JP3004840B2 - 中空部を有する消失模型用合成樹脂成形体 - Google Patents

中空部を有する消失模型用合成樹脂成形体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動車用ダク
ト等、複雑な形状の鋳造品を製造する消失模型鋳造方法
における消失模型として利用される中空部を有する消失
模型用合成樹脂成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、中空部を有する合成樹脂成形
体は、複雑な形状の鋳造品を製造する消失模型鋳造方法
における消失模型等として利用されており、例えば、特
開平4-305331号公報に開示されているような方法で成形
されている。この成形方法は、中空部を有する非発泡樹
脂部材(以下、中子と称する)を成形用金型内に配置
し、この成形用金型のキャビティに発泡樹脂部材となる
発泡性樹脂粒子(以下、発泡ビーズと称する)を充填し
て発泡させることにより、上記の中子および発泡ビーズ
を一体的に成形して合成樹脂成形体とする方法である。
【0003】そして、消失模型として利用される上記の
合成樹脂成形体(消失模型用合成樹脂成形体)は、鋳造
品となる溶融金属の熱によって合成樹脂が完全に消失
(分解)するように、その樹脂量をできるかぎり少なく
する必要があり、このため、非発泡体である中子の肉厚
は薄く形成されている。従って、上記従来の消失模型用
合成樹脂成形体は、その成形時に、発泡ビーズの発泡圧
力による中子の変形を防止するため、中子の中空部に所
定圧力の空気が供給されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の消失模型用合成樹脂成形体は、中子の肉厚が薄く形
成されているので、例えば、中空部が大きい消失模型用
合成樹脂成形体を成形する際には、空気の圧力(以下、
空気圧と称する)の調整が非常に難しいという問題を有
している。即ち、例えば、空気圧が発泡ビーズの発泡圧
力に対して高すぎる場合には、空気圧で中子が膨らむ、
あるいは破裂する等の変形を起こす一方、空気圧が発泡
圧力に対して低すぎる場合には、発泡圧力で中子が凹む
等の変形を起こし、何れの場合においても良好な消失模
型用合成樹脂成形体が得られなくなるという問題を有し
ている。
【0005】従って、上記従来の消失模型用合成樹脂成
形体は、例えば、中子の材質・肉厚・機械的強度等、あ
るいは発泡ビーズの材質・発泡倍率等が異なる毎に、数
回の試作成形を行って中空部に供給する空気圧を決定し
ており、このため、成形時間が長く掛かり、かつ、成形
工程の煩雑化を招来している。
【0006】本発明は、上記の問題に鑑みなされたもの
であり、その目的は、非発泡樹脂部材の肉厚を増すこと
なく非発泡樹脂部材の強度を向上させることにより、発
泡性樹脂粒子の発泡圧力等による非発泡樹脂部材の変形
を防止することが可能な消失模型用合成樹脂成形体を提
供することにある。
【0007】尚、非発泡樹脂部材の肉厚を分厚くするこ
とにより非発泡樹脂部材の強度を向上させることも考え
られるが、この場合には、消失模型用合成樹脂成形体の
樹脂量が多くなり、消失模型用合成樹脂成形体が溶融金
属の熱によって完全に消失しなくなる。このため、合成
樹脂やその分解物等が鋳型内に残り、溶融金属に混入し
て良好な鋳造品が得られなくなるので好ましくない。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の中
空部を有する消失模型用合成樹脂成形体は、上記の課題
を解決するために、中空部を有する非発泡樹脂部材と、
この非発泡樹脂部材の外表面を覆い、上記非発泡樹脂部
材と一体的に成形されている発泡樹脂部材とからなる中
空部を有する消失模型用合成樹脂成形体において、上記
非発泡樹脂部材の外表面の所定位置にリブが上記非発
泡樹脂部材の外表面に沿って延びるように形成されてい
ることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明の中空部を有する消失
模型用合成樹脂成形体は、上記の課題を解決するため
に、請求項1記載の中空部を有する消失模型用合成樹脂
成形体において、リブが非発泡樹脂部材のパーティング
部分に形成されていることを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明の中空部を有する消失
模型用合成樹脂成形体は、上記の課題を解決するため
に、請求項1または2記載の中空部を有する消失模型用
合成樹脂成形体において、リブが 0.1mm以上、発泡樹脂
部材の肉厚以下の高さに形成されていることを特徴とし
ている。
【0011】
【作用】請求項1記載の構成によれば、中空部を有する
非発泡樹脂部材の外表面の所定位置にリブが上記非発
泡樹脂部材の外表面に沿って延びるように形成されてい
るので、このリブにより非発泡樹脂部材の肉厚を分厚く
することなく非発泡樹脂部材の強度を向上させることが
できる。このため、上記の非発泡樹脂部材と一体的に発
泡樹脂部材を成形する際に、例えば、発泡樹脂部材とな
る発泡性樹脂粒子の発泡圧力等により非発泡樹脂部材が
膨らむ、あるいは凹む等の変形を起こす虞れはない。
【0012】これにより、形状精度が良好で、しかも表
面および内面が平滑で美麗な消失模型用合成樹脂成形体
を得ることが可能となる。また、例えば、非発泡樹脂部
材の中空部に所定圧力の空気等を供給しながら消失模型
合成樹脂成形体を成形する場合に、中空部内の圧力を
厳密に調整する必要がないので、消失模型用合成樹脂成
形体の成形時間が短縮でき、かつ、成形工程を簡略化す
ることができる。さらに、不良品が発生し難いので、
失模型用合成樹脂成形体の製作費を安価なものとするこ
とができる。その上、例えば、消失模型用合成樹脂成形
体を消失模型鋳造方法における消失模型として使用した
場合は、形状精度が良好で、しかも表面および内面が平
滑で美麗な鋳造品を得ることができる。
【0013】請求項2記載の構成によれば、リブが非発
泡樹脂部材のパーティング部分に形成されている。従っ
て、非発泡樹脂部材における破損し易い部位であるパー
ティング部分の強度を向上させることができるので、例
えば、発泡樹脂部材となる発泡性樹脂粒子の発泡圧力等
により非発泡樹脂部材が膨らむ、あるいは凹む等の変形
を起こす虞れはない。
【0014】これにより、形状精度がより一層良好で、
しかも表面および内面が平滑で美麗な消失模型用合成樹
脂成形体を得ることが可能となる。
【0015】請求項3記載の構成によれば、リブが 0.1
mm以上、発泡樹脂部材の肉厚以下の高さに形成されてい
る。従って、消失模型用合成樹脂成形体表面の平滑性お
よび美麗性を損なうことなく、上記のリブにより非発泡
樹脂部材の強度を向上させることができる。
【0016】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図4に
基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、以下の説
明においては、中空部を有する消失模型用合成樹脂成形
体が、自動車のインテークマニホールドを消失模型鋳造
方法によって製造する際の消失模型である場合を例に挙
げることとする。
【0017】図1に示すように、本実施例にかかる消失
模型用合成樹脂成形体としての合成樹脂成形体1は、複
数の略円筒形状を分岐を有するように組み合わせた、開
口部を五箇所有する複雑な形状となっており、中空部2
を有する非発泡樹脂部材3と、この非発泡樹脂部材3の
外表面を覆い、非発泡樹脂部材3と一体的に成形されて
いる発泡樹脂部材4とからなっている。
【0018】非発泡樹脂部材3は、図2に示すように、
合成樹脂成形体1本体よりも一回り小さい形状となって
おり、ほぼ一定の肉厚に形成されている。非発泡樹脂部
材3は、非発泡の熱可塑性樹脂を、例えばブロー成形や
シート成形、射出成形、あるいは射出吹込成形すること
により形成されている。上記の熱可塑性樹脂としては、
寸法安定性が良好で、所望する中空部2の形状を維持
可能であること、適度な機械的強度を有すること、
発泡樹脂部材4との接着性が良好であること、耐熱温
度が低く、アルミニウム合金等の溶融金属の熱により容
易に消失(分解)可能なこと、消失時に発生する分解
ガス等が溶融金属に悪影響を及ぼさないこと等の性質を
備えていればよく、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂・ポ
リプロピレン(PP)樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ
スチレン(PS)樹脂、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)
樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)樹脂等のポリメタクリル系樹脂等を用いること
ができる。また、これら合成樹脂のモノマーの共重合体
や樹脂混合物を用いることもできる。
【0019】また、非発泡樹脂部材3は、金型のパーテ
ィングライン(図示せず)に沿って形成されたパーティ
ング部分3b…の外表面側に、リブ3a…を有してい
る。上記のリブ3aは、外表面からの高さが 0.1mm以
上、発泡樹脂部材4の肉厚以下の高さに形成されてお
り、非発泡樹脂部材3における破損し易い部位であるパ
ーティング部分3bを補強することにより、合成樹脂成
形体1表面の平滑性および美麗性を損なわず、かつ、非
発泡樹脂部材3の肉厚を分厚くすることなく、非発泡樹
脂部材3の強度を向上させるようになっている。尚、リ
ブ3aの高さが 0.1mm未満の場合には、合成樹脂成形体
1の成形時に、リブ3aを形成した効果が殆ど表れない
ために好ましくなく、また、リブ3aの高さが発泡樹脂
部材4の肉厚よりも高い場合には、所望する形状の合成
樹脂成形体1が得られないので好ましくない。
【0020】発泡樹脂部材4は、図1に示すように、発
泡性の熱可塑性樹脂粒子(以下、樹脂粒子と称する)か
らなっており、非発泡樹脂部材3の外表面を覆うように
して、ほぼ一定の肉厚に形成されている。上記の樹脂粒
子としては、非発泡樹脂部材3との接着性が良好であ
ること、耐熱温度が低く、溶融金属の熱により容易に
消失(分解)可能なこと、消失時に発生する分解ガス
等が溶融金属に悪影響を及ぼさないこと等の性質を備え
ていればよく、例えば、ポリエチレン樹脂・ポリプロピ
レン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹
脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂等のポリスチレン
系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のポリメタク
リル系樹脂等からなる粒子、あるいはこれら合成樹脂の
モノマーの共重合体からなる粒子に発泡剤を含浸させ、
所定倍率に予備発泡させたものを用いることができる。
そして、これら樹脂粒子は、例えば水蒸気による加熱で
発泡されて所定形状の発泡樹脂部材4とされる。また、
非発泡樹脂部材3および発泡樹脂部材4は、同一の合成
樹脂からなっていてもよく、また、異なる合成樹脂から
なっていてもよい。
【0021】尚、上記の発泡剤としては、沸点が熱可塑
性樹脂の軟化点以下であって、常圧でガス状もしくは液
状の有機化合物が適しており、例えば、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、
ジクロロフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素、ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテ
ル等の低沸点のエーテル化合物等が用いられる。これら
の発泡剤は、一種類のみを使用してもよいし、また、二
種類以上併用してもよい。さらに、予備発泡の発泡倍率
は、例えば、樹脂粒子の材質等に応じた最適の倍率とす
ればよい。
【0022】次に、上記構成の合成樹脂成形体1を成形
する成形方法について説明する。先ず、非発泡樹脂部材
3を成形用金型(図示せず)の所定位置に設置し、樹脂
粒子を金型のキャビティに充填する。次に、水蒸気加熱
等により金型を加熱し、所定温度とすると共に、非発泡
樹脂部材3の中空部2に例えば空気、窒素、二酸化炭素
等の気体(以下、単に空気と称する)を供給して中空部
2内を所定圧力に加圧する。尚、空気の代わりに、例え
ば、水、油等の液体を中空部2に供給してもよい。
【0023】次いで、上記の温度を所定時間保ち、樹脂
粒子を充分に加熱・発泡させて互いに融着させた後、金
型を冷却し、金型の型開きを行って合成樹脂成形体1を
取り出す。これにより、形状精度が良好で、しかも表面
および内面が平滑で美麗な合成樹脂成形体1を得ること
ができる。
【0024】尚、中空部2に供給される空気の圧力(以
下、空気圧と称する)は、樹脂粒子の発泡圧力とほぼ等
しくなるようにすればよい。非発泡樹脂部材3にはリブ
3a…が形成されており、強度が向上されているので、
非発泡樹脂部材3の変形を防ぐためには、発泡圧力と空
気圧とを厳密に等しくする必要はなく、両者の圧力差が
或る許容範囲内に収まっていればよい。上記の許容範囲
は、非発泡樹脂部材3の変形が起こらない範囲であり、
例えば、用いる非発泡樹脂部材3の材質、肉厚、機械的
強度、形状等、あるいは樹脂粒子の種類、発泡倍率等に
より適宜設定すればよい。
【0025】上記構成の合成樹脂成形体1を消失模型と
して使用して消失模型鋳造方法を行うことにより、図3
に示すように、鋳造品である自動車のインテークマニホ
ールド10を、形状精度が良好で、しかも表面10aお
よび内面10bが平滑で美麗な状態で製造することが可
能となる。
【0026】次に、上記構成の合成樹脂成形体1の成形
手順の具体例について説明する。尚、非発泡樹脂部材3
として、ポリスチレン(92wt%)とブタジエン(8wt
%)との共重合体であるハイインパクトポリスチレン樹
脂と、ポリスチレン樹脂とを重量比1:1で混合し、ブ
ロー成形した成形品を用いた。そして、非発泡樹脂部材
3の肉厚の平均を1mm、リブ3a…の高さを1mmとし
た。また、発泡樹脂部材4となる樹脂粒子として、ポリ
スチレン樹脂からなる粒径の平均が 0.3mmの鋳造用発泡
性ビーズ(積水化成品工業株式会社製:商品名 エスレ
ンビーズLFK)を用いた。そして、樹脂粒子の発泡倍
率を40倍とし、発泡樹脂部材4の肉厚を 2.5mmとした。
【0027】先ず、非発泡樹脂部材3を成形用金型(図
示せず)の所定位置に設置し、樹脂粒子を金型のキャビ
ティに充填した。次に、金型を加熱し、所定温度とする
と共に、非発泡樹脂部材3の中空部2に空気を供給して
中空部2内を 0.5kg/cm2に加圧した。次いで、上記の温
度を所定時間保ち、樹脂粒子を充分に加熱・発泡させて
互いに融着させた後、金型を冷却して金型の型開きを行
って合成樹脂成形体1を取り出した。
【0028】以上のようにして得られた合成樹脂成形体
1は、樹脂粒子同士の融着が良好となっており、また、
非発泡樹脂部材3は、変形等を起こしていなかった。従
って、合成樹脂成形体1は、形状精度が良好で、しかも
表面および内面は平滑で美麗であった。
【0029】さらに、上記の合成樹脂成形体1を消失模
型として使用し、溶融金属としてアルミニウム合金(A
C−4A)を使用した消失模型鋳造方法を行い、鋳造品
である自動車のインテークマニホールドを製造した。得
られたインテークマニホールドは欠陥等を有しておら
ず、形状精度が良好で、しかも表面および内面が平滑で
美麗であった。
【0030】尚、上記の非発泡樹脂部材3の代わりに、
図4に示すような、パーティング部分3’bの外表面側
にリブを有しない従来の非発泡樹脂部材3’を用いて同
様に合成樹脂成形体の成形を行った場合には、空気圧に
より非発泡樹脂部材3’が破裂し、良好な合成樹脂成形
体が得られなかった。
【0031】このように、上記構成の合成樹脂成形体1
においては、中空部2を有する非発泡樹脂部材3のパー
ティング部分3b…の外表面側にリブ3a…が形成され
ているので、これらリブ3a…により非発泡樹脂部材3
の肉厚を分厚くすることなく非発泡樹脂部材3の強度を
向上させることができる。このため、非発泡樹脂部材3
と一体的に発泡樹脂部材4を成形する際に、発泡樹脂部
材4となる樹脂粒子の発泡圧力等により非発泡樹脂部材
3が膨らむ、あるいは凹む等の変形を起こす虞れはな
い。
【0032】これにより、形状精度が良好で、しかも表
面および内面が平滑で美麗な合成樹脂成形体1を得るこ
とが可能となる。また、成形時に、中空部2内の空気圧
を厳密に調整する必要がないので、合成樹脂成形体1の
成形時間が短縮でき、かつ、成形工程を簡略化すること
ができる。さらに、不良品が発生し難いので、合成樹脂
成形体1の製作費を安価なものとすることができる。
【0033】尚、上記の実施例においては、非発泡樹脂
部材3は、パーティング部分3b…の外表面側にリブ3
a…を有している構成となっているが、リブ3a…の形
成位置は、上記のパーティング部分3b…の外表面側に
限定されるものではなく、非発泡樹脂部材3の成形に支
障が無い限り、非発泡樹脂部材3における外表面側の任
意の位置に形成可能である。この場合においても、上記
の実施例と同様の作用・効果を奏することができる。ま
た、リブ3aの形成箇所や個数、あるいはリブ3aの幅
や長さ等は、特に限定されるものではない。
【0034】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の中空部を有する
消失模型用合成樹脂成形体は、以上のように、非発泡樹
脂部材の外表面の所定位置にリブが上記非発泡樹脂部
材の外表面に沿って延びるように形成されている構成で
ある。
【0035】これにより、非発泡樹脂部材の肉厚を分厚
くすることなく非発泡樹脂部材の強度を向上させること
ができるので、非発泡樹脂部材と一体的に発泡樹脂部材
を成形する際に、例えば、発泡樹脂部材となる発泡性樹
脂粒子の発泡圧力等により非発泡樹脂部材が膨らむ、あ
るいは凹む等の変形を起こす虞れはなく、形状精度が良
好で、しかも表面および内面が平滑で美麗な消失模型用
合成樹脂成形体を得ることが可能となるという効果を奏
する。
【0036】また、例えば、非発泡樹脂部材の中空部に
所定圧力の空気等を供給しながら消失模型用合成樹脂成
形体を成形する場合に、中空部内の圧力を厳密に調整す
る必要がないので、消失模型用合成樹脂成形体の成形時
間が短縮でき、かつ、成形工程を簡略化することができ
る。さらに、不良品が発生し難いので、消失模型用合成
樹脂成形体の製作費を安価なものとすることができると
いう効果も併せて奏する。
【0037】そして、例えば、消失模型用合成樹脂成形
体を消失模型鋳造方法における消失模型として使用した
場合は、形状精度が良好で、しかも表面および内面が平
滑で美麗な鋳造品を得ることができる。
【0038】本発明の請求項2記載の中空部を有する
失模型用合成樹脂成形体は、以上のように、リブが非発
泡樹脂部材のパーティング部分に形成されている構成で
ある。
【0039】これにより、非発泡樹脂部材における破損
し易い部位であるパーティング部分の強度を向上させる
ことができるので、例えば、発泡樹脂部材となる発泡性
樹脂粒子の発泡圧力等により非発泡樹脂部材が膨らむ、
あるいは凹む等の変形を起こす虞れはなく、形状精度が
より一層良好で、しかも表面および内面が平滑で美麗な
消失模型用合成樹脂成形体を得ることが可能となるとい
う効果を奏する。
【0040】本発明の請求項3記載の中空部を有する
失模型用合成樹脂成形体は、以上のように、リブが 0.1
mm以上、発泡樹脂部材の肉厚以下の高さに形成されてい
る構成である。
【0041】これにより、消失模型用合成樹脂成形体表
面の平滑性および美麗性を損なうことなく、非発泡樹脂
部材の強度を向上させることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施例における消失模型
合成樹脂成形体を一部破断で示す正面図であり、
(b)は、上記の消失模型用合成樹脂成形体の要部の断
面図である。
【図2】(a)は、上記の消失模型用合成樹脂成形体の
非発泡樹脂部材を一部破断で示す正面図であり、(b)
は、上記の非発泡樹脂部材の要部の断面図であり、
(c)は、(a)におけるA−A線矢視断面図である。
【図3】(a)は、上記の消失模型用合成樹脂成形体を
消失模型とする鋳造品であるインテークマニホールドを
一部破断で示す正面図であり、(b)は、上記のインテ
ークマニホールドの要部の断面図である。
【図4】従来の非発泡樹脂部材の要部の断面図である。
【符号の説明】
1 合成樹脂成形体(消失模型用合成樹脂成形体) 2 中空部 3 非発泡樹脂部材 3a リブ 3b パーティング部分 4 発泡樹脂部材 10 インテークマニホールド(鋳造品)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪田 豊 大阪府大阪市大正区三軒屋東1丁目10番 26号 (72)発明者 長谷川 浩 茨城県猿島郡三和町谷貝726番地の19 (56)参考文献 特開 平5−23790(JP,A) 特開 平4−172145(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 7/02,9/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空部を有する非発泡樹脂部材と、この非
    発泡樹脂部材の外表面を覆い、上記非発泡樹脂部材と一
    体的に成形されている発泡樹脂部材とからなる中空部を
    有する消失模型用合成樹脂成形体において、 上記非発泡樹脂部材の外表面の所定位置にリブが上記
    非発泡樹脂部材の外表面に沿って延びるように形成され
    ていることを特徴とする中空部を有する消失模型用合成
    樹脂成形体。
  2. 【請求項2】リブが非発泡樹脂部材のパーティング部分
    に形成されていることを特徴とする請求項1記載の中空
    部を有する消失模型用合成樹脂成形体。
  3. 【請求項3】リブが 0.1mm以上、発泡樹脂部材の肉厚以
    下の高さに形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の中空部を有する消失模型用合成樹脂成形
    体。
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