JP3274214B2 - 電子写真式色校正用原版 - Google Patents

電子写真式色校正用原版

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JP3274214B2
JP3274214B2 JP06545493A JP6545493A JP3274214B2 JP 3274214 B2 JP3274214 B2 JP 3274214B2 JP 06545493 A JP06545493 A JP 06545493A JP 6545493 A JP6545493 A JP 6545493A JP 3274214 B2 JP3274214 B2 JP 3274214B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式の色校正
用原版に関するものであり、特に、該色校正用原版の光
導電層の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多色印刷の印刷版としては、品質、耐刷
性、寸度安定性、汚れにくさ等の面から、専らPS版が
用いられている。PS版は、親水性向上のための表面処
理を施したアルミニウム支持体上に、ジアゾ樹脂もしく
はo−キノンジアジドを主剤とした感光層を設けてなる
版材であり、これに、色分解、網掛けしたフィルムを重
ね紫外線露光を行なったのち現像し、非画像部の感光層
を除いて親水性のアルミ表面を露出させることにより印
刷版を作製することができる。各色についてこのプロセ
スにより印刷版を作製し、これを順に印刷機にかけ、対
応するインキを用いて一枚の印刷用紙に印刷することに
より、多色像の印刷物を得ることができる。かかる印刷
方法においては、文字入力、レイアウト、色指定などの
一連の編集、製版、印刷の各工程において指定通りの作
業が行なわれたことの確認、及び色調子再現等について
の発注者の注文との差違がないことの確認を行い、必要
な場合には修正を行った後に、実際の印刷に進んでい
る。このステップを校正と言う。前者は内校と呼ばれ、
上に述べたように印刷会社内部での各工程のチェックを
目的としている。一方、後者は外校と呼ばれ、発注者に
印刷許可を得るための校正であり、インキ、印刷用紙等
も本機印刷と同じものを使用し、その刷り上がりも本機
印刷とほとんど変わらない。ここで、本機印刷に用いる
印刷用紙で校正刷りを行なうことを本紙校正と呼んでい
る。色指定、カラー写真の調子再現については、各色に
ついての確認及び修正が必要であり、特に外校としての
校正刷りは何度か繰り返して行なわれているのが実際で
ある。従来からの校正刷りは、実際の印刷に用いる色分
解及び網掛けしたフィルムと、校正刷り用と称される比
較的安価で耐刷性の低いPS版とを用いて作製した印刷
版を用い、例えば大日本スクリーン製の平台4色校正機
と呼ばれる印刷機に近い機構の校正機により印刷するこ
とにより行なわれている。これはプレスプルーフと呼ば
れているが、印刷版の作製に時間がかかり、また、操作
に熟練を要するため一定の品質を保つのが難しいという
欠点を有している。
【0003】このような印刷機に近い機構の校正機を用
いず、従って簡便でかつ印刷に起因する不安定要素のな
い色校正方法がいくつか提案されており、操作性、繰り
返し安定性などの点から好ましいとして利用されてい
る。これはオフプレスプルーフと呼ばれていて、代表的
な方式、システムは日本印刷学会誌の第24巻第3号3
2ページ(1989)に掲載されている。例えばカラー
アート(富士写真フィルム株式会社)、クロマリン(デ
ュポン)及びマッチプリント(3M)などの商品名で実
用化されているシステムである。これらは色分解フィル
ムを用いてはいるが、上述のような校正機は用いないシ
ステムである。色分解フィルムは、カラースキャナーを
用いて製造されることが多い。これは、原稿からデータ
を読み取り、色分解、網掛け、調子再現コントロールを
行った後、デジタルデータとして出力し、該データに基
づいて変調したレーザー光により銀塩フィルムを走査露
光し、これに現像、定着、及び乾燥処理を行って多色印
刷版用のポジチブ又はネガチブフィルムを製造する装置
である。近年、更にトータルカラースキャナーと呼ばれ
る電子製版システムが開発されて、実用に供され始めて
いる。これはシステム内でレタッチまたは、集版までを
行なうことのできるもので、これまで以上に迅速に仕上
がりの良否を判定する内校が要求される。つまりシステ
ム内で処理を行なった結果としての仕様体裁、レイアウ
ト、いくつかの絵柄の色分解品質の適否、調子の再現性
の具合などを、これまでの校正法で行っていたのでは、
色分解フィルムへの出力、プレスプルーフまたはオフプ
レスプルーフの仕上がりを待たなければならないため、
システムの利用効率を著しく低下させることになる。シ
ステム内にある画像データはデジタル情報として利用可
能であることから、従来の校正法に依らないデジタルダ
イレクトカラープルーフシステムがいくつか提案されて
いる。これらの詳細は「印刷情報」誌1991年4月号
2ページ以降に掲載されている。方式としては銀塩方
式、静電トナー方式(湿式電子写真方式)、インキジェ
ット方式、熱昇華転写方式などがある。
【0004】それぞれ特徴があるが、特に湿式電子写真
方式は光導電性感光体に帯電、レーザー露光を行った
後、電気絶縁性液体中に顔料を分散したカラートナーで
現像し、これをC、M、Y、Bkの4色について繰り返
したあとにトナー像を転写することができるので、高精
細、高画質であり色調、調子再現性が良く、また、用紙
を選ばないので、本紙校正が可能であるという利点を持
っている。しかしながら感光体表面から直接本紙にトナ
ー像を完全に転写することは極めて難しく、それを成し
得た特開平2−272469に開示された技術において
も、幾つかのステップを踏む必要がある。また剥離可能
な転写層を光導電層の表面に設けて、この上にトナー画
像を形成し転写層ごと本紙へ転写するという提案が、特
開昭61−174557(特公平2−43185)、特
開平1−112264、特開平1−281464、特開
平3−11347においてなされている。そのなかでも
唯一実用に供されているのは特開昭61−174557
の技術であるが、これは電子写真感材の透明支持体(ポ
リエチレンテレフタレートフィルム)側から露光するも
のであり、更に導電層も透明としなければならず、一回
限りの使い捨てでもあるので、コスト面では不利であ
る。特開平1−112264、特開平1−281464
においては、光導電層表面に、剥離層、接着層を順次設
けてなる感光紙を用いた画像形成方法もしくはカラー印
刷方法の提示があり、これらは現像後にトナー画像を剥
離層ごと普通紙に転写することを特徴としている。しか
しながらこれらの方法に用いられている光導電層の構成
を均一に実用的な面積で形成すること、およびトナー画
像を損なうことなく転写することは困難である。
【0005】特開平3−11347の光導電層上に剥離
可能なオーバーコート層を設けた記録媒体を用いる方法
においても、同様のことが言える。以上の様な転写の段
階で生じる画像の劣化の問題のほかに、電子写真プロセ
スにより画像を形成する段階で生じる問題がある。かか
る問題の要因としては、特に、電子写真式色校正用原版
の静電特性の低下が挙げられる。公知の光導電層で構成
される電子写真式色校正用原版を利用したシステムにつ
いて、撮像時の環境条件を変動(高温・高湿あるいは低
温・低湿)させて詳細に検討してみたところ、電子写真
特性、特に暗中電荷保持性、光感度等が変動して、良好
な画像を安定して得ることができなくなる場合が生じ
た。また、ダイレクトデジタルシステムにおいて、電子
写真式色校正用原版に半導体レーザー光を用いたスキャ
ニング露光を行う場合、半導体レーザー光を用いたスキ
ャニング露光方式は可視光による全面同時露光方式に比
べて長い露光時間を要し、また露光強度にも制約がある
ことから、電子写真式色校正用原版がより高い静電特
性、特により高い暗電荷保持特性及び光感度を有するこ
とが要求される。しかし、上記従来の色校正用原版では
環境条件の変動により電子写真特性が低下するため、半
導体レーザー光によるスキャニング露光方式により露光
すると、得られる色校正刷りに地カブリ、細線の飛び、
文字のツブレ等が発生する。即ち、色校正刷りの画像が
低下する結果となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点を改良した電子写真方式を用いた色校正用原版を
提供するものである。本発明の目的は色ずれがなく高精
細、高画質の色校正刷りを簡便に、安定して得ることに
ある。本発明の他の目的は、容易に製造でき、且つ製造
コストの低い電子写真式色校正用原版を提供することに
ある。更に他の目的は、トナー像を容易に、シンプルな
構成の転写装置で転写することができ、転写用紙を選ば
ず、印刷本紙への校正刷りを可能とする色校正刷りの製
造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、複
写画像形成時の環境が低温低湿あるいは高温高湿のよう
に変動する場合でも、鮮明で良質な画像を有する色校正
刷りを与えることができる色校正用原版を提供すること
である。本発明の他の目的は、併用し得る増感色素の種
類による影響を受け難く、また、半導体レーザー光によ
るスキャニング露光方式で使用されるに足る静電特性を
有する色校正用原版を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、支持体、
光導電層及び転写層を含み、該転写層上に電子写真プロ
セスにより形成された少なくとも1色のトナー像を、転
写層と共に被転写材料に転写することにより色校正刷り
を製造するための電子写真式色校正用原版であって、該
光導電層が、下記の樹脂(P1)、(P2)、(P3)及び
(P4)からなる群から選ばれる樹脂〔P〕、下記の樹脂
(Q1 )及び(Q2 )からなる群から選ばれる樹脂
〔Q〕、並びに光及び/又は熱硬化性基を有する構成単
位を含有する樹脂〔R〕を含み、且つ該樹脂〔P〕が少
なくとも前記転写層に接する表面の近傍に存在し、該表
面のJIS Z0237−1980「粘着テープ・シー
ト試験方法」により試験される粘着力が150gram・fo
rce(g ・f)以下であることを特徴とする電子写真式色校
正用原版により達成される。 (1) 樹脂(P1):フッ素原子及び/又はケイ素原子を有
する構成単位をセグメント(X)の重量に対して50重
量%以上含有するセグメント(X)と光及び/又は熱硬
化性基を少なくとも1種含有する構成単位を含有するセ
グメント(Y)とを含む直線状ブロック型共重合体。 (2) 樹脂(P2):フッ素原子及び/又はケイ素原子を有
する構成単位をセグメント(X)の重量に対して50重
量%以上含有するセグメント(X)と光及び/又は熱硬
化性基を少なくとも1種含有する構成単位を含有するセ
グメント(Y)とを含む直線状ブロック型高分子鎖少な
くとも3個を有機基(Z)を介して結合してなるスター
型共重合体。 (3) 樹脂(P3):フッ素原子及び/又はケイ素原子を有
する構成単位をセグメント(X)の重量に対して50重
量%以上含有するセグメント(X)と光及び/又は熱硬
化性基を少なくとも1種含有する構成単位を含有するセ
グメント(Y)とを含むグラフト型共重合体。 (4) 樹脂(P4):フッ素原子及び/又はケイ素原子を有
する構成単位をセグメント(X)の重量に対して50重
量%以上含有するセグメント(X)と光及び/又は熱硬
化性基を少なくとも1種含有する構成単位を含有するセ
グメント(Y)とを含むAB型又はABA型ブロック共
重合体であり、且つ該セグメント(X)の少なくとも一
つが下記のグラフト型セグメント(X') であるか、該セ
グメント(Y)の少なくとも一つが下記のグラフト型セ
グメント(Y') であるか、又は該セグメント(X)の少
なくとも一つが下記のグラフト型セグメント(X') であ
り、且つ該セグメント(Y)の少なくとも一つが下記の
グラフト型セグメント(Y')である共重合体。 グラフト型セグメント(X') :重量平均分子量が1×1
3 〜2×104 であり、フッ素原子及び/又はケイ素
原子を有する構成単位をマクロモノマー部(M A ) の重
量に対して50重量%以上、好ましくは90重量%以上
含有するマクロモノマー部(MA ) を含有するセグメン
ト。 グラフト型セグメント (Y') :重量平均分子量が1×1
3 〜2×104 であり、フッ素原子及び/又はケイ素
原子を含有する構成単位を含有しない構成単位より成る
マクロモノマー部(MB ) を含有するセグメント。 (5) 樹脂(Q1 ):1×103 〜2×104 の重量平均
分子量を有し、 式(I): −CH(a1)−C(a2)(COOR3)− (式中、a1 及びa2 は各々水素原子、ハロゲン原子、
シアノ基、又は炭化水素基を表し、R3 は炭化水素基を
表す) で表される構成単位及び-PO3H2、-SO3H 、-COOH
、−PO(OH)(R1) (式中、R1は炭化水素基又は-OR2(R2
は炭化水素基を表す) を表す) 及び環状酸無水物基から
なる群より選択される極性基を有する構成単位をランダ
ムに含有する高分子鎖少なくとも3個を有機基(Z)を
介して結合してなり、且つ前記式Iで表される構成単位
の含有量が樹脂(Q1)の総重量に対して30重量%以上で
あり、前記極性基を有する構成単位の含有量が樹脂(Q1)
の総重量に対して1〜20重量%であるスター型共重合
体。 (6) 樹脂(Q2 ):1×103 〜2×104 の重量平均
分子量を有し、上記式(I)で表される構成単位を含有
するセグメント(M)と、-PO3H2、-SO3H 、-COOH 、−
PO(OH)(R1) (式中、R1は炭化水素基又は-OR2(R2 は炭化
水素基を表す) を表す) 及び環状酸無水物基からなる群
より選択される極性基を有する構成単位を含有するセグ
メント(N)とを含む直線状ブロック型の高分子鎖少な
くとも3個を有機基(Z)を介して結合してなるスター
型共重合体。 本発明の光導電層は、光導電性化合物が樹脂〔Q〕及び
樹脂〔R〕等の結着樹脂で分散されたものであればよ
く、光導電性化合物の分散された層のみで構成されたい
わゆる単分散層タイプ及び光導電性化合物分散層である
電荷発生層と電荷輸送層とを少なくとも含むいわゆる積
層タイプ(又は機能分離タイプ)のいずれでもよい。重
要なことは、該各種光導電層の転写層に接する面の近傍
に樹脂〔P〕が偏在し、該面が改良された剥離特性を有
することである。例えば、電荷発生層と電荷輸送層から
なる機能分離型の光導電層においては、転写層と隣接す
る層である電荷輸送層が樹脂〔P〕及び樹脂〔R〕を含
み、電荷発生層が樹脂〔Q〕及び光導電性化合物を含む
ことができる。また、電荷発生層と電荷輸送層からなる
機能分離型の光導電層において、転写層と隣接する層で
ある電荷輸送層が、樹脂〔P〕、樹脂〔R〕、樹脂
〔Q〕及び光導電性化合物を含むこともできる。好まし
くは、上記樹脂〔P〕は、該樹脂が含有される層の樹脂
の総重量を基準として1〜30重量%含まれる。樹脂
〔Q〕の量は、好ましくは光導電性化合物100重量部
に対し、1〜100重量部、さらに好ましくは3〜50
重量部である。樹脂〔R〕の量は、好ましくは該樹脂が
含有される層の樹脂の総重量を基準として5〜99.1重
量%である。本発明において、結着樹脂は光導電性化合
物が分散されるマトリックスを形成する樹脂であり、本
発明で使用する樹脂〔P〕、樹脂〔Q〕,樹脂〔R〕及
び必要により存在するその他の樹脂を含む。また、好ま
しくは、本発明の光導電層は光及び/又は熱硬化剤を含
有する。本明細書において、「光及び/又は熱硬化剤」
は、光及び/又は熱硬化性化合物、光及び/又は熱硬化
性オリゴマー、光及び/又は熱硬化性樹脂及び架橋剤を
意味する。
【0008】
【作用】本発明の色校正用原版において、光導電層が単
分散層タイプである場合は該光導電層に、光導電層が積
層タイプである場合は該光導電層の転写層に隣接する層
に、樹脂〔P〕を少量共存させて塗膜を形成すると、塗
布後、乾燥工程が終了するまでの間に、樹脂〔P〕は膜
の表面部に移行し、濃縮され、そこで剥離性を発現す
る。一方、樹脂〔P〕中のフッ素及び/又はケイ素原子
含有の重合体セグメント(X)は転写層側に、他の重合
体セグメント(Y)は樹脂〔R〕との相溶性が良好なた
めに光導電層内部側に配列する。その結果、光導電層の
表面において剥離性が発現されるとともに、重合体セグ
メント(Y)と樹脂〔R〕との相互作用によりアンカー
効果を奏する。更に、樹脂〔R〕及び樹脂〔P〕のセグ
メント(Y)は、光及び/又は熱硬化性基を含有し、ま
た、好ましくは、光導電層は光及び/又は熱硬化剤を含
有するため、該層を成膜した後、光及び/又は熱等によ
り硬化すると、該層中の樹脂〔P〕が表面に配向した状
態で該層が硬化されるため、配向の状態が充分に固定さ
れるという結果が得られる。このことにより、更に転写
層を塗膜形成する際の樹脂〔P〕の転写層への移行が防
止され、転写層と光導電層との界面を明確に維持するこ
とができる。従って、本発明の色校正用原版を用いる
と、校正刷りにおいて、電子写真プロセスにより形成さ
れたトナー画像が転写層ごと良好に転写され、転写層の
剥離不良等の問題が生じることがない。また、転写層用
の熱可塑性樹脂の種類によって、塗布用の溶媒が選択さ
れるが、その溶媒によっては、転写層の成膜時に、光導
電層の結着樹脂との溶媒和作用により、光導電層の分散
状態に影響を及ぼし、電子写真特性に悪影響(地カブリ
が出やすくなる、画質が劣化する等)を及ぼす場合があ
った。かかる問題は、本発明の光導電層を架橋すること
によって耐溶媒性が付与されることにより解消される。
【0009】また、本発明の光導電層においては、光導
電性化合物を含有する層が、結着樹脂として樹脂〔Q〕
を含有するため、光導電性化合物は、微粒子化され且つ
均一に分散される。更には分光増感色素を用いて増感す
る場合、本発明の光導電層では用いる分光増感色素の種
類が種々変わった場合でも、これらの色素は光導電性化
合物と充分に相互作用することができる。特に半導体レ
ーザー光用分光増感に用いる色素と光導電性化合物との
相互作用は、公知の結着樹脂の系では不充分となってし
まうが、本発明の系では充分でありうる。このことは、
その詳細は不明であるが、光導電性化合物及び分光増感
色素を樹脂〔Q〕の共存下に分散すると、樹脂〔Q〕
が、色素と光導電性化合物の吸着相互作用を阻害するこ
となく光導電性化合物粒子の表面に吸着し、しかも樹脂
〔Q〕が光導電性化合物粒子表面の該色素による被覆を
適切な状態に保持することによるものと思われる。こう
したことにより、低温・低湿、高温・高湿と環境条件が
著しく変化した場合でも、良好で安定した電子写真特性
を維持できるようになったものと考えられる。一方、前
記の様な光導電層が単分散層タイプより成る場合におい
ては、光導電性化合物、樹脂〔Q〕とともに、樹脂
〔R〕及び少量の樹脂〔P〕が共存する系となる。こう
した複合系においても、樹脂〔Q〕は、光導電性化合物
と充分に相互作用し、樹脂〔R〕に阻害されることな
く、上記の様な、優れた静電特性を保持することができ
る。これと同時に、表面偏在性の樹脂〔P〕は、表面部
分に濃縮され、表面剥離性を充分に発現することができ
る。
【0010】上記のように、本発明の色校正用原板は光
導電層の転写層に接する面の剥離性が良好であることを
特徴とするが、剥離性が良好であるか否かは、JIS
Z0237─1980「粘着テープ・シート試験方法」
により試験される粘着力により判断される。即ち、本発
明の色校正用原板は、光導電層の転写層に接する面の上
記試験方法による粘着力が150gram・force (g・f)以
下、好ましくは100g・f 以下、さらに好ましくは5
0 g・f 以下であることを要する。粘着力は、「試験
板」として電子写真式色校正用原板を用い、「粘着テー
プ」として幅6mmの粘着テープを用い、引きはがし速度
120mm/ 分で粘着テープを引きはがし、得られた値を
10mm幅の粘着テープに比例換算して表したものであ
る。なお、転写層形成後の光導電層表面の粘着力は、転
写層形成前の光導電層表面の粘着力と同等である。
【0011】上記のように、本発明の色校正用原版は、
支持体、光導電層及び転写層を含む。以下、各々につい
て詳細に説明する。 〔支持体〕本発明において、光導電層は、従来公知の支
持体上に設けることができる。該支持体は導電性である
ことが好ましく、導電性支持体としては、従来使用され
ているようなもの、例えば金属、紙、プラスチックシー
ト等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導電処
理したもの、基体の裏面(光導電層を設ける面と反対側
の面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の
目的で少なくとも1層以上の層をコートしたもの、前記
支持体の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体
の表面層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコー
ト層を設けたもの、Al等を蒸着した導電化プラスチック
を紙にラミネートしたもの等が使用できる。
【0012】具体的には、導電性基体あるいは導電化材
料の例として、坂本幸男、電子写真、14、(No.
1)、2〜11頁(1975年刊)、森賀弘之、「入門
特殊紙の化学」高分子刊行会(1975年刊)、M. F.
Hoover, J. Macromol. Sci. Chem. A−4(6)、13
27〜1417頁(1970年刊)等に記載されている
もの等が挙げられる。 〔光導電層〕 (樹脂〔P〕)上記のように、樹脂〔P〕は樹脂(P1)
〜(P4)からなる群より選ばれ、これらはいずれもセグ
メント(X)及びセグメント(Y)を含む共重合体であ
る。好ましくは、樹脂〔P〕のセグメント(X)は、フ
ッ素原子及び/又はケイ素原子を含有する構成単位をセ
グメント(X)の総重量を基準として80重量%以上、
特に90重量%以上含有する。また、セグメント(Y)
は、好ましくは光及び/又は熱硬化性基を有する構成単
位を、セグメント(Y)の総重量を基準として1〜60
重量%、より好ましくは5〜40重量%含有する。セグ
メント(X)とセグメント(Y)の存在割合は、 5〜9
5/95〜5(重量比) であり、好ましくは10〜90
/90〜10 (重量比) である。また、セグメント
(X)におけるフッ素原子及び/又はケイ素原子を有す
る構成単位に含有されるフッ素原子及び/又はケイ素原
子の数は、好ましくは、フッ素原子のみ含有される場合
には3個以上であり、ケイ素原子のみ含有される場合は
2個以上であり、そしてフッ素原子とケイ素原子の両方
を含有する場合には各々1個以上である。 (樹脂(P1))樹脂(P1)はフッ素原子及び/又はケイ
素原子を含有する構成単位をセグメント(X)の重量に
対して50重量%以上含有するセグメント(X)と光及
び/又は熱硬化性基を少なくとも1種含有する構成単位
を含有するセグメント(Y)とを含む直線状ブロック型
共重合体である。該樹脂(P1)は、直線状ブロック型共
重合体であればいずれでもよく、例えばAB型(即ち、
(X)−(Y))ブロック共重合体もしくはそのマルチ
ブロック化体、又はABA型(即ち、(X)−(Y)−
(X)、(Y)−(X)−(Y))ブロック共重合体で
ありうる。樹脂(P1)の重量平均分子量は、5×103
〜1×106 、好ましくは1×104 〜5×105 であ
る。また、樹脂(P1)中のセグメント(X)の重量平均
分子量は、1×103 以上であることが好ましい。 (樹脂(P2))樹脂(P2)は、フッ素原子及び/又はケ
イ素原子を含有する構成単位をセグメント(X)の重量
に対して50重量%以上含有するセグメント(X)と光
及び/又は熱硬化性基を少なくとも1種含有する構成単
位を含有するセグメント(Y)とを含むAB型ブロック
高分子鎖が少なくとも3個、有機基(Z)を介して結合
しているスター型共重合体である。樹脂(P2)のAB型
ブロック高分子鎖においてセグメント(X)とセグメン
ト(Y)の高分子鎖中における配列の順序はいずれでも
よい。即ち、該重合体を模式的に示すと下記の如くにな
る。
【0013】
【化1】
【0014】(ここで、Zは有機基を表し、(X)はセ
グメント(X)を表し、(Y)はセグメント(Y)を表
す)また、有機基(Z)に結合するAB型ブロック高分
子鎖の数の上限は、通常15個、好ましくは10個であ
る。樹脂(P2)の重量平均分子量は、5×103 〜 1×
106 、好ましくは 1×104 〜5×105 である。ま
た、樹脂(P2)におけるセグメント(X)の重量平均分
子量は、1×103 以上であることが好ましい。有機基
(Z)は、その分子量が1000以下のものであれば特
に限定されるものではない。以下のような3価以上の炭
化水素基が例として挙げられる。
【0015】
【化2】
【0016】〔ここで、r1 〜r6 はそれぞれ単結合、
水素原子又は炭化水素基を表す。但し、r1 及びr2
少なくとも1つ、及びr3 〜r6 のうちの少なくとも1
つは単結合又は2価以上の炭化水素基を表す。有機基
(Z)が炭化水素基である場合は、単独の炭化水素基で
構成されていても良いが、複数の炭化水素基の組合せで
構成されていても良い。後者の場合は、−O−、−S
−、−N(r7 )−、−COO−、−CON(r7
−、−SO2 −、−SO2 N(r7 )−(ここでr7
それぞれ水素原子又は炭化水素基を表す)、−NHCO
O−、−NHCONH−、酸素原子、イオウ原子、窒素
原子等のヘテロ原子含有の複素環(例えばチオフェン
環、ピリジン環、ピラン環、イミダゾール環、ベンゾイ
ミダゾール環、フラン環、ピペリジン環、ピラジン環、
ピロール環、ピペラジン環等)等の結合単位を含んでい
てもよい。有機基(Z)の他の例としては、下記式から
選ばれる基と上記連結単位との組合せから構成されるも
のが挙げられる。しかしながら、本発明における有機基
(Z)は、これらに限定されるものではない。
【0017】
【化3】
【0018】(樹脂(P3))樹脂(P3)は、フッ素原子
及び/又はケイ素原子を含有する構成単位をセグメント
(X)の重量に対して50重量%以上含有するセグメン
ト(X)と光及び/又は熱硬化性基を少なくとも1種含
有する構成単位を含有するセグメント(Y)とを含むグ
ラフト型共重合体である。該樹脂(P3)において、セグ
メント(X)とセグメント(Y)の高分子鎖中における
配列の順序はいずれでもよい。即ち、該重合体を模式的
に示すと下記の如くになる。
【0019】
【化4】
【0020】樹脂(P3)の重量平均分子量は、5×10
3 〜1×106 、好ましくは1×104 〜5×105
ある。また、樹脂(P3)中のセグメント(X)の重量平
均分子量は、1×103 以上であることが好ましい。
【0021】(樹脂(P4))樹脂(P4)は、フッ素原子
及び/又はケイ素原子を含有する構成単位をセグメント
(X)の重量に対して50重量%以上含有するセグメン
ト(X)と光及び/又は熱硬化性基を含有する構成単位
を含有するセグメント(Y)とから構成されるAB型又
はABA型ブロック共重合体であり、且つセグメント
(X)の少なくとも一つが下記のグラフト型セグメント
(X')であるか、該セグメント(Y)の少なくとも一つ
が下記のグラフト型セグメント(Y')であるか、又は該
セグメント(X)の少なくとも一つが下記のグラフト型
セグメント(X')であり、且つ該セグメント(Y)の少
なくとも一つが下記のグラフト型セグメント(Y')であ
る共重合体である。 グラフト型セグメント(X'):重量平均分子量が1×1
3 〜2×104 であり、フッ素原子及び/又はケイ素
原子を含有する構成単位をマクロモノマー部(MA ) の
重量に対して50重量%以上、好ましくは90重量%以
上含有するマクロモノマー部(MA ) を含有するセグメ
ント。 グラフト型セグメント(Y'):重量平均分子量が1×1
3 〜2×104 であり、フッ素原子及び/又はケイ素
原子を含有する構成単位を含有しない構成単位より成る
マクロモノマー部(MB ) を含有するセグメント。 該樹脂(P4)において、セグメント(X)とセグメント
(Y)の配列順序はいずれでもよい。該共重合体の例と
しては、下記に模式的に示すものが挙げられる。
【0022】
【化5】
【0023】セグメント(X’)中における上記マクロ
モノマー部(MA ) の存在割合は、セグメント(X’)
の総重量に対して、1〜50重量%、好ましくは3〜3
0重量%である。セグメント(Y’)中における上記マ
クロモノマー部(MB ) の存在割合は、セグメント
(Y’)の総重量に対して、1〜50重量%、好ましく
は3〜30重量%である。好ましくは、上記マクロモノ
マー部(MB ) は、光及び/又は熱硬化性基を含有する
構成単位を、該マクロモノマー部(MB ) の総重量に対
して1〜50重量%、好ましくは3〜20重量%の量で
含有する。
【0024】樹脂(P4)の重量平均分子量は、5×10
3 〜1×106 で、好ましくは1×104 〜5×105
である。また、樹脂(P3)中のセグメント(X)の重量
平均分子量は、1×103 以上であることが好ましい。
以下、セグメント(X)及びセグメント(Y)について
詳細に説明する。 (セグメント(X))セグメント(X)中のフッ素原子
及び/又はケイ素原子を含有する構成単位は、例えば下
記のフッ素原子を有する置換基及び/又はケイ素原子を
有する置換基を有する。該置換基は、樹脂〔P〕の高分
子主鎖に組み込まれていても、高分子側鎖に結合してい
てもよい。 フッ素原子を有する1価又は2価の置換基: −Ch
2h+1(hは1〜18の整数を表わす)、−(CF2) j CF2H
(jは1〜17の整数を表わす)、−CFH2、−CF2−、
−CFH−、
【0025】
【化6】
【0026】ケイ素原子を有する1価又は2価の置換
基:−Si(R1)(R2)(R3)、−Si(R4)(R5)−。上記式中、R
1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、各々同じでも異なって
もよく、炭素数1〜22の置換されていてもよい炭化水
素基、前記したフッ素原子含有の一価の有機残基、−O
R’基(R’は炭素数1〜22の置換されていてもよい
炭化水素基を表わす)、あるいは−OSi(R1')
(R2')(R3') (基中、R1'〜R 3'はR1 〜R5 につい
て挙げた基を表す)を表わす。R1 〜R5 、R’及びR
1'〜R3'の例を下記に示す:炭素数1〜22の置換され
ていてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、2−クロロエチル
基、2−ブロモエチル基、2,2,2−トリフルオロエ
チル基、2−シアノエチル基、3,3,3−トリフルオ
ロプロピル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロ
ピル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2,2,
2,2' ,2' ,2' −ヘキサフルオロイソプロピル基
等)、炭素数4〜22の置換されていてもよいアルケニ
ル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブ
テニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテ
ニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘ
キセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基等)、炭素
数7〜12の置換されていてもよいアラルキル基(例え
ば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロ
ベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エ
チルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジ
ル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換
されていてもよい脂環式基(例えば、シクロヘキシル
基、2−シクロヘキシル基、2−シクロペンチルエチル
基等)又は炭素数6〜12の置換されていてもよい芳香
族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キ
シリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オ
クチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェ
ニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デ
シルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフ
ェニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセ
チルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エト
キシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニ
ル基、アセトアミドフェニル基、プロピオアミドフェニ
ル基、ドデシロイルアミドフェニル基等)。
【0027】また、該フッ素原子を有する置換基及びケ
イ素原子を有する置換基は、組み合わされて構成されて
もよく、その場合には、直接結合してもよいし更には他
の連結基を介して結合してもよい。連結基は、例えば二
価の基であり、−O−、−S−、−NR1 −、−SO
−、−SO2 −、−COO−、−OCO−、−CONH
CO−、−NHCONH−、−CONR1 −、−SO2
NR1 −等から選ばれたものであっても良く、二価の脂
肪族基もしくは二価の芳香族基、又はこれら二価の基の
組み合わせにより構成された有機基であってもよい。こ
こで、R1 は前記の意味を表す。二価の脂肪族基として
は、例えば以下のものが挙げられる。
【0028】
【化7】
【0029】e1 及びe2 は、互いに同じでも異なって
いてもよく、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩
素原子、臭素原子等)又は炭素数1〜12のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチ
ル基、ブロモメチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基等)を表わす。Qは−O−、
−S−又は−NR20−を表し、R20は炭素数1〜4のア
ルキル基、−CH2 Cl又は−CH2 Brを表わす。二
価の芳香族基としては、例えばフェニレン基、ナフチレ
ン基および5または6員の複素環基(複素環を構成する
ヘテロ原子として、酸素原子、イオウ原子、窒素原子か
ら選ばれたヘテロ原子を少なくとも1種含有する)が挙
げられる。これらの芳香族基は置換基を有していてもよ
く、例えばハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原
子、臭素原子等)、炭素数1〜8のアルキル基(例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例
えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等)が置換基の例として挙げられる。
【0030】複素環基としては、例えばフラン環、チオ
フェン環、ピリジン環、ピラジン環、ピペラジン環、テ
トラヒドロフラン環、ピロール環、テトラヒドロピラン
環、1,3−オキサゾリン環等の残基が挙げられる。次
に、以上のようなフッ素原子及び/又はケイ素原子を有
する置換基を有する構成単位、即ちセグメント(X)を
構成する前記のフッ素原子及び/又はケイ素原子を有す
る構成単位の具体例を以下に示す。しかし、これらの例
は本発明を限定するものではない。但し−Rf は次に表
わす置換基を示す。 1)−Cn2n+1 2)−CH2n2n+1 3)−CH2CH2n2n+1 4)−CH2(CF2)m CFHCF3 5)−CH2CH2(CF2)mCFHCF3 6)−CH2CH2(CF2)mCFHCF2 H 7)−CH2(CFH)mCF2H 8)−CH(CF3)2
【0031】
【化8】
【0032】上記式及び下記式において、nは1〜18
の整数を表し、mは1〜18の整数を表し、lは1〜5
の整数を表し、pは1〜12の整数を表し、qは1〜2
0の整数を表し、rは3〜6の整数を表し、bは水素原
子又はメチル基を表わし、Rf'は上記1)〜8)を表わ
し、R1'、R2'及びR3'は炭素原子数1〜12のアルキ
ル基を表し、及びR4'は−Si(CH3)3を表す。
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】 (a−34) −(N(CORf ) CH2 CH2 )− 次に、マクロモノマー部(MA ) について説明する。マ
クロモノマー部(MA ) は、重量平均分子量が1×10
3 〜2×104 、好ましくは3×103 〜1×104
範囲であるものである。重量平均分子量が1×103
満では、グラフト部の長さが短くなりすぎて剥離性向上
効果が薄れ、2×104 を超えると、該一官能性マクロ
モノマー部(MA ) に相当する単量体と該マクロモノマー
部(MA ) 以外の構成単位に相当する単量体との共重合
反応性が低下してしまい、所望のグラフト型重合体が得
られなくなるためである。該マクロモノマー部(MA )
中のフッ素原子及び/又はケイ素原子を有する構成単位
は、前記セグメント(X)の構成単位として挙げたもの
でありうる。該マクロモノマー部(MA ) は、例えば、
該構成単位等から成る重合体主鎖の片末端に、下記の一
般式(II)で表される重合性二重結合含有基を有する一
官能性マクロモノマーに相当するものでありうる。 CH (a1)=C (a2)−V1 − (II) 〔式(II)中、a1 及びa2 は各々水素原子、ハロゲン
原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又は炭化水素基
を表す。V1 は−CO−O−、−O−CO−、−(CH
2 m'O−CO−、−(CH2 m'CO−O−(m' は
1〜3の整数を表す)、−O−、−SO2 −、−CO
−、−CON(T1 )−、−SO2 N(T1)−、−C
ONHCO−O−、−CONHCONH−又は−C6
4 −を表わす(ここで、T1 は水素原子又は炭化水素基
を表す) 。
【0044】T1 としての炭化水素基の例を下記に示
す:炭素数1〜18の置換されていてもよいアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−ク
ロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル
基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエ
チル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18の
置換されていてもよいアルケニル基(例えば、2−メチ
ル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニ
ル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル
基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル
−2−ヘキセニル基等)、炭素数7〜12の置換されて
いてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネ
チル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、
2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベン
ジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキ
シベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジ
ル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基
(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチ
ル基、2−シクロペンチルエチル基等)又は炭素数6〜
12の置換されていてもよい芳香族基(例えば、フェニ
ル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフ
ェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ド
デシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェ
ニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル
基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフ
ェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メ
トキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェ
ニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミド
フェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシロイル
アミドフェニル基等)が挙げられる。
【0045】V1 が−C6 4 −を表わす場合、ベンゼ
ン環は置換基を有してもよい。置換基としては、ハロゲ
ン原子(例えば塩素原子、臭素原子等)、アルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
クロロメチル基、メトキシメチル基等)、アルコキシ基
(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基等)等が挙げられる。好ましくは、a1 及びa2
は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子等)、トリフ
ルオロメチル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)、−COOZ3 又は炭化水素基を介した−COOZ
3 (Z3 は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、
アルケニル基、アラルキル基、脂環式またはアリール基
を表し、これらは置換されていてもよく、具体的には、
上記T1について説明したものでありうる)を表す。上
記炭化水素基を介した−COOZ3 における炭化水素基
としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が
挙げられる。更に好ましくは、一般式(II) において、
1 は−COO−、−OCO−、−CH2 OCO−、−
CH2 COO−、−O−、−CONH−又は−C6 4
−を表わし、a1 及びa2 は互いに同じでも異なってい
てもよく、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基(例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基等)を表す。更に、より好ましくは、a1 及びa
2 においていずれか一方が水素原子を表す。
【0046】一般式(II)で示される重合性二重結合含
有基は、直接結合しても、あるいは任意の連結基を介し
て結合してもよい。連結基は、例えば二価の基であっ
て、−O−、−S−、−N(d1 )−、−SO−、−S
2 −、−COO−、−OCO−、−CONHCO−、
−NHCONH−、−CON(d2 )−SO
2 (d3 )、−Si(d4 )(d5 )−、二価の脂肪族
基もしくは二価の芳香族基、又はこれらの二価の基の組
合せにより構成された基であってもよい。ここで、d1
〜d 5 は式(II)においてT1 について挙げたものであ
りうる。二価の脂肪族基としては、例えば−C(k1
(k2 )−、−C(k1 )=C(k2 )−、−C≡C
−、−C6 10−、
【0047】
【化19】
【0048】が挙げられる。式中、k1 及びk2 は、互
いに同じでも異なっていてもよく、各々水素原子、ハロ
ゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等)
又は炭素数1〜12のアルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモメチル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デ
シル基等)を表す。二価の芳香族基としては、例えばフ
ェニレン基、ナフチレン基及び5又は6員の複素環基
(複素環を構成するヘテロ原子として、酸素原子、イオ
ウ原子、窒素原子から選ばれたヘテロ原子を少なくとも
1種含有する)が挙げられる。これらの芳香族基は置換
基を有していてもよく、例えばハロゲン原子(例えばフ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、炭素数1〜8のア
ルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ヘキシル基、オクチル基等)、炭素数1〜6の
アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基等)が置換基の例として挙げられ
る。複素環基としては、例えばフラン環基、チオフェン
環基、ピリジン環基、ピラジン環基、ピペラジン環基、
テトラヒドロフラン環基、ピロール環基、テトラヒドロ
ピラン環基、1,3−オキサゾリン環基、ピロリジン環
基、ピペリジン環基及び次式:
【0049】
【化20】
【0050】(式中、Qは−O−、−S−又は−NR20
−を表し、R20は炭素数1〜4のアルキル基、−CH2
Cl又は−CH2 Brを表す)で表される基が挙げられ
る。上記マクロモノマーの一般式IIで示される重合性二
重結合含有基と所望によりこれに連結する連結基で構成
される部分の具体例として下記のものが挙げられる。下
記式において、P1 は−H、−CH3 、−CH2 COO
CH3 、−Cl、−Br、又は−CNを示し、P2 は−
H又は−CH3 を示し、Xは−Cl又は−Brを示し、
nは2〜12の整数を示し、mは1〜4の整数を示す。
【0051】
【化21】
【0052】
【化22】
【0053】
【化23】
【0054】
【化24】
【0055】
【化25】
【0056】(セグメント(Y))次に、セグメント
(Y)について詳しく説明する。まず、セグメント
(Y)に含有される光及び/又は熱硬化性基を含有する
構成単位について説明する。「光及び/又は熱硬化性
基」とは、光及び熱のうちの少なくともいずれかにより
樹脂の硬化反応を行なう官能基をいう。光硬化性官能基
としては、例えば、乾英夫、永松元太郎、「感光性高分
子」(講談社、1977年刊)、角田隆弘、「新感光性
樹脂」(印刷学会出版部、1981年刊)、G.E.Green
and B.P.Strak, J.Macro. Sci. Reas. Macro Chem., C2
1(2), 187〜273(1981〜82)、C.G.Ratte
y, 「Photopolymerization of Surface Coatings 」(A.
Wiley Inter Science Pub.1982年刊)等の総説に
記載された、光硬化性樹脂として従来公知の感光性樹脂
等に用いられる官能基が挙げられる。また、熱硬化性官
能基としては、例えば、遠藤剛、「熱硬化性高分子の精
密化」(C.M.C (株)、1986年刊)、原崎勇次(最
新バインダー技術便覧」第II−I章(総合技術センタ
ー、1985年刊)、大津隆行「アクリル樹脂の合成・
設計と新用途開発」(中部経営開発センター出版部、1
985年刊)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」(テ
クノシステム、1985年刊)等の総説に記載された官
能基が挙げられる。例えば−COOH基、−PO3 2
基、−SO2 H基、−OH基、−SH基、−NH2 基、
−NHR103 基〔R103 は炭化水素基を表わし、例えば
置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基(例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシ
ル基、オクチル基、2−クロロエチル基、2−メトキシ
エチル基、2−シアノエチル基等)等〕、環状酸無水物
基、−CONHCH2 OR10 4 (R104 は水素原子又は
アルキル基(例えばR103 として挙げたもの)を表
す)、−N=C=O、次式で表される基
【0057】
【化26】
【0058】(式中、Z’は窒素原子とともにヘテロ環
を形成するのに必要な原子群を表わし、該官能基は−N
=C=O基の保護基となる)、シランカップリング基、
チタネートカップリング基、−Cd9 =CHd10基{d
9 、d10は、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素
原子、臭素原子等)又は炭素数1〜4のアルキル基(例
えばメチル基、エチル基等)を表わす}、重合性二重結
合含有基等を挙げることができる。又、重合性二重結合
含有基の具体例としては、CH2 =CH−、CH2 =C
H−CH2 −、CH2 =CH−CO−O−、CH2 =C
(CH3 )−CO−O−、CH3 −CH=CH−CO−
O−、CH2 =CH−CONH−、CH2 =C(C
3 )−CONH−、CH3 CH=CH−CONH−、
CH2 =CH−O−CO−、CH2 =C(CH3 )−O
−CO−、CH2 =CH−CH2 −O−CO−、CH2
=CH−NHCO−、CH2 =CH−CH2 −NHCO
−、CH2 =CH−SO2 −、CH2 =CH−CO−、
CH2 =CH−O−、CH2 =CH−S−、
【0059】
【化27】
【0060】等を挙げることができる。次に、マクロモ
ノマー部(MB ) について説明する。マクロモノマー部(M
B ) は、重量平均分子量が1×103 〜2×104 であ
り、好ましくは3×103 〜1×104 の範囲であるも
のである。重量平均分子量が1×103 以下ではアンカ
ー効果が薄れる。また、2×104 以上では、マクロモ
ノマー部(MB ) に相当する単量体とセグメント(Y)を
構成する他の構成単位に相当する単量体との共重合反応
性が低下する。該マクロモノマー部(MB ) を構成する構
成単位は、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含有しな
いものであればいずれでもよい。更に好ましくは、マク
ロモノマー部(MB )は、光及び/又は熱硬化性基を含
有する構成単位を、マクロモノマー部(MB )の総重量
に対して1〜50重量%含有する。これら光及び/又は
熱硬化性官能基の具体例としては、セグメント(Y)に
含まれる光及び/又は熱硬化性官能基として挙げた基の
うち重合性二重結合含有基を除いたものが挙げられる。
【0061】(他の構成単位)また、本発明の樹脂
〔P〕は、他の構成単位、即ち、フッ素及び/又はケイ
素原子を含有する構成単位並びに光及び/又は熱硬化性
基を含有する構成単位を含有してもよい。かかる他の構
成単位は、これに相当する単量体が、上記各セグメント
の構成単位に相当する単量体と共重合しうる単量体に相
当するものであればいずれでもよい。例えば付加重合成
分、ポリエステル成分、ポリエーテル成分、ポリイミン
成分等が挙げられる。上記付加重合成分としては、具体
的には下記一般式(III)で示される繰り返し単位から選
ばれる構成単位が挙げられる。 −CH(b1 )−C(V2 −R11)(b2 )− (III)
【0062】式(III)中、V2 は式(II)におけるV1
と同様の内容を表し、b1 及びb2は各々式(II)中の
1 及びa2 と同様の内容を表し、R11は炭化水素基、
好ましくは炭素数1〜22の炭化水素基(例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデ
シル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシ
ル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−
シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2
−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基、2−モル
ホリノエチル基、2−フルフリルエチル基、2−チエニ
ルエチル基、6−メトキシエチル−3−オキシエチル
基、2−エトキシエチル基、2−(N,N−ジメチルア
ミノ)エチル基、2−メチルチオエチル基、炭素数4〜
18の置換されていてもよいアルケニル基(例えば2−
メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペン
テニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテ
ニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メ
チル−2−ヘキセニル基等)、置換されていてもよい炭
素数7〜12のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フ
ェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル
基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモ
ベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メ
トキシベンジル基、メチル−クロロベンジル基、ジメチ
ルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜
8の置換されていても脂環式基(例えば、シクロヘキシ
ル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチ
ルエチル基等)、置換されていてもよい炭素数6〜12
の芳香族基(例えばフェニル基、ナフチル基、トリル
基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル
基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキ
シフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル
基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジク
ロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル
基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル
基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニ
ルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピオアミ
ドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基等)等が
挙げられる。
【0063】セグメント(X)中の式(III) で示される
構成単位の含有量は、セグメント(X)の重量に対し
て、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下で
あり、更に好ましくは全く含有されない。また、マクロ
モノマー部(MA ) 中における該構成単位の含有量は、
マクロモノマー(MA ) の重量に対して50重量%以
下、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは
全く含有されない。また、セグメント(Y)中における
該構成単位の含有量は、セグメント(Y)の総重量に対
して0〜95重量%、好ましくは5〜90重量%であ
る。また、該構成単位の含有量は、マクロモノマー部(M
B ) 中においては、40〜100重量%、好ましくは5
0〜95重量%である。更に、セグメント(X)又は
(Y)中には、式(III)で表される構成単位とともに、
該式(III)の構成単位に相当する単量体ーと共重合しう
る単量体、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、複素環ビニル類(例えばビニルピリジン、ビニルイ
ミダゾール、ビニルピロリドン、ビニルチオフェン、ビ
ニルピラゾール、ビニルジオキサン、ビニルオキサジン
等)等に相当する構成単位が存在しうる。これら他の構
成単位は樹脂〔P〕の全構成単位100重量部中20重
量部を超えない範囲で用いられる。また、樹脂〔P〕中
のセグメント(Y)において、上記の各構成単位ととも
に、−PO3 2 、−SO3 H、−COOH、−PO
(OH)R101 〔R101 は炭化水素基又は−OR
102 (R102 は炭化水素基を表す)を表す〕及び環状酸
無水物基から選択される少なくとも1種の極性基を置換
基として含有する構成単位を、セグメント(Y)の総重
量に対して10重量%未満の量で用いることもできる。
好ましくは、R101 及びR102 は、各々置換されていて
もよい炭素数1〜6の炭化水素基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、
2−ブロモエチル基、2−フルオロエチル基、3−クロ
ロプロピル基、3−メトキシプロピル基、2−メトキシ
ブチル基、ベンジル基、フェニル基、プロペニル基、メ
トキシメチル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチ
ル基)等でありうる。
【0064】また、環状酸無水物基とは、少なくとも一
つの環状酸無水物を含有する基であり、含有される環状
酸無水物としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳香族
ジカルボン酸無水物が挙げられる。脂肪酸ジカルボン酸
無水物の例としては、コハク酸無水物、グルタコン酸無
水物、マレイン酸無水物、シクロペンタン−1,2−ジ
カルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,2−ジカルボ
ン酸無水物、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無
水物、2,3−ビシクロ〔2,2,2〕オクタジカルボ
ン酸無水物等が挙げられ、これらの化合物は、例えば塩
素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル
基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基等で置換され
ていてもよい。
【0065】また、芳香族ジカルボン酸無水物の例とし
ては、フタル酸無水物、ナフタレン−ジカルボン酸無水
物、ピリジン−ジカルボン酸無水物、チオフェン−ジカ
ルボン酸無水物等が挙げられ、これらの化合物は、例え
ば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ヒドロ
キシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル
基(アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキ
シ基等)等で置換されていてもよい。以上の様な特定の
極性基を含有する構成単位は、例えば前記式(I) で表さ
れる構成単位に相当する単量体と共重合し得る極性基含
有ビニル系化合物に相当するものであればいずれでもよ
く、例えば、高分子学会編「高分子データ・ハンドブッ
ク(基礎編〕」培風館(1986年刊)等に記載されて
いる。具体的には、アクリル酸、α及び/又はβ置換ア
クリル酸(例えばα−アセトキシ体、α−アセトキシメ
チル体、α−(2−アミノ)エチル体、α−クロロ体、
α−ブロモ体、α−フルオロ体、α−トリブチルシリル
体、α−シアノ体、β−クロロ体、β−ブロモ体、α−
クロロ−β−メトキシ体、α,β−ジクロロ体等)、メ
タクリル酸、イタコン酸、イタコン酸半エステル類、イ
タコン酸半アミド類、クロトン酸、2−アルケニルカル
ボン酸類(例えば2−ペンテン酸、2−メチル−2−ヘ
キセン酸、2−オクテン酸、4−メチル−2−ヘキセン
酸、4−エチル−2−オクテン酸等)、マレイン酸、マ
レイン酸半エステル類、マレイン酸半アミド類、ビニル
ベンゼンカルボン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸、ビニルホスホン酸、ジカルボン酸類のビ
ニル又はアリル半エステル誘導体、及び上記カルボン酸
又はスルホン酸のエステル誘導体又はアミド誘導体の置
換基中に前記極性基を含有する化合物等に相当する構成
単位が挙げられる。
【0066】(樹脂〔P〕の合成)本発明の樹脂〔P〕
及びマクロモノマー部((MA ) ,(MB ) )に相当するマ
クロモノマーは、従来公知の重合方法に従って合成する
ことができる。例えば、W. J. Burlant, A. S. Hoffman
"Block and Graft polymers" ( 1960年、Renhal
d)、R. J. Ceresa, "Block and Graft Polymers" (19
62年、Butterworths) 、D. C. Allport, W. H. James
"Black Copolymers" (1972年、Applied Sci)、A.
Noshay, J. F. McGvath "Block Copolymers" (197
7年、Academic press.)、G. Huvtrez. D. J. Wilson,
G. Riess, NATO ASI Sev.Sev E. 1985、149、
V. Percea, Applied. Polymer Sci. 285、95(1
985)等の成書、総説に記載されている。例えば有機
金属化合物(例えばアルキルリチウム類、リチウムジイ
ソプロピルアミド、アルカリ金属アルコラート類、アル
キルマグネシウムハライド類、アルキルアルミニウムハ
ライド類等)を重合開始剤とするイオン重合反応につい
ては、T. E. Hogeu-Esch, J. Smid, "Recent Advances
in Anionic Polymerization"(1987年、Elsevier Ne
w York)、岡本佳男、高分子、38、912(198
9)、澤本光男、高分子、38、1018(1989)
、成田正、高分子、37、252(1988) 、B. C.
Anderson, et al, Macromolecules 14、1601
(1981)、S. Aoshima, T. Higashimura, Macromol
ecules 22、1009(1989)等に具体的に記載
されている。また、ヨウ化水素/ヨウ素系等によるイオ
ン重合反応については、T. Higashimura et al, Makrom
ol. Chem., Macromol. Symp., 1314、457(1
988)、東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46
189(1989) 等に記載されている。また、グルー
プ移動重合反応については、D. Y. Sogah et al, Macro
molecules 20、1473(1987)、O. W. Webste
r, D. Y. Sogah, 高分子、36、808(1987) 、
M. T. Reetg, et al, Angew. Chem. Int. Ed. Eugl.
、9108(1986)特開昭63−97609号等
に記載されている。
【0067】また、金属ポルフィリン錯体を用いたリビ
ング重合反応については、T. Yasuda,T. Aida, S. Inou
e, Macromolecules, 17、2217(1984)、M.
Kuroki, T. Aida, S. Inoue, J. Am. Chem. Soc. 10
、4737(1987)、M. Kuroki et al, Macromo
lecules, 21、3115(1988)、M. Kuroki,I.
Inoue,有機合成化学、47、1017(1989)等
に記載されている。更には、環状化合物の開環重合反応
については、S. Kobayashi, T. Saegusa,"Ring Opening
Polymerization"(1984年、Applied Science Publi
shors, Ltd.) 、W. Seeliger et al. Angew. Chem. In
t. Engl.、875(1966) 、S. Kobayashi et a
l, Poly, Bull. 13、447(1985)、Y. Chujo
et al, Macromolecules, 22、1074(1989)
等に記載されている。更には、ジチオカーバメート化合
物あるいはザンテート化合物等を開始剤として用いる光
リビング重合反応について、大津隆行、高分子、37
248(1988)、檜森俊一、大津隆一、Polym. Re
p. Jap. 37、3508(1988)、特開昭64−
111号、特開昭64−26619号、M. Niwa, Macro
molecules,189、2187(1988)等に記載され
ている。他方、アゾ基あるいは過酸化基を含有する高分
子を開始剤として用いるラジカル重合反応によりブロッ
ク共重合体を合成する方法が、上田明等、高分子論文集
33、931(1976)、上田明、大阪市立工業研究
所報告84、(1989)、O. Nuyken et al, Macromo
l. Chem., Rapid. Commun.、671(1988)、森
屋泰夫等、強化プラスチック、29、907(19
) 、小田良平、科学と工業61、43(1987)等
に記載されている。グラフト型ブロック共重合体の合成
については、前記した成書、総説に加えて、更に、井手
文雄、“グラフト重合とその応用”(1977年、高分
子刊行会)、高分子学会編、“ポリマー・アロイ”(1
981年、東京化学同人)等に記載されている。例えば
高分子鎖を、重合開始剤、化学的活線(放射線、電子線
等)、機械的応用化でのメカノケミカル反応等でグラフ
ト化する方法、高分子鎖と高分子鎖の官能基を利用し
て、化学結合(いわゆる高分子間反応)しグラフト化す
る方法あるいはマクロモノマーを用いて、重合反応し、
グラフト化する方法等が知られている。
【0068】高分子鎖を用いてグラフト化する方法は、
具体的には、T. Shiota et al, J.Appl. Polym. Sci.
13、2447(1969)、W. H. Buck, Rubber Che
mistry and Technology,50、109(1976)、遠
藤剛、横沢勉、日本接着協会誌、24、323(198
8)、遠藤剛、ibid, 25、409(1989)等に記
載されている。また、マクロモノマーを用いて、重合反
応しグラフト化する方法は、具体的には、P. Dreyfuss
& R. P. Quirk, Encycl. Polym. Sci. Eng.,、551
(1987)、P. F. Rempp, E. Franta, Adv. Polym.
Sci., 58、1(1984)、V. Percec, Appl. Poly.
Sci.,285、95(1984)、R. Asami, M. Takar
i, Macromol. Chem. Suppl.,12、163(198
5)、P. Rempp., et al, Macromol. Chem. Suppl.,
8、3(1984)、川上雄資、化学工業、38、56
(1987)、山下雄也、高分子、31、988(19
82)、小林四郎、高分子、30、625(198
1)、東村敏延、日本接着協会誌、18、536(19
82)、伊藤浩一、高分子加工、35、262(198
6)、東貴四郎、津田隆、機能材料、1987、No. 1
0、5、山下雄也編著、“マクロモノマーの化学と工
業”(1989年、アイ・ピー・シー(株))、遠藤剛
編著、“新しい機能性高分子の分子設計”第4章(19
91年、シーエムシー(株)、Y. Yamashita et al. Po
lym. Bull.、361(1981)等に記載されてい
る。スター型ブロック共重合体の合成方法は、例えばM.
T. Reetz, Angew. Chem.1st. Ed. Engl 27、137
3(1988)、M. Sgwarc, "Carbanions, LivingPoly
mers and Electron Transfer Processes"(1968
年、Wiley. New York)B. Gordon et al, Polym. bull.
11、349(1984)、R. B. Bates et al. J. Or
g. Chem.44、3800(1979)、Y. Sogah, A.
C. S. Polym. Repr. 1988、No. 2、3、J. W. May
s. Polym. Bull.23、247(1990)、I. M. Kha
n. et al. Macromolecules,21、2684(198
8)、A. Morikawa, Macromolecules,24 、3469
(1991)、上田明、永井進、高分子、39、202
(1990)、T. Otsu, Polym. Bull. 11、135
(1984)等に記載されている。
【0069】さらに、例えばW.J.Burlant. A.S. Hoffma
n "Block and Graft Polymers" (1960年, Renhold), R.
J.Ceresa, "Block and Graft Copolymers" (1962年, Bu
tterwords) L.C.Allport, W.H.James"Block copolymer
s"(1972年 Applied Sci), A.Noshay,J.E.McGrath"Block
Copolymers"(1977年, Academic press.)等の成書が挙
げられる。更に具体的には本発明のスター型共重合体
は、従来公知の極性基含有で且つ重合性二重結合含有基
をもつ単量体からのスター型ポリマーの合成法を利用し
て合成することができる。例えばその一つとしてカルバ
ニオンを開始剤とする重合反応が挙げられる。具体的に
は,M.Morton, T.E.Helminiak et al. J.Polym. Sci.,5
7, 471(1962),B.Gordon III, M.Blumethal, J.E.Loftu
s. et al, Polym. Bull.,11,349(1984), R.B.Bates, W.
A.Beavers, et al, J.Org, Chem.,44, 3800(1979) に記
載の方法に従って合成できる。本発明の樹脂〔P〕にお
いてセグメント(Y)中に,前記した−COOH基等の
特定の極性基を含有する構成単位を含有する場合には、
該特定の極性基を含有する構成単位に相当する単量体に
おいて該極性基を予め保護した官能基としておき、有機
金属化合物(例えばアルキルリチウム類,リチウムジイ
ソプロピルアミド,アルキルマグネシウムハライド類
等)もしくはヨウ化水素/ヨウ素系等によるイオン重合
反応,ポルフィリン金属錯体を触媒とする光重合反応又
はグループ移動重合反応等のいわゆるリビング重合反応
でブロック共重合体を合成した後,極性基を保護した官
能基に加水分解反応、加水素分解反応、酸化分解反応又
は光分解反応等の脱保護反応を行い,極性基を形成させ
る。その一つの例を下記の反応式(I)に示す。
【0070】
【化28】
【0071】また、マクロモノマー部(MA )及び(M
B )に相当するマクロモノマー、及び、これらマクロモ
ノマー部の少なくとも1種を含むAB型あるいはABA
型ブロック共重合体は、各々、従来公知の重合方法に従
って合成することができる。これらのマクロモノマー
は、例えば、有機金属化合物(例えばアルキルリチウム
類、リチウムジイソプロピルアミド、アルキルマグネシ
ウムハライド類等)あるいはヨウ化水素/ヨウ素系等に
よるイオン重合反応で、ポルフィリン金属錯体を触媒と
する光重合反応、グループ移動重合反応、ジチオカーバ
メート化合物、ジチオザンテート化合物等を開始剤とし
た光イニシエーター重合法あるいは、重合性二重結合基
を導入可能な官能基を含有するラジカル重合開始剤(例
えば、アゾビス化合物、過酸化物)・連鎖移動剤(例え
ばメルカプト化合物、ヨード化合物)を用いたラジカル
重合反応等の公知の重合法により重量平均分子量2×1
4 以下の重合体を合成した後に、該重合体主鎖の片末
端に種々の試薬を反応させて、重合性二重結合基を導入
することで合成することができる。
【0072】例えば、P. Lutz, P. Masson etal, Poly
m. Bull.,12、79(1984)B.C. Anderson, G.
D. Andrews etal, Macromolecules, 14、1601
(1981)K. Hatada, K. Ute. etal, Polym. J.
、977(1985)、18、1037(198
6)、右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36、366
(1987)東村敏延、沢本光男、高分子論文集、
、189(1989)M. Kuroki,T. Aida, T. Am. Ch
em. Soc. 109、4737(1987)、相田卓三、
井上祥平、有機合成化学、43、300(1985)D.
Y. Sogah, W. R. Hertler etal, Macromolecules,
、1473(1987)、大津隆行、高分子、37
248(1988)、檜森俊一、大津隆一、Polym. Re
p. Jap.37、3508(1988)、特開昭64−1
11号、特開昭64−26619号等に記載の合成方法
に従って容易にリビングポリマーを合成することができ
る。ラジカル重合反応を用いる例としては、Y. Yamashi
ta, J. Appl. Polym. Sci,Appl. Polym. Symp.36、1
93(1981)、K. K. Roy, etal, Makromol. Chem.
153、71(1972)、Y. Yamashita etal, Poly
m. J., 14、255(1982)、上田明、永井進、
科学と工業、60、57(1986)等に記載の合成方
法が挙げられる。又、該重合体主鎖の末端に重合性二重
結合基を導入する方法は、従来公知の方法でありうる。
具体的には、P. Dreyfuss & R. P. Quirk, Encycl, Pol
ym. Sci. Eng.,、51(1987)、P. F. Rempp,
E. Franta, Adu., Polym. Sci. 58、1(198
4)、V. Per-cec, Appl., Polym. Sci., 285、95
(1984)、R. Asami, M. TakaRi, Makvamol. Chem.
Suppl. 12、163(1985)、P. Rempp. etal,
Makvamol. Chem. Suppl.、3(1984)川上雄資、
化学工業、38、56(1987)、山下雄也、高分
子、31、988(1982)、小林四郎、高分子、
、625(1981)、東村敏延、日本接着協会誌、
18、536(1982)、伊藤浩一、高分子加工、
、262(1986)、東貴四郎、津田隆、機能材
料、1987 No.10、山下雄也編「マクロモノマーの
化学と工業」第2章、アイピーシー出版部(1989年
刊)等の総説及びそれに引例の文献・特許等に記載の方
法に従って合成することができる。
【0073】また、上記マクロモノマーが、前記の特定
の極性基を含有する構成単位を含有する場合には、該マ
クロモノマーは、該極性基を予め保護した単量体を用い
て、重合反応及び重合性二重結合基の導入を行なった
後、保護基の脱離を行なうことにより容易に合成するこ
とができる。極性基の保護及びその脱離方法は公知であ
る。例えば前記の引用文献にも種々記載されており、更
には、岩倉義男、栗田恵輔、「反応性高分子」(株)講
談社刊(1977年)、T. W. Greene「Protective Gro
ups in Organic Synthesis」,John Wiley & Sons(19
81年)、J. F. W. McOmie,「Protective Groups inOr
ganic Chemistry」Plenum Press, (1973年)等の
総説に詳細に記載されている方法を適宜選択して行なう
ことができる。また、樹脂(P4 )は、上田明、永井
進、等、高分子論文集、33 131(1976)同、
科学と工業、64、446(1990)等に記載の高分
子アゾ開始剤を用いたラジカル共重合反応等によっても
製造することができる。 (樹脂〔Q〕)以下、樹脂〔Q〕、即ち樹脂(Q1)及び
樹脂(Q2)について詳説する。 (樹脂(Q1))該樹脂(Q1)は、前記式Iの構成単位及
び前記極性基含有構成単位を含有する高分子鎖少なくと
も3個を有機基を介して結合したスター型共重合体であ
る。即ち、該重合体は例えば下記のように表される。
【0074】
【化29】
【0075】上記において、Zは有機基を表し、〔Po
lymer〕は高分子鎖を表す。ここで、有機基に結合
した高分子鎖は、それぞれ構造的に同一であっても異な
っていてもよく、それぞれ式(I)の構成単位及び極性
基含有構成単位を含有する。また、それぞれの高分子鎖
の長さも同じであっても異なっていてもよい。また、結
合する高分子鎖の数の上限は、15個、好ましくは10
個程度である。
【0076】樹脂(Q1)の重量平均分子量は1×103
〜2×104 、好ましくは3×10 3 〜1×104 であ
り、樹脂(Q1)のガラス転移点は好ましくは−40℃〜
110℃、より好ましくは−20℃〜90℃である。樹
脂(Q1)の分子量が1×103 より小さくなると、皮膜
形成能が低下して充分な膜強度を保つことができず、一
方分子量が2×104 より大きくなると、特に近赤外〜
赤外分光増感色素を用いた色校正用原版において、高温
・高湿、低温・低湿等の過酷な条件下での暗減衰保持率
及び光感度が低下し、安定した品質の画像が得られにく
い。極性基含有構成単位の含有量は、樹脂(Q1)の総重
量に対して1〜20重量%、より好ましくは3〜15重
量%である。極性基含有構成単位の含有量が1重量%よ
り少ないと、初期電位が低くなり充分な画像濃度を得る
ことができない。一方、該極性基含有構成単位の含有量
が20重量%よりも多いと、樹脂(Q1)の分散性が低下
し、得られる色校正刷りの画質が劣化し、地汚れが増大
する。極性基含有構成単位は該高分子鎖中に2種以上含
有されていてもよい。また、式(I)の構成単位の含有
量は、樹脂(Q1)の総重量に対して30重量%以上、好
ましくは30〜99.95重量%、より好ましくは50〜
99.5重量%である。次に、式(I)の構成単位につい
て説明する。式I中、a1 及びa2 は各々水素原子、ハ
ロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子
等)、シアノ基又は炭化水素基(例えば炭素数1〜8の
脂肪族基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基)、ベンジル基、炭素
数6〜12の芳香族基、例えばフェニル基を表す。a1
が水素原子を表し、且つa2 がメチル基を表す場合が好
ましい。
【0077】R3 は炭化水素基を表し、具体的にはアル
キル基、アラルキル基又は芳香族基を表し、好ましくは
ベンゼン環又はナフタレン環を含有するアラルキル基又
は芳香族基である。更に、R3 は、好ましくは置換され
ていてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。置換
基としては、例えばハロゲン原子(例えばフッ素原子、
塩素原子、臭素原子等)、−OZ1 、−CO−OZ1
−O−COZ1 (Z1 は炭素数1〜22のアルキル基を
表し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、
ヘキサデシル基、オクタデシル基等である)等の置換基
が挙げられる。好ましい炭化水素基としては、置換され
ていてもよい炭素数1〜18のアルキル基(例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、
ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキ
サデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル基、2
−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシ
カルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロ
モプロピル基等)、置換されていてもよい炭素数4〜1
8のアルケニル基(例えば2−メチル−1−プロペニル
基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−
2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル
基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基
等)、置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキ
ル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニ
ルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル
基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベン
ジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメ
チルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、置換され
ていてもよい炭素数5〜8の脂環式基(例えば、シクロ
ヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロ
ペンチルエチル基等)又は置換されていてもよい炭素数
6〜12の芳香族基(例えばフェニル基、ナフチル基、
トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフ
ェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、
メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフ
ェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル
基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフ
ェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフ
ェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカ
ルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピ
オアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基
等)等が挙げられる。R3 が脂肪族炭化水素基である場
合には、R3 が炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基である
式(I)の構成単位が、式(I)の構成単位の総重量に
対して60重量%以上の量で含有されることが好まし
い。式(I)の構成単位としては、式(Ia)及び/又
は式(Ib):
【0078】
【化30】
【0079】で表される構成単位が特に好ましい。式
(Ia)において、A1 及びA2 は、互いに独立に各々
水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜10の炭化
水素基、−COR14又は−CO−O−R14 (R14は炭素
数1〜10の炭化水素基を表す)を表し、B1 及びB2
は各々−COO−とベンゼン環を結合する単結合又は主
鎖原子数1〜4の連結基を表す。好ましくは、A1 及び
2 は炭素数1〜4のアルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基)、置換されていてもよ
い炭素数7〜9のアラルキル基(例えば、ベンジル基、
フェネチル基、3−フェニルプロピル基、クロロベンジ
ル基、ジクロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチル
ベンジル基、メトキシベンジル基、クロロメチルベンジ
ル基)及び置換されていてもよいアリール基(例えばフ
ェニル基、トリル基、キシリル基、ブロモフェニル基、
メトキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェ
ニル基)、並びに−COR14又は−CO−OR14中、R
14がA1 及びA2 について好ましいとして挙げた炭化水
素基を表す基を挙げることができる。B1 及びB2 の具
体例としては、単結合、−(CH2) a−(aは1〜3の整
数を表す)、−CH2O−CO−、−CH2CH2O −CO−、−(CH2
O)b−(bは1又は2の整数を表す)及び−CH2CH2O −
が挙げられ、単結合又は主鎖原子数1〜2個の連結基が
特に好ましい。上記式(Ia)又は(Ib)で表される
構成単位の具体例を以下に挙げる。しかし、本発明の範
囲はこれに限定されるものではない。以下の(q−1)
〜(q−20)において、cは1〜4の整数を表し、d
は0又は1〜3の整数を表し、eは1〜3の整数を表
し、R6 は−C C H2C+1 又は−(CH2) d −C6H5(ただ
し、c,dは上記と同じ)を表し、D1 及びD2 は同じ
でも異なってもよく、水素原子、−Cl、−Br、−Iのい
ずれかを表す。
【0080】
【化31】
【0081】
【化32】
【0082】次に、極性基含有構成単位について説明す
る。該極性基は、−PO3H2 、−SO3H、−COOH、−PO(OH)
-(R1) 及び環状酸無水物基から選ばれる基である。上記
式中、R1 は炭化水素基又は−OR2 (R2 は炭化水素基
を表す)を表し、具体的にはR1 及びR2 は炭素数1〜
22の炭化水素基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチ
ル基、2−フルオロエチル基、3−クロロプロピル基、
3−メトキシプロピル基、2−メトキシブチル基、ベン
ジル基、フェニル基、プロペニル基、メトキシメチル
基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基)を表
す。また、環状酸無水物基及びその具体例は、樹脂
〔P〕について説明したものでありうる。以下に極性基
含有構成単位を例示する。ここで、d1はH又は CH3を表
し、d2はH、CH3 又はCH2COOCH3 を表し、R22は炭素数
1〜4のアルキル基を表し、R23は炭素数1〜6のアル
キル基、ベンジル基又はフェニル基を表し、fは1〜3
の整数を表し、gは2〜11の整数を表し、hは1〜1
1の整数を表し、iは2〜4の整数を表し、jは2〜1
0の整数を表す。
【0083】
【化33】
【0084】
【化34】
【0085】
【化35】
【0086】
【化36】
【0087】
【化37】
【0088】
【化38】
【0089】
【化39】
【0090】
【化40】
【0091】
【化41】
【0092】
【化42】
【0093】
【化43】
【0094】該高分子鎖中には上記極性基含有構成単位
及び式(I)の構成単位以外の構成単位が含まれていて
もよく、そのような構成単位としては、例えば式(IV)
で表される構成単位が挙げられる。
【0095】
【化44】
【0096】〔式(IV) 中、X1 は−CO−O−、−O
−CO−、−(CH2 p −O−CO−、−(CH2) P
CO−O−(pは1〜3の整数を表す)、−O−、−S
2 −、−CO−、−CON(Z3)−、−SO2 N(Z
3 )−、−CONHCO−O−、−CONHCONH−
又は−C6 4 −を表す(ここでZ3 は水素原子又は炭
化水素基を表す)。R12は炭化水素基を表す。b1 及び
2 は、互いに同じでも異なっていてもよく、前記式
(I)中のa1及びa2 について挙げた基のいずれかを
表す。〕
【0097】炭化水素基としてのZ3 は、好ましくは置
換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプ
チル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチ
ル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−
メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、
3−ブロモプロピル基等)、置換されていてもよい炭素
数4〜18のアルケニル基(例えば、2−メチル−1−
プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3
−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−
ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘ
キセニル基等)、置換されていてもよい炭素数7〜12
のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、
3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフ
チルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、
メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジ
ル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基
等)、置換されていてもよい炭素数5〜8の脂環式基
(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチ
ル基、2−シクロペンチルエチル基等)又は置換されて
もよい炭素数6〜12の芳香族基(例えばフェニル基、
ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル
基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシル
フェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル
基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、ク
ロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル
基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシ
カルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル
基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェ
ニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミ
ドフェニル基等)等が挙げられる。X1 が−C6 4
を表す場合、ベンゼン環は置換基を有してもよい。置換
基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子
等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基
等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基等)等が挙げられる。
【0098】R12は、好ましくは置換されていてもよい
炭素数1〜22のアルキル基(例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル
基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シ
アノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−
メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、置換さ
れていてもよい炭素数4〜18のアルケニル基(例えば
2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−
ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペ
ンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4
−メチル−2−ヘキセニル基等)、置換されていてもよ
い炭素数7〜12のアラルキル基(例えば、ベンジル
基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチル
メチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、
ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル
基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメト
キシベンジル基等)、置換されていてもよい炭素数5〜
8の脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロ
ヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基等)、
置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族基(例え
ばフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プ
ロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニ
ル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エト
キシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフ
ェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブ
ロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル
基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニ
ルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセト
アミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシ
ロイルアミドフェニル基等)等があげられる。更に、好
ましくは、式(IV)において、X1 は−CO−O−、−O
−CO−、−CH2 −O−CO−、−CH2 −CO−O
−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、又は−C
6 4 −を表す。
【0099】また、該高分子鎖中に、更に他の構成単位
を含有することができ、そのような構成単位は、前記式
(IV)の構成単位に相当する単量体と共重合しうる単量体
に相当する構成単位、例えば式(I) で説明した以外の置
換基を含有するメタクリル酸エステル類、アクリル酸エ
ステル類、クロトン酸エステル類に加え、α−オレフィ
ン類、カルボン酸ビニル(例えばカルボン酸として、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、安息香酸、ナフタレ
ンカルボン酸等)、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、ビニルエーテル類、イタコン酸エステル類(例え
ばジメチルエステル、ジエチルエステル等)、アクリル
アミド類、メタクリルアミド類、スチレン類(例えばス
チレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ヒドロキシ
スチレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、メ
トキシカルボニルスチレン、メタンスルホニルオキシス
チレン、ビニルナフタレン等)、ビニルスルホン含有化
合物、ビニルケトン含有化合物、ビニル基を有する複素
環化合物、(例えばビニルピロリドン、ビニルピリジ
ン、ビニルイミダゾール、ビニルチオフェン、ビニルイ
ミダゾリン、ビニルピラゾール、ビニルジオキサン、ビ
ニルキノリン、ビニルテトラゾール、ビニルオキサジン
等)等に相当する構成単位が挙げられる。これらの他の
構成単位の含有量は、高分子鎖の全構成単位100重量
部に対して20重量部を超えない範囲であることが好ま
しい。高分子鎖が結合する有機基(Z)は、分子量が1
000以下のものであれば特に限定されるものではな
い。例としては、樹脂(P2)の有機基(Z)について挙
げたものが挙げられる。樹脂(Q1 ) は、樹脂(P)の
説明のために記載した、極性基及び重合性二重結合基を
有する単量体からスター型ポリマーを合成する従来公知
の方法を利用して合成することができる。但し、該方法
においては単量体中の極性基を保護して重合を行った
後、保護基の脱離を行う。極性基の保護基による保護及
び保護基の脱離は、従来公知の方法により容易に行うこ
とができる。例えば前記引用文献にも種々記載されてお
り、更には、岩倉義男、栗田恵輔「反応性高分子」
(株)講談社刊(1977年)、T.W.Greene
「Protective Groups in Org
anic Synthesis」John Wiley
& Sons(1981年)、J.F.W.McOm
ic「Protective Groups inOr
ganic Chemistry」Plenum Pr
ess(1973年)等の総説に詳細に記載されている
方法を適宜選択して行うことができる。また、樹脂(Q
1 )は、例えば極性基を保護しないままの単量体を用
い、ジチオカーバメート基を含有する化合物及び/又は
ザンテート基を含有する化合物を開始剤として、光照射
下に重合反応を行う方法により合成することもできる。
例えば、大津隆行「高分子」37、248(198
8)、檜森俊一、大津隆一、Polym.Rep.Ja
p.37.3508(1988)、特開昭64−111
号、特開昭64−26619号、東信行等、Polym
er Preprints、Japan、36(6)、
1511(1987)、M.Niwa、N.Higas
hi、et al、J.Macromol.Sci.C
hem.A24(5)、567(1987)等に記載の
合成方法に従って合成することができる。
【0100】本発明の樹脂(Q1)の重量平均分子量の調
整は、重合反応において従来公知の如く、重合に用いる
単量体の総量と各種重合開始剤の量との割合あるいは重
合温度等のパラメーターを変えることにより容易に行う
ことができる。また、適当な単量体及び開始剤を用いる
ことにより、種々の樹脂〔Q〕を製造することができ
る。 (樹脂(Q2 ))以下、樹脂(Q2 )について説明す
る。該樹脂(Q2 )は、前記式(I)の構成単位を含有
するセグメント(M)と、前記極性基含有構成単位を含
有するセグメント(N)とを含む直鎖状ブロック型高分
子鎖少なくとも3個を有機基を介して結合してなるスタ
ー型共重合体である。ここにおいて、セグメント(M)
とセグメント(N)の高分子鎖中における配列の順序は
いずれでもよい。例えば、樹脂(Q2 )は下記の模式図
により表される。
【0101】
【化45】
【0102】上記において、Zは有機基を表し、(M)
はセグメント(M)を、(N)はセグメント(N)を表
す。また、結合する直鎖状ブロック型高分子鎖の数の上
限は、15個、好ましくは10個程度である。樹脂(Q
2)の重量平均分子量は1×103 〜2×104 、好まし
くは3×10 3 〜1×104 であり、樹脂(Q2)のガラ
ス転移点は好ましくは−40℃〜110℃、より好まし
くは−20℃〜90℃である。樹脂(Q2)の重量平均分
子量が1×103 より小さくなると、皮膜形成能が低下
して充分な膜強度を保てず、一方重量平均分子量が2×
104 より大きくなると、特に近赤外〜赤外分光増感色
素を用いた色校正用原版において、高温・高湿、低温・
低湿等の過酷な条件下での電子写真特性(特に初期電
位、暗減衰保持率及び光感度)の変動が大きくなり、安
定した複写画像が得られにくい。
【0103】極性基含有構成単位の含有量は樹脂(Q2)
の総重量に対して1〜20重量%、より好ましくは3〜
15重量%である。極性基含有構成単位の含有量が1重
量%より少ないと、初期電位が低くなり充分な画像濃度
を得ることができない。一方、該極性基含有構成単位の
含有量が20重量%よりも多いと、樹脂(Q2)の分散性
が低下し、得られる色校正刷りの画質が劣化し、地汚れ
が増大する。また、式(I)の構成単位の含有量は好ま
しくはセグメント(M)の総重量に対して30〜100
重量%、より好ましくは50〜100重量%である。ま
た、セグメント(M)には前記極性基含有構成単位は含
有されない。式I中の置換基の好ましい例は、樹脂(Q
1)について式I中の置換基として好ましいとして挙げた
ものでありうる。式(I)の構成単位は、好ましくは前
記樹脂(Q1)について示した式(Ia)又は式(Ib)
の構成単位でありうる。式(Ia)及び式(Ib)中の
好ましい置換基の例は、樹脂(Q1)について挙げたもの
である。式(Ia)又は(Ib)で表される構成単位の
具体例も、樹脂(Q1)について挙げたものである。しか
し、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0104】セグメント(M)は、他の構成単位とし
て、例えば樹脂(Q1)ついて示した式(IV)の構成単位
を含有していてもよい。式IV中の置換基の好ましい例
は、樹脂(Q1)について説明したものである。更に、セ
グメント(M)は、式(IV)で表される構成単位ととも
に他の構成単位、例えば樹脂(Q1)について説明した式
(IV)の構成単位に相当する単量体と共重合しうる単量
体に相当する構成単位、例えばアクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、複素環ビニル類(例えばビニルピリジ
ン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、ビニルチ
オフェン、ビニルピラゾール、ビニルジオキサン、ビニ
ルオキサジン等)に相当する構成単位を、セグメント
(M)の総重量に対して20重量%を超えない量で含有
することができる。セグメント(N)中の極性基は、樹
脂(Q1)について挙げたものでありうる。また、極性基
含有構成単位の具体例も、樹脂(Q1)について挙げたも
のでありうる。極性基含有構成単位はセグメント(N)
中に2種以上含有されていてもよく、その場合における
該2種以上の極性基含有構成単位はセグメント(N)中
にランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で
含有されていてもよい。また、上記極性基含有構成単位
以外の構成単位をセグメント(N)中に含有していても
よい。かかる構成単位は、好ましくは前記式(I)及び
式(IV)の構成単位である。更にこれら以外の他の構成
単位を含有してもよい。そのような他の構成単位は、例
えば樹脂(Q1)について説明した式(IV)の構成単位に
相当する単量体と共重合しうる単量体に相当するもので
ありうる。有機基(Z)は、分子量が1000以下のも
のであれば特に限定されるものではない。例としては、
樹脂(P2)の有機基(Z)について説明したものが挙げ
られる。樹脂(Q2)の合成及び分子量の調整は、樹脂
(Q1)について説明した方法により行うことができる。 (樹脂〔R〕)次に、本発明の光及び/又は熱硬化性基
を少なくとも1種含有して成る樹脂〔R〕について説明
する。樹脂〔R〕に含有される光及び/又は熱硬化性基
は、いずれでもよいが具体的には前記した樹脂〔P〕で
含有される光及び/又は熱硬化性基と同様の内容のもの
が挙げられる。樹脂〔R〕は、上記した光及び/又は熱
硬化性基が、従来公知の電子写真感光体に用いられる樹
脂中に含有されるものであればいずれでもよい。これら
従来公知の電子写真感光体用の結着樹脂類は、例えば下
記の文献に記載されている。柴田隆治、石渡次郎、高分
子、第17巻、第278頁(1968年)宮本晴視、武
井秀彦、イメージング、1973(No. 8)中村孝一編
「記録材料用バインダーの実際技術」第10章、C.
H.C.出版(1985年)電子写真学会編、「電子写
真用有機感光体の現状シンポジウム」予編集(1985
年)。
【0105】小門宏編、「最近の光導電材料と感光体の
開発・実用化」日本科学情報(株)(1986年) 電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」第5章コ
ロナ社(株)(1988年) D.Tatt, S. C. Heidecker, Tappi, 49(No. 1
0)、439(1966)、E.S.Baltazzi ,R.
G.Blanclotte et al, Phot. Sci. Eng. 16(No.
5)、354(1972)、グエン・チャン・ケー、清
水勇、井上英一、電子写真学会誌18(No. 2)、22
(1980)等の成書・総説に記載の化合物等が挙げら
れる。 具体的には、オレフィン重合体及び共重合体、塩化ビニ
ル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニ
ル重合体及び共重合体、アルカン酸アリル重合体及び共
重合体、スチレン及びその誘導体、重合体及び共重合
体、ブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−スチ
レン共重合体、ブタジエン−不飽和カルボン酸エステル
共重合体、アクリロニトリル共重合体、メタクリロニト
リル共重合体、アルキルビニルエーテル共重合体、アク
リル酸エステル重合体及び共重合体、メタクリル酸エス
テル重合体及び共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合体、無水マ
レイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリ
ルアミド共重合体、水酸基変性シリコン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコ
ン樹脂、アミド樹脂、水酸基及びカルボキシル基変性ポ
リエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エステル共重合体、環
化ゴム−アクリル酸エステル共重合体、窒素原子を含有
しない複素環を含有する共重合体(複素環として例え
ば、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオフェン環、
ジオキサン環、ジオキソフラン環、ラクトン環、ベンゾ
フラン環、ベンゾチオフェン環、1,3−ジオキセタン
環等)、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0106】光及び/又は熱硬化性基を少なくとも1種
含有する構成単位は、樹脂〔R〕100重量部中、0.1
〜40重量部、好ましくは1〜30重量部の量で含有さ
れる。含有量が0.1重量部未満となると、光導電層の成
膜後の硬化が充分に進行しなくなり、転写層塗膜時に光
導電層表面部分との膜界面の保持が不充分となり、転写
層の剥離性に悪影響を及ぼす。一方、存在割合が40重
量部を超えると、光導電層の結着樹脂としての電子写真
特性が劣化し、画線再現性の低下、非画像部の地カブリ
の発生等を生じてしまう場合がある。これら光及び/又
は熱硬化性基含有の樹脂〔R〕は全結着樹脂100重量
部中40重量部以上使用する事が好ましい。該樹脂
〔R〕の含有量が40重量部未満の場合は、電子写真特
性が低下するからである。光導電層は樹脂〔P〕、樹脂
〔Q〕及び樹脂〔R〕に加えて必要によりその他の結着
樹脂を含むこともできる。例えば、樹脂〔R〕に関して
説明した従来公知の電子写真感光体用の結着樹脂が用い
られる。 (光及び/又は熱硬化剤)本発明において、光導電層
(積層タイプの場合には転写層に隣接する層)は、膜の
硬化性を向上させるために、さらに光及び/又は熱硬化
剤を含有することが好ましい。「光及び/又は熱硬化
剤」の語には、光及び/又は熱硬化性化合物、光及び/
又は熱硬化性オリゴマー、光及び/又は熱硬化性樹脂、
並びに架橋剤が含まれる。その使用量は、樹脂〔P〕、
樹脂〔Q〕及び樹脂〔R〕の総量100重量部に対して
0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜15重量部であ
る。その使用量が0.01重量部以下となると、膜の硬化
性向上の効果が薄れてしまう。一方、20重量部を超え
ると電子写真特性に悪影響を及ぼす。光及び/又は熱硬
化性樹脂は、従来公知の硬化性樹脂のいずれでもよく、
例えば、本発明の樹脂〔P〕のセグメント(Y)につい
て説明した硬化性基と同様の官能基含有の樹脂がその例
として挙げられる。
【0107】又架橋剤としては、通常架橋剤として用い
られる化合物を使用することができる。具体的には、山
下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊
(1981年)高分子学会編「高分子データハンドブッ
ク基礎編」培風館(1986年)等に記載されている化
合物を用いることができる。
【0108】例えば、有機シラン系化合物(例えば、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤
等)、ポリイソシアナート系化合物(例えば、トルイレ
ンジイソシアナート、o−トルイレンジイソシアナー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリフェニル
メタントリイソシアナート、ポリメチレンポリフェニル
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イ
ソホロンジイソシアナート、高分子ポリイソシアナート
等)、ポリオール系化合物(例えば、1,4−ブタンジ
オール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシ
アルキレングリコール、1,1,1−トリメチロールプ
ロパン等)、ポリアミン系化合物(例えば、エチレンジ
アミン、γ−ヒドロキシプロピル化エチレンジアミン、
フェニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−ア
ミノエチルピペラジン、変性脂肪族ポリアミン類等)、
チタネートカップリング系化合物(例えばテトラブトキ
シチタネート、テトラプロポキシチタネート、イソプロ
ピルトリステアロイルチタネート等)、アルミニウムカ
ップリング系化合物(例えばアルミニウム−ブチレー
ト、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムオ
キシドオクテート、アルミニウムトリス(アセチルアセ
テート)等)ポリエポキシ基含有化合物及びエポキシ樹
脂(例えば、垣内弘編著「エポキシ樹脂」昭晃堂(19
85年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」日刊工業新
聞社(1969年刊)等に記載された化合物類)、メラ
ミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著「ユリア・
メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記
載された化合物類)、ポリ(メタ)アクリレート系化合
物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編「オリゴ
マー」講談社(1976年)、大森英三「機能性アクリ
ル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)等に記載さ
れた化合物類が挙げられる。又多官能性重合性基含有の
単量体(例えばビニルメタクリレート、アリルメタクリ
レート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、ジビニルコハク酸エス
テル、ジビニルアジピン酸エステル、ジアリルコハク酸
エステル、2−メチルビニルメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼ
ン、ペンタエリスリトールポリアクリレート等)等が挙
げられる。
【0109】以上の如く、本発明の光導電層の転写層と
隣接する層は、成膜後に硬化されるため、樹脂〔P〕、
樹脂〔Q〕、樹脂〔R〕及び光及び/又は熱硬化剤は、
高分子間が化学結合し易い官能基同志の組合せで用いる
ことが好ましい。かかる組合せは高分子反応においてよ
く知られており、例えば下表の様なA群の官能基とB群
の官能基との組合せが例示される(但しこれに限定され
るものではない)。
【0110】
【表1】
【0111】表−1において、Rは炭化水素基を表し、
15及びR16はアルキル基を表し、R17〜R19はアルキ
ル基又はアルコキシ基を表し、且つR17〜R19のうち少
なくとも1つはアルコキシ基を表し、B1 及びB2 は電
子吸引性基を表わし、例えば−CN,−CF3,−COR20,−CO
OR20,−SO2OR20 ( R20は Cn H2n+1 (nは1〜4の整
数を表す),−CH2C6H5,−C6H5等の炭化水素基を表わ
す)等を表す。 (反応促進剤)光導電層中の架橋反応を促進させるため
に、光導電層の結着樹脂に必要に応じて反応促進剤を添
加してもよい。架橋反応が官能基間の化学結合を形成す
る反応様式の場合には、例えば有機酸類(酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスル
ホン酸等)、フェノール類(フェノール、クロロフェノ
ール、ニトロフェノール、シアノフェノール、ブロモフ
ェノール、ナフトール、ジクロロフェノール等)、有機
金属化合物(アセチルアセトナートジルコニウム塩、ア
セチルアセトジルコニウム塩、アセチルアセトコバルト
塩等、ジラウリン酸ジブトキシスズ等)、ジチオカルバ
ミン酸化合物(ジエチルジチオカルバミン酸塩等)、チ
ウラムジスルフィド化合物(テトラメチルチウラムジス
ルフィド等)、カルボン酸無水物(無水フタル酸、無水
マレイン酸、無水コハク酸、ブチルコハク酸無水物、
3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ベンゾフェノン
二無水物、トリメリット酸無水物等)等が挙げられる。
架橋反応が重合性反応様式の場合には、重合開始剤(過
酸化物、アゾビス系化合物等)が挙げられる。本発明に
おいて、光導電層を塗膜した後、結着樹脂は光及び/又
は熱により硬化される。熱硬化を行なうためには、例え
ば、乾燥条件を従来の電子写真式色校正用原版作製時の
乾燥条件より厳しくする。例えば、乾燥条件を高温度及
び/又は長時間とする。あるいは塗布溶剤の乾燥後、更
に加熱処理することが好ましい。例えば60℃〜150
℃で5〜120分間処理する。上述の反応促進剤を併用
すると、より穏やかな条件で処理することができる。
【0112】本発明の樹脂中の特定の官能基を光照射で
硬化する方法としては、「化学的活性光線」で光照射す
る工程を入れる様にすればよい。本発明に用いられる
「化学的活性光線」としては、可視光線、紫外線、遠紫
外線、電子線、X線、γ線、α線などいずれでもよい
が、好ましくは紫外線が挙げられる。より好ましくは波
長310nmから波長500nmの範囲での光線を発しうる
ものが好ましく、一般には低圧、高圧あるいは超高圧の
水銀ランプ、ハロゲンランプ等が用いられる。光照射の
処理は通常5cm〜50cmの距離から10秒〜10分間の
照射で充分に行うことができる。 (光導電性化合物)本発明において用いられる光導電性
化合物は無機化合物あるいは有機化合物のいずれでもよ
い。本発明の光導電性化合物として用いられる無機化合
物としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、
硫化カドミウム、硫化鉛等従来公知の無機光導電性化合
物が挙げられ、公害性の観点から、酸化亜鉛、酸化チタ
ンが好ましい。光導電性化合物として酸化亜鉛、酸化チ
タン等の無機化合物を用いる場合は、該無機化合物10
0重量部に対して、上記した結着樹脂を10〜100重
量部なる割合、好ましくは15〜40重量部なる割合で
使用する。一方、有機化合物は、従来公知の化合物のい
ずれでもよい。例えば、第一の例として、特公昭37−
17162、同62−51462、特開昭52−243
7、54−19803、同56−107246、同57
−161863各号公報などに記載された有機光導電性
化合物、増感色素、及び結着樹脂を主体とする光導電層
において使用されるものが挙げられる。また、第二の例
として、特開昭56−146145、同60−1775
1、同60−17752、同60−17760、同60
−254142、同62−54266各号公報などに記
載された電荷発生剤、電荷輸送剤、及び結着樹脂を主体
とする光導電層において使用されるものが挙げられる。
さらに、特開昭60−230147、同60−2301
48、同60−238853各号公報等に記載された電
荷発生剤と電荷輸送剤とをそれぞれ別の層に含有する二
層構成の光導電層において使用されるものが挙げられ
る。
【0113】本発明に用いられる有機光導電性化合物と
しては: (a)米国特許第3112197号明細書等に記載のト
リアゾール誘導体、(b)米国特許第3189447号
明細書等に記載のオキサジアゾール誘導体、(c)特公
昭37−16096号公報に記載のイミダゾール誘導
体、(d)米国特許第3615402、同382098
9、同3542544各号明細書、特公昭45−55
5、同51−10983各号公報、特開昭51−932
24、同55−108667、同55−156953、
同56−36656各号公報等に記載のポリアリールア
ルカン誘導体、(e)米国特許第3180729、同4
278746各号明細書、特開昭55−88064、同
55−88065、同49−105537、同55−5
1086、同56−80051、同56−88141、
同57−45545、同54−112637、同55−
74546各号公報等に記載のピラゾリン誘導体及びピ
ラゾロン誘導体、(f)米国特許第3615404号明
細書、特公昭51−10105、同46−3712、同
47−28336各号公報、特開昭54−83435、
同54−110836、同54−119925各号公報
等に記載のフェニレンジアミン誘導体、(g)米国特許
第3567450、同3180703、同324059
7、同3658520、同4232103、同4175
961、同4012376各号明細書、特公昭49−3
5702号公報、西独国特許(DAS)第111051
8号明細書、特公昭39−27577、特開昭55−1
44250、同56−119132、同56−2243
7各号公報などに記載されているアリールアミン誘導
体、(h)米国特許第3526501号明細書等に記載
のアミノ置換カルコン誘導体、(i)米国特許第354
2546号明細書などに記載のN,N−ビカルバジル誘
導体、
【0114】(j)米国特許第3257203号明細書
などに記載のオキサゾール誘導体、(k)特開昭56−
46234号公報等に記載のスチリルアントラセン誘導
体、(l)特開昭54−110837号公報等に記載の
フルオレノン誘導体、(m)米国特許第3717462
号明細書、特開昭54−59143号公報(米国特許第
4150987号明細書に対応)、特開昭55−520
63、同55−52064、同55−46760、同5
5−85495、同57−11350、同57−148
749、同57−104144号公報等に記載されてい
るヒドラゾン誘導体、(n)米国特許第404794
8、同4047949、同4265990、同4273
846、同4299897、同4306008各号明細
書などに記載のベンジジン誘導体、(o)特開昭58−
190953、同59−95540、同59−9714
8、同59−195658、同62−36674各号公
報などに記載されているスチルベン誘導体、(p)特公
昭34−10966号公報に記載のポリビニルカルバゾ
ール及びその誘導体、(q)特公昭43−18674、
同43−19192各号公報記載のポリビニルピレン、
ポリビニルアントラセン、ポリ−2−ビニル−4−
(4’−ジメチルアミノフェニル)−5−フェニル−オ
キサゾール、ポリ−3−ビニル−N−エチルカルバゾー
ル等のビニル重合体、(r)特公昭43−19193号
公報記載のポリアセナフチレン、ポリインデン、アセナ
フチレンとスチレンの共重合体等の重合体、(s)特公
昭56−13940号公報などに記載のピレン−ホルム
アルデヒド樹脂、ブロムピレン−ホルムアルデヒド樹
脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等の縮
合樹脂、(t)特開昭56−90833、同56−16
1550各号公報に記載の各種のトリフェニルメタンポ
リマーが挙げられる。
【0115】なお本発明において、有機光導電性化合物
は、(a)〜(t)に挙げられた化合物に限定されず、
これまで公知の全ての有機光導電性化合物を用いること
ができる。これらの有機光導電性化合物は、場合により
2種類以上併用することも可能である。光導電層に含有
される電荷発生剤としては、電子写真感光体において従
来公知の有機及び無機の各種の電荷発生剤を使用するこ
とができる。例えば、セレン、セレン−テルル、硫化カ
ドミウム、酸化亜鉛、及び以下(1)〜(9)に示す有
機顔料を使用することができる。 (1)米国特許第4436800、同4439506各
号明細書、特開昭47−37543、同58−1235
41、同58−192042、同58−219263、
同59−78356、同60−179746、同61−
148453、同61−238063各号公報、特公昭
60−5941、同60−45664各号公報等に記載
されたモノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ顔料などのアゾ
顔料、(2)米国特許第3397086、同46668
02各号明細書、特開昭51−90827、同52−5
5643各号公報等に記載の無金属あるいは金属フタロ
シアニン等のフタロシアニン顔料、(3)米国特許第3
371884号明細書、特開昭47−30330号公報
等に記載のペリレン系顔料、(4)英国特許第2237
680号明細書、特開昭47−30331号公報等に記
載のインジゴ、チオインジゴ誘導体、(5)英国特許第
2237679号明細書、特開昭47−30332号公
報等に記載のキナクリドン系顔料(6)英国特許第22
376789号明細書、特開昭59−184348、同
62−28738、同47−18544各号公報等に記
載の多環キノン系顔料、(7)特開昭47−3033
1、同47−18543各号公報等に記載のビスベンズ
イミダゾール系顔料、(8)米国特許第439661
0、同4644082各号明細書等に記載のスクアリウ
ム塩系顔料、(9)特開昭59−53850、同61−
212542各号公報等に記載のアズレニウム塩系顔料
等である。これらは単独で用いることも、2種以上を併
用して用いることもできる。
【0116】また、有機光導電性化合物と結着樹脂の混
合比は、有機光導電性化合物と結着樹脂との相溶性によ
って有機光導電性化合物の含有率の上限が決まり、これ
を上回る量を添加すると有機光導電性化合物の結晶化が
起こり好ましくない。有機光導電性化合物の含有量が少
ないほど電子写真感度は低下するので、有機光導電性化
合物の結晶化が起こらない範囲で、できるだけ多くの有
機光導電性化合物を含有させるのが好ましい。有機光導
電性化合物の含有率としては、結着樹脂100重量部に
対し、有機光導電性化合物5〜120重量部、好ましく
は、有機光導電性化合物10〜100重量部である。ま
た、有機光導電性化合物は、単独であるいは2種以上混
合して使用してよい。 (分光増感剤)本発明では、可視光の露光又は半導体レ
ーザー光の露光等光源の種類によって必要に応じて各種
の色素を分光増感剤として併用することができる。例え
ば、宮本晴視、武井秀彦:イメージング1973(No.
8)第12頁、C. J. Young 等、RCA Review 15、4
69頁(1954年)、清田航平等:電気通信学会論
文、J63−C(No. 2)、97頁(1980年)、原
崎勇次等、工業化学雑誌、66、78及び188頁(1
963年)、谷忠昭、日本写真学会誌35、208頁
(1972年)等の総説引例のカーボニウム系色素、ジ
フェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサン
テン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン色素(例え
ば、オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、フタロシア
ニン色素(金属を含有してもよい)等が挙げられる。
【0117】更に具体的には、カーボニウム系色素、ト
リフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、フタレイ
ン系色素を中心に用いたものとしては、特公昭51−4
52、特開昭50−90334、同50−11422
7、同53−39130、同53−82353各号公
報、米国特許第3052540、同第4054450各
号明細書、特開昭57−16456号公報等に記載のも
のが挙げられる。また、オキソノール色素、メロシアニ
ン色素、シアニン色素、ロダシアニン色素等のポリメチ
ン色素としては、F. M. Harmmer 「The Cyanine Dyes a
nd Related Compounds」等に記載の色素類が使用可能で
あり、更に具体的には、米国特許第3047384、同
3110591、同3121008、同312544
7、同3128179、同3132942、同3622
317各号明細書、英国特許第1226892、同13
09274、同14045898各号明細書、特公昭4
8−7814、同55−18892各号公報等に記載の
色素が挙げられる。更に、700nm以上の長波長の近赤
外〜赤外光域を分光増感するポリメチン色素として、特
開昭47−840、同47−44180、特公昭51−
41061、同49−5034、同49−45122、
同57−46245、同56−35141、同57−1
57254、同61−26044、同61−27551
各号公報、米国特許第3619154、同417595
6各号明細書、「Research Disclosure 」1982年、
216、第117〜118頁等に記載のものが挙げられ
る。
【0118】本発明の色校正用原版は、種々の増感色素
を併用させてもその性能が増感色素により変動しにくい
点においても優れている。 (各種添加剤)更には、必要に応じて、従来知られてい
る種々の電子写真感光体用添加剤を併用することができ
る。これらの添加剤としては、電子写真感度を改良する
ための化学増感剤、皮膜性を改良するための各種の可塑
剤、界面活性剤などが含まれる。化学増感剤としては、
例えばハロゲン、ベンゾキノン、クロラニル、フルオラ
ニル、ブロマニル、ジニトロベンゼン、アントラキノ
ン、2,5−ジクロロベンゾキノン、ニトロフェノー
ル、無水テトラクロロフタル酸、2,3−ジクロロ−
5,6−ジシアノベンゾキノン、ジニトロフルオレノ
ン、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン等
の電子吸引性化合物、小門宏等「最近の光導電材料と感
光体の開発・実用化」第4章〜第6章:日本科学情報
(株)出版部(1986年)の総説に引用されたポリア
リールアルカン化合物、ヒンダードフェノール化合物、
p−フェニレンジアミン化合物等が挙げられる。また、
特開昭58−65439、同58−102239、同5
8−129439、同62−71965各号公報等に記
載の化合物等も挙げることができる。可塑剤、例えばジ
メチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフ
タレート、トリフェニルフタレート、トリフェニルホス
フェート、ジイソブチルアジペート、ジメチルセバケー
ト、ジブチルセバケート、ラウリル酸ブチル、メチルフ
タリルエチルグリコレート、ジメチルグリコールフタレ
ートなどを光導電層の可撓性を向上するために添加する
こともできる。これらの可塑剤は光導電層の静電特性を
劣化させない範囲で含有させることができる。
【0119】これら各種添加剤の添加量は、特に限定的
ではないが、通常光導電体100重量部に対して0.00
1〜2.0重量部である。光導電性物質は周知の手段によ
り粉砕、微分散される。粉砕及び分散は、結着樹脂、そ
の溶媒及び各添加剤等が共存する系中、例えばソロモン
著「塗料の化学」その他に示されるようなボールミル、
ケディミル、サンドミル、ダイノミル、ペイントシェー
カー、ロールミル、超音波分散機などを使用して行うこ
とが一般的である。その後、これをバーコーター、リバ
ースコーター、ダイコーター等により、最適塗布量で塗
布し、乾燥することにより光導電層が形成される。又、
該光導電性物質を分散する溶媒はいずれでもよく、用い
る結着樹脂の溶解性等を勘案して選択される。単独で用
いても、2種以上を併用してもよい。光導電層の厚さは
1〜100μ、特には10〜50μが好ましい。また、
電荷発生層及び電荷輸送層を含む積層タイプの光導電層
を形成する場合は、電荷発生層の厚さは0.01〜5μ、
特に0.05〜2μが好ましい。また電荷輸送層の厚さは
0.99〜99.9μ、特に9〜90μが好ましい。電荷輸
送層と電荷発生層の積層順序は、色校正用原版を負に帯
電させるか、正に帯電させるかによって変化しうる。 〔転写層〕次に、転写層について説明する。
【0120】転写層を形成する樹脂は熱可塑性樹脂であ
り、重量平均分子量が5×103 〜1×106 、好まし
くは1×104 〜5×105 、ガラス転移点が0℃〜1
00℃、好ましくは20℃〜85℃の範囲であるもので
ある。該樹脂は、転写層形成のための全組成物の総量に
対して、70重量%以上、好ましくは90重量%以上の
割合で用いる。
【0121】上記物性を満たす熱可塑性樹脂であればい
ずれでもよいが、具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリオ
レフィン樹脂、オレフィン−スチレン共重合体、アルカ
ン酸ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹
脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、脂肪酸変性セ
ルロース系樹脂等が挙げられる。 例えば、日刊工業新聞社刊、「プラスチック材料講座シ
リーズ」第1巻〜18巻、(1961年) 近畿化学協会ビニル部会編「ポリ塩化ビニル」,日刊工
業新聞社(1988年) 大森英三「機能性アクリル系樹脂」(株)テクノシステ
ム(1985年) 滝山栄一郎「ポリエステル樹脂ハンドブック」,日刊工
業新聞社(1988年) 湯木和男編「飽和ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊
工業新聞社(1989年) 高分子学会編「高分子データハンドブック,応用編」,
第1章,培風館(1986年) 原崎勇次編「最新・バインダー技術便覧」,第2章,
(株)総合技術センター(1985年) 等に具体的に例示される化合物が挙げられる。これらの
熱可塑性樹脂は、単独であるいは2種以上併用して用い
ることができる。更に、該転写層には、塗布性、成膜
性、膜強度等種々の物理的特性を向上させるために、他
の添加剤を併用してもよい。例えば、前記した光導電層
中に用いるものと同様の可塑剤等が挙げられる。該転写
層の膜厚は、0.1〜10μm 、好ましくは0.5〜5
μm である。転写層の形成は、通常の塗膜形成方法を用
いて行うことができる。例えば上記の様な任意の化合物
を含有する塗布溶液を用いて、前記光導電層を形成する
手段と同様の手段を用いて行なうことができる。更に
は、公知の方法であるスプレードライ法も用いることが
できる。該層の形成方法は、特に限定されるものではな
い。 〔色校正刷りの作製方法〕本発明の電子写真式色校正用
原版を用いて、色校正刷りを作製する方法を下記に示
す。まず、通常の電子写真プロセスにより、電子写真式
色校正用原版上に複写画像を形成する。即ち、帯電−露
光−現像−定着の各プロセスを従来公知の方法により行
なう。現像プロセスに供される現像剤としては、従来公
知のいずれの現像剤でもよく、乾式現像剤あるいは液体
現像剤があげられる。具体的には、例えば町田元、“記
録用材料と感光性樹脂”,p107〜127(1983
年刊)、(株)学会出版センター,電子写真学会,“イ
メージング No 2〜5電子写真の現像・定着・帯電・転
写”等に具体的な態様が示されている。
【0122】デジタル情報に基づいて露光するレーザー
光によるスキャニング露光方式及び液体現像剤を用いる
現像方式の組合せが、高精細な画像を形成できるため好
ましい。その一例を以下に示す。まず、本発明の電子写
真式色校正用原版(以下、色校正用原版と略す)をフラ
ットベッド上に載置し、レジスターピン方式による位置
決めを行なった後、背面よりエアーサクションにより吸
引して固定する。次いで、例えば「電子写真技術の基礎
と応用」(電子写真学会編、コロナ社、昭和63年6月
15日発行)212ページ以降に記載の帯電デバイスに
より、該色校正用原版の帯電を行う。コロトロンまたは
スコロトロン方式が一般的である。この時、色校正用原
版の帯電電位の検出手段からの情報に基づき、フィード
バックをかけ、帯電条件を常に所定の範囲の表面電位と
なるようにコントロールすることが好ましい。その後、
例えば上記引用資料の254ページ以降に記載の方式を
用いてレーザー光源による走査露光を行なう。まず初め
はカラー画像を4色に分解したなかのイエロー版に相当
する画像をドットパターンに変換して露光する。次い
で、液体現像剤を用いてトナー現像を行なう。例えば、
帯電、露光した色校正用原版をフラットベッドから外
し、上記引用資料の275ページ以降に示された直接法
の湿式現像法により現像する。この時の露光モードは、
トナー現像モードに対応して決定される。例えば、反転
現像の場合はネガ露光、即ち画像部へのレーザー光の照
射が行われ、帯電した時の電荷極性と同じ電荷極性を持
つトナーが使用され、現像バイアス電圧の印加により露
光部にトナーが電着される。原理の詳細は上記引用資料
の157ページ以降に記載されている。現像後、余剰の
現像液を除くために、上記引用資料283ページに示さ
れるようなスクイーズを行なったのち乾燥する。スクイ
ーズ前に現像剤の担体液体のみでリンスをすることも好
ましい。以上のプロセスをマゼンタ、シアン、ブラック
の各色について繰り返すことにより、同一の色校正用原
版上に4色フルカラーの画像が得られる。最終的なステ
ップとして色校正用原版上のトナー画像を転写層ごと印
刷用本紙に熱転写し、カラープルーフ、即ち色校正刷り
を得る。
【0123】転写層を本紙へ熱転写するための装置例を
図1に示す。これは加熱手段内蔵の一対のゴム被覆金属
ローラー間に所定のニップ圧力を印加しながら駆動する
ものである。この時のローラー表面温度は50〜150
℃、より好ましくは80〜120℃、ローラー間ニップ
圧力は0.2〜20 kgf/cm2 、より好ましくは0.5
〜10 kgf/cm2 、搬送スピードは0.1〜100mm/
秒、より好ましくは1〜30mm/秒の範囲である。これ
らの条件は、最適な結果が得られるように、使用される
色校正用原版の転写層、光導電層及び支持体の材料の物
性等に応じて適宜設定される。ローラー表面温度は公知
の手段によって所定の範囲内に保つことが好ましい。更
に加熱ローラー部の前に色校正用原版の予熱手段を設
け、加熱ローラー部の後に冷却手段を設けることもでき
る。図1には示していないが、ローラー間加圧手段とし
て、少なくとも一方のローラーの軸の両端に、スプリン
グ又は圧縮空気を用いるエアーシリンダーを使用するこ
ともできる。以上の如く、転写層に隣接する光導電層に
樹脂〔P〕を少量添加することで、該層の表面剥離性を
良好に改質することができる。このことにより、該層上
に設けた転写層が著しく良好に剥離されるようになり、
その結果、トナーの色ずれや転写不良のない高品質の色
校正刷りを得ることが可能となる。
【0124】以下に本発明の実施例を例示するが、本発
明の内容はこれらに限定されるものではない。なお、以
下の式において、記号「−b−」は、該記号の両側のセ
グメントがブロック結合していることを意味する。
【実施例】
樹脂〔P1 〕の合成例101:メチルメタクリレート7
0g、メチルアクリレート20g、グリシジルメタクリ
レート10g及びトルエン200gの混合溶液を、窒素
気流下に温度80℃に加温した。これに、下記構造の高
分子アゾビス開始剤〔I−1〕10gを加えて8時間反
応させた。反応終了後、得られた反応体をメタノール1.
5リットル中に再沈し得られた沈殿物を補集・乾燥し
て、収量75gでMW 3×104 の樹脂〔P−101〕
を得た。
【0125】
【化46】
【0126】樹脂〔P1〕の合成例102:メチルメタ
クリレート63g、トリ(ジプロピル)シリルメタクリ
レート12.8g及びテトラヒドロフラン200gの混合
溶液を窒素気流下に充分に脱気し、−20℃に冷却し
た。1,1−ジフェニルブチルリチウム0.8gを加え1
2時間反応させた。更に、この混合溶液に、下記構造の
単量体(M−1)30g及びテトラヒドロフラン60g
の混合溶液を、窒素気流下に充分に脱気した後添加し、
更に8時間反応させた。この混合物を0℃にした後、メ
タノール10mlを加え30分間反応させ、重合の停止
及び上記シリルエステルの脱保護処理を行なった。得ら
れた重合体溶液を撹拌下にて温度30℃とし、これに3
0%の塩化水素エタノール溶液3mlを加え、1時間撹
拌した。次に、減圧下に反応混合物を全体量が半分にな
るまで溶媒を留去した後、石油エーテル1リットル中に
再沈した。沈殿物を捕集し、減圧乾燥した。得られた樹
脂〔P−102〕のMwは6.8×104 で、収量は76
gであった。
【0127】
【化47】
【0128】樹脂〔P1 〕の合成例103:メチルメタ
クリレート63.8g、2−(トリフルオロアセチルオキ
シ)エチルメタクリレート19.7g、(テトラフェニル
ポルフィナート)アルミニウムメチル0.5g及び塩化メ
チレン200gの混合溶液を窒素気流下にて温度30℃
とした。これに300W−キセノンランプ光をガラスフ
ィルターを通して25cmの距離から光照射し、20時
間反応させた。この混合物に更に、下記単量体〔M−
2〕25gを加え、同様に12時間光照射した後、この
反応混合物にメタノール3gを加えて30分間撹拌し反
応を停止させた。次にこの反応混合物に、p−トルエン
スルホン酸の5重量%テトラヒドロフラン溶液50gを
加え加水分解処理をした。次に、メタノール2リットル
中に再沈し沈殿物を捕集し乾燥した。得られた樹脂〔P
−103〕は収量70gでMw7×104 であった。
【0129】
【化48】
【0130】樹脂〔P1 〕の合成例104:エチルメタ
クリレート48g、グリシジルメタクリレート12g及
びベンジルN,N−ジエチルジチオカーバメート2.4g
の混合物を、窒素気流下に容器に密閉し、温度50℃に
加温した。これに、400Wの高圧水銀灯で10cmの
距離からガラスフィルターを通して、6時間光照射し光
重合した。これをテトラヒドロフラン100gに溶解
し、更に、下記構造の単量体(M−3)40gを加えた
後、窒素置換し再び10時間光照射した。得られた反応
物をメタノール1リットルに再沈、捕集し乾燥した。得
られた重合体〔P−104〕は、収量73gでMw8×
104 であった。
【0131】
【化49】
【0132】樹脂〔P1 〕の合成例105:メチルメタ
クリレート55g、3−(トリメトキシシリル)エチル
メタクリレート20g、及びベンジルイソプロピルザン
テート1.0gの混合物を、窒素気流下に容器に密閉し、
温度50℃に加温した。これに400Wの高圧水銀灯で
10cmの距離からガラスフィルターを通して6時間光
照射し光重合した。得られた反応物をテトラヒドロフラ
ンで濃度40%の溶液にし、これに下記単量体〔M−
4〕25gを加えて窒素置換し、再び10時間光照射し
た。得られた反応物を、メタノール2リットル中に再沈
し捕集、乾燥した。得られた樹脂〔P−105〕は収量
63gでMw6×104 であった。
【0133】
【化50】
【0134】樹脂〔P1 〕の合成例106〜114:合
成例105と同様の方法により、下記の各共重合体を合
成した。得られた樹脂〔P−106〕〜〔P−114〕
のMwは6×104 〜8×104 の範囲であった。
【0135】
【化51】
【0136】
【化52】
【0137】
【化53】
【0138】
【化54】
【0139】
【化55】
【0140】樹脂〔P1 〕の合成例115:ベンジル
N,N−ジエチルジチオカーバメートの代わりに、下記
構造の開始剤〔I−2〕10gを用いた他は合成例10
4と同様の方法により、Mw8.3×104 の樹脂〔P−
115〕を得た。
【0141】
【化56】
【0142】樹脂〔P1 〕の合成例116:ベンジルイ
ソプロピルザンテートの代わりに、下記構造の開始剤
〔I−3〕12gを用いた他は、合成例105と同様の
方法により、Mw9.3×104 の樹脂〔P−116〕を
得た。
【0143】
【化57】
【0144】樹脂〔P1 〕の合成例117〜125:ベ
ンジル−N,N−ジエチルジチオカーバメートの代わり
に、下記構造の開始剤〔I−4〕14gを用い、又、下
記表−2の構成単位に相当する各単量体を用いた他は、
合成例104と同様の方法により、Mw7×104 〜9
×104 の樹脂〔P−117〕〜〔P−125〕を得
た。
【0145】
【化58】
【0146】
【表2】
【0147】
【表3】
【0148】
【表4】
【0149】樹脂〔P1 〕の合成例126〜134:開
始剤〔I−3〕の代わりに、下記構造の化合物〔I−
5〕9.6gを用い、又下記表−3の構成単位に相当する
各単量体を用いた他は、合成例116と同様の方法によ
り、Mw8×104 〜10×104 の樹脂〔P−12
6〕〜〔P−134〕を得た。
【0150】
【化59】
【0151】
【表5】
【0152】
【表6】
【0153】
【表7】
【0154】
【表8】
【0155】樹脂〔P1 〕の合成例135〜138:下
記表−4の構成単位に相当する単量体40g、下記構造
の化合物〔I−6〕11g及びテトラヒドロフラン40
gの混合物を窒素気流下に容器に密閉し、温度50℃に
加温した。これに、400Wの高圧水銀灯で10cmの
距離からガラスフィルターを通して、12時間光照射し
光重合した。これに、メチルメタクリレート23g、メ
チルアクリレート22g及びグリシジルメタクリレート
15gの50重量%テトラヒドロフラン溶液を加えた
後、窒素置換し再び10時間光照射した。得られた反応
物をメタノール1リットルに再沈し、捕集し乾燥した。
得られた樹脂〔P−135〕〜〔P−138〕は、Mw
6×104 〜8×104 であった。
【0156】
【化60】
【0157】
【表9】
【0158】樹脂〔P2 〕の合成例201:メチルメタ
クリレート57g、メチルアクリレート28g、グリシ
ジルメタクリレート15g、下記構造の開始剤〔I−
7〕17.5g及びテトラヒドロフラン150gの混合溶
液を窒素気流下に温度50℃に加温した。この溶液を4
00Wの高圧水銀灯で10cmの距離からガラスフィルタ
ーを通して10時間光照射し光重合させた。得られた反
応物をメタノール1リットル中に再沈し、沈殿物を補集
し乾燥して、収量72gでMw4.0×104 の重合体を
得た。この重合体40g、下記構造の単量体(M−5)
60g及びテトラヒドロフラン100gの混合溶液を、
窒素気流下に温度50℃とし、上記と同条件で15時間
光照射した。次にこの反応物をメタノール1.5リットル
中に再沈し、沈殿物を補集・乾燥して収量78gでMw
6×104 の樹脂〔P−201〕を得た。
【0159】
【化61】
【0160】
【化62】
【0161】樹脂〔P2 〕の合成例202〜214:
〔P−202〕〜〔P−214〕 開始剤〔I−7〕17.5gの代わりに、下記表−5の開
始剤0.031モルを用いた他は、合成例201と同様の
条件で操作した。得られた各樹脂〔P−202〕〜〔P
−214〕の収量は70〜80gでMw4×104 〜6
×104 であった。
【0162】
【表10】
【0163】
【表11】
【0164】
【表12】
【0165】
【表13】
【0166】
【表14】
【0167】樹脂〔P2 〕の合成例215〜233:
〔P−215〕〜〔P−233〕 単量体(M−5)60gの代わりに下記表−6の構成単
位に相当する各単量体60gを用いた他は、合成例20
1と同様に操作して、各樹脂〔P−215〕〜〔P−2
33〕を得た。各樹脂のMwは6×104 〜7×104
の範囲であった。
【0168】
【表15】
【0169】
【表16】
【0170】
【表17】
【0171】
【表18】
【0172】
【表19】
【0173】樹脂〔P2 〕の合成例234〜240:
〔P−234〕〜〔P−240〕 下記表−7の構成単位に相当するメタクリレート単量体
70g、下記表−7の構成単位Yに相当する各単量体3
0g、開始剤〔I−13〕15g及びテトラヒドロフラ
ン100gの混合溶液を用いた他は、合成例201と同
様の方法により、Mw6×104 〜7×104 の重合体
を80g得た。次に、この重合体50g、合成例201
の単量体〔M−5〕50g及びテトラヒドロフラン10
0gの混合溶液とし、重合反応は樹脂の合成例201と
同様にして行なった。但し、再沈溶媒はメタノールに代
えて、ジエチルエーテルを用いた。得られた樹脂〔P−
234〕〜〔P−240〕のMwは8×104 〜10×
104 の範囲であった。
【0174】
【表20】
【0175】
【表21】
【0176】樹脂〔P2 〕の合成例241〜254:
〔P−241〕〜〔P−254〕 開始剤〔I−7〕17.5gに代えて開始剤〔I−9〕
10gを用い、再沈溶媒メタノールに代えてジエチルエ
ーテルを用いた他は、合成例201と同様の方法によ
り、下記式で表される各樹脂〔P−241〕〜〔P−2
54〕を合成した。得られた樹脂のMwは7×104
9×104 の範囲であった。
【0177】
【化63】
【0178】式中、[P] は各々下記の構造を有する高分
子鎖である。
【0179】
【化64】
【0180】
【化65】
【0181】
【化66】
【0182】
【化67】
【0183】
【化68】
【0184】樹脂〔P3〕の合成例301:〔P−30
1〕 メチルメタクリレート60g、下記構造のマクロモノマ
ー〔M−6〕30g、グリシジルメタクリレート10
g、及びトルエン150gの混合溶液を、窒素気流下に
温度70℃とした。2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル(略称:A.I.B.N)1.0gを加え4時間反応させ、更
にA.I.B.N. 0.5gを加え4時間反応させた。得られた樹
脂〔P−301〕のMw(重量平均分子量)は6.5×1
4 であった。
【0185】
【化69】
【0186】樹脂〔P3 〕の合成例302〜314:
〔P−302〕〜〔P−314〕 樹脂〔P−301〕の合成例1において、マクロモノマ
ー〔M−6〕30gの代わりに下記表−8の構成単位に
相当するマクロモノマー30gを用いた他は、合成例3
01と同様の方法により、各樹脂〔P−302〕〜〔P
−314〕を合成した。得られた樹脂のMwは5×10
4 〜8×104 の範囲であった。用いたマクロモノマー
のMwは下記表−8に記載した。
【0187】
【表22】
【0188】
【表23】
【0189】
【表24】
【0190】
【表25】
【0191】樹脂〔P3 〕の合成例315〜325:
〔P−315〕〜〔P−325〕 下記表−9の構成単位に相当する単量体、ポリシロキサ
ン構造のマクロモノマーFM−0721(チッソ(株)
製、Mw1×104 )25g及びトルエン200gの混
合溶液を窒素気流下に温度80℃に加温した。その後、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(略称:A.I.B.
N)1.0gを加え4時間反応させ、更にA.I.B.N. 0.5gを
加え4時間反応させた。
【0192】
【表26】
【0193】
【表27】
【0194】
【表28】
【0195】
【表29】
【0196】樹脂〔P3 〕の合成例326〜337:
〔P−326〕〜〔P−337〕 下記単量体〔M−7〕、下記表−10の構造に相当する
マクロモノマー及びトルエン200gの混合溶液を用い
た他は、合成例301と同様の方法により、該表に示す
樹脂〔P−326〕〜〔P−337〕を得た。各樹脂の
Mwは6×10 4 〜8×104 の範囲であった。
【0197】
【化70】
【0198】
【表30】
【0199】
【表31】
【0200】
【表32】
【0201】
【表33】
【0202】樹脂〔P4 〕の合成例401:下記構造の
単量体〔M−8〕50g、下記構造の開始剤〔I−2
1〕0.5g及びテトラヒドロフラン50gの混合溶液
を、窒素気流下に容器に密閉し、温度60℃に加温し
た。これに400Wの高圧水銀灯で10cmの距離からガ
ラスフィルターを通して10時間光照射し光重合した。
この反応物溶液に、メチルメタクリレート25gグリシ
ジルメタクリレート15g下記構造のマクロモノマー
〔M−9〕10g及びテトラヒドロフラン50gの混合
溶液を加えた後、窒素置換し再び16時間光照射した。
得られた反応混合物を、メタノール1.0リットル中に再
沈し、捕集し、乾燥した。得られた樹脂〔P−401〕
は、68gでMw6×104 であった。
【0203】
【化71】
【0204】
【化72】
【0205】樹脂〔P4 〕の合成例402:下記構造の
単量体〔M−10〕36g、シロキサンマクロモノマー
プラクセルーFM−725(チッ素(株)製Mw1×1
4 )4g、下記構造の開始剤〔I−22〕1.0g及び
テトラヒドロフラン50gの混合溶液を窒素気流下に容
器に密閉し、温度50℃に加温した。これに、合成例4
01と同様の光照射条件で12時間光照射し光重合し
た。この重合体溶液に、メチルメタクリレート24g、
メチルアクリレート18g、グリシジルメタクリレート
18g及びテトラヒドロフラン60gの混合溶液を加え
た後、窒素置換し、再び10時間光照射した。得られた
反応混合物をメタノール1リットル中に再沈し、補集
し、乾燥した。得られた樹脂〔P−402〕は、収量7
0gでMw8×104 であった。
【0206】
【化73】
【0207】
【化74】
【0208】樹脂〔P4 〕の合成例403:〔P−40
3〕 メチルメタクリレート25g、グリシジルメタクリレー
ト15g、下記構造のマクロモノマー〔M−11〕10
g、下記構造の開始剤〔I−23〕2.5g及びテトラヒ
ドロフラン50gの混合溶液を、窒素気流下に脱気した
後、合成例401と同様の条件で、12時間光重合を行
なった。この重合溶液に、下記構造の単量体〔M−1
2〕50g及びテトラヒドロフラン60gの混合溶液を
加えた後、窒素置換し、再び12時間光照射し、重合し
た。得られた反応物を、メタノール1リットル中に再沈
し、沈殿物を補集し、乾燥した。Mw5.3×104 の樹
脂〔P−403〕72gを得た。
【0209】
【化75】
【0210】
【化76】
【0211】樹脂〔P4 〕の合成例404〜416:マ
クロモノマーとして下記の表−11の構成単位に相当す
るマクロモノマーを用いた他は、合成例402と同様の
方法により各樹脂〔P−404〕〜〔P−416〕を合
成した。得られた樹脂のMwは5×104 〜8×104
の範囲でであった。用いたマクロモノマーのMwは下記
表−11に記載した。
【0212】
【表34】
【0213】
【表35】 表−11(続き) 合成例 P マクロモノマーM A 部 マクロモノマーの −X−の化学構造 MW ──────────────────────────────────── 404 P- 404 MA −4 6.5 ×103 405 P- 405 MA −5 8 ×103 406 P- 406 MA −6 6 ×103 407 P- 407 MA −7 8 ×103 408 P- 408 MA −8 5 ×103 409 P- 409 MA −9 8 ×103 410 P- 410 MA −10 7 ×103 411 P- 411 MA −11 6 ×103 412 P- 412 MA −12 9 ×103 413 P- 413 MA −13 1.5 ×104 414 P- 414 MA −14 1.2 ×104 415 P- 415 MA −15 1.5 ×104 416 P- 416 MA −16 1.0 ×104 ───────────────────────────────────
【0214】
【化77】
【0215】
【化78】
【0216】
【化79】
【0217】
【化80】
【0218】樹脂〔P〕の合成例417〜429:樹脂
〔P〕の合成例401と同様の方法により、下記表−1
2の各樹脂を合成した。得られた樹脂のMwは4×10
4 〜8×104 の範囲であった。又、用いた一官能性マ
クロモノマーのMwは6×103 〜1×104 であっ
た。
【0219】
【表36】
【0220】
【表37】
【0221】
【表38】
【0222】
【表39】
【0223】
【化81】
【0224】
【化82】
【0225】
【化83】
【0226】
【化84】
【0227】
【化85】
【0228】
【化86】
【0229】〔樹脂〔Q〕の合成〕 樹脂(Q1)の合成例1:メチルメタクリレート66g、
メチルアクリレート30g、アクリル酸4g及び下記構
造の開始剤〔I−24〕28g及びテトラヒドロフラン
150gの混合溶液を窒素気流下50℃の温度に加温し
た。
【0230】
【化87】
【0231】この溶液に400Wの高圧水銀灯で10cm
の距離からガラスフィルターを通して10時間光照射し
光重合した。得られた反応物をメタノール1リットル中
に再沈し、沈澱物を捕集し乾燥して、収量72gでMw
8×103 の樹脂(Q−1)を得た(Mwはポリスチレ
ン換算によるGPC法による重量平均分子量である)。
【0232】
【化88】
【0233】樹脂(Q1)の合成例2:樹脂(Q1)の合成
例1において、開始剤〔I−24〕28gの代わりに、
下記構造の開始剤〔I−25〕36.3gを用いた他は、
樹脂(Q1)の合成例1と同様の方法により樹脂(Q−
2)を合成した。得られた樹脂(Q−2)の収量は75
gで、Mwは7.5×103 であった。
【0234】
【化89】
【0235】
【化90】
【0236】樹脂(Q1)の合成例3〜9:2−クロロフ
ェニルメタクリレート95g、メタクリル酸5g、下記
表−13の開始剤0.10モル及びテトラヒドロフラン1
00gの混合溶液を用いた他は、樹脂(Q1)の合成例1
と同様の方法により、樹脂(Q−3)〜(Q−9)を得
た。得られた各樹脂のMwは6×103 〜8×103
範囲であった。
【0237】
【表40】
【0238】
【表41】
【0239】
【表42】
【0240】樹脂(Q1)の合成例10〜25:樹脂(Q
1)の合成例1において、メチルメタクリレート、メチル
アクリレート、及びアクリル酸の代わりに、表−14に
記載の構成単位に相当する各単量体を用いた他は、樹脂
(Q1)の合成例1と同様の方法により樹脂(Q−10)
〜(Q−25)を合成した。得られた各樹脂のMwは6
×103 〜9×103 の範囲であった。
【0241】
【表43】
【0242】
【表44】
【0243】
【表45】
【0244】樹脂(Q1)の合成例26〜30:前記開始
剤〔I−25〕33.9g、及び下記表−15に示される
各構成単位に相当する単量体の混合物を、窒素気流下、
温度40℃に加温した。これに、合成例1と同様の方法
により光照射を行って重合させた。固形分を取り出し、
テトラヒドロフラン250mlに溶解した後、メタノール
1.5リットル中に再沈し、沈澱物を濾集・乾燥した。得
られた各樹脂(Q−26)〜(Q−30)の収量は60
〜75gで、Mw6×103 〜8×103 の範囲であっ
た。
【0245】
【表46】
【0246】
【表47】
【0247】樹脂(Q2)の合成例31:ベンジルメタク
リレート47.5g、下記開始剤〔I−27〕24.8g及
びテトラヒドロフラン70gの混合物を、窒素気流下で
40℃の温度に加温した。この溶液に400Wの高圧水
銀灯で10cmの距離からガラスフィルターを通して10
時間光照射して光重合した。
【0248】
【化91】
【0249】次に、得られた重合体に、メタクリル酸2.
5g及びテトラヒドロフラン5gの混合溶液を加え、窒
素気流下40℃の温度で更に上記と同様にして光照射を
10時間行った。得られた重合体を水/メタノール(2
/1)の混合溶液800ml中に再沈し、沈澱物を補集
し、乾燥した。得られた樹脂(Q−31)の収量は38
gでMw8.5×103 であった。
【0250】
【化92】
【0251】樹脂(Q2)の合成例32〜40:ベンジル
メタクリレート47.5g及びメタクリル酸2.5gの代わ
りに、下記表−16に示した構成単位に相当する各単量
体を用いた他は、樹脂(Q2)の合成例31と同様の方法
により、樹脂(Q−32)〜(Q−40)を合成した。
得られた各樹脂のMwは7×103 〜1×104 の範囲
であった。
【0252】
【表48】
【0253】
【表49】
【0254】
【表50】
【0255】樹脂(Q2)の合成例41〜46:2−クロ
ロフェニルメタクリレート40g、下記表−17の開始
剤0.02モル及びテトラヒドロフラン50gの混合溶液
を、窒素気流下で40℃の温度に加温した。この溶液
に、実施例31と同様の方法による光照射を8時間を行
った。次に、この反応物に、ベンジルメタクリレート7.
5g、メタクリル酸2.5g及びテトラヒドロフラン10
gの混合溶液を加えた後、上記合成例31と同様の方法
による光照射を10時間行った。得られた重合体を水/
メタノール(2/1)の混合溶液800ml中に再沈し、
沈澱物を補集し、乾燥した。得られた樹脂(Q−41)
〜(Q−46)のMwは5×103 〜9×103 の範囲
であった。
【0256】
【表51】
【0257】
【表52】
【0258】樹脂(Q2)の合成例47〜55:メチルメ
タクリレート52.5g、メチルアクリレート17.5g、
前記開始剤〔I−25〕44g及びテトラヒドロフラン
75gの混合溶液に、温度50℃で窒素気流下、樹脂
(Q2)の合成例31と同様の方法による光照射を15時
間行った。この重合体に、下記表−18の構成単位に相
当する各単量体及びテトラヒドロフラン25gを加え、
再び上記と同様の方法による光照射を15時間行った。
得られた樹脂(Q−47)〜(Q−55)のMwは5×
103 〜8×103 の範囲であった。
【0259】
【表53】
【0260】
【表54】
【0261】
【表55】
【0262】樹脂(Q2)の合成例56〜61:下記表−
19に記載の構成単位に相当する各単量体、及び下記構
造の開始剤〔I−28〕0.03モルを用いた他は、樹脂
(Q2)の合成例31と同様の方法により樹脂(Q−5
6)〜(Q−61)を合成した。得られた各樹脂のMw
は4×103 〜9×103 の範囲であった。
【0263】
【化93】
【0264】
【表56】
【0265】
【表57】
【0266】実施例1 X型無金属フタロシアニン(大日本インキ(株)製)1.
5g、下記構造の樹脂〔R−1〕8.5g、樹脂〔Q−1
0〕1.5g、本発明の樹脂〔P−104〕0.3g、下記
構造の化合物〔A〕0.15g及びテトラヒドロフラン8
0gの混合物を、500mlのガラス容器にガラスビーズ
と共に入れ、ペイントシェーカー( 東洋精機製作所製)
で60分間分散し、更に、無水フタル酸0.04g及びo
−クロロフェノール0.001gを加え2分間分散した
後、ガラスビーズをろ別して光導電層分散液とした。つ
いでこの分散液を導電性処理および耐溶剤処理を施した
0.2mm厚の紙版マスター用原紙の上にワイヤーバーで塗
布し、指触乾燥した後、110℃循環式オーブンで、2
0秒間乾燥した。更に140℃で1時間加熱した。得ら
れた光導電層の膜厚は10μmであった。
【0267】
【化94】
【0268】さらにこの光導電層の上に転写層を形成す
るために下記の熱可塑性樹脂溶液を調製した。 ポリ(酢酸ビニル/クロトン酸)(95/5、Mw5×104 )・・3g アンモニア(28%水溶液) ・・1g エタノール ・・97g この溶液をワイヤーバーにて1.3μmの厚さとなるよう
に塗布し、120℃で20秒間オーブン乾燥した。 比較例A1 樹脂〔P−104〕0.3gの代わりに下記構造のランダ
ム共重合体0.3gを用いた他は、実施例1と同様の方法
により、電子写真式色校正用原版を作製した。
【0269】
【化95】
【0270】比較例B1 実施例1において、樹脂〔R−1〕8.5gおよび樹脂
〔Q−10〕1.5gの代わりに、樹脂〔R−1〕のみ1
0gを用いた他は、実施例1と同様の方法により、電子
写真式色校正用原版を作製した。 試験例 実施例1、比較例A1及び比較例B1で作製された電子
写真式色校正用原版の静電特性、転写性及び画像再現性
を調べ、その結果を表20に示した。
【0271】
【表58】 表20 ─────────────────────────────────── 実施例1 比較例A1 比較例B1 ─────────────────────────────────── 静電特性 注1) V10(-V) |(20 ℃、65%RH) 580 570 560 ───────────────────────────── ‖(30 ℃、80%RH) 555 550 515 ────────────────────────────────── D.R.R(%) |(20 ℃、65%RH) 86 85 81 ───────────────────────────── ‖(30 ℃、80%RH) 81 80 71 ────────────────────────────────── E1/10 |(20 ℃、65%RH) 15 17 23 (erg/cm2)───────────────────────────── ‖(30 ℃、80%RH) 17 20 28 ─────────────────────────────────── 転写性 注2) ○ × ○ 非常に良好 転写ムラ 非常に良好 著しい ─────────────────────────────────── 画像再現性 注3) ○ ×× ○ |(20 ℃、65%RH) 良好 画像ムラ著しい 良好 ───────────────────────────── ‖(30 ℃、80%RH) ○ ×× ×〜△ 良好 画像ムラ 濃度低い、 著しい 細線、細文字 が欠落 ───────────────────────────────────
【0272】表20に記載の評価項目は下記の方法によ
り試験された。 注1) 静電特性 温度20℃、65%RHの暗室中で、各色校正用原版に
ペーパーアナライザー(川口電気(株)製ペーパーアナ
ライザー−SP−428型)を用いて、−6kVで20
秒間コロナ放電をさせた後10秒間放置し、この時の表
面電位V10を測定した。次いでそのまま暗中で120秒
間放置した後の電位V130 を測定し、120秒間暗減衰
させた後の電位の保持性、即ち、暗減衰保持率〔DRR
(%)〕をDRR(%)=(V130 /V10)×100
(%)の式により求めた。また、コロナ放電により光導
電層の転写層と接する面を−500Vに帯電させた後、
波長780nmの単色光で照射し、表面電位(V10)が1
/2に減衰するまでの時間を求め、これから露光量E
1/2 (erg/cm2 )を算出する。又、温度30℃、80%R
Hの環境条件下で上記と同様の操作を行ない各特性を調
べた。環境条件(20℃、65%RH)を条件I、及び
(30℃、80%RH)を条件IIとした。 注2) 転写性 シリコーンゴムで被覆した中空金属ローラーの内部に赤
外線ランプヒーターを組み込んだ一対の加熱ローラーの
間に、転写層が形成されたサンプルとコート紙とを重ね
て通過させた。この時のローラーの表面温度は上下とも
120℃、ローラー間のニップ圧は5kgf/cm2 、搬送ス
ピードは5mm/秒に設定した。通過後コート紙と重ねた
まま室温まで冷却してからサンプルとコート紙を分離し
た。この時コート紙側に転写された転写層の状態を目視
評価した。 注3) 画像再現性 各色校正用原版に、環境条件(I)及び(II) の下で、
実際に複写画像を形成し、転写後の色校正版における画
像再現性を評価した。
【0273】各色校正用原版を暗所にて+450vにコ
ロナ帯電したのち、あらかじめ原稿からカラースキャナ
ーにより読み取り、色分解し、システム特有の幾つかの
色再現に関わる補正を加えた後、デジタル画像データと
してシステム内のハードディスクに記憶させてあった、
イエロー、マゼンタ、シアン、墨の各色の中のイエロー
についての情報をもとにネガ鏡像モードで、5mW出力
のガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振
波長780nm)を用いて、色校正用原版表面上で30er
g /cm2 の照射量下、ピッチ25μm及びスキャン速度
300m/secのスピードで露光した。続いて、シグネ
チャーシステム(イーストマン・コダック(製))用の
イエロー液体現像剤を、75倍(重合比)にアイソパー
H(エッソスタンダード石油製)で希釈して用い、一対
の平版現像電極を有する現像装置で色校正用原版側の電
極に+400vのバイアス電圧を印加し、露光部にトナ
ーが電着するようにした反転現像を行ない、ついでアイ
ソパーH単独浴中でリンスをして非画像部の汚れを除い
た。以上の処理をマゼンタ、シアン、墨の各色について
繰り返した。以上の様にして得られた製版後の色校正用
原版の画像をヒートロールの定着方法で定着させた。つ
ぎに印刷本紙であるコート紙と4色現像後の色校正用原
版を重ね合せ、15kgf /cm2 の圧力で接している表面
温度が120℃に常にコントロールされた1対のゴムロ
ーラーの間を、10mm/sec のスピードで通過させた。
その後重ねたままで室温まで冷やしてからコート紙と色
校正用原版を引き剥がし、得られたコート紙に形成され
た画像(カブリ、画像の画質)を目視評価した。表20
に示す様に、実施例1(本発明)及び比較例A1の静電
特性は、環境条件が変わっても、良好な結果を示した。
【0274】しかし、光導電層の結着樹脂として、従来
の樹脂のみを用いた比較例B1は、静電特性の低下を生
じ(特に、暗中電荷保持率:D. R. R.及び光感度:E
1/2 )、その結果得られる色校正刷りの複写画像も満足
なものではなかった。かかる相違は、本発明の色校正用
原版においては、樹脂〔Q〕が光導電性化合物に充分吸
着し、且つ、光導電性化合物の均一な分散を可能とし、
化学増感剤である化合物〔A〕と光導電性化合物との相
互作用を充分に且つ均一に行なえる状態を形成している
ことによるものと推定される。又、本発明の樹脂〔P〕
を用いた実施例1及び比較例B1の転写層は完全に被転
写材に転写されたが、従来の樹脂を用いた比較例A1で
は、コート紙と色校正用原版の引き剥がしが良好にはで
きず、転写層又は光導電層に破損が生じた。かかる相違
は、本発明及び比較例B1の色校正用原版においては、
光導電層中に共存させたフッ素原子含有の共重合体であ
る樹脂〔P〕が光導電層形成時に表面部に濃縮移行し、
更に、樹脂〔R〕と樹脂〔P〕とが架橋剤により相互に
充分高分子間で化学結合し硬化膜を形成することによ
り、剥離性良好な界面が明確に形成されるのに対し、従
来のランダム共重合体を用いた比較例A1の色校正用原
版においては、かかる明確な界面が形成されにくいこと
によるものと考えられる。また、本発明の色校正用原版
は、環境条件が変動しても、良好なカラー画像の色校正
刷りを提供することができたが、比較例A1の色校正用
原版は転写性が不充分で満足な画像を提供できず、比較
例B1の色校正用原版は高湿下での画像再現性が著しく
低下してしまった。さらに、実施例1及び比較例A1で
形成される光導電層の剥離性を調べるために、転写層を
形成する前に、光導電層表面の粘着力を測定した。粘着
力は、前述のJISZ0237−1980「粘着テープ
・シート試験方法」により測定した。実施例1で形成さ
れた光導電層の粘着力は6 g・f であり、比較例A1で
形成された光導電層の粘着力は330g・f であった。以上
の様に、本発明の色校正用原版のみが、良好な性能を示
した。
【0275】実施例2 光導電性酸化亜鉛200g、樹脂〔Q−2〕10g、下
記構造の樹脂〔R−2〕40g、本発明の樹脂〔P−1
03〕8g、下記構造の色素〔D−1〕0.018g、N
−ヒドロキシコハク酸イミド0.20g及びトルエン30
0gの混合物を、ホモジナイザー(日本精機(株)製)
に入れ回転数9×103 r.p.m.で10分間分散した。こ
の分散物に、プロピレングリコール1g及びテトラブト
キシチタネート0.02gを加え、更に回転数1×103
r p.m.で1分間分散した。ついでこの分散液を、導電性
処理および耐溶剤処理を施した0.2mm厚の紙版マスター
用原紙の上にワイヤーバーで塗布し、指触乾燥した後、
循環式オーブン中、90℃で1時間加熱した。得られた
光導電層の膜厚は15μmであった。
【0276】
【化96】
【0277】さらにこの光導電層の上に転写層を形成す
るために実施例1と同様の熱可塑性樹脂溶液を調製、塗
布、乾燥した。 比較例C1 樹脂〔Q−2〕10g及び樹脂〔R−2〕40gの代わ
りに、樹脂〔R−2〕のみ50gを用いた他は、実施例
2と同様の方法により、色校正用原版を作成した。 試験例 各色校正用原版の平滑性、静電特性、転写性及び画像再
現性について評価し、結果を表21に示した。
【0278】
【表59】 表21 ────────────────────────────────── 実施例2 比較例C1 ────────────────────────────────── 光導電層表面の平滑性 注1) 1100 1050 ────────────────────────────────── 静電特性 V10(-V) I 730 550 ────────────────────────── II 710 505 ─────────────────────────────── D.R.R(%) I 88 72 ────────────────────────── II 85 48 ─────────────────────────────── E1/10 I 12 30 (erg/cm2)────────────────────────── II 15 33 ────────────────────────────────── 転写性 ○ ○ 非常に良好 非常に良好 ────────────────────────────────── 画像再現性 注2) ○ △〜○ I 良 好 濃度がやや薄い。 細線、細文字の欠落 少し発生 ────────────────────────── II ○ ×× 良 好 濃度が出ない、地カブリ 発生、細線、細文字の 欠落発生 ──────────────────────────────────
【0279】表21において、転写性については前記表
20の方法により試験し、他の評価項目については下記
の方法により試験した。 注1) 光導電層の平滑性:得られた色校正用原版の平
滑度(see/cc) を、ベック平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて測定した。 注2) 画像再現性 色校正用原版を暗所にて−600vにコロナ帯電したの
ち、実施例1と同様のデジタル画像データーを用い、ま
ずイエローについての情報をもとに、ポジ鏡像モード
で、半導体レーザーを用いて780nmの光で版面露光量
が25 erg/cm2になるように露光した。露光部の残留
電位は−120vであった。続いてバーサテック300
0(ゼロックス製カラー静電プロッター)用のイエロー
トナーを50倍のアイソパーH(エッソスタンダード石
油製)で希釈して用い、一対の平板現像電極を有する現
像装置で色校正用原版側の電極に−200vのバイアス
電圧を印加し、未露光部にトナーが電着するようにする
正現像を行ない、ついでアイソパーH単独浴中でリンス
をして非画像部の汚れを除いた。以上の処理をマゼン
タ、シアン、墨の各色について繰り返した。つぎに印刷
本紙であるコート紙を4色現像後の色校正用原版と重ね
合わせ、10 kgf/cm2 の圧力で接している表面温度が
120℃に常にコントロールされた一対のゴムローラー
の間を、6mm/sec のスピードで通過させた。その後重
ねたままで室温まで冷やしてからコート紙と色校正用原
版を引き剥がし、色校正刷りとしての画像を目視で評価
した。表21に示す様に、実施例2の色校正用原版は、
静電特性が極めて良好で且つ、環境条件が変化しても、
それらの特性の変化は小さく抑えられ、実際に撮像性を
調べても、地汚れがなく、細線、細文字等微細な画像の
再現性も良好であった。他方、比較例C1の色校正用原
版は、特に高湿条件下で静電特性が著しく低下し、実際
の画像再現性も、実用に供し得るものではなかった。即
ち、非画像部の地カブリ、画像濃度の低下が生じ、細線
の欠落等が著しくなった。転写層の転写性はいずれも良
好で、有機光導電性化合物から成る光導電層のみなら
ず、無機光導電性化合物を含む光導電層においても、樹
脂〔P〕による剥離性の向上を達しうることが明らかに
なった。さらに、実施例2及び比較例C1で形成される
光導電層の剥離性を調べるために、転写層を形成する前
に、光導電層表面の粘着力を測定した。粘着力は、前述
のJISZ0237−1980「粘着テープ・シート試
験方法」により測定した。実施例2で形成された光導電
層の粘着力は8 g・f であり、比較例C1で形成された
光導電層の粘着力は400 g・f 以上であった。以上の
如く、実施例2の色校正用原版のみが、良好な転写性を
示し、且つ、環境の変動に関わらず良好な画像再現性を
示した。
【0280】実施例3 有機光導電性化合物として、4,4′−ビス(ジエチル
アミノ)−2,2′−ジメチルトリフェニルメタン5
g、樹脂〔Q−32〕1g、下記構造の樹脂〔R−3〕
3g、本発明の樹脂〔P−119〕0.8g、下記構造式
の色素(D−2)40mg、化学増感剤として下記構造式
のアニリド化合物(B)0.2gを、メチレンクロライド
30mlとエチレンクロライド30mlとの混合物に溶解
し、光導電層溶液とした。この光導電層溶液を、ワイヤ
ーラウンドロッドを用いて導電性透明支持体(100μ
mのポリエチレンテレフタレート支持体上に、酸化イン
ジウムの蒸着膜を有する。表面抵抗103 Ω)上に塗布
して約4μmの光導電層を形成した。
【0281】
【化97】
【0282】本発明の樹脂〔P〕の光導電層表面への偏
在性を確認するために、粘着テープによる接着力を測定
したところ、樹脂〔P−119〕を添加せず、代わりに
同量の樹脂〔R−3〕を用いたことの他は、実施例3と
同様の方法により製造された色校正用原版の接着力の7
0分の1に低減していることがわかった。さらにこの光
導電層の上に転写層を形成するために実施例1と同様の
熱可塑性樹脂溶液を調製、塗布、乾燥した。粘着テープ
を転写層表面に貼り付けて剥がしたところ、実施例1と
同様、抵抗を感ずることなく容易に転写層のみが剥離し
た。次に、この色校正用原版の撮像性及び転写性を、暗
所で、実施例1と同様の方法により調べた。但し、実施
例1において用いた、780nm発振波長の半導体レーザ
ー光の代わりに630nm発振波長のヘリウム−ネオンレ
ーザー光を用いて行なった。コート紙に転写されたカラ
ー複写画像は、地カブリのない鮮明なもので、且つ、画
像強度は充分高かった。
【0283】実施例4 下記構造のビスアゾ顔料5g、テトラヒドロフラン95
g、樹脂〔Q−17〕1.5g、ポリエステル樹脂バイロ
ン200(東洋紡績(株)製)3.5g及びテトラヒドロ
フラン溶液30gの混合物をボールミル中で充分に粉砕
した。次いで、この混合物を取り出し、攪拌下、テトラ
ヒドロフラン520gを加えた。この分散物をワイヤー
ラウンドロッドを用いて実施例1で用いた導電性透明支
持体上に塗布して約0.7μmの電荷発生層を形成した。
【0284】
【化98】
【0285】次に、下記構造式のヒドラゾン化合物20
g、ポリカーボネート樹脂(GE社製、商品名レキサン
121)20g、樹脂〔P−102〕2g、イソホロン
ジイソシアナート0.04g、テトラブトキシチタネート
0.001g及びテトラヒドロフラン160gの混合溶液
をワイヤーラウンドロッドを用いて上記電荷発生層の上
に塗布し、60℃で30秒間乾燥し更に温度120℃で
1時間加熱して約18μmの電荷輸送層を形成し、2層
から成る光導電層を有する色校正用原版を得た。
【0286】
【化99】
【0287】さらにこの光導電層の上に転写層を形成す
るために実施例1と同様の熱可塑性樹脂溶液を調製、塗
布、乾燥した。粘着テープを転写層表面に貼り付けて剥
がしたところ、実施例1と同様、抵抗を感ずることなく
容易に転写層のみが剥離した。次に、この色校正用原版
を暗所で、実施例1と同様に操作して、撮像性及び転写
性を調べた。但し、実施例1において用いた、780nm
発振波長の半導体レーザー光の代わりに630nm発振波
長のヘリウム−ネオンレーザー光を用いて行なった。得
られた、転写後のコート紙のカラー複写画像は地カブリ
のない鮮明なもので、且つ、画像強度は充分高かった 実施例5〜7 実施例1において、樹脂〔P−104〕0.3gの代わり
に下記表22の各樹脂〔P〕を0.3g各々用いた他は、
実施例1と同様の方法により、各々電子写真式色校正用
原版を製造した。この様にして得られた各原版の静電特
性、転写性及び画像再現性を実施例1と同様にして評価
し、その結果を表22に示した。
【0288】
【表60】 表22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例5 実施例6 実施例7 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本発明の樹脂〔P〕 〔P−209〕 〔P−308〕 〔P−421〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 静電特性 580 575 585 V10(−V)I ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ II 565 560 570 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ D.R.R(%)I 87 86 86 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ II 84 84 83 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ E1/10 I 16 15 17 (evg/cm2) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ II 17 17 19 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 転写性 ○ ○ ○ 非常に良好 非常に良好 非常に良好 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 画像再現性 I ○ ○ ○ 良好 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ II ○ ○ ○ 良好 良好 良好 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 表22に示す様に、実施例5〜7の色校正用原版のいず
れも、静電特性;転写性、及び画像再現性について実施
例1と同等の良好な性能を示した。又、実施例5〜7の
色校正用原版の光導電層の粘着力は、いずれも5〜8g
・fの範囲であり、これは剥離性が極めて良好であるこ
とを示す。他方、比較として製造された、樹脂〔P〕を
添加せず、代わりに同量の樹脂〔R−1〕を用いたこと
の他は実施例1と同様の方法により製造された色校正用
原版は、転写不良を生じ、光導電層と転写層との界面に
おける均一な剥離が得られなかった。更に、比較として
製造された樹脂〔Q−10〕1.5g及び樹脂〔R−1〕
8.5gに代えて、樹脂〔R−1〕のみ10gを用い、樹
脂〔P−104〕0.3gに代えて、実施例5〜7の樹
脂〔P〕を用いたことの他は実施例1と同様の方法によ
り製造された色校正用原版では、環境条件が変動した場
合、特に高温高湿の条件下で静電特性が低下し、実際の
画像再現性も実用に供し得るものではなかった。即ち、
濃度の低下及び細線・細文字の欠落が生じた。上記試験
例により、本発明の色校正用原版は極めて良好な色校正
刷りを供し得ることが判った。 実施例8〜27 実施例1において、樹脂〔Q−10〕1.5gの代わりに
下記表23の各樹脂〔Q〕1.5gを用いた他は、実施例
1と同様の方法により、各色校正用原版を製造した。
【0289】
【表61】 表23 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 樹脂〔Q〕 実施例 樹脂〔Q〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 8 Q−1 18 Q−26 9 Q−4 19 Q−28 10 Q−6 20 Q−30 11 Q−9 21 Q−39 12 Q−11 22 Q−41 13 Q−13 23 Q−42 14 Q−14 24 Q−48 15 Q−16 25 Q−53 16 Q−20 26 Q−60 17 Q−23 27 Q−58 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これらの色校正用原版の撮像性及び転写性を、暗所で、
実施例1と同様の方法により調べた。転写後のコート紙
のカラー複写画像は地カブリのない鮮明なものであり、
且つ、画像強度は充分高かった。 実施例28〜50 実施例1において、結着樹脂〔Q−10〕1.5g、樹脂
〔P−104〕0.3g及び架橋用化合物の代わりに、下
記表24の各樹脂〔Q〕1.5g、樹脂〔P〕0.3g及び
架橋用化合物の所定量を各々用いた他は、実施例1と同
様に操作して各電子写真式色校正用原版を製造した。
【0290】
【表62】 表24 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 樹脂〔Q〕 樹脂〔P〕 架橋用化合物 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 28 Q−2 P−202 グルコン酸無水物 0.15g o−クレゾール 0.01g 29 Q−5 P−301 〃 〃 30 Q−7 P−214 エチレングリコール 0.03g ジグリシジルエーテル ステアリン酸亜鉛塩 0.001g 31 Q−12 P−315 〃 〃 32 Q−17 P−419 〃 〃 33 Q−19 P−207 1,6−ジヘキサン 0.20g ジアミン 34 Q−21 P−423 グルコン酸 0.18g フェノール 0.002g 35 Q−27 P−421 無水フタル酸 0.2g o−クロロフェノール 0.001g 36 Q−29 P−210 3−アミノプロピル トリメトキシシラン 0.1g 37 Q−34 P−321 〃 〃 38 Q−36 P−417 〃 〃 39 Q−43 P−212 プロピレングリコール 0.8g テトラブトキシチタネート 0.001g 40 Q−44 P−323 〃 〃 41 Q−49 P−213 トリメチロールプロパン 1.0g ジラウリン酸ジブトキシ 0.001g スズ塩 42 Q−52 P−125 〃 〃 43 Q−50 P−215 無水フタル酸 0.3g アセチルアセトンコ 0.001g バルト塩 44 Q−55 P−329 〃 〃 45 Q−53 P−421 〃 〃 46 Q−54 P−322 プロピレングリコール 0.05g ジグリシジルエーテル o−クロロフェノール 0.002g 47 Q−58 P−222 ROOCNH(CH2)6NHCOOR 0.2g テトラプロピオキシ チタネート 0.001g 48 Q−59 P−122 〃 〃 49 Q−61 P−335 γ−グリシドプロピル トリメトキシシラン 0.1g 50 Q−32 P−118 〃 〃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 式中、Rはm−メチルフェニル基を表す。得られた色校
正用原版の撮像性及び転写性を、暗所で、実施例1と同
様の方法により調べた。転写後のコート紙のカラー複写
画像は地カブリのない鮮明なものであり、且つ、画像強
度は充分高かった。 実施例51〜58 実施例1において、下記表25に記載の樹脂〔Q〕2
g、樹脂〔R〕9g、樹脂〔P〕0.3g及び架橋用化合
物を用いること以外は、実施例1と同様の方法により色
校正用原版を製造した。
【0291】
【表63】 表25 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 樹 脂 樹 脂 樹 脂 架 橋 用 化 合 物 〔Q〕 〔R〕 〔P〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 51 Q−8 R−4 P−429 ベンゾイルパーオキ 0.008g サイド 52 Q−19 R−5 P−116 1,4−ブタンジオ 0.3g ール ジラウリン酸ジブト 0.001g キシスズ 53 Q−28 R−6 P−428 エチレングリコール 2.0g ジメタクリレート 2,2′−アゾビス 0.03g (イソバレロニト リル) 54 Q−21 R−6 P−325 〃 〃 55 Q−33 R−7 P−129 アジピン酸ジビニル 2.2g 2,2′−アゾビス 0.01g (イソバレロニト リル) 56 Q−37 R−7 P−336 〃 〃 57 Q−40 R−8 P−422 ブロックイソシア 3g ナート Aditol VXL 81 (ヘキスト社製) ブチルチタネート・ 0.02g ダイマー 58 Q−45 R−8 P−126 〃 〃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 表中、樹脂R−4〜R−8は下記式で表されるものであ
る。
【0292】
【化100】
【0293】これに、実施例1の方法により転写層を形
成してなる色校正用原版を用い、色校正刷りを製造した
所、得られた色校正刷りのカラー複写画像は、地汚れも
なく、鮮明であった。 実施例59〜66 転写層を、ポリ(酢酸ビニル/クロトン酸)(95/5
重量比)の代わりに下記表26の樹脂及び塗布溶媒を用
いて形成した他は、実施例1と同様の方法により、各色
校正用原版を製造した。
【0294】
【表64】 表26 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 熱 可 塑 性 樹 脂 塗 布 溶 媒 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 59 酢酸酪酸セルロース:cellidor Bsp 酢酸エチル (バイエルAG製) 60 ポリビニルブチラール樹脂:エスレック エタノール (積水化学(株)製) 61 プロピオン酸セルロース:セリドリア 酢酸エチル (ダイセル化学工業(株)製) 62 ポリ(酢酸ビニル) メチルエチルケトン 63 ポリ(酢酸ビニル/クロトン酸) 1%アンモニア水 (95/5)共重合体と 含有 Cellidor Bspを(8/2)重量比で使用 エタノール溶液 64 メチルメタクリレート/メチルアクリレート 共重合体(6/4)重量比 テトラヒドロフラン 65 スチレン/ブタジエン共重合体 ソルプレン1205(Sorprene1205) (旭化成(株)製) トルエン 66 ポリ(酢酸ビニル)と ポリ(エチルメタクリレート)とを (6/4)重量比で使用 メチルエチルケトン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 得られた各色校正用原版の静電特性・転写性及び画像再
現性を、実施例1と同様の方法により調べた所、いずれ
も、実施例1と同じレベルの性能を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、熱転写装置を示す。
【符号の説明】
1 ゴム被覆金属ローラー 2 内蔵加熱用ヒーター 3 表面温度検出手段 4 温度コントローラー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−355766(JP,A) 特開 平4−358156(JP,A) 特開 平4−175761(JP,A) 特開 平4−22961(JP,A) 特開 平3−11347(JP,A) 特開 平4−318555(JP,A) 特開 平2−278276(JP,A) 特開 平4−244146(JP,A) 特開 昭64−52135(JP,A) 特開 昭61−174557(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体、光導電層及び転写層を含み、該
    転写層上に電子写真プロセスにより形成された少なくと
    も1色のトナー像を、転写層と共に被転写材料に転写す
    ることにより色校正刷りを製造するための電子写真式色
    校正用原版であって、該光導電層が、下記の樹脂
    (P1)、(P2)、(P3)及び(P4)からなる群から選ば
    れる樹脂〔P〕、下記の樹脂(Q1 )及び(Q2 )から
    なる群から選ばれる樹脂〔Q〕、並びに光及び/又は熱
    硬化性基を有する構成単位を含有する樹脂〔R〕を含
    み、且つ該樹脂〔P〕が少なくとも前記転写層に接する
    表面の近傍に存在し、該表面のJIS Z0237−1
    980「粘着テープ・シート試験方法」により試験され
    る粘着力が150gram・force(g ・f)以下であることを
    特徴とする電子写真式色校正用原版。 (1) 樹脂(P1):フッ素原子及び/又はケイ素原子を有
    する構成単位をセグメント(X)の重量に対して50重
    量%以上含有するセグメント(X)と光及び/又は熱硬
    化性基を少なくとも1種含有する構成単位を含有するセ
    グメント(Y)とを含む直線状ブロック型共重合体。 (2) 樹脂(P2):フッ素原子及び/又はケイ素原子を有
    する構成単位をセグメント(X)の重量に対して50重
    量%以上含有するセグメント(X)と光及び/又は熱硬
    化性基を少なくとも1種含有する構成単位を含有するセ
    グメント(Y)とを含む直線状ブロック型高分子鎖少な
    くとも3個を有機基(Z)を介して結合してなるスター
    型共重合体。 (3) 樹脂(P3):フッ素原子及び/又はケイ素原子を有
    する構成単位をセグメント(X)の重量に対して50重
    量%以上含有するセグメント(X)と光及び/又は熱硬
    化性基を少なくとも1種含有する構成単位を含有するセ
    グメント(Y)とを含むグラフト型共重合体。 (4) 樹脂(P4):フッ素原子及び/又はケイ素原子を有
    する構成単位をセグメント(X)の重量に対して50重
    量%以上含有するセグメント(X)と光及び/又は熱硬
    化性基を少なくとも1種含有する構成単位を含有するセ
    グメント(Y)とを含むAB型又はABA型ブロック共
    重合体であり、且つ該セグメント(X)の少なくとも一
    つが下記のグラフト型セグメント(X') であるか、該セ
    グメント(Y)の少なくとも一つが下記のグラフト型セ
    グメント(Y') であるか、又は該セグメント(X)の少
    なくとも一つが下記のグラフト型セグメント(X') であ
    り、且つ該セグメント(Y)の少なくとも一つが下記の
    グラフト型セグメント(Y')である共重合体。 グラフト型セグメント(X') :重量平均分子量が1×1
    3 〜2×104 であり、フッ素原子及び/又はケイ素
    原子を有する構成単位をマクロモノマー部(M A )の重
    量に対して50重量%以上含有するマクロモノマー部
    (MA ) を含有するセグメント。 グラフト型セグメント (Y') :重量平均分子量が1×1
    3 〜2×104 であり、フッ素原子及び/又はケイ素
    原子を含有する構成単位を含有しない構成単位より成る
    マクロモノマー部(MB ) を含有するセグメント。 (5) 樹脂(Q1 ):1×103 〜2×104 の重量平均
    分子量を有し、 式(I): −CH(a1)−C(a2)(COOR3)− (式中、a1 及びa2 は各々水素原子、ハロゲン原子、
    シアノ基、又は炭化水素基を表し、R3 は炭化水素基を
    表す) で表される構成単位及び-PO3H2、-SO3H 、-COOH
    、−PO(OH)(R1) (式中、R1は炭化水素基又は-OR2(R2
    は炭化水素基を表す) を表す) 及び環状酸無水物基から
    なる群より選択される極性基を有する構成単位をランダ
    ムに含有する高分子鎖少なくとも3個を有機基(Z)を
    介して結合してなり、且つ前記式Iで表される構成単位
    の含有量が樹脂(Q1)の総重量に対して30重量%以上で
    あり、前記極性基を有する構成単位の含有量が樹脂(Q1)
    の総重量に対して1〜20重量%であるスター型共重合
    体。 (6) 樹脂(Q2 ):1×103 〜2×104 の重量平均
    分子量を有し、 上記式(I)で表される構成単位を含有するセグメント
    (M)と、-PO3H2、-SO3H 、-COOH 、−PO(OH)(R1) (式
    中、R1は炭化水素基又は-OR2(R2 は炭化水素基を表す)
    を表す) 及び環状酸無水物基からなる群より選択される
    極性基を有する構成単位を含有するセグメント(N)と
    を含む直線状ブロック型の高分子鎖少なくとも3個を有
    機基(Z)を介して結合してなるスター型共重合体。
  2. 【請求項2】 樹脂〔P〕が樹脂(P1)であり、樹脂
    〔Q〕が樹脂(Q1 )である請求項1記載の電子写真式
    色校正用原版。
  3. 【請求項3】 樹脂〔P〕が樹脂(P2)であり、樹脂
    〔Q〕が樹脂(Q1 )である請求項1記載の電子写真式
    色校正用原版。
  4. 【請求項4】 樹脂〔P〕が樹脂(P3)であり、樹脂
    〔Q〕が樹脂(Q1 )である請求項1記載の電子写真式
    色校正用原版。
  5. 【請求項5】 樹脂〔P〕が樹脂(P4)であり、樹脂
    〔Q〕が樹脂(Q1 )である請求項1記載の電子写真式
    色校正用原版。
  6. 【請求項6】 樹脂〔P〕が樹脂(P1)であり、樹脂
    〔Q〕が樹脂(Q2 )である請求項1記載の電子写真式
    色校正用原版。
  7. 【請求項7】 樹脂〔P〕が樹脂(P2)であり、樹脂
    〔Q〕が樹脂(Q2 )である請求項1記載の電子写真式
    色校正用原版。
  8. 【請求項8】 樹脂〔P〕が樹脂(P3)であり、樹脂
    〔Q〕が樹脂(Q2 )である請求項1記載の電子写真式
    色校正用原版。
  9. 【請求項9】 樹脂〔P〕が樹脂(P4)であり、樹脂
    〔Q〕が樹脂(Q2 )である請求項1記載の電子写真式
    色校正用原版。
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