JP3274182B2 - 車載用データ入力装置 - Google Patents

車載用データ入力装置

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JP3274182B2 JP20197192A JP20197192A JP3274182B2 JP 3274182 B2 JP3274182 B2 JP 3274182B2 JP 20197192 A JP20197192 A JP 20197192A JP 20197192 A JP20197192 A JP 20197192A JP 3274182 B2 JP3274182 B2 JP 3274182B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車載用データ入力装置、
特に、車両に取り付けられたセンサからの信号を、車両
制御用のCPUに取り込むための車載用データ入力装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の電子制御などでは、種々のセン
サからの信号をデジタルデータとして取り込み、これを
CPUへ入力データとして与えるが、このようなセンサ
からの信号は、通常、ノイズ成分を含んでいることが多
い。そのため、センサから得られたデジタルデータをC
PUによって処理する前に、ノイズ成分を除去するため
のフィルタ演算を行うのが一般的である。通常は、CP
Uに割り込みをかけ、CPUの本来の制御処理を中断さ
せた状態で、センサから得られたフィルタ演算を行わせ
るか、あるいは、CPUとは別にデジタルシグナルプロ
セッサなどの演算処理装置を用いてこのフィルタ演算を
行っている。たとえば、特開昭55−82965号公報
や実開昭60−640号公報には、このような車載用の
演算処理装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したフィルタ演算
をCPUに行わせると、CPUの演算負担が非常に大き
くなり、能率の良い車両制御を行うことができなくなり
好ましくない。一方、CPUとは別に用意した演算処理
装置によってこのフィルタ演算を行わせれば、CPUの
演算負担は軽減される。しかしながら、このような演算
処理装置は、プロセッシングユニットを内蔵しており、
汎用性が高く、種々のフィルタ演算を行わせることがで
きるという利点を有するものの、半面、構造が非常に複
雑になるためコスト高になるという問題がある。
【0004】そこで本発明は、車両用センサから取り込
んだ信号を、CPUが処理できる状態で取り込むことが
できる簡単な構造のデータ入力装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】 (1) 本願第1の発明は、車両に取り付けられたセンサ
からの信号を、車両制御用のCPUに取り込むための車
載用データ入力装置において、センサからのアナログ信
号またはパルス信号をデジタルデータに変換する変換器
と、この変換器によって得られるデジタルデータに対し
て、予め定められた特定のフィルタ演算を行うフィルタ
演算回路と、を単一の半導体チップの中に組み込むよう
にしたものである。
【0006】しかも、本願第1の発明では、このフィル
タ演算回路を、加算または乗算を行う演算モジュール
と、この演算モジュールに対して第1の入力データを与
える第1のセレクタと、第2の入力データを与える第2
のセレクタと、演算モジュールによる第1の乗算結果を
一時保持する第1のレジスタと、第2の乗算結果を一時
保持する第2のレジスタと、によって構成し、第1のセ
レクタにより第1のフィルタ定数αを、第2のセレクタ
によりセンサに基づいて得られるデジタルデータXを、
それぞれ選択して演算モジュールに入力データとして与
えて第1の乗算を行い、その結果αXを前記第1のレジ
スタに保持し、第1のセレクタにより第2のフィルタ定
数βを、第2のセレクタにより前回のフィルタ演算結果
Yを、それぞれ選択して演算モジュールに入力データと
して与えて第2の乗算を行い、その結果βYを第2のレ
ジスタに保持し、第1のセレクタにより第1のレジスタ
内のデータαXを、第2のセレクタにより第2のレジス
タ内のデータβYを、それぞれ選択して演算モジュール
に入力データとして与えて加算を行い、その結果を今回
のフィルタ演算結果として出力することができるよう
に、各セレクタに選択動作を行わせるようにしている。
【0007】(2) 本願第2の発明は、上述の第1の発
明に係る車載用データ入力装置において、センサに基づ
いて得られるデジタルデータXが、フィルタ演算回路の
処理ビット数をオーバーフローしていたときに、デジタ
ルデータXの代わりに、処理ビット数の範囲内の最大値
を示すデータを第1のセレクタに供給するオーバーフロ
ー処理回路を更に設けたものである。
【0008】
【作 用】センサからのアナログ信号またはパルス信号
は、変換器によってデジタルデータに変換された後、フ
ィルタ演算回路によって特定のフィルタ演算が行われ
る。ここで、フィルタ演算回路は、予め定められた特定
のフィルタ演算のみを行うように組まれた回路であり、
汎用演算を行うためのプロセッシングユニットを内蔵し
た演算処理装置と比べると、構造は非常に単純で安価で
ある。しかも、変換器とフィルタ演算回路とは、単一の
半導体チップ内に組み込まれるため、この車載用データ
入力装置全体を1チップの半導体装置として製造するこ
とが可能であり、量産化に適し、大幅なコストダウンが
期待できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。図1は本発明に係る車載用データ入力装置の基
本構成を示すブロック図である。本発明の車載用データ
入力装置は、単一の半導体チップ100内に組み込まれ
ており、A/D変換器10と、タイマー回路20と、フ
ィルタ演算回路30とによって構成される。通常、車載
用のセンサは、検出値をアナログ信号として出力する
か、あるいはパルス信号として出力する。アナログ信号
の場合は、検出値は電圧に比例した値となり、パルス信
号の場合は、検出値はパルス幅に比例した値となる。こ
の装置は、いずれの形式の検出値をも取り込むことがで
きる。すなわち、アナログ信号はA/D変換器10によ
ってデジタルデータに変換され、パルス信号はタイマー
回路20によってデジタルデータに変換される。変換さ
れたデジタルデータに対しては、フィルタ演算回路30
においてフィルタ演算が行われる。このフィルタ演算に
ついての詳細は後述するが、この演算により、もとの信
号に含まれていたノイズ成分が除去される。
【0010】結局、この装置は、センサからのアナログ
信号またはパルス信号を入力とし、これらの信号をデジ
タルデータに変換した後、フィルタ演算を実行し、演算
後のデジタルデータを出力する機能を有する。こうして
出力されたデジタルデータは、車載用CPU200に与
えられる。CPU200は、このデジタルデータに基づ
いて、自動車のエンジン制御などを行う。この装置の特
徴は、フィルタ演算回路30が、プロセッシングユニッ
トを含んだ汎用の演算処理装置によって構成されている
のではなく、予め定められた特定のフィルタ演算のみを
行う専用の回路によって構成されている点と、A/D変
換器10,タイマー回路20,フィルタ演算回路30
が、単一の半導体チップ100内に組み込まれている点
である。フィルタ演算回路30は、セレクタ、レジス
タ、ALU、などの単純なユニットにより構成されてい
るため、構造は非常に単純になる。また、これらの機能
が単一の半導体チップ100に組み込まれているため、
この半導体チップ100をセンサとCPU200との間
に挿入するだけで、センサ出力を取り込み、これに対し
てCPU演算を行うことができるようになる。
【0011】ノイズ成分を除去するためのフィルタ演算
としては、一般に次の演算式が知られている。すなわ
ち、今回センサから取り込んだデジタルデータ(演算前
のデータ)をX(n)、今回の演算後のデータをY
(n)、前回の演算後のデータをY(n−1)とし、所
定のフィルタ定数をα,βとすれば、 Y(n)=(αX(n)+βY(n−1))/(α+
β) なる演算式によって、Y(n)が求まる。このような演
算を実行するには、フィルタ演算回路30を図2に示す
ような回路で構成しておけばよい。以下、この回路の構
成を説明する。この回路の入力はデータX(上式のX
(n)に対応)であり、出力はデータY(上式のY
(n)に対応)である。セレクタ31は、2つのフィル
タ定数α,βに対応するデータを入力し、いずれか一方
の定数を選択して出力する機能を有する。セレクタ32
は、データXと前回の出力Y(上式のY(n−1)に対
応)とを入力し、いずれか一方のデータを選択して出力
する機能を有する。セレクタ31が選択したデータと、
セレクタ32が選択したデータとは、演算部40に入力
される。演算部40は、セレクタ33,34、演算モジ
ュール35、そしてセレクタ36によって構成されてい
る。演算部40の出力は、この回路の出力データYとし
て出力されるか、あるいはセレクタ37に与えられる。
セレクタ37は、与えられたデータを、レジスタ38ま
たはレジスタ39のいずれか一方に格納する。演算部4
0を構成するセレクタ33は、セレクタ31から与えら
れたデータか、レジスタ38に格納されていたデータ
か、のいずれか一方を選択して演算モジュール35に与
える。また、セレクタ34は、セレクタ32から与えら
れたデータか、レジスタ39に格納されていたデータ
か、のいずれか一方を選択して演算モジュール35に与
える。演算モジュール35は、与えられた2つのデータ
について、乗算または加算を行い、その結果をセレクタ
36に与える。セレクタ36は、乗算結果についてはセ
レクタ37に出力し、加算結果についてはデータYとし
てこの回路外部へ出力するような選択動作を行う。
【0012】いま、演算部40が16ビットの演算機能
をもっていたとする。この場合、データXおよびYは、
16ビットのデータとして与えられることになる。ここ
で、α+β=216となるように、2つのフィルタ定数
を定めておくようにすれば、上述の演算式における(α
+β)による除算は不要になり、図2の回路によって、
上述の演算式に基づいたフィルタ演算が可能になる。す
なわち、この回路を次のように動作させればよい。ま
ず、第1段階では、セレクタ31によって定数αを選択
し、セレクタ32によってデータXを選択する。更に、
セレクタ33によって定数αを選択し、セレクタ34に
よってデータXを選択して、演算モジュール35に乗算
を実行させる。これにより、αXが求まる。そこで、セ
レクタ36の出力としてセレクタ37側を選択させ、セ
レクタ37の出力としてレジスタ38側を選択させれ
ば、演算結果αXをレジスタ38に格納することができ
る。続いて、第2段階では、セレクタ31によって定数
βを選択し、セレクタ32によってデータY(前回の演
算で求めたYの値)を選択する。更に、セレクタ33に
よって定数βを選択し、セレクタ34によってデータY
を選択して、演算モジュール35に乗算を実行させる。
これにより、βYが求まる。そこで、セレクタ36の出
力としてセレクタ37側を選択させ、セレクタ37の出
力としてレジスタ38側を選択させれば、演算結果βY
をレジスタ39に格納することができる。最後の第3段
階では、セレクタ33によってレジスタ38内のデータ
αXを選択し、セレクタ34によってレジスタ39内の
データβYを選択し、演算モジュール35に加算を実行
させる。その結果として、αX+βYなる演算結果が得
られる。そこで、セレクタ36の出力として外部回路へ
の出力を選択させれば、演算結果αX+βYを、新たな
演算結果Yとして外部(すなわち、CPU200)へ出
力することができる。すなわち、 Y(n)=(αX(n)+βY(n−1)) なる演算によって、Y(n)が求められたことになる。
【0013】前述のように、この実施例では、演算部4
0は16ビットの演算機能をもっている。したがって、
A/D変換器10またはタイマー回路20によって変換
されたデジタルデータXが、16進表示で“0000”
から“FFFF”までの値をとる限り正常に動作する。
ところが、データXがこれを越えた値をとった場合、す
なわちオーバーフローを生じた場合、正しいフィルタ演
算を行うことができなくなる。このように、センサに基
づいて得られるデジタルデータXが、フィルタ演算回路
30の処理ビット数をオーバーフローしていたときに
は、このデジタルデータXの代わりに、処理ビット数の
範囲内の最大値を示すデータ(この例では、“FFF
F”)を与えるようにすれば、オーバーフローに対する
適切な処理を行うことができる。図3は、このようなオ
ーバーフロー処理を行うために、セレクタ32の前段
に、別なセレクタ32aを設けた実施例である。セレク
タ32にデータXを直接与える代わりに、セレクタ32
aにデータXおよび許容最大値“FFFF”を与えるよ
うにし、A/D変換器10またはタイマー回路20にお
いてオーバーフローが生じたことを示すオーバーフロー
フラグによって、セレクタ32aを切り替えるようにし
ている。すなわち、通常は、セレクタ32aはデータX
を選択して出力するが、オーバーフローフラグが立った
場合には、“FFFF”を選択して出力する。したがっ
て、セレクタ32の出力するデータは、オーバーフロー
することはない。
【0014】最後に、図1に示す半導体チップ100の
全体回路の一例を図4に示す。ここで、破線で囲った構
成要素が、すべて単一の半導体チップ100内に形成さ
れる。A/D変換器10によって変換されたデータおよ
びタイマー回路20によって変換されたデータは、いず
れもセレクタ32に与えられる。セレクタ32には、オ
ーバーフロー処理回路41から、許容最大値“FFF
F”も与えられている。タイマー回路20からオーバー
フロー処理回路41に対しては、オーバーフローフラグ
が与えられており、このオーバーフローフラグが立った
場合には、オーバーフロー処理回路41からの指示によ
り、セレクタ32は、許容最大値“FFFF”を選択す
る。なお、この実施例では、アナログ信号については、
許容最大値が電源電圧値となるように設計してあるた
め、特にオーバーフロー処理は行っていない。
【0015】レジスタ42には、2つのフィルタ定数
α,βが格納されており、セレクタ31によっていずれ
か一方が選択され、演算部40に与えられる。演算部4
0は、サンプリング制御回路43から与えられるサンプ
リングパルスの周期に同期して、上述した3段階の演算
を行う。演算結果(αX,βY,Y)は、セレクタ37
を介して、レジスタ44内の所定の格納位置に収納さ
れ、これらの値は、必要に応じて演算部40へ取り込ま
れる。I/O部45は、レジスタ内の演算結果YをCP
Uへ出力するためのインターフェイスとしての機能を有
するとともに、CPUからの指示を、A/D変換器1
0,タイマー回路20,レジスタ42に与える機能を有
する。したがって、A/D変換器10およびタイマー回
路20は、CPUから制御することが可能であり、ま
た、レジスタ42内のフィルタ定数α,βは、CPUか
ら設定することが可能である。
【0016】以上、本発明を図示する実施例に基づいて
説明したが、本発明はこの実施例のみに限定されるもの
ではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。特
に、上述したフィルタ演算は、一例として示したもので
あり、どのようなフィルタ演算を行う装置に対しても本
発明は適用可能である。たとえば、α+β=216とな
るように設定した上、β=216−αとなるように設定
すれば、β=(1−α)となるので、定数αを論理反転
させて1を加えた値を定数βの代わりに用いるようにす
ることも可能である。
【0017】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、センサか
らのアナログ信号またはパルス信号をデジタルデータに
変換する変換器と、このデジタルデータに対して特定の
フィルタ演算を行うフィルタ演算回路とを、単一の半導
体チップ内に組み込むようにしたため、車両用センサか
ら取り込んだ信号を、CPUが処理できる状態で取り込
むための簡単な構造のデータ入力装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車載用データ入力装置の基本構成
を示すブロック図である。
【図2】図1に示す装置におけるフィルタ演算回路30
の一構成例を示す回路図である。
【図3】図2に示す回路に用いるオーバーフロー処理回
路の一例を示す回路図である。
【図4】図1に示す半導体チップ100の全体回路の一
例を示す回路図である。
【符号の説明】
10…A/D変換器 20…タイマー回路 30…フィルタ演算回路 31〜34,32a…セレクタ 35…演算モジュール 36,37…セレクタ 38,39…レジスタ 40…演算部 41…オーバーフロー処理回路 42…レジスタ 43…サンプリング制御回路 44…レジスタ 45…I/O部 100…半導体チップ 200…CPU

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に取り付けられたセンサからの信号
    を、車両制御用のCPUに取り込むための車載用データ
    入力装置であって、 センサからのアナログ信号またはパルス信号をデジタル
    データに変換する変換器と、 前記変換器によって得られるデジタルデータに対して、
    予め定められた特定のフィルタ演算を行うフィルタ演算
    回路と、 を単一の半導体チップの中に組み込み、 前記フィルタ演算回路を、加算または乗算を行う演算モ
    ジュールと、前記演算モジュールに対して第1の入力デ
    ータを与える第1のセレクタと、前記演算モジュールに
    対して第2の入力データを与える第2のセレクタと、前
    記演算モジュールによる第1の乗算結果を一時保持する
    第1のレジスタと、前記演算モジュールによる第2の乗
    算結果を一時保持する第2のレジスタと、によって構成
    し、 前記第1のセレクタにより第1のフィルタ定数αを、前
    記第2のセレクタによりセンサに基づいて得られるデジ
    タルデータXを、それぞれ選択して前記演算モジュール
    に入力データとして与えて第1の乗算を行い、その結果
    αXを前記第1のレジスタに保持し、 前記第1のセレクタにより第2のフィルタ定数βを、前
    記第2のセレクタにより前回のフィルタ演算結果Yを、
    それぞれ選択して前記演算モジュールに入力データとし
    て与えて第2の乗算を行い、その結果βYを前記第2の
    レジスタに保持し、 前記第1のセレクタにより前記第1のレジスタ内のデー
    タαXを、前記第2のセレクタにより前記第2のレジス
    タ内のデータβYを、それぞれ選択して前記演算モジュ
    ールに入力データとして与えて加算を行い、その結果を
    今回のフィルタ演算結果として出力することができるよ
    うに、前記各セレクタに選択動作を行わせるように構成
    した ことを特徴とする車載用データ入力装置。
  2. 【請求項2】 請求項に記載の車載用データ入力装置
    において、センサに基づいて得られるデジタルデータX
    が、フィルタ演算回路の処理ビット数をオーバーフロー
    していたときに、前記デジタルデータXの代わりに、前
    記処理ビット数の範囲内の最大値を示すデータを第1の
    セレクタに供給するオーバーフロー処理回路を更に設け
    たことを特徴とする車載用データ入力装置。
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