JP3279782B2 - 冷凍機の運転制御装置 - Google Patents

冷凍機の運転制御装置

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JP3279782B2 JP32672193A JP32672193A JP3279782B2 JP 3279782 B2 JP3279782 B2 JP 3279782B2 JP 32672193 A JP32672193 A JP 32672193A JP 32672193 A JP32672193 A JP 32672193A JP 3279782 B2 JP3279782 B2 JP 3279782B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、リニアモータカー等
の超電導磁石を極低温レベルに冷却するための液化冷媒
を貯溜する冷媒タンクに付設され、冷媒タンク内で蒸発
した冷媒ガスを冷媒回路内に吸い込んで圧縮及び膨張に
より液化してタンク内に戻すようにした冷凍機の運転制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導磁石を備えたリニアモータ
カーが注目されている。この超電導磁石においては、コ
イルに用いる超電導体を臨界温度以下に冷却保持するた
めにタンク内に貯溜した液体ヘリウムを利用している
が、この液体ヘリウムがタンク内で蒸発するので、この
蒸発したヘリウムガスを冷却凝縮させて液化する必要が
あり、この目的で極低温冷凍機が使用される。
【0003】このヘリウムガスを凝縮温度まで冷却する
冷凍機の一例として、従来、例えば米国特許第4223
540号等に記載されているように、予冷冷凍機とJ−
T冷凍機とを組み合わせた冷凍機がある。上記予冷冷凍
機はGMサイクル(ギフォード・マクマホンサイクル)
や改良ソルベーサイクル等の冷凍機からなるもので、圧
縮機で圧縮されたヘリウムガス(冷媒ガス)を膨張機で
断熱膨張させてそのガスの温度降下によりヒートステー
ションに極低温レベルの寒冷を発生させる。
【0004】一方、J−T冷凍機は、圧縮機から供給さ
れたヘリウムガスを上記予冷冷凍機における膨張機のヒ
ートステーションとの間で熱交換して予冷する予冷器
と、ヘリウムガスをジュール・トムソン膨張させるJ−
T弁とを接続してなるもので、圧縮機からのヘリウムガ
スを予冷器で予冷するとともに、該予冷されたヘリウム
ガスをJ−T弁でジュール・トムソン膨張させて4Kレ
ベルの寒冷を発生させるようになっている。
【0005】そして、上記タンク内の蒸発ヘリウムガス
を冷凍機で冷却する場合、タンク内に2本の冷媒配管を
各々の一端部がタンク内に開口するように配置し、両配
管の他端部をタンク外に引き出してJ−T冷凍機の冷媒
回路に直列に接続することにより、タンク内を冷凍機の
冷媒回路の一部とし、一方の配管からタンク内の蒸発ヘ
リウムガスをJ−T冷凍機の冷媒回路に吸い込んで圧縮
機で圧縮するとともに、その圧縮されたヘリウムガスを
J−T弁で膨張させて冷却液化し、この液体ヘリウムを
他方の配管を経由してタンク内に戻すようになされてい
る。
【0006】ところで、リニアモータカー等の超電導磁
石を臨界温度以下に冷却するための液体ヘリウムタンク
の内圧は、冷凍機の通常運転時には所定範囲(0.15
〜0.25kg/cm2 G程度)でバランスしている。
しかし、リニアモータカー等の保守や点検等で超電導磁
石による磁場の発生を停止させる消磁や外部から電流を
流して励磁を行うときには、熱負荷が増大して上記タン
ク内の圧力が上昇する。そして、このタンク内圧が上限
値(例えば0.4kg/cm2 G)を越えると、安全弁
が作動してタンク内のヘリウムガスをタンク外に排出さ
せることが行われている。
【0007】この安全弁の作動を避けるために、従来、
超電導磁石の励消磁を行うときには、J−T冷凍機にお
ける圧縮機の運転周波数を上げて、液体ヘリウムタンク
から圧縮機に吸い込まれるヘリウムガスの吸込量を増加
させ、かつJ−T冷凍機の冷媒回路でのガス流量を一時
的に少なくしてタンク内へのガス流入量を減少させるこ
とにより、タンク内圧を低下させるようになされてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
の方法でも、タンクの内圧を安全弁の作動圧力以下に抑
えることが困難となる場合がある。例えば、冷凍機にお
いては、液体ヘリウムタンク内の圧力を一定に保つため
に、液体ヘリウムタンクと圧縮機の吸込側との間の冷媒
回路に、冷媒タンク内の圧力が設定圧以下に低下したと
きに開く低圧制御弁を配置した冷媒給排配管を介してバ
ッファタンクが接続されており、超電導磁石の励消磁を
行うときに、上記のように圧縮機の運転周波数を上げ
て、液体ヘリウムタンクから圧縮機に吸い込まれるヘリ
ウムガスの吸込量を増加させ、かつJ−T冷凍機の冷媒
回路でのガス流量を一時的に少なくしてタンク内へのガ
ス流入量を減少させると、液体ヘリウムタンクの内圧が
上記低圧制御弁の設定圧を越えるまでの間は、バッファ
タンクから圧縮機へヘリウムガスの供給が行われ、その
分、液体ヘリウムタンクからの吸込量が減少することと
なり、その結果、タンク内圧の上昇を有効に抑制するこ
とが困難になる。
【0009】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、超電導磁石の励消磁を行うときの
冷凍機の運転制御形態を変更することにより、その励消
磁時の熱負荷の増大に伴う冷媒タンクの内圧上昇を有効
に抑制しようとすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、請求項1の発明では、超電導磁石の励消磁時には、
それに先立ち、圧縮機の運転周波数を上げて冷媒タンク
内の蒸発ガスの冷媒回路への吸入量を増加させかつ冷媒
タンクへの冷媒流入量を低減させることで、冷媒タンク
の内圧を低下させておき、その後、超電導磁石の励消磁
を実行するようにして、その励消磁の実行に伴う熱負荷
増大時のタンク内圧の上昇ピーク値を下げるようにし
た。
【0011】具体的には、この発明では、図1に示すよ
うに、超電導磁石を臨界温度以下に冷却保持する液冷媒
を貯溜する冷媒タンク(Th)内に、運転周波数可変の
圧縮機(4),(8)及び膨張手段(38)を有する冷
媒回路の一部が開放されるとともに、上記冷媒タンク
(Th)と圧縮機(4),(8)の吸込側との間の冷媒
回路に、冷媒タンク(Th)内の圧力が設定圧以下に低
下したときに開く低圧制御弁(LPR1),(LPR
2)を配置した冷媒給排配管(17)を介してバッファ
タンク(Tb)が接続されていて、冷媒タンク(Th)
内で蒸発したガス冷媒を冷媒回路に吸入して圧縮機
(4),(8)で圧縮した後に膨張手段(38)で膨張
させ、その膨張による温度降下により液冷媒を生成して
冷媒タンク(Th)内に戻すとともに、冷媒タンク(T
h)内の熱負荷の増大により、上記蒸発したガス冷媒を
液冷媒として冷媒タンク(Th)内に戻すことができな
いときには、該戻し切れない蒸発ガスをバッファタンク
(Tb)に回収するようにした冷凍機が前提である。
【0012】そして、上記超電導磁石の励消磁を行うこ
とを検出する励消磁運転検出手段(53)と、この検出
手段(53)の出力信号を受け、超電導磁石を励消磁す
るとき、該励消磁の開始前に、圧縮機(4),(8)の
運転周波数を上げて冷媒タンク(Th)内の蒸発ガスの
冷媒回路への吸入量を増加させ、かつ冷媒タンク(T
h)への冷媒流入量を低減させて、冷媒タンク(Th)
の内圧を低下させ、その後に所定条件が成立すると、超
電導磁石の励消磁を行うように制御する制御手段(5
1)とを設ける。
【0013】請求項2の発明では、超電導磁石の励消磁
時には、バッファタンク内から圧縮機への冷媒ガスの供
給を停止させ、冷媒タンク内の冷媒ガスのみを圧縮機に
吸引させるようにした。
【0014】すなわち、この発明では、上記請求項1の
発明と同じ前提の冷凍機において、冷媒給排配管(1
7)を開閉する開閉手段(AV3)と、超電導磁石の励
消磁を行うことを検出する励消磁運転検出手段(53)
と、この検出手段(53)の出力信号を受け、超電導磁
石を励消磁するときに上記開閉手段(AV3)を閉じる
ように制御する制御手段(51)とを設ける。
【0015】請求項3の発明は、上記請求項1及び2の
発明を組み合わせたものである。すなわち、この発明で
は、上記請求項2の冷凍機の運転制御装置において、制
御手段(51)は、上記超電導磁石を励消磁するとき
に、該励消磁の開始前に、開閉手段(AV3)を閉じる
とともに、圧縮機(4),(8)の運転周波数を上げて
冷媒タンク(Th)内の蒸発ガスの冷媒回路への吸入量
を増加させかつ冷媒タンク(Th)への冷媒流入量を低
減させて、冷媒タンク(Th)の内圧を低下させ、その
後に所定条件が成立すると、超電導磁石の励消磁を行う
ように構成する。
【0016】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、超電
導磁石を励消磁するとき、そのことが検出手段(53)
により検出され、この検出手段(53)の出力信号を受
けた制御手段(51)により、励消磁の開始前に、冷凍
機における圧縮機(4),(8)の運転周波数が上昇し
て冷媒タンク(Th)内の蒸発ガスの冷媒回路への吸入
量が増加し、かつ冷媒タンク(Th)への冷媒流入量が
低減して、冷媒タンク(Th)の内圧が低下する。そし
て、この冷媒タンク(Th)の内圧の低下後に所定条件
が成立すると、超電導磁石の励消磁が実行される。この
ように冷媒タンク(Th)の内圧が前もって低下した状
態から超電導磁石の励消磁が実行されるので、たとえこ
の励消磁の実行により熱負荷が増大しても、上記内圧の
低下分だけ冷媒タンク(Th)の内圧上昇のピーク値が
下がり、安全弁が作動する圧力までの余裕度を大きくす
ることができる。
【0017】請求項2の発明では、超電導磁石を励消磁
することが検出手段(53)により検出されると、制御
手段(51)により開閉手段(AV3)が閉じるように
制御されて冷媒給排配管(17)が閉鎖される。このた
め、冷媒タンク(Th)内の圧力が低圧制御弁(LPR
1),(LPR2)の開弁する設定圧以下の状態では、
冷媒給排配管(17)の閉鎖によりバッファタンク(T
b)内の冷媒ガスが圧縮機(4),(8)に吸い込まれ
ず、冷媒タンク(Th)内の蒸発冷媒ガスのみが圧縮機
(4),(8)に吸い込まれるようになり、このことで
冷媒タンク(Th)の内圧上昇を抑制することができ
る。
【0018】請求項3の発明では、超電導磁石を励消磁
するとき、上記請求項1の発明と同様に、その励消磁の
開始前に、制御手段(51)により、圧縮機(4),
(8)の運転周波数が上昇して冷媒タンク(Th)内の
蒸発ガスの冷媒回路への吸入量が増加し、かつ冷媒タン
ク(Th)への冷媒流入量が低減して、冷媒タンク(T
h)の内圧が低下する。また、これと同時に、開閉手段
(AV3)が閉じられ、請求項2の発明と同様に、冷媒
タンク(Th)内の圧力が低圧制御弁(LPR1),
(LPR2)の開弁する設定圧以下の状態で、冷媒給排
配管(17)の閉鎖により冷媒タンク(Th)内の蒸発
冷媒ガスのみが圧縮機(4),(8)に吸い込まれるよ
うになる。この圧縮機(4),(8)への冷媒ガスの吸
込みにより、冷媒タンク(Th)の内圧を所定圧まで低
下させる時間を短縮することができ、冷媒タンク(T
h)の内圧上昇をより一層有効に抑制することができ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (実施例1)図1は本発明の実施例1に係る冷凍機
(R)の制御装置の全体構成を示し、この冷凍機(R)
は超電導磁石の超電導コイル(いずれも図示せず)を液
体ヘリウム(冷媒)により冷却するためのもので、液体
ヘリウムを貯溜する液体ヘリウムタンク(Th)に付設
されており、このヘリウムタンク(Th)内に超電導磁
石の超電導コイルが液体ヘリウムにより浸漬されて収容
され、この液体ヘリウムにより超電導コイルが臨界温度
以下に冷却保持される。
【0020】冷凍機(R)は圧縮機ユニット(1)と真
空デュワー(D)内に配置された冷凍機ユニット(2
1)とからなる。上記圧縮機ユニット(1)には、低圧
ガス吸入口(2)からの低圧ヘリウムガスを低圧配管
(3)を介して吸い込んで圧縮する運転周波数可変のイ
ンバータ式低段用圧縮機(4)と、この低段用圧縮機
(4)から吐出されたヘリウムガスを冷却する熱交換器
(5)と、この熱交換器(5)から吐出されたヘリウム
ガスを、中間圧ガス吸入口(6)から中間圧配管(7)
を介して吸入された中間圧のヘリウムガスと共にさらに
高圧に圧縮する運転周波数可変のインバータ式高段用圧
縮機(8)と、この高段用圧縮機(8)から吐出された
高圧ヘリウムガスから圧縮機潤滑用の油を分離する前段
油分離器(9)と、この前段油分離器(9)から吐出さ
れた高圧ヘリウムガスを冷却する熱交換器(10)と、
この熱交換器(10)から吐出されたヘリウムガスから
さらに潤滑用の油を分離する後段油分離器(11)と、
この後段油分離器(11)から吐出されたヘリウムガス
から不純物を吸着除去する吸着器(12)とが配設さ
れ、該吸着器(12)の吐出側は予冷用高圧配管(1
3)を介して予冷用高圧ガス吐出口(14)に、また予
冷用高圧配管(13)から分岐接続されたJ−T用高圧
配管(15)を介してJ−T用高圧ガス吐出口(16)
にそれぞれ接続されている。
【0021】上記J−T用高圧配管(15)は途中で2
つの分岐配管(15a),(15b)に並列に分岐さ
れ、一方の分岐配管(15a)には流量調整用の絞り固
定式の第1絞り弁(V1)と、この第1絞り弁(V1)
の高圧ガス吐出口(16)側に空圧式の第1開閉弁(A
V1)とが配設されている。一方、他方の分岐配管(1
5b)には同様の第2絞り弁(V2)と第2開閉弁(A
V2)とが配設され、上記第2絞り弁(V2)の開度は
第1絞り弁(V1)よりも小さく設定されている。
【0022】さらに、上記低段用圧縮機(4)の吸込側
と低圧ガス吸入口(2)との間の低圧配管(3)にはヘ
リウムガス給排配管(17)の一端が分岐接続され、こ
のヘリウムガス給排配管(17)の他端は、ヘリウムガ
スを所定圧力(PB )で貯蔵するバッファタンク(T
b)に接続されている。ヘリウムガス給排配管(17)
は途中で2つの分岐配管(17a),(17b)に並列
に分岐され、一方の分岐配管(17a)には流量調整用
の絞り固定式の第3絞り弁(V3)と、この第3絞り弁
(V3)の低圧配管(3)側に第1低圧制御弁(LPR
1)とが配設されている一方、他方の分岐配管(17
b)には同様の第4絞り弁(V4)と第2低圧制御弁
(LPR2)とが配設されている。上記各低圧制御弁
(LPR1),(LPR2)は、低圧配管(3)(液体
ヘリウムタンク(Th)の内圧)でのヘリウムガスの圧
力が設定圧以下に低下したときにそれをパイロット圧と
して自動的に開くもので、この低圧制御弁(LPR
1),(LPR2)の開弁に伴いバッファタンク(T
b)内のヘリウムガスが低圧配管(3)(冷媒回路)に
供給される。
【0023】尚、上記J−T用高圧配管(15)におい
て第2絞り弁(V2)が配設されている分岐配管(15
b)と、ヘリウムガス給排配管(17)の集合部とは高
圧制御弁(HPR)を配置したヘリウムガス戻し配管
(18)により接続されている。上記高圧制御弁(HP
R)は、J−T用高圧配管(15)でのヘリウムガスの
圧力が設定圧以上に上昇したときにそれをパイロット圧
として自動的に開くもので、この高圧制御弁(HPR)
の開弁によりJ−T用高圧配管(15)(冷媒回路)の
ヘリウムガスがバッファタンク(Tb)内に戻される。
【0024】これに対し、上記冷凍機ユニット(21)
には、圧縮機ユニット(1)の高段用圧縮機(8)に対
し閉回路に接続された予冷冷凍機(22)(膨張機)
と、低段用圧縮機(4)及び高段用圧縮機(8)に対し
直列に接続されたJ−T冷凍機(31)とが設置されて
いる。上記予冷冷凍機(22)は、G−M(ギフォード
・マクマホン)サイクルの冷凍機で構成されていて、J
−T冷凍機(31)におけるヘリウムガス(冷媒ガス)
を予冷するためにヘリウムガスを圧縮及び膨張させる。
この予冷冷凍機(22)は上記真空デュワー(D)の外
部に配置される密閉円筒状のケース(23)と、該ケー
ス(23)に連設された大小2段構造のシリンダ(2
4)とを有する。上記ケース(23)には上記圧縮機ユ
ニット(1)の予冷用高圧ガス吐出口(14)にフレキ
シブル配管(25)を介して接続される高圧ガス入口
(26)と、同中間圧ガス吸入口(6)にフレキシブル
配管(27)を介して接続される低圧ガス出口(28)
とが開口されている。一方、シリンダ(24)は真空デ
ュワー(D)の側壁を貫通してその内部に延びており、
その大径部(24a)の先端部は所定温度レベルに冷却
保持される第1ヒートステーション(29)に、また小
径部(24b)の先端部は上記第1ヒートステーション
(29)よりも低い温度レベルに冷却保持される第2ヒ
ートステーション(30)にそれぞれ形成されている。
【0025】すなわち、ここでは図示しないが、シリン
ダ(24)内には、上記各ヒートステーション(2
9),(30)に対応する位置にそれぞれ膨張空間を区
画形成するフリータイプのディスプレーサ(置換器)が
往復動可能に嵌挿されている。一方、上記ケース(2
3)内には、回転する毎に開閉するロータリバルブと、
該ロータリバルブを駆動するバルブモータとが収容され
ている。ロータリバルブは、上記高圧ガス入口(26)
から流入したヘリウムガスをシリンダ(24)内の各膨
張空間に供給し、又は各膨張空間内で膨張したヘリウム
ガスを低圧ガス出口(28)から排出するように切り換
わる。そして、このロータリバルブの開閉により高圧ヘ
リウムガスをシリンダ(24)内の各膨張空間でサイモ
ン膨張させて、その膨張に伴う温度降下により極低温レ
ベルの寒冷を発生させ、その寒冷をシリンダ(24)に
おける第1及び第2ヒートステーション(29),(3
0)にて保持する。つまり、予冷冷凍機(22)では、
高段用圧縮機(8)から吐出された高圧のヘリウムガス
を断熱膨張させてヒートステーション(29),(3
0)の温度を低下させ、J−T冷凍機(31)における
後述の予冷器(36),(37)を予冷するとともに、
膨張した低圧ヘリウムガスを圧縮機(8)に戻して再圧
縮するようになされている。
【0026】一方、上記J−T冷凍機(31)は、約4
Kレベルの寒冷を発生させるためにヘリウムガスをジュ
ール・トムソン膨張させる冷凍機であって、この冷凍機
(31)は上記真空デュワー(D)内に配置された第1
〜第3のJ−T熱交換器(32)〜(34)を備えてい
る。この各J−T熱交換器(32)〜(34)は1次側
及び2次側をそれぞれ通過するヘリウムガス間で互いに
熱交換させるもので、第1J−T熱交換器(32)の1
次側は圧縮機ユニット(1)のJ−T用高圧ガス吐出口
(16)にフレキシブル配管(35)を介して接続され
ている。また、第1及び第2のJ−T熱交換器(3
2),(33)の各1次側同士は、上記予冷冷凍機(2
2)におけるシリンダ(24)の第1ヒートステーショ
ン(29)外周に配置した第1予冷器(36)を介して
接続されている。同様に、第2及び第3J−T熱交換器
(33),(34)の各1次側同士は、第2ヒートステ
ーション(30)外周に配置した第2予冷器(37)を
介して接続されている。さらに、上記第3J−T熱交換
器(34)の1次側は、高圧のヘリウムガスをジュール
・トムソン膨張させるJ−T弁(38)に吸着器(3
9)を介して接続されている。上記J−T弁(38)は
真空デュワー(D)外側から操作ロッド(38a)によ
って開度が調整される。上記J−T弁(38)は、ステ
ンレス鋼製の管からなる液体ヘリウム戻し配管(40)
を介してヘリウムタンク(Th)内に連通されている。
また、このヘリウムタンク(Th)内は、同様のステン
レス鋼管からなるヘリウムガス吸入配管(41)を介し
て上記第3J−T熱交換器(34)の2次側に接続され
ている。そして、この第3J−T熱交換器(34)の2
次側は第2J−T熱交換器(33)の2次側を経て第1
J−T熱交換器(32)の2次側に接続され、この第1
J−T熱交換器(32)の2次側はフレキシブル配管
(42)を介して圧縮機ユニット(1)の低圧ガス吸入
口(2)に接続されている。
【0027】すなわち、J−T冷凍機(31)はフレキ
シブル配管(35),(42)、低圧配管(3)、両圧
縮機(4),(8)及びJ−T用高圧配管(15)に対
し直列に接続された冷媒回路をなし、その冷媒回路の一
部が液体ヘリウム戻し配管(40)及びヘリウムガス吸
入配管(41)を介してヘリウムタンク(Th)内に開
放されており、タンク(Th)内で蒸発したヘリウムガ
スをガス吸入配管(41)から冷媒回路に吸い込んで第
3〜第1J−T熱交換器(34)〜(32)の各2次側
を通して低段用及び高段用圧縮機(4),(8)に吸入
圧縮する。また、この高段用圧縮機(8)により圧縮さ
れた高圧ヘリウムガスを第1〜第3のJ−T熱交換器
(32)〜(34)において、圧縮機(4)側に向かう
低温低圧のヘリウムガスと熱交換させるとともに、第1
及び第2予冷器(36),(37)でそれぞれシリンダ
(24)の第1及び第2ヒートステーション(29),
(30)で冷却した後、J−T弁(38)でジュール・
トムソン膨張させて約4Kの液状態のヘリウムとなし、
この液体ヘリウムを液体ヘリウム戻し配管(40)を経
由してタンク(Th)内に戻すようになされている。
【0028】上記第1及び第2開閉弁(AV1),(A
V2)は、圧縮機(4),(8)の運転周波数を制御す
る制御ユニット(55)からの制御信号を受けて空気圧
の作用又は作用停止を切り換えるマニホールドユニット
(52)に接続されている。上記制御ユニット(55)
は、低段用及び高段用圧縮機(4),(8)をインバー
タ制御するための電源ユニット(54)、及び上記マニ
ホールドユニット(52)にそれぞれ制御信号を出力す
る制御手段(51)と、超電導磁石の励消磁を検出して
その検出信号を制御手段(51)に出力する励消磁運転
検出手段(53)とを備えている。また、制御ユニット
(55)における上記制御手段(51)には、上記高段
用圧縮機(8)から吐出された高圧ヘリウムガスの圧力
を検出する高圧センサ(HPS)の検出信号と、低段用
圧縮機(4)の吸込側に連通する低圧配管(3)内の低
圧ヘリウムガスの圧力を検出する低圧センサ(LPS)
の検出信号と、ヘリウムガス給排配管(17)内の圧力
(バッファタンク(Tb)の内圧(PB ))を検出する
バッファタンク圧センサ(MPS)の検出信号と、圧縮
機ユニット(1)における3つの保護スイッチ(SS
1)〜(SS3)の作動信号とが入力されている。
【0029】ここで、上記制御ユニット(55)で行わ
れる制御動作について図2及び図3により具体的に説明
する。まず、ステップST1で手動又は自動の切換えを
判定し、この判定が手動のときにはステップST2で運
転ボタンをON作動させた後、また自動のときにはステ
ップST3で外部運転信号を入力させた後、それぞれス
テップST4に進む。ステップST4では、運転モード
の切換えを判定し、この判定が低速モードのときには、
ステップST5で圧縮機(4),(8)の運転周波数f
を例えばf=40Hzに設定し、第1開閉弁(AV1)
を開弁させ、かつ第2開閉弁(AV2)を閉弁させた
後、ステップST6で圧縮機ユニット(1)の保護スイ
ッチ(SS1)〜(SS3)が作動したかどうかを判定
する。この判定がYESのときには、ステップST19
において異常状態を表示した後、ステップST20に進
み、圧縮機(4),(8)を停止させる。その後、ステ
ップST21で第1開閉弁(AV1)を閉弁させて運転
を停止する。
【0030】また、ステップST6の判定がNOのとき
には、ステップST7において低速運転を実行させ、ス
テップST14で停止ボタンをON作動させた後、ステ
ップST20に進む。
【0031】上記ステップST4の判定が通常モードの
ときには、ステップST8で圧縮機(4),(8)の運
転周波数fを例えばf=55Hzに設定し、第1開閉弁
(AV1)を開弁させ、かつ第2開閉弁(AV2)を閉
弁させた後、ステップST9に進み、ステップST6と
同様に圧縮機ユニット(1)の保護スイッチ(SS1)
〜(SS3)が作動したかどうかを判定する。この判定
がYESのときにはステップST19に進むが、NOの
ときには、ステップST10でバッファタンク圧(PB
)が例えば3.0kg/cm2 よりも低いかどうかを
判定し、この判定がPB ≧3.0のNOのときには、ス
テップST13において通常運転を実行させた後、ステ
ップST14に進む。ステップST10の判定がYES
のときには、ステップST11で低速運転を実行させ、
ステップST12でバッファタンク圧(PB )が例えば
4.0kg/cm2 よりも高いかどうかを判定し、この
判定がPB ≦4.0のNOのときには、上記ステップS
T11に戻るが、YESのときには上記ステップST1
3に進む。
【0032】さらに、上記ステップST4の判定が励消
磁モードのときには、ステップST15で圧縮機
(4),(8)の運転周波数fを例えばf=70Hzに
設定し、第1開閉弁(AV1)を閉弁させ、第2開閉弁
(AV2)を開弁させた後、ステップST16に進み、
ステップST6と同様に圧縮機ユニット(1)の保護ス
イッチ(SS1)〜(SS3)が作動したかどうかを判
定する。この判定がYESのときにはステップST19
に進むが、NOのときには、ステップST17で低圧配
管(3)内のガス圧、換言すれば液体ヘリウムタンク
(Th)の内圧が所定圧(望ましくは低段用圧縮機
(4)の吸込圧が負圧にならない程度)まで低下したか
どうかを判定し、この判定がYESになるまでステップ
ST15〜ST17を繰り返す。判定がYESになる
と、ステップST18に進んで励消磁を実行させ、一定
時間の経過後にステップST13に進む。
【0033】この実施例では、上記ステップST4によ
り、超電導磁石の励消磁を行うことを検出する上記励消
磁運転検出手段(53)が構成されている。
【0034】また、ステップST15,ST17,ST
18により上記制御手段(51)が構成され、この制御
手段(51)により、上記励消磁運転検出手段(53)
の出力信号を受け、超電導磁石を励消磁するとき、該励
消磁の開始前に、圧縮機(4),(8)の運転周波数f
を例えばf=55Hzからf=70Hzに上げて液体ヘ
リウムタンク(Th)内の蒸発ガスの冷媒回路への吸入
量を増加させ、かつJ−T用高圧配管(15)を開度の
大きい第1絞り弁(V1)側の分岐通路(15a)から
開度の小さい第2絞り弁(V2)側の分岐通路(15
b)に切り換えて、液体ヘリウムタンク(Th)へのヘ
リウム流入量を低減させることにより、液体ヘリウムタ
ンク(Th)の内圧を低下させ、その後に低圧配管
(3)内のヘリウムガス圧が所定圧まで低下する条件が
成立すると、超電導磁石の励消磁を行うように制御する
構成とされている。
【0035】次に、上記実施例の作用について説明す
る。超電導磁石を作動させる定常状態では、その超電導
磁石の超電導コイルがヘリウムタンク(Th)内の液体
ヘリウムにより臨界温度以下に冷却保持される。また、
上記ヘリウムタンク(Th)内で蒸発したヘリウムガス
は、タンク(Th)内に開口するヘリウムガス吸入配管
(41)から吸い込まれて冷凍機(R)の冷媒回路に供
給され、そこで圧縮及び膨張により冷却されて液化す
る。この液体ヘリウムは液体ヘリウム戻し配管(40)
を経てタンク(Th)内に戻される。このことによっ
て、タンク(Th)内に液体ヘリウムが所定量以上貯溜
されて、超電導コイルが臨界温度以下に安定して冷却さ
れる。
【0036】上記冷凍機(R)の運転についてさらに詳
しく説明すると、その定常運転状態では、圧縮機ユニッ
ト(1)の高段用圧縮機(8)から供給された高圧のヘ
リウムガスの一部が予冷冷凍機(22)(膨張機)にお
けるシリンダ(24)内の各膨張空間で膨張し、このガ
スの膨張に伴う温度降下により第1ヒートステーション
(29)が所定温度レベルに、また第2ヒートステーシ
ョン(30)が第1ヒートステーション(29)よりも
低い温度レベルにそれぞれ冷却される。膨張空間で膨張
したヘリウムガスは圧縮機ユニット(1)に戻り、その
中間圧配管(7)を経由して高段用圧縮機(8)に吸い
込まれて圧縮される。
【0037】一方、圧縮機ユニット(1)におけるJ−
T用高圧配管(15)の第1開閉弁(AV1)が開弁す
る一方、第2開閉弁(AV2)が閉弁し、上記高段用圧
縮機(8)から吐出された高圧のヘリウムガスの残部は
上記J−T用高圧配管(15)の第1絞り弁(V1)を
経由してJ−T冷凍機(31)の第1J−T熱交換器
(32)の1次側に入り、そこで圧縮機(4)側へ向か
う2次側の低圧ヘリウムガスと熱交換されて常温300
Kから約50Kまで冷却され、その後、上記予冷冷凍機
(22)の第1ヒートステーション(29)外周の第1
予冷器(36)に入ってさらに冷却される。この冷却さ
れたガスは第2J−T熱交換器(33)の1次側に入っ
て、同様に2次側の低圧ヘリウムガスとの熱交換により
約15Kまで冷却された後、予冷冷凍機(22)の第2
ヒートステーション(30)外周の第2予冷器(37)
に入ってさらに冷却される。この後、ガスは第3J−T
熱交換器(34)の1次側に入って2次側の低圧ヘリウ
ムガスとの熱交換によりさらに冷却され、しかる後にJ
−T弁(38)に至る。このJ−T弁(38)では高圧
ヘリウムガスは絞られてジュール・トムソン膨張し、約
4Kの液状態のヘリウムとなり、この液体ヘリウムは液
体ヘリウム戻し配管(40)を経由してタンク(Th)
へ供給される。また、タンク(Th)内で蒸発したヘリ
ウムガスは、ヘリウムガス吸入配管(41)を介して第
3J−T熱交換器(34)の2次側に吸入され、第2及
び第1J−T熱交換器(33),(32)の各2次側を
経由して低段用圧縮機(4)に吸い込まれて圧縮され
る。
【0038】そして、保守や点検等で超電導磁石による
磁場の発生を停止させる消磁や電流を流して励磁を行う
ときには、その励消磁の実行前に、上記冷凍機(R)に
おける各圧縮機(4),(8)の運転周波数fが例えば
f=55Hzから70Hzに上昇し、このことで液体ヘ
リウムタンク(Th)内の蒸発ヘリウムガスの低段用圧
縮機(4)への吸込み量、つまりタンク(Th)からの
蒸発ヘリウムガスの流出量が増加する。また、圧縮機ユ
ニット(1)ではJ−T用高圧配管(15)における第
1開閉弁(AV1)が閉弁する一方、第2開閉弁(AV
2)が開弁し、このことで高圧ヘリウムガスは高圧配管
(15)の第2絞り弁(V2)を経由してJ−T冷凍機
(31)の第1J−T熱交換器(32)に入る。上記第
2絞り弁(V2)の開度は第1絞り弁(V1)よりも小
さいので、液体ヘリウムタンク(Th)へのヘリウム流
入量が低減され、ヘリウムはJ−T用高圧配管(15)
から高圧制御弁(HPR)を経由してバッファタンク
(Tb)に蓄えられる。つまり、これらの結果、液体ヘ
リウムタンク(Th)からの蒸発ヘリウムガスの流出量
が増加するとともに、流入量が減少することとなり、そ
の内圧が低下する。
【0039】この後、液体ヘリウムタンク(Th)の内
圧が所定圧(低段用圧縮機(4)の吸込圧が負圧になら
ない程度)まで低下すると、超電導磁石の励消磁が実行
される。
【0040】したがって、図4に示すように、液体ヘリ
ウムタンク(Th)の内圧が低下した状態から超電導磁
石の励消磁の実行が開始されるので、たとえこの超電導
磁石の励消磁の実行により熱負荷が増大したとしても、
上記予め先に内圧が低下している分だけ液体ヘリウムタ
ンク(Th)の内圧上昇のピーク値が下がり、安全弁が
作動する圧力までの余裕度を大きくすることができる。
【0041】(実施例2)図5及び図6は実施例2を示
し(尚、図1及び図2と同じ部分については同じ符号を
付してその詳細な説明は省略する)、バッファタンク
(Tb)からのヘリウムタンク(Th)の供給を制限す
るようにしたものである。
【0042】すなわち、この実施例では、図6に示す如
く、圧縮機ユニット(1)におけるヘリウムガス給排配
管(17)の集合部において分岐配管(17a),(1
7b)とヘリウムガス戻し配管(18)への接続部との
間には空圧式の第3開閉弁(AV3)が配設されてい
る。この開閉弁(AV3)はヘリウムガス給排配管(1
7)を開閉する開閉手段を構成するもので、この開閉弁
(AV3)を閉弁したときにヘリウムガス給排配管(1
7)が閉鎖されて、バッファタンク(Tb)からの低圧
配管(3)へのヘリウムガスの供給が停止される。
【0043】そして、図5に示すように、制御ユニット
(55)の制御動作においては、そのステップST4の
判定が励消磁モードのとき、ステップST15で圧縮機
(4),(8)の運転周波数fを例えばf=70Hzに
設定し、第1開閉弁(AV1)を閉弁させ、かつ第2開
閉弁(AV2)を開弁させるとともに、さらに上記第3
開閉弁(AV3)を閉弁させた後、ステップST16に
進むようになされている。
【0044】したがって、この実施例の場合、超電導磁
石を励消磁するとき、上記実施例1と同様に、その励消
磁の開始前に、各圧縮機(4),(8)の運転周波数f
が例えばf=55Hzから70Hzに上昇して液体ヘリ
ウムタンク(Th)内の蒸発ヘリウムガスの冷媒回路へ
の吸入量(タンク(Th)からの流出量)が増加し、か
つ第1開閉弁(AV1)が開弁状態から閉弁状態に、ま
た第2開閉弁(AV2)が閉弁状態から開弁状態にそれ
ぞれ切り換えられて、同タンク(Th)へのヘリウム流
入量が低減され、これらにより液体ヘリウムタンク(T
h)の内圧が低下する。また、これと同時に、第3開閉
弁(AV3)が開弁状態から閉弁状態に切り換えられて
ヘリウムガス給排配管(17)が閉鎖される。このた
め、液体ヘリウムタンク(Th)内の圧力が低圧制御弁
(LPR1),(LPR2)の開弁する設定圧以下の状
態では、ヘリウムガス給排配管(17)の閉鎖によりバ
ッファタンク(Tb)内のヘリウムガスが低段用圧縮機
(4)に吸い込まれなくなり、その分、液体ヘリウムタ
ンク(Th)内の蒸発ヘリウムガスが同圧縮機(4)に
吸い込まれるようになる。その結果、この圧縮機(4)
への蒸発ヘリウムガスの吸込みにより、超電導磁石の励
消磁の実行前に液体ヘリウムタンク(Th)の内圧を所
定圧まで低下させる時間を短縮することができ、液体ヘ
リウムタンク(Th)の内圧上昇をより一層有効に抑制
することができる。
【0045】尚、上記各実施例では、超電導磁石の励消
磁の実行前に、各圧縮機(4),(8)の運転周波数を
上昇させて液体ヘリウムタンク(Th)内の蒸発ヘリウ
ムガスの冷媒回路への吸入量(タンク(Th)からの流
出量)を増加させ、かつ第1開閉弁(AV1)を開弁状
態から閉弁状態に、また第2開閉弁(AV2)を閉弁状
態から開弁状態にそれぞれ切り換えて同タンク(Th)
へのヘリウム流入量を低減させ、液体ヘリウムタンク
(Th)の内圧を低下させるようにした。また、実施例
2では、第3開閉弁(AV3)を開弁状態から閉弁状態
に切り換えてヘリウムガス給排配管(17)を閉鎖する
ようにしているが、この圧縮機(4),(8)の運転周
波数の上昇切換え、液体ヘリウムタンク(Th)へのヘ
リウム流入量の低減、及びヘリウムガス給排配管(1
7)の閉鎖切換えを、超電導磁石の励消磁の開始と同時
に行うようにしてもよい。その場合、第3開閉弁(AV
3)の閉弁によるヘリウム給排配管(17)の閉鎖によ
り、バッファタンク(Tb)内のヘリウムガスの圧縮機
(4)への吸込みを阻止して、液体ヘリウムタンク(T
h)内の蒸発ヘリウムガスのみを圧縮機(4)に吸い込
ませることができるので、超電導磁石の励消磁の開始後
の液体ヘリウムタンク(Th)の内圧上昇を抑制でき
る。
【0046】また、上記実施例では、液体ヘリウムタン
ク(Th)の内圧が所定圧に低下すると、超電導磁石の
励消磁を実行するようにしているが、圧縮機(4),
(8)の運転周波数の上昇及び開閉弁(AV1),(A
V2)の切換えを行った時点から一定時間が経過する
と、超電導磁石の励消磁を実行するようにしてもよく、
制御を簡単に行える利点がある。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、超電導磁石を臨界温度以下に冷却保持する液化
冷媒を貯溜するタンクに冷媒回路が開放され、タンク内
で蒸発した冷媒ガスを冷媒回路に取り込んで圧縮及び膨
張により冷却して再液化し、この液化冷媒をタンク内に
戻すようにした極低温冷凍機において、上記超電導磁石
の励消磁を行うとき、その実行前に予め、冷凍機におけ
る圧縮機の運転周波数を上昇させて冷媒タンク内の蒸発
ガスの冷媒回路への吸入量を増加させ、かつ冷媒タンク
への冷媒流入量を低減させて、冷媒タンクの内圧を低下
させ、タンク内圧の低下後に所定条件が成立すると、超
電導磁石の励消磁を実行するようにしたことにより、冷
媒タンクの内圧が低下した状態から超電導磁石の励消磁
を実行でき、超電導磁石の励消磁の実行により熱負荷が
増大しても冷媒タンクの内圧上昇のピーク値を下げてタ
ンク内圧の上昇を有効に抑制することができ、安全弁が
作動する圧力までの余裕度の増大を図ることができる。
【0048】請求項2の発明によれば、冷凍機の冷媒タ
ンクと圧縮機の吸込側との間の冷媒回路に、冷媒タンク
内の圧力が設定圧以下に低下したときに開く低圧制御弁
を配置した冷媒給排配管を介してバッファタンクが接続
されている場合において、超電導磁石を励消磁するとき
は上記冷媒給排配管を閉じるようにしたことにより、冷
媒タンク内の圧力が低圧制御弁の開弁する設定圧以下の
状態でバッファタンク内の冷媒ガスが圧縮機に吸い込ま
れるのを阻止して、冷媒タンク内の冷媒ガスのみを圧縮
機に吸い込ませることができ、冷媒タンクの内圧上昇を
有効に抑制することができる。
【0049】請求項3の発明によると、請求項2の冷凍
機の運転制御装置に対し、超電導磁石を励消磁すると
き、その開始前に、冷媒タンクと圧縮機の吸込側との間
の冷媒回路をバッファタンクに接続する冷媒給排配管を
閉じ、同時に圧縮機の運転周波数を上昇させて冷媒タン
ク内の蒸発ガスの冷媒回路への吸入量を増加させ、かつ
冷媒タンクへの冷媒流入量を低減させて、冷媒タンクの
内圧を低下させ、その後に超電導磁石の励消磁を実行す
るようにしたことにより、超電導磁石の励消磁の実行に
先立って行われ、冷媒タンクの内圧を所定圧まで低下さ
せる制御の時間を短縮でき、冷媒タンクの内圧上昇をよ
り一層有効に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における冷凍機の制御装置の
全体構成を示す冷媒回路図である。
【図2】実施例1の制御ユニットで行われる制御動作の
前半部を示すフローチャート図である。
【図3】制御ユニットで行われる制御動作の後半部を示
すフローチャート図である。
【図4】実施例1において超電導磁石の励消磁時の液体
ヘリウムタンクの内圧変化を示す特性図である。
【図5】実施例2を示す図2相当図である。
【図6】実施例2を示す図1相当図である。
【符号の説明】
(R) 冷凍機 (1) 圧縮機ユニット (4),(8) 圧縮機 (17) ヘリウムガス給排配管(冷媒給排配管) (AV1),(AV2) 開閉弁 (AV3) 第3開閉弁(開閉手段) (V1),(V2) 絞り弁 (LPR1),(LPR2) 低圧制御弁 (21) 冷凍機ユニット (22) 予冷冷凍機 (31) J−T冷凍機 (38) J−T弁(膨張手段) (51) 制御手段 (53) 励消磁運転検出手段 (54) 電源ユニット (55) 制御ユニット (Th) 液体ヘリウムタンク(冷媒タンク) (Tb) バッファタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺井 元昭 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4 号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 三浦 秋彦 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4 号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 山地 睦彦 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (72)発明者 山根 達視 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (72)発明者 曽地 修一 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社 堺製作所 金岡工場内 (72)発明者 藤本 悟 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社 堺製作所 金岡工場内 (56)参考文献 特開 平5−13825(JP,A) 特開 平2−275260(JP,A) 特開 平6−185820(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 9/02 F25B 9/00 395 H01F 6/04 H01L 39/04 H01F 7/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導磁石を臨界温度以下に冷却保持す
    る液冷媒を貯溜する冷媒タンク(Th)内に、運転周波
    数可変の圧縮機(4),(8)及び膨張手段(38)を
    有する冷媒回路の一部が開放されるとともに、上記冷媒
    タンク(Th)と圧縮機(4),(8)の吸込側との間
    の冷媒回路に、冷媒タンク(Th)内の圧力が設定圧以
    下に低下したときに開く低圧制御弁(LPR1),(L
    PR2)を配置した冷媒給排配管(17)を介してバッ
    ファタンク(Tb)が接続されていて、冷媒タンク(T
    h)内で蒸発したガス冷媒を冷媒回路に吸入して圧縮機
    (4),(8)で圧縮した後に膨張手段(38)で膨張
    させ、その膨張による温度降下により液冷媒を生成して
    冷媒タンク(Th)内に戻すとともに、冷媒タンク(T
    h)内の熱負荷の増大により、上記蒸発したガス冷媒を
    液冷媒として冷媒タンク(Th)内に戻すことができな
    いときには、該戻し切れない蒸発ガスをバッファタンク
    (Tb)に回収するようにした冷凍機において、 上記超電導磁石の励消磁を行うことを検出する励消磁運
    転検出手段(53)と、 上記検出手段(53)の出力信号を受け、超電導磁石を
    励消磁するとき、該励消磁の開始前に、上記圧縮機
    (4),(8)の運転周波数を上げて冷媒タンク(T
    h)内の蒸発ガスの冷媒回路への吸入量を増加させ、か
    つ冷媒タンク(Th)への冷媒流入量を低減させて、冷
    媒タンク(Th)の内圧を低下させ、その後に所定条件
    が成立すると、超電導磁石の励消磁を行うように制御す
    る制御手段(51)とを設けたことを特徴とする冷凍機
    の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 超電導磁石を臨界温度以下に冷却保持す
    る液冷媒を貯溜する冷媒タンク(Th)内に、運転周波
    数可変の圧縮機(4),(8)及び膨張手段(38)を
    有する冷媒回路の一部が開放されるとともに、上記冷媒
    タンク(Th)と圧縮機(4),(8)の吸込側との間
    の冷媒回路に、冷媒タンク(Th)内の圧力が設定圧以
    下に低下したときに開く低圧制御弁(LPR1),(L
    PR2)を配置した冷媒給排配管(17)を介してバッ
    ファタンク(Tb)が接続されていて、冷媒タンク(T
    h)内で蒸発したガス冷媒を冷媒回路に吸入して圧縮機
    (4),(8)で圧縮した後に膨張手段(38)で膨張
    させ、その膨張による温度降下により液冷媒を生成して
    冷媒タンク(Th)内に戻すとともに、冷媒タンク(T
    h)内の熱負荷の増大により、上記蒸発したガス冷媒を
    液冷媒として冷媒タンク(Th)内に戻すことができな
    いときには、該戻し切れない蒸発ガスをバッファタンク
    (Tb)に回収するようにした冷凍機において、 上記冷媒給排配管(17)を開閉する開閉手段(AV
    3)と、 上記超電導磁石の励消磁を行うことを検出する励消磁運
    転検出手段(53)と、 上記検出手段(53)の出力信号を受け、超電導磁石を
    励消磁するときに上記開閉手段(AV3)を閉じるよう
    に制御する制御手段(51)とを設けたことを特徴とす
    る冷凍機の運転制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の冷凍機の運転制御装置に
    おいて、 制御手段(51)は、超電導磁石を励消磁するとき、該
    励消磁の開始前に、開閉手段(AV3)を閉じるととも
    に、圧縮機(4),(8)の運転周波数を上げて冷媒タ
    ンク(Th)内の蒸発ガスの冷媒回路への吸入量を増加
    させ、かつ冷媒タンク(Th)への冷媒流入量を低減さ
    せて、冷媒タンク(Th)の内圧を低下させ、その後に
    所定条件が成立すると、超電導磁石の励消磁を行うよう
    に構成されていることを特徴とする冷凍機の運転制御装
    置。
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