JP3276478B2 - 飲料の香味劣化防止方法 - Google Patents

飲料の香味劣化防止方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は飲料の香味劣化防止方法
に関するものであり、詳しくは飲料にヒマワリの種子か
ら水または含水アルコールで抽出される成分を単独で、
又は金属封鎖剤と併用することにより、飲料の香味劣化
を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に飲料は製造工程中,流通段階およ
び保存中の各段階において経時的に香味が劣化してお
り、特に透明ガラスビンや透明プラスチック容器入りの
場合において劣化の度合は著しく、そのままでは本来の
香味が消失したり、香味の劣化による異味異臭が発生し
たり等の問題が生じやすい。こうした劣化を防止するた
めに、アスコルビン酸等各種の酸化防止剤の添加や低温
での流通、保存、また光や外気を極力遮断した容器を用
いる等の方法がとられているが、未だ充分な香味劣化防
止方法は確立されていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に市販されている
飲料は製造工程中、流通段階および保存中において光、
熱、空気等による影響を受け、香味が変化し品質の低下
をまねくことがあるが、本発明はこうした飲料の香味劣
化を防止し、品質の安定した飲料を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは飲料の香味
劣化防止について鋭意研究した結果、ヒマワリの種子か
ら水または含水アルコールで抽出される成分(特開平3
−221587、以下ヒマワリ抽出物という)が飲料の
香味劣化防止に顕著な効果のあることを見いだした。す
なわちヒマワリ抽出物を単独で、又は金属封鎖剤を併用
して飲料に適宜添加することによって、飲料の香味には
影響を及ぼさずに、良好な香味を長期間保つことができ
ることを見いだし、本発明に至ったものである。
【0005】以下に本発明を詳しく説明する。本発明で
いう飲料とは特に限定されるものではなく、例えば炭酸
飲料、果汁、果汁飲料、乳性飲料、コーヒー飲料、茶類
飲料、アルコール飲料、その他を挙げることができる。
本発明における飲料の香味劣化防止方法はヒマワリ抽出
物を単独で、又は金属封鎖剤を併用して添加すること以
外は従来からの飲料の製法を使用することができる。す
なわち飲料の原料としては砂糖、異性化糖、アスパルテ
ーム等の甘味料、クエン酸、乳酸等の酸味料、香料、乳
化剤、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、ビタ
ミン類等の強化剤、果汁、野菜汁、乳、乳製品、酒等の
アルコール飲料、コーヒー、茶類等の抽出液、炭酸ガ
ス、無機成分等および飲料用水であり、これらを単独も
しくは複数組み合せて使用すればよいが特にこれらに制
限されるものではなく、飲料に適した原料を適宜選択し
使用すれば良い。原料を混和、溶解、懸濁、酵素処理、
発酵等の処理をして調製し、殺菌、濾過、容器詰め等の
いくつかの工程を経て飲料として供されるものである。
こうして製造された飲料は製造工程中、流通段階および
保存中において光、熱、空気等による影響を受け徐々に
香味は変化し、製品価値が少しずつ低下していく。
【0006】本発明で使用されるヒマワリ抽出物はヒマ
ワリ種子を水または含水アルコールで抽出される成分で
あれば抽出物そのものであっても、除タンパクや脱色、
脱臭等の精製を行なってもよいし、酵素処理等の操作を
したり、所望により、それらの濃縮物であっても、凍結
乾燥や噴霧乾燥等を行なった粉末でもよく、どのような
剤形のものでも使用できる。本発明で使用される金属封
鎖剤としては、例えばアジピン酸、クエン酸、コハク
酸、酒石酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、ピロリ
ン酸、ポリリン酸、メタリン酸、エチレンジアミン四酢
酸及びこれらの塩類や、アラビアガム、アルギン酸、ア
ルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステ
ル、カードラン、カラギナン、カルボキシメチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース塩、キサンタンガ
ム、キチン、キトサン、グアーガム、ジェランガム、タ
マリンドシードガム、デンプングリコール酸ナトリウ
ム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ペクチン、ポ
リアクリル酸ナトリウム、その他をあげることができ、
これらからなる群の1種又は2種以上を使用することが
できる。
【0007】飲料にヒマワリ抽出物および金属封鎖剤を
添加する時期については特に限定されるものではなく、
飲料の製造工程中のどの段階で添加してもかまわない。
ヒマワリ抽出物および金属封鎖剤の添加量については添
加対象の飲料により異なるが、期待される効果や香味上
の問題から自ずと定まってくるものである。例えば60
%含水エタノールで抽出したヒマワリ抽出物の場合、無
果汁炭酸飲料に使用する際には固形分として5〜100
0ppm程度の添加が好ましい。この範囲以下の濃度の
添加では期待される効果は得られず、これ以上の濃度の
添加では添加するヒマワリ抽出物が飲料の香味に影響す
る。併せて使用される金属封鎖剤としては飲料に対して
10ppm以上添加されることが望ましい。また、これ
らと他の香味劣化防止剤を併用してもかまわない。飲料
の充填容器としては様々なものが用いられているが、光
照射の影響をうけやすいガラスびんやプラスチック製の
容器に本発明を実施した場合、著しい効果を発揮する。
以下、本発明の効果を実施例を示して更に具体的に説明
する。
【0008】
【実施例】
参考例1 機械粉砕したヒマワリ種子500gに60%(v/v)
含水エタノール3lを添加し、60℃で7時間抽出し
た。冷却濾過後、減圧下濃縮乾固した(以下、抽出物1
という)
【0009】実施例1 処方1 果糖ぶどう糖液糖 130g クエン酸(結晶) 1g サイダー香料 1g 清水にて全量を200mlとしたシロップを調製し、こ
のシロップをプレーンソーダで1000mlとする処方
1の無果汁透明炭酸飲料を200ml容透明ガラスびん
に静かに移しかえ、何も添加しないもの(試験区1)
と、抽出物1を100ppmとなるように添加したもの
(試験区2)とを35℃の暗所で1ケ月間放置した後、
10名のパネラーによる官能評価を以下の5段階で行な
ったところ表1のような結果となった。 評価 5:劣化みられず(未照射品と同程度) 4:わずかに劣化している 3:劣化している 2:かなり劣化している 1:非常に劣化している(とても飲めない)
【0010】
【表1】
【0011】実施例2 処方1の無果汁透明炭酸飲料を200ml容透明ガラス
びんに静かに移しかえ,何も添加しないもの(試験区
1)と、抽出物1を100ppm、フィチン酸を10p
pm含有するように添加したもの(試験区2)とを、晴
天の日に(平均気温約24℃)10時間日光照射し、5
時間目までの1時間毎及び10時間目に、10名のパネ
ラーによる官能評価を実施例1と同様に行なったところ
表2のような結果となった。官能評価の際のコメントを
集計し、まとめると試験区2は試験区1に比べて劣化臭
がなく、日光照射前のさわやかな香味が残っており、バ
ランスのとれた香味を有しているとの評価となった。
【0012】
【表2】
【0013】またこの飲料の試験区1と2とについてエ
ーテルにて抽出、濃縮後、ガスクロマトグラフィー及び
質量分析器にて香気成分の挙動を調べたところ表3のよ
うになった。
【0014】
【表3】
【0015】上記結果から明らかなように抽出物1及び
フィチン酸を添加したものは良好な香気成分例えばリナ
ロール、ネラール、ゲラニアール等をよく残しており、
劣化により増加してくる成分例えばシス−リナロールオ
キサイド(フラノイド)、リモネン−1,2−ジオール
等の発生を抑えている。
【0016】実施例3処方2 砂糖 100g クエン酸(結晶) 2g アスコルビン酸 0.5g 濃縮1/5温州果汁 22g オレンジ香料 3.5g 清水で全量を1000mlとする。 処方2の果汁入り飲料に何も添加しないものと抽出物1
を100ppmになるように添加したものとを調整後、
200ml容ガラスびんに充填し85℃で20分間殺菌
後冷却し、晴天の日に5時間日光照射した後10名のパ
ネラーによる官能評価を実施例1と同様にして行った際
のコメントを集計し、まとめると劣化臭がなく、日光照
射前の良好な果汁感を保っており、自然な香味を有して
いるとの評価となった。
【0017】
【発明の効果】本発明により、ヒマワリの種子から水ま
たは含水アルコールで抽出される成分を単独で、もしく
は金属封鎖剤を併用して飲料に添加することで、飲料そ
のものの香味には影響を与えずに香味の経時変化が顕著
に抑制され、品質の安定した飲料を提供することができ
るようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 2/00 - 2/40 A23L 3/00 - 3/3598

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒマワリの種子から水または含水アルコ
    ールで抽出される成分を飲料に含有せしめることを特徴
    とする香味劣化防止方法。
  2. 【請求項2】 ヒマワリの種子から水または含水アルコ
    ールで抽出される成分と併せて、金属封鎖剤を飲料に含
    有せしめることを特徴とする香味劣化防止方法。
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社団法人日本果汁協会監修、「果汁・果実飲料事典」、株式会社朝倉書店、1978年9月30日、p.122

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