JP3279688B2 - 積層吸水紙及びそのロール状ペーパータオル - Google Patents

積層吸水紙及びそのロール状ペーパータオル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、古紙として回収した場
合にクレープ紙の植物繊維を再生紙の原料として古紙処
理が容易である、吸水性及び水離解性を有するクレープ
紙間に接着剤を介して補強材としての目荒なネットが貼
り合わされて成りクレープ紙が全体で二枚又は三枚から
成る積層吸水紙及びこの積層吸水紙の中でクレープ紙を
特定したものをロール状に巻いたロール状ペーパータオ
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に紙は、素材として吸水性,柔らか
さ,加工し易さ等の優れた特性を持つことから様々な用
途に利用されている。その例として、パルプの吸水特性
を利用した紙製品にワイピング用ウエスやペーパータオ
ル等がある。しかしながら、紙製品は一般に強度、特に
湿潤強度が低いことから、その改善に湿潤紙力増強剤を
用いたり紙の表面にバインダーを塗工したりしている
が、得られる強度増加の割合はせいぜい20〜50%程
度である。また、湿潤紙力増強剤量や表面への塗工バイ
ンダー量を多くすると、吸水性が低下するばかりか、水
離解性も著しく低下して古紙処理が困難になる。
【0003】そこで紙の強度を更に高める方法として、
高強度の素材として例えばポリオレフィンやポリエステ
ル等の穴の開いたフィルムやネットを補強材として紙の
間に積層接着する方法が採用されている。この方法は吸
水性を維持し且つ高強度を有することから布代替のワイ
ピング用ウエスやウェットティシュ用基布等として利用
されている。しかしながらこのような非水溶解性の補強
材を積層接着した紙は古紙として回収しても従来設備で
は補強材部分の分離分解処理が難しく、現実にはリサイ
クルせず廃棄又は焼却処分されているのが現状である。
これは、離解時に補強材が離解用のパルパーのインペラ
ーやシャフトに巻き付いたり、紙を構成する植物繊維が
補強材を抱き込んでダンゴ状になって繊維の分離を妨げ
る等の現象が発生するために操業性及び植物繊維の回収
率が著しく低下するからである。
【0004】また、従来のタオルにリサイクル型の布製
ロールタオルがある。このリサイクル型の布製ロールタ
オルは使用時のウエブの繰り出し及び使用済みのウエブ
の巻取りを連続してキャビネット内で動作させるもの
で、使用済みの巻取りウエブは洗濯消毒して繰り返し利
用されるものであるので、洗濯及び消毒にかかわる薬品
の使用と手間とが不可欠であるばかりでなく、途中の一
部に破損部分等が生じると再使用不可能となるという欠
点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点を除去し、ワイピング用ウエスやペーパータ
オル等に使用するパルプの吸水特性を利用した積層吸水
紙における補強材の素材を工夫し、従来の古紙処理設備
で容易に離解処理できて且つ植物繊維を再生紙の原料と
して回収が容易なように構成することと、この積層吸水
紙の中で適切な特性を有するものをロール状に巻いてロ
ール状ペーパータオルとして構成することとを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、一枚の坪量が10〜70g
/m2の吸水性及び水離解性を有するクレープ紙間に接
着剤を介して、水に溶け始める温度が30〜100℃の
ポリビニルアルコール系樹脂から成る糸状物を縦及び横
方向に格子状に織るか又は重ね合わせて投影面積比率が
3〜50%の目荒なネットを貼り合わされて構成し、こ
こで前記クレープ紙は全体で二枚又は三枚から成り、前
記接着剤は非水溶解性のものである場合には前記ネット
の投影面積の30〜50%の範囲で、また水溶解性のも
のである場合には前記ネットの投影面積の30〜100
%の範囲で、ほぼ均等に塗工されている積層吸水紙がそ
の特性から好ましいものであり、この積層吸水紙を連続
的に使用するペーパータオルとして使用する場合には一
枚のクレープ紙の坪量が20〜70g/m2であって、
クレープ紙の枚数が二枚の積層吸水紙をロール状に巻い
たものが適していることを究明して本発明を完成したの
である。
【0007】以下、図面に基づいて本発明に係る積層吸
水紙及びロール状ペーパータオルについて詳細に説明す
る。図1は本発明に係る積層吸水紙の1実施例の構造を
説明する斜視図、図2は本発明に係る積層吸水紙の他の
実施例の構造を説明する斜視図、図3は本発明に係るロ
ール状ペーパータオルの1実施例の構造を説明する斜視
図である。図面中、1は一枚の坪量が10〜70g/m
2の吸水性及び水離解性を有するクレープ紙である。こ
のクレープ紙1とは、紙力増強剤等の薬品や填料等が必
要に応じて含まれていることはあるが繊維成分は植物繊
維(レーヨン等の再生繊維を含む場合もある)から成
り、クレープ率が10%以上(通常10〜50%の範
囲)となるようにクレープ(しわ付け)処理されていて
吸水性を有し且つ機械処理等で容易に水に離解できる特
性を有しているものである。
【0008】ここで「吸水性を有する」とは、JIS−
S3104「ティッシュペーパー」の規格の吸水度の試
験、即ち滴下する1滴が約0.1ミリリットルになるよ
うに調整されたピペットなどを使用し、中央部に直径4
0mm以上の穴のある支持台に試験片(二枚重ね一組)
を置き、約10mmの高さから温度20±1℃の蒸留水
1滴を滴下し、この水滴が試験片に接触したときから完
全に吸収されて反射光が消えるまでの時間を0.1秒単
位で測定する試験を5回行ってその平均値で示す試験方
法での値が8秒以下であるものを指すこととする。また
「水離解性を有する」とは、2cm四方に切った試験片
60gを2リットルの離解液中に浸漬した後にTAPP
I標準離解機にて20分間離解処理した後の離解状態を
手抄紙にして目視判定し、80%以上の繊維が分散した
離解度8以上であるものを指すこととする。この離解処
理で使用する離解液としては、クレープ紙1が湿潤紙力
増強剤を含まない場合は常温水を、湿潤紙力増強剤を含
む場合は高度晒粉を有効塩素換算対紙0.72%加えた
ものを使用することとする。
【0009】またクレープ率とは、乾燥ドライヤーから
紙匹をドクターブレードで剥しクレープ(しわ)を付け
ながら紙匹をリールに巻き取る工程におけるドライヤー
部とリール部のスピード差のドライヤー部スピードに対
する比率(%)であり、次式によって表される。
【0010】2は水に溶け始める温度が30〜100℃
のポリビニルアルコール系樹脂から成る糸状物を縦及び
横方向に格子状に織るか又は重ね合わせて形成されてい
る投影面積比率が3〜50%の目荒なネットであり、こ
のネット2を前記クレープ紙1間に後記する接着剤3に
より貼り合わされて補強材としての役目を為さしめる
と、本発明に係る積層吸水紙が構成される。このネット
2の強度は糸状物単独の強度と糸状物の密度(本数/c
m)との総和によって決定されるから、本発明に係る積
層吸水紙が使用される用途により適当な糸状物の強度,
糸状物の太さ及び糸状物の密度を選定しネットとすれば
よく、ここで言う糸状物とはフラットヤーンや紡績糸や
フィラメント糸を総称するものである。
【0011】このネット2は水に溶け始める温度が30
〜100℃のポリビニルアルコール系樹脂から成ってい
るので、この水に溶け始める温度(水溶解温度)以上の
水中で溶け始め、時間の経過及び温度の上昇と共に容易
に軟化溶解し、形状及び強度が全く失われていく。この
水溶解温度が30〜100℃でなければならないのは、
本発明に係る積層吸水紙が例えば水拭き用ウエスやペー
パータオル等のように常温で水に濡れることが多い用途
に使用される場合に常温で水に濡れると直ちに軟化溶解
したのではその使用用途が制限されてしまうので、水溶
解温度の下限を30℃とし、また古紙は古紙処理される
場合に大気中に開放されている釜内で加熱された水中で
水離解されるので、その最高温度である100℃を超え
る水溶解温度を有していたのでは通常の古紙処理設備で
は処理できなくなるからであるが、水溶解温度は50〜
70℃のものが、通常の使用時において弊害が無く且つ
古紙処理設備でもこの範囲の温水は得易いために好まし
い。
【0012】この水溶解温度は、原料であるポリビニル
アルコール系樹脂のケン化度又は共重合体化度,変性化
度等により、また糸状物の紡糸工程での熱処理によって
変わる。糸状物の強度は、紡糸原料の重合度や紡糸時の
延伸処理によって、また紡糸によって得た繊維を撚るこ
と等で自在に変えられる。例えば、重合度1700,ケ
ン化度98.0モル%のポリビニルアルコール系樹脂を
カルボン酸(アクリル酸やマレイン酸)変性し、カルボ
キシル基含量を3モル%にしたものを乾式紡糸し、12
0〜200℃の範囲で熱処理すると水溶解温度30〜3
5℃のポリビニルアルコール系樹脂フラットヤーン又は
繊維が得られる。ネット2の一例を示すと、前述の紡糸
フィラメントヤーン又は繊維を3〜6倍に延伸処理し、
繊維であれば50〜70番手のフィラメント糸又は紡績
糸にして、又フラットヤーンであれば30〜60μm厚
の1.5〜3mm幅の糸状にして糸状物密度0.5〜2
本/cmで格子状に平織したものが好ましく用いられ
る。
【0013】3はクレープ紙1間に目荒なネット2を貼
り合わす接着剤であり、この接着剤3としては非水溶解
性のものと水溶解性のものとのいずれでも使用可能であ
る。しかしながら、この接着剤3がネット2の融点(通
常約220〜240℃)より低い融点を持つ例えばエチ
レンビニルアセテートやポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹
脂から成る非水溶解性のものである場合には前記ネット
2の投影面積の30〜50%の範囲でほぼ均等に塗工さ
れていることが必要である。これはこのような非水溶解
性の接着剤3がネット2の投影面積の50%を超えてネ
ット2に塗工されていると、積層吸水紙を回収して古紙
処理設備の釜内で水離解しようとしてもこの接着剤3が
ネット2への水の接触を遮ってネット2の溶解能が低下
するからである。また非水溶解性の接着剤3がネット2
の投影面積の30%未満しかネット2に塗工されていな
いと、ネット2のクレープ紙1への接着力が不足してネ
ット2により補強された積層吸水紙とならないからであ
る。なお、この接着剤3が非水溶解性である場合には、
ポリビニルアルコール系樹脂から成っているネット2は
水溶解温度以上の水中で接着剤3が塗工されていない部
分から先に水に接触し膨潤溶解し形状及び強度を失って
いき、この接着剤3は固形物として残存するが、これは
積層吸水紙全体に比べて微量であるから古紙処理設備の
スクリーン等で簡単に除去できるのである。
【0014】また、この接着剤3が例えばでん粉系,カ
ルボキシメチルセルロース系,ポリビニルアルコール系
樹脂等の水溶解性のものである場合にはネット2の投影
面積の30〜100%の範囲でほぼ均等に塗工されてい
れば良い。これは接着剤3が水溶解性のものであれば、
積層吸水紙を古紙処理設備の釜内に投入すれば接着剤3
は容易に溶解してネット2が溶解する妨げにならないか
らネット2の投影面積全面に接着剤3が塗工されていて
も問題が無いからであるが、接着剤3がネット2の投影
面積の30%未満しかネット2に塗工されていないとネ
ット2のクレープ紙1への接着力が不足してネット2に
より補強された積層吸水紙とならないからである。
【0015】上述したようなクレープ紙1間に接着剤3
を介して目荒なネット2が貼り合わされて成る積層吸水
紙において、一枚のクレープ紙の坪量が20〜70g/
2でクレープ紙の枚数が二枚のものを例えば30〜1
00m長にロール状に巻いたものは、直ちにロール状ペ
ーパータオルとして使用可能である。
【0016】このロール状ペーパータオルとして積層吸
水紙を使用する場合において、ロール状ペーパータオル
はトイレや洗面所等の手洗い場に備えるリサイクル型布
タオルの代替品として使用されるものであるから、用途
が手や腕や顔等を洗った後の水分の拭き取りであるの
で、単位平方メートル当り200g以上の吸水量が望ま
れる。しかるに、吸水量は紙の原料である植物繊維の重
量に比例し、クレープ紙1の坪量はクレープ紙1が二枚
(クレープ紙1とクレープ紙1との間にネット2を挟
む)の場合は合計40g/m2以上あることが必要であ
るから、一枚のクレープ紙1の坪量が20〜70g/m
2でなければならないのである。しかしながら、紙の坪
量が高過ぎると紙が硬くなって拭き心地が悪くなるの
で、望ましくは一枚のクレープ紙1の坪量が30〜40
g/m2で、合計60〜80/m2であることが好まし
い。またロール状ペーパータオルとしての柔らかさを確
保するために、クレープ率は10〜50%にクレープ処
理したクレープ紙1が適当である。
【0017】
【作用】以上に説明したようなクレープ紙1間に接着剤
3を介してポリビニルアルコール系樹脂から成る目荒な
ネット2が貼り合わされて成る積層吸水紙は、クレープ
紙1が吸水性を有しているので、ワイピング用ウエスや
ペーパータオルの如き吸水性を必要とする用途に有効に
使用でき、且つこのクレープ紙1は一枚の坪量が10〜
70g/m2と比較的薄くしかも各クレープ紙1間には
接着剤3を介してポリビニルアルコール系樹脂から成る
目荒なネット2が補強材として貼り合わされているの
で、このような吸水性を必要とする用途に使用しても吸
水性を発揮するクレープ紙1がバラケたりチギレたりす
ることがないのである。そしてクレープ紙1の使用枚数
は全体で二枚乃至三枚であるから嵩張ることもないので
ある。
【0018】そして使用した後に回収し、古紙処理設備
に投入すれば、補強材としてのネット2が水に溶け始め
る温度が30〜100℃のポリビニルアルコール系樹脂
から成り且つこのネット2をクレープ紙1に貼り合わせ
ている接着剤3が非水溶解性のものである場合でもネッ
ト2の投影面積の30〜50%の範囲でしか塗工されて
いないので、ネット2は水溶解温度以上で軟化溶解し形
状及び強度を失って、従来の古紙処理設備で容易に難解
でき且つクレープ紙1の植物繊維が再生紙の原料として
回収できるのである。
【0019】この際、クレープ紙1と一緒に離解又は溶
解されたネット2は、水溶解性高分子としてパルプ懸濁
液の一部になり、パルパー白水又は植物繊維と一緒に回
収され、再生紙として使用する際には植物繊維に対して
紙力増強剤としての効力を有するので非常に有効に作用
する。
【0020】また、このロール状ペーパータオルは従来
のリサイクル型布製タオルの代替となるものであるか
ら、濡れた手で掴んで引張るのに耐える強度が必要であ
り、タテ及びヨコの湿潤引張強さはJIS−S3104
「ティッシュペーパー」の規格の引張強さの試験方法で
の値で少なくとも0.5kg/25mmは必要である
が、前記したクレープ紙1とネット2とを使用すればこ
れは満足できる。そしてこのタオルは、使用後はキャビ
ネットに連続して巻き取り回収されるので、古紙として
の回収効率が優れ、且つ古紙処理も容易であることから
古紙原料として各種の紙に再生(リサイクル)できるの
である。
【0021】
【実施例】
実施例1 針葉樹系繊維が50%と広葉樹系繊維が50%とより成
り湿潤紙力増強剤としてハーキュレス社製カイメン55
7Hを対パルプ0.2%含有させた一枚の坪量が20g
/m2のクレープ紙間に、水溶解温度が40℃で太さ6
0番手のポリビニルアルコール系合成繊維糸を縦横各1
本/cmの糸密度で格子状に織った投影面積比率が8.
0%の目荒なネットをこのネットの投影面積の50%の
割合でほぼ均等に塗工したエチレンビニルアセテートか
ら成る接着剤で加熱接着して積層吸水紙を製造した。
【0022】実施例2 実施例1とはクレープ紙の坪量が35g/m2である点
と、ネットとして水溶解温度が60℃のクラボウ社製を
使用したこと以外は全く同一条件の積層吸水紙を製造し
た。
【0023】比較例1 実施例1に使用したクレープ紙と同じクレープ紙を二枚
重ね合せただけの、言わば従来から使用されているティ
ッシュペーパーと同様のものを準備した。
【0024】比較例2 実施例1に使用したクレープ紙と同じクレープ紙間に、
Bay Mills社製KPM#4220/F12(坪
量:15g/m2)の予めエチレンビニルアセテートか
ら成る接着剤が塗工されているポリエステルネットを加
熱接着して積層吸水紙を製造した。
【0025】強度及び離解度実験結果 前記実施例及び比較例の各製品をそれぞれ2cm×2c
mに切り、TAPPI標準離解機に水2リットルに対し
シートサンプル60g相当(3%濃度)をそれぞれ25
℃,45℃,65℃の温度で離解テストを行い、離解後
のパルプスラリーから約20g/m2の手抄紙を作り外
観から離解状態を次の0〜10の判定基準で判定した。 0‥‥完全に原形残存 5‥‥全体の50%が原形を残さず離解又は溶解 10‥‥完全に離解又は溶解 その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】 *エチレンビニルアセテートから成る接着剤が残存し、
この接着剤に付着した繊維も極く僅かながら残存した
が、この部分の評価は離解後の評価から除いた。
【0027】
【発明の効果】以上に詳述した如く本発明に係る積層吸
水紙は、従来は布又は不織布製のワイピング用ウエスや
タオル等が使用されていた吸水性を要求される部門の製
品に使用でき、使用後は回収して従来から存在する古紙
処理設備により古紙処理を施して再生紙の原料として有
効に活用でき、この際補強材としてクレープ紙間に貼り
合せていたネットは溶解して植物繊維に対して紙力増強
剤としての効力を有するので非常に有効に作用するので
ある。また、この積層吸水紙の中でクレープ紙の坪量を
更に制限し且つクレープ紙の使用枚数を二枚に制限して
ロール状に巻いた本発明に係るロール状ペーパータオル
は、従来の使い捨て型のペーパータオルと同様に使用時
に必要な分だけ繰り出し使用後はそれを巻き取って回収
するリサイクル型布製ロールタオルの代替となり、専用
キャビネットを用いることにより使用後は効率良く回収
し古紙として確実に活用できるのである。このように発
明に係る積層吸水紙及びロール状ペーパータオルは、単
に使用後の古紙処理の容易化及び回収率向上による経済
的貢献のみならず、廃棄又は焼却処理が回避されること
で環境保全にも大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層吸水紙の1実施例の構造を説
明する斜視図である。
【図2】本発明に係る積層吸水紙の他の実施例の構造を
説明する斜視図である。
【図3】本発明に係るロール状ペーパータオルの1実施
例の構造を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 クレープ紙 2 目荒なネット 3 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−50005(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A47K 10/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一枚の坪量が10〜70g/m2の吸水
    性及び水離解性を有するクレープ紙(1)間に接着剤(3)
    を介して水に溶け始める温度が30〜100℃のポリビ
    ニルアルコール系樹脂から成り投影面積比率が3〜50
    %の目荒なネット(2)が貼り合わされて成り、クレープ
    紙(1)が全体で二枚又は三枚から成る積層吸水紙であっ
    て、接着剤(3)が非水溶解性のものである場合には前記
    ネット(2)の投影面積の30〜50%の範囲で、また接
    着剤(3)が水溶解性のものである場合には前記ネット
    (2)の投影面積の30〜100%の範囲で、ほぼ均等に
    塗工されていることを特徴とする積層吸水紙。
  2. 【請求項2】 クレープ紙(1)が、10〜50%のクレ
    ープ率のクレープ紙である請求項1に記載の積層吸水
    紙。
  3. 【請求項3】 一枚のクレープ紙(1)の坪量が20〜7
    0g/m2であって、クレープ紙(1)の枚数が二枚の請
    求項1に記載の積層吸水紙がロール状に巻かれているこ
    とを特徴とするロール状ペーパータオル。
  4. 【請求項4】 クレープ紙(1)が、10〜50%のクレ
    ープ率のクレープ紙である請求項3に記載のロール状ペ
    ーパータオル。
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