JPH11165326A - 発泡粒子成形体の製造方法 - Google Patents

発泡粒子成形体の製造方法

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JPH11165326A
JPH11165326A JP9333049A JP33304997A JPH11165326A JP H11165326 A JPH11165326 A JP H11165326A JP 9333049 A JP9333049 A JP 9333049A JP 33304997 A JP33304997 A JP 33304997A JP H11165326 A JPH11165326 A JP H11165326A
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steam
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JP9333049A
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Masamichi Kaneko
正道 金子
Nobuyuki Kotani
信幸 小谷
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形サイクルが短く、成形体の乾燥が容易な
空隙保有熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の製造方法の提
供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂発泡粒子を金型キャビティ
ー内に充填し、水蒸気で加熱した後、金型キャビティー
内に無機ガスを吹き込み、該キャビティーから金型外へ
排気して冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂発泡
粒子成形体の製造方法に関し、更に詳しくは、成形サイ
クルの短い、空隙保有熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連通した空隙保有熱可塑性樹脂発泡粒子
成形体は、その連通空隙の持つ透水性を利用した面排水
材、透水フィルター等に使われている。特に、ポリスチ
レン系の空隙保有発泡粒子成形体は強度、断熱性、軽量
性を備えた部材として例えば、透水性歩道の凍上防止材
あるいは地下室壁の透水性断熱材等に好適に用いること
ができ、近年利用され始めている。かかる空隙を有する
熱可塑性樹脂発泡粒子成形体を得るには、発泡粒子表面
の軟化点を下げる改質処理をした粒子を、金型内で加熱
し放冷して成形する方法が開示されている。特開平2−
41234号公報には上記方法で空隙率15〜35%の
成形体を得る製造方法が示されている。
【0003】更には、異形または非球形のポリスチレン
系発泡粒子を金型内で成形する方法が開示されている。
例えば特開昭60−104318号公報には異形のポリ
スチレン系発泡粒子を型内に充填し、蒸気で加熱して空
隙率5〜40%の発泡体とする製法が示されている。ま
た特開平5−177723号公報には非球形の発泡粒子
を型内に充填し、90〜110℃の蒸気で加熱した後、
型内を減圧状態にして熱気や水分を除去する発泡成形体
の製法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記発
泡粒子表面の軟化点を下げる改質処理をした発泡粒子を
加熱成形する方法では、発泡粒子の表面に改質材を浸透
させる工程で発泡粒子同士が集塊化しやすく、更に粒子
の融着温度が低いことから成形体の耐熱性が低下すると
いう問題があった。また、上記非球形の発泡粒子を型内
で加熱成形する製法では、成形体の空隙率は大きくしや
すいものの、成形体の厚みが大きくなると成形工程で成
形体内部の冷却に長時間を要し、成形サイクルが長くな
って生産性が下がるという問題があった。
【0005】即ち、成形冷却工程で金型内を減圧状態に
しても、断熱性を有する発泡成形体内部の冷却には長時
間を要した。更に、冷却工程において型に冷却水を通水
すると、冷却水が成形体の空隙部に溜まり離型された成
形体の脱水乾燥に更に時間を要するという問題があっ
た。本発明は上記従来技術の欠点を克服し、成形サイク
ルの短く、成形体の乾燥が容易な空隙保有熱可塑性樹脂
発泡粒子成形体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するために鋭意検討した結果、空隙を有する熱可塑
性樹脂発泡粒子成形体の成形サイクルを向上させるため
には、冷却工程で成形体内部を短時間で冷却し、成形体
内部に凝縮水を作らないことが重要であることに着目し
た。すなわち、冷却工程で型内を減圧状態にしても成形
体内部の凝縮水は除去できるが、冷却時間は長く良くな
い。一方、型を冷却水で冷却する方法では成形体内部に
凝縮水が溜まるという事態を招いてしまう。本発明はこ
れらの点に着目してなされたものである。
【0007】すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂発泡粒
子を金型キャビティー内に充填し、水蒸気で加熱した
後、金型キャビティー内に無機ガスを吹き込み、該キャ
ビティーから直接金型外へ排気して冷却することを特徴
とする、空隙率5〜40%の発泡粒子成形体の製造方法
である。更に、熱可塑性樹脂発泡粒子が少なくとも1つ
の表面窪みを有する形状であること、熱可塑性樹脂がポ
リスチレン系樹脂であること、発泡粒子成形体のかさ密
度が0.005〜0.050kg/cm3 であることを
特徴とする。
【0008】以下、本発明の内容について詳細に説明す
る。まず、本発明の熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の型内
成形法について図面を用いて説明する。従来の成形金型
構造は図2に示すものが一般的であった。オス型(1)
とメス型(2)に挟まれたキャビティー部(3)に発泡
粒子供給口(7)から発泡粒子を型内に充填し、スチー
ム元弁(4)を通じてスチームを弁(8)で調節しなが
らスリット状小孔(10)を通してキャビティー内に導
入し、弁(9)を通してスチームを排出口(11)へ排
出し、更に型の冷却は冷却水弁(12)から冷却水を型
に導入する方法が一般的である。冷却水の代わりに空気
を弁(8)を通して金型内に吹き込んでも、一方の弁
(8)から他方の弁(9)に向けて空気を通すため、通
気の抵抗が大きく冷却時間を短くすることができない。
【0009】これに対して、図1は本発明の成形金型構
造体の一例を示す模式構造説明図である。即ちに金型の
キャビティー部にスチームをキャビティーから直接型外
へ排出するための開放弁(6)を備え、オス型、メス型
へ無機ガスを導入するための導入弁(5)を備えてい
る。ここで、スチームの温度、導入時間は用いる熱可塑
性樹脂発泡粒子の種類等に応じて、適切な範囲を設定す
ればよいが、発泡粒子を十分融着させ、成形体収縮を抑
える点から95〜115℃、10〜400秒程度が好ま
しい。
【0010】本発明は、キャビティー内で加熱成形され
た空隙保有成形体の冷却工程において連通空隙内に無機
ガスを導入し成形体内部の熱気を、金型外へ排出するこ
とで効率良く成形体を冷却し、冷却時間を短縮した成形
法を提供することに成功したものである。本発明の冷却
工程ではオス型、メス型の両方から同時に無機ガスを空
隙保有成形体内部に連続的に導入し成形体内部の熱気、
水分を開放弁(6)から金型外に排出できる。従って成
形体内部を短時間で冷却させ、しかも成形体内部を乾燥
させることができる。
【0011】開放弁(6)はスチーム加熱時に閉じてお
いても、開放しておいてもかまわない。また、開放弁
(6)は複数個設けることもできる。上記した冷却用無
機ガスとしては、空気が一般的であるがチッソ、炭酸ガ
ス等を用いる事もできる。また、無機ガスの温度は使用
する発泡樹脂粒子の種類、ガスの導入法等により適切な
範囲で設定可能であるが、一般に0〜50℃である。無
機ガスの型キャビティーへの導入法はブロアー、あるい
は圧縮ガスを用いることが好ましい。無機ガスの導入時
間は、使用する発泡樹脂粒子の種類、成形体の空隙率等
により適切な範囲で設定可能であるが、20〜50秒程
度が好ましい。
【0012】本発明で用いる熱可塑性樹脂発泡粒子の素
材としては、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂あ
るいは公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。スチ
レン系樹脂としてはポリスチレン、スチレン系モノマー
を50%以上含有するスチレン系単独あるいは、共重合
体を用いることができる。スチレン系モノマーとしては
スチレンの他、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エ
チルメチルスチレン等の核アルキル置換スチレン、クロ
ルスチレン等の核ハロゲン化スチレン等であり、単独あ
るいは2種以上の混合物として用いられる。スチレン系
共重合モノマーとしては、例えばアクリロニトリル、メ
チルメタクリレート、無水マレイン酸等がある。また、
上記スチレン系樹脂中に共役ジエン系重合体を含有する
もの、ABS等を用いる事ができる。共役ジエン系重合
体とは例えばハイシスポリブタジエン、ローシスポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエン共重合体(ランダム及
びブロック)、イソプレンゴム等である。
【0013】ポリオレフィン系樹脂としては、低、中、
高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超
低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
で代表されるエチレン系樹脂、ポリプロピレン、共重合
成分がエチレン、ブテン1,4−2メチルペンテンの1
種以上であるプロピレンとのランダム及びブロック共重
合体等で代表されるプロピレン系樹脂、またはこれらの
樹脂の2種以上が混合された混合樹脂、あるいはこれら
の樹脂を50重量%以上含み他成分が塩化ビニル、エチ
ルアクリレート、メチルアクリレート、アクリル酸等の
成分である共重合、混合樹脂等が用いられる。これらの
中で特に好ましいものは汎用性、発泡剤保持性の点か
ら、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体である。樹脂には必要に応じて、滑剤、離型剤、帯電
防止剤、発泡核剤、紫外線安定剤等の添加剤を加えるこ
とができる。
【0014】本発明で用いられる揮発性発泡剤として
は、沸点が−80〜+100℃の範囲にあるもの、例え
ばブタン、nペンタン、イソペンタン、ヘキサン、石油
エーテル等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン等の環状
脂肪族炭化水素の他、ハロゲン化炭化水素、炭酸ガス等
を用いることができる。本発明で用いる熱可塑性樹脂発
泡粒子の一粒当たりの重量は、成形性の点から10〜2
50mgが好ましい。更に好ましくは20〜100mg
である。本発明で用いる熱可塑性樹脂発泡粒子の密度は
0.015〜0.100g/cm3 であることが好まし
い。密度が0.015g/cm3 未満では粒子の膨張力
が小さくなる。0.100g/cm3 超えると強度は大
きいが重量が増え製造コストも大きくなる。
【0015】本発明において、型に充填する熱可塑性樹
脂発泡粒子の揮発性発泡剤の含有量は、特に限定されな
いが、樹脂100重量部に対し発泡剤2〜5重量部であ
ることが好ましい。2重量部未満では、発泡粒子の膨張
力が小さく、良好な融着性が得にくい。5重量部を越え
ると発泡粒子の膨張力が大きく、成形体の空隙率に部分
的なむらが発生し、均一な空隙率の成形体が得にくい。
発泡粒子の揮発性発泡剤の含有量の特に好ましい範囲は
2.5〜4.5重量部である。
【0016】本発明で用いる熱可塑性樹脂発泡粒子の形
状は、成形体の空隙率を大きくするために、発泡粒子が
少なくとも1つの表面窪みを有する形状であることが好
ましい。ここで、表面窪みを有する形状とは、発泡粒子
が平面に接した場合に不連続な複数の接点ができる球状
をいう。球状、楕円球状、円柱状のように平面との接点
が1点や1直線であるものは含まない。表面窪みを有す
る形状とは例えば、発泡粒子の断面形状がS字、C字等
の形状を有するものである。
【0017】本発明で用いる熱可塑性樹脂発泡粒子は公
知の方法を用いて製造することができる。例えば、押出
機内で樹脂と発泡剤を混合し未発泡状態でダイノズルか
らストランド状に押し出したものを粒子状にカットし、
スチーム等の加熱により発泡粒子とする方法が一般的で
ある。ダイノズルは円形あるいは非円形の形状とする事
ができる。ダイノズルが円形の場合、押し出しストラン
ドを屈曲させるのが好ましい。非円形のダイノズルとし
てはS字、C字、あるいはL字状等がある。他の発泡粒
子の製造方法としては表面窪みを有する樹脂粒子に発泡
剤を含浸させ、スチーム等の加熱により発泡粒子とする
等の方法、あるいは押出機内で樹脂と発泡剤を混合し、
ダイノズルからストランド状に発泡させながら押し出し
たものを粒子状にカットする方法等がある。
【0018】未発泡粒子あるいは発泡粒子の大きさは、
ダイノズルの大きさを変えることや、ダイノズルから溶
融押し出しされるストランドの引き取り速度を加減する
ことにより所望の大きさにすることができる。本発明の
成形体の空隙率は、5〜40%である。空隙率が5%未
満では成形体の透水性能が低下する。空隙率が40%を
超えると発泡粒子同士の融着が弱くなり成形体に粒子の
欠けが発生する。成形体の空隙率の特に好ましい範囲は
10〜35%である。本発明の成形体の空隙は連続した
ものである。即ち、成形体の一面から裏側の面に空隙が
通じており、成形体を水中に没した場合に水が入り込め
る部分を成形体の空隙という。
【0019】本発明の製法により得られる発泡粒子成形
体のかさ密度の好ましい、範囲は0.005〜0.05
0kg/cm3 である。かさ密度が0.005kg/c
3未満では発泡粒子同士の融着が低下し、成形体粒子
が欠け易くなる。本発明の製法は、得られる発泡粒子成
形体の厚みが100mm以上の場合に特に成形サイクル
短縮の効果が大きい。また厚みが200mm以上では成
形サイクル短縮の効果が更に大きい。ここで、成形体の
厚みとはボード状成形体の3辺の長さで最も短い辺の長
さをいう。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に実施例によりさらに詳細に
本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、実施例、比較例中の発泡粒子及び成形
体の性質は以下のようにして測定あるいは評価した。 (1)成形体の空隙率 10cm立法の成形体を石鹸水中に水没させ、水位の上
昇から成形体の実体積を求めた。成形体の見かけの体積
は1000cm3 であるので実体積との差を空隙部分と
した。空隙部分の体積を見かけ体積で除して空隙率を求
めた。 (2)成形体のかさ密度 10cm立法の成形体の重量を測定し、得られた重量を
1000cm3 で除して成形体のかさ密度を求めた。 (3)発泡粒子の密度 発泡粒子の重量を水没法で求めた発泡粒子の体積で除し
て、発泡粒子の密度を求めた。
【0021】(4)発泡剤含有率 発泡粒子を180℃熱板でプレスし、発泡粒子中の発泡
剤を揮散させた。熱プレス前と熱プレス後の重量変化分
をプレス前重量で除した値より、発泡剤含有率(重量
%)を求めた。 (5)成形体の含水率 成形体を50℃中に5時間放置する。放置前の重量W1
と放置後の重量W2を測定し100(W1−W2)/W
1を成形体の含水率(重量%)とした。 記号 成形体含水率 ○ 10重量%未満 △ 10重量%以上、20重量%未満 × 20重量%以上 (6)成形体粒子融着状態 目視により下記基準で評価した。 記号 評価 ○ 良好 △ 一部の粒子が欠ける × 粒子が融着していない。 (7)成形体外観 目視により下記基準で評価した。 記号 評価 ○ 良好、収縮や膨らみが殆どない。 △ 収縮や膨らみが若干あるが2%以内の対金型
寸法差である。 × 2%以上の対金型寸法差、反りがある。
【0022】
【実施例1】ポリスチレン樹脂(旭化成工業社製 商品
名「スタイロン680」)を押出し機中で加熱溶融さ
せ、更に発泡剤としてノルマルペンタンを押出し機に供
給して樹脂に含浸させた。更に発泡剤含有熱可塑性樹脂
をS型のダイノズルより発泡を抑えたストランド状に押
出し、直ちに水冷した後、回転刃を備えたカッターでス
トランド押し出し方向と垂直方向に粒子状にカットし
た。得られた粒子は1粒の重量が90mgであった。得
られた粒子をスチーム加熱し密度0.015g/cm3
の発泡粒子とした。押し出し方向と垂直方向の発泡粒子
の断面形状は、S字型でありS字の最大径Lは40mm
であり、ストランド押し出し方向の寸法は15mmであ
った。発泡粒子の発泡剤含有率は4重量%であった。
【0023】この発泡粒子を900mm×1800mm
×300mmの内寸を持ち、大気開放弁(6)を備えた
金型キャビティー内に充填した。スチーム(100℃)
をスチーム導入弁(8)より金型キャビティー内に30
0秒間導入し、大気開放弁よりスチームを排気しつつ金
型キャビティー内を加熱した。次に大気開放弁(6)を
開としたままブロアー(13)により空気(20℃)を
金型キャビティー内に30秒間導入した。空気導入終了
後直ちに金型を開いて成形体を取り出した。得られた成
形体の含水率は9重量%であり、成形体空隙部に凝縮水
の溜まりは殆ど見られなかった。得られた成形体を50
℃中で2時間乾燥させると含水率は1重量%以下になっ
た。乾燥後の成形体のかさ密度は0.008g/cm3
であった。成形体の空隙率は32%であり、粒子の融着
状態は良好であり、成形体の外観は収縮や反りは見られ
ず良好であった。
【0024】
【実施例2】実施例1で用いた発泡剤含浸粒子と同様の
粒子をスチーム加熱して発泡させ、密度0.030g/
cm3 の発泡粒子とした。この発泡粒子を実施例1と同
様の金型で成形した。空気ブローによる冷却時間は30
秒であった。得られた成形体の含水率は9重量%であ
り、成形体空隙部に凝縮水の溜まりは殆ど見られなかっ
た。得られた成形体を50℃中で2時間乾燥させると含
水率は1重量%以下になった。乾燥後の成形体のかさ密
度は0.015g/cm3 であった。成形体の空隙率は
11%であり、粒子の融着状態は良好であり、成形体の
外観は収縮や反りは見られず良好であった。
【0025】
【実施例3】発泡の断面形状がC型である他は、実施例
1と同様にして発泡剤含浸粒子を製作した。スチーム発
泡させ、得られた粒子を実施例1と同様の型を用いて成
形した。得られた成形体の性状を表1に示す。
【0026】
【実施例4】実施例1で用いた発泡剤含浸粒子と同様の
粒子をスチーム加熱して発泡させ、密度0.009g/
cm3 の発泡粒子とした。この発泡粒子を実施例1と同
様の金型で成形した。空気ブローによる冷却時間は30
秒であった。得られた成形体の含水率は12重量%であ
った。乾燥後の成形体のかさ密度は0.004g/cm
3 であり、成形体の空隙率は35%であった。成形体粒
子の一部に欠けが見られた。成形体の外観は2.5%の
対金型収縮が見られた。
【0027】
【実施例5】実施例1で用いた発泡剤含浸粒子と同様の
粒子をスチーム加熱して発泡させ、密度0.100g/
cm3 の発泡粒子とした。この発泡粒子を実施例1と同
様の金型で成形した。空気ブローによる冷却時間は30
秒であった。得られた成形体の含水率は12重量%であ
った。乾燥後の成形体のかさ密度は0.055g/cm
3 であり、成形体の空隙率は8%であった。成形体粒子
の一部に欠けが見られた。成形体の外観は良好であっ
た。
【0028】
【比較例】発泡剤の含有率が5.5重量%である他は、
実施例1と同様にして発泡粒子を製作し、実施例1と同
じ内寸の型で図2に示す成形型で成形を行った。スチー
ム加熱後の冷却にはオス型、メス型に冷却水を30秒間
通水し、60秒間放冷が必要であった。得られた成形体
は含水率が30重量%であり、乾燥には長時間を要し
た。成形体の性状を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明は成形体の厚みが大きくても成形
時の冷却時間が短く、成形体の乾燥が容易である、空隙
を有する熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の製造方法を提供
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型内成形金型の模式説明図である。
【図2】従来の型内成形金型の模式説明図である。
【符号の説明】
1 オス型 2 メス型 3 型キャビティー部 4 スチーム元弁 5 無機ガス元弁 6 無機ガス排出口 7 発泡粒子導入口 8 型入り口弁 9 型出口弁 10 スリット状小孔部 11 排出口 12 冷却水元弁 13 ブロアー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂発泡粒子を金型キャビティ
    ー内に充填し、水蒸気で加熱した後、金型キャビティー
    内に無機ガスを吹き込み、該キャビティーから金型外へ
    排気して冷却することを特徴とする、空隙率5〜40%
    の発泡粒子成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂発泡粒子が少なくとも1つ
    の表面窪みを有する形状である請求項1記載の発泡粒子
    成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂であ
    る請求項1又は2記載の発泡粒子成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 発泡粒子成形体のかさ密度が0.005
    〜0.050kg/cm3 である請求項1〜3いずれか
    に記載の発泡粒子成形体の製造方法。
JP9333049A 1997-12-03 1997-12-03 発泡粒子成形体の製造方法 Pending JPH11165326A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006110982A (ja) * 2004-09-14 2006-04-27 Daisen Kogyo:Kk 発泡成形吸音体およびその製造方法
CN106671342A (zh) * 2017-02-28 2017-05-17 河北雪龙机械制造有限公司 一种eps保温板成型机

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