JP3278332B2 - 便座の昇降傾動装置 - Google Patents

便座の昇降傾動装置

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JP3278332B2
JP3278332B2 JP27691295A JP27691295A JP3278332B2 JP 3278332 B2 JP3278332 B2 JP 3278332B2 JP 27691295 A JP27691295 A JP 27691295A JP 27691295 A JP27691295 A JP 27691295A JP 3278332 B2 JP3278332 B2 JP 3278332B2
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は便座の昇降傾動装置
に関する。さらに詳しくは、身体障害者や高齢者が便器
に腰を下ろしたり、そこから立ち上がったりするとき
に、それらの動きを補助ないし介助するために便座を動
力で昇降し、かつ上下動に応じて便座を水平状態と前傾
状態との間で傾動させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特公平3−24213号公報(従来例
1)には、洋式便器の後端に左右一対のガイドレール部
材を立設し、それらの間に移動プレートを昇降自在に設
け、ガイドレール部材の上端に回転自在に設けたスプロ
ケットおよびそれに巻き掛けたチェーンにより、その移
動プレートを上下駆動させる便座の昇降装置が記載され
ている。このものはさらに使用者の着座および離座が容
易になるように、ガイドレール部材の上部のガイド面を
前側に傾けて、便座が上昇端に近づくときに便座が前側
に傾くようにしている。
【0003】また特開平5−305038号公報(従来
例2)には左右一対のパイプ状のポストと、そのポスト
により昇降自在に支持されるフレームと、ポスト内に設
けたラックおよびフレームに回転自在に設けたピニオン
とを噛み合わせたラック−ピニオン機構と、フレームに
取り付けた、ピニオンを回転させるモータとを備えた昇
降式の便座が記載されている。さらにこのものは便座の
後端部をフレームに対して水平状態と前傾状態との間で
回動するように取り付けると共に、便座が下端から離れ
たときは前傾状態を維持し、便器の上に着いたときに水
平になるようにストロークの下端でフレームを支持する
ストッパを有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来例1の便座昇降装
置は、上昇端近辺で上下動に伴ってゆっくりと前傾させ
たり、水平に戻したりすることができる利点がある。し
かしガイドレール部材のガイド面自体が湾曲しているの
で、上下のガイド作用が不安定になる。さらに上下動さ
せる移動プレート自体を傾動させるので、たとえばチェ
ーンなどの柔軟な伝動要素を採用する必要がある。その
ためガイド部の構成が複雑かつ大がかりになると共に、
ラック−ピニオンや流体圧シリンダなどの他の往復駆動
手段を採用することができない。またガイドレールの形
状に基づいて傾動動作の角度や傾動を始める位置が一意
的に定まるので、傾動動作の調節機構を設けることが困
難である。
【0005】他方、従来例2の装置は、機構が簡単であ
るという利点を有する反面、上昇および下降の動作中は
便座が前傾しており、下端の直前で急激に水平状態に移
行し、また上昇の開始時にも急激に前傾する。そのため
使用者がバランスを崩し易く、不快感を覚える。またい
ずれの従来例の装置も駆動機構が比較的大がかりで、家
庭用のトイレに設置するには好ましくない。
【0006】本発明は、便座をその上下動に伴ってゆっ
くりと前傾させたり、水平に戻したりすることができ、
しかも各種の駆動機構で駆動することができる便座の昇
降傾動装置を提供することを技術課題としている。さら
に本発明は、前傾角度や傾動が始まる位置を変更しやす
く、コンパクトで場所をとらず、家庭用に簡易に設置で
きる便座の昇降傾動装置を提供することを技術課題とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の便座の昇降傾動
装置は、固定ガイドと、その固定ガイドに沿って昇降自
在に設けられるスライド部材と、上端に便座取付部を有
し、スライド部材の上端近辺に前傾状態と水平状態との
間で回動自在に取り付けられる傾動部材と、その傾動部
材を常時前傾する方向に付勢する付勢手段と、前記スラ
イド部材を昇降駆動する駆動機構と、スライド部材が上
昇または下降するのに応じて傾動部材を前傾方向または
水平方向に回動させるカム機構とからなり、そのカム機
構が傾動部材または固定ガイドのうちの一方に設けた、
上下方向に延びるカム面を有するカム部材と、他方に回
転自在に設けた、前記カム面と当接して傾動部材の前傾
を支えるカムローラとを備えていることを特徴としてい
る。
【0008】すなわち前記カム部材を傾動部材に設ける
場合は、カムローラを固定ガイドに設け、カム部材を固
定ガイドに設ける場合はカムローラを傾動部材に回転自
在に設ける。そのばあい前記カム面またはカムローラの
うち少なくとも一方を、前後方向に位置調節自在に設け
るのが好ましい。なおここで「固定ガイドに設ける」と
いうのは、固定ガイドそのものに形成する場合、固定ガ
イドに別個に取りつける場合、あるいは固定ガイドを保
持するベースなどに設ける場合を含む。
【0009】前記付勢手段は、傾動部材の回動中心より
後部側を上方に付勢するスプリング、たとえば傾動部材
と固定ガイドに両端を支持させたガススプリングなどに
よって構成するのが好ましい。
【0010】
【作用】本発明の装置では、スライド部材が上昇端にあ
るときは付勢手段の付勢力により、傾動部材が前傾して
いる。そして駆動装置が作動してスライド部材を下降さ
せるとき、カムローラがカム面に当接すると共に、カム
作用により、下降に伴ってゆっくりと水平に戻り、下降
端に達する。スライド部材が上昇するときは、上昇直後
からカム機構が働くので、前端側もほぼ一緒に上昇を開
始し、スライド部材の上昇に伴って傾動部材がゆっくり
と前傾していく。そのため急激な角度変動を避けること
ができる。
【0011】また上下方向に延びるカム面とカムローラ
とは、傾動部材の前方への付勢力に抗するように当接す
るので、傾動部材の角度の変動がスムーズである。しか
も上昇端では両者を離しておき、下降動作の途中から両
者を当接させることもできる。その場合は上昇動作の途
中で両者が離れるので、上下ストロークの上部側では常
時同じ前傾角度を保持している。
【0012】またこのように付勢手段の付勢力でカムロ
ーラがカム面に当接するようにしているので、その構造
に基づき、カム部材やカムローラの当接する位置を調節
可能にすることが容易である。そしてカム面またはカム
ローラの前後方向の位置を調節自在にするときは、傾動
の開始時を自由に調節することができる。またカム部材
を交換すれば、上下動に対する傾動動作の軌跡を変更す
ることも容易である。付勢手段として傾動部材の後部側
を上方に付勢するスプリングを採用する場合は、そのス
プリングで使用者の体重をバランスさせることができ、
駆動部の負荷の変動を少なくすることができ、また安全
性を高めることができる。
【0013】さらに本発明の装置では、スライド部材は
固定部材に案内されて上下運動を行ない、そのスライド
部材に回動自在に取り付けた傾動部材のみがカム機構に
より傾動する。そのためスライド部材は途中で進行方向
を大きく変化させる必要がなく、したがってチェーンや
ケーブルなどの巻き掛け伝導要素を用いた間接的な駆動
だけでなく、ラック−ピニオン機構、あるいはネジ棒−
ナット機構によりモータの回転を往復直進運動に変換し
て直接スライド部材を昇降させる駆動手段を採用するこ
とができる。さらにエアシリンダないし油圧シリンダの
ような流体圧シリンダ、あるいはリニアモータなどの直
動アクチュエータを採用することもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明
の便座の昇降傾動装置の好ましい実施の形態を説明す
る。図1および図2はそれぞれ本発明の装置の一実施形
態を示す要部概略斜視図および右側面図、図3および図
4はそれぞれその装置のカム機構の作用を示す要部側面
図、図5はその装置における昇降駆動機構の一例を示す
要部側面図、図6は図5のVI-VI 線断面図、図7および
図8はそれぞれ本発明の便座の昇降傾動装置の実施形態
の組み立て後の状態を示す全体斜視図およびその組立前
の状態を示す全体斜視図、図9および図10はそれぞれ
その装置の使用状態を示す正面図および側面図、図11
は本発明に関わるカム機構の他の実施形態を示す側面図
である。
【0015】まず図7および図8を参照して便座の昇降
傾動装置Aの全体を説明する。この装置Aは既設の便器
(図9の符号1)に後付けできるように、便器を囲むよ
うに独立して配置され、その後に組み立てられる複数の
ユニットから構成している。図7の符号2は便座、とく
に暖房便座や温水洗浄便座であり、この装置Aはその便
座2を昇降・傾動させるものである。
【0016】装置Aは使用者から見て右側および左側の
側方にそれぞれ配置される右側の昇降ユニット(右ユニ
ット)3と、左側の昇降ユニット(左ユニット)4と、
それらの上端間に渡すように取りつけられる支持プレー
ト2aと、左右の昇降ユニット3、4の後部同士を連結
する門型のパイプからなる連結フレーム5とから構成さ
れている。連結フレーム5は便座2に重量がかかったと
きに各昇降ユニット3、4が外側に倒れないように、装
置A全体を門型に一体化する構造材であるが、使用者が
つかまる手摺り、さらにアーム部5aを支持する部材、
左右のユニット間の配線を通す保護パイプをも兼ねてい
る。装置Aの左ユニット4および右ユニット3は実質的
に同じ構成であり、同じ部品ないし勝手違いの部品をほ
ぼ対称に配置したものである。そのため図1〜6を参照
しながら、右ユニット3の構成を説明する。
【0017】図1〜2に示す右ユニット3は、床に対し
て垂直で、便器の前後方向に延びるように配置される薄
板状のベースプレート6と、そのベースプレート6の内
側の面に取り付けた昇降部(ガイド機構)7と、2本の
コントロールケーブル8、9を介して昇降部7を駆動す
る駆動部(ケーブル駆動部)10とから構成されてい
る。昇降部7はベースプレート6の前側に取り付けら
れ、駆動部10はベースプレート6の後部に配置されて
いる。なお昇降部7および駆動部10は固定カバー(図
7の符号C1)および可動カバー(図7のC2)により
われているが、図1などではこれらのカバーを省略し
て示している。ベースプレート6の下端は床面上に載置
されているが、安定して床面に載置できるように、レベ
リングボルトなどの支持脚6aを設けている。
【0018】昇降部7は図1および図2に示すように、
ベースプレート6に対して上下方向に取り付けられるガ
イドレール11と、そのガイドレール11に沿って上下
に移動するキャリアプレート12と、そのキャリアプレ
ート12に下端が取り付けられるスライドプレート13
と、ベースプレート6の上端部に取りつけられてスライ
ドプレート13の外面を案内する平面視が略コ字状のガ
イドフレーム14とから構成されている。
【0019】スライドプレート13の上端には、支持プ
レート2aの左右端を取りつけるための便座取付部15
aを有する傾動部材15が、ピンないしボルト(軸支点
ボルト)16およびナットによって回動自在に取り付け
られている。なお傾動部材15は左右の昇降ユニット
3、4で共通の回転中心廻りに回動し、それにより左右
の便座取付部15aに掛け渡される支持プレート2a自
体は比較的長いスパンで離れた部分で回転自在に支持さ
れている。そのため回動作用は安定しており、スムーズ
である。
【0020】傾動部材15の後端部は下方に折り曲げ
て、ガススプリング取付片15bとしており、そのガス
スプリング取付片15bに、圧縮スプリングであるガス
スプリング17のシリンダ18のボトム側が係止されて
いる。ガススプリング17のロッド19の先端はベース
プレート6にピンジョイントされている。ここにいうガ
ススプリング17とは、圧縮窒素などの圧縮ガス(ある
いは圧縮ガスとコイルスプリング20)をシリンダ18
内に収容し、シリンダ18に対して摺動自在に収容した
ロッド19を常時伸ばすよう付勢する装置である。シリ
ンダ18内にはロッド19の端部に取り付けたピストン
21が摺動自在に収容されている。通常はピストン21
の両側のガス(エアを含む)を通じる通路を設けると共
に、その通路に抵抗要素を介在させ、ダンパ作用ないし
緩衝作用を行わせる。通路はたとえばピストン自体に形
成されたオリフィスにより構成する。抵抗要素として流
量調節バルブなどを用いる場合には、流路抵抗を調節す
ることができる。まシリンダ18内に圧縮コイルスプリ
ング20を収容してもよく、ガススプリング17に代え
て、圧縮コイルスプリングヤやアキュムレータと接続し
たエアシリンダなどを付勢手段として使用することもで
きる。
【0021】ガイドフレーム14はコ字状に折り曲げた
金属薄板などで構成され、その内面にはスライドプレー
ト13の外面と摺接する合成樹脂製のライナ22が嵌合
またはインサート成形などで設けられている。スライド
プレート13も金属薄板をコ字状に折り曲げて製造しう
る。ガイドフレーム14の左端部にはストッパを兼ねる
カムローラ23が回転自在に設けられている。そして傾
動部材15の前端の下面にはカム部材24が取り付けネ
ジ25によって固定されている(図3参照)。カムロー
ラ23およびカム部材24はカム機構を構成している。
【0022】図3に詳細に示すように、カム部材24は
傾動部材15に取り付けるベース部24aと、そのベー
ス部から直角に立ち上がる当接部24bを有する。当接
部24bは傾動部材に螺合したセットビス24cの先端
を押し当ててカム部材24を前後方向に位置調節するた
めのものである。カム部材24には前記カムローラ23
と協働するカム面26と、それに続く段状のストッパ2
7とが形成されている。ストッパ27はベース部24a
と平行にしている。カム面26は図5のように、傾動部
材15が前傾しているときはほぼ垂直で、わずかに前下
がり方向に傾斜している。そして図4のように傾動部材
15が水平のときにはその傾斜角度が大きくなってい
る。
【0023】図3のカム機構において、傾動部材15は
ガススプリング17によって前傾方向に付勢されている
が、カム面26がカムローラ23と当接しているので、
傾動部材15はそれ以上前傾しない。この状態からスラ
イドプレート13が下降すると、カム面26の上部側が
カムローラ23と当接する。そのときカム面26が上へ
いくほど後方(図面上で右側)にいくように傾斜してい
るので、傾動部材15は水平になるように、図面上では
時計まわりに回動する。そしてストロークの下降端に近
づくにつれて水平に近くなり、最後に図4に示すように
ストッパ27がカムローラ23に当接して水平状態にな
る。
【0024】図4の状態、すなわち下端からスライドプ
レート13が上昇していくときは上記とは逆に、傾動部
材15は水平状態からゆっくりと前傾する。すなわち上
昇開始の直後はカム面26の上端近辺がカムローラ23
と当接しているので、傾動部材15は反時計方向廻りの
付勢力に抗してほとんど水平状態を維持する。そしてカ
ム部材24はカムローラ23に案内されて上昇する。カ
ム面26の下側がカムローラ23と当接するにしたがっ
て、カム部材24、ひいては傾動部材15が反時計方向
の付勢力によって反時計方向にゆっくりと回動しながら
上昇していく。そして図3の状態を経由して上昇してい
き、カム面26がカムローラ23から外れるときに、傾
動部材15がスライドプレート13の上面の前端側6
に当接して、それ以上前傾しないようになる。図3の想
像線はカム部材24がカムローラ23から外れて所定の
前傾角度を維持したまま上昇した状態を示している。
【0025】上昇端から下降していくときは、カム面2
6がカムローラ23に当接するまでは同じ前傾角度で下
降し、カムローラ23に当接した後はしだいに時計方向
に回動しながら、すなわち水平に戻りながら下降してい
く。したがって取り付けネジ25を緩めたうえで、セッ
トビス24cを押し回してカム部材24を右側に移動さ
せると、カム面26がカムローラ23に当接するとき
(傾動開始時)の高さが高くなる。逆に左側に移動させ
ると低い位置から傾動が開始する。このようにカム部材
24の前後位置を調節すると、傾動開始の高さを変更す
ることができる。それにより使用者の要望に応じて適切
な傾動開始高さを設定することができ、左右のユニット
3、4同士の傾動開始時を正確に合わせることができ
る。なおこの実施例ではカム部材24のストッパ27は
ベース部24aと平行であるので、下降端における水平
状態は変わらない。しかし所望により、ストッパ27を
カム部材24から分離すると共に、ベース部24aに対
して緩い傾斜面とすることにより、下降端における傾動
部材15の角度を調節可能にすることもできる。
【0026】図5は上記の昇降部7の一部と、それをコ
ントロールケーブル8、9を介して昇降駆動する駆動部
10とを詳細に示している。図5の機構は図8の装置A
の左ユニット4用のものであるが、図面を上下逆に見れ
ばわかるように、スライドプレート13の取付位置を変
えれば右ユニット3用の昇降部7および駆動部10とし
て使用することができる。さらに本実施例ではスライド
プレート13を上下対称に構成しており、そのため便座
取付部15を除いて右ユニット3および左ユニット4に
共用することができる。
【0027】図1および図5に示すように、昇降部7の
要素のひとつであるガイドレール11は金属板をC字状
に折り曲げたものであり、その上下端にはそれぞれベー
スプレート6に取り付けるための取り付けブラケット3
4、34が固定されている。取り付けブラケット34の
表面側には、方向転換用のプーリ35、35が回転自在
に取り付けられている。なおプーリ35、35に代え
て、コントロールケーブルの内索であるケーブル(ない
しワイヤ)を摺動して案内する円弧状のケーブルガイド
などの方向転換要素を設けることもできる。
【0028】前記取り付けブラケット34にはキャリア
プレート12の上昇端および下降端を検出するためのリ
ミットスイッチLS1、LS2が取り付けられており、
さらにプーリ35に対向するように導管取付部36が設
けられている。またキャリアプレート12の上下2か所
には、図6に示すように、ガイドレール11内に係合
し、その内壁面に沿って転動するガイドローラ37、3
7が回転自在に取り付けられている。さらにキャリアプ
レート12にはその前面側に突出するように、合成樹脂
製の直方体状のケーブル連結部38がインサート成形な
どで設けられている。キャリアプレート12の左右の中
間部には折り曲げ部39が形成され、それらの折り曲げ
部39の間にスライドプレート13を抱くようにして、
4本のネジ40などでスライドプレート13を固定して
いる。
【0029】図5に示すように、ケーブル連結部38に
はコントロールケーブル8の内索である上昇用ケーブル
41の一端が係止され、その上昇用ケーブル41は上向
きに延びて上側のプーリ35の溝に係合し、下向きに方
向転換され、さらにコントロールケーブル8の可撓性を
有する導管(ワイヤガイド筒)42によって案内されて
駆動部10まで案内されている。他方、下降用ケーブル
43はその一端が前記ケーブル連結部38に係止され、
下側に延び、下側のプーリ35で方向転換した上で、他
のコントロールケーブル9の導管44によって駆動部1
0まで案内されている。それぞれの導管42、44の昇
降部7側の端部は、前述の取り付けブラケット34に設
けた導管取付部36に固定している。
【0030】駆動部10はベースプレート6に取り付け
られるコ字状のブラケット45の表面に取り付けたウォ
ーム減速機46と、その減速機46のハウジング47に
取り付けたモータMと、ブラケット45の裏面側に取り
付けた出力部とから構成されている。ハウジング47内
には公知のウォームホイール49およびウォームギヤ5
0がそれぞれ回転自在に、かつ互いに噛み合うように収
容されており、ウォームギヤ50の端部にはモータMの
出力軸が連結されている。
【0031】駆動部10、ケーブル41、43、導管4
2、44およびプーリ35、35は、請求項1の駆動機
構を構成している。なおこれらの駆動機構および昇降部
7は、減速比が大きく、比較的重量がある物を持ち上げ
られる点を除けば、自動車の窓ガラスの昇降に採用され
ているケーブル式のウインドレギュレータとほぼ同じ構
成を有し、同じ作用を奏する。
【0032】すなわち上記のごとく構成される駆動機構
において、モータMが一方向に回転すると、ケーブルの
端部を係止したドラム55がウォーム減速機36および
遊星ギヤ減速機(図示されていない)により減速されて
一方向に回転する。それにより一方のケーブル、たとえ
ば上昇用ケーブル41がドラム55上に巻き取られ、下
降用ケーブル43がドラム55から送り出される。した
がって2本のケーブル41、43により構成されるルー
プが一方向に循環するにしたがい、上昇用ケーブル41
がキャリアプレート12を引き上げる。他方、モータM
が逆に回転してドラム55を逆転させると、同様に下降
用ケーブル43がドラム55に巻き取られ、キャリアプ
レート12を引き下ろすことになる。
【0033】図3に示す実施形態においては、傾動部材
15の回動範囲を定めるため、スライドプレート13の
上端縁の後半部分64は水平にされ、前半部分65は約
5〜6°の角度で斜めに切り欠かれている。さらにスラ
イドプレート13の上端の後端部には水平維持プレート
66が取り付けられており、傾動部材15の後部67と
の間で、水平維持ねじ68で連結/分離自在に構成され
ている。この水平維持プレート66と水平維持ねじ68
とは水平維持手段を構成している。このものにおいて
は、水平維持ねじ68で傾動部材15の後部67を水平
維持プレート66に固定すると、傾動部材15が水平状
態を維持したまま昇降する。すなわち下降してもカム機
構が働かず、前傾しない。なお、この場合はカム部材2
4がカムローラ23から離れたままになっている。逆に
いえば、このカム機構ではカムローラ23はカム溝のよ
うに両面で当接せずカム部材24に対して片面だけで当
接するので、水平維持機構を設ける妨げにならない。ま
た本実施形態では、傾動部材15は断面コ字状の金属厚
板製の本体と、その表面に溶接などで固定される金属板
製の便座取付部材15aとから構成されている。そして
本体をスライドプレート13の上端に跨がるように設
け、スライドプレート13に固着したボスに対して回動
自在に取り付けている。
【0034】上記のごとく構成される便座昇降傾動装置
Aは、図9に示すように、便器本体1を跨ぐように取り
付けられ、傾動部材15には支持プレート2aの左右端
で、その前後方向の中間部が固定される。したがって支
持プレート2aは中間部が空洞になっているものの、使
用者の重量がかかる部位にもっとも近い部分を下から支
えることになる。したがってこれを支える昇降部のガイ
ドレール11などには大きい曲げモーメントがかから
ず、各部品の強度をむやみに大きくする必要がない。こ
のことも装置Aをコンパクトにし得る理由である。
【0035】図10は図3における水平維持ねじ68を
外して便座回動機構を働かせる状態で昇降させる場合を
示している。この場合は、駆動部10が作動して上昇用
ケーブル41を引き、下降用ケーブル43を送り出す
と、前述のようにキャリアプレート12が上昇し、キャ
リアプレート12に取り付けられているスライドプレー
ト13も上昇する。そして便座2はガススプリングおよ
びカム機構の作用により、水平状態からゆっくりと前傾
しながら(矢印K)上昇する。そして途中から最傾斜状
態のまま上昇する。そのため使用者は、便座から容易に
離れることができる。使用者が便座に着座する場合も、
便座が前傾しているので、容易に着座することができ
る。他方、駆動部10が逆方向に作動すると、キャリア
プレート12およびスライドプレート13が下降し、便
座2が傾斜状態を維持しながら下降する。そして、カム
面26がカムローラ23に当接した位置より下方では便
座2はゆっくりと水平に戻りながら下降する。そして最
終的に水平状態になる。なお、通常の状態ではガススプ
リング17によってスライドプレート13は常時上方に
付勢されているが、駆動部の減速機がいわばブレーキの
作用をするので、下降用ケーブル43の引く力により、
スライドプレート13の上昇が抑制されている。そして
使用者が便座に座ッたときには、ガススプリング17が
その重量をある程度支えるので、ケーブルの駆動力は上
昇と下降時とでバランスされる。
【0036】他方、図3の水平維持ねじ68でスライド
プレート13と傾動部材15とを固定すると、便座2は
水平状態のままで昇降する。このようにこの実施形態で
は水平状態を維持した状態(回動機構は無効)と、水平
維持ねじ68を外して便座回動機構を有効にした状態と
を、任意に選択することができる。また上記の実施形態
では、便座取付部を上向きに付勢する手段と便座を前側
に傾けるための付勢手段とを1本のガススプリング17
によって兼用しているが、別個に付勢手段を設けてもよ
い。たとえば便座を傾ける付勢手段としては、圧縮コイ
ルバネの他、便座取付部の前端側を下方に引っ張るバ
ネ、あるいはねじりコイルバネなどを採用することもで
きる。しかし本発明の装置においては、選択機構は必須
のものではなく、便座回動機構を常に有効にしてもよ
い。
【0037】図3〜4の実施形態では固定ガイド(ガイ
ドフレーム14)側にカムローラ23を設け、傾動部材
15にカム部材24を設けているが、図11に示すよう
に固定ガイド側にカム部材24を設け、傾動部材15に
ブラケット23Aなどを介してカムローラ23を前後位
置調節自在に設けてもよい。この場合も前述の場合と同
じように、スライドプレート13が下降する途中から次
第に傾動部材15が水平に戻り、下降端で水平になる。
そして上昇時もゆっくりと前側に傾斜していき、途中か
ら同じ傾斜角度で上昇していく。なお、この図11の実
施形態の場合も、また図3〜4の場合も、カム部材24
をカム面26の形状を変えたものと交換すれば種々の傾
動動作の軌跡を与えることができる。さらにカム面26
を上下方向に充分に伸ばし、カムローラの全ストローク
で当接するようにすることもできる。その場合は全スト
ロークでゆっくりと前傾し、あるいは水平に戻るように
なる。
【0038】図3〜4の実施形態ではカム部材24を水
平方向に位置調節自在としており、図11の実施形態で
はカムローラ23を前後に位置調節自在としているが、
いずれの場合でもカム面26は傾斜しているので、カム
部材24を上下方向に位置調節自在としてもカム面26
を前後に調節することができる。したがって同じ作用効
果が得られると共に、微妙な調節が容易である。この場
合はストッパ27とカム面26とを別部品とする。また
図3〜4および図11の実施形態では、ガススプリング
17との干渉を避けてカム機構を傾動部材15の回動中
心より前側に設けているが、場合により後側ないし下側
に設けることもでき、その場合も同じ作用効果が得られ
る。
【0039】上記の昇降傾動装置Aは便器本体の左右に
昇降部7および駆動部10を配置し、便座2をいわば押
し上げるようにしていくので、便座2の上側では作動す
るものがない。さらに装置Aの右ユニット3および左ユ
ニット4はいずれも便器本体1の近辺のきわめて幅の狭
いスペースに納めている。そのため身体障害者の他、健
常者にとっても違和感がなく、使いやすい。また昇降部
7を便器本体に接近させることができるので、昇降部1
0に大きい曲げモーメントがかからない。なお左右の駆
動部10はとくに同調させていないが、スライドプレー
ト13の上昇端および下降端をリミットスイッチ(図5
のLS1、LS2)などで検出し、停止した状態では水
平状態を維持するようにすれば、とくに問題はない。し
かし磁気センサないし光センサなどを利用した位置検出
装置と、パルスモータ等の回転角度の精密な制御ができ
るモータを用いて左右のケーブル駆動部を電気的に同調
させるようにしてもよい。
【0040】上記の実施形態ではモータの回転を直進運
動に変換し、それによりスライドプレートを昇降駆動す
る機構として、コントロールケーブルと駆動部とからな
るものを採用している。しかしスライドプレートに設け
た歯列ないしラックとそれと噛みあうピニオンなどの直
進駆動機構により直接駆動するようにしてもよい。それ
らの場合でも便座の上方に作動する物がなく、駆動機構
がシンプルであるという作用効果が奏される。
【0041】
【発明の効果】本発明の便座の昇降傾動装置では、スラ
イドプレートの昇降によって傾動部材を回動させるカム
機構を採用しているので、単に下端のストッパで水平に
戻すものに比して、便座の前傾動作および水平に戻る動
作がなめらかである。しかもガイドレールの湾曲で傾動
軌跡を得るものと異なり、簡易な構成の追加で傾動開始
のタイミングや傾動軌跡の変更に対応させることができ
る。とくに左右のユニットに別れている装置の場合は、
左右の傾動タイミングを合わせやすい。さらに簡単な部
品の追加で、水平維持運転と傾動運転の切り替えにも対
応しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の一実施形態を示す要部概略斜
視図である。
【図2】 本発明の装置の一実施形態を示す右側面図で
ある。
【図3】 その装置のカム機構の作用を示す要部側面図
である。
【図4】 その装置のカム機構の作用を示す要部側面図
である。
【図5】 その装置における昇降駆動機構の一実施形態
を示す要部側面図である。
【図6】 図5のVI-VI 線断面図である。
【図7】 本発明の便座の昇降傾動装置の一実施形態の
組み立て後の状態を示す全体斜視図である。
【図8】 本発明の便座の昇降傾動装置の実施形態の組
み立て前の状態を示す全体斜視図である。
【図9】 その装置の使用状態を示す正面図である。
【図10】 その装置の使用状態を示す側面図である。
【図11】 本発明に関わるカム機構の他の実施形態を
示す側面図である。
【符号の説明】
7 昇降部 10 駆動部 13 スライドプレート 14 ガイドフレーム 15 傾動部材 17 ガススプリング 23 カムローラ 24 カム部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 浩一 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 越島 次郎 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 小林 賢一 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−100082(JP,A) 米国特許4168552(US,A) 米国特許3060458(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47K 13/10 A47K 17/02 A61G 5/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定ガイドと、その固定ガイドに沿って
    昇降自在に設けられるスライド部材と、上端に便座取付
    部を有し、スライド部材の上端近辺に前傾状態と水平状
    態との間で回動自在に取り付けられる傾動部材と、その
    傾動部材を常時前傾する方向に付勢する付勢手段と、前
    記スライド部材を昇降駆動する駆動機構と、スライド部
    材が上昇または下降するのに応じて傾動部材を前傾方向
    または水平方向に回動させるカム機構とからなり、その
    カム機構が傾動部材または固定ガイドのうちの一方に設
    けた、上下方向に延びるカム面を有するカム部材と、他
    方に回転自在に設けた、前記カム面と当接して傾動部材
    の前傾を支えるカムローラとを備えている便座の昇降傾
    動装置。
  2. 【請求項2】 前記カム面またはカムローラのうち少な
    くとも一方が、前後方向に位置調節自在に設けられてい
    る請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記付勢手段が、傾動部材の回動中心よ
    り後部側を上方に付勢するスプリングである請求項1記
    載の装置。
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