JP3274346B2 - 畜肉加工品の品質改良剤および畜肉加工品の製造方法 - Google Patents

畜肉加工品の品質改良剤および畜肉加工品の製造方法

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JP3274346B2
JP3274346B2 JP04765096A JP4765096A JP3274346B2 JP 3274346 B2 JP3274346 B2 JP 3274346B2 JP 04765096 A JP04765096 A JP 04765096A JP 4765096 A JP4765096 A JP 4765096A JP 3274346 B2 JP3274346 B2 JP 3274346B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肉加工品の品質
改良剤および歩留まりが向上し、加熱時のドリップの少
ない肉加工品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プレスハム、ボンレスハム、ロースハ
ム、ソーセージなどの畜肉ハム、ハンバーグ、ミートボ
ール類、シュウマイ、餃子、春巻などの肉加工品の品
質を改艮する場合、歩留まりの向上および加熱調理時の
肉汁の流失(ドリップ)の少ない肉特有の食感(テク
スチァー)の向上が重要な要因となる。
【0003】従来、肉加工品においては、歩留まりの
向上およびドリップの防止に苦心がはらわれ、大豆分離
たんぱく質、大豆濃縮たんぱく質、小麦グルテン等の植
物性たんぱく質、卵白、ラクトアルブミン、プラズマパ
ウダー、ゼラチン、カゼインナトリウムなどの動物性蛋
白質、澱粉、増粘多糖類、重合リン酸塩など各種の食品
素材あるいは添加物が使用されている。また、近年では
カードランやカードランと増粘多糖類および/または澱
粉、蛋白質を添加する肉加工品の製造方法が提案され
ている(特公昭47−45101号、特公昭48−15
620号、特公昭48−16618号、、特開平2−7
9960号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来よリカードラン
は、肉加工品への添加により、製品の歩留まりが向上
し、ドリップが防止され、食感の改良に優れた効果を発
揮することが知られていた。
【0005】カードランを用いて肉加工品を製造する
には、粉末カードランを原料に直接均一に添加し混合す
るか、あらかじめカードランを水に分散した液あるいは
ペースト状に調製したものを添加し混合する必要があっ
た(特公昭47−45101号、特公昭48−1562
0号、特公昭48−44866号、特開平2−7996
0号)。
【0006】カードランの添加方法としては、多糖類糸
状物を調製し添加し混合する方法(特公昭48−166
18号)や、あるいはペースト状に調製しあるいは増粘
多糖により安定化された分散液を肉塊に注入し添加す
る方法もある(特公昭47−45101号、特開平5−
260927号)。
【0007】しかしながら、カードランを分散液として
添加する場合、カードランの分散安定性は十分でないた
め、時間の経過とともにカードランが沈殿してしまう。
そのため添加直前に再度攪拌するか、または増粘安定剤
による分散安定化が必要であった。
【0008】また、粉末のカードランを用いて肉加工
品を製造した場合、微視的に観察すると食品中における
カードランの分散性と膨潤性はかならずしも十分とはい
えず、カードランの品質改良効果が十分に発揮されてい
ないのが現状である。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、作業性
に優れ、かつ肉加工品の品質改良剤としての効果を十
分に発揮できるカードランを用いた肉加工品の品質改
良剤および該改良剤を用いる肉加工品の製造方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カードランが
アルカリ水溶液に溶解することに着目し、あらかじめカ
ードランをアルカリ水溶液に溶解または膨潤させ、
加工品の原料に添加して成形して肉加工品を製造する
ことにより上記課題を解決できることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、 (1)カードランをアルカリ水溶液に溶解または膨潤さ
せたことを特徴とする畜肉加工品の液状品質改良剤 ()カードランをアルカリ水溶液に溶解または膨潤さ
せ、該アルカリ水溶液を畜肉に添加し成形することを特
徴とする畜肉加工品の製造方法 ()畜肉が豚、牛、馬、ひつじ、鳥または兎肉である
ことを特徴とする前記()項に記載の畜肉加工品の製
造方法に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の肉加工品の品質改良剤
に用いるカードランとは、β−1,3−グルコシド結合
を主体とする加熱凝固性の多糖類であり、水に不溶性で
ある。カードランは、アルカリゲネス属またはアグロバ
クテリウム属の微生物により生産される。より具体的に
は、カードランはアルカリゲネス・フェカリス・バール
ミクソゲネス(Alcaligenese faccalis var. myxogene
s)菌株10C3K[アグリカルチュラル・バイオロジ
カル・ケミストリー vol.30,p196(196
6)]、アルカリゲネス・フェカリス・バールミクソゲ
ネス(Alcaligenese faccalis var. myxogenes)菌株1
0C3Kの変異株NKT−u(IFO 13140)、
アグロバクテリウム・ラジオバクター(IFO 131
27)およびその変異株U−19(IFO 1312
6)等により生産される多糖類である。
【0013】本発明における肉加工品の液状品質改良
剤は、粉末カードランをアルカリ水溶液に溶解または膨
澗させたものであり、用いるアルカリ剤は特に限定され
ないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムおよびリン酸塩等から選
ばれる少なくとも1種を挙げることができる。アルカリ
水溶液のアルカリの濃度も特に限定されないが、例え
ば、0.04〜6wt%でよい。アルカリ水溶液におけ
るカードランの濃度も特に限定されないが、例えば、1
〜15wt%でよい。
【0014】カードランをアルカリ水溶液に溶解または
膨潤させる方法は特に限定されないが例えば、アルカリ
を溶解した水にカードランを加えて攪拌すればよく、ま
た、カードランが容易に溶解しないときは、カードラン
が熱凝固しないような温度(40℃前後)までアルカリ
水溶液を加熱すればよい。
【0015】また粉末カードランとアルカリを混合した
粉末状組成物としてもよい。肉加工品を製造する際
に、この粉末状品質改良剤を水に溶解または膨潤させて
添加すればよい。
【0016】カードランを溶解または膨潤させたアルカ
リ水溶液(以下「カードランアルカリ水溶液」と略称す
る)を品質改良剤として肉加工品の製造にそのまま用
いてもよいが、カードランアルカリ水溶液を酸で中和な
いし酸性化してゲル状にしたもの(以下「ゲル状カード
ラン」と略称する)を用いてもよい。ゲル状カードラン
の製造に用いる酸は特に限定されないが、例えば塩酸、
硫酸、リン酸等の鉱酸やその一部が中和された酸性の塩
類あるいは乳酸、クエン酸等の有機酸を挙げることがで
きる。カードランアルカリ水溶液を酸で中和ないし酸性
化するとゲルとなるが、攪拌機等で粉砕して用いればよ
く、さらには微粒化し肉塊に注入してもよい。このよう
なゲル状物を用いても、前記アルカリ水溶液の場合と同
等の品質改艮効果を得ることができる。なお、ゲル状カ
ードランのうち、pHが略中性のゲル状カードランは、
肉加工品に添加しても肉加工品の全体のpHを調整
する必要がないため特に好ましい。
【0017】本発明における肉加工品とは、豚、牛、
馬、ひつじ、鳥または兎等の畜肉あるいはこれらの
とともに他の食品素材を用いて加工して得られる食品で
あり、例えば、プレスハム、ボンレスハム、ロースハ
ム、ソーセージなどの畜肉ハム・ソーセージ、ハンバー
グ、ミートボール類、シュウマイ、餃子、春巻などの
肉加工品を挙げることができる。
【0018】本発明方法により肉加工品を製造するに
は、肉加工品に用いられる各種の添加物および必要な
らば具剤となる肉以外の食品素材とともにカードラン
アルカリ水溶液またはゲル状カードランを均一に混合し
肉に配合し、常法により成形して肉加工品を製造
すればよい。また、カードランアルカリ水溶液、または
微細化したゲル状カードランを、添加物や他の食品素材
とともに混合して均一な調製液を調整し、肉塊に注入し
成形して肉加工品を製造してもよい。
【0019】本発明の肉加工品に用いられる添加物
は、肉加工品に常用されるものであれば特に限定され
ないが、例えば、重合リン酸塩(ポリリン酸ナトリウ
ム、ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム
等)、亜硝酸ナトリウム、食塩、化学調味料、デキスト
リン、デンプン、乾燥卵白、カゼインナトリウム、香辛
料(オールスパイス、ペッパー、メース等)等を挙げる
ことができる。
【0020】本発明方法により肉加工品を製造するに
は、肉に対してカードランが0.02〜3重量%、好
ましくは、0.05〜1重量%の濃度となるようにカー
ドランアルカリ水溶液またはゲル状カードランを添加す
ればよい。カードランの濃度が0.02重量%未満で
は、十分に品質改良効果があらわれず、無添加の場合と
あまり差が感じられない。また3重量%を超えて添加し
た場合、歩留まりは向上するが、粘度の上昇により作業
性が低下し、製品の食感を損い(硬くなり)、コスト高
となるので好ましくない。
【0021】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0022】
【実施例】 実施例1(プレスハム) (1)調製方法 脂肪を除去した豚肉5.5kgおよびひつじ肉3kgを
おのおの3cm角に細切し、約5℃前後の低温におい
て、これに食塩および亜硝酸ナトリウム(重量比=2.
0:0.01)からなる塩類混合物200gを均一に添
加したのち、3日間塩漬した。かかる塩漬肉の全量をフ
ードミキサーに入れ、細切した豚脂500g、馬鈴薯澱
粉50g、化学調味料10g、香辛料混合物45g(組
成:オールスパイス20g、ペッパー20g、メース5
g)および以下の〜に示す各種結着素材またはカー
ドランをそれぞれ均一に添加して混和したのち、常法に
より塩ビ製ケーシングに充填し、ついで75℃のボイル
槽中で120分間、湯煮して加熱殺菌をおこなった後取
り出し、流水中で冷却しプレスハムを調製した。
【0023】(2)試料の種類 無添加品(対照):結着素材およびカードランは添加
しない。
【0024】ウサギ肉添加品(対照):ミンチしたウ
サギ肉に同重量の水を加えて混和しツナギ肉を調製し、
原料肉に対して20重量%添加した。
【0025】カジキ肉添加品(対照):ミンチしたカ
ジキ肉に同重量の水を加えて混和しツナギ肉を調製し、
原料肉に対して20重量%添加した。
【0026】カードラン水分散液添加品(対照):添
加に際してあらかじめ粉末カードランに水を加え、5%
濃度のスラリー状分散液を調製したのち、このカードラ
ン分散液を原料肉に対して20重量%添加した(食肉あ
たりカードラン1.0重量%添加)。
【0027】カードランアルカリ水溶液(本発明
品):アルカリカードラン水溶液は、アルカリを溶解し
た水(0.08%NaOH水溶液)に、粉末カードラン
を加え約40℃に加温し5%濃度のアルカリカードラン
水溶液を調製したのち、このカードランアルカリ水溶液
を原料肉に対して20重量%添加した(食肉あたりカー
ドラン1.0重量%添加)。
【0028】(3)試験方法 調製したプレスハムの歩留まりおよびテクスチャーを測
定した。その結果を表1に示す。なお、歩留まりおよび
テクスチャーは以下の方法により測定した。
【0029】・歩留まり 以下の式(1)により歩留まりを算出した。
【0030】
【数1】
【0031】なお、式(1)中の加熱前試料重量および
加熱後試料重量は下記のように測定した。
【0032】加熱前試料重量(g):ケーシング(風
袋)を除いた試料重量 加熱後試料重量(g):ケーシング(風袋)を除き、試
料表面のドリップ、ゲル状ドリップを取り除いた試料重
量 従って、歩留まりの数値が大きい程、加熱によるドリッ
プの少ないことを表している。
【0033】・テクスチァー 試料を厚さ5cmにスライスし、フードレオメーター
[(株)レオテック製「RT−2020J―CW」を使
用]にて下記条件における2回の咀嚼試験を行い測定し
た。
【0034】プランジャー 棒状・φ15mm 試料台上昇速度 6cm/min クリアランス 1.8mm テクスチャーの項目のうち、硬さは数値が大きいほど硬
く、弾力性は数値が大きいほど弾力性に富んでいること
を表す。また、凝集性は、数値が大きいほど内部組織の
結着力が高いことを表す。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示すごとく本発明方法により製造さ
れたプレスハムは、無添加のプレスハム(試料No.
1)、従来のツナギ肉を添加したプレスハム(試料N
o.2,3)およびカードランを水に分散させて添加し
たプレスハム(試料No.4)と比較して、優れた歩留
まり(ドリップの防止)を示し、またテクスチァーも良
好であり十分に実用性を有することが認められた。
【0037】実施例2 本発明におけるカードランの添加量範囲を明確にするた
め、表2に示す各添加物濃度のプレスハム試料をそれぞ
れ調製し、調製したプレスハムの歩留まりおよびテクス
チャーを測定した。その結果を表2に示す。調製方法は
実施例1と同様であるが、カードランは下記に示す方法
にて調製したものを原料肉に対して20重量%添加し
た。
【0038】カードラン粉末をあらかじめアルカリを溶
解した水(0.08%NaOH水溶液)に加え約40℃
に加温し、0.05、0.1、0.25、0.5、2.
5、5.0、15.0、25.0重量%濃度の各カード
ランアルカリ水溶液を調製し、これらのカードランアル
カリ水溶液を原料肉に対してそれぞれ20重量%添加し
た。これらはそれぞれカードランとして原料肉に対し、
0.01、0.02、0.05、0.1、0.5、1.
0、3.0、5.0重量%の添加となる。
【0039】
【表2】
【0040】表2に示した結果から明らかなように、本
発明方法における原料肉に対するカードランの添加範囲
は0.02〜3.0重量%が有効であった。本発明によ
る製造方法においては、カードランの添加量が増加する
にしたがい歩留まりとテクスチァーは良好化するが、カ
ードラン添加量が3.0%を超えると、得られるプレス
ハムはかなり硬くなり、且つ経済的にも有利とはいえな
い。また、カードラン濃度25%以上のカードランアル
カリ水溶液は高粘度液となり作業性が低下する。カード
ラン濃度が0.02重量%未満では、無添加の対照品と
ほとんど差がなかった。
【0041】実施例3 (1)調製方法 脂肪を除去した豚肉3.5kg、牛肉1.5kg、ひつ
じ肉2.0kgおよび馬肉1.5kgをおのおの3cm
角に細切し、約5℃前後の低温において、これに塩漬剤
(食塩200g、亜硝酸ナトリウム1g、ポリリン酸ナ
トリウム28g、ピロリン酸ナトリウム5g、酸性ピロ
リン酸ナトリウム2g)を均一に添加し、1日間塩漬し
た後、実施例1と同様に各種結着素材やカードランを添
加したプレスハムを実施例1と全く同様に調製した。
【0042】(2)試験方法 熟練したパネラー10名により、硬さ、弾力性、風味お
よび総合評価の項目で官能試験を行った。試験方法は、
各項目で各試料を1位〜5位に順位付を行い、順位によ
って上位から1点〜5点の点数を付け、10名の合計点
により評価した。すなわち、硬さ・弾力は強い順に、風
味・総合評価は好ましい順に順位付けを行った。従っ
て、各項目とも点数が低いほうがより優れた性能を有す
るものである。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】表3に示した結果から明らかなように、本
発明のアルカリカードラン溶液を添加して製造したプレ
スハムは優れた食感を示すことが確認された。すなわ
ち、硬さはカジキ肉をツナギ肉に用いた試料におよばな
かったが、弾力性に優れ、風味も優れており総合評価は
最も高く、カードラン水分散液添加品を含めた対照品よ
りも好まれる傾向が示された。本発明により、肉の風味
をそこなわず、食感の改艮がなされることが明らかであ
る。
【0045】実施例4 (1)調製方法 牛肉30kg、鶏肉15kg、豚肉15kgからなる合
挽肉を粗目にミンチし、ミキサーにて牛脂肪7kg、液
卵4kg、表4に示すカードラン組成物6kgと混合
し、さらに細切した玉葱12kg、パン粉6kg、食塩
0.8kg、L−グルタミン酸ナトリウム0.2kg、
香辛料0.2kgを加え混合し、これを1個当たり約1
50gに整形し、オーブンにて230℃、7分間加熱調
理しハンバーグを試作した。
【0046】(2)試料の種類 カードラン水分散液添加品 カードラン水分散液は、粉末カードランに水を加え表4
に示す各濃度のスラリー分散液を調製しそれぞれ各6k
gを添加した。
【0047】本発明方法による製品 あらかじめアルカリを溶解した水(0.08%NaOH
水溶液)に粉末カードランを加え、約40℃に加温しカ
ードランアルカリ水溶液を調製したのち、乳酸にて中和
し、表4に示す各濃度のゲル状の中和カードドランを調
製し、それぞれ各6kgを添加した。なお、無添加品は
水道水6kgを添加した。
【0048】
【表4】
【0049】(3)試験方法 実施例1と同様に歩留まりを測定した。測定結果を表5
に示す。
【0050】
【表5】
【0051】表5に示した結果から明らかなように、本
発明のカードランの中和ゲルを添加して製造したハンバ
ーグは添加量が同一のカードラン水分散液を添加した試
料に比べて歩留まりが優れており、カードラン水分散液
を添加した試料に比べ、より低い添加量で優れた効果を
発揮することが認められた。
【0052】実施例5 あらかじめアルカリを溶解した水(0.08%NaOH
水溶液)に、粉末カードランを加え約40℃に加温し2
%濃度のカードランアルカリ水溶液を調製した。水65
8.65kgにポリリン酸ナトリウム8.4kg、ピロ
リン酸ナトリウム1.2kg、酸性ピロリン酸ナトリウ
ム2.4kg、亜硝酸ナトリウム0.35kg、食塩4
4kg、L−グルタミン酸ナトリウム5kg、デキスト
リン90kg、カゼインナトリウム40kg、乾燥卵白
50kgを溶解した液に、前述のカードランアルカリ水
溶液100kgを添加し、攪拌することにより均一な塩
漬液を調製した。この塩漬液70kgを豚背ロ―ス肉1
00kgに注入し、一晩冷蔵庫内にてタンブリング処理
を行い、168kgの塩漬肉を得た。塩漬肉は常法に従
いケーシングに詰め、スモークハウスにて加熱処理を行
い、本発明方法によるロースハム159kgを得た(食
肉あたりのカードラン添加量0.14%)。本品の製品
歩留まりは159%であり、ソフトでしなやかな食感で
あった。
【0053】実施例6 あらかじめアルカリを溶解した水(0.08%NaOH
水溶液)に、粉末カードランを加え約40℃に加温した
のち乳酸にて中和し、2%濃度の中和カードランを調製
し、これを微細化した。水658.65kgにポリリン
酸ナトリウム8.4kg、ピロリン酸ナトリウム1.2
kg酸性ピロリン酸ナトリウム2.4kg、亜硝酸ナト
リウム0.35kg、食塩44kg、L−グルタミン酸
ナトリウム5kg、デキストリン90kg、カゼインナ
トリウム40kg、乾燥卵白50kgを溶解した液に、
前述の中和カードラン100kgを添加し、攪拌するこ
とにより均一な塩漬液を調製した。この塩漬液70kg
を豚背ロース肉100kgに注入し一晩冷蔵庫内にてタ
ンブリング処理を行い、169kgの塩漬肉を得た。塩
漬肉は常法に従いケーシングに詰め、スモークハウスに
て加熱処理を行い、本発明方法によるロースハム161
kgを得た(食肉あたりのカードラン添加量0.14
%)。本品の製品歩留まりは160%であり、しなやか
な食感であった。
【0054】実施例7 あらかじめアルカリを溶解した水(0.08%リン酸3
ナトリウム水溶液)に、粉末カードランを加え約40℃
に加温し4%濃度のカードランアルカリ水溶液を調製し
ておき、水708.65kgにポリリン酸ナトリウム
8.4kg、ピロリン酸ナトリウム1.2kg、酸性ピ
ロリン酸ナトリウム2.4kg、亜硝酸ナトリウム0.
35kg、食塩44kg、L−グルタミン酸ナトリウム
5kg、デキストリン90kg、カゼインナトリウム4
0kg、乾燥卵白50kgを溶解した液に、前述のカー
ドランアルカリ水溶液50kgを添加し、攪拌すること
により均一な塩漬液を調製した。この塩漬液70kgを
豚背ロース肉100kgに注入し一晩冷蔵庫内にてタン
ブリング処理を行い、168kgの塩漬肉を得た。塩漬
肉は常法に従いケーシングに詰め、スモークハウスにて
加熱処理を行い、本発明方法によるロースハム160k
gを得た(食肉あたりのカードラン添加量 0.14
%)。本品の製品歩留まりは160%であり、滑らかな
食感であった。
【0055】比較例1 あらかじめ粉末カードランに水を加え、4%濃度のスラ
リー分散液を調製しておき、水708.65kgにポリ
リン酸ナトリウム8.4kg、ピロリン酸ナトリウム
1.2kg、酸性ピロリン酸ナトリウム2.4kg、亜
硝酸ナトリウム0.35kg、食塩44kg、L−グル
タミン酸ナトリウム5kg、デキストリン90kg、カ
ゼインナトリウム40kg、乾燥卵白50kgを溶解し
た液に、前述のカードラン水分散液50kgを添加し、
攪拌することにより均一な塩漬液を調製した。この塩漬
液70kgを豚背ロース肉100kgに注入し一晩冷蔵
庫内にてタンブリング処理を行い、167kgの塩漬肉
を得た。塩漬肉は常法に従いケーシングに詰め、スモー
クハウスにて加熱処理を行い、ロースハム153kgを
得た(食肉あたりのカードラン添加量0.14%)。本
品の製品歩留まりは153%であり、実施例5〜7の製
品歩留まりと比して低く、かつ食感もやや滑らかさに欠
いていた。
【0056】実施例8 常法のごとく、豚肉40kg、牛肉40kg、からなる
合挽肉をミンチし、ミキサーにて片栗粉10kg、細切
した玉葱40kg、水15kg、およびあらかじめアル
カリを溶解した水(0.08%NaOH水溶液)に、粉
末カードランを加え約40℃に加温して溶解したのち乳
酸にて中和してゲル化させ、得られたゲルを微細化した
10%濃度の中和カードラン5kgを混和し、さらに砂
糖1kg、醤油1kg、食塩1.5kg、ごま油2kg
を加え混和した。これを1個当たり約30gに整形し、
小麦粉から製造した皮に包んで総重量175kg/50
00個のシュウマイを製造し、その後蒸し器にて7分間
蒸し、総重量186kg/5000個のシュウマイを得
た。本品の加熱歩留まりは106.3%であり、得られ
たシューマイはジューシーな食感を保持していた。
【0057】なお、比較のため、粉末カードランの10
%濃度のスラリー分散液を調製した後、この分散液を同
様に添加して総重量186kg/5000個のシュウマ
イを製造し、その後蒸し器にて7分間蒸し、総重量17
9kg/5000個のシュウマイを得た。加熱歩留まり
は102.3%であり、得られたシューマイの食感もや
やパサついたものであった。
【0058】
【発明の効果】カードランをアルカリ水溶液に溶解また
は膨澗させ肉に添加し加工することにより、あるいは
カードランアルカリ溶液を中和してゲル化させ、このゲ
ル状物を肉に添加することにより、カードランを粉末
のまま添加する場合に比べて、歩留まりが向上し、ドリ
ップの少ない、食感の優れた品質改良された肉加工品
を製造することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/314 A23L 1/31

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カードランをアルカリ水溶液に溶解また
    は膨潤させたことを特徴とする畜肉加工品の液状品質改
    良剤。
  2. 【請求項2】 カードランをアルカリ水溶液に溶解また
    は膨潤させ、該アルカリ水溶液を畜肉に添加し成形する
    ことを特徴とする畜肉加工品の製造方法。
  3. 【請求項3】 畜肉が豚、牛、馬、ひつじ、鳥または兎
    肉であることを特徴とする請求項に記載の畜肉加工品
    の製造方法。
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