JP3275186B2 - 完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体の製造方法 - Google Patents
完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体の製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、すべてのフェノール核
にアルキル基を有する完全核アルキル置換トリスフェノ
ールエタン型のトリスフェノール誘導体の製造方法に関
する。
にアルキル基を有する完全核アルキル置換トリスフェノ
ールエタン型のトリスフェノール誘導体の製造方法に関
する。
【0002】本発明において、完全核アルキル置換トリ
スフェノール誘導体とは、すべてのフェノール核が少な
くとも一つのアルキル基を有するトリスフェノール誘導
体をいうが、すべての核置換可能位置がアルキル置換さ
れている必要はない。同様に、本発明において、不完全
核アルキル置換トリスフェノール誘導体とは、一つのフ
ェノール核がアルキル基をもたないトリスフェノール誘
導体をいう。
スフェノール誘導体とは、すべてのフェノール核が少な
くとも一つのアルキル基を有するトリスフェノール誘導
体をいうが、すべての核置換可能位置がアルキル置換さ
れている必要はない。同様に、本発明において、不完全
核アルキル置換トリスフェノール誘導体とは、一つのフ
ェノール核がアルキル基をもたないトリスフェノール誘
導体をいう。
【0003】完全核アルキル置換トリスフェノールエタ
ン型のトリスフェノール誘導体は、封止材料、積層材
料、電気絶縁材料等に用いられるエポキシ樹脂の原料、
エポキシ樹脂の硬化剤、感熱記録に用いられる顕色剤や
退色防止剤、電子材料の原料等として有用であり、更
に、酸化防止剤、殺菌剤、防菌防カビ剤等の添加剤とし
ても有用である。
ン型のトリスフェノール誘導体は、封止材料、積層材
料、電気絶縁材料等に用いられるエポキシ樹脂の原料、
エポキシ樹脂の硬化剤、感熱記録に用いられる顕色剤や
退色防止剤、電子材料の原料等として有用であり、更
に、酸化防止剤、殺菌剤、防菌防カビ剤等の添加剤とし
ても有用である。
【0004】
【従来の技術】従来、例えば、特開平1−311040
号公報や特公昭64−83035号公報のほか、J. Che
m. Soc., 985-989 (1954) 等に記載されているように、
種々のトリスフェノール誘導体やその製造方法、用途等
が提案されている。このようなトリスフェノール誘導体
は、一般に、酸触媒の存在下、芳香族アルデヒド又は芳
香族ケトンと過剰量のフェノール類との脱水縮合反応に
よって得ることができ、従来、フェノール核にアルキル
基等を有する種々の核置換トリスフェノール類が提案さ
れている。
号公報や特公昭64−83035号公報のほか、J. Che
m. Soc., 985-989 (1954) 等に記載されているように、
種々のトリスフェノール誘導体やその製造方法、用途等
が提案されている。このようなトリスフェノール誘導体
は、一般に、酸触媒の存在下、芳香族アルデヒド又は芳
香族ケトンと過剰量のフェノール類との脱水縮合反応に
よって得ることができ、従来、フェノール核にアルキル
基等を有する種々の核置換トリスフェノール類が提案さ
れている。
【0005】例えば、特公昭64−83035号公報に
は、2,6−キシレノールとサリチルアルデヒドとの反応
によって、トリスフェノールメタン型の 4,4',4"−メチ
リデントリス(2,6−ジメチルフェノール)を得ること
ができることが開示されている。
は、2,6−キシレノールとサリチルアルデヒドとの反応
によって、トリスフェノールメタン型の 4,4',4"−メチ
リデントリス(2,6−ジメチルフェノール)を得ること
ができることが開示されている。
【0006】しかしながら、トリスフェノールエタン型
であって、すべてのフェノール核に同じアルキル基を有
する完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体を製造
するに際して、従来、出発原料として、高価なアルキル
置換4−ヒドロキシアセトフェノンを用いることなく、
比較的低廉なp−ヒドロキシアセトフェノンを用いる製
造方法は知られていない。
であって、すべてのフェノール核に同じアルキル基を有
する完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体を製造
するに際して、従来、出発原料として、高価なアルキル
置換4−ヒドロキシアセトフェノンを用いることなく、
比較的低廉なp−ヒドロキシアセトフェノンを用いる製
造方法は知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、トリスフェ
ノール誘導体における上述した問題点に鑑みてなされた
ものであって、すべてのフェノール核に同じアルキル基
を有する完全核アルキル置換トリスフェノールエタン型
のトリスフェノール誘導体の製造方法を提供することを
目的とする。
ノール誘導体における上述した問題点に鑑みてなされた
ものであって、すべてのフェノール核に同じアルキル基
を有する完全核アルキル置換トリスフェノールエタン型
のトリスフェノール誘導体の製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(I)
(I)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R 1 は、炭素数1〜10のアルキル
基を示し、R 2 は、水素又は炭素数1〜10のアルキル基
を示し、相互に同じでも、異なっていてもよい。) で表されるすべてのフェノール核にアルキル基を有する
完全アルキル置換トリスフェノール誘導体の製造方法で
あって、酸触媒の存在下にp−ヒドロキシアセトフエノ
ンと一般式(II)
基を示し、R 2 は、水素又は炭素数1〜10のアルキル基
を示し、相互に同じでも、異なっていてもよい。) で表されるすべてのフェノール核にアルキル基を有する
完全アルキル置換トリスフェノール誘導体の製造方法で
あって、酸触媒の存在下にp−ヒドロキシアセトフエノ
ンと一般式(II)
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R 1 は、炭素数1〜10のアルキル
基を示し、R 2 は、水素又は炭素数1〜10のアルキル基
を示し、相互に同じでも、異なっていてもよい。) で表されるアルキルフェノール類の過剰量 とを反応さ
せ、一般式(III)
基を示し、R 2 は、水素又は炭素数1〜10のアルキル基
を示し、相互に同じでも、異なっていてもよい。) で表されるアルキルフェノール類の過剰量 とを反応さ
せ、一般式(III)
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R 1 は、炭素数1〜10のアルキル
基を示し、R 2 は、水素又は炭素数1〜10のアルキル基
を示し、相互に同じでも、異なっていてもよい。) で表される一部のフェノール核にアルキル基をもたない
不完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体を生成さ
せ、次いで、余剰の前記アルキルフェノール類によって
上記不完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体を完
全核アルキル置換トリスフェノール誘導体に変換するこ
とを特徴とする方法が提供される。
基を示し、R 2 は、水素又は炭素数1〜10のアルキル基
を示し、相互に同じでも、異なっていてもよい。) で表される一部のフェノール核にアルキル基をもたない
不完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体を生成さ
せ、次いで、余剰の前記アルキルフェノール類によって
上記不完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体を完
全核アルキル置換トリスフェノール誘導体に変換するこ
とを特徴とする方法が提供される。
【0015】本発明においては、上記アルキル基は、好
ましくは、炭素数1〜6であり、より好ましくは1〜4
であり、特に、1又は2が好ましい。
ましくは、炭素数1〜6であり、より好ましくは1〜4
であり、特に、1又は2が好ましい。
【0016】かかる目的とする完全核アルキル置換トリ
スフェノール誘導体を得られた反応混合物から分離する
には、反応終了後、前記アルキルフェノール類のうちの
未反応分と上記一般式(III) で表される不完全核アル
キル置換トリスフェノール誘導体においてフェノール核
交換反応によって生成したフェノールを蒸留にて除去
し、その蒸留残渣に芳香族炭化水素と脂肪族ケトンとか
らなる混合溶剤を加えて溶解させ、水洗後、冷却して、
目的とするトリスフェノール誘導体を上記混合溶剤から
晶析させればよい。
スフェノール誘導体を得られた反応混合物から分離する
には、反応終了後、前記アルキルフェノール類のうちの
未反応分と上記一般式(III) で表される不完全核アル
キル置換トリスフェノール誘導体においてフェノール核
交換反応によって生成したフェノールを蒸留にて除去
し、その蒸留残渣に芳香族炭化水素と脂肪族ケトンとか
らなる混合溶剤を加えて溶解させ、水洗後、冷却して、
目的とするトリスフェノール誘導体を上記混合溶剤から
晶析させればよい。
【0017】本発明において、上述した反応において、
アルキルフェノール類としては、例えば、クレゾール、
エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノ
ール、アミルフェノール、ヘキシルフェノール、ヘプチ
ルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノー
ル、デシルフェノール等を挙げることができる。アルキ
ル基の置換位置は特に限定されるものではない。これら
アルキルフェノール類のながでは、本発明においては、
特に、o−クレゾールが好ましく用いられる。本発明に
おいては、かかるアルキルフェノール類は、p−ヒドロ
キシアセトフェノンに対して少なくとも2倍モルが用い
られ、好ましくは、2〜30倍モルの範囲で、特に好ま
しくは5〜20倍モルの範囲で用いられる。
アルキルフェノール類としては、例えば、クレゾール、
エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノ
ール、アミルフェノール、ヘキシルフェノール、ヘプチ
ルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノー
ル、デシルフェノール等を挙げることができる。アルキ
ル基の置換位置は特に限定されるものではない。これら
アルキルフェノール類のながでは、本発明においては、
特に、o−クレゾールが好ましく用いられる。本発明に
おいては、かかるアルキルフェノール類は、p−ヒドロ
キシアセトフェノンに対して少なくとも2倍モルが用い
られ、好ましくは、2〜30倍モルの範囲で、特に好ま
しくは5〜20倍モルの範囲で用いられる。
【0018】本発明において、酸触媒としては、塩化水
素ガス又は塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸、p−トルエ
ンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸、シュウ酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸等の有
機酸を好ましい例として挙げることができる。特に、塩
化水素ガスが好ましく用いられる。
素ガス又は塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸、p−トルエ
ンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸、シュウ酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸等の有
機酸を好ましい例として挙げることができる。特に、塩
化水素ガスが好ましく用いられる。
【0019】このような酸触媒は、例えば、塩化水素ガ
スの場合であれば、p−ヒドロキシアセトフェノン10
0重量部に対して、10〜100重量部、好ましくは3
0〜60重量部の範囲で用いられる。助触媒としては、
例えば、炭素数1〜18のメルカプタン、硫化水素、チ
オフェノール、チオ酸、ジアルキルサルファイド等の無
機又は有機イオウ化合物を挙げることができる。このよ
うな助触媒は、通常、p−ヒドロキシアセトフェノンに
対して、0.01〜0.2倍モル、好ましくは、0.05〜0.
1倍モルの範囲で用いられる。
スの場合であれば、p−ヒドロキシアセトフェノン10
0重量部に対して、10〜100重量部、好ましくは3
0〜60重量部の範囲で用いられる。助触媒としては、
例えば、炭素数1〜18のメルカプタン、硫化水素、チ
オフェノール、チオ酸、ジアルキルサルファイド等の無
機又は有機イオウ化合物を挙げることができる。このよ
うな助触媒は、通常、p−ヒドロキシアセトフェノンに
対して、0.01〜0.2倍モル、好ましくは、0.05〜0.
1倍モルの範囲で用いられる。
【0020】本発明によるトリスフェノール誘導体は、
前述したように、酸触媒及び助触媒の存在下にp−ヒド
ロキシアセトフェノンと過剰量の前記アルキルフェノー
ル類とを反応させて、先ず、一般式(III) で表される
不完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体を得る前
段の反応に引き続いて、反応液中の酸触媒を部分中和し
た後、更に、余剰の未反応の前記アルキルフェノール類
による上記一般式(III) で表される不完全核アルキル
置換トリスフェノール誘導体の完全核アルキル置換物へ
の変換反応としての後段の反応からなる2段の反応によ
って得ることができる。
前述したように、酸触媒及び助触媒の存在下にp−ヒド
ロキシアセトフェノンと過剰量の前記アルキルフェノー
ル類とを反応させて、先ず、一般式(III) で表される
不完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体を得る前
段の反応に引き続いて、反応液中の酸触媒を部分中和し
た後、更に、余剰の未反応の前記アルキルフェノール類
による上記一般式(III) で表される不完全核アルキル
置換トリスフェノール誘導体の完全核アルキル置換物へ
の変換反応としての後段の反応からなる2段の反応によ
って得ることができる。
【0021】上記前段の反応は、通常、常温乃至80
℃、好ましくは30〜50℃の温度にて、10〜40時
間程度行う。典型的な例によれば、反応は、約40℃で
塩化水素ガスを吹き込みながら、攪拌しつつ、20時間
程度行う。この前段の反応終了後、酸触媒は水酸化ナト
リウム等のアルカリによって、50〜90%、好ましく
は70〜80%を部分中和し、この後、残余の酸触媒に
て後段の核アルキル化反応を行う。
℃、好ましくは30〜50℃の温度にて、10〜40時
間程度行う。典型的な例によれば、反応は、約40℃で
塩化水素ガスを吹き込みながら、攪拌しつつ、20時間
程度行う。この前段の反応終了後、酸触媒は水酸化ナト
リウム等のアルカリによって、50〜90%、好ましく
は70〜80%を部分中和し、この後、残余の酸触媒に
て後段の核アルキル化反応を行う。
【0022】この後段の反応は、40〜80℃、好まし
くは60〜70℃の温度にて攪拌下、1〜10時間程
度、通常、2時間程度行う。この後段の反応の終了後、
得られた反応混合物に水酸化ナトリウム等のアルカリを
加えて、pH5〜7まで中和し、水層を分液除去する。こ
の後、減圧蒸留によって未反応のアルキルフェノール類
と前記フェノール核交換反応によつて生成したフェノー
ルを留去し、その蒸留残渣に芳香族炭化水素と脂肪族ケ
トンとからなる混合溶剤を加えて、蒸留残渣を溶解さ
せ、得られた溶液をイオン交換水にて水洗脱塩した後、
冷却して、目的とするトリスフェノール誘導体を晶析さ
せる。
くは60〜70℃の温度にて攪拌下、1〜10時間程
度、通常、2時間程度行う。この後段の反応の終了後、
得られた反応混合物に水酸化ナトリウム等のアルカリを
加えて、pH5〜7まで中和し、水層を分液除去する。こ
の後、減圧蒸留によって未反応のアルキルフェノール類
と前記フェノール核交換反応によつて生成したフェノー
ルを留去し、その蒸留残渣に芳香族炭化水素と脂肪族ケ
トンとからなる混合溶剤を加えて、蒸留残渣を溶解さ
せ、得られた溶液をイオン交換水にて水洗脱塩した後、
冷却して、目的とするトリスフェノール誘導体を晶析さ
せる。
【0023】上記晶析溶剤として用いる芳香族炭化水素
と脂肪族ケトンとの混合溶剤は、晶析条件及びプロセス
経済性等を考慮して、芳香族炭化水素としては、例え
ば、トルエン、キシレン、クメン等が好ましく用いら
れ、脂肪族ケトンとしては、例えば、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジイソプピルケトン等が
好ましく用いられる。従って、本発明においては、上記
晶析溶剤として、例えば、トルエン−メチルエチルケト
ン、トルエン−ジイソプピルケトン、トルエン−メチル
イソブチルケトン、キシレン−メチルエチルケトン、キ
シレン−ジイソプピルケトン、クメン−メチルイソブチ
ルケトン、クメン−メチルエチルケトン、クメン−ジイ
ソプピルケトン等が好ましく用いられる。
と脂肪族ケトンとの混合溶剤は、晶析条件及びプロセス
経済性等を考慮して、芳香族炭化水素としては、例え
ば、トルエン、キシレン、クメン等が好ましく用いら
れ、脂肪族ケトンとしては、例えば、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジイソプピルケトン等が
好ましく用いられる。従って、本発明においては、上記
晶析溶剤として、例えば、トルエン−メチルエチルケト
ン、トルエン−ジイソプピルケトン、トルエン−メチル
イソブチルケトン、キシレン−メチルエチルケトン、キ
シレン−ジイソプピルケトン、クメン−メチルイソブチ
ルケトン、クメン−メチルエチルケトン、クメン−ジイ
ソプピルケトン等が好ましく用いられる。
【0024】かかる芳香族炭化水素と脂肪族ケトンとか
らなる晶析溶剤において、その割合は、芳香族炭化水素
/脂肪族ケトン重量比にて、通常、10/1から1/1
の範囲であり、好ましくは5/1から2/1の範囲であ
る。このような晶析溶剤は、蒸留残渣100重量部に対
して、通常、50〜500重量部、好ましくは100〜
200重量部の範囲で用いられる。
らなる晶析溶剤において、その割合は、芳香族炭化水素
/脂肪族ケトン重量比にて、通常、10/1から1/1
の範囲であり、好ましくは5/1から2/1の範囲であ
る。このような晶析溶剤は、蒸留残渣100重量部に対
して、通常、50〜500重量部、好ましくは100〜
200重量部の範囲で用いられる。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高価なアルキル
置換4−ヒドロキシアセトフェノンを用いることなく、
比較的低廉なp−ヒドロキシアセトフェノンと過剰量の
アルキルフェノール類とを用いることによって、完全核
アルキル置換トリスフェノール誘導体を得ることができ
る。
置換4−ヒドロキシアセトフェノンを用いることなく、
比較的低廉なp−ヒドロキシアセトフェノンと過剰量の
アルキルフェノール類とを用いることによって、完全核
アルキル置換トリスフェノール誘導体を得ることができ
る。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 温度計、冷却器、塩化水素ガス吹き込み管及び攪拌器を
備えた1リットル容量の四つ口フラスコにo−クレゾー
ル270g、p−ヒドロキシアセトフェノン34.0g及
びエチルメルカプタン0.9gを仕込み、溶液とし、これ
に塩化水素ガスを吹き込みながら、40℃で20時間反
応させた。
備えた1リットル容量の四つ口フラスコにo−クレゾー
ル270g、p−ヒドロキシアセトフェノン34.0g及
びエチルメルカプタン0.9gを仕込み、溶液とし、これ
に塩化水素ガスを吹き込みながら、40℃で20時間反
応させた。
【0028】反応終了後、16%水酸化ナトリウム水溶
液にて反応液中の酸触媒の80%を中和した後、70℃
で2時間、後段の反応を行って、余剰の未反応のo−ク
レゾールと核置換反応を行った。この後段の反応の終了
後、16%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、水層
を分離した。
液にて反応液中の酸触媒の80%を中和した後、70℃
で2時間、後段の反応を行って、余剰の未反応のo−ク
レゾールと核置換反応を行った。この後段の反応の終了
後、16%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、水層
を分離した。
【0029】得られた油層327gを常圧乃至10mmHg
の減圧下に蒸留して、水、フェノール及びo−クレゾー
ルを除去した。得られた蒸留残渣83.6gにトルエン1
00.3g及びメチルイソブチルケトン25.1gの混合溶
剤を加えて溶解させた。イオン交換水83.6mlにて2回
洗浄した後、冷却して、結晶を析出させた。これを濾別
し、乾燥して、目的とする 4,4',4"−エチリジントリス
−2−メチルフェノールの白色結晶51.6g(純度90
%)を得た。収率は、仕込みp−ヒドロキシアセトフェ
ノン基準にて60%であった。更に、メタノールから再
結晶を行って、純度99%の結晶を得た。
の減圧下に蒸留して、水、フェノール及びo−クレゾー
ルを除去した。得られた蒸留残渣83.6gにトルエン1
00.3g及びメチルイソブチルケトン25.1gの混合溶
剤を加えて溶解させた。イオン交換水83.6mlにて2回
洗浄した後、冷却して、結晶を析出させた。これを濾別
し、乾燥して、目的とする 4,4',4"−エチリジントリス
−2−メチルフェノールの白色結晶51.6g(純度90
%)を得た。収率は、仕込みp−ヒドロキシアセトフェ
ノン基準にて60%であった。更に、メタノールから再
結晶を行って、純度99%の結晶を得た。
【0030】このようにして得た 4,4',4"−エチリジン
トリス−2−メチルフェノールの融点、元素分析値、赤
外線吸収スペクトル(KBr法)、マススペクトル及び
プロトン核磁気共鳴スペクトル(重アセトン溶媒中、6
0M)を下に示す。
トリス−2−メチルフェノールの融点、元素分析値、赤
外線吸収スペクトル(KBr法)、マススペクトル及び
プロトン核磁気共鳴スペクトル(重アセトン溶媒中、6
0M)を下に示す。
【0031】融点 193.4℃ 元素分析値(C23H24O3として) 赤外線吸収スペクトル(cm-1) OH: 3100-3550 Aromatic H: 1500 νas CH3: 2970 νs CH3: 2825 νAromatic H: 3025 マススペクトル 親ピーク (m/e): 348 フラグメントピーク: 333, 241, 133 プロトン核磁気共鳴スペクトル
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 p−ヒドロキシアセトフェノンの仕込み量を17.0gと
した以外は、実施例1と同様に反応を行い、トルエンと
メチルイソブチルケトンとの混合溶剤からの再結晶によ
る精製のみにて、純度98%の結晶を得た。
した以外は、実施例1と同様に反応を行い、トルエンと
メチルイソブチルケトンとの混合溶剤からの再結晶によ
る精製のみにて、純度98%の結晶を得た。
【0034】実施例3 p−ヒドロキシアセトフェノンの仕込み量を68gとし
た以外は、実施例1と同様に反応を行い、トルエンとメ
チルイソブチルケトンとの混合溶剤からの再結晶による
精製によって、純度65%の結晶を得た。
た以外は、実施例1と同様に反応を行い、トルエンとメ
チルイソブチルケトンとの混合溶剤からの再結晶による
精製によって、純度65%の結晶を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−268328(JP,A) 特開 平4−11260(JP,A) 特開 平1−268714(JP,A) 特開 昭64−69628(JP,A) 特開 平5−88362(JP,A) 特開 昭64−83035(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 37/20 C07C 37/24 C07C 39/16 C07B 61/00 300 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基を示し、R2
は、水素又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、相互
に同じでも、異なっていてもよい。) で表されるすべてのフェノール核にアルキル基を有する
完全アルキル置換トリスフェノール誘導体の製造方法で
あって、酸触媒の存在下にp−ヒドロキシアセトフエノ
ンと一般式(II) 【化2】 (式中、R 1 は、炭素数1〜10のアルキル基を示し、R 2
は、水素又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、相互
に同じでも、異なっていてもよい。) で表されるアルキルフェノール類の過剰量 とを反応さ
せ、一般式(III) 【化3】 (式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基を示し、R2
は、水素又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、相互
に同じでも、異なっていてもよい。) で表される一部のフェノール核にアルキル基をもたない
不完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体を生成さ
せ、次いで、余剰の前記アルキルフェノール類によって
上記不完全核アルキル置換トリスフェノール誘導体を完
全核アルキル置換トリスフェノール誘導体に変換するこ
とを特徴とする完全核アルキル置換トリスフェノール誘
導体の製造方法。 - 【請求項2】アルキルフェノール類がクレゾール、エチ
ルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノー
ル、アミルフェノール、ヘキシルフェノール、ヘプチル
フェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール又
はデシルフェノールである請求項1に記載の完全核アル
キル置換トリスフェノール誘導体の製造方法。
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JPH06107577A JPH06107577A (ja) | 1994-04-19 |
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-
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