JP2999352B2 - 着色スチレン系樹脂予備発泡粒子 - Google Patents

着色スチレン系樹脂予備発泡粒子

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JP2999352B2
JP2999352B2 JP5254557A JP25455793A JP2999352B2 JP 2999352 B2 JP2999352 B2 JP 2999352B2 JP 5254557 A JP5254557 A JP 5254557A JP 25455793 A JP25455793 A JP 25455793A JP 2999352 B2 JP2999352 B2 JP 2999352B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は着色スチレン系樹脂予備
発泡粒子に関し、更に詳細には実質的に均一に着色した
着色スチレン系樹脂予備発泡粒子に関するものである。
そして、この着色スチレン系樹脂予備発泡粒子は、良好
な外観を有する着色したスチレン系樹脂発泡成形体の製
造に適するものである。
【0002】
【従来の技術】発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡粒
子を型内発泡成形して得られた発泡成形体は、断熱性、
緩衝性に優れ、且つ軽量であることから、断熱材、容
器、及び緩衝包装材等に広く利用されている。これらの
発泡成形体は、商品価値を高めるために着色することが
多い。この場合、発泡成形体が内部まで均一に着色され
ていると、成形体をスライス或いは一部裁断して使用す
ることもできて有利である。内部まで着色されたスチレ
ン系樹脂発泡成形体は、着色された発泡性スチレン系樹
脂粒子を水蒸気等の加熱媒体により予備発泡させて着色
予備発泡粒子を得、この予備発泡粒子を、型内発泡成形
することにより製造することができる。
【0003】従来より、上記の着色発泡性スチレン系樹
脂粒子の製造方法としては、以下の方法が知られてい
る。 スチレン単量体を水性媒体中で懸濁重合する際に、ス
チレン単量体中に染料または顔料を溶解又は分散させて
添加し、その重合中もしくは重合後に発泡剤を含浸する
方法。 スチレン系樹脂粒子に水性媒体中で発泡剤を含浸する
際に、同時に染料を含浸させる方法。 押出機を用いて予め顔料や染料等を練り込んだ着色ペ
レットを作って、これを水性媒体中に分散させ、発泡剤
を含浸する方法。 押出機を用いて樹脂に顔料や染料を練り込むと同時に
発泡剤を添加し、金型先端よりストランド状に押出し
て、これを樹脂が発泡しない温度まで冷却し、ペレタイ
ザーで切断して着色ペレットを得る方法。
【0004】ここで着色した発泡成形体の耐候性を考慮
すると、着色剤としては染料よりも顔料を使用する方が
極めて有利である。この様な観点から見ると、の方法
では顔料を使用できず、の方法も一定量以上の顔料を
樹脂粒子中に均一に含有させることは極めて困難であ
る。そこで、顔料を使用した着色発泡性スチレン系樹脂
発泡粒子の製造方法としては、又はの方法を用いる
ことになる。
【0005】ところが、押出機により着色スチレン系樹
脂粒子を作成した後で、該着色樹脂粒子を水性媒体中に
分散させて発泡剤を含浸するというの方法は、製造工
程が複雑になるため経済的に不利である。また発泡剤含
浸後の着色発泡性スチレン系樹脂粒子を脱水乾燥する
と、樹脂粒子の表面が急激に密化する、いわゆる白化現
象が起こるため、発泡成形性が悪化すると同時に、得ら
れた着色した発泡成形体表面の白色度が増大して色が希
薄になり、発泡成形体の商品価値が著しく低下してしま
うという極めて大きな欠点を有していた。
【0006】この欠点を解決するために、の方法で得
られた着色発泡性スチレン系樹脂粒子に対して、脱水乾
燥を行わず樹脂粒子表面に多量の付着水分を残した状態
で発泡直前まで保管しておく方法が提案されている(特
公平5−11133号公報)。この方法によれば前述の
問題点はほぼ解消されるが、しかし樹脂粒子表面に多量
の水分が付着しているために、樹脂粒子の流動性が悪
く、例えば予備発泡機の原料投入ホッパーに、特殊な振
動装置を装着する必要があるなど、予備発泡時の取り扱
いが難しいという欠点を抱えていた。
【0007】これに引き替えの押出造粒方式により得
られた着色発泡性樹脂粒子の場合には、で見られるよ
うな、乾燥による樹脂粒子表面の白化現象は起こらな
い。したがって、取り扱いの容易な乾燥した状態で着色
した発泡性スチレン系樹脂粒子を提供することができ
る。またのような発泡剤を含浸するための耐圧容器も
必要とせず、押出機のみで樹脂に発泡性能を付与できる
ため、工業生産上も有利な方法である。しかし、この方
法で製造した着色発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡
し、この予備発泡粒子を用いて型内発泡成形すると、得
られた着色した発泡成形体の表面に、まだら状の色ムラ
が発生し、その商品価値を損ねるという重大な問題があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記
の押出造粒方式で得た着色発泡性樹脂粒子を用いて製造
したスチレン系樹脂発泡成形体の表面に発生する色ムラ
の原因について鋭意研究を行った結果、この色ムラが、
押出機から押出された樹脂をペレタイザーで切断して造
粒する際に発生することを見い出した。
【0009】すなわち、押出造粒方式では押出機内で樹
脂に発泡剤を圧入して、金型先端よりストランド状に押
出し、この発泡剤を含有する樹脂が発泡する前に冷却
し、ペレタイザーで切断し、ペレット化することにより
着色発泡性樹脂粒子を得るものである。この切断工程に
おいて、押出されたストランド樹脂の切断面が、ペレタ
イザーの切断刃により剪断応力を受けるため、この応力
によりペレット状樹脂粒子の切断面部分に内封される発
泡剤のみが微細に分散されてしまう。
【0010】このため、かかる着色発泡性樹脂粒子を蒸
気等の加熱媒体で予備発泡して得られる着色予備発泡粒
子は、発泡剤が微細に分散された切断面表面の気泡サイ
ズが、周側面部に比較して微細なものとなる。例えば嵩
倍率40倍に発泡した予備発泡粒子の平均気泡径は、周
側面部では300μm以上であるのに対して、切断面部
表面層では10〜100μmと細かくなっている。この
着色予備発泡粒子の外観を観察すると、細かな気泡を有
する切断面部は、気泡の大きな周側面部よりも色が薄
く、また気泡が微細なため、“てかてか”した光沢を呈
している。
【0011】かかる予備発泡粒子は、型内発泡成形に際
して、その周側面部と切断面部とが金型の内壁面にラン
ダムに当接した状態で成形型内に充填される。したがっ
て、得られる着色した発泡成形体の表面は、着色予備発
泡粒子の周側面部と切断面部とがランダムに混在した状
態となっており、周側面部が出ている部分は気泡が大き
く粗いために色が濃く鮮明に見え、切断面部が出ている
部分は気泡が微細なために色が薄く白色を帯びて見え
る。その結果、着色した発泡成形体の表面は、全体とし
て”まだら模様”の色ムラが現出し、発泡成形体の商品
価値を著しく低下させることとなる。
【0012】そこで本発明は、かかる従来技術の問題点
を解消し、工業生産上有利な押出造粒方式の着色発泡性
スチレン系樹脂粒子を用いて、実質的に色ムラのない均
一に着色した、良好な外観を有する着色したスチレン系
樹脂発泡成形体の製造に適する着色スチレン系樹脂予備
発泡粒子を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の着色ス
チレン系樹脂予備発泡粒子は、スチレン系樹脂、着色剤
及び発泡剤を押出機内で溶融混練し、溶融樹脂組成物を
押出機より押出した後、冷却して切断ペレット化して得
た着色発泡性スチレン系樹脂粒子を、加熱媒体により予
備発泡して得られた着色予備発泡粒子であって、該着色
予備発泡粒子の切断面部表面に存在する気泡径200μ
m未満の微細な気泡の少なくとも半数以上が破泡されて
なるものであることを特徴とする。
【0014】本発明で使用されるスチレン系樹脂として
は、ポリスチレン、50重量%以上のポリスチレンを含
むポリスチレンと例えばポリフェニレンオキサイドのよ
うな他の樹脂との混合樹脂、50重量%以上のスチレン
成分と他の重合可能な不飽和化合物との共重合体、及び
これらの混合樹脂、並びにこれらの樹脂に適量のゴム状
物質等を添加した改質樹脂等が挙げられる。前記共重合
可能な不飽和化合物としては、α−メチルスチレン、ア
クリロニトリル、アクリル酸もしくはメタクリル酸と1
〜8個の炭素原子を有するアルコールとのエステル、マ
レイン酸もしくはフマル酸と1〜8個の炭素原子を有す
るアルコールとのエステル、無水マレイン酸等が用いら
れる。更に、架橋剤として、ジビニルベンゼン、ブタジ
エン、ポリエチレングリコールジメタクリレート等を少
量使用してもよい。
【0015】また、発泡剤としては、沸点がスチレン系
樹脂の軟化点以下であって、常圧で気体状もしくは液体
状の有機化合物が適しており、プロパン、ブタン、ペン
タン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、石油エー
テル等の炭化水素、塩化メチル、塩化エチル、クロロジ
フロロエタン、1−フロロ2−トリフロロエタン、ジフ
ロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル等の低沸点のエーテル化合物等
が用いられる。これらの発泡剤は単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。そして、この発泡剤の使用
量は所望とする予備発泡粒子の発泡倍率によっても変化
するが、スチレン系樹脂100重量部に対して、通常2
0重量部以下、3〜10重量部程度使用される。
【0016】本発明における着色剤としては、カーボン
ブラック、弁柄、銅フタロシアニン系顔料、及びアゾ系
顔料等が好適に使用されるが、変色等の問題がなく、押
出機で樹脂と良好に混練して押出しできるものであれ
ば、特にこれらに制限されるものではない。着色剤の使
用量は、使用する着色剤の種類や、所望とする発泡成形
体色濃度等によっても異なるが、通常スチレン系樹脂1
00重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で使用
される。
【0017】本発明においては、着色予備発泡粒子の切
断面部表面に存在する気泡径200μm未満の微細な気
泡の少なくとも半数以上を破泡するために、着色発泡性
スチレン系樹脂粒子表面に、該樹脂粒子表面を僅かに浸
蝕する性質を有する薬剤(以下表面破泡剤という)を被
覆して予備発泡する。かかる表面破泡剤としては、着色
発泡性スチレン系樹脂粒子の表面を僅かに浸蝕して、該
発泡性樹脂粒子を予備発泡した際に、予備発泡粒子の切
断面表面に形成される微細な気泡を破泡して消失させる
作用を発揮するものであればいずれのものでもよく特に
制限はないが、例えばジまたはトリグリセライド、ソル
ビタンのトリまたはテトラエステル、ペンタエリスリト
ールのテトラエステル、グリコオールのジエステル、モ
ノアルコールのエステル等の高級脂肪酸エステル、及び
グリセリンジアルキルエーテル、ポリエーテル、流動パ
ラフィン等のパラフィン類等を挙げることができる。中
でも大豆油、牛脂油、菜種油、及びこれらの硬化油等の
トリグリセライドや流動パラフィンが好適に使用され
る。これらの表面破泡剤は、単独で用いても、2種以上
を併用して用いてもよい。特に、硬化大豆油、流動パラ
フィンが好適に使用される。
【0018】この表面破泡剤は、予備発泡粒子の型内に
おける発泡成形性の維持と、得られる発泡成形体の外
観、強度を考慮すると、色ムラの原因となる着色予備発
泡粒子の切断面表面に形成された微細な気泡のみを破泡
させ、切断面内部の気泡や周側面部の気泡にはできる限
り影響を与えないことが望ましく、上記発泡性樹脂粒子
100重量部に対して、0.01〜1.0重量部の範囲
で使用され、より好ましくは0.03〜0.5重量部の
範囲で用いられる。表面破泡剤の使用量が0.01重量
部未満では、十分な破泡効果が発揮されず、一方1.0
重量部を超えると、得られた発泡成形体に収縮が発生
し、外観が悪化すると共に強度も低下する。
【0019】表面破泡剤の着色した発泡成形体に対する
色ムラ解消効果の有無は、上記の着色発泡性樹脂粒子の
表面に表面破泡剤を塗布した後、水蒸気で予備発泡し、
得られた予備発泡粒子の外観状態を観察することにより
容易に確認することができる。着色予備発泡粒子の切断
面部の”てかてか”した光沢が消えて、周側面部と同等
の色調になっていれば色ムラ解消効果があると判断でき
る。着色予備発泡粒子の切断面部に、”てかてか”光沢
が残っているようであれば、色ムラ解消効果は期待でき
ない。
【0020】着色予備発泡粒子の切断面表面に存在する
特に気泡径が200μm未満の微細な気泡の少なくとも
半数以上を破泡させると、切断面部の”てかてか”した
光沢が消失し、切断面部の色調は、相対的に大きな気泡
を有する周側面部と実質的に同一の色調となる。本発明
の着色スチレン系樹脂予備発泡粒子は、例えば以下に示
す方法により製造することができる。
【0021】まず、上記のスチレン系樹脂、着色剤、発
泡剤、及び必要に応じて無機又は有機の充填剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、難燃剤等の添加剤を、押出機中で
加熱溶融混練した後、金型先端よりストランド状に押し
出すと同時に、水等の冷却媒体で押出された該樹脂組成
物が発泡しない温度まで冷却する。次いでこのストラン
ドをペレタイザーで切断して、所望の大きさのペレット
状の着色発泡性スチレン系樹脂粒子を得る。
【0022】次いで、この着色発泡性スチレン系樹脂粒
子の表面に上記の表面破泡剤を被覆する。この表面破泡
剤が被覆処理された発泡性スチレン系樹脂粒子を、予備
発泡装置を用いて水蒸気等の加熱媒体により予備発泡す
る。表面被覆処理に際しては、予備発泡時の結合防止
や、発泡成形時の融着促進、帯電防止等の目的で加える
他の表面処理剤を併用してもよい。なお、表面破泡剤の
被覆処理は、予備発泡前の発泡性樹脂粒子に対して行う
ことが処理作業性の面から好ましいが、表面破泡剤を予
備発泡時に予備発泡装置内で被覆処理することもでき
る。
【0023】このようにして予備発泡粒子の切断面部に
存在する、気泡径200μm未満の微細な気泡の少なく
とも半数以上が破泡された本発明の着色スチレン系樹脂
予備発泡粒子が得られる。本発明の着色スチレン系樹脂
予備発泡粒子は、これを発泡成形機の型内に充填し、水
蒸気で加熱して発泡粒子を膨脹させ、粒子相互を融着さ
せて型内発泡成形すると、実質的に色ムラのない均一に
着色した、良好な外観を有する商品価値の優れた着色し
たスチレン系樹脂発泡成形体を製造することができる。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ただし、本発明の技術的範囲はこれらの実施例
に限定されるものではない。なお、それぞれの実施例で
得られた予備発泡粒子を用いて成形した成形体につい
て、それぞれの参考例として示す。
【0025】以下の実施例では、表面破泡率は次のよう
にして算出した。 D(%)=(B−C)/B×100 D:表面破泡率 B:非破泡処理着色予備発泡粒子の切断面部表面に存在
する微細気泡の気泡数 C:破泡処理した後の着色予備発泡粒子の切断面部表面
に存在する微細気泡の気泡数 ※ B、Cについては、それぞれ蒿倍率40倍に発泡し
た予備発泡粒子の切断面部表面を、走査型電子顕微鏡で
75倍に拡大して、1mm2内に存在する気泡径200
μm未満の気泡数を測定した。 〔実施例1〕スチレン樹脂粒子(MI値4.1)95重
量部、カーボンブラック5重量部、及びタルク0.1重
量部を、一軸押出機(口径90mm)を用いて加熱溶融
混練し、同時に発泡剤としてペンタン10重量部を押出
機内に圧入しながら、金型先端のノズルよりストランド
状に押出すとともに、ストランドを水槽内に導いて直ち
に急冷し、ロータリー式ペレタイザーにて切断ペレット
化して円柱状の黒色に着色した発泡性スチレン樹脂粒子
(粒子長L=3〜4mm、粒子径D=0.5〜0.7m
m)を得た。
【0026】上記の黒色発泡性スチレン樹脂粒子に、表
面破泡剤として硬化大豆油微粉末0.2重量部、及び予
備発泡時の結合防止剤としてステアリン酸亜鉛0.1重
量部をタンブラーを用いて被覆処理した。ついで、この
表面被覆処理された黒色発泡性樹脂粒子を、撹拌機を備
えた小型バッチ式予備発泡装置で、水蒸気により加熱し
て予備発泡し、蒿倍率40倍の黒色予備発泡粒子を得
た。 得られた黒色予備発泡粒子の外観を見ると、予備
発泡粒子の切断面部表面の“てかてか”した光沢は消失
しており、予備発泡粒子の周側面部とほぼ同一色調にな
っていた。黒色予備発泡粒子の切断面部の表面破泡率は
92%であって、切断面部表面に存在する微細気泡の殆
どが破泡して消失していたが、周側面部の相対的に大き
な主要な気泡(気泡径約250〜400μm)は殆ど破
泡していなかった。
【0027】〔参考例1〕実施例1の黒色スチレン樹脂
予備発泡粒子を、24時間熟成させた後、(株)積水工
機製作所製のACE−3型ビーズ発泡成形機を用いて型
内発泡成形した。なお、金型の型窩サイズは、400×
300×100mm、また加熱水蒸気は、0.8kg/cm
2に調圧して実施した。得られた黒色発泡成形体は、色
ムラがなく、実質的に均一に黒色に着色されており、し
かも収縮のない成形外観の良好なものであった。
【0028】〔実施例2〕実施例1において、硬化大豆
油微粉末の添加量を0.2重量部から0.1重量部に変
えた以外は実施例1と同様にして黒色スチレン樹脂予備
発泡粒子を製造し、評価した。得られた黒色予備発泡粒
子は、切断面部表面の“てかてか”した光沢がほとんど
消失しており、表面破泡率は84%であって、周側面部
の相対的に大きな主要な気泡は殆んど破泡していなかっ
た。
【0029】〔参考例2〕実施例2の黒色予備発泡粒子
を用いて、参考例1と同様に型内発泡成形して黒色発泡
成形体を得た。得られた黒色発泡成形体は、色ムラがな
く、実質的に均一に黒色に着色されており、しかも収縮
のない成形外観の良好なものであった。 〔実施例3〕実施例1において、硬化大豆油微粉末の添
加量を0.2重量部から0.05重量部に変えた以外は
実施例1と同様にして黒色スチレン樹脂予備発泡粒子を
製造し、評価した。得られた黒色予備発泡粒子は、切断
面部表面の“てかてか”した光沢がほとんど消失してお
り、表面破泡率は61%であって、周側面部の相対的に
大きな主要な気泡は殆んど破泡していなかった。
【0030】〔参考例3〕実施例3の黒色予備発泡粒子
を用いて、参考例1と同様に型内発泡成形して得られた
黒色発泡成形体は、参考例1、参考例2により得られた
黒色発泡成形体と比較すると、僅かに色ムラが認められ
るものの、ほぼ均一に黒色に着色されており、しかも収
縮のない成形外観の良好なものであった。
【0031】〔実施例4〕実施例1において、表面破泡
剤としての硬化大豆油微粉末を、流動パラフィン(比重
0.875〈15℃〉、粘度42.9cSt〈42
℃〉)に変えた以外は実施例1と同様にして黒色スチレ
ン樹脂予備発泡粒子を製造し、評価した。得られた黒色
予備発泡粒子は、実施例1と同様、切断面部表面の“て
かてか”した光沢が消失しており、表面破泡率は96%
であって、周側面部の相対的に大きな主要な気泡は殆ん
ど破泡していなかった。
【0032】〔参考例4〕実施例4の黒色予備発泡粒子
を用いて、参考例1と同様に型内発泡成形して得られた
黒色発泡成形体は、参考例1で得られた黒色発泡成形体
同様に、色ムラがなく、実質的に均一に黒色に着色され
ており、しかも収縮のない成形外観の良好なものであっ
た。
【0033】〔実施例5〕実施例4において、流動パラ
フィンの使用量を0.1重量部に変えた以外は実施例1
と同様にして黒色スチレン樹脂予備発泡粒子を製造し、
評価した。得られた黒色予備発泡粒子は、実施例1と同
様、切断面部表面の“てかてか”した光沢が消失してお
り、表面破泡率は86%であって、周側面部の相対的に
大きな主要な気泡は殆んど破泡していなかった。
【0034】〔参考例5〕実施例5の黒色予備発泡粒子
を用いて、参考例1と同様に型内発泡成形して得られた
黒色発泡成形体は、参考例1で得られた黒色発泡成形体
同様に、色ムラがなく、実質的に均一に黒色に着色され
ており、しかも収縮のない成形外観の良好なものであっ
た。
【0035】〔実施例6〕実施例1において、硬化大豆
油微粉末を菜種油に、添加量を0.1重量部に変更した
以外は実施例1と同様にして黒色スチレン樹脂予備発泡
粒子を製造し、評価した。得られた黒色予備発泡粒子
は、切断面部表面の“てかてか”した光沢がほとんど消
失しており、表面破泡率は80%であって、周側面部の
相対的に大きな主要な気泡は殆んど破泡していなかっ
た。
【0036】〔参考例6〕実施例6の黒色予備発泡粒子
を用いて、参考例1と同様に型内発泡成形して黒色発泡
成形体を得た。得られた黒色発泡成形体は、色ムラがな
く、実質的に均一に黒色に着色されており、しかも収縮
のない成形外観の良好なものであった。 〔実施例7〕実施例1において、添加する顔料をカーボ
ンブラックから銅フタロシアニンに変更した以外は実施
例1と同様にして青色スチレン樹脂予備発泡粒子を製造
し、評価した。得られた青色予備発泡粒子は、切断面部
表面の“てかてか”した光沢がほとんど消失しており、
表面破泡率は87%であって、周側面部の相対的に大き
な主要な気泡は殆んど破泡していなかった。
【0037】〔参考例7〕実施例7の青色予備発泡粒子
を用いて、参考例1と同様に型内発泡成形して青色発泡
成形体を得た。得られた青色発泡成形体は、色ムラがな
く、実質的に均一に青色に着色されており、しかも収縮
のない成形外観の良好なものであった。 〔実施例8〕実施例1において、カーボンブラックの添
加量を5重量部から3重量部に変更した以外は実施例1
と同様にして黒色スチレン樹脂予備発泡粒子を製造し、
評価した。得られた黒色予備発泡粒子は、切断面部表面
の“てかてか”した光沢がほとんど消失しており、表面
破泡率は89%であって、周側面部の相対的に大きな主
要な気泡は殆んど破泡していなかった。
【0038】〔参考例8〕実施例8の黒色予備発泡粒子
を用いて、参考例1と同様に型内発泡成形して黒色発泡
成形体を得た。得られた黒色発泡成形体は、色ムラがな
く、実質的に均一に黒色に着色されており、しかも収縮
のない成形外観の良好なものであった。 〔比較例1〕実施例1において、硬化大豆油微粉末を添
加しないこと以外は実施例1と同様にして黒色スチレン
樹脂予備発泡粒子を製造し、評価した。得られた黒色予
備発泡粒子は、切断面部が気泡径約10〜100μmの
微細な気泡で覆われており、“てかてか”した光沢を有
していた。表面破泡率は、0%であった。
【0039】この黒色予備発泡粒子を用いて、参考例1
と同様に型内発泡成形して得られた黒色発泡成形体の表
面には、まだら模様の色ムラが顕著に表れていた。 〔比較例2〕実施例1において、硬化大豆油微粉末の添
加量を0.2重量部から2.0重量部に変えた以外は実
施例1と同様にして黒色スチレン樹脂予備発泡粒子を製
造し、評価した。得られた黒色予備発泡粒子は、切断面
部表面の“てかてか”した光沢は消失しており、表面破
泡率は100%であって、切断面部に微細な気泡は認め
られなかった。しかしながら、予備発泡粒子の周側面部
の相対的に大きな主要な気泡(気泡径約250〜400
μm)にも破泡剤の破泡効果が過度に作用し、多数の破
泡が認められた。
【0040】この黒色予備発泡粒子を用いて、参考例1
と同様に型内発泡成形して得られた黒色発泡成形体は、
均一に黒色に着色されていた。しかし発泡成形体の表面
状態が劣った、いわゆる”伸び”の悪いものであり、ま
た発泡成形直後の収縮も大きく、発泡成形体を熟成して
も成形体の収縮は完全には回復しなかった。 〔比較例3〕実施例1において、硬化大豆油微粉末の添
加量を0.2重量部から0.005重量部に変えた以外
は実施例1と同様にして黒色スチレン樹脂予備発泡粒子
を製造し、評価した。得られた黒色予備発泡粒子は、切
断面部表面の“てかてか”した光沢を有しており、表面
破泡率は10%であった。
【0041】この黒色予備発泡粒子を用いて、参考例1
と同様に型内発泡成形して得られた黒色発泡成形体の表
面には、まだら模様の色ムラが顕著に表れていた。以上
の実施例1〜8、参考例1〜8、及び比較例1〜3の評
価結果を、表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の着色スチレン系樹脂予備発泡粒
子は、切断面部表面に存在する微細な気泡の半数以上が
破泡して消失したものであるため、この微細気泡に起因
する切断面部の“てかてか”した光沢が消え、切断面部
の色調が、周側面部と同一色調となる。
【0044】本発明の着色スチレン系樹脂予備発泡粒子
は、通常の型内発泡成形法により発泡成形体とすれば、
実質的に色ムラのない均一に着色した、良好な外観を有
する商品価値の優れた着色したスチレン系樹脂発泡成形
体とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂、着色剤及び発泡剤を押
    出機内で溶融混練し、溶融樹脂組成物を押出機より押出
    した後、冷却して切断ペレット化して得た着色発泡性ス
    チレン系樹脂粒子を、加熱媒体により予備発泡して得ら
    れた着色予備発泡粒子であって、該着色予備発泡粒子の
    切断面部表面に存在する気泡径200μm未満の微細な
    気泡の少なくとも半数以上が破泡されてなるものである
    ことを特徴とする着色スチレン系樹脂予備発泡粒子。
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