JP2577450Y2 - 曲面を有する発泡成形品 - Google Patents
曲面を有する発泡成形品Info
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- JP2577450Y2 JP2577450Y2 JP1992046478U JP4647892U JP2577450Y2 JP 2577450 Y2 JP2577450 Y2 JP 2577450Y2 JP 1992046478 U JP1992046478 U JP 1992046478U JP 4647892 U JP4647892 U JP 4647892U JP 2577450 Y2 JP2577450 Y2 JP 2577450Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、軽量かつ衝撃強度の高
い曲面を有する発泡成形品に関するものである。
い曲面を有する発泡成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】曲面を有する発泡成形品は、その軽量
性、断熱性、緩衝性等を有することから、ヘルメットの
衝撃吸収ライナ、船舶用ブイ、浮き等種々の用途に適用
されている。これら例示の用途に適用される発泡成形品
は、使用目的、使用環境等の点から衝撃強度が高いこと
も要求されるところであり、ヘルメットの衝撃吸収ライ
ナにあっては、安全性の観点から特にその要求が強い。
性、断熱性、緩衝性等を有することから、ヘルメットの
衝撃吸収ライナ、船舶用ブイ、浮き等種々の用途に適用
されている。これら例示の用途に適用される発泡成形品
は、使用目的、使用環境等の点から衝撃強度が高いこと
も要求されるところであり、ヘルメットの衝撃吸収ライ
ナにあっては、安全性の観点から特にその要求が強い。
【0003】ヘルメット1は通常、図1に示すように、
シエル2とこの内面に嵌装される衝撃吸収ライナ3より
構成される。この衝撃吸収ライナ3に対して十分な衝撃
強度の確保はもちろん要求されるが、又、ヘルメット1
の装着感をより良好とするためその重量の軽減も要求さ
れるところである。衝撃吸収ライナ3の重量の軽減を図
るためには、例えば発泡樹脂粒子の充填密度を減小す
る、複数の発泡成形層より構成する(特開昭61−13
0026号公報参照)等の対策が考えられる。
シエル2とこの内面に嵌装される衝撃吸収ライナ3より
構成される。この衝撃吸収ライナ3に対して十分な衝撃
強度の確保はもちろん要求されるが、又、ヘルメット1
の装着感をより良好とするためその重量の軽減も要求さ
れるところである。衝撃吸収ライナ3の重量の軽減を図
るためには、例えば発泡樹脂粒子の充填密度を減小す
る、複数の発泡成形層より構成する(特開昭61−13
0026号公報参照)等の対策が考えられる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、発泡樹脂粒子
の充填密度を減小するものにあっては、衝撃吸収ライナ
の軽量化を図ることはできるものの、通常の発泡成形方
法によれば、衝撃強度を低下させるという問題点があ
る。一方、複数の発泡成形層より構成するものにあって
は、発泡樹脂粒子の選択により軽量化及び衝撃強度の向
上を図り得るものの、成形工程が複雑となり、製造コス
トも高価となるという問題点がある。
の充填密度を減小するものにあっては、衝撃吸収ライナ
の軽量化を図ることはできるものの、通常の発泡成形方
法によれば、衝撃強度を低下させるという問題点があ
る。一方、複数の発泡成形層より構成するものにあって
は、発泡樹脂粒子の選択により軽量化及び衝撃強度の向
上を図り得るものの、成形工程が複雑となり、製造コス
トも高価となるという問題点がある。
【0005】本考案は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたものであり、軽量かつ衝撃強度が高く、しかも簡
易な成形工程により製造でき、かつ製造コストも安価で
ある曲面を有する発泡成形品を提供することを目的とす
る。
されたものであり、軽量かつ衝撃強度が高く、しかも簡
易な成形工程により製造でき、かつ製造コストも安価で
ある曲面を有する発泡成形品を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、熱可塑性予備発泡樹脂粒子を曲面を有する金型キャ
ビティ内で加熱発泡させて融着させた曲面を有する中間
発泡成形体の少くとも曲面を、その外方に曲面を位置さ
せた金型キャビティ内で、さらに金型曲面まで加熱膨張
させてその体積を1.1乃至2倍に増大させて所定形状
とした最終発泡成形体よりなるものである。
に、熱可塑性予備発泡樹脂粒子を曲面を有する金型キャ
ビティ内で加熱発泡させて融着させた曲面を有する中間
発泡成形体の少くとも曲面を、その外方に曲面を位置さ
せた金型キャビティ内で、さらに金型曲面まで加熱膨張
させてその体積を1.1乃至2倍に増大させて所定形状
とした最終発泡成形体よりなるものである。
【0007】
【作用】本考案の曲面を有する発泡成形品は、曲面を有
する中間発泡成形体の段階を経て、その曲面をさらにそ
の外方に加熱発泡させてなることから、発泡成形品を構
成する発泡樹脂粒子がその曲面外方方向に長径となって
整列させられる傾向となり、そのため、その方向の圧縮
強度が増大する。
する中間発泡成形体の段階を経て、その曲面をさらにそ
の外方に加熱発泡させてなることから、発泡成形品を構
成する発泡樹脂粒子がその曲面外方方向に長径となって
整列させられる傾向となり、そのため、その方向の圧縮
強度が増大する。
【0008】
【実施例】本考案の一実施例について、曲面を有する発
泡成形品をヘルメットの衝撃吸収ライナに適用した場合
について、図面を参照しつつ説明する。
泡成形品をヘルメットの衝撃吸収ライナに適用した場合
について、図面を参照しつつ説明する。
【0009】ヘルメット4は、図2に示すように、硬質
強化樹脂製のシェル5と、このシェル5の内面に嵌装さ
れる発泡樹脂製の衝撃吸収ライナ6とから構成される。
強化樹脂製のシェル5と、このシェル5の内面に嵌装さ
れる発泡樹脂製の衝撃吸収ライナ6とから構成される。
【0010】シェル5は、例えばアクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリプロ
ピレン等の樹脂を原料として通常の射出成形により所定
形状に成形される。
タジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリプロ
ピレン等の樹脂を原料として通常の射出成形により所定
形状に成形される。
【0011】衝撃吸収ライナ6は、プロピレン系、エチ
レン系、スチレン系等の樹脂よりなる予備発泡樹脂粒子
を原料として型内発泡成形により所定形状に成形され
る。スチレン系樹脂としては、スチレン、メチルスチレ
ン、クロロスチレン等のスチレン系単量体の単独重合
体、又はこの種の単量体相互間の共重合体、或いはこの
種の単量体と他の重合性単量体、例えばブタジエン、イ
ソプレン、塩化ビニル、メチルメタアクリレ−ト等の共
重合体が使用される。又、発泡剤としては、プロパン、
ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪酸炭化水素、又は
塩化メチル、テトラクロルエチレン等のハロゲン化炭化
水素、或いは石油エ−テル等の易揮発性物質が使用され
る。そして、上記樹脂中にこの発泡剤を2〜15重量%
含む粒子を蒸気加熱し、密度を0.015〜0.15g
/cm3 、粒子径を2〜8mmの大きさに予備発泡させ
た予備発泡樹脂粒子とする。
レン系、スチレン系等の樹脂よりなる予備発泡樹脂粒子
を原料として型内発泡成形により所定形状に成形され
る。スチレン系樹脂としては、スチレン、メチルスチレ
ン、クロロスチレン等のスチレン系単量体の単独重合
体、又はこの種の単量体相互間の共重合体、或いはこの
種の単量体と他の重合性単量体、例えばブタジエン、イ
ソプレン、塩化ビニル、メチルメタアクリレ−ト等の共
重合体が使用される。又、発泡剤としては、プロパン、
ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪酸炭化水素、又は
塩化メチル、テトラクロルエチレン等のハロゲン化炭化
水素、或いは石油エ−テル等の易揮発性物質が使用され
る。そして、上記樹脂中にこの発泡剤を2〜15重量%
含む粒子を蒸気加熱し、密度を0.015〜0.15g
/cm3 、粒子径を2〜8mmの大きさに予備発泡させ
た予備発泡樹脂粒子とする。
【0012】衝撃吸収ライナ6は、この予備発泡樹脂粒
子を金型キャビティ内に充填し、加熱発泡させて互いに
融着させて一旦所定形状の中間発泡成形体を形成した
後、容積を1.1乃至2倍とした金型キャビティ内で、
さらにこの中間発泡成形体を加熱膨張させてその体積を
これに対応して増大させて所定形状の最終発泡成形体と
したものである。
子を金型キャビティ内に充填し、加熱発泡させて互いに
融着させて一旦所定形状の中間発泡成形体を形成した
後、容積を1.1乃至2倍とした金型キャビティ内で、
さらにこの中間発泡成形体を加熱膨張させてその体積を
これに対応して増大させて所定形状の最終発泡成形体と
したものである。
【0013】具体的には、衝撃吸収ライナ6は次のよう
な成形工程により成形される。
な成形工程により成形される。
【0014】図3は、2つのキャビティ型と1つのコア
型を使用する場合の成形工程の説明図である。
型を使用する場合の成形工程の説明図である。
【0015】図3において、7は固定プレ−トであり、
この固定プレ−ト7の一側面には曲面からなる2つのキ
ャビティ型8,9が並列して固着されている。ここで、
キャビティ型8の半球状の内壁面8aにより画成される
領域よりもキャビティ型9の半球状の内壁面9aにより
画成される領域の方を大としてある。
この固定プレ−ト7の一側面には曲面からなる2つのキ
ャビティ型8,9が並列して固着されている。ここで、
キャビティ型8の半球状の内壁面8aにより画成される
領域よりもキャビティ型9の半球状の内壁面9aにより
画成される領域の方を大としてある。
【0016】10は移動プレ−トであり、この移動プレ
−ト10の一側面にはプレ−ト移動用シリンダ11のロ
ッド11a先端を固定してあり、プレ−ト移動用シリン
ダ11の作動により移動プレ−ト10は固定プレ−ト7
に接近、又は離反する。
−ト10の一側面にはプレ−ト移動用シリンダ11のロ
ッド11a先端を固定してあり、プレ−ト移動用シリン
ダ11の作動により移動プレ−ト10は固定プレ−ト7
に接近、又は離反する。
【0017】12は金型支持体であり、この金型支持体
12の一側面にはコア型13が固着されている。金型支
持体12の一端面には金型移動用シリンダ14のロッド
14a先端を固定してあり、金型移動用シリンダ14の
作動により金型支持体12は移動プレ−ト10の他側面
に沿って摺動する。
12の一側面にはコア型13が固着されている。金型支
持体12の一端面には金型移動用シリンダ14のロッド
14a先端を固定してあり、金型移動用シリンダ14の
作動により金型支持体12は移動プレ−ト10の他側面
に沿って摺動する。
【0018】先ず、図3(A)に示すように、プレ−ト
移動用シリンダ11を作動させて移動プレ−ト10を固
定プレ−ト7に接近させ、キャビティ型8とコア型13
とを型締めする。そして、キャビティ型8の内壁面8a
とコア型13の外壁面13aとにより画成されるキャビ
ティ15内に予備発泡樹脂粒子aを充填し、蒸気により
加熱して膨張させて曲面を有する中間発泡成形体bを形
成する。
移動用シリンダ11を作動させて移動プレ−ト10を固
定プレ−ト7に接近させ、キャビティ型8とコア型13
とを型締めする。そして、キャビティ型8の内壁面8a
とコア型13の外壁面13aとにより画成されるキャビ
ティ15内に予備発泡樹脂粒子aを充填し、蒸気により
加熱して膨張させて曲面を有する中間発泡成形体bを形
成する。
【0019】次いで、図3(B)に示すように、プレ−
ト移動用シリンダ11を作動させて移動プレ−ト10を
固定プレ−ト7より離反させ、キャビティ型8とコア型
13とを型開きする。この時、中間発泡成形体bはコア
型13の外壁面13aに付着した状態でキャビティ型8
より離型する。
ト移動用シリンダ11を作動させて移動プレ−ト10を
固定プレ−ト7より離反させ、キャビティ型8とコア型
13とを型開きする。この時、中間発泡成形体bはコア
型13の外壁面13aに付着した状態でキャビティ型8
より離型する。
【0020】そして、図3(C)に示すように、金型移
動用シリンダ14を作動させて金型支持体12を移動プ
レ−ト10の他側面に沿って摺動させ、コア型13をキ
ャビティ型9に対面する位置に移動する。
動用シリンダ14を作動させて金型支持体12を移動プ
レ−ト10の他側面に沿って摺動させ、コア型13をキ
ャビティ型9に対面する位置に移動する。
【0021】次いで、図3(D)に示すように、プレ−
ト移動用シリンダ11を作動させて移動プレ−ト10を
固定プレ−ト7に接近させ、キャビティ型9とコア型1
3とを型締めする。この時、キャビティ型8の半球状の
内壁面8aにより画成される領域よりもキャビティ型9
の半球状の内壁面9aにより画成される領域の方を、同
心状に球径を大きくすることにより大としてあるから、
すなわちキャビティ型9の成形面9aとコア型13の外
壁面13aとにより画成されるキャビティ16の方を大
としてあるから、中間発泡成形体bの曲面は、その外方
にキャビティ型9の成形面9aを位置させたキャビティ
16内で、さらに成形面9aまで膨張して最終発泡成形
体cが形成される。
ト移動用シリンダ11を作動させて移動プレ−ト10を
固定プレ−ト7に接近させ、キャビティ型9とコア型1
3とを型締めする。この時、キャビティ型8の半球状の
内壁面8aにより画成される領域よりもキャビティ型9
の半球状の内壁面9aにより画成される領域の方を、同
心状に球径を大きくすることにより大としてあるから、
すなわちキャビティ型9の成形面9aとコア型13の外
壁面13aとにより画成されるキャビティ16の方を大
としてあるから、中間発泡成形体bの曲面は、その外方
にキャビティ型9の成形面9aを位置させたキャビティ
16内で、さらに成形面9aまで膨張して最終発泡成形
体cが形成される。
【0022】図4は、キャビティ型とコア型とをそれぞ
れ1つ使用する場合の成形工程の説明図である。
れ1つ使用する場合の成形工程の説明図である。
【0023】図4において、17は固定プレ−トであ
り、この固定プレ−ト17の一側面にはキャビティ型1
8が固着されている。
り、この固定プレ−ト17の一側面にはキャビティ型1
8が固着されている。
【0024】19は移動プレ−トであり、この移動プレ
−ト19の一側面にはコア型20が固着されている。移
動プレ−ト19の他側面には図示しないが、プレ−ト移
動用シリンダのロッド先端を固定してあり、プレ−ト移
動用シリンダの作動により移動プレ−ト19は固定プレ
−ト17に接近、又は離反するようになっている。
−ト19の一側面にはコア型20が固着されている。移
動プレ−ト19の他側面には図示しないが、プレ−ト移
動用シリンダのロッド先端を固定してあり、プレ−ト移
動用シリンダの作動により移動プレ−ト19は固定プレ
−ト17に接近、又は離反するようになっている。
【0025】先ず、図4(A)に示すように、移動プレ
−ト19を固定プレ−ト17に接近させ、キャビティ型
18とコア型20とを型締めする。
−ト19を固定プレ−ト17に接近させ、キャビティ型
18とコア型20とを型締めする。
【0026】次いで、図4(B)に示すように、キャビ
ティ型18の内壁面18aとコア型20の外壁面20a
とにより画成されるキャビティ21内に予備発泡樹脂粒
子を充填し、蒸気により加熱して膨張させて曲面を有す
る中間発泡成形体bを形成する。
ティ型18の内壁面18aとコア型20の外壁面20a
とにより画成されるキャビティ21内に予備発泡樹脂粒
子を充填し、蒸気により加熱して膨張させて曲面を有す
る中間発泡成形体bを形成する。
【0027】次いで、図4(C)に示すように、コア型
20をキャビティ型18より所定距離開いてキャビティ
21の容積を増大する。これにより、中間発泡成形体b
の曲面は、その外方にキャビティ型18の内壁面18a
を位置させたキャビティ21内で、さらに内壁面18a
まで膨張して最終発泡成形体cが形成される。
20をキャビティ型18より所定距離開いてキャビティ
21の容積を増大する。これにより、中間発泡成形体b
の曲面は、その外方にキャビティ型18の内壁面18a
を位置させたキャビティ21内で、さらに内壁面18a
まで膨張して最終発泡成形体cが形成される。
【0028】この図4の成形工程による場合は、図3の
成形工程による場合に比べて、キャビティ型を2つ必要
としないから安価であるとともに、コア型の2方向移動
機構も必要としないから装置構成も簡易である。しか
し、図4の成形工程によるものは、図3の成形工程によ
る場合に比べて、成形品が曲面を有しているために、成
形品の全域に亘り、均一に肉厚を増大させるのが難し
く、それを行うとなるとより高精度にコア型の位置決め
制御を行う必要があり好ましくない。なお、もちろん成
形工程は図3又は図4のものにのみ限定されるわけでは
なく、他の種々の成形工程が考えられるが、いずれの成
形工程を採用するかは、発泡樹脂粒子の種類、発泡成形
品の要求性能等を考慮して適宜選択すればよい。
成形工程による場合に比べて、キャビティ型を2つ必要
としないから安価であるとともに、コア型の2方向移動
機構も必要としないから装置構成も簡易である。しか
し、図4の成形工程によるものは、図3の成形工程によ
る場合に比べて、成形品が曲面を有しているために、成
形品の全域に亘り、均一に肉厚を増大させるのが難し
く、それを行うとなるとより高精度にコア型の位置決め
制御を行う必要があり好ましくない。なお、もちろん成
形工程は図3又は図4のものにのみ限定されるわけでは
なく、他の種々の成形工程が考えられるが、いずれの成
形工程を採用するかは、発泡樹脂粒子の種類、発泡成形
品の要求性能等を考慮して適宜選択すればよい。
【0029】なお、図4の如く一つの金型内で全工程を
行う場合の中間発泡成形体の形成工程において中間発泡
成形体は熱変形温度以上の温度となっているから、特に
最終発泡成形体の形成工程において外部より加熱する必
要は必ずしもないが、最終発泡成形体の成形をより促進
するため、又、均質化するため、さらに外部より加熱し
てもよい。
行う場合の中間発泡成形体の形成工程において中間発泡
成形体は熱変形温度以上の温度となっているから、特に
最終発泡成形体の形成工程において外部より加熱する必
要は必ずしもないが、最終発泡成形体の成形をより促進
するため、又、均質化するため、さらに外部より加熱し
てもよい。
【0030】中間発泡成形体の体積の増大を1.1乃至
2倍とするのは、1.1倍より小さい場合にあっては最
終発泡成形体に圧縮強度の向上が見られず、又、2倍よ
り大きい場合にあっては最終発泡成形体が不均質となり
逆に圧縮強度が低下するとともに、表面の平滑性にも問
題を生じ外観品質も劣化するからである。
2倍とするのは、1.1倍より小さい場合にあっては最
終発泡成形体に圧縮強度の向上が見られず、又、2倍よ
り大きい場合にあっては最終発泡成形体が不均質となり
逆に圧縮強度が低下するとともに、表面の平滑性にも問
題を生じ外観品質も劣化するからである。
【0031】一旦、曲面を有する中間発泡成形体を形成
することにより、各樹脂粒子の位置を略決定することが
でき、次いで中間発泡成形体の曲面をさらに膨張して最
終発泡成形体を形成することにより、最終発泡成形体を
構成する発泡樹脂粒子をその曲面外方方向に長径として
整列させる効果を持たせることができるのである。従っ
て、最終発泡成形体は、その方向の圧縮強度を増大する
と考えられる。
することにより、各樹脂粒子の位置を略決定することが
でき、次いで中間発泡成形体の曲面をさらに膨張して最
終発泡成形体を形成することにより、最終発泡成形体を
構成する発泡樹脂粒子をその曲面外方方向に長径として
整列させる効果を持たせることができるのである。従っ
て、最終発泡成形体は、その方向の圧縮強度を増大する
と考えられる。
【0032】次に、本考案による曲面を有する発泡成形
品が圧縮強度を大幅に増大することを具体的実施例に基
づいて説明する。
品が圧縮強度を大幅に増大することを具体的実施例に基
づいて説明する。
【0033】(実施例) 発泡成形品の成形は、図3に示す成形工程により行っ
た。キャビティ型8とコア型13とを型締めし、画成さ
れたキャビティ15内に密度0.03g/cm3 のポリ
スチレン予備発泡粒子aを充填し、0.6kg/cm2
Gの蒸気を5秒間キャビティ15内に導入して脱気した
後、同圧の蒸気を20秒間導入して空隙率が約30%の
中間発泡成形体bを得た(図3(A))。
た。キャビティ型8とコア型13とを型締めし、画成さ
れたキャビティ15内に密度0.03g/cm3 のポリ
スチレン予備発泡粒子aを充填し、0.6kg/cm2
Gの蒸気を5秒間キャビティ15内に導入して脱気した
後、同圧の蒸気を20秒間導入して空隙率が約30%の
中間発泡成形体bを得た(図3(A))。
【0034】型開きした後、この中間発泡成形体bをコ
ア型13の外壁面13aに付着させた状態でキャビティ
型8より離型し(図3(B))、キャビティ型9に対面
する位置に移動して(図3(C))、型締めし、キャビ
ティ16の容積を30%増大させ、0.6kg/cm2
Gの蒸気を15秒間キャビティ16内に導入し、中間発
泡成形体bの曲面をキャビティ型9の成形面9aまで発
泡させた(図3(D))。そして、チャンバ−内に20
℃の水を15秒間導入し、5分間放冷した後、型開き
し、密度約0.023g/cm3 の最終発泡成形体cを
得た。
ア型13の外壁面13aに付着させた状態でキャビティ
型8より離型し(図3(B))、キャビティ型9に対面
する位置に移動して(図3(C))、型締めし、キャビ
ティ16の容積を30%増大させ、0.6kg/cm2
Gの蒸気を15秒間キャビティ16内に導入し、中間発
泡成形体bの曲面をキャビティ型9の成形面9aまで発
泡させた(図3(D))。そして、チャンバ−内に20
℃の水を15秒間導入し、5分間放冷した後、型開き
し、密度約0.023g/cm3 の最終発泡成形体cを
得た。
【0035】このようにして得られた発泡成形品におい
て、5%歪み時の高さ方向圧縮強度は2.04kg/c
m2 であった。
て、5%歪み時の高さ方向圧縮強度は2.04kg/c
m2 であった。
【0036】(比較例) 発泡成形品の成形は、通常の発泡成形工程により行っ
た。キャビティ型とコア型とを型締めし、画成されたキ
ャビティ内に密度0.023g/cm3 のポリスチレン
予備発泡粒子を充填し、0.6kg/cm2 Gの蒸気を
5秒間キャビティ内に導入して脱気した後、同圧の蒸気
を35秒間導入した。そして、チャンバ−内に20℃の
水を15秒間導入し、5分間放冷した後、型開きし、密
度約0.023g/cm3 の発泡成形品を得た。
た。キャビティ型とコア型とを型締めし、画成されたキ
ャビティ内に密度0.023g/cm3 のポリスチレン
予備発泡粒子を充填し、0.6kg/cm2 Gの蒸気を
5秒間キャビティ内に導入して脱気した後、同圧の蒸気
を35秒間導入した。そして、チャンバ−内に20℃の
水を15秒間導入し、5分間放冷した後、型開きし、密
度約0.023g/cm3 の発泡成形品を得た。
【0037】このようにして得られた発泡成形品におい
て、5%歪み時の高さ方向圧縮強度は1.60kg/c
m2 であった。
て、5%歪み時の高さ方向圧縮強度は1.60kg/c
m2 であった。
【0038】
【考案の効果】本考案によれば、優れた衝撃強度を有
し、かつ大幅に軽量化でき、しかも比較的簡易に成形で
き、かつ製造コストも安価である曲面を有する発泡成形
品を提供することができる。従って、本考案の曲面を有
する発泡成形品は、衝撃強度を十分確保しつつ軽量化を
要求されるヘルメットの衝撃吸収ライナ等に特に有効に
適用できる。
し、かつ大幅に軽量化でき、しかも比較的簡易に成形で
き、かつ製造コストも安価である曲面を有する発泡成形
品を提供することができる。従って、本考案の曲面を有
する発泡成形品は、衝撃強度を十分確保しつつ軽量化を
要求されるヘルメットの衝撃吸収ライナ等に特に有効に
適用できる。
【図1】従来のヘルメットの一部切断側面図である。
【図2】本考案によるヘルメットの一部切断側面図であ
る。
る。
【図3】曲面を有する発泡成形品の一実施例の成形工程
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図4】曲面を有する発泡成形品の他実施例の成形工程
を示す説明図である。
を示す説明図である。
4 ヘルメット 6 衝撃吸収ライナ 15 キャビティ 16 キャビティ a 予備発泡樹脂粒子 b 中間発泡成形体 c 最終発泡成形体
Claims (1)
- 【請求項1】 熱可塑性予備発泡樹脂粒子を曲面を有す
る金型キャビティ内で加熱発泡させて融着させた曲面を
有する中間発泡成形体の少くとも曲面を、その外方に曲
面を位置させた金型キャビティ内で、さらに金型曲面ま
で加熱膨張させてその体積を1.1乃至2倍に増大させ
て所定形状とした最終発泡成形体よりなる曲面を有する
発泡成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992046478U JP2577450Y2 (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 曲面を有する発泡成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992046478U JP2577450Y2 (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 曲面を有する発泡成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06731U JPH06731U (ja) | 1994-01-11 |
JP2577450Y2 true JP2577450Y2 (ja) | 1998-07-30 |
Family
ID=12748309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992046478U Expired - Fee Related JP2577450Y2 (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 曲面を有する発泡成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2577450Y2 (ja) |
-
1992
- 1992-06-10 JP JP1992046478U patent/JP2577450Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06731U (ja) | 1994-01-11 |
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Legal Events
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