JP3274554B2 - 起立部を有する発泡成形品の製造方法 - Google Patents
起立部を有する発泡成形品の製造方法Info
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Description
の起立部を有する発泡成形品の製造方法に関する。
チレン等を原料とする型内ビーズ発泡成形品は、軽量で
あり、断熱性、緩衝特性等にも優れているため、各種包
装材、容器、建築用断熱材、自動車用バンパーの芯材等
に広く適用され、又、市販されている。
内ビ−ズ発泡成形品にあっては、軽量かつ圧縮強度が高
いことが要求されるが、特に、魚箱、家電用包装材等に
あっては、運搬時の作業者の労力を軽減するため、又、
落下、衝撃、振動等により容易に破損しないようにする
ため、このような要求は強いものである。
圧縮強度を向上させる方法としては、発泡倍率を低くす
る、すなわち、金型内に充填する発泡粒子の密度を高く
するという方法がよく知られているが、この方法による
と、発泡成形品の重量が増大する、製造コストが高価と
なる、又、緩衝特性が低下するという種々の問題点があ
り、上記要求の一方を満足しない。
成形品においては、気泡径が小さい程圧縮強度が高いと
言われており、かかる気泡径を調整するために通常セル
調整剤が使用されているが、気泡径の調整による圧縮強
度の向上にもあまり大きな効果は期待できないというの
が現状である。
のであり、その目的とするところは、魚箱、家電用包装
材等の起立部を有する発泡成形品において、同一材料、
同一密度であっても圧縮強度のより高い発泡成形品、特
には底壁部の圧縮強度のより高い発泡成形品を得ること
のできる製造方法を提供することにある。
に、請求項1記載の発明は、金型の一方の割型を進退自
在な成形型と固定成形型とから構成し、起立部を有する
発泡成形品の底壁部を形成する部分に進退自在な成形型
を設けた成形金型を用い、先ず、進退自在な成形型を前
進させ、予備発泡粒子をキャビティ内に充填し、加熱膨
張させて粒子群を互いに融着させて起立部を有する中間
発泡体を形成し、次いで、進退自在な成形型を所定の位
置まで後退させて、その型の投影部分のキャビティ容積
を1.1〜2倍に増大させ、中間発泡体をさらに膨張さ
せて、進退自在な成形型を移動する方向の粒子径をこれ
と直角方向の粒子径よりも大とした起立部を有する最終
発泡成形体を形成することを特徴とする起立部を有する
発泡成形品の製造方法である。
割型を進退自在な成形型と固定成形型とから構成し、起
立部を有する発泡成形品の底壁部を形成する部分に進退
自在な成形型を設けた成形金型を用い、先ず、進退自在
な成形型を前進させ、予備発泡粒子をキャビティ内に充
填し、加熱膨張させて粒子群を互いに融着させ、所定の
粒子間空隙を保有し起立部を有する中間発泡体を形成
し、次いで、進退自在な成形型を所定の位置まで後退さ
せて、その型の投影部分のキャビティ容積を1.1〜2
倍に増大させ、中間発泡体をさらに膨張させて、進退自
在な成形型を移動する方向の粒子径をこれと直角方向の
粒子径よりも大とした起立部を有する最終発泡成形体を
形成することを特徴とする起立部を有する発泡成形品の
製造方法である。
る発泡成形品の底壁部は、中間発泡体の段階を経た後、
さらに進退自在な成形型の移動方向に発泡されるから、
底壁部を構成する粒子はその方向に長径となって整列さ
せられる傾向となり、そのため、底壁部のその方向の圧
縮強度は高くなる。
子としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレ
ン等のスチレン系単量体の単独重合体、又はこの種の単
量体相互間の共重合体、或いはこの種の単量体と他の重
合性単量体、例えばブタジエン、イソプレン、塩化ビニ
ル、メチルメタアクリレート等との共重合体等のスチレ
ン系樹脂を使用することができ、その他、ポリプロピレ
ン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び線状
ポリエチレン等の熱可塑性樹脂も使用することができ
る。
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪酸
炭化水素、又は塩化メチル、テトラクロルエチレン等の
ハロゲン化炭化水素、或いは石油エーテル等の易揮発性
物質を膨張剤として使用し、これら膨張剤を2〜15重
量部含ませたスチレン系樹脂粒子を攪拌しながら蒸気に
より加熱し、密度15〜150g/l、粒子径2〜8mm
まで予備発泡させて製造される。
備発泡粒子の加熱膨張は原料樹脂が可塑性を呈する温
度、すなわち熱変形温度(ポリスチレンでは75〜80
℃)以上の温度で行われる。なお、予備発泡粒子を蒸気
により加熱し、粒子が膨張して中間発泡体を形成した時
には通常上記熱変形温度以上の温度状態にあるので、該
中間発泡体から最終発泡成形体を形成するにおいては、
特に外部からさらに加熱する必要はないが、より成形の
促進を図るため、外部からさらに加熱してもよい。
部を有する発泡成形品は、進退自在な成形型の移動方向
の圧縮強度に優れるため、魚箱、家電用包装材等の各種
用途にも有用なものとなる。
成形金型の一例を図面を参照しながら説明する。図1に
おいて、1は雄型、2は雌型であり、雄型1は進退自在
な成形型3及び固定成形型4よりなる。又、5は蒸気は
通過できるが予備発泡粒子は通過できない孔径に穿設し
た多数の蒸気孔である。6は充填ガンであり、7は進退
自在な成形型3を移動させるシリンダ−である。
明の製造方法について説明する。
型3を前進させた状態で予備発泡粒子aを充填ガン6に
よりキャビティ8内に充填し、圧力0.5〜5kg/cm2
Gの加熱蒸気をチャンバー9,10内に5〜10秒導入
して粒子間に存在する空気をできるかぎり除去した後、
さらに同圧の加熱蒸気を約20〜100秒間チャンバー
9,10内に導入して予備発泡樹脂粒子aを加熱膨張さ
せ、粒子相互を融着させて起立部を有する中間発泡体b
を形成する。
に空隙なく完全に密着する状態となるまで融着させても
よいし、粒子間に30%程度までの空隙を残存させて融
着させるようにしてもよい。
まで後退させ、その型の投影部分のキャビティ容積を
1.1〜2倍に増大させ、中間発泡体bをさらに膨張さ
せた後、冷却水を約30秒間チャンバー9,10内に導
入して冷却した後、雄型1又は雌型2を移動させて金型
を開いて起立部を有する最終発泡成形体cを得る。
には、特に中間発泡体bにおいて15〜30%の空隙を
残存させておいた場合には、チャンバー9,10内に加
熱蒸気を導入して中間発泡体bをさらに加熱膨張させる
のが好ましい。
形型3の側壁部3aと雌型2の側壁部2aとで包囲され
る領域が起立部となり、進退自在な成形型3の上壁部3
bと雌型2の底壁部2bとで包囲される領域が底壁部と
なる。最終発泡成形体cの底壁部においては、図2に示
すように、進退自在な成形型3を移動する方向(矢印方
向)の粒子径がこれと直角方向の粒子径よりも大とな
り、この方向に対する圧縮強度がこれの直角方向の圧縮
強度より大となる。
によるその型の投影部分のキャビティ容積の増大が1.
1倍より低いと、得られる最終発泡成形体cの底壁部の
圧縮強度の向上は顕著ではなく、一方、2倍を越すと、
底壁部の表面が平滑な最終発泡成形体c(キャビティ形
状に忠実な発泡成形品)を得ることはできない。
圧縮強度が向上し、しかもキャビティ形状に忠実な底壁
部形状を有する発泡成形品を製造できることを、具体的
実施例に基づいて説明する。
し、先ず、進退自在な成形型3を前進させ、この時形成
されたキャビティ8内にポリスチレン予備発泡粒子a
(嵩密度0.026g/cm3 )を充填し、次いで、圧力
0.6kg/cm2 Gの蒸気を5秒間チャンバ−9,10内
を通してキャビティ8内に導入して脱気した後、同圧の
蒸気を20秒間導入して空隙率が約10%の起立部を有
する中間発泡体bを得た(第1工程)。
なく、80℃以上の温度に保持した状態で進退自在な成
形型3を所定の位置まで後退させ(後退速度68m/
秒)、その型の投影部分のキャビティ容積を1.3倍に
増大させ、圧力0.6kg/cm2Gの蒸気を15秒間チャ
ンバ−9,10内を通してキャビティ8内に導入し、さ
らに膨張させてキャビティ8形状に忠実な起立部を有す
る最終発泡成形体cとし(第2工程)、その後チャンバ
ー9,10内に20℃の水を15秒間導入し、さらに5
分間放冷した後型開きし、底壁部の密度約0.02g/
cm3 の表面平滑なキャビティ8形状に忠実な起立部を有
する発泡成形品を得た。
底壁部の高さ方向の5%ひずみ時の圧縮強度は1.71
kg/cm2 であり、これと直角方向の5%ひずみ時の圧縮
強度は1.22kg/cm2 であった。
し、進退自在な成形型3を所定位置まで後退させ、この
時形成されたキャビティ内にポリスチレン予備発泡粒子
a(嵩密度0.026g/cm3 )を充填し、次いで、圧
力0.6kg/cm2 Gの蒸気を5秒間チャンバ−9,10
内を通してキャビティ8内に導入して脱気した後、さら
に、同圧の蒸気を35秒間チャンバ−9,10内を通し
てキャビティ8内に導入した。
水を15秒間導入し、さらに5分間放冷した後型開き
し、底壁部の密度約0.026g/cm3 の起立部を有す
る発泡成形品を得た。
底壁部の高さ方向の5%ひずみ時の圧縮強度は1.89
kg/cm2 であり、これと直角方向の5%ひずみ時の圧縮
強度は1.86kg/cm2 であった。
粒子を用いる他は実施例1と同様の条件、工程により起
立部を有する発泡成形品を製造した。得られた発泡成形
品の圧縮強度は表1に示すものであった。
粒子を用いる他は比較例1と同様の条件、工程により起
立部を有する発泡成形品を製造した。得られた発泡成形
品の圧縮強度は表1に示すものであった。
として嵩密度0.042g/cm3 のものを用い、キャビ
ティ8容積を1.6倍に増大させる他は実施例1と同様
の条件、工程により起立部を有する発泡成形品を製造し
た。得られた発泡成形品の圧縮強度は表1に示すもので
あった。
し、先ず、進退自在な成形型3を前進させ、この時形成
されたキャビティ8内にポリスチレン予備発泡粒子a
(嵩密度0.026g/cm3 )を充填し、次いで、圧力
0.6kg/cm2 Gの蒸気を5秒間チャンバ−9,10内
を通してキャビティ8内に導入して脱気した後、同圧の
蒸気を30秒間導入して空隙がない中間発泡体bを得た
(第1工程)。
まで後退させ(後退速度68m/秒)、その型の投影部
分のキャビティ容積を1.3倍に増大させ、さらに発泡
させてキャビティ8形状に忠実な最終発泡成形体cとし
(第2工程)、その後チャンバー9,10内に20℃の
水を15秒間導入し、さらに5分間放冷した後型開き
し、底壁部の密度約0.02g/cm3 の表面平滑なキャ
ビティ8形状に忠実な起立部を有する発泡成形品を得
た。得られた発泡成形品の圧縮強度は表1に示すもので
あった。
る起立部を有する発泡成形品(実施例)の底壁部は、通
常の製造方法により得られる起立部を有する発泡成形品
(比較例)の底壁部に比べて、高さ方向の圧縮強度にお
いて約30〜40%向上していることが確認された。
部を有する発泡成形品(実施例)の底壁部は、いずれも
キャビティ形状に忠実なものであった。
する発泡成形品において、同一材料、同一密度であって
も底壁部の圧縮強度のより高い発泡成形品を製造するこ
とができ、材料の節約が可能で大幅な製造コストの削減
が見込め、その経済的効果は多大であるとともに、キャ
ビティ形状に忠実な起立部を有する発泡成形品を製造す
ることができる。
って、(A)は中間発泡体成形時における状態、(B)
は最終発泡成形体成形時における状態を示す図である。
面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 金型の一方の割型を進退自在な成形型と
固定成形型とから構成し、起立部を有する発泡成形品の
底壁部を形成する部分に進退自在な成形型を設けた成形
金型を用い、先ず、進退自在な成形型を前進させ、予備
発泡粒子をキャビティ内に充填し、加熱膨張させて粒子
群を互いに融着させて起立部を有する中間発泡体を形成
し、次いで、進退自在な成形型を所定の位置まで後退さ
せて、その型の投影部分のキャビティ容積を1.1〜2
倍に増大させ、中間発泡体をさらに膨張させて、進退自
在な成形型を移動する方向の粒子径をこれと直角方向の
粒子径よりも大とした起立部を有する最終発泡成形体を
形成することを特徴とする起立部を有する発泡成形品の
製造方法。 - 【請求項2】 金型の一方の割型を進退自在な成形型と
固定成形型とから構成し、起立部を有する発泡成形品の
底壁部を形成する部分に進退自在な成形型を設けた成形
金型を用い、先ず、進退自在な成形型を前進させ、予備
発泡粒子をキャビティ内に充填し、加熱膨張させて粒子
群を互いに融着させ、所定の粒子間空隙を保有し起立部
を有する中間発泡体を形成し、次いで、進退自在な成形
型を所定の位置まで後退させて、その型の投影部分のキ
ャビティ容積を1.1〜2倍に増大させ、中間発泡体を
さらに膨張させて、進退自在な成形型を移動する方向の
粒子径をこれと直角方向の粒子径よりも大とした起立部
を有する最終発泡成形体を形成することを特徴とする起
立部を有する発泡成形品の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21144293A JP3274554B2 (ja) | 1992-09-04 | 1993-08-26 | 起立部を有する発泡成形品の製造方法 |
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JP4-262901 | 1992-09-04 | ||
JP21144293A JP3274554B2 (ja) | 1992-09-04 | 1993-08-26 | 起立部を有する発泡成形品の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06170962A JPH06170962A (ja) | 1994-06-21 |
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DE102020113838A1 (de) | 2020-05-22 | 2021-11-25 | Siegfried Hofmann Gmbh | Formwerkzeug zur Verarbeitung von expandierbaren oder expandierten Kunststoffpartikeln |
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