JP3278993B2 - 冷凍機の運転制御装置及び運転制御方法 - Google Patents

冷凍機の運転制御装置及び運転制御方法

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JP3278993B2 JP19704293A JP19704293A JP3278993B2 JP 3278993 B2 JP3278993 B2 JP 3278993B2 JP 19704293 A JP19704293 A JP 19704293A JP 19704293 A JP19704293 A JP 19704293A JP 3278993 B2 JP3278993 B2 JP 3278993B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、リニアモータカー
の超電導磁石を極低温レベルに冷却するための液化冷媒
を貯溜する冷媒タンクに付設され、冷媒タンク内で蒸発
した冷媒ガスを冷媒回路内に吸い込んで圧縮及び膨張に
より液化してタンク内に戻すようにした冷凍機の運転制
御装置及び運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導磁石を備えた例えばリニア
モータカーが注目されている。この超電導磁石において
は、コイルに用いる超電導体を臨界温度以下に冷却保持
するためにタンク内に貯溜した液体ヘリウムを利用して
いるが、この液体ヘリウムがタンク内で蒸発するので、
この蒸発したヘリウムガスを冷却凝縮させて液化する必
要があり、この目的で極低温冷凍機が使用される。
【0003】このヘリウムガスを凝縮温度まで冷却する
冷凍機の一例として、従来、例えば米国特許第4223
540号等に記載されているように、予冷冷凍機とJ−
T冷凍機とを組み合わせた冷凍機がある。上記予冷冷凍
機はGMサイクル(ギフォード・マクマホンサイクル)
や改良ソルベーサイクル等の冷凍機からなるもので、圧
縮機で圧縮されたヘリウムガス(冷媒ガス)を膨張機で
断熱膨張させてそのガスの温度降下によりヒートステー
ションに極低温レベルの寒冷を発生させる。
【0004】一方、J−T冷凍機は、圧縮機から供給さ
れたヘリウムガスを上記予冷冷凍機における膨張機のヒ
ートステーションとの間で熱交換して予冷する予冷器
と、ヘリウムガスをジュール・トムソン膨張させるJ−
T弁とを接続してなるもので、圧縮機からのヘリウムガ
スを予冷器で予冷するとともに、該予冷されたヘリウム
ガスをJ−T弁でジュール・トムソン膨張させて4Kレ
ベルの寒冷を発生させるようになっている。
【0005】そして、上記タンク内の蒸発ヘリウムガス
を冷凍機で冷却する場合、タンク内に2本の冷媒配管を
各々の一端部がタンク内に開口するように配置し、両配
管の他端部をタンク外に引き出してJ−T冷凍機の冷媒
回路に直列に接続することにより、タンク内を冷凍機の
冷媒回路の一部とし、一方の配管からタンク内の蒸発ヘ
リウムガスをJ−T冷凍機の冷媒回路に吸い込んで圧縮
機で圧縮するとともに、その圧縮されたヘリウムガスを
J−T弁で膨張させて冷却液化し、この液体ヘリウムを
他方の配管を経由してタンク内に戻すようになされてい
る。
【0006】ところで、リニアモータカーの超電導磁
石を臨界温度以下に冷却するための液体ヘリウムタンク
の内圧は、冷凍機の通常運転時には所定範囲(0.15
〜0.25kg/cm2 G程度)でバランスしている。
しかし、リニアモータカーの保守や点検等で超電導磁
石による磁場の発生を停止させる消磁や外部から電流を
流して励磁を行うときには、熱負荷が増大して上記タン
ク内の圧力が上昇する。そして、このタンク内圧が上限
値(例えば0.4kg/cm2 G)を越えると、安全弁
が作動してタンク内のヘリウムガスをタンク外に蒸発さ
せることが行われている。
【0007】この安全弁の作動を避けるために、従来、
超電導磁石の励消磁を行うときには、J−T冷凍機にお
ける圧縮機の運転周波数を上げて、液体ヘリウムタンク
から圧縮機に吸い込まれるヘリウムガスの吸込量を増加
させ、かつJ−T冷凍機の冷媒回路でのガス流量を一時
的に0にし又は通常流量(超電導磁石の定常時のガス流
量)よりも少なくして、タンク内へのガス流入量を減少
させる励消磁モードで冷凍機を運転することにより、タ
ンク内圧を低下させるとともに、圧縮機への吸込量との
差分はバッファタンクに蓄えるようになされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようにして超電導
磁石の励消磁を実行すると、ガス流量が少ないほどタン
ク内圧の上昇を効果的に抑制することができる。ところ
が、その励消磁の後にガス流量を通常流量に戻す際、ヘ
リウムガスがタンク内に急激に戻るために、そのタンク
内圧が励消磁に伴うピーク圧力を越えるレベルまで再度
上昇することがある。
【0009】このタンク内圧の再上昇を低いレベルに抑
えるには、超電導磁石の励消磁の終了後もタンク内圧が
ある程度下がるまで引続き冷凍機を励消磁モードで運転
させる必要がある。しかし、その場合、長時間の励消磁
モード運転に伴い、圧縮機の運転周波数が長時間に亘り
高いままに保たれてその耐久性が低下したり、冷媒回路
での往復ガス間での流量バランスが崩れて圧縮機へのリ
ターンガスの温度が低下し、リターン側接続配管に霜付
きが生じたり、圧縮機の低温ヘリウムガスの吸込みによ
り潤滑油の性能が低下し、また、液体ヘリウムタンクで
のガス蒸発量が増加したり、さらにはバッファタンクへ
のヘリウム回収量が増加したりする等の問題が生じる。
【0010】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、超電導磁石の励消磁を行った後の冷凍
機の運転制御形態を変更することにより、冷媒タンクの
内圧上昇を有効に抑制しようとすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、この発明では、超電導磁石の励消磁終了後に冷凍機
における冷媒流量を一度に通常流量に戻すのではなく、
通常流量よりも少ない中間流量を介して戻すようにし
た。
【0012】具体的には、請求項1の発明では、図1に
示すように、超電導磁石を臨界温度以下に冷却保持する
液冷媒を貯溜する冷媒タンク(Th)内に、圧縮機
(4),(8)及び膨張手段(38)を有する冷媒回路
の一部が開放され、冷媒タンク(Th)内で蒸発したガ
ス冷媒を冷媒回路に吸入して圧縮機(4),(8)で圧
縮した後に膨張手段(38)で膨張させ、その膨張によ
る温度降下により液冷媒を生成して冷媒タンク(Th)
内に戻すようにした冷凍機が前提である。
【0013】そして、上記圧縮機(4),(8)から冷
媒タンク(Th)に至る冷媒流量を調整する冷媒流量調
整手段(19)と、上記超電導磁石の励消磁を行うこと
を検出する励消磁運転検出手段(53)と、この検出手
段(53)の出力信号を受け、超電導磁石の励消磁中
は、冷媒タンク(Th)に至る冷媒流量を通常流量から
0に切り換え、励消磁の終了後は、冷媒流量を通常流量
よりも少ない設定流量に切り換えた後に通常流量に戻す
ように上記冷媒流量調整手段(19)を制御する制御手
段(54)とを設ける。
【0014】請求項2の発明では、超電導磁石の励消磁
時には冷媒流量を0以外の設定流量としておき、励消磁
の終了後は冷媒を設定流量からそれよりも多い中間流量
を介して通常流量へ戻すようにしている。
【0015】すなわち、この発明では、上記請求項1の
発明と同様に、圧縮機(4),(8)から冷媒タンク
(Th)に至る冷媒流量を調整する冷媒流量調整手段
(19)と、超電導磁石の励消磁を行うことを検出する
励消磁運転検出手段(53)とを設ける。
【0016】さらに、上記検出手段(53)の出力信号
を受け、超電導磁石の励消磁中は、冷媒タンク(Th)
に至る冷媒流量を通常流量から該通常流量よりも少ない
第1設定流量に切り換え、励消磁の終了後は、冷媒流量
を通常流量よりも少なくかつ上記第1設定流量よりも多
い第2設定流量に切り換えた後に通常流量に戻すように
上記冷媒流量調整手段(19)を制御する制御手段(5
4)を設ける。
【0017】請求項3の発明では、上記冷媒流量調整手
段の望ましい構成を具体化している。すなわち、この発
明では、冷媒流量調整手段(19)は、圧縮機(4),
(8)から冷媒タンク(Th)に至る冷媒配管(15)
を並列に分岐してなる複数の分岐配管(15a),(1
5b),…と、該各分岐配管(15a),(15b),
…にそれぞれ配置され、互いに開度の異なる絞り弁(V
1),(V2),…と、各分岐配管(15a),(15
b),…をそれぞれ開閉する開閉弁(AV1),(AV
2),…とを備えていて、各開閉弁(AV1),(AV
2),…を開閉切換えすることにより、圧縮機(4),
(8)から冷媒タンク(Th)に至る冷媒流量を調整す
るように構成されているものとする。
【0018】請求項4又は5の発明は、冷凍機の運転制
御方法である。
【0019】すなわち、請求項4の発明では、請求項1
の発明と同様に、超電導磁石を臨界温度以下に冷却保持
する液冷媒を貯溜する冷媒タンク(Th)内に、圧縮機
(4),(8)及び膨張手段(38)を有する冷媒回路
の一部が開放され、冷媒タンク(Th)内で蒸発したガ
ス冷媒を冷媒回路に吸入して圧縮機(4),(8)で圧
縮した後に膨張手段(38)で膨張させ、その膨張によ
る温度降下により液冷媒を生成して冷媒タンク(Th)
内に戻すようにした凍機の運転制御方法として、上記
超電導磁石の励消磁を行うときには、圧縮機(4),
(8)から冷媒タンク(Th)に至る冷媒流量を通常流
量から0に切り換え、励消磁が終了すると、冷媒流量を
通常流量よりも少ない設定流量に切り換えた後に通常流
量に戻すことを特徴とする。
【0020】また、請求項5の発明では、請求項2の発
明と同様に、超電導磁石の励消磁を行うときには、圧縮
機(4),(8)から冷媒タンク(Th)に至る冷媒流
量を通常流量から該通常流量よりも少ない第1設定流量
に切り換え、励消磁が終了すると、冷媒流量を通常流量
よりも少なくかつ上記第1設定流量よりも多い第2設定
流量に切り換えた後に通常流量に戻す構成としている。
【0021】
【作用】上記の構成により、請求項1又は4の発明で
は、超電導磁石を励消磁するとき、そのことが励消磁運
転検出手段(53)により検出され、この検出手段(5
3)の出力信号を受けた制御手段(54)により冷媒流
量調整手段(19)が制御され、超電導磁石の励消磁の
実行中は、冷媒タンク(Th)に至る冷媒流量が通常流
量から0に切り換えられる。そして、超電導磁石の励消
磁が終了した後に冷媒流量を通常流量に戻すときには、
冷媒流量は一旦、通常流量よりも少ない設定流量に切り
換えられた後に通常流量に戻される。このように超電導
磁石の励消磁後、冷媒流量は設定流量を経由して通常流
量に戻されるので、この流量が設定流量にある間に圧縮
機(4),(8)から冷媒タンク(Th)に至る冷媒の
圧力が低下して流量が少なくなり、このことによって冷
媒タンク(Th)の内圧が励消磁中のピーク値を越えて
上昇するのを有効に抑制することができる。
【0022】また、請求項2又は5の発明では、上記と
同様に、超電導磁石を励消磁するとき、そのことが励消
磁運転検出手段(53)により検出され、この検出手段
(53)の出力信号を受けた制御手段(54)により冷
媒流量調整手段(19)が制御される。超電導磁石の励
消磁の実行中は、冷媒タンク(Th)に至る冷媒流量が
通常流量から第1設定流量に切り換えられ、励消磁が終
了した後、冷媒流量は上記第1設定流量よりも多い第2
設定流量に切り換えられ、その後に通常流量に戻され
る。この場合でも、冷媒流量が第1設定流量にある間に
圧縮機(4),(8)から冷媒タンク(Th)に至る冷
媒の圧力が低下し、冷媒タンク(Th)の内圧が励消磁
中のピーク値を越えて上昇するのを有効に抑制できる。
【0023】請求項3の発明では、冷媒流量調整手段
(19)において圧縮機(4),(8)から冷媒タンク
(Th)に至る冷媒流量を調整する場合、圧縮機
(4),(8)から冷媒タンク(Th)に至る冷媒配管
(15)途中の複数の分岐配管(15a),(15
b),…にそれぞれ配置されている開閉弁(AV1),
(AV2),…の1つを開くと、この開閉弁(AV
1),(AV2),…に対応する分岐配管(15a),
(15b),…を経由して冷媒が冷媒タンク(Th)に
供給される。この各分岐配管(15a),(15b),
…には互いに開度の異なる絞り弁(V1),(V2),
…が配置されているので、各開閉弁(AV1),(AV
2),…を開閉切換えすることにより、圧縮機(4),
(8)から冷媒タンク(Th)に至る冷媒流量を調整で
き、よって冷媒流量調整手段(19)の望ましい構成が
容易に得られる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2以下の図に基づ
いて説明する。
【0025】(実施例1) 図4は本発明の実施例1に係るリニアモータカー用冷凍
機(R)の全体構成を示し、この冷凍機(R)はリニア
モータカーに具備される超電導磁石の超電導コイル(い
ずれも図示せず)を液体ヘリウム(冷媒)により冷却す
るためのもので、液体ヘリウムを貯溜する液体ヘリウム
タンク(Th)に付設されており、このヘリウムタンク
(Th)内に超電導磁石の超電導コイルが液体ヘリウム
により浸漬されて収容され、この液体ヘリウムにより超
電導コイルが臨界温度以下に冷却保持される。
【0026】冷凍機(R)は圧縮機ユニット(1)と真
空デュワー(D)内に配置された冷凍機ユニット(2
1)とからなる。上記圧縮機ユニット(1)には、低圧
ガス吸入口(2)からの低圧ヘリウムガスを低圧配管
(3)を介して吸い込んで圧縮する運転周波数可変のイ
ンバータ式J−T用圧縮機(4)と、このJ−T用圧縮
機(4)から吐出されたヘリウムガスを冷却する熱交換
器(5)と、この熱交換器(5)から吐出されたヘリウ
ムガスを、中間圧ガス吸入口(6)から中間圧配管
(7)を介して吸入された中間圧のヘリウムガスと共に
さらに高圧に圧縮する運転周波数可変のインバータ式予
冷用圧縮機(8)と、この予冷用圧縮機(8)から吐出
された高圧ヘリウムガスから圧縮機潤滑用の油を分離す
る前段油分離器(9)と、この前段油分離器(9)から
吐出された高圧ヘリウムガスを冷却する熱交換器(1
0)と、この熱交換器(10)から吐出されたヘリウム
ガスからさらに潤滑用の油を分離する後段油分離器(1
1)と、この後段油分離器(11)から吐出されたヘリ
ウムガスから不純物を吸着除去する吸着器(12)とが
配設され、該吸着器(12)の吐出側は予冷用高圧配管
(13)を介して予冷用高圧ガス吐出口(14)に、ま
た予冷用高圧配管(13)から分岐接続されたJ−T用
高圧配管(15)を介してJ−T用高圧ガス吐出口(1
6)にそれぞれ接続されている。
【0027】上記J−T用高圧配管(15)は途中で第
1及び第2の2つの分岐配管(15a),(15b)に
並列に分岐され、第1分岐配管(15a)には流量調整
用の絞り固定式の第1絞り弁(V1)と、この第1絞り
弁(V1)の高圧ガス吐出口(16)側に空圧式の第1
開閉弁(AV1)とが配設されている。一方、第2分岐
配管(15b)には同様の第2絞り弁(V2)と第2開
閉弁(AV2)とが配設され、上記第2絞り弁(V2)
の開度は第1絞り弁(V1)よりも小さく設定されてい
る。
【0028】そして、この実施例では、予冷用圧縮機
(8)から液体ヘリウムタンク(Th)に至るJ−T用
高圧配管(15)を並列に分岐してなる2つの分岐配管
(15a),(15b)と、該各分岐配管(15a),
(15b)にそれぞれ配置され、互いに開度の異なる絞
り弁(V1),(V2)と、各分岐配管(15a),
(15b)をそれぞれ開閉する開閉弁(AV1),(A
V2)とからなる冷媒流量調整機構(19)が構成され
ており、この冷媒流量調整機構(19)の各開閉弁(A
V1),(AV2)を開閉切換えすることにより、圧縮
機(8)から液体ヘリウムタンク(Th)に至るヘリウ
ムガス流量を調整するようになされている。
【0029】さらに、上記J−T用圧縮機(4)の吸込
側と低圧ガス吸入口(2)との間の低圧配管(3)には
ヘリウムガス給排配管(17)の一端が分岐接続され、
このヘリウムガス給排配管(17)の他端は、ヘリウム
ガスを所定圧力(PB )で貯蔵するバッファタンク(T
b)に接続されている。ヘリウムガス給排配管(17)
は途中で2つの分岐配管(17a),(17b)に並列
に分岐され、一方の分岐配管(17a)には流量調整用
の絞り固定式の絞り弁(VA1)と、この絞り弁(VA
1)の低圧配管(3)側に第1低圧制御弁(LPR1)
とが配設されている一方、他方の分岐配管(17b)に
は同様の絞り弁(VA2)と第2低圧制御弁(LPR
2)とが配設されている。上記各低圧制御弁(LPR
1),(LPR2)は、低圧配管(3)(液体ヘリウム
タンク(Th)の内圧)でのヘリウムガスの圧力が設定
圧以下に低下したときにそれをパイロット圧として自動
的に開くもので、この低圧制御弁(LPR1),(LP
R2)の開弁に伴いバッファタンク(Tb)内のヘリウ
ムガスが低圧配管(3)(冷媒回路)に供給される。
【0030】尚、上記J−T用高圧配管(15)におい
て第2絞り弁(V2)が配設されている第2分岐配管
(15b)と、ヘリウムガス給排配管(17)の集合部
とは高圧制御弁(HPR)を配置したヘリウムガス戻し
配管(18)により接続されている。上記高圧制御弁
(HPR)は、J−T用高圧配管(15)でのヘリウム
ガスの圧力が設定圧以上に上昇したときにそれをパイロ
ット圧として自動的に開くもので、この高圧制御弁(H
PR)の開弁によりJ−T用高圧配管(15)(冷媒回
路)のヘリウムガスがバッファタンク(Tb)内に戻さ
れる。
【0031】これに対し、上記冷凍機ユニット(21)
には、圧縮機ユニット(1)の予冷用圧縮機(8)に対
し閉回路に接続された予冷冷凍機(22)(膨張機)
と、J−T用圧縮機(4)及び予冷用圧縮機(8)に対
し直列に接続されたJ−T冷凍機(31)とが設置され
ている。上記予冷冷凍機(22)は、G−M(ギフォー
ド・マクマホン)サイクルの冷凍機で構成されていて、
J−T冷凍機(31)におけるヘリウムガス(冷媒ガ
ス)を予冷するためにヘリウムガスを圧縮及び膨張させ
る。この予冷冷凍機(22)は上記真空デュワー(D)
の外部に配置される密閉円筒状のケース(23)と、該
ケース(23)に連設された大小2段構造のシリンダ
(24)とを有する。上記ケース(23)には上記圧縮
機ユニット(1)の予冷用高圧ガス吐出口(14)にフ
レキシブル配管(25)を介して接続される高圧ガス入
口(26)と、同中間圧ガス吸入口(6)にフレキシブ
ル配管(27)を介して接続される低圧ガス出口(2
8)とが開口されている。一方、シリンダ(24)は真
空デュワー(D)の側壁を貫通してその内部に延びてお
り、その大径部(24a)の先端部は所定温度レベルに
冷却保持される第1ヒートステーション(29)に、ま
た小径部(24b)の先端部は上記第1ヒートステーシ
ョン(29)よりも低い温度レベルに冷却保持される第
2ヒートステーション(30)にそれぞれ形成されてい
る。
【0032】すなわち、ここでは図示しないが、シリン
ダ(24)内には、上記各ヒートステーション(2
9),(30)に対応する位置にそれぞれ膨張空間を区
画形成するフリータイプのディスプレーサ(置換器)が
往復動可能に嵌挿されている。一方、上記ケース(2
3)内には、回転する毎に開閉するロータリバルブと、
該ロータリバルブを駆動するバルブモータとが収容され
ている。ロータリバルブは、上記高圧ガス入口(26)
から流入したヘリウムガスをシリンダ(24)内の各膨
張空間に供給し、又は各膨張空間内で膨張したヘリウム
ガスを低圧ガス出口(28)から排出するように切り換
わる。そして、このロータリバルブの開閉により高圧ヘ
リウムガスをシリンダ(24)内の各膨張空間でサイモ
ン膨張させて、その膨張に伴う温度降下により極低温レ
ベルの寒冷を発生させ、その寒冷をシリンダ(24)に
おける第1及び第2ヒートステーション(29),(3
0)にて保持する。つまり、予冷冷凍機(22)では、
予冷用圧縮機(8)から吐出された高圧のヘリウムガス
を断熱膨張させてヒートステーション(29),(3
0)の温度を低下させ、J−T冷凍機(31)における
後述の予冷器(36),(37)を予冷するとともに、
膨張した低圧ヘリウムガスを圧縮機(8)に戻して再圧
縮するようになされている。
【0033】一方、上記J−T冷凍機(31)は、約4
Kレベルの寒冷を発生させるためにヘリウムガスをジュ
ール・トムソン膨張させる冷凍機であって、この冷凍機
(31)は上記真空デュワー(D)内に配置された第1
〜第3のJ−T熱交換器(32)〜(34)を備えてい
る。この各J−T熱交換器(32)〜(34)は1次側
及び2次側をそれぞれ通過するヘリウムガス間で互いに
熱交換させるもので、第1J−T熱交換器(32)の1
次側は圧縮機ユニット(1)のJ−T用高圧ガス吐出口
(16)にフレキシブル配管(35)を介して接続され
ている。また、第1及び第2のJ−T熱交換器(3
2),(33)の各1次側同士は、上記予冷冷凍機(2
2)におけるシリンダ(24)の第1ヒートステーショ
ン(29)外周に配置した第1予冷器(36)を介して
接続されている。同様に、第2及び第3J−T熱交換器
(33),(34)の各1次側同士は、第2ヒートステ
ーション(30)外周に配置した第2予冷器(37)を
介して接続されている。さらに、上記第3J−T熱交換
器(34)の1次側は、高圧のヘリウムガスをジュール
・トムソン膨張させるJ−T弁(38)に吸着器(3
9)を介して接続されている。上記J−T弁(38)は
真空デュワー(D)外側から操作ロッド(38a)によ
って開度が調整される。上記J−T弁(38)は、ステ
ンレス鋼製の管からなる液体ヘリウム戻し配管(40)
を介してヘリウムタンク(Th)内に連通されている。
また、このヘリウムタンク(Th)内は、同様のステン
レス鋼管からなるヘリウムガス吸入配管(41)を介し
て上記第3J−T熱交換器(34)の2次側に接続され
ている。そして、この第3J−T熱交換器(34)の2
次側は第2J−T熱交換器(33)の2次側を経て第1
J−T熱交換器(32)の2次側に接続され、この第1
J−T熱交換器(32)の2次側はフレキシブル配管
(42)を介して圧縮機ユニット(1)の低圧ガス吸入
口(2)に接続されている。
【0034】すなわち、J−T冷凍機(31)はフレキ
シブル配管(35),(42)、低圧配管(3)、両圧
縮機(4),(8)及びJ−T用高圧配管(15)に対
し直列に接続された冷媒回路をなし、その冷媒回路の一
部が液体ヘリウム戻し配管(40)及びヘリウムガス吸
入配管(41)を介してヘリウムタンク(Th)内に開
放されており、タンク(Th)内で蒸発したヘリウムガ
スをガス吸入配管(41)から冷媒回路に吸い込んで第
3〜第1J−T熱交換器(34)〜(32)の各2次側
を通してJ−T用及び予冷用圧縮機(4),(8)に吸
入圧縮する。また、この予冷用圧縮機(8)により圧縮
された高圧ヘリウムガスを第1〜第3のJ−T熱交換器
(32)〜(34)において、圧縮機(4)側に向かう
低温低圧のヘリウムガスと熱交換させるとともに、第1
及び第2予冷器(36),(37)でそれぞれシリンダ
(24)の第1及び第2ヒートステーション(29),
(30)で冷却した後、J−T弁(38)でジュール・
トムソン膨張させて約4Kの液状態のヘリウムとなし、
この液体ヘリウムを液体ヘリウム戻し配管(40)を経
由してタンク(Th)内に戻すようになされている。
【0035】上記第1及び第2開閉弁(AV1),(A
V2)は、圧縮機(4),(8)の運転周波数を制御す
る電源制御ユニット(51)からの制御信号を受けて空
気圧の作用又は作用停止を切り換えるマニホールドユニ
ット(52)に接続されている。上記電源制御ユニット
(51)には、上記予冷用圧縮機(8)から吐出された
高圧ヘリウムガスの圧力を検出する高圧センサ(HP
S)の検出信号と、J−T用圧縮機(4)の吸込側に連
通する低圧配管(3)内の低圧ヘリウムガスの圧力を検
出する低圧センサ(LPS)の検出信号と、ヘリウムガ
ス給排配管(17)内の圧力(バッファタンク(Tb)
の内圧(PB ))を検出するバッファタンク圧センサ
(MPS)の検出信号と、圧縮機ユニット(1)におけ
る3つの保護スイッチ(SS1)〜(SS3)の作動信
号とが入力されている。
【0036】ここで、電源制御ユニット(51)で行わ
れる制御動作について図2及び図3により説明する。ま
ず、ステップST1で手動又は自動の切換えを判定し、
この判定が手動のときにはステップST2で運転ボタン
をON作動させた後、また自動のときにはステップST
3で外部運転信号を入力させた後、それぞれステップS
T4に進む。ステップST4では、運転モードの切換え
を判定し、この判定が低速モードのときには、ステップ
ST5で圧縮機(4),(8)の運転周波数fを例えば
f=40Hzに設定し、第1開閉弁(AV1)を開弁さ
せ、かつ第2開閉弁(AV2)を閉弁させた後、ステッ
プST6で圧縮機ユニット(1)の保護スイッチ(SS
1)〜(SS3)が作動したかどうかを判定する。この
判定がYESのときには、ステップST22において異
常状態を表示した後、ステップST23に進み、圧縮機
(4),(8)を停止させる。その後、ステップST2
4で第1開閉弁(AV1)を閉弁させて運転を停止す
る。
【0037】また、ステップST6の判定がNOのとき
には、ステップST7において低速運転を実行させ、ス
テップST21で停止ボタンをON作動させた後、ステ
ップST23に進む。
【0038】上記ステップST4の判定が通常モードの
ときには、ステップST8で圧縮機(4),(8)の運
転周波数fを例えばf=55Hzに設定し、第1開閉弁
(AV1)を開弁させ、かつ第2開閉弁(AV2)を閉
弁させた後、ステップST9に進み、ステップST6と
同様に圧縮機ユニット(1)の保護スイッチ(SS1)
〜(SS3)が作動したかどうかを判定する。この判定
がYESのときにはステップST22に進むが、NOの
ときには、ステップST10でバッファタンク圧(PB
)が例えば3.0kg/cm2 よりも低いかどうかを
判定し、この判定がPB ≧3.0のNOのときには、ス
テップST20において通常運転を実行させた後、ステ
ップST21に進む。ステップST10の判定がYES
のときには、ステップST11で低速運転を実行させ、
ステップST12でバッファタンク圧(PB )が例えば
4.0kg/cm2 よりも高いかどうかを判定し、この
判定がPB ≦4.0のNOのときには、上記ステップS
T11に戻るが、YESのときには上記ステップST2
0に進む。
【0039】さらに、上記ステップST4の判定が励消
磁モードのときには、ステップST13で圧縮機
(4),(8)の運転周波数fを例えばf=70Hzに
設定し、第1及び第2開閉弁(AV1),(AV2)を
共に閉弁させた後、ステップST14に進み、ステップ
ST6と同様に圧縮機ユニット(1)の保護スイッチ
(SS1)〜(SS3)が作動したかどうかを判定す
る。この判定がYESのときにはステップST22に進
むが、NOのときにはステップST15に進んで超電導
磁石の励消磁を実行させる。その後、ステップST16
で励消磁が終了したか否かを判定し、この判定がNOの
ときにはステップST15に戻るが、判定がYESにな
ると、ステップST17において第1設定時間(T1)
(例えばT1=60秒)が経過したかどうかを判定す
る。この判定がNOのときには同じステップST17を
繰り返すが、判定がYESになるとステップST18に
進み、第1開閉弁(AV1)をそのまま閉弁させ、第2
開閉弁(AV2)のみを開弁させた後、ステップST1
9に進んで第2設定時間(T2)(例えばT2=20
秒)が経過したかどうかを判定する。この判定がNOの
ときにはステップST18,ST19を繰り返すが、判
定がYESになると上記ステップST20に進む。
【0040】この実施例では、上記ステップST4によ
り、リニアモータカーにおける超電導磁石の励消磁を
行うことを検出する励消磁運転検出手段(53)が構成
されている。
【0041】また、ステップST13,ST15〜ST
20により、上記励消磁運転検出手段(53)の出力信
号を受け、超電導磁石の励消磁中は、第1及び第2開閉
弁(AV1),(AV2)の双方を閉じて予冷用圧縮機
(8)から液体ヘリウムタンク(Th)に至るヘリウム
ガス流量を通常流量から0に切り換え、超電導磁石の励
消磁終了後に第1設定時間(T1)が経過すると、それ
から第2設定時間(T2)が経過するまでの間、第2開
閉弁(AV2)のみを開いてヘリウムガス流量を通常流
量よりも少ない設定流量に切り換え、その後に第1開閉
弁(AV1)のみを開いてヘリウムガス流量を通常流量
に戻すように冷媒流量調整機構(19)を制御する制御
手段(54)が構成されている。
【0042】次に、上記実施例の作用について説明す
る。リニアモータカーの超電導磁石を作動させる定常状
態では、その超電導磁石の超電導コイルがヘリウムタン
ク(Th)内の液体ヘリウムにより臨界温度以下に冷却
保持される。また、上記ヘリウムタンク(Th)内で蒸
発したヘリウムガスは、タンク(Th)内に開口するヘ
リウムガス吸入配管(41)から吸い込まれて冷凍機
(R)の冷媒回路に供給され、そこで圧縮及び膨張によ
り冷却されて液化する。この液体ヘリウムは液体ヘリウ
ム戻し配管(40)を経てタンク(Th)内に戻され
る。このことにより、タンク(Th)内に液体ヘリウム
が所定量以上貯溜され、超電導コイルが臨界温度以下に
安定して冷却される。
【0043】上記冷凍機(R)の運転についてさらに詳
しく説明すると、その定常運転状態では、圧縮機ユニッ
ト(1)の予冷用圧縮機(8)から供給された高圧のヘ
リウムガスの一部が予冷冷凍機(22)(膨張機)にお
けるシリンダ(24)内の各膨張空間で膨張し、このガ
スの膨張に伴う温度降下により第1ヒートステーション
(29)が所定温度レベルに、また第2ヒートステーシ
ョン(30)が第1ヒートステーション(29)よりも
低い温度レベルにそれぞれ冷却される。膨張空間で膨張
したヘリウムガスは圧縮機ユニット(1)に戻り、その
中間圧配管(7)を経由して予冷用圧縮機(8)に吸い
込まれて圧縮される。
【0044】一方、圧縮機ユニット(1)におけるJ−
T用高圧配管(15)の第1開閉弁(AV1)が開弁す
る一方、第2開閉弁(AV2)が閉弁し、上記予冷用圧
縮機(8)から吐出された高圧のヘリウムガスの残部は
上記J−T用高圧配管(15)の第1絞り弁(V1)を
経由してJ−T冷凍機(31)の第1J−T熱交換器
(32)の1次側に入り、そこで圧縮機(4)側へ向か
う2次側の低圧ヘリウムガスと熱交換されて常温300
Kから約50Kまで冷却され、その後、上記予冷冷凍機
(22)の第1ヒートステーション(29),外周の第
1予冷器(36)に入ってさらに冷却される。この冷却
されたガスは第2J−T熱交換器(33)の1次側に入
って、同様に2次側の低圧ヘリウムガスとの熱交換によ
り約15Kまで冷却された後、予冷冷凍機(22)の第
2ヒートステーション(30)外周の第2予冷器(3
7)に入ってさらに冷却される。この後、ガスは第3J
−T熱交換器(34)の1次側に入って2次側の低圧ヘ
リウムガスとの熱交換によりさらに冷却され、しかる後
にJ−T弁(38)に至る。このJ−T弁(38)では
高圧ヘリウムガスは絞られてジュール・トムソン膨張
し、約4Kの液状態のヘリウムとなり、この液体ヘリウ
ムは液体ヘリウム戻し配管(40)を経由してタンク
(Th)へ供給される。また、タンク(Th)内で蒸発
したヘリウムガスは、ヘリウムガス吸入配管(41)を
介して第3J−T熱交換器(34)の2次側に吸入さ
れ、第2及び第1J−T熱交換器(33),(32)の
各2次側を経由してJ−T用圧縮機(4)に吸い込まれ
て圧縮される。
【0045】そして、リニアモータカーの保守や点検等
で超電導磁石による磁場の発生を停止させる消磁や電流
を流して励磁を行うときには、図5に示す如く、それに
伴う熱負荷の増大に応じて上記冷凍機(R)は励消磁モ
ードとなり、冷凍機(R)における各圧縮機(4),
(8)の運転周波数fがf=55Hzから70Hzに上
昇し、このことで液体ヘリウムタンク(Th)内の蒸発
ヘリウムガスのJ−T圧縮機(4),(8)への吸込み
量、つまりタンク(Th)からの蒸発ヘリウムガスの流
出量が増加する。また、圧縮機ユニット(1)のJ−T
用高圧配管(15)における第2開閉弁(AV2)はそ
のまま閉弁されるが、第1(AV1)が開弁状態から閉
弁状態に切り換えられ、この両開閉弁(AV1),(A
V2)の閉弁によりJ−T用高圧配管(15)が閉鎖さ
れて液体ヘリウムタンク(Th)へのヘリウム流入量が
0となる。つまり、液体ヘリウムタンク(Th)からの
蒸発ヘリウムガスの流出量が増加する一方、流入量が0
となるので、その内圧が低下し、この状態でリニアモー
タカーの超電導磁石の励消磁が実行される。従って、た
とえこの超電導磁石の励消磁の実行により熱負荷が増大
したとしても、液体ヘリウムタンク(Th)の内圧の上
昇が抑制されるので、安全弁が作動するのを回避するこ
とができる。
【0046】この超電導磁石の励消磁が終了し、それか
ら第1設定時間(T1)が経過すると、第1開閉弁(A
V1)はそのまま閉弁状態に保持されるが、第2開閉弁
(AV2)は開弁され、このことで高圧ヘリウムガスは
J−T用高圧配管(15)の第2絞り弁(V2)を経由
して液体ヘリウムタンク(Th)に入る。上記第2絞り
弁(V2)の開度は第1絞り弁(V1)よりも小さいの
で、液体ヘリウムタンク(Th)へ供給されるヘリウム
ガス流量は通常流量よりも少ない設定流量に保たれる。
その後、第2設定時間(T2)が経過すると、元のよう
に第1開閉弁(AV1)のみが開弁されてヘリウムガス
流量が通常流量に戻される。
【0047】すなわち、この実施例では、リニアモータ
カーの超電導磁石の励消磁が終了した後にヘリウムガス
流量を、第1絞り弁(V1)の開度で決まる通常流量に
戻すとき、まず、ヘリウムガス流量を通常流量よりも少
ない設定流量(第2絞り弁(V2)の開度で決まる流
量)に切り換え、しかる後に通常流量に戻すので、この
流量が設定流量にある間は圧縮機(8)から液体ヘリウ
ムタンク(Th)に至るヘリウムガスの圧力を低下させ
てその流量を少なくすることができる。このことで、図
6に示すように液体ヘリウムタンク(Th)の内圧が従
来のように励消磁中のピーク値を越えて上昇するのを有
効に抑制でき、冷凍機(R)の励消磁モードの運転時間
を短縮することができる。その結果、圧縮機(4),
(8)の運転周波数を高くする時間が短くて済み、その
耐久性を向上させることができる。また、冷凍機(R)
の励消磁モード運転時間が短いので、J−T側冷媒回路
において液体ヘリウムガス(Th)に向かうヘリウムガ
スと、タンク(Th)から圧縮機(4)に戻るヘリウム
ガスとの間での流量バランスの崩れにより圧縮機への吸
込ガスの温度が低下してフレキシブル配管(42)ヘ霜
が付着する虞れはない。また、液体ヘリウムタンク(T
h)でのヘリウムガスの蒸発量を低減でき、さらにはヘ
リウムガスのバッファタンク(Tb)への回収量の低減
を図ることができる。
【0048】(実施例2) 図7〜図10は実施例2を示し(尚、図2〜図5と同じ
部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略
する)、上記実施例1では超電導磁石の励消磁にヘリウ
ムガスの流量を0にしているのに対し、所定流量を流す
ようにしたものである。
【0049】すなわち、この実施例では、図9に示す如
く、圧縮機ユニット(1)におけるJ−T用高圧配管
(15)は途中で第1〜第3の3つの分岐配管(15
a)〜(15b)に並列に分岐され、第1分岐配管(1
5a)には流量調整用の絞り固定式の第1絞り弁(V
1)と空圧式の第1開閉弁(AV1)とが配設されてい
る。第2分岐配管(15b)には同様の第2絞り弁(V
2)と第2開閉弁(AV2)とが、また第3分岐配管
(15c)には同様の第3絞り弁(V3)と第3開閉弁
(AV3)とがそれぞれ配設されている。これら3つの
絞り弁(V1)〜(V3)の開度を比較すると、第2絞
り弁(V2)の開度が最も小さく、次いで第3絞り弁
(V3)、第1絞り弁(V1)の順に開度が大きく設定
されている。
【0050】電源制御ユニット(51)の制御動作は基
本的に上記実施例1と同様であり(図2及び図3参
照)、以下の部分のみが異なる。すなわち、図7及び図
8に示すように、まず、ステップST4の判定が励消磁
モードのとき、ステップST13で圧縮機(4),
(8)の運転周波数fを例えばf=70Hzに設定し、
第1及び第3開閉弁(AV1),(AV3)を共に閉弁
させ、かつ第2開閉弁(AV2)のみを開弁させた後、
ステップST14に進む。
【0051】また、ステップST18では、第1開閉弁
(AV1)を閉弁させ、第2開閉弁(AV2)を開弁状
態から閉弁状態に切り換えるとともに、第3開閉弁(A
V3)を開弁させた後、ステップST19に進む。
【0052】さらに、ステップST20の定常運転のと
きには、第1開閉弁(AV1)のみを開弁するようにな
っている。
【0053】よって、この実施例では、図7及び図8に
示すフローのステップST13,ST15〜ST20に
より制御手段(54)が構成され、この制御手段(5
4)は、励消磁運転検出手段(53)の出力信号を受
け、超電導磁石の励消磁中は、第1及び第3開閉弁(A
V1),(AV3)の双方を閉じかつ第2開閉弁(AV
2)のみを開いて予冷用圧縮機(8)から液体ヘリウム
タンク(Th)に至るヘリウムガス流量を、第1絞り弁
(V1)にて設定される通常流量から第2絞り弁(V
2)にて設定される第1設定流量に切り換え、超電導磁
石の励消磁終了後、第1設定時間(T1)が過ぎると、
第2設定時間(T2)が経過するまでの間、第3開閉弁
(AV3)のみを開いてヘリウムガス流量を通常流量よ
りも少なくかつ第1設定流量よりも多い第2設定流量
(第3絞り弁(V3)にて設定される流量)に切り換
え、その後に第1開閉弁(AV1)のみを開いてヘリウ
ムガス流量を通常流量に戻すように冷媒流量調整機構
(19)を制御する。
【0054】したがって、この実施例の場合、図10に
示すように、リニアモータカーにおける超電導磁石の作
動状態では、J−T用高圧配管(15)の第1開閉弁
(AV1)のみが開弁してヘリウムガスの流量が通常流
量とされる。そして、超電導磁石が励消磁されるとき、
その実行中は、J−T用高圧配管(15)の第2開閉弁
(AV2)のみが開弁してヘリウムガスの流量が第1設
定流量とされる。この励消磁が終了して、それから第1
設定時間(T1)が経過すると、第2開閉弁(AV2)
は閉弁されてその代わり第3開閉弁(AV3)が開弁さ
れ、このことで高圧ヘリウムガスはJ−T用高圧配管
(15)の第3絞り弁(V3)を経由して液体ヘリウム
タンク(Th)に入り、そのときのヘリウムガスの流量
は第3絞り弁(V3)にて設定される第2設定流量とな
る。さらに、それから第2設定時間(T2)が経過する
と、第1開閉弁(AV1)のみが開弁されてヘリウムガ
ス流量が元の通常流量に戻される。よって、この実施例
でも、上記実施例1と同様の作用効果を奏することがで
きる。
【0055】尚、上記各実施例では、J−T用高圧配管
(15)を複数の分岐配管(15a),(15b),…
に分岐し、これら分岐配管(15a),(15b),…
を各々に配置した開閉弁(AV1),(AV2),…に
より開閉切換えすることで、ヘリウムガスの流量を調整
するようにしているが、上記複数の開閉弁(AV1),
(AV2),…を組み合わせて開閉制御することによ
り、同様の流量調整を行うこともできる。また、J−T
用高圧配管(15)を1本とし、その開度を可変とする
空圧式の比例制御弁を用いてもよく、同様の作用効果が
得られる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は4の
発明では、超電導磁石を臨界温度以下に冷却保持する液
化冷媒を貯溜するタンクに冷媒回路が開放され、タンク
内で蒸発した冷媒ガスを冷媒回路に取り込んで圧縮及び
膨張により冷却して再液化し、この液化冷媒をタンク内
に戻すようにした極低温冷凍機に対し、圧縮機から冷媒
タンクに至る冷媒流量を調整する冷媒流量調整手段を設
け、上記超電導磁石の励消磁を行うとき、その実行中
は、圧縮機から冷媒タンクに至る冷媒流量を0にし、励
消磁の終了後に冷媒流量を通常流量に戻す際には、一
旦、通常流量よりも少ない設定流量に切り換えた後に通
常流量に戻すようにした。また、請求項2又は5の発明
では、超電導磁石の励消磁の実行中は、圧縮機から冷媒
タンクに至る冷媒流量を通常流量よりも少ない第1設定
流量にし、励消磁終了後に冷媒流量を通常流量に戻すと
きには、一旦、通常流量よりも少なくかつ第1設定流量
よりも多い第2設定流量に切り換えた後に通常流量に戻
すようにした。従って、これら発明によれば、超電導磁
の励消磁後に冷媒流量を通常流量に戻す際、この流量
が中間の設定流量にある間に圧縮機から冷媒タンクに至
る冷媒の圧力を低下させて流量を少なくし、冷媒タンク
の内圧が励消磁中のピーク値を越えて上昇するのを有効
に抑制することができ、冷凍機の励消磁運転モードの運
転時間を短縮して、圧縮機の耐久性の向上や接続配管の
霜付きの防止、タンクでの冷媒蒸発量の低減、冷媒のバ
ッファタンクへの回収量の低減等を図ることができる。
【0057】請求項3の発明によると、圧縮機から冷媒
タンクに至る冷媒配管を並列に分岐してなる複数の分岐
配管と、該各分岐配管にそれぞれ配置され、互いに開度
の異なる絞り弁と、各分岐配管をそれぞれ開閉する開閉
弁とを設け、各開閉弁を開閉切換えして、圧縮機から冷
媒タンクに至る冷媒流量を調整するようにしたことによ
り、冷媒流量調整手段の望ましい構成を容易に得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1の電源制御ユニットで行われ
る制御動作の前半部を示すフローチャート図である。
【図3】電源制御ユニットで行われる制御動作の後半部
を示すフローチャート図である。
【図4】実施例1におけるリニアモータカー用冷凍機の
全体構成を示す冷媒回路図である。
【図5】実施例1において開閉弁の開閉切換え及びそれ
に伴うヘリウムガス流量の変化を示すタイムチャート図
である。
【図6】実施例1において超電導磁石の励消磁時の液体
ヘリウムタンクの内圧変化を示す特性図である。
【図7】実施例2を示す図2相当図である。
【図8】実施例2を示す図3相当図である。
【図9】実施例2を示す図4相当図である。
【図10】実施例2を示す図5相当図である。
【符号の説明】
(R) 冷凍機 (1) 圧縮機ユニット (4),(8) 圧縮機 (15) J−T用高圧配管(冷媒配管) (15a),(15b),(15c) 分岐配管 (AV1),(AV2),(AV3) 開閉弁 (V1),(V2),(V3) 絞り弁 (19) 冷媒流量調整機構(冷媒流量調整手段) (21) 冷凍機ユニット (22) 予冷冷凍機 (31) J−T冷凍機 (38) J−T弁(膨張手段) (51) 電源制御ユニット (53) 励消磁運転検出手段 (54) 制御手段 (Th) 液体ヘリウムタンク(冷媒タンク) (Tb) バッファタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 9/02 ZAA F25B 9/00 395 H01F 6/04 H01L 39/04 ZAA

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導磁石を臨界温度以下に冷却保持す
    る液冷媒を貯溜する冷媒タンク(Th)内に、圧縮機
    (4),(8)及び膨張手段(38)を有する冷媒回路
    の一部が開放され、冷媒タンク(Th)内で蒸発したガ
    ス冷媒を冷媒回路に吸入して圧縮機(4),(8)で圧
    縮した後に膨張手段(38)で膨張させ、その膨張によ
    る温度降下により液冷媒を生成して冷媒タンク(Th)
    内に戻すようにした冷凍機において、 上記圧縮機(4),(8)から冷媒タンク(Th)に至
    る冷媒流量を調整する冷媒流量調整手段(19)と、 上記超電導磁石の励消磁を行うことを検出する励消磁運
    転検出手段(53)と、 上記検出手段(53)の出力信号を受け、超電導磁石の
    励消磁中は、冷媒タンク(Th)に至る冷媒流量を通常
    流量から0に切り換え、励消磁の終了後は、冷媒流量を
    通常流量よりも少ない設定流量に切り換えた後に通常流
    量に戻すように上記冷媒流量調整手段(19)を制御す
    る制御手段(54)とを設けたことを特徴とする冷凍機
    の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 超電導磁石を臨界温度以下に冷却保持す
    る液冷媒を貯溜する冷媒タンク(Th)内に、圧縮機
    (4),(8)及び膨張手段(38)を有する冷媒回路
    の一部が開放され、冷媒タンク(Th)内で蒸発したガ
    ス冷媒を冷媒回路に吸入して圧縮機(4),(8)で圧
    縮した後に膨張手段(38)で膨張させ、その膨張によ
    る温度降下により液冷媒を生成して冷媒タンク(Th)
    内に戻すようにした冷凍機において、 上記圧縮機(4),(8)から冷媒タンク(Th)に至
    る冷媒流量を調整する冷媒流量調整手段(19)と、 上記超電導磁石の励消磁を行うことを検出する励消磁運
    転検出手段(53)と、 上記検出手段(53)の出力信号を受け、超電導磁石の
    励消磁中は、冷媒タンク(Th)に至る冷媒流量を通常
    流量から該通常流量よりも少ない第1設定流量に切り換
    え、励消磁の終了後は、冷媒流量を通常流量よりも少な
    くかつ上記第1設定流量よりも多い第2設定流量に切り
    換えた後に通常流量に戻すように上記冷媒流量調整手段
    (19)を制御する制御手段(54)とを設けたことを
    特徴とする冷凍機の運転制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の冷凍機の運転制御
    装置において、 冷媒流量調整手段(19)は、圧縮機(4),(8)か
    ら冷媒タンク(Th)に至る冷媒配管(15)を並列に
    分岐してなる複数の分岐配管(15a),(15b),
    …と、該各分岐配管(15a),(15b),…にそれ
    ぞれ配置され、互いに開度の異なる絞り弁(V1),
    (V2),…と、各分岐配管(15a),(15b),
    …をそれぞれ開閉する開閉弁(AV1),(AV2),
    …とを備えていて、各開閉弁(AV1),(AV2),
    …を開閉切換えすることにより、圧縮機(4),(8)
    から冷媒タンク(Th)に至る冷媒流量を調整するよう
    に構成されているものであることを特徴とする冷凍機
    運転制御装置。
  4. 【請求項4】 超電導磁石を臨界温度以下に冷却保持す
    る液冷媒を貯溜する冷媒タンク(Th)内に、圧縮機
    (4),(8)及び膨張手段(38)を有する冷媒回路
    の一部が開放され、冷媒タンク(Th)内で蒸発したガ
    ス冷媒を冷媒回路に吸入して圧縮機(4),(8)で圧
    縮した後に膨張手段(38)で膨張させ、その膨張によ
    る温度降下により液冷媒を生成して冷媒タンク(Th)
    内に戻すようにした冷凍機の運転制御方法であって、 上記超電導磁石の励消磁を行うときには、圧縮機
    (4),(8)から冷媒タンク(Th)に至る冷媒流量
    を通常流量から0に切り換え、励消磁が終了すると、冷
    媒流量を通常流量よりも少ない設定流量に切り換えた後
    に通常流量に戻すことを特徴とする冷凍機の運転制御方
    法。
  5. 【請求項5】 超電導磁石を臨界温度以下に冷却保持す
    る液冷媒を貯溜する冷媒タンク(Th)内に、圧縮機
    (4),(8)及び膨張手段(38)を有する冷媒回路
    の一部が開放され、冷媒タンク(Th)内で蒸発したガ
    ス冷媒を冷媒回路に吸入して圧縮機(4),(8)で圧
    縮した後に膨張手段(38)で膨張させ、その膨張によ
    る温度降下により液冷媒を生成して冷媒タンク(Th)
    内に戻すようにした冷凍機の運転制御方法であって、 上記超電導磁石の励消磁を行うときには、圧縮機
    (4),(8)から冷媒タンク(Th)に至る冷媒流量
    を通常流量から該通常流量よりも少ない第1設定流量に
    切り換え、励消磁が終了すると、冷媒流量を通常流量よ
    りも少なくかつ上記第1設定流量よりも多い第2設定流
    量に切り換えた後に通常流量に戻すことを特徴とする
    凍機の運転制御方法。
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