JP3275124B2 - 乗降用ステップの取付け構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、クローラクレー
ン，杭打機等のクローラ式走行体に用いられる乗降用ス
テップの取付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、乗降用ステップは、クローラ式走
行体を、トレーラ等に搭載して輸送する時には、クロー
ラの外端より内側に収め、乗降用ステップの使用時に
は、クローラ外端より突出できるようにクローラフレー
ムに取付けられている。例えば、実公平６−２６４５０
号公報では、クローラ外端より突出可能な乗降用ステッ
プを、枢支用ピンによってクローラフレームに水平方向
に回動可能に設けたものや、クローラ外端より突出可能
な乗降用ステップの側部に長孔を形成し、クローラフレ
ームに突設した枢支用ピンを長孔に挿通して、乗降用ス
テップをクローラフレームの上下方向に回動可能に設け
たものが示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし上述のもので
は、乗降用ステップを取付けるための部品点数が多くな
ると共に、上部旋回体が旋回すると、乗降用ステップが
上部旋回体に隠れて使用できないことがあった。さら
に、輸送時にクローラを縮小し、トラックフレームのア
クスルを折畳んでクローラフレームに収納させる大型の
建設機械では、乗降用ステップの取付けスペースがない
場合があった。

【０００４】そこで本発明は、簡単な構造で、必要なと
きに確実にクローラフレームより突出可能に設けること
ができる乗降用ステップの取付け構造を提供することを
目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、杭打機のクローラ式走行体の左右一対のク
ローラを支持する各クローラフレームに取付ける乗降用
ステップの取付け構造において、各クローラフレームの
内・外両側面に、クローラ式走行体の上下方向に延びる
パイプからなる乗降用ステップの取付ブラケットをそれ
ぞれ設け、前記乗降用ステップを、前記クローラ外端よ
り突出可能な長さを有する足乗せ部と、該足乗せ部の一
端より突出し、前記パイプのいずれかに選択的に挿通可
能な脚部とで形成し、杭打機の輸送時には、前記脚部を
クローラフレームの内側面のパイプに挿通できるように
したことを特徴としている。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を三点支持式の杭打
機に適用した実施の形態の一例を図面に基づいて説明す
る。

【０００７】杭打機１は、クローラ式走行体２の上部に
ベースマシン本体３が旋回可能に載置される。ベースマ
シン本体３の前部には、リーダ４が立設され、略中央部
には運転台５が設けられる。

【０００８】クローラ式走行体２は、該走行体２の左右
両側に設けられた一対のクローラ６，６が、クローラ式
走行体２の幅方向に拡縮可能に設けられたものである。
各クローラ６は、周囲に複数のトラックローラ７を備え
たクローラフレーム８に回動可能に支持される。また、
クローラフレーム８の内・外両側面には、乗降用ステッ
プ９が、着脱可能に突設される。

【０００９】すなわち、各クローラフレーム８は、外側
フレーム８ａと内側フレーム８ｂとで構成されている。
各クローラフレーム８は、外側フレーム８ａ及び内側フ
レーム８ｂの前部及び後部の側面の４箇所に、乗降用ス
テップ９の取付ブラケット１０がそれぞれ設けられる。
各ブラケット１０は、クローラ式走行体２の上下方向に
延びる一対のパイプ１１，１１を支持部材１２，１２を
介してクローラフレーム８の側面に取付けられたもの
で、パイプ１１，１１は、互いに平行になるように所定
の間隔を設けて取付けられる。

【００１０】乗降用ステップ９は、パイプ１１に挿通可
能な径のパイプ材をコ字状に折曲し、折曲側に、エキス
パンドメタルを張って足乗せ部１３が形成され、足乗せ
部１３の端部より突出するパイプ材をそれぞれ下方に折
曲して脚部１４，１４が形成される。また、パイプ材を
折曲する際には、足乗せ部１３の長さが、取付け時にク
ローラ６の外端より突出するように、また、脚部１４，
１４を下方に折曲した際に、脚部１４，１４がパイプ１
１，１１に挿通可能となるように調節して折曲する。

【００１１】尚、足乗せ部１３はエキスパンドメタルを
張って形成するものに限らず、パンチ加工を施した鋼板
や縞鋼板等、足を乗せる際に滑りにくいものであればど
のような物で形成してもよい。

【００１２】次に、上述の実施の形態に示した乗降用ス
テップ９の取付例を、図４乃至図６に基づいて説明す
る。

【００１３】図４は、クローラ６，６を拡張して、作業
を開始するときの杭打機１を示す平面図で、２つの乗降
用ステップ９，９を、一方のクローラフレーム８の前部
外側面に設けられた取付け用ブラケット１０と、他方の
クローラフレーム８の後部外側面に設けられた取付け用
ブラケット１０とに取付ける。これにより、運転者が容
易に運転台５に登れると共に、組立て時等に作業者が容
易にクローラ式走行体２の上部に登ることができる。

【００１４】図５は、ベースマシン本体３を旋回させた
ときの杭打機１を示す平面図で、２つの乗降用ステップ
９，９を、一方のクローラフレーム８の後部外側面に設
けられた取付け用ブラケット１０と、他方のクローラフ
レーム８の前部外側面に設けられた取付け用ブラケット
１０とに取付ける。これにより、運転者及び作業者が容
易にクローラ式走行体２の上部に登ることができる。

【００１５】図６は、クローラ６，６を縮小して、輸送
するときの杭打機１を示す平面図で、２つの乗降用ステ
ップ９，９を、一方のクローラフレーム８の前部内側面
に設けられた取付け用ブラケット１０と、他方のクロー
ラフレーム８の前部内側面に設けられた取付け用ブラケ
ット１０とに取付ける。これにより、輸送時に乗降用ス
テップ９，９が邪魔になる虞がない。

【００１６】尚、本発明の乗降用ステップは、上述の実
施の形態に限らず、足乗せ部と脚部とを別体に形成し、
足乗せ部の一端に脚部を溶接等によって取付けるもので
もよい。また、足乗せ部の脚部は２本に限るものではな
く、ブラケットもそに応じて設ければよく、ブラケット
をクローラフレームに取付ける位置は、クローラクレー
ンや杭打機等の大きさや形状に応じて適宜設ければよ
い。

【００１７】

【発明の効果】本発明の乗降用ステップの取付け構造は
以上のように、クローラフレームに、クローラ式走行体
の上下方向に延びるパイプを備えたブラケットを取付け
ると共に、乗降用ステップを、前記クローラ外端より突
出可能な長さを有した足乗せ部と、該足乗せ部の一端よ
り突出し、前記パイプに挿通可能な脚部とで形成したの
で、簡単な構造で、乗降用ステップを必要なときに確実
にクローラフレームより突出可能に取付けることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図２のＩ−Ｉ断面図である。

【図２】 本発明の実施の形態の一例を示す乗降用ステ
ップの取付け状態を示す平面図である。

【図３】 本発明の実施の形態の一例を示す杭打機の斜
視図である。

【図４】 作業開始時の杭打機の平面図である。

【図５】 ベースマシン本体旋回時の杭打機の平面図で
ある。

【図６】 輸送時の杭打機の平面図である。

【符号の説明】

１…杭打機、２…クローラ式走行体、３…ベースマシン
本体、４…リーダ、５…運転台、６…クローラ、８…ク
ローラフレーム、９…乗降用ステップ、１０…取付ブラ
ケット、１１…パイプ、１２…支持部材、１３…足乗せ
部、１４…脚部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平７−52713（ＪＰ，Ａ) 実開 平６−85147（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B60R 3/00 B62D 55/10 E02F 9/02 E02F 9/16

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 杭打機（１）のクローラ式走行体（２）
   の左右一対のクローラ（６，６）を支持する各クローラ
   フレーム（８）に取付ける乗降用ステップ（９）の取付
   け構造において、各クローラフレーム（８）の内・外両
   側面に、クローラ式走行体（２）の上下方向に延びるパ
   イプ（１１）からなる乗降用ステップ（９）の取付ブラ
   ケット（１０）をそれぞれ設け、前記乗降用ステップ
   （９）を、前記クローラ（６）外端より突出可能な長さ
   を有する足乗せ部（１３）と、該足乗せ部（１３）の一
   端より突出し、前記パイプ（１１）のいずれかに選択的
   に挿通可能な脚部（１４）とで形成し、杭打機（１）の
   輸送時には、前記脚部（１４）をクローラフレーム
   （８）の内側面のパイプ（１１）に挿通できるようにし
   たことを特徴とする乗降用ステップの取付け構造。