JP3056613B2 - 中空部を有する発泡樹脂成形体の製造方法 - Google Patents
中空部を有する発泡樹脂成形体の製造方法Info
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- JP3056613B2 JP3056613B2 JP5174479A JP17447993A JP3056613B2 JP 3056613 B2 JP3056613 B2 JP 3056613B2 JP 5174479 A JP5174479 A JP 5174479A JP 17447993 A JP17447993 A JP 17447993A JP 3056613 B2 JP3056613 B2 JP 3056613B2
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、消失模型鋳造
方法に供される消失模型、あるいは自動車用ダクト等に
使用される中空部を有する発泡樹脂成形体の製造方法に
関するものである。
方法に供される消失模型、あるいは自動車用ダクト等に
使用される中空部を有する発泡樹脂成形体の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、中空部を有する発泡樹脂成形体の
製造方法としては、例えば特開平4−305331号公
報に開示されているような方法が知られている。この製
造方法は、中空部を有する樹脂成形品(以下、中子と称
する)を成形用金型内に配置し、この成形用金型のキャ
ビティに発泡性樹脂粒子(以下、発泡ビーズと称する)
を充填して発泡させ、上記の中子と一体的に成形する際
に、発泡ビーズの発泡圧力による中子の変形を防止する
ために、中子の中空部に所定圧力の空気を供給すること
により所定の中空部を備えた発泡樹脂成形体とする方法
である。
製造方法としては、例えば特開平4−305331号公
報に開示されているような方法が知られている。この製
造方法は、中空部を有する樹脂成形品(以下、中子と称
する)を成形用金型内に配置し、この成形用金型のキャ
ビティに発泡性樹脂粒子(以下、発泡ビーズと称する)
を充填して発泡させ、上記の中子と一体的に成形する際
に、発泡ビーズの発泡圧力による中子の変形を防止する
ために、中子の中空部に所定圧力の空気を供給すること
により所定の中空部を備えた発泡樹脂成形体とする方法
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法では、中子の中空部に所定圧力の空気を供
給して成形時の中子の変形を防止するようになっている
ので、空気の圧力(以下、空気圧と称する)が発泡ビー
ズの発泡圧力に対して高すぎる場合には、空気圧で中子
が膨らむ、あるいは破裂する等の変形を起こして良好な
発泡樹脂成形体が得られない一方、空気圧が発泡圧力に
対して低すぎる場合には、発泡圧力で中子が凹む等の変
形を起こして良好な発泡樹脂成形体が得られないという
問題点を有している。
来の製造方法では、中子の中空部に所定圧力の空気を供
給して成形時の中子の変形を防止するようになっている
ので、空気の圧力(以下、空気圧と称する)が発泡ビー
ズの発泡圧力に対して高すぎる場合には、空気圧で中子
が膨らむ、あるいは破裂する等の変形を起こして良好な
発泡樹脂成形体が得られない一方、空気圧が発泡圧力に
対して低すぎる場合には、発泡圧力で中子が凹む等の変
形を起こして良好な発泡樹脂成形体が得られないという
問題点を有している。
【0004】このため、上記従来の製造方法では、例え
ば、中子の材質・肉厚・機械的強度等、あるいは発泡ビ
ーズの材質・発泡倍率等が異なる場合には、その都度、
数回の試作製造を行って、上記の中空部に供給する空気
圧を決定しなければならない。従って、発泡樹脂成形体
の製造時間が長く掛かり、かつ、製造工程の煩雑化を招
くという問題点も有している。さらに、試作製造のとき
に成形した発泡樹脂成形体が不良品となり易いという問
題点も有している。
ば、中子の材質・肉厚・機械的強度等、あるいは発泡ビ
ーズの材質・発泡倍率等が異なる場合には、その都度、
数回の試作製造を行って、上記の中空部に供給する空気
圧を決定しなければならない。従って、発泡樹脂成形体
の製造時間が長く掛かり、かつ、製造工程の煩雑化を招
くという問題点も有している。さらに、試作製造のとき
に成形した発泡樹脂成形体が不良品となり易いという問
題点も有している。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の中
空部を有する発泡樹脂成形体の製造方法は、上記の課題
を解決するために、中空部を有する樹脂成形品を成形用
金型のキャビティの所定位置に配置し、上記のキャビテ
ィに発泡性樹脂粒子を充填して発泡させることにより該
樹脂成形品と発泡樹脂とを一体的に成形する中空部を有
する発泡樹脂成形体の製造方法であって、上記の発泡性
樹脂粒子を発泡させる際に、該発泡性樹脂粒子の最大発
泡圧力を測定する一方、上記の中空部に流体を供給し、
上記の最大発泡圧力と該中空部内の圧力とを略等しくす
ることを特徴としている。
空部を有する発泡樹脂成形体の製造方法は、上記の課題
を解決するために、中空部を有する樹脂成形品を成形用
金型のキャビティの所定位置に配置し、上記のキャビテ
ィに発泡性樹脂粒子を充填して発泡させることにより該
樹脂成形品と発泡樹脂とを一体的に成形する中空部を有
する発泡樹脂成形体の製造方法であって、上記の発泡性
樹脂粒子を発泡させる際に、該発泡性樹脂粒子の最大発
泡圧力を測定する一方、上記の中空部に流体を供給し、
上記の最大発泡圧力と該中空部内の圧力とを略等しくす
ることを特徴としている。
【0006】
【0007】
【作用】上記の請求項1記載の方法によれば、発泡性樹
脂粒子を発泡させて樹脂成形品と発泡樹脂とを一体的に
成形する際に、該発泡性樹脂粒子の最大発泡圧力を測定
する一方、樹脂成形品の中空部に例えば空気等の流体を
供給し、上記の最大発泡圧力と該中空部内の圧力とを略
等しくするので、樹脂成形品が膨らむ、あるいは凹む等
の変形を起こす虞れはない。
脂粒子を発泡させて樹脂成形品と発泡樹脂とを一体的に
成形する際に、該発泡性樹脂粒子の最大発泡圧力を測定
する一方、樹脂成形品の中空部に例えば空気等の流体を
供給し、上記の最大発泡圧力と該中空部内の圧力とを略
等しくするので、樹脂成形品が膨らむ、あるいは凹む等
の変形を起こす虞れはない。
【0008】これにより、形状精度が良好で、しかも表
面および内面が平滑で美麗な発泡樹脂成形体を成形する
ことが可能となる。また、中空部内の圧力を決定するた
めの試作製造等を行う必要がないので、発泡樹脂成形体
の製造時間が短縮でき、かつ、製造工程を簡略化するこ
とができる。さらに、不良品が発生し難いので、発泡樹
脂成形体の製作費を安価なものとすることができる。
面および内面が平滑で美麗な発泡樹脂成形体を成形する
ことが可能となる。また、中空部内の圧力を決定するた
めの試作製造等を行う必要がないので、発泡樹脂成形体
の製造時間が短縮でき、かつ、製造工程を簡略化するこ
とができる。さらに、不良品が発生し難いので、発泡樹
脂成形体の製作費を安価なものとすることができる。
【0009】そして、例えば、消失模型鋳造方法に供さ
れる消失模型として上記の発泡樹脂成形体を使用した場
合には、鋳造品の表面および内面を平滑で美麗にするこ
とが可能となる。
れる消失模型として上記の発泡樹脂成形体を使用した場
合には、鋳造品の表面および内面を平滑で美麗にするこ
とが可能となる。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図1ないし
図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0014】本発明にかかる中空部を有する発泡樹脂成
形体の製造方法は、発泡性樹脂粒子を発泡させて樹脂成
形品と発泡樹脂とを一体的に成形する際に、該発泡性樹
脂粒子の最大発泡圧力を測定する一方、樹脂成形品の中
空部に例えば空気等の流体を供給し、上記の最大発泡圧
力と該中空部内の圧力とを略等しくする方法である。そ
して、上記の方法により、樹脂成形品が膨らむ、あるい
は凹む等の変形を起こす虞れを解消し、形状精度を良好
に、しかも表面および内面が平滑で美麗な発泡樹脂成形
体を成形可能とするものである。また、中空部内の圧力
を決定するための試作製造等を省略し、発泡樹脂成形体
の製造時間を短縮し、かつ、製造工程を簡略化するもの
である。さらに、発泡樹脂成形体の製作費を安価にする
ものである。
形体の製造方法は、発泡性樹脂粒子を発泡させて樹脂成
形品と発泡樹脂とを一体的に成形する際に、該発泡性樹
脂粒子の最大発泡圧力を測定する一方、樹脂成形品の中
空部に例えば空気等の流体を供給し、上記の最大発泡圧
力と該中空部内の圧力とを略等しくする方法である。そ
して、上記の方法により、樹脂成形品が膨らむ、あるい
は凹む等の変形を起こす虞れを解消し、形状精度を良好
に、しかも表面および内面が平滑で美麗な発泡樹脂成形
体を成形可能とするものである。また、中空部内の圧力
を決定するための試作製造等を省略し、発泡樹脂成形体
の製造時間を短縮し、かつ、製造工程を簡略化するもの
である。さらに、発泡樹脂成形体の製作費を安価にする
ものである。
【0015】次に、本発明を適用して成形される中空部
を有する発泡樹脂成形体(以下、単に発泡樹脂成形体と
称する)の形状の一例について、図2および図3を参照
して説明する。図2に示すように、本実施例にかかる発
泡樹脂成形体1は、例えば、自動車のインテークマニホ
ールドを消失模型鋳造方法によって製造する際の消失模
型として使用されるものであって、中空部2を有する非
発泡樹脂部材(樹脂成形品)3と、この非発泡樹脂部材
3の側面を取り囲む発泡樹脂部材(発泡樹脂)4とから
なっている。
を有する発泡樹脂成形体(以下、単に発泡樹脂成形体と
称する)の形状の一例について、図2および図3を参照
して説明する。図2に示すように、本実施例にかかる発
泡樹脂成形体1は、例えば、自動車のインテークマニホ
ールドを消失模型鋳造方法によって製造する際の消失模
型として使用されるものであって、中空部2を有する非
発泡樹脂部材(樹脂成形品)3と、この非発泡樹脂部材
3の側面を取り囲む発泡樹脂部材(発泡樹脂)4とから
なっている。
【0016】非発泡樹脂部材3は、図3にも示すよう
に、中央部分がS字型に緩やかに湾曲した略有底円筒形
状をなしており、ほぼ一定の肉厚に形成されている。ま
た、開口部5の直径は、中空部2の直径よりも小さくな
っている。非発泡樹脂部材3は、非発泡の熱可塑性樹脂
を、例えばブロー成形やシート成形、あるいは射出成形
することにより形成されている。上記の熱可塑性樹脂と
しては、例えば、ポリエチレン(PE)・ポリプロピレン(P
P)等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)、ハイ
インパクトポリスチレン(HIPS)、およびポリメチルメタ
クリレート(PMMA)等のポリメタクリル樹脂等を用いるこ
とができる。また、これら樹脂のモノマーの共重合体を
用いることもできる。
に、中央部分がS字型に緩やかに湾曲した略有底円筒形
状をなしており、ほぼ一定の肉厚に形成されている。ま
た、開口部5の直径は、中空部2の直径よりも小さくな
っている。非発泡樹脂部材3は、非発泡の熱可塑性樹脂
を、例えばブロー成形やシート成形、あるいは射出成形
することにより形成されている。上記の熱可塑性樹脂と
しては、例えば、ポリエチレン(PE)・ポリプロピレン(P
P)等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)、ハイ
インパクトポリスチレン(HIPS)、およびポリメチルメタ
クリレート(PMMA)等のポリメタクリル樹脂等を用いるこ
とができる。また、これら樹脂のモノマーの共重合体を
用いることもできる。
【0017】発泡樹脂部材4は、図2に示すように、発
泡性の熱可塑性樹脂粒子(発泡性樹脂粒子、以下、樹脂
粒子と称する)からなっており、非発泡樹脂部材3の側
面を取り囲むように、ほぼ一定の肉厚に形成されてい
る。上記の樹脂粒子としては、例えば、ポリエチレン・
ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレ
ン、ハイインパクトポリスチレン、およびポリメチルメ
タクリレート等のポリメタクリル樹脂等からなる粒子、
あるいはこれら樹脂のモノマーの共重合体からなる粒子
に発泡剤を含浸させ、所定倍率に予備発泡させたものを
用いることができる。そして、これら樹脂粒子は、例え
ば水蒸気による加熱で発泡されて所定形状の発泡樹脂部
材4とされる。
泡性の熱可塑性樹脂粒子(発泡性樹脂粒子、以下、樹脂
粒子と称する)からなっており、非発泡樹脂部材3の側
面を取り囲むように、ほぼ一定の肉厚に形成されてい
る。上記の樹脂粒子としては、例えば、ポリエチレン・
ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレ
ン、ハイインパクトポリスチレン、およびポリメチルメ
タクリレート等のポリメタクリル樹脂等からなる粒子、
あるいはこれら樹脂のモノマーの共重合体からなる粒子
に発泡剤を含浸させ、所定倍率に予備発泡させたものを
用いることができる。そして、これら樹脂粒子は、例え
ば水蒸気による加熱で発泡されて所定形状の発泡樹脂部
材4とされる。
【0018】尚、上記の発泡剤としては、沸点が熱可塑
性樹脂の軟化点以下であって、常圧でガス状もしくは液
状の有機化合物が適しており、例えば、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、
ジクロロフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素、ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテ
ル等の低沸点のエーテル化合物等が用いられる。これら
の発泡剤は、一種類のみを使用してもよいし、また、二
種類以上併用してもよい。さらに、予備発泡の発泡倍率
は、例えば、樹脂粒子の材質等に応じた最適の倍率とす
ればよい。
性樹脂の軟化点以下であって、常圧でガス状もしくは液
状の有機化合物が適しており、例えば、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、
ジクロロフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素、ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテ
ル等の低沸点のエーテル化合物等が用いられる。これら
の発泡剤は、一種類のみを使用してもよいし、また、二
種類以上併用してもよい。さらに、予備発泡の発泡倍率
は、例えば、樹脂粒子の材質等に応じた最適の倍率とす
ればよい。
【0019】次に、上記形状の発泡樹脂成形体1を成形
する成形用金型について、図1を参照して説明する。図
1に示すように、成形用金型10は、上下一対の上側金
型11および下側金型12で構成されており、これら上
側金型11および下側金型12の合わせ面には、発泡樹
脂成形体1の外形形状に対応するキャビティ13が形成
されている。また、上側金型11には、樹脂粒子をキャ
ビティ13に供給するフィーダ14と、キャビティ13
における樹脂粒子の発泡圧力を検出するセンサ15とが
備えられている。さらに、上側金型11および下側金型
12には、蒸気室16・17が設けられており、これら
蒸気室16・17に水蒸気を通すことによってキャビテ
ィ13に充填された樹脂粒子を加熱・発泡させるように
なっている。尚、蒸気室16・17には、水蒸気の他
に、成形用金型10を冷却する冷却水を通すこともでき
るようになっている。
する成形用金型について、図1を参照して説明する。図
1に示すように、成形用金型10は、上下一対の上側金
型11および下側金型12で構成されており、これら上
側金型11および下側金型12の合わせ面には、発泡樹
脂成形体1の外形形状に対応するキャビティ13が形成
されている。また、上側金型11には、樹脂粒子をキャ
ビティ13に供給するフィーダ14と、キャビティ13
における樹脂粒子の発泡圧力を検出するセンサ15とが
備えられている。さらに、上側金型11および下側金型
12には、蒸気室16・17が設けられており、これら
蒸気室16・17に水蒸気を通すことによってキャビテ
ィ13に充填された樹脂粒子を加熱・発泡させるように
なっている。尚、蒸気室16・17には、水蒸気の他
に、成形用金型10を冷却する冷却水を通すこともでき
るようになっている。
【0020】そして、成形用金型10は、非発泡樹脂部
材3の中空部2に例えば空気、窒素、二酸化炭素等の流
体(以下、単に空気と称する)を供給するノズル18を
備えており、このノズル18は、空気の圧力を任意に調
整可能な図示しないレギュレータに接続されている。ま
た、レギュレータは、例えば圧縮空気を供給する空気圧
縮装置、あるいはボンベ(何れも図示せず)等に接続さ
れている。従って、このレギュレータにより、中空部2
内の空気の圧力を任意の値に設定することが可能となっ
ている。さらに、レギュレータの調整動作は、例えば図
示しない制御装置によって自動的に行われるようになっ
ている。尚、流体は、気体の他に、例えば、水、油等の
液体であってもよい。
材3の中空部2に例えば空気、窒素、二酸化炭素等の流
体(以下、単に空気と称する)を供給するノズル18を
備えており、このノズル18は、空気の圧力を任意に調
整可能な図示しないレギュレータに接続されている。ま
た、レギュレータは、例えば圧縮空気を供給する空気圧
縮装置、あるいはボンベ(何れも図示せず)等に接続さ
れている。従って、このレギュレータにより、中空部2
内の空気の圧力を任意の値に設定することが可能となっ
ている。さらに、レギュレータの調整動作は、例えば図
示しない制御装置によって自動的に行われるようになっ
ている。尚、流体は、気体の他に、例えば、水、油等の
液体であってもよい。
【0021】センサ15は、例えばロードセル式セン
サ、ダイヤフラム式センサ、オイル封入式センサ等を用
いることができる。そして、センサ15で測定された樹
脂粒子の発泡圧力値は、例えばA/D(アナログ/ディ
ジタル)変換された後、制御装置に入力され、この制御
装置に内蔵されているシーケンサにて上記の発泡圧力値
に対応する中空部2内の空気の圧力値が算出される。算
出された圧力値は、D/A変換された後、レギュレータ
に出力される。これにより、ノズル18を介してレギュ
レータから非発泡樹脂部材3の中空部2に供給される空
気の圧力が自動的に調整されるようになっている。尚、
レギュレータは、上述のように制御装置による自動操作
が可能となっているが、勿論、手動で操作する構成とな
っていてもよい。
サ、ダイヤフラム式センサ、オイル封入式センサ等を用
いることができる。そして、センサ15で測定された樹
脂粒子の発泡圧力値は、例えばA/D(アナログ/ディ
ジタル)変換された後、制御装置に入力され、この制御
装置に内蔵されているシーケンサにて上記の発泡圧力値
に対応する中空部2内の空気の圧力値が算出される。算
出された圧力値は、D/A変換された後、レギュレータ
に出力される。これにより、ノズル18を介してレギュ
レータから非発泡樹脂部材3の中空部2に供給される空
気の圧力が自動的に調整されるようになっている。尚、
レギュレータは、上述のように制御装置による自動操作
が可能となっているが、勿論、手動で操作する構成とな
っていてもよい。
【0022】レギュレータから中空部2へ供給される空
気の圧力(以下、空気圧と称する)は、樹脂粒子の最大
発泡圧力とほぼ等しくなるように設定されている。空気
圧が最大発泡圧力よりも低いと、発泡圧力によって非発
泡樹脂部材3が凹む等の変形を起こすために好ましくな
く、また、空気圧が最大発泡圧力よりも高いと、空気圧
によって非発泡樹脂部材3が膨らむ、あるいは破裂する
等の変形を起こすために好ましくない。但し、非発泡樹
脂部材3の変形を防ぐためには、最大発泡圧力と空気圧
とを厳密に等しくする必要はないので、例えば制御装置
においては、両者の圧力差が或る許容範囲内に収まって
いれば、最大発泡圧力と空気圧とが等しいと判断するよ
うになっていればよい。尚、上記の許容範囲は、非発泡
樹脂部材3の変形が起こらない範囲とすればよく、例え
ば、用いる非発泡樹脂部材3の材質、肉厚、機械的強
度、形状等、あるいは樹脂粒子の種類、発泡倍率等によ
り適宜設定すればよい。
気の圧力(以下、空気圧と称する)は、樹脂粒子の最大
発泡圧力とほぼ等しくなるように設定されている。空気
圧が最大発泡圧力よりも低いと、発泡圧力によって非発
泡樹脂部材3が凹む等の変形を起こすために好ましくな
く、また、空気圧が最大発泡圧力よりも高いと、空気圧
によって非発泡樹脂部材3が膨らむ、あるいは破裂する
等の変形を起こすために好ましくない。但し、非発泡樹
脂部材3の変形を防ぐためには、最大発泡圧力と空気圧
とを厳密に等しくする必要はないので、例えば制御装置
においては、両者の圧力差が或る許容範囲内に収まって
いれば、最大発泡圧力と空気圧とが等しいと判断するよ
うになっていればよい。尚、上記の許容範囲は、非発泡
樹脂部材3の変形が起こらない範囲とすればよく、例え
ば、用いる非発泡樹脂部材3の材質、肉厚、機械的強
度、形状等、あるいは樹脂粒子の種類、発泡倍率等によ
り適宜設定すればよい。
【0023】次に、発泡樹脂成形体1の成形手順の一例
について説明する。尚、非発泡樹脂部材3として、ハイ
インパクトポリスチレンからなるブロー成形品を用い
た。また、発泡樹脂部材4となる樹脂粒子として、ポリ
スチレンからなる鋳造用発泡性ビーズ(積水化成品工業
株式会社製:商品名 エスレンビーズLFK)を用い
た。そして、樹脂粒子の発泡倍率を40倍とし、発泡樹脂
成形体1の肉厚(即ち、非発泡樹脂部材3の肉厚と発泡
樹脂成形体4の肉厚との合計)を 3.5mmとした。
について説明する。尚、非発泡樹脂部材3として、ハイ
インパクトポリスチレンからなるブロー成形品を用い
た。また、発泡樹脂部材4となる樹脂粒子として、ポリ
スチレンからなる鋳造用発泡性ビーズ(積水化成品工業
株式会社製:商品名 エスレンビーズLFK)を用い
た。そして、樹脂粒子の発泡倍率を40倍とし、発泡樹脂
成形体1の肉厚(即ち、非発泡樹脂部材3の肉厚と発泡
樹脂成形体4の肉厚との合計)を 3.5mmとした。
【0024】先ず、非発泡樹脂部材3を成形用金型10
のキャビティ13における所定位置に設置し、上側金型
11および下側金型12を型締めした(工程1)。次
に、フィーダ14から樹脂粒子を供給し、キャビティ1
3に充填した(工程2)。尚、樹脂粒子の充填量の管理
は、例えば、樹脂粒子の重量や体積を計量することによ
り行ってもよく、また、フィーダ14から単位時間当た
りに供給される樹脂粒子の重量や体積を予め測定してお
き、タイマ等を用いて樹脂粒子の供給時間を測定するこ
とにより行ってもよい。
のキャビティ13における所定位置に設置し、上側金型
11および下側金型12を型締めした(工程1)。次
に、フィーダ14から樹脂粒子を供給し、キャビティ1
3に充填した(工程2)。尚、樹脂粒子の充填量の管理
は、例えば、樹脂粒子の重量や体積を計量することによ
り行ってもよく、また、フィーダ14から単位時間当た
りに供給される樹脂粒子の重量や体積を予め測定してお
き、タイマ等を用いて樹脂粒子の供給時間を測定するこ
とにより行ってもよい。
【0025】その後、蒸気室16・17に水蒸気を通し
て成形用金型10を加熱し、2秒間かけて所定温度とす
ると共に、センサ15による樹脂粒子の発泡圧力の測定
を行い、最大発泡圧力に基づいて算出した圧力値(即
ち、最大発泡圧力とほぼ等しい空気圧)となるように、
ノズル18を介してレギュレータから非発泡樹脂部材3
の中空部2へ空気を供給して加圧した(工程3)。次い
で、下側金型12のみを10秒間、所定温度に保ち(工程
4)、続いて、上側金型11のみを10秒間、所定温度に
保った(工程5)。さらに、上側金型11および下側金
型12を40秒間、所定温度に保ち(工程6)、樹脂粒子
を充分に加熱・発泡させて互いに融着させた後、蒸気室
16・17に冷却水を通し、成形用金型10を15秒間か
けて所定温度に冷却した(工程7)。尚、上記の工程6
での水蒸気の圧力は、 0.5kg/cm2とした。
て成形用金型10を加熱し、2秒間かけて所定温度とす
ると共に、センサ15による樹脂粒子の発泡圧力の測定
を行い、最大発泡圧力に基づいて算出した圧力値(即
ち、最大発泡圧力とほぼ等しい空気圧)となるように、
ノズル18を介してレギュレータから非発泡樹脂部材3
の中空部2へ空気を供給して加圧した(工程3)。次い
で、下側金型12のみを10秒間、所定温度に保ち(工程
4)、続いて、上側金型11のみを10秒間、所定温度に
保った(工程5)。さらに、上側金型11および下側金
型12を40秒間、所定温度に保ち(工程6)、樹脂粒子
を充分に加熱・発泡させて互いに融着させた後、蒸気室
16・17に冷却水を通し、成形用金型10を15秒間か
けて所定温度に冷却した(工程7)。尚、上記の工程6
での水蒸気の圧力は、 0.5kg/cm2とした。
【0026】次に、 5秒間かけて冷却水を排水し(工程
8)、さらに40秒間、成形用金型10を放冷した(工程
9)。その後、レギュレータから中空部2への空気の供
給を停止し、成形用金型10の型開きを行って発泡樹脂
成形体1を取り出した(工程10)。
8)、さらに40秒間、成形用金型10を放冷した(工程
9)。その後、レギュレータから中空部2への空気の供
給を停止し、成形用金型10の型開きを行って発泡樹脂
成形体1を取り出した(工程10)。
【0027】即ち、レギュレータから非発泡樹脂部材3
の中空部2への空気の供給は、工程3から工程9まで続
けて行った。そして、この間の樹脂粒子の最大発泡圧力
は 0.9kg/cm2であったので、空気圧を 1.0kg/cm2に設定
した。
の中空部2への空気の供給は、工程3から工程9まで続
けて行った。そして、この間の樹脂粒子の最大発泡圧力
は 0.9kg/cm2であったので、空気圧を 1.0kg/cm2に設定
した。
【0028】以上のようにして得られた発泡樹脂成形体
1は、樹脂粒子同士の融着が良好となっており、従って
発泡樹脂部材4の表面は平滑で美麗であった。また、非
発泡樹脂部材3は、変形等を起こしていなかった。
1は、樹脂粒子同士の融着が良好となっており、従って
発泡樹脂部材4の表面は平滑で美麗であった。また、非
発泡樹脂部材3は、変形等を起こしていなかった。
【0029】このように、上記の実施例においては、樹
脂粒子を発泡させて非発泡樹脂部材3と発泡樹脂部材4
とを一体的に成形する際に、センサ15により樹脂粒子
の最大発泡圧力を測定する一方、レギュレータから非発
泡樹脂部材3の中空部2に空気を供給し、上記の最大発
泡圧力と中空部2内の空気圧とを略等しくするので、非
発泡樹脂部材3が膨らむ、あるいは凹む等の変形を起こ
す虞れはない。
脂粒子を発泡させて非発泡樹脂部材3と発泡樹脂部材4
とを一体的に成形する際に、センサ15により樹脂粒子
の最大発泡圧力を測定する一方、レギュレータから非発
泡樹脂部材3の中空部2に空気を供給し、上記の最大発
泡圧力と中空部2内の空気圧とを略等しくするので、非
発泡樹脂部材3が膨らむ、あるいは凹む等の変形を起こ
す虞れはない。
【0030】これにより、形状精度が良好で、しかも表
面および内面が平滑で美麗な発泡樹脂成形体1を容易に
成形することが可能となる。また、中空部2内の空気圧
を決定するための試作製造等を行う必要がないので、発
泡樹脂成形体1の製造時間が短縮でき、かつ、製造工程
を簡略化することができる。さらに、不良品が発生し難
いので、発泡樹脂成形体1の製作費を安価なものとする
ことができる。
面および内面が平滑で美麗な発泡樹脂成形体1を容易に
成形することが可能となる。また、中空部2内の空気圧
を決定するための試作製造等を行う必要がないので、発
泡樹脂成形体1の製造時間が短縮でき、かつ、製造工程
を簡略化することができる。さらに、不良品が発生し難
いので、発泡樹脂成形体1の製作費を安価なものとする
ことができる。
【0031】また、消失模型鋳造方法に供される消失模
型として上記の発泡樹脂成形体1を使用することによ
り、鋳造品である自動車のインテークマニホールドの表
面および内面を平滑で美麗にすることが可能となる。
型として上記の発泡樹脂成形体1を使用することによ
り、鋳造品である自動車のインテークマニホールドの表
面および内面を平滑で美麗にすることが可能となる。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の中空部を有する
発泡樹脂成形体の製造方法は、以上のように、発泡性樹
脂粒子を発泡させる際に、該発泡性樹脂粒子の最大発泡
圧力を測定する一方、中空部に流体を供給し、上記の最
大発泡圧力と該中空部内の圧力とを略等しくする方法で
ある。
発泡樹脂成形体の製造方法は、以上のように、発泡性樹
脂粒子を発泡させる際に、該発泡性樹脂粒子の最大発泡
圧力を測定する一方、中空部に流体を供給し、上記の最
大発泡圧力と該中空部内の圧力とを略等しくする方法で
ある。
【0040】これにより、形状精度が良好で、しかも表
面および内面が平滑で美麗な発泡樹脂成形体を成形する
ことが可能となるという効果を奏する。また、中空部内
の圧力を決定するための試作製造等を行う必要がないの
で、発泡樹脂成形体の製造時間が短縮でき、かつ、製造
工程を簡略化することができる。さらに、不良品が発生
し難いので、発泡樹脂成形体の製作費を安価なものとす
ることができるという効果も併せて奏する。
面および内面が平滑で美麗な発泡樹脂成形体を成形する
ことが可能となるという効果を奏する。また、中空部内
の圧力を決定するための試作製造等を行う必要がないの
で、発泡樹脂成形体の製造時間が短縮でき、かつ、製造
工程を簡略化することができる。さらに、不良品が発生
し難いので、発泡樹脂成形体の製作費を安価なものとす
ることができるという効果も併せて奏する。
【0041】そして、例えば、消失模型鋳造方法に供さ
れる消失模型として上記の発泡樹脂成形体を使用した場
合には、鋳造品の表面および内面を平滑で美麗にするこ
とが可能となる。
れる消失模型として上記の発泡樹脂成形体を使用した場
合には、鋳造品の表面および内面を平滑で美麗にするこ
とが可能となる。
【0042】
【0043】
【0044】
【図1】本発明の一実施例における発泡樹脂成形体の成
形工程を示すものであって、非発泡樹脂部材を配置して
発泡樹脂部材の成形を行うときの成形用金型の概略の断
面図である。
形工程を示すものであって、非発泡樹脂部材を配置して
発泡樹脂部材の成形を行うときの成形用金型の概略の断
面図である。
【図2】上記の発泡樹脂成形体の断面図である。
【図3】上記の非発泡樹脂部材の断面図である。
1 発泡樹脂成形体 2 中空部 3 非発泡樹脂部材(樹脂成形品) 4 発泡樹脂部材(発泡樹脂) 10 成形用金型 11 上側金型 12 下側金型 13 キャビティ 14 フィーダ 15 センサ 16 蒸気室 17 蒸気室 18 ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 22:00 (72)発明者 窪田 豊 大阪府大阪市大正区三軒屋東1丁目10番 26号 (72)発明者 長谷川 浩 茨城県猿島郡三和町谷貝726番地の19 (56)参考文献 特開 平1−257014(JP,A) 特開 平3−222725(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 39/00 - 39/44 B22C 7/02
Claims (1)
- 【請求項1】中空部を有する樹脂成形品を成形用金型の
キャビティの所定位置に配置し、上記のキャビティに発
泡性樹脂粒子を充填して発泡させることにより該樹脂成
形品と発泡樹脂とを一体的に成形する中空部を有する発
泡樹脂成形体の製造方法であって、 上記の発泡性樹脂粒子を発泡させる際に、該発泡性樹脂
粒子の最大発泡圧力を測定する一方、上記の中空部に流
体を供給し、上記の最大発泡圧力と該中空部内の圧力と
を略等しくすることを特徴とする中空部を有する発泡樹
脂成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5174479A JP3056613B2 (ja) | 1993-07-14 | 1993-07-14 | 中空部を有する発泡樹脂成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5174479A JP3056613B2 (ja) | 1993-07-14 | 1993-07-14 | 中空部を有する発泡樹脂成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0732085A JPH0732085A (ja) | 1995-02-03 |
JP3056613B2 true JP3056613B2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=15979205
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5174479A Expired - Fee Related JP3056613B2 (ja) | 1993-07-14 | 1993-07-14 | 中空部を有する発泡樹脂成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3056613B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103273612B (zh) * | 2013-06-07 | 2015-07-29 | 南通超达机械科技有限公司 | Pu发泡骨架定位安装感应装置 |
-
1993
- 1993-07-14 JP JP5174479A patent/JP3056613B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0732085A (ja) | 1995-02-03 |
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