JP3274874B2 - エンジンの可変バルブタイミング制御装置 - Google Patents

エンジンの可変バルブタイミング制御装置

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JP3274874B2
JP3274874B2 JP03011892A JP3011892A JP3274874B2 JP 3274874 B2 JP3274874 B2 JP 3274874B2 JP 03011892 A JP03011892 A JP 03011892A JP 3011892 A JP3011892 A JP 3011892A JP 3274874 B2 JP3274874 B2 JP 3274874B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばカムシャフト
に設けられたカムにより駆動される吸排気弁のバルブタ
イミングおよびバルブリフト量を可変するようなエンジ
ンの可変バルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば吸排気弁のバルブリフト量
を変更する動弁機構としては、実開昭61−37411
号公報に記載の如く、吸排気弁のバルブステム上端を押
下するロッカアームを設け、このロッカアームの揺動基
端部に位置固定構造の第1ピボットを配設すると共に、
この第1ピボットと、ロッカアームにおけるカムとの当
接点との間に油圧シリンダにより駆動される位置可動構
造の第2ピボットを配設し、上述の油圧シリンダをエン
ジン回転数および吸気管負圧に基づいて駆動すべく構成
した装置がある。
【0003】そして、上述の従来装置においては低速時
に第2ピボットを後退させ、上述のロッカアームを第1
ピボットを揺動支点として可動させて、吸排気弁のバル
ブリフト量を小さくし、高速時には第2ピボットを前進
させ、上述のロッカアームを第2ピボットを揺動支点と
して可動させ、吸排気弁のバルブリフト量を大きくす
る。つまり、上述のロッカアームのアーム長を変更する
ことで、バルブリフト量を可変すべく構成している。
【0004】しかし、上述の従来装置においては、2つ
のピボットを必要とする関係上、構造が複雑化し、加え
て、エンジンの運転状態に対応して上述の油圧シリンダ
を操作することで、バルブリフト量は変更できるもの
の、ロッカアームとカムとの摺動抵抗を変更することは
不可能で、特に低速時の摺動抵抗が大となり、出力ロス
が発生する問題点があった。
【0005】この従来装置に例えば実開昭62−111
913号公報に記載のローラ式スイングアームの構造を
組込んで、仮りにロッカアームとカムとの間の摺動抵抗
を小さくする構成としても、カムシャフトに設けられた
カムの動力を上述のロッカアームに伝達する経路が単一
経路である関係上、エンジン運転条件に対応した制御要
素(バルブリフト量や摺動抵抗など)の充分な使い分け
が困難となる問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、カムシャ
フトに設けたカムの動力を、リフトアームを介して吸排
気弁に伝達する経路を2経路設けることで、使用条件に
対応して被制御要素(バルブリフト量や摺動抵抗など)
の確実な使い分けができ、また、要求されるバルブリフ
ト量を各種条件下で変更することができ、しかも、2つ
の動力伝達経路を 切換える切換手段により、経路切換機
能とバルブクリアランス自動調整機構とを兼ねること
で、この切換手段の配置性の向上を図ることができる
ンジンの可変バルブタイミング制御装置の提供を目的と
する。
【0007】この発明の一実施態様においては、カムシ
ャフトに設けられたカムに対する要求摺動抵抗を各種条
件で変更することができるエンジンの可変バルブタイミ
ング制御装置の提供を目的とする。
【0008】この発明の一実施態様においては、エンジ
ン運転状態に対応して動力伝達経路を切換えることで、
より一層緻密な制御を行なうことができるエンジンの可
変バルブタイミング制御装置の提供を目的とする。
【0009】この発明の一実施態様においては、低速時
にはカムに対する摺動抵抗を低減して、出力ロスを低下
すると共に、高速時には吸排気弁のバルブリフト量を大
きくし、特に吸気充填効率の向上を図ることができるエ
ンジンの可変バルブタイミング制御装置の提供を目的と
する
【0010】の発明の一実施態様においては、アーム
の回動支点部をロック状態およびフリー状態に切換える
動作を、作動油圧の供給、停止により確実に行なうこと
ができるエンジンの可変バルブタイミング制御装置の提
供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明によるエンジン
の可変バルブタイミング装置は、ロッカシャフトに揺動
可能に配設され、揺動端がバルブに当接するリフトアー
ムと、上記リフトアームに係合し、カムシャフトの第1
カムに摺接する第1アームと、上記リフトアームの上記
揺動端とは異なる基端部に当接する一端部と、上記第1
カムのカムプロフィールとそのカムプロフィールが異な
る第2カムに摺接する他端部と、上記一端部と他端部と
の中間部に回動支点部を有する第2アームと、上記第2
アームの回動支点部をロック状態およびフリー状態に切
換えて、フリー時には第1カム、第1アームを介してリ
フトアームを揺動させる第1の動力伝達経路に切換え、
ロック時には第2カム、第2アームを介してリフトアー
ムを揺動させる第2の動力伝達経路に切換制御する切換
手段とを備え、上記切換手段は、一端が上記回動支点部
に当接するピボットとされ、上記フリー時は可動をフリ
ーにして第2カムの回転による第2アームの遊動を許容
すると共に、上記ロック時は第2カムの回転により第2
アームが上記ピボットを支点として揺動するよう油圧に
より制御され、上記ロック時はバルブクリアランス自動
調整機構を有し、上記切換手段による動力伝達経路の切
換時にバルブリフト量を可変すべく構成したものであ
る。
【0012】この発明の一実施態様においては、上記切
換手段による動力伝達経路の切換時に、上記カムに摺接
する第1、第2アームの摺動抵抗を可変すべく構成した
ものである。
【0013】この発明の一実施態様においては、エンジ
ン運転状態に対応して上記切換手段を駆動するものであ
【0014】この発明の一実施態様においては、上記第
1アームをローラロッカアームにより構成すると共に、
上記第2カムをバルブリフト量が大となるカムプロフィ
ールに設定し、低速時に上記切換手段で第1の動力伝達
経路を選定し、高速時に上記切換手段で第2の動力伝達
経路を選定するものである。
【0015】の発明の一実施態様においては、上記切
換手段は、ボディ内の一側に、外端にピボットを有する
プランジャを配設すると共に、ボディ内の他側にコント
ロール弁を配設して、上記プランジャ内空部のリザーバ
室と、プランジャ後端部で、かつコントロール弁外周の
高圧室とを形成し、上記プランジャリターンスプリング
を付勢する一方、上記コントロール弁の前進時に上記リ
ザーバ室と高圧室とを連通する連通路を開放して、上記
プランジャの可動をフリーに設定し、上記コントロール
弁の後退時に上記連通路を閉止して、上記プランジャを
ロックする油圧供給制御手段を設けたものである。
【0016】
【発明の効果】この発明によれば、上述の切換手段によ
り第2アームの回動支点部をフリー状態にすると、第1
の動力伝達経路が選定されるので、カムシャフトの第1
カムから第1アームおよびリフトアームを介して吸排気
弁に動力が伝達され、また上述の切換手段により第2ア
ームの回動支点部をロック状態にすると、第2の動力伝
達経路が選定されるので、カムシャフトの第2カムから
第2アームおよびリフトアームを介して吸排気弁に動力
が伝達される。
【0017】このように、カムシャフトに設けたカムの
動力を、リフトアームを介して吸排気弁に伝達する経路
を2経路設けたので、使用条件に対応して被制御要素
(たとえばバルブリフト量や摺動抵抗など)の確実な使
い分けができる効果がある。
【0018】しかも、上記切換手段を油圧駆動式に構成
すると共に、この切換手段にバルプクリアランス自動調
整機構いわゆるHLA(ハイドロリックラッシュアジャ
スタ)機構を付加したので、バルブクリアランス零調整
用に別途HLAを設ける必要がなく、このため上述の切
換手段の配置性の向上を図ることができる効果がある。
【0019】また、上述の切換手段による動力伝達経路
の切換時には、バルブリフト量を可変すべく構成したの
で、要求されるバルブリフト量を各種条件下で確実に変
更することができる効果がある。
【0020】すなわち、回動支点部を有する第2アーム
を設け、回動支点部のロック時においては第2カムの回
転をバルブに伝達して、第2カムのカムプロフィールと
第2アームのアーム長との両者によりバルブリフト量を
大に可変することができる。つまり、第2アームの第2
カムとの摺接部とリフトアームのロッカシャフトまでの
距離を、第1アームの第1カムとの摺接部とリフトアー
ムまでの距離よりも大きくでき、この分、容量にバルブ
リフト量を大に可変することができる。
【0021】一方、回動支点部のフリー時においては、
第2カムの回転により第2アームが遊動するので、第2
カムが第2アームに摺接してもリフトアームには第2カ
ムの動力が伝達されず、第1カムによるバルブリフトが
容易に可能となる。
【0022】この発明の一実施態様によれば、上述の切
換手段による動力伝達経路の切換時に、カムに摺接する
第1、第2アームの摺動抵抗を可変すべく構成したの
で、要求される摺動抵抗を各種条件下で確実に変更する
ことができる効果がある。
【0023】この発明の一実施態様によれば、エンジン
運転状態に対応して上記切換手段を駆動すべく構成した
ので、第1および第2の各動力伝達経路をエンジン運転
状態に応じて切換えることができ、より一層緻密な制御
を行うことができる効果がある。
【0024】この発明の一実施態様によれば、低速時に
上記切換手段でローラロッカアームを含む第1の動力伝
達経路を選定し、高速時にバルブリフト量が大となる所
定のカムプロフィールの第2カム側の第2の動力伝達経
路を選定するので、低速時にはカムに対する摺動抵抗を
低減して、出力ロスを低下することができ、また高速時
には吸排気弁のバルブリフト量を大きくし、特に吸気充
填効率の向上を図ることができる効果がある。
【0025】の発明の一実施態様によれば、上述の油
圧供給制御手段により作動油圧の供給を停止して、コン
トロール弁を前進させると、リザーバ室と高圧室とを連
通する連通路が開放されるので、プランジャは前後進可
能なフリー状態に設定され、第2カムの回転による第2
アームの遊動(リフトアームに動力を伝達しない動き)
を許容する一方、油圧供給制御手段により作動油圧を供
給して、コントロール弁を後退させると、リザーバ室と
高圧室とを連通する連通路が閉止され、プランジャは高
圧室内の油圧によりロック状態に設定され、このプラン
ジャ外端のピボットを回動支点部に配置した第2アーム
は第2カムの回転によりピボットを支点として揺動す
る。
【0026】このように、第2アームの回動支点部に配
置する上述のピボットをロック状態およびフリー状態に
切換える動作を、作動油圧の供給、停止により確実に行
うことができ、加えて上述のプランジャに付勢したリタ
ーンスプリングのバネ力により所謂HLA機能を奏する
ので、切換手段の配置性の向上を図りつつ、同切換手段
の制御の容易化を達成することができる効果がある。
【0027】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面はエンジンの可変バルブタイミング制御装
置を示し、図1、図2において、V型エンジンの片方側
バンクを構成するシリンダヘッド1のトップデッキにヘ
ッドカバーガスケット2を介してシリンダヘッドカバー
3を取付ける一方、上述のシリンダヘッド1に形成した
燃焼室4には、3つの吸気ポート5,6,7と、2つの
排気ポート8,9とを形成している。
【0028】また上述の各吸気ポート5,6,7を適宜
開閉する吸気弁10,11,12と、上記各排気ポート
8,9を適宜開閉する排気弁13,14を設けて、吸気
3弁・排気2弁の5弁構造に構成している。
【0029】ここで、上述の各吸排気弁10〜14は、
バルブガイド15内にそのバルブステム16を挿通し、
このバルブステム16の上端部外周に分割コレット17
を介して、スプリングリテーナ18を取付ける一方、シ
リンダベッド1の所定部に配置した下側のスプリングリ
テーナ19と、上述の上側のスプリングリテーナ18と
の間にバルブスプリング20を張架している。
【0030】一方、気筒列方向に延びる吸気カムシャフ
ト21と、排気カムシャフト22とを設け、これらの各
カムシャフト21,22には図3、図4に示す如く、低
速用の第1カム23と、高速用の第2カム24,24と
を一体的に形成すると共に、これら各カム23,24の
カムプロフィールを図3に示す如く互いに異ならせ、第
2カム24のカムプロフィールはバルブリフト量が大に
なるように設定している。
【0031】上述の吸気カムシャフト21および排気カ
ムシャフト22の下方には、これらの各カムシャフト2
1,22と平行に吸気側のロッカシャフト25および排
気側のロッカシャフト26を配設し、これらの各ロッカ
シャフト25,26における高速用の第2カム24と対
応する部分にはリフトアーム27を揺動可能に配設し、
各リフトアーム27の揺動端と特定の吸排気弁10,1
1,13,14におけるバルブステム16上端との間に
は、はさみ金としてのシム(shim)28を介設してい
る。
【0032】ここで、吸気3弁・排気2弁の5弁構造の
うち、吸気側の2弁10,11と排気側の2弁13,1
4とを可変バルブに設定し、吸気3弁側の残りの1弁1
2を不可変バルブに設定し、この不可変バルブに設定さ
れた端部の吸気弁12は上述のロッカシャフト25に揺
動可能に配設した別個のリフトアーム29により駆動す
べく構成している。
【0033】上述の可変バルブに対応する一対のリフト
アーム27,27間における上述のロッカシャフト2
5,26には低速用の第1カム23と摺接する第1アー
ム30を揺動可能に配設している。この第1アーム30
は図3,図4に示す如く、ローラ支持軸31にニードル
ベアリング32(図4参照)を介してローラ33を取付け
たローラロッカアームにより構成している。上述の第1
アーム30の所定箇所には図1、図4に示す如く突部3
0a,30aを一体形成し、この突部30a,30aを
リフトアーム27,27に一体形成された突部27a,
27aと係合させている。
【0034】また上述のリフトアーム27の基端部には
上方に延びる突起27bを一体形成し、この突起27b
と上述の高速用の第2カム24との間には、ロッカアー
ムタイプの第2アーム34を配設している。この第2ア
ーム34は図3に示す如く、上端部34a(他端部)が高
速用の第2カム24に摺接し、下端部34b(リフトア
ーム27の揺動端とは異なる基端部に当接する一端部)
をリフトアーム27の突起27bに係合させると共に、
一端部としての下端部34bと他端部としての上端部3
4a中間部を球状凹形の回動支点部34cに設定し、こ
の回動支点部34cには切換手段35におけるプランジ
ャ36外端のピボット37を配設している。
【0035】この切換手段35は、第2アーム34の回
動支点部34cをロック状態およびフリー状態に切換え
て、フリー時には低速用の第1カム23,ローラロッカ
アームにより構成した第1アーム30を介してリフトア
ーム27を揺動させる第1の動力伝達経路Aに切換え、
ロック時にはバルブクリアランス自動調整機能を発揮す
ると共に、高速用の第2カム24、第2アーム34を介
してリフトアーム27を揺動させる第2の動力伝達経路
Bに切換制御する油圧式の切換手段である。
【0036】次に、図5,図6、図7を参照して上述の
切換手段35の具体的構造について詳述する。この切換
手段は、略円筒状のボディ38内の一側に、外端に上述
のピボット37を有するプランジャ36を配設すると共
に、同ボディ38内の他側にコントロール弁39を配設
して、プランジャ内空部のリザーバ室40と、プランジ
ャ36後端部で、かつコントロール弁39外周の高圧室
41とを形成している。
【0037】また上述のプランジャ36の内空部にはピ
ストンスプリング42を介してピストン43を配設する
一方、約0.5kg/cmの低圧オイルを供給する低圧オ
イル供給通路44を設け、上述のボディ38には該低圧
オイル供給通路44と連通する低圧ポート45を形成し
ている。そして、上述の低圧オイルをプランジャ36外
周の輪溝46および油路47を介して上述のリザーバ室
40に供給すべく構成している。
【0038】さらに上述のボディ38におけるコントロ
ール弁39側には、約2kg/cmの高圧オイルを供給す
る高圧ポート48を形成し、この高圧ポート48を高圧
オイル供給通路49に接続している。
【0039】一方、タンク(オイルパン)50にオイル
ストレーナ51を介してオイルポンプ52を接続し、こ
のオイルポンプ52の吐出ライン53を上述の高圧オイ
ル供給通路49に接続すると共に、吐出ライン53には
高圧オイルの供給を制御する油圧供給制御手段としての
ソレノイド弁54を介設している。
【0040】また上述のボディ38の他端を閉止するカ
バー55と、上述のコントロール弁39との間にはリタ
ーンスプリング56を張架し、ボディ38のリング状の
隔壁38aとプランジャ36の後端との間には別のリタ
ーンスプリング57を張架する一方、コントロール弁3
9の先端部にはバルブシート58、チェックボール5
9、チェックボールスプリング60を配設して、リザー
バ室40側から高圧室41側へのオイル流入のみを許容
するチェック弁61を構成している。
【0041】そして、高圧オイル供給通路49からの作
動油圧の供給を停止した時には、リターンスプリング5
6のバネ力によりコントロール弁39を前進させ、上述
のリザーバ室40と高圧室41とを連通する連通路62
を開放して、プランジャ36の可動をフリーに設定して
いる。
【0042】すなわち、図5、図6はプランジャ36の
フリー状態を示し、プランジャ36が図5の状態から図
6の状態に後退する時は高圧室41内のオイルが連通路
62を介してリザーバ室40に流入し、かつ同室40に
流入したオイルがピストンスプリング42に抗してピス
トン43を図面上、左方に押圧する一方、プランジャ3
6が図6の状態から図5の状態に前進する時は、リター
ンスプリング57のバネ力により同プランジャ36を前
進させると共に、リザーバ室40内のオイルを連通路6
2およびチェック弁61を介して高圧室41に流入させ
ることで、プランジャ36の可動をフリーにする。
【0043】また高圧オイル供給通路49から作動油圧
を供給した時には、リターンスプリング56のバネ力に
抗してコントロール弁39を後退させ、上述のリザーバ
室40と高圧室41とを連通する連通路62を閉止し
て、プランジャ36をロックする。
【0044】すなわち、図7はプランジャ36のロック
状態を示し、高圧室41内に密封されたオイルによりプ
ランジャ36の後退を阻止すると共に、第2アーム34
の若干の前進動に対してはリターンスプリング57のば
ね力によりプランジャ36を追従させ、このリターンス
プリング57と高圧室41内の密封オイルとによりバル
ブクリアランス自動調整機能いわゆるHLA機能を発揮
するように構成している。
【0045】図8は上述のソレノイド弁54を介して切
換手段35を駆動制御するための制御回路を示し、CP
U70はエンジン回転数Neおよびエンジン負荷CEの
各信号入力に基づいて、ROM63に格納されたプログ
ラムに従って、ソレノイド弁54を介して切換手段35
を駆動制御し、またRAM64は必要なデータを記憶す
る。このCPU70の制御により上述のソレノイド弁5
4は高速時に高圧オイルを供給すべくONにされ、低速
時に高圧オイルの供給を停止すべくOFFにされる。な
お、図2において65は点火プラグ、66はシリンダヘ
ッド1の所定開口部に着脱可能に取付けたシム調整用の
カバーである。
【0046】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下作用を説明する。低速時に上述のソレノイド弁
54がOFFにされ、高圧オイルの供給が停止される
と、切換手段35は図5、図6に示す如くそのプランジ
ャ36がフリー状態に設定されるので、カムシャフト2
1,22からの動力伝達経路は低速用の第1カム23か
らローラロッカアームにより構成された第1アーム30
を介してリフトアーム27に伝達される第1の動力伝達
経路Aが選定され、吸排気弁はこのリフトアーム27に
より開閉駆動される。
【0047】一方、高速時に上述のソレノイド弁54が
ONにされ、高圧オイルが供給されると、切換手段35
は図7に示す如くそのプランジャ36がロック状態に設
定されるので、カムシャフト21,22からの動力伝達
経路は高速用の第2カム24からロッカアームタイプの
第2アーム34を介してリフトアーム27に伝達される
第2の動力伝達経路Bが選定され、吸排気弁はこのリフ
トアーム27により開閉駆動される。
【0048】なお、第2カム24が第2アーム34とそ
のベースサークルにて接している時は、第1アーム30
側も第1カム23とベースサークルで接しており、また
第2アーム34によるリフト時は、第1カム23側は、
第1アーム30とベースサークルで当接するか、もしく
は第1アーム30と離間している。
【0049】したがって、第2の動伝達経路B選定時の
第2カム24による動弁制御時においては第1カム23
側からの動力伝達は行なわれていない。
【0050】このように上記実施例のエンジンの可変バ
ルブタイミング制御装置は、ロッカシャフト25,26
に揺動可能に配設され、揺動端がバルブ(吸排気弁1
0,11,13,14参照)に当接するリフトアーム2
7と、上記リフトアーム27に係合し、カムシャフト2
1,22の第1カム23に摺接する第1アーム30と、
上記リフトアーム27の上記揺動端とは異なる基端部
(突起27b参照)に当接する一端部(下端部34b参照)
と、上記第1カム23のカムプロフィールとそのカムプ
ロフィールが異なる第2カム24に摺接する他端部(上
端部34a参照)と、上記一端部と他端部との中間部に
回動支点部34cを有する第2アーム34と、上記第2
アーム34の回動支点部34cをロック状態およびフリ
ー状態に切換えて、フリー時には第1カム23、第1ア
ーム30を介してリフトアーム27を揺動させる第1の
動力伝達経路Aに切換え、ロック時には第2カム24、
第2アーム34を介してリフトアーム27を揺動させる
第2の動力伝達経路Bに切換制御 する切換手段35とを
備え、上記切換手段35は、一端が上記回動支点部34
cに当接するピボット37とされ、上記フリー時は可動
をフリーにして第2カム24の回転による第2アーム3
4の遊動を許容すると共に、上記ロック時は第2カム2
4の回転により第2アーム34が上記ピボット37を支
点として揺動するよう油圧により制御され、上記ロック
時はバルブクリアランス自動調整機構(いわゆるHLA
機構)を有し、上記切換手段35による動力伝達経路
A,Bの切換時にバルブリフト量を可変すべく構成した
ものがある。
【0051】要するに、カムシャフト21,22に設け
たカム23,24の動力を、リフトアーム27を介して
吸排気弁10,11,13,14に伝達する経路を第1
の動力伝達経路Aと第2の動力伝達経路Bとの合計2経
路設けたので、使用条件に対応して被制御要素(例えば
バルブリフト量や摺動抵抗など)の確実な使い分けがで
きる効果がある。
【0052】しかも、上述の切換手段35を油圧駆動式
に構成すると共に、この切換手段35にバルブクリアラ
ンス自動調整機構いわゆるHLA(ハイドロリックラッ
シュアジャスタ)機構を付加したので、別途HLAを設
ける必要がなく、このため上述の切換手段35の配置性
の向上を図ることができる効果がある。
【0053】また上述の切換手段35による第1の動力
伝達経路Aの選定時には、バルブリフト量を小に、第2
の動力伝達経路Bの選定時には、第2カム24のカムプ
ロフィールと第2アーム34のアーム長との両者により
バルブリフト量を大に可変するので、要求されるバルブ
リフト量を各種条件下で確実に変更することができる効
果がある。
【0054】すなわち、回動支点部34cを有する第2
アーム34を設け、回転支点部34cのロック時におい
ては第2カム24の回転をバルブに伝達して、第2カム
24のカムプロフィールと第2アーム34のアーム長と
の両者によりバルブリフト量を大に可変することができ
る。つまり、第2アーム34の第2カム24との摺接
とリフトアーム27のロッカシャフト25,26までの
距離を、第1アーム30の第1カム23との摺接部とリ
フトアーム27までの距離よりも大きくでき、この分、
容量にバルブリフト量を大に可変することができる。
【0055】一方、回動支点部34cのフリー時におい
ては、第2カム24の回転により第2アーム34が遊動
するので、第2カム24が第2アーム34に摺接しても
リフトアーム27には第2カム24の動力が伝達され
ず、第1カム23によるバルブリフトが容易に可能とな
る。
【0056】また、上述の切換手段35による第1の動
力伝達経路Aの選定時には、第1カム23に摺接する摺
動抵抗が小さい側の第1アーム30を介して動力が伝達
され、第2の動力伝達経路Bの選定時には、第2カム2
4に摺接する摺動抵抗が大きい側の第2アーム34を介
して動力が伝達されるので、要求される摺動抵抗を各種
条件下で確実に変更することができる効果がある。
【0057】加えて、上述の切換手段35をエンジン運
転状態に応じて駆動するので、第1の動力伝達経路Aと
第2の動力伝達経路Bとを同様にエンジン運転状態に対
応して切換えることができ、この結果、より一層緻密な
制御を行なうことができる効果がある。
【0058】しかも、低速時には切換手段35に対する
高圧オイルの供給を停止して、ローラロッカアームによ
り構成された第1アーム30側の第1の動力伝達経路A
を選定するので、第1カム23に対する摺動抵抗が小と
なり、出力ロスを低減させることができると共に、上記
オイルの供給を停止するので、エンジン負荷の軽減を図
ることができる効果があり、高速時には切換手段35に
高圧オイルを供給して第2アーム34側の第2の動力伝
達経路Bを選定するので、吸排気弁のバルブリフト量を
大きくすることができ、この結果、特に吸気充填効率の
向上を図ることができる効果がある
【0059】らに、上述のソレノイド弁54による高
圧オイルの供給を停止して、コントロール弁39を前進
させると、リザーバ室40と高圧室41とを連通する連
通路62が開放し、プランジャ36をフリー状態に設定
して、第2カム24の回転による第2アーム34の遊動
(リフトアーム27に動力を伝達しない動き)を許容す
る一方、ソレノイド弁54により高圧オイルを供給し
て、コントロール弁39を後退させると、リザーバ室4
0と高圧室41とを連通する連通路62が閉止され、プ
ランジャ36を高圧室41内に密封されたオイルにより
ロック状態に設定して、このプランジャ36外端のピボ
ット37を回動支点部34cに配置した第2アーム34
が第2カム24の回転によりピボット37を支点として
揺動すべく構成したので、第2アーム34の回動支点部
34cに配置する上述のピボット37およびプランジャ
36をロック状態およびフリー状態に切換える動作を、
作動油圧の供給、停止により確実に行なうことができ、
加えて、上述のプランジャ36に付勢したリターンスプ
リング57のバネ力と高圧室41内に密封されるオイル
との両者により所謂HLA機能を奏するので、切換手段
35の配置性の向上を図りつつ、同切換手段35の制御
の容易化を達成することができる効果がある
【0060】の発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明のバルブクリアランス自動調整機構
は、実施例のプランジャ36、リターンスプリング57
および高圧室41内のオイルに対応し、以下同様に、
ルブは、吸排気弁10,11,13,14に対応し、リ
フトアームの揺動端とは異なる基端部は、突起27bに
対応し、第2アームの一端部は、下端部34bに対応
し、第2アームの他端部は、上端部34aに対応し、
圧供給制御手段は、ソレノイド弁54に対応するも、こ
の発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるもので
はない。
【0061】また上記実施例においてはV型エンジンの
片方側バンクを例示したが直列多気筒エンジンに上記構
成を適用してもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエンジンの可変バルブタイミング制
御装置を示す平面図。
【図2】 エンジンの可変バルブタイミング制御装置を
示す縦断面図。
【図3】 図2の要部拡大図。
【図4】 図3の要部左側面図。
【図5】 切換手段を示す系統図。
【図6】 フリー状態下におけるプランジャ後退動作を
示す系統図。
【図7】 プランジャロック状態を示す系統図。
【図8】 制御回路ブロック図
【符号の説明】
21…吸気カムシャフト 22…排気カムシャフト 23…第1カム 24…第2カム 25,26…ロッカシャフ 7…リフトアーム27b…突起(基端部) 30…第1アーム 34…第2アーム34a…上端部(他端部) 34b…下端部(一端部) 34c…回動支点部 35…切換手段 36…プランジャ 37…ピボット 38…ボディ 39…コントロール弁 40…リザーバ室 41…高圧室 54…ソレノイド弁 57…リターンスプリング 62…連通 …第1の動力伝達経路 B…第2の動力伝達経路

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロッカシャフトに揺動可能に配設され、揺
    動端がバルブに当接するリフトアームと、 上記リフトアームに係合し、カムシャフトの第1カムに
    摺接する第1アームと、上記リフトアームの上記揺動端
    とは異なる基端部に当接する一端部と、上記第1カムの
    カムプロフィールとそのカムプロフィールが異なる第2
    カムに摺接する他端部と、上記一端部と他端部との中間
    部に回動支点部を有する第2アームと、上記第2アーム
    の回動支点部をロック状態およびフリー状態に切換え
    て、フリー時には第1カム、第1アームを介してリフト
    アームを揺動させる第1の動力伝達経路に切換え、ロッ
    ク時には第2カム、第2アームを介してリフトアームを
    揺動させる第2の動力伝達経路に切換制御する切換手段
    とを備え 上記切換手段は、一端が上記回動支点部に当接するピボ
    ットとされ、 上記フリー時は可動をフリーにして第2カムの回転によ
    る第2アームの遊動を許容すると共に、上記ロック時は
    第2カムの回転により第2アームが上記ピボットを支点
    として揺動するよう油圧により制御され、上記ロック時
    はバルブクリアランス自動調整機構を有し、 上記切換手段による動力伝達経路の切換時にバルブリフ
    ト量を可変すべく構成した エンジンの可変バルブタイミ
    ング制御装置。
  2. 【請求項2】上記切換手段による動力伝達経路の切換時
    に、上記カムに摺接する第1、第2アームの摺動抵抗を
    可変すべく構成した請求項1記載のエンジンの可変バル
    ブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】エンジン運転状態に対応して上記切換手段
    を駆動する請求項1または請求項2記載のエンジンの可
    変バルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】上記第1アームをローラロッカアームによ
    り構成すると共に、上記第2カムをバルブリフト量が大
    となるカムプロフィールに設定し、低速時に上記切換手
    段で第1の動力伝達経路を選定し、高速時に上記切換手
    段で第2の動力伝達経路を選定する請求項1記載のエン
    ジンの可変バルブタイミング制御装置。
  5. 【請求項5】上記切換手段は、ボディ内の一側に、外端
    にピボットを有するプランジャを配設すると共に、ボデ
    ィ内の他側にコントロール弁を配設して、上記プランジ
    ャ内空部のリザーバ室と、プランジャ後端部で、かつコ
    ントロール弁外周の高圧室とを形成し、 上記プランジャにリターンスプリングを付勢する一方、 上記コントロール弁の前進時に上記リザーバ室と高圧室
    とを連通する連通路を開放して、上記プランジャの可動
    をフリーに設定し、上記コントロール弁の後退時に上記
    連通路を閉止して、上記プランジャをロックする油圧供
    給制御手段を設けた 請求項1記載のエンジンの可変バル
    ブタイミング制御装置。
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