いて、構造層12は、図6において示さ
れるように、従来通りの窒化物被着技術を使用して、シ
リコン窒化物18(SiN3 )の層によって被覆され
る。この窒化物は、構造層を完全に被覆するものであ
り、次の段階を容易にするためにパターン形成されなけ
ればならない。構造層12と界面結合しているシリコン
窒化物18は、後続の段階における構造層12の酸化速
度を制御するためにも役立つことになる。シリコン窒化
物18によって被覆された個所においては酸素が構造層
12を分解することが不可能となるので、シリコン窒化
物は、酸化物緩衝材の成長に関して耐性を有することに
なる。構造層12及びシリコン窒化物18の境界面にお
いては酸素が構造層12から部分的に遮断されるので、
構造層12の酸化速度は、遅いものとなる。図7におい
て示されるように、構造層12の端部16から窒化物を
除去して、構造層12の露出端部16をパターン形成す
ることになるパターン形成工程においては、従来通りの
フォトレジスト及びエッチングの技術が使用される。露
出端部16は、図8において示されるように、所望され
るレンズ又は鏡面の形状に応じて、平坦であるか又は湾
曲するようにパターン形成されることが可能である。こ
の段階が完了すると、残存する構造層12は、基板10
の表面から突出し突起することになる。図9における構
造層の断面図は、3つの側面がシリコン窒化物18によ
って被覆され突起している構造層12、及び構造層12
の内部における濃度勾配14’を示している。構造層1
2の突出し突起する残存部は、図11及び図12におい
て示されるように、後に鏡面22となるか又はレンズ2
0を形成するために使用されることになる。
【0031】第2のパターン形成段階は、酸化物緩衝材
20及び酸化物層21を成長させることによって開始さ
れる。酸化物緩衝材20は、SiO2 即ちガラスであ
り、レンズ用として光学的に適切なものである。酸化物
緩衝材20及び酸化物層21は、構造層12の表面にお
いて従来通りの酸化プロセスを使用して成長される。当
該酸化物は、シリコン基板10の表面ばかりでなく構造
層12の露出壁部においても成長する。酸化物緩衝材2
0は、図10において示されるように、緩衝材の形状を
制御するシリコン窒化物層18から課せられる制約の故
に、内側と外側の両方に向かって湾曲した形状において
成長する。酸化速度は、構造層12のシリコン窒化物層
18との境界面において最も遅いものとなる。酸化物緩
衝材20は、酸化物成長の輪郭が略凸状となって、構造
層12との凸凹関係を為す略ボウル形状を形成するまで
成長される。酸化速度は、構造層12内における拡散濃
度勾配14’によって更に制御される。酸化速度が構造
層12及びシリコン窒化物18の境界面において最も遅
いので、酸化物緩衝材は、構造層12及びシリコン窒化
物18の境界面において最も薄くなる。酸化物緩衝材
は、成長速度が最も速い個所である構造層12の中心に
おいて最も厚くなる。結果として生じる略ボウル形状の
湾曲は、部分的な球体又は部分的な楕円の形態にあり、
楕円放物面の何らかの形態、或いは構造層12の表面に
おけるその他の3次元の湾曲であることになる。本文に
おいて使用される「ボウル形状」という用語は、形状の
そのような形態の総てを包含するものとして意図され
る。略球形状の酸化物緩衝材は、球体又は楕円の形態に
あり、楕円放物面の何らかの形態、或いはその他の3次
元の閉じた湾曲であることになり、本文において使用さ
れる「球形状」という用語は、形状のそのような形態の
総てを包含するものとして意図される。ポリシリコン酸
化速度の制御が周知のプロセスであるので、酸化物緩衝
材20の深さ及び輪郭は、精密に制御されることも可能
である。従って、図11及び図12においてそれぞれに
示されている仕上がった鏡面22の略ボウル形状又はレ
ンズ20の略球形状もまた精密に制御されることが可能
となる。酸化物緩衝材の成長及び制御は、両者ともに
「成長される酸化物緩衝絶縁体の高速VLSI・SAS
MEFETに対する適用(Application of Grown Oxide
Bumper Insulators to a High SpeedVLSI SASMEFE
T)」という標題が付いたボル(Bol )及びケミング(K
eming)による第4,400,866 号及び第4,375,643 号の米
国特許明細書において議論され、これらは、本文におい
て引例として組み込まれるものとする。
【0032】酸化物緩衝材20の除去、或いは構造層1
2及びシリコン窒化物18層の除去の何れかが、第2段
階の最終的工程である。酸化物緩衝材20が除去される
ならば、残存するシリコンは、図11において示される
ように鏡面22となる。酸化物緩衝材20は、周知の従
来通りの技術を使用して除去される。構造層12及びシ
リコン窒化物18層が除去されるならば、残存するガラ
スの酸化物緩衝材20は、図12において示されるよう
にレンズとなる。シリコン窒化物18及び構造層12の
除去は、周知の従来通りの技術によって実施されること
が可能である。シリコンは鏡面であるに足る十分な反射
率のものであるが、鏡面の反射率は、金属のような反射
コーティングで鏡面を被覆することによって変更される
ことも可能である。
【0033】以上に説明したプロセスの修正が図13か
ら図23の各図において示され、前述のプロセスにおけ
るものと同じ要素には、「a」が付け足されているだけ
の同一の参照番号が付与されている。図13に注目する
と、レンズ20aの基部26における更に均一な湾曲を
備えたレンズが、構造層12aと基板10aの間に挿入
される窒化物層24を補足することによって形成され
る。窒化物層24は、構造層12aが被着される前に被
着される。図14から図23において示されているそれ
に続く工程段階は、図3から図12において示された段
階と同じものであり、僅かに異なった形状の鏡面又はレ
ンズを産み出すのである。図21から図23は、窒化物
層24の追加の故に、成長される酸化物緩衝材20a、
レンズ20a及び鏡面22aの形状において僅かに変化
する。追加の窒化物層は、酸化物緩衝材20aの基部2
6における酸化物の成長を制御して、基部26において
更に均一な湾曲を形成することになる。図23において
示されるレンズ20aは基板10aから隔離されている
ので、レンズ20aを適所に保持するために窒化物層2
4及び構造層12aの一部を残しておくことが重要であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 被着されパターン形成された構造層及び被着
されパターン形成されたマスキング層を備えた基板の側
面図である。
【図2】 エッチングされた構造層及びマスキング層を
備えた基板の側面図である。
【図3】 マスキング層内におけるスリットのパターン
形成及びイオン注入の後における図2の平面図である。
【図4】 拡散の後における図3の側面図である。
【図5】 図4の端面図である。
【図6】 シリコン窒化物の被着の後における図4の側
面図である。
【図7】 図6のパターン形成の後における側面図であ
る。
【図8】 図7の上面図である。
【図9】 図7の端面図である。
【図10】 酸化物緩衝材の成長の後における図7の側
面図である。
【図11】 図1から図10において示された工程から
製造される鏡面の側面図である。
【図12】 図1から図10において示された工程から
製造される1対のレンズの側面図である。
【図13】 被着された窒化物層、被着されパターン形
成された構造層、及び被着されパターン形成されたマス
キング層を備えた基板の側面図である。
【図14】 マスキング層内におけるスリットのパター
ン形成及びイオン注入の後における図13の平面図であ
る。
【図15】 拡散の後における図14の側面図である。
【図16】 図15の端面図である。
【図17】 シリコン窒化物の被着の後における図15
の側面図である。
【図18】 図17のパターン形成の後における側面図
である。
【図19】 図18の上面図である。
【図20】 図18の平面図である。
【図21】 酸化物緩衝材の成長の後における図18の
側面図である。
【図22】 図13から図21において示された工程か
ら製造される鏡面の側面図である。
【図23】 図13から図21において示された工程か
ら製造される1対のレンズの側面図である。
【符号の説明】
10 基板、12 構造層、13 マスキング層、14
イオン注入、14’濃度勾配、18 シリコン窒化
物、20 レンズ、22 鏡面

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平らな基板の上に全体としてボウル形状
    の要素をマイクロ加工により作る方法において、 a)前記の基板のほぼ平らな表面に、その表面から直立
    する壁手段を有する突出部をつくり、 b)前記の壁手段の外周縁部に酸化抵抗性の境界を形成
    し、 c)前記の壁手段内へ成長していく酸化区域である緩衝
    材を、前記の壁手段と一面が凸で他面が凹の関係になっ
    ているほぼボウル状の形とし、そして d)前記の基板から前記の突出部を除去してボウル形状
    の要素をレンズとして残すことを特徴とした方法。
  2. 【請求項2】 前記の突出部に酸化促進添加剤を注入し
    て前記のボウル形状の要素と形が一致している濃度勾配
    を形成する段階を含む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 平らな基板の上に全体としてボウル形状
    の要素をマイクロ加工により作る方法において、 a)前記の基板のほぼ平らな表面に、その表面から直立
    する壁手段を有する突出部をつくり、 b)前記の壁手段の外周縁部に酸化抵抗性の境界を形成
    し、 c)前記の壁手段内へ成長していく酸化区域である緩衝
    材を、前記の壁手段と一面が凸で他面が凹の関係になっ
    ているほぼボウル状の形とし、そして d)前記の壁手段から前記の酸化区域である緩衝材を除
    去して前記の壁手段にミラーを残すことを特徴とした方
    法。
  4. 【請求項4】 前記の突出部に酸化促進添加剤を注入し
    て前記のボウル形状の要素と形が一致している濃度勾配
    を形成する段階を含む請求項3に記載の方法。
JP00006693A 1992-01-06 1993-01-04 マイクロ加工によりレンズとミラーを製作する方法 Expired - Lifetime JP3280441B2 (ja)

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US817163 1992-01-06
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JPH0643308A JPH0643308A (ja) 1994-02-18
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JPH0643308A (ja) 1994-02-18
DE69306132D1 (de) 1997-01-09
US5248379A (en) 1993-09-28
EP0552862A1 (en) 1993-07-28
DE69306132T2 (de) 1997-06-12

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