JP3278927B2 - ヘリウム冷凍機 - Google Patents

ヘリウム冷凍機

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジュールトムソン回路
とこの回路に流す流体を予冷する予冷回路とを備え、絶
対温度4Kレベルの極低温を得て、ヘリウムの液化や超
電導マグネットの冷却等に用いるようにしたヘリウム冷
凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種冷凍機は、特開平3−23
3263号公報に開示され、且つ、図11に示すよう
に、前段圧縮機A、後段圧縮機B、油分離器O、アドソ
ーバN、バッファタンクT等を備える圧縮機ユニットX
並びに真空デュワーZ内に配設する3個のジュールトム
ソン熱交換器H,M,L及びジュールトムソン弁Vをも
つジュールトムソン回路Jと、単段圧縮機C、油分離器
Q、アドソーバW、サージボトルG等を備える圧縮機ユ
ニットY並びに気体膨張式の予冷機Eをもち、ジュール
トムソン回路Jに流す流体を予冷機Eのヒートステージ
F,Sを介して予冷する予冷回路Pとを備え、ジュール
トムソン弁Vの出口側の最終ヒートステージUに絶対温
度4Kレベルの極低温を得て、ヘリウムの液化等を行う
ようにしている。
【0003】この場合、予冷回路Pの低圧ラインaに対
する高圧ラインbの運転圧力比は、2.5〜3程度で、
ジュールトムソン回路Jの低圧ラインcに対する高圧ラ
インdの運転圧力比は、20前後であり、圧縮機固有の
設定容積比をもち、その設定容積比が2.5〜2.7程
度に定められている一般のスクロール圧縮機を前記各圧
縮機A,B,Cに用いたのでは、予冷回路側の圧縮機C
では過圧縮損失が大きく、ジュールトムソン回路側の圧
縮機では1台のみでは圧縮不足損失が大きくなり、それ
ぞれ大幅に効率が低下してしまうことから、圧縮機固有
の設定容積比がないロータリー圧縮機を用いて各圧縮機
A,B,Cを構成し、しかも、予冷回路P側に対し遥か
に高い運転圧力比がつくジュールトムソン回路J側の圧
縮機を、以上のように2段の圧縮機A,Bで構成するの
が専らであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のように
ロータリー圧縮機を用いて各圧縮機A,B,Cを構成し
ていたのでは、効率を向上させるにも限界があるし、騒
音及び振動が大きい問題がある。特に、予冷回路P側の
圧縮機Cは、気体膨張式の予冷機Eにヘリウムガスを給
排するものであるから、循環量が大きく、ジュールトム
ソン弁Vで循環量が絞られるジュールトムソン回路J側
の圧縮機A,Bに対し、約10倍程度の入力(消費電
力)が必要であり、このため、予冷回路P側の圧縮機C
でこの問題が顕著に現れる。
【0005】更に、ジュールトムソン回路J側の圧縮機
A,Bに、ロータリー圧縮機を2台も用いていたのでは
不経済である問題もある。
【0006】尚、特開平3−236546号公報等で、
4Kレベルの極低温を得るヘリウム冷凍機の圧縮機とし
てスクロール圧縮機を用いる旨が提案されているが、こ
のものは、一対のスクロールの設定容積比を3.4〜
4.5に定めて、一台の圧縮機で運転を行うようにした
特殊方式のものであり、回路方式も異なり、このような
設定容積比をもつスクロール圧縮機を、図11に示した
予冷回路P側の圧縮機Cに用いても一層過圧縮損失が増
大するし、ジュールトムソン回路J側の圧縮機に単独使
用しても圧縮不足損失を十分に低減することはできない
問題がある。
【0007】本発明の目的は、第一に、入力の大きい予
冷側圧縮機に着目し、この圧縮機に改良したスクロール
圧縮機を用いることにより、騒音及び振動の低減化並び
に効率の改善が図れるヘリウム冷凍機を提供する点にあ
り、第二に、加えてジュールトムソン側圧縮機にも別の
改良を行ったスクロール圧縮機を用いることにより、こ
のジュールトムソン側圧縮機を単段構成にできながらそ
の騒音及び振動の低減化並びに効率の改善が図れ、全体
としても一層の低騒音及び低振動化並びに高効率化が図
れるヘリウム冷凍機を提供する点にあり、更に、第三
に、各圧縮機の接続にも工夫を加えることにより、ジュ
ールトムソン側圧縮機の分担圧力比を軽減し、このジュ
ールトムソン側圧縮機での圧縮不足損失を減らして効率
を高め、その分全体としても更に高効率化が図れるヘリ
ウム冷凍機を提供するなどの点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、第一に、上記第
一の目的を達成するため、図1に示すように、ジュール
トムソン熱交換器130並びにその後段に接続するジュ
ールトムソン弁150及び吸入側を前記ジュールトムソ
ン熱交換器130の低圧出口部に接続するジュールトム
ソン側圧縮機110をもったジュールトムソン回路10
0と、気体膨張式の予冷機240及び該予冷機240の
高圧導入口に吐出側を接続する予冷側圧縮機210をも
ち、前記ジュールトムソン回路100に流す流体を予冷
する予冷回路200とを備えたヘリウム冷凍機におい
て、前記予冷側圧縮機210に、図2及び図3に明示す
るように、設定容積比を1.8〜2.2の範囲に定めた
一対のスクロール1,2と、図4及び図5に明示するよ
うに、圧縮途中の作動流体を冷却する冷却機構3とを備
えたスクロール圧縮機を用いた。
【0009】第二に、上記第二の目的を達成するため、
前記第一の構成に加えて、ジュールトムソン側圧縮機1
10に、図8に明示するように、吐出部に吐出弁300
をもったスクロール圧縮機を用いた。
【0010】第三に、上記第三の目的を達成するため、
前記第一又は第二の手段に加えて、図1に示したよう
に、ジュールトムソン側圧縮機110の吐出側に予冷側
圧縮機210の吸入側を接続し、これら圧縮機110,
210の接続部間と前記予冷側圧縮機210の吐出側と
の間に、予冷機240を接続すると共に、前記予冷側圧
縮機210の吐出側と前記ジュールトムソン側圧縮機1
10の吸入側との間に、ジュールトムソン熱交換器13
0及びジュールトムソン弁150を接続した。
【0011】尚、前記第一又は第二の各手段を、前記第
三の手段のような回路構成のものに適用する他、ジュー
ルトムソン側圧縮機110の吐出側にジュールトムソン
熱交換器130の高圧入口部を接続すると共に、予冷側
圧縮機210の吸入側に予冷機240の低圧排出口を接
続し、ジュールトムソン回路100と予冷回路200と
のヘリウム循環経路を独立させている図11に示した従
来既存の回路構成のものに適用してもよい。
【0012】
【作用】上記第一の手段で、予冷側圧縮機210に、設
定容積比を1.8〜2.2の範囲に定めた一対のスクロ
ール1,2と、圧縮途中の作動流体を冷却する冷却機構
3を備えたスクロール圧縮機を用いたことにより、図7
に示すように、冷却機構3による冷却を加味してヘリウ
ムの比熱比Kを1.4(通常1.66)、吸込圧力PL
時の吸込容積を1.0として描いたPV線図で明らかに
した通り、設定容積比Vrが上記範囲よりも大きい例え
ば2.7の場合のような高圧圧力PHを超過する過圧縮
損失(実線斜線)を低減でき、動力ロスを低減できる
し、設定容積比Vrが上記範囲よりも小さい例えば1.
4の場合のような高圧圧力PHに達しない圧縮不足損失
(点線斜線)を低減でき、逆流ロスも低減できる。この
ため、図6に示すように、予冷側圧縮機210として要
求される運転圧力比が2.5〜3.0の条件下で、高い
効率を発揮することができるのである。又、このように
予冷側圧縮機210にスクロール圧縮機を用いたことに
より、スクロール圧縮機固有の利点として低騒音及び低
振動の効果が得られる。こうして、入力の大半を占める
予冷側圧縮機210で、騒音及び振動を低減できると共
に効率を高めることができるため、冷凍機全体として
も、低騒音及び低振動化が図れると共に運転効率を改善
することができる。
【0013】上記第二の手段で、更にジュールトムソン
側圧縮機110に、吐出部に吐出弁300をもったスク
ロール圧縮機を用いたことにより、スクロール間に画成
される圧縮室のうち、最内周側に位置する吐出直前の圧
縮室の圧力が吐出弁300以降の高圧ラインの圧力より
も高まったときに、初めて該吐出弁300が開いて吐出
が行われ、吐出直前の圧縮室の圧力が吐出弁300以降
の高圧ラインの圧力よりも低いときには、該吐出弁30
0が閉じられて高圧ラインから圧縮室側への逆流を阻止
できることになる。このため、このジュールトムソン側
圧縮機110を単段構成にすると共にこれに備える一対
のスクロールの設定容積比Vrを2.6や4.0等の従
来既存のものと同じに定めても、吐出弁300を有する
ため、該吐出弁300が無い場合に従来生じていた圧縮
不足損失(図10参照)を低減でき、図9に示すよう
に、ジュールトムソン側圧縮機110として要求される
高い運転圧力比において高効率を発揮できるのである。
こうして、ジュールトムソン側圧縮機110を単段構成
にすることができて、それだけ経済化が図れながら、該
ジュールトムソン側圧縮機110での騒音及び振動の低
減化並びに効率の改善が図れ、冷凍機全体としても一層
の低騒音及び低振動化が図れると共に運転効率を一層改
善できるのである。
【0014】上記第三の手段により、ジュールトムソン
側圧縮機110の後段に予冷側圧縮機210が直列に接
続され、ジュールトムソン熱交換器130の高圧入口部
は後段側の予冷側圧縮機210の吐出側に、ジュールト
ムソン熱交換器130の低圧出口部は前段側のジュール
トムソン側圧縮機110の吸入側にそれぞれ接続され
て、ジュールトムソン回路100の高低差圧は2段の圧
縮機110,210で確保できることになる。このた
め、ジュールトムソン側圧縮機110一台で受け持つ分
担圧力比を軽減でき、このジュールトムソン側圧縮機1
10での圧縮不足損失を減らすことができ、該ジュール
トムソン側圧縮機110での効率を高めることができ
る。こうして、ジュールトムソン側圧縮機110での効
率を高めることができる分、全体としても更に運転効率
を高めることができるのである。又、このとき、予冷機
240の高圧導入口は後段側の予冷側圧縮機210の吐
出側に、予冷機240の低圧排出口は各圧縮機110,
210の接続部間つまり前段側のジュールトムソン側圧
縮機110の吐出側にそれぞれ接続され、予冷機240
に給排する作動流体の圧力が相対的に引き上げられるこ
とになるが、運転圧力比自体はあまり大きくは変わらな
いし、この圧力比を予冷側圧縮機210の吸入側と吐出
側との間で確保するのであるから、予冷回路200側の
運転に悪影響が及ぶことがなく、むしろ、予冷回路20
0の低圧側の圧力が高まり、予冷側圧縮機210の吸込
圧力が高められることにより、この予冷側圧縮機210
に吸い込むヘリウムガス密度を大きくすることができ、
該予冷側圧縮機210に画成する圧縮室の容積、すなわ
ち各スクロール1,2の大きさを小形化することがで
き、該予冷側圧縮機210の全体をコンパクト化するこ
とができる利点も得られるのである。
【0015】又、前記第一又は第二の各手段を、ジュー
ルトムソン側圧縮機110の吐出側にジュールトムソン
熱交換器130の高圧入口部を接続すると共に、予冷側
圧縮機210の吸入側に予冷機240の低圧排出口を接
続し、ジュールトムソン回路100と予冷回路200と
のヘリウム循環経路を独立させている回路構成のものに
適用した場合にも、前記第一の手段又は第二の手段によ
る同一の作用効果が得られ、低騒音及び低振動化並びに
高効率化が図れる。
【0016】
【実施例】図1に示すヘリウム冷凍機は、圧縮機ユニッ
ト700と、真空デュワー801及びヘリウムデュワー
802をもつ冷凍機ユニット800から成り、第一・第
二・第三熱交換器130a,130b,130cを用い
たジュールトムソン熱交換器130並びに終段の第三熱
交換器130cの後段に接続するジュールトムソン弁1
50及び吸入側を初段の第一熱交換器130aの低圧出
口部に接続するジュールトムソン側圧縮機110をもっ
たジュールトムソン回路100と、ファーストヒートス
テージ241に70Kレベルの極低温を、セカンドヒー
トステージ242に20Kレベルの極低温を各々得る気
体膨張式の予冷機240及び該予冷機240の高圧導入
口に吐出側を接続する予冷側圧縮機210をもち、ジュ
ールトムソン回路100に流す流体を各ヒートステージ
に付設する予冷コイル141,142を介して予冷する
予冷回路200とを備え、ヘリウムデュワー802内で
ヘリウムの液化を行うようにしたものである。図中、符
号120、220は空冷等によるガス冷却器、230は
油分離器である。
【0017】上記構成で、ジュールトムソン側圧縮機1
10の吐出側に予冷側圧縮機210の吸入側を接続して
おり、これら圧縮機110,210の接続部間と予冷側
圧縮機210の吐出側との間に、低圧配管201及び高
圧配管202を介して予冷機240を、又、予冷側圧縮
機210の吐出側とジュールトムソン側圧縮機110の
吸入側との間に、低圧配管101及び高圧配管102を
介してジュールトムソン熱交換器130及びジュールト
ムソン弁150をそれぞれ接続している。
【0018】そして、予冷側圧縮機210に、図2に明
示するように固定基板11に突設するインボリュート形
状の渦巻体12の巻数を2巻前後に、同様に図3に明示
するように可動基板21に突設するインボリュート形状
の渦巻体22の巻数を2巻前後にそれぞれ設定し、これ
らを噛み合わせて画成する圧縮室4(図4参照)の設定
容積比を1.8〜2.2の範囲に定めた固定側の第一ス
クロール1及び可動側の第二スクロール2を備え、且
つ、図4及び図5に示すように、駆動軸5の下端に設け
る二連式給油ポンプ6の一のポンプ室から汲み上げる油
を圧縮室4内に供給することにより圧縮途中の作動流体
を冷却する油インジェクション装置による冷却機構3を
備えたスクロール圧縮機を用いる。尚、設定容積比を上
記のように1.8〜2.2の範囲に定めるには、当初か
ら設定容積比をこの範囲に定めた専用のスクロールを設
計する他、設定容積比が2.7程度の空調用スクロール
の渦巻体の外周側壁部又は中心側壁部を削除することと
してもよく、このようにした場合には、生産面でコスト
ダウンが図れるメリットも得られる。又、冷却機構3は
油インジェクション装置で構成する他、各スクロール
1,2の周りを水ジャットで覆い、水冷により冷却を行
うようにしてもよい。
【0019】前記予冷側圧縮機210は、図4に示すよ
うに、密閉ケーシング9の内部上方に、上部ハウジング
91を配設し、このハウジング91に、前記第一スクロ
ール1の外周部支持壁13を固定すると共に、前記第二
スクロール2を回動自由に支持しており、下方に、クラ
ンクピン部51を介して第二スクロール2に連動する前
記駆動軸5を直結したモータ50を配設している。駆動
軸5の下端に設ける前記給油ポンプ6は、図5に示すよ
うに、二連式のポンプロータ60と、これに嵌合して小
容量の第一ポンプ室61aと大容量の第二ポンプ室62
aを画成する一対のポンプヨーク61,62と、各ポン
プ室61a,62aに接続する一本の油吸入穴63と、
各ポンプ室61a,62aから延びる一対の油吐出穴6
4,65とを備えている。
【0020】そして、駆動軸5の回転により、第二スク
ロール2を図示しないオルダムリングで自転を阻止した
状態で第一スクロール1に対して公転させ、予冷機24
0から排出し、低圧配管201及びこれに連通する吸入
管7を介して密閉ケーシング9内に取り込む低圧ガス
を、各スクロール1,2の外周領域から圧縮室4内に吸
入して圧縮し、圧縮後の高圧ガスを、第一スクロール1
の中心部に開口する吐出口14から隔壁15で区画する
高圧チャンバー16を経て吐出管8及び高圧配管202
に取り出し、再び予冷機240に供給するようにしてい
る。又、この運転に伴い、第一ポンプ室61a側の油吐
出穴64を介して底部油溜90から駆動軸5内に設ける
給油穴52に油を汲み上げ、上下のハウジング91,9
2に設ける主軸受53,54及びピン部軸受55等に給
油を行うようにしていると共に、第二ポンプ室62a側
の油吐出穴65、並びにポンプロータ60の頂部段部と
上部の間座66との間に画成する環状油室67、駆動軸
5に設ける横穴68、下部主軸受54に設ける環状連通
路69、内部取出管31、送油管32、空冷等による油
冷却器33、第一開閉弁34、内部連絡管35、固定ス
クロール1に設ける油注入穴36、一対の出口穴37,
38を介して、圧縮室4内に油を注入するようにしてい
る。尚、送油管32の出口側は、第二開閉弁39をもつ
分岐管32bを介してモータ50の上部にも開放してお
り、モータ50を冷却してその発熱による吸入ガスの加
熱を抑制し、容積効率を改善できるようにもしている。
【0021】こうして、予冷側圧縮機210に、設定容
積比を1.8〜2.2の範囲に定めた第一及び第二スク
ロール1,2と、圧縮途中の作動流体を冷却する油イン
ジェクションによる冷却機構3とを備えたスクロール圧
縮機を用いたことにより、図6に示すように、ヘリウム
膨張機の運転範囲である圧力比が2.5〜3.0の条件
下で高い効率を発揮し得るのである。
【0022】次に、ジュールトムソン側圧縮機110の
構成について説明する。このジュールトムソン側圧縮機
110には、図8に示すように、固定鏡板10aに既存
のものと同様その巻数を2.5巻以上とした渦巻体10
bを突設すると共に、可動鏡板20aにその巻数を2.
5巻以上とした渦巻体20bを突設し、設定容積比を
2.5以上に定めた第一スクロール10と第二スクロー
ル20を備えると共に、最内周側圧縮室4aに開口する
吐出口14に連続する弁穴14aに、吐出口14を覆う
円板状の吐出弁300及びこれを着座側に付勢する板バ
ネ301を、弁ホルダー302及びC字形の止め輪30
3と共に介装したスクロール圧縮機を用いている。他の
構成は、図4に示した予冷側圧縮機210と同様であ
る。
【0023】こうして、ジュールトムソン側圧縮機11
0に、吐出部に吐出弁300をもったスクロール圧縮機
を用いたことにより、図9に示すように、ジュールトム
ソン側圧縮機110として要求される高い運転圧力比に
おいて高効率を発揮し得るのであるし、又、このジュー
ルトムソン側圧縮機110を単段構成にすることができ
て、それだけ経済化も図れるのである。
【0024】ところで、以上のものでは、ジュールトム
ソン側圧縮機110の後段に予冷側圧縮機210を直列
に接続して、ジュールトムソン回路100の高低差圧を
2段の圧縮機110,210で確保するようにし、ジュ
ールトムソン側圧縮機110一台で受け持つ分担圧力比
を軽減できるようにしたが(約7〜10程度に軽減)、
このようにしてジュールトムソン回路100と予冷回路
200とに一元的にヘリウムを循環させる構成とする
他、図11に示したもののように、ジュールトムソン回
路と予冷回路とが独立しており、図11における2台の
ジュールトムソン側圧縮機A,Bに替えて、上記構造と
したスクロール圧縮機から成るジュールトムソン側圧縮
機110を1台用いると共に、図11における予冷側圧
縮機Cに替えて、上記構造としたスクロール圧縮機から
成る予冷側圧縮機210を用いてもよい。
【0025】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、予冷側圧
縮機210に、設定容積比を1.8〜2.2の範囲に定
めた一対のスクロール1,2と、圧縮途中の作動流体を
冷却する冷却機構3とを備えたスクロール圧縮機を用い
たから、入力(消費電力)の大半を占める予冷側圧縮機
210で、騒音及び振動を低減できると共に、予冷側圧
縮機210として要求される2.5〜3.0の運転圧力
比において高い効率を発揮でき、冷凍機全体としても、
低騒音及び低振動化が図れると共に運転効率を改善する
ことができるのである。
【0026】請求項2記載の発明によれば、更にジュー
ルトムソン側圧縮機110に、吐出部に吐出弁300を
もったスクロール圧縮機を用いたから、ジュールトムソ
ン側圧縮機110を単段構成にすることができて、それ
だけ経済化が図れながら、ジュールトムソン側圧縮機1
10として要求される高い運転圧力比において高効率を
発揮でき、冷凍機全体としても一層の低騒音及び低振動
化が図れると共に運転効率を一層改善できるのである。
【0027】請求項3記載の発明によれば、ジュールト
ムソン側圧縮機110の吐出側に予冷側圧縮機210の
吸入側を接続し、これら圧縮機110,210の接続部
間と予冷側圧縮機210の吐出側との間に予冷機240
を接続し、且つ予冷側圧縮機210の吐出側とジュール
トムソン側圧縮機110の吸入側との間にジュールトム
ソン熱交換器130及びジュールトムソン弁150を接
続したから、ジュールトムソン側圧縮機110一台で受
け持つ分担圧力比を軽減でき、全体として、更に運転効
率を高めることができると共に、予冷側圧縮機210に
吸い込むヘリウムガス密度を大きくすることができ、予
冷側圧縮機210の全体をコンパクト化することができ
る利点も得られるのである。
【0028】請求項4記載の発明によっても、請求項1
又は請求項2記載のものと同様の効果が得られるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘリウム冷凍機の回路図。
【図2】同予冷側圧縮機に備える第一スクロールの下面
図。
【図3】同予冷側圧縮機に備える第二スクロールの上面
図。
【図4】同予冷側圧縮機の上部断面図。
【図5】同予冷側圧縮機の下部断面図。
【図6】同予冷側圧縮機の効率を示す図。
【図7】同予冷側圧縮機の作用を説明するためのPV線
図。
【図8】同ジュールトムソン側圧縮機の上部断面図。
【図9】同ジュールトムソン側圧縮機の効率を示す図。
【図10】同ジュールトムソン側圧縮機の作用を説明す
るためのPV線図。
【図11】従来のヘリウム冷凍機の回路図。
【符号の説明】
1;第一スクロール、2;第二スクロール、3;冷却機
構、100;ジュールトムソン回路、110;ジュール
トムソン側圧縮機、130;ジュールトムソン熱交換
器、150;ジュールトムソン弁、200;予冷回路、
210;予冷側圧縮機、240;予冷機、300;吐出
弁、
フロントページの続き (72)発明者 中川 義明 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキ ン工業株式会社堺製作所臨海工場内 (56)参考文献 特開 平4−278146(JP,A) 実開 平1−125971(JP,U) 実開 昭59−115267(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 9/00 395

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジュールトムソン熱交換器130並びにそ
    の後段に接続するジュールトムソン弁150及び吸入側
    を前記ジュールトムソン熱交換器130の低圧出口部に
    接続するジュールトムソン側圧縮機110をもったジュ
    ールトムソン回路100と、気体膨張式の予冷機240
    及び該予冷機240の高圧導入口に吐出側を接続する予
    冷側圧縮機210をもち、前記ジュールトムソン回路1
    00に流す流体を予冷する予冷回路200とを備えたヘ
    リウム冷凍機において、前記予冷側圧縮機210に、設
    定容積比を1.8〜2.2の範囲に定めた一対のスクロ
    ール1,2と、圧縮途中の作動流体を冷却する冷却機構
    3とを備えたスクロール圧縮機を用いていることを特徴
    とするヘリウム冷凍機。
  2. 【請求項2】ジュールトムソン側圧縮機110に、吐出
    部に吐出弁300をもったスクロール圧縮機を用いてい
    る請求項1記載のヘリウム冷凍機。
  3. 【請求項3】ジュールトムソン側圧縮機110の吐出側
    に予冷側圧縮機210の吸入側を接続し、これら圧縮機
    110,210の接続部間と前記予冷側圧縮機210の
    吐出側との間に、予冷機240を接続していると共に、
    前記予冷側圧縮機210の吐出側と前記ジュールトムソ
    ン側圧縮機110の吸入側との間に、ジュールトムソン
    熱交換器130及びジュールトムソン弁150を接続し
    ている請求項1又は請求項2記載のヘリウム冷凍機。
  4. 【請求項4】ジュールトムソン側圧縮機110の吐出側
    にジュールトムソン熱交換器130の高圧入口部を接続
    すると共に、予冷側圧縮機210の吸入側に予冷機24
    0の低圧排出口を接続し、ジュールトムソン回路100
    と予冷回路200とのヘリウム循環経路を独立させてい
    る請求項1又は請求項2記載のヘリウム冷凍機。
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