JP2617172B2 - 極低温冷却装置 - Google Patents

極低温冷却装置

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JP2617172B2
JP2617172B2 JP1093150A JP9315089A JP2617172B2 JP 2617172 B2 JP2617172 B2 JP 2617172B2 JP 1093150 A JP1093150 A JP 1093150A JP 9315089 A JP9315089 A JP 9315089A JP 2617172 B2 JP2617172 B2 JP 2617172B2
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克明 金沢
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は液体ヘリウムなどの冷媒を使用する極低温冷
却装置に関する。更に詳しくは、蒸発した冷媒ガスを再
液化するための再凝縮器を持ったジュール・トムソン
(J・T)回路にJ・T回路の予冷用として蓄冷器式極
低温冷凍機(GM、ソルベー、スターリング冷凍機など)
を組み合わせた、冷媒液体浸漬冷却方式の冷却装置に関
するものである。
(従来の技術) 第2図は従来の液体ヘリウムを使用した極低温冷却装
置のシステム図である。冷却システムの運転状況を説明
する。冷却システムが定常状態まで冷却され、液体ヘリ
ウム容器11に液体ヘリウムを充填して封じきり弁18を閉
じる。種々の経路による液体ヘリウム容器11への侵入熱
により液体ヘリウムは蒸発してガス化する。この蒸発し
たガスは再凝縮器10によって再び液化されて液体ヘリウ
ム12中に落下する。再凝縮器10における冷凍(再液化)
能力が侵入熱量以上であれば蒸発したヘリウムガスは全
て再液化されるために液体ヘリウム12の液面は常に一定
に保たれ、かつ液体ヘリウム容器11内の圧力は再液化ヘ
リウムの飽和圧力で一定に保たれる。
(発明が解決しようとする問題点) 上に述べたような冷凍システムの冷凍能力は、通常、
侵入熱量に対して数10%程度の余裕を持たせているが、
超電導コイルの励消磁の時には正常侵入熱量の数倍に達
することがある。このように一時的に侵入熱量が増加す
るとき、冷凍能力が足らなくなり、蒸発したヘリウムガ
スの一部は再液化されなくなるため液体ヘリウム容器11
内の圧力は上昇する。このため封じきり弁18を開いてヘ
リウムガスを外部に取り出し、回収しなければならな
い。その後侵入熱量が元の状態になれば封じきり弁18を
再び閉じる。しかし、このとき液体ヘリウム12の液面は
下がっており、超電導コイル13の一部が液体ヘリウム12
から露出する状態も起こり得る。このため、この超電導
磁石の運転を続けるためには、外部より液体ヘリウムを
再充填しなければならない。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明は、冷却システムの冷凍能力を越えて冷凍負荷
が一時的に増加した場合、この増加分より余分に蒸発し
た冷媒ガスを一時的に回収し、元の状態になったとき、
この冷媒ガスを再液化して超電導コイルなどの冷却に使
用する装置である。
(作用) 第1図は本発明の一実施例の装置のシステム図であ
る。正常運転状態においては液体ヘリウム容器11の内圧
は一定になっている。次に一時的に液体ヘリウム12への
侵入熱量が増加して、冷却システムの冷凍能力を超える
と蒸発ガスの全量を再液化できないので液体ヘリウム容
器11の内圧は徐々に上昇してくる。第3図は液体ヘリウ
ム容器内の内圧とヘリウム液面の変化の様子を示すグラ
フである。ある設定圧力Aにまで内圧が上昇すると回収
弁20が開き、液体ヘリウム容器11内のヘリウムガスは熱
交換器8,7,6でJ・T回路の高圧側流入ガスを冷却しな
がら回収・凝縮管19内を流れて真空容器14外に出、回収
弁20を通ってJ・T回路の低圧側戻りガスに混入して第
1段圧縮機4に吸収される。更に第2段圧縮機5で圧縮
・吐出されるが、この場合冷却システム内のガス量が増
加するので、第2段圧縮機5からの吐出ガスの一部は高
圧調整弁17の作動によって中圧タンク15内に蓄えられ
る。
以上の述べたような動作の結果、液体ヘリウム容器11
を封じきったままで、その内圧は回収弁20の開度制御に
よってほぼ一定の値Aに保持される。しかし、液体ヘリ
ウム容器11内の液体ヘリウム12は蒸発分の方が再液化分
より大であるので、液体ヘリウム12の液面は徐々に低下
して行く。
その後、侵入熱量が元に戻り、蒸発ガス量より再液化
されるヘリウムの方が多くなってくると液体ヘリウム容
器11の内圧は下がってくるので回収弁20は開となる。そ
して、ある設定圧力B(B<A)にまで下がると導入弁
21が開となり、圧縮機5の吐出ガスの一部が導入弁21に
よって減圧され、熱交換機6,7,8でJ・T回路の低圧側
戻りガスで冷却されながら回収・凝縮管19を通って液体
ヘリウム容器11内に導入される。導入されたガスは再凝
縮器10で再液化されて液体ヘリウム12に落下して行く。
この結果、液体ヘリウム12の量は増加して行き、液面は
上昇する。この間は導入されたガス分は低圧調整弁16に
よって中圧タンク15より第1段圧縮機4の吸い込みガス
中に補充され、また、導入弁21の開度の制御によって液
体ヘリウム容器11の内圧はほぼBで一定に保たれ、やが
て予め設定された液面に達すると導入弁21は閉となる。
以後は、当初の運転状態に戻って超電導磁石の連続運転
が断続される。
[発明の効果] 本発明の冷却装置によりヘリウムガスなどの冷媒の回
収および液体ヘリウムなどの冷媒液体の再補給のための
設備およびこれらの作業が不要になり、冷却システムと
しての性能が向上した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の極低温冷却装置のシステム
図、第2図は従来の極低温冷却装置のシステム図、第3
図は本発明の一実施例の極低温冷却装置のヘリウム容器
内の内圧と液面の変化を示すグラフである。 1……GM冷凍機、2……第1冷却ステージ、3……第2
冷却ステージ、4……第1段圧縮機、5……第2段圧縮
機、6……第1段熱交換器、7……第2段熱交換器、8
……第3段熱交換器、9……JT弁、10……再凝縮器、11
……液体ヘリウム容器、12……液体ヘリウム、13……超
電導コイル、14……真空容器、15……中圧タンク、16…
…低圧調整弁、17……高圧調整弁、18……封じきり弁、
19……回収凝縮管、20……回収弁、21……導入弁。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷媒ガスを再液化する再凝縮器を有するジ
    ュール・トムソン回路と前記回路の予冷用として蓄冷器
    式極低温冷凍機を組合せた極低温冷却システムを備えた
    冷却装置において、 冷媒液体浸漬容器内の圧力が設定の圧力になったとき開
    く回収弁を備え、前記冷媒液体浸漬容器内から圧縮機と
    高圧調整弁とを介して中圧タンク導通する回路と、 前記回収弁より低い圧力で開く導入弁を備え、前記冷媒
    液体浸漬容器内から圧縮機と低圧調整弁とを介して中圧
    タンクに導通する回路から冷媒ガスを導入して再凝縮器
    で再液化する手段とを備えたことを特徴とする極低温冷
    却装置。
JP1093150A 1989-04-14 1989-04-14 極低温冷却装置 Expired - Lifetime JP2617172B2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4916051A (en) * 1987-04-07 1990-04-10 Konica Corporation Silver halide color photographic light-sensitive material
JP5380310B2 (ja) * 2010-01-06 2014-01-08 株式会社東芝 極低温冷凍機
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