JPH06145409A - 発泡性スチレン系樹脂粒子およびその製造方法 - Google Patents

発泡性スチレン系樹脂粒子およびその製造方法

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JPH06145409A
JPH06145409A JP30415192A JP30415192A JPH06145409A JP H06145409 A JPH06145409 A JP H06145409A JP 30415192 A JP30415192 A JP 30415192A JP 30415192 A JP30415192 A JP 30415192A JP H06145409 A JPH06145409 A JP H06145409A
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JP
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resin particles
molded product
styrene
styrene resin
expandable
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JP30415192A
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English (en)
Inventor
Masao Ijiri
正雄 井尻
Yasuyuki Sunakawa
康行 砂川
Masatoshi Yamashita
昌利 山下
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 粉砕された発泡スチレン系樹脂成形体を押出
機中で加熱溶融して押し出し、切断してスチレン系樹脂
粒子 (A)とし、このスチレン系樹脂粒子 (A)にグリセリ
ドを添加して混合練成した後、再び押出機中で加熱溶融
して押し出し、切断してスチレン系樹脂粒子 (B)を得
る。次に、このスチレン系樹脂粒子 (B)を水性媒体中に
分散させ、発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒
子 (C)を得る。 【効果】 発泡性スチレン系樹脂粒子 (C)は、発泡成形
されたときに、適正な気泡数を有することとなる。この
発泡性スチレン系樹脂粒子 (C)を発泡成形することによ
り、使用済みの発泡スチレン系樹脂成形体、あるいは成
形時に副生する裁断屑、不良品等を良好な発泡スチレン
系樹脂成形体として再生することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡性スチレン系樹脂
粒子およびその製造方法に関し、詳しくは使用済みの発
泡スチレン系樹脂成形体、あるいは成形時に副生する裁
断屑、不良品等を再生して発泡成形体として再利用し得
る発泡性スチレン系樹脂粒子およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】発泡スチレン系樹脂成形体は、家電製品
等の包装材、緩衝材、あるいは魚介類等の搬送用容器と
して多用されているが、その一方で、使用済みの発泡ス
チレン系樹脂成形体の廃棄は、社会的に大きな問題とな
っている。そこで、近年では、使用済みの発泡スチレン
系樹脂成形体を再生して、良好な発泡成形体として再利
用可能な発泡性スチレン系樹脂粒子を得るために、種々
の研究が進められている。
【0003】従来では、使用済みの発泡スチレン系樹脂
成形体を粉砕し、押出機中で加熱溶融し、ダイスより押
し出して冷却した後、切断してペレット状の再生樹脂粒
子を作製し、この再生樹脂粒子に発泡剤を含浸すること
により、上記のような発泡性スチレン系樹脂粒子を得る
という方法が採用されている。そして、このようにして
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を水蒸気によって加
熱・発泡させることにより発泡成形体が作製されるよう
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
方法で作製された発泡性スチレン系樹脂粒子を水蒸気に
より発泡成形させた発泡成形体(以下、成形品と称す
る)では、気泡が極端に細かくなり、発泡成形時での耐
熱性に劣る結果、成形品の収縮が激しく、また、発泡粒
同士の密着性が悪いため、満足な成形外観を有するもの
を得ることができない。さらに、最高可能発泡度が低
く、発泡成形時の操作条件の許容度が狭く、成形品の物
性強度も一般品に比べて小さいという欠点がある。
【0005】その上、このような欠点は、特に発泡倍数
の大きい成形品において顕著であり、しかも、発泡剤含
浸後の経時と共に、上記のような傾向が強くなり、含浸
後7日以上経過すると殆ど成形不可能となり、実用に供
するものが得られないという問題を有している。
【0006】また、上記のような問題を解決するため、
特公昭56−34171 号公報に開示されているように、押出
時にハイインパクトポリスチレンを混和する製造方法が
提案されている。このような製造方法により得られた発
泡性スチレン系樹脂粒子においては、ある程度、経時変
化は小さくなり、成形品の強度も改善されるものの、そ
の効果は完全でなく、さらには、経時により発泡力が低
下する傾向にあると共に、使用済みの発泡スチレン系樹
脂成形体 100重量部に対してハイインパクトポリスチレ
ンを 5重量部以上混和する必要があり、製造コストの面
で不利であるという問題を有している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記の
課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、物性強
度に優れ、かつ、満足な成形外観を有する発泡成形体
は、例えば発泡倍数50倍前後の成形品において、気泡数
が30〜200 個/mm2 の範囲にあることを見出した。ま
た、上記従来のようにして作製したペレット状の再生樹
脂粒子に発泡剤を含浸させることにより作製した発泡性
スチレン系樹脂粒子を発泡成形して得られた成形品は、
気泡数が400 個/mm2 以上となることが判明した。そし
て、気泡数が極端に少ない場合、即ち、気泡のセルサイ
ズが粗い場合は、成形品の物性強度が小さくなり、包装
材、緩衝材としての利用価値が低下する一方、気泡数が
極端に多い場合、即ち、気泡のセルサイズが細かい場合
は、耐熱性が低下する結果、発泡成形時に発泡成形体表
面が溶融(所謂、トケ)したり、あるいは成形品が収縮
し、満足な成形外観を有するものが得られなくなること
が明らかとなった。
【0008】そこで、使用済みの発泡スチレン系樹脂成
形体から発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する際に、上
記使用済みの発泡スチレン系樹脂成形体を粉砕後、モノ
グリセリド、ジグリセリド、または両者の混合物を混合
練成し、押出機中で加熱溶融して押し出すことにより、
成形品の気泡数を30〜200 個/mm2 の範囲に調整する方
法を見出した。その結果、成形品が収縮することなく、
かつ物性強度に優れ、さらには、経時変化等が小さい発
泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができ、本発明を完
成させるに至った。
【0009】即ち、請求項1記載の発明の発泡性スチレ
ン系樹脂粒子は、廃発泡スチレン系樹脂成形体から再生
された再生樹脂であり、廃発泡スチレン系樹脂成形体
に、モノグリセリド、ジグリセリド、または両者の混合
物が混合練成されたものであることを特徴としている。
【0010】また、請求項2記載の発明の発泡性スチレ
ン系樹脂粒子の製造方法は、廃発泡スチレン系樹脂成形
体に、モノグリセリド、ジグリセリド、または両者の混
合物を混合練成し、押出機中で加熱溶融して押し出し、
切断することにより作製された再生樹脂粒子を水性媒体
中に分散させ、発泡剤を含浸させることを特徴としてい
る。
【0011】本発明において、その出発原料として用い
られる廃発泡スチレン系樹脂成形体は、スチレンまたは
スチレンを主成分とした共重合体樹脂に、発泡剤が混合
されて押出成形された成形品、あるいは上記樹脂の粒子
に発泡剤を含浸させて発泡性粒子となし、これを予備発
泡した後、一定の型内で発泡成形して得られる成形品等
が含まれ、各種容器、梱包材、緩衝材、その他一定の用
途に供された後の廃棄されるべき成形品、これらの成形
品を製造するときに副生する裁断屑、あるいは成形不良
品等が含まれる。また、発泡性スチレン系樹脂粒子は、
最終的に発泡成形体の原料として供されるので、粒子一
個当たりの重量が 0.3〜3 mgの範囲であることが好まし
い。尚、上記の発泡性スチレン系樹脂粒子の基材樹脂中
には、充填剤、可塑剤、難燃剤、滑剤、着色剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤等、種々の添加剤が含有されていて
もよい。
【0012】また、本発明における発泡性スチレン系樹
脂粒子は、廃発泡スチレン系樹脂成形体の他に、スチレ
ンまたはスチレンを主成分とした共重合体樹脂を副原料
として用いても何ら差し支えない。スチレンを主成分と
した共重合体樹脂としては、例えば、スチレン単量体と
α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸も
しくはメタクリル酸と1〜8個の炭素原子数を有するア
ルコールとのエステル、マレイン酸、フマル酸と1〜8
個の炭素原子数を有するアルコールとのエステル、無水
マレイン酸等が挙げられる。また、上記のスチレンまた
はスチレンを主成分とした共重合体樹脂は、ジビニルベ
ンゼン、ブタジエン、ポリエチレングリコールジメタク
リレート等を架橋剤として少量含有していてもよい。
【0013】また、モノグリセリドおよびジグリセリド
としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パ
ルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、リノール酸、エルカ酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸
とグリセリンとのエステルが挙げられる。これらのモノ
グリセリドおよびジグリセリドは、単独で使用してもよ
いし、また、二種以上併用してもよい。さらに、上記の
モノグリセリド、ジグリセリド、または両者の混合物を
主成分とするグリセリドであってもよい。本実施例にお
いては、ステアリン酸モノグリセリドを主成分とするグ
リセリドが特に好ましい。
【0014】モノグリセリド、ジグリセリド、または両
者の混合物(以下、単にグリセリドと称する)の添加量
は、廃発泡スチレン系樹脂成形体の組成や平均分子量等
により調整され、廃発泡スチレン系樹脂成形体 100重量
部に対して、 0.3重量部〜 5重量部が好ましい。添加量
が 0.3重量部よりも少ない場合は、グリセリドによる気
泡数の調整の効果が不充分となり、また、添加量が 5重
量部よりも多い場合は、製造コストの面で不利である上
に、再生樹脂粒子に発泡剤を含浸させる際に、粒子が変
形する虞れが生じるので好ましくない。
【0015】グリセリドの廃発泡スチレン系樹脂成形体
への混合練成方法としては、例えば、ベント口を備えた
押出機中で廃発泡スチレン系樹脂成形体を加熱溶融する
と共に、上記のベント口よりグリセリドを投入して混合
練成する方法、あるいは、廃発泡スチレン系樹脂成形体
を加熱溶融してペレット状の樹脂粒子を一旦作製し、こ
の樹脂粒子とグリセリドとをブレンダー等の混練機に投
入して混合練成する方法等が挙げられる。尚、廃発泡ス
チレン系樹脂成形体から再生樹脂粒子を作製するまでの
間にグリセリドが混合練成されるものであれば、いかな
る方法であってもよく、上記の混合練成方法に限定され
るものではない。また、押出機の押し出し条件は、再生
樹脂粒子が均一な大きさに形成され、かつスチレン系樹
脂にグリセリドが均一に混合練成される条件であればよ
い。
【0016】また、上記の再生樹脂粒子を水性媒体中に
分散させる際には、分散剤を用いてもよい。上記の分散
剤としては、例えば、部分鹸化ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシ
ルメチルセルローズ、メチルセルローズ、ステアリン酸
カルシウム、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレ
ンビスステアリン酸アミド等の有機化合物の他、リン酸
カルシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、
リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、炭酸マ
グネシウム、酸化マグネシウム等の水に難溶性の微粉末
からなる無機化合物を挙げることができる。この発明の
方法において、分散剤として無機化合物を用いる場合に
は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如き界面
活性剤を併用することが好ましい。
【0017】また、発泡剤としては、沸点がスチレン系
樹脂の軟化点以下であって、常圧でガス状もしくは液状
の有機化合物が適しており、例えば、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、
ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、ジクロロフルオ
ロメタン、トリフルオロクロロメタン等のハロゲン化炭
化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロ
ピルエーテル、メチルエチルエーテル等の低沸点のエー
テル化合物等が用いられる。これらの発泡剤は、単独で
使用してもよいし、また、二種以上併用してもよい。
【0018】尚、発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する
際に、発泡剤の再生樹脂粒子への浸透を促進し、かつ発
泡助剤として作用する溶剤を用いても何ら差し支えな
い。このような溶剤としては、芳香族炭化水素、例えば
トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が好適である。
【0019】
【作用】請求項1記載の発泡性スチレン系樹脂粒子は、
廃発泡スチレン系樹脂成形体に、モノグリセリド、ジグ
リセリド、または両者の混合物が混合練成されたもので
ある。これにより、この発泡性スチレン系樹脂粒子は、
発泡成形されたときに、適正な気泡数を有することとな
る。また、上記の発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形
することにより、収縮等がなく良好な成形外観を有する
と共に、物性強度に優れた発泡スチレン系樹脂成形体と
して再生することが可能となる。即ち、使用済みの発泡
スチレン系樹脂成形体、あるいは成形時に副生する裁断
屑、不良品等を良好な発泡スチレン系樹脂成形体として
再生することが可能となる。
【0020】また、請求項2記載の発泡性スチレン系樹
脂粒子の製造方法は、廃発泡スチレン系樹脂成形体に、
モノグリセリド、ジグリセリド、または両者の混合物を
混合練成し、押出機中で加熱溶融して押し出し、切断す
ることにより作製された再生樹脂粒子を水性媒体中に分
散させ、発泡剤を含浸させるものである。これにより、
適正な気泡数を有する発泡スチレン系樹脂成形体として
発泡成形される経時変化の小さい発泡性スチレン系樹脂
粒子を提供することが可能となる。また、上記の発泡性
スチレン系樹脂粒子を発泡成形することにより、収縮等
がなく良好な成形外観を有すると共に、物性強度に優れ
た発泡スチレン系樹脂成形体として再生することが可能
となる。即ち、使用済みの発泡スチレン系樹脂成形体、
あるいは成形時に副生する裁断屑、不良品等を良好な発
泡スチレン系樹脂成形体として経済的な不都合を生じる
ことなく再生することが可能となる。
【0021】
【実施例】以下の実施例中に記載の部は、全て重量部を
示すものである。
【0022】〔実施例1〕先ず、廃発泡スチレン系樹脂
成形体を粉粋した後、これを押出機中で加熱溶融し、ノ
ズルより押し出すと共に、冷却後切断して(ストランド
カット方式)、直径1 mm〜1.6 mm、長さ 1.5mm〜 2.5mm
の略円柱状のスチレン系樹脂粒子 (A)を得た。
【0023】次に、上記のスチレン系樹脂粒子 (A) 100
部をブレンダーに投入し、これに太陽化学株式会社製・
サンソフト No.8000P (商品名、主成分:牛脂硬化油モ
ノグリセリド >90%) 0.5部を添加して混合練成した
後、再び押出機中で加熱溶融し、ノズルより押し出すと
同時に回転刃により切断して(ホットカット方式)、直
径1.1 mm〜1.5 mmの略球状の再生樹脂粒子としてのスチ
レン系樹脂粒子 (B)を得た。
【0024】次に、撹拌機付き反応器に、上記のスチレ
ン系樹脂粒子 (B) 100部、水性媒体としての純水 160
部、分散剤であるピロリン酸マグネシウム 0.4部および
メチレンビスステアリン酸アミド0.05部、界面活性剤で
あるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.02部、お
よび溶剤であるトルエン 1.3部を仕込んだ後、反応器を
密閉し、撹拌すると共に、発泡剤としてのブタン12部を
圧入した。上記の反応器内の温度を 100℃とし、この温
度で 4時間保持してブタンをスチレン系樹脂粒子(B)に
含浸させた後、30℃まで冷却して反応器から取り出し、
脱水乾燥して本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子 (C)を
得た。
【0025】そして、ブタン含浸後 7日目および21日目
の各発泡性スチレン系樹脂粒子 (C)を水蒸気で加熱・発
泡させて発泡倍数55倍の予備発泡粒子とし、この予備発
泡粒子を24時間熟成後、30cm×40cm×10cmの金型内に充
填し、水蒸気圧0.8 kgf/cm2で20秒間加熱して発泡成形
体を得た。得られた各成形品の成形外観、内部融着、お
よび気泡数の測定を行った。また、その結果を表1に示
した。
【0026】〔実施例2〕実施例1における太陽化学株
式会社製・サンソフト No.8000P の添加量を 1.0部とし
た以外は、実施例1と同様の操作を行って発泡性スチレ
ン系樹脂粒子 (C)を作製し、評価した。また、その結果
を表1に示した。
【0027】〔実施例3〕実施例1における太陽化学株
式会社製・サンソフト No.8000P の添加量を 3.0部とし
た以外は、実施例1と同様の操作を行って発泡性スチレ
ン系樹脂粒子 (C)を作製し、評価した。また、その結果
を表1に示した。
【0028】〔実施例4〕実施例1における太陽化学株
式会社製・サンソフト No.8000P に代えて太陽化学株式
会社製・サンソフト No.8004(商品名、主成分:大豆硬
化油モノグリセリド >90%) 1.0部を添加した以外
は、実施例1と同様の操作を行って発泡性スチレン系樹
脂粒子 (C)を作製し、評価した。また、その結果を表1
に示した。
【0029】〔実施例5〕実施例1における太陽化学株
式会社製・サンソフト No.8000P に代えて太陽化学株式
会社製・サンソフト No.30(商品名、主成分:ステアリ
ン酸モノグリセリド 約40%と、ステアリン酸ジグリセ
リドとの混合物) 1.0部を添加した以外は、実施例1と
同様の操作を行って発泡性スチレン系樹脂粒子 (C)を作
製し、評価した。また、その結果を表1に示した。
【0030】〔比較例1〕実施例1における太陽化学株
式会社製・サンソフト No.8000P を添加しない以外は、
実施例1と同様の操作を行って発泡性スチレン系樹脂粒
子(C')を作製し、評価した。また、その結果を表1に示
した。
【0031】
【表1】
【0032】〔実施例6〕実施例2にて得られた各成形
品を用いて、曲げ強度および圧縮強度の試験を行った。
尚、圧縮強度および曲げ強度の測定は、JIS規格のA
9511に準じて行った。また、その結果を表2に示した。
【0033】〔比較例2〕比較例1にて得られた各成形
品を用いて、実施例6と同様にして曲げ強度および圧縮
強度の試験を行った。また、その結果を表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】表1からわかるように、実施例1〜5で作
製した発泡性スチレン系樹脂粒子 (C)を発泡成形して得
られた各成形品は、気泡数が30〜80個/mm2 の範囲に調
整され、良好な成形外観を有し、かつ、内部まで充分に
融着している。さらに、ブタン含浸後21日目において
も、気泡数が60〜200 個/mm2 の範囲に調整され、良好
な成形外観および内部融着を有する成形品を得ることが
でき、上記の発泡性スチレン系樹脂粒子 (C)の経時変化
が小さいことがわかる。
【0036】一方、比較例1では、グリセリドを混合練
成していない発泡性スチレン系樹脂粒子(C')を使用して
いるため、スチレン系樹脂粒子 (A)の改質が充分に行わ
れず、この発泡性スチレン系樹脂粒子(C')から得られる
成形品は、気泡数が 200〜400 個/mm2 となり、満足な
成形外観が得られず、内部融着が不充分で、かつ収縮が
起こった。さらに、ブタン含浸後21日目においては、気
泡が極端に細かくなり、また、内部融着が起こらず、成
形不良となった。
【0037】また、表2からわかるように、実施例2で
作製した発泡性スチレン系樹脂粒子(C)を発泡成形して
得られた成形品は、曲げ強度および圧縮強度等の物性強
度が良好である。さらに、ブタン含浸後21日目において
も、これら物性強度は殆ど変化せず、上記の発泡性スチ
レン系樹脂粒子 (C)の経時変化が小さいことがわかる。
【0038】一方、比較例1では、グリセリドを混合練
成していない発泡性スチレン系樹脂粒子(C')を使用して
いるため、この発泡性スチレン系樹脂粒子(C')から得ら
れる成形品は、曲げ強度および圧縮強度等の物性強度が
不充分であった。尚、ブタン含浸後21日目においては、
成形不良のため、物性測定が不能となった。
【0039】これにより、廃発泡スチレン系樹脂成形体
を良好な発泡成形体として再生利用可能な発泡性スチレ
ン系樹脂粒子は、気泡数が30〜200 個/mm2 の範囲に調
整されることが必要であると共に、上記の廃発泡スチレ
ン系樹脂成形体に、モノグリセリド、ジグリセリド、ま
たは両者の混合物を混合練成することにより、再生利用
可能な発泡性スチレン系樹脂粒子が得られることが判明
した。
【0040】以上のように、廃発泡スチレン系樹脂成形
体 100部に、モノグリセリド、ジグリセリド、または両
者の混合物を 0.3〜 5部添加し、混合練成し、押出機中
で加熱溶融して押し出し、切断することによりスチレン
系樹脂粒子 (B)を作製し、このスチレン系樹脂粒子 (B)
を水性媒体中に分散させ、発泡剤を含浸させることによ
り、発泡性スチレン系樹脂粒子 (C)を作製することがで
きる。
【0041】そして、この発泡性スチレン系樹脂粒子
(C)を発泡成形することにより、内部まで充分に融着
し、美麗な成形外観を有すると共に、曲げ強度、圧縮強
度等の物性強度の優れた発泡成形体を得ることができ
る。しかも、上記の発泡性スチレン系樹脂粒子 (C)は経
時変化が非常に小さく、発泡剤含浸後21日目においても
充分に成形可能である。この結果、使用済みの発泡スチ
レン系樹脂成形体、あるいは成形時に副生する裁断屑、
不良品等を再生して良好な発泡成形体として再利用可能
な発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることが可能となる。
【0042】尚、上記の実施例1〜6は、本発明を限定
するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能
である。例えば、スチレン系樹脂粒子 (B)の製造過程に
おいて、グリセリドと混合練成されたスチレン系樹脂
(A)を押出機中で加熱溶融して押し出す際の造粒方法と
しては、上記実施例では、押し出しと同時に切断するホ
ットカット方式を採用しているが、冷却後切断するスト
ランドカット方式を用いても差し支えない。
【0043】さらに、例えば、スチレン系樹脂粒子 (B)
の製造過程において、廃発泡スチレン系樹脂成形体とグ
リセリドとの混合練成方法としては、上記実施例では、
廃発泡スチレン系樹脂成形体を加熱溶融してスチレン系
樹脂 (A)を一旦作製し、このスチレン系樹脂 (A)とグリ
セリドとをブレンダーに投入して混合練成する方法を採
用しているが、廃発泡スチレン系樹脂成形体を押出機中
で加熱溶融すると共に、押出機のベント口よりグリセリ
ドを投入して混合練成する方法を用いても差し支えな
い。
【0044】また、何れの方法においても、押出機のベ
ント口より減圧吸引することが望ましく、これにより、
再生樹脂粒子中の揮発分を減少させることができる。さ
らに、出発原料として用いられる廃発泡スチレン系樹脂
成形体の種類による揮発分のバラツキを最小限度に押さ
えることができ、得られる発泡性スチレン系樹脂粒子の
品質安定に有利である。
【0045】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の発泡性スチレン
系樹脂粒子は、以上のように、廃発泡スチレン系樹脂成
形体から再生された再生樹脂であり、廃発泡スチレン系
樹脂成形体に、モノグリセリド、ジグリセリド、または
両者の混合物が混合練成されたものである。
【0046】それゆえ、この発泡性スチレン系樹脂粒子
は、発泡成形されたときに、適正な気泡数を有すること
となる。そして、この発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡
成形することにより、使用済みの発泡スチレン系樹脂成
形体、あるいは成形時に副生する裁断屑、不良品等を良
好な発泡スチレン系樹脂成形体として再生することが可
能となるという効果を奏する。
【0047】本発明の請求項2記載の発泡性スチレン系
樹脂粒子の製造方法は、以上のように、廃発泡スチレン
系樹脂成形体に、モノグリセリド、ジグリセリド、また
は両者の混合物を混合練成し、押出機中で加熱溶融して
押し出し、切断することにより作製された再生樹脂粒子
を水性媒体中に分散させ、発泡剤を含浸させるものであ
る。
【0048】それゆえ、適正な気泡数を有する発泡スチ
レン系樹脂成形体として発泡成形される発泡性スチレン
系樹脂粒子を提供することが可能となる。そして、この
発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形することにより、
使用済みの発泡スチレン系樹脂成形体、あるいは成形時
に副生する裁断屑、不良品等を良好な発泡スチレン系樹
脂成形体として経済的な不都合を生じることなく再生す
ることが可能となるという効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃発泡スチレン系樹脂成形体から再生され
    た再生樹脂であり、廃発泡スチレン系樹脂成形体に、モ
    ノグリセリド、ジグリセリド、または両者の混合物が混
    合練成されたものであることを特徴とする発泡性スチレ
    ン系樹脂粒子。
  2. 【請求項2】廃発泡スチレン系樹脂成形体に、モノグリ
    セリド、ジグリセリド、または両者の混合物を混合練成
    し、押出機中で加熱溶融して押し出し、切断することに
    より作製された再生樹脂粒子を水性媒体中に分散させ、
    発泡剤を含浸させることを特徴とする発泡性スチレン系
    樹脂粒子の製造方法。
JP30415192A 1992-11-13 1992-11-13 発泡性スチレン系樹脂粒子およびその製造方法 Pending JPH06145409A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1013708A3 (en) * 1998-12-23 2000-08-23 Demetrio Federico Method for recycling expanded polystyrene
WO2003032783A1 (fr) * 2001-10-11 2003-04-24 Sekisui Plastics Co., Ltd. Corps de coussin et garniture en particules de resine expansee
JP2009235250A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Kaneka Corp 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法

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