JP3273608B2 - 治療薬の部位特異的インビボ活性化 - Google Patents

治療薬の部位特異的インビボ活性化

Info

Publication number
JP3273608B2
JP3273608B2 JP50311690A JP50311690A JP3273608B2 JP 3273608 B2 JP3273608 B2 JP 3273608B2 JP 50311690 A JP50311690 A JP 50311690A JP 50311690 A JP50311690 A JP 50311690A JP 3273608 B2 JP3273608 B2 JP 3273608B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activator
precursor
kit
antibody
spacer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP50311690A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04503068A (ja
Inventor
ブレツドホースト,レナード
キム,チヨン―ホウ
マツケイブ,リチヤード
ポマト,ニコラス
フオーゲル,カール―ウイルヘルム
Original Assignee
アクゾ・エヌ・ヴエー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=23161497&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3273608(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by アクゾ・エヌ・ヴエー filed Critical アクゾ・エヌ・ヴエー
Publication of JPH04503068A publication Critical patent/JPH04503068A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3273608B2 publication Critical patent/JP3273608B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/395Antibodies; Immunoglobulins; Immune serum, e.g. antilymphocytic serum
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/715Polysaccharides, i.e. having more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages; Derivatives thereof, e.g. ethers, esters
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • A61K47/51Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
    • A61K47/68Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an antibody, an immunoglobulin or a fragment thereof, e.g. an Fc-fragment
    • A61K47/6891Pre-targeting systems involving an antibody for targeting specific cells
    • A61K47/6899Antibody-Directed Enzyme Prodrug Therapy [ADEPT]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/08Vasodilators for multiple indications
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y5/00Nanobiotechnology or nanomedicine, e.g. protein engineering or drug delivery

Description

【発明の詳細な説明】 本出願は、1989年1月23日提出の、アメリカ合衆国出
願番号07/300,999の部分継続出願である。
発明の説明 本発明は、治療薬の部位特異的活性化に基づく治療シ
ステムに関わり、その中には、治療薬の化学、治療薬の
疾患部位への搬送、特異的非標的器官毒性のコントロー
ル及び治療薬使用に関わる一般的副作用のコントロール
を含む。
発明の背景 一般に、薬は、その標的器官ないし細胞にたいして選
択的ではなく、結果として、有毒な副作用を及ぼす。し
たがって、治療薬を、限定された標的細胞集団にたいす
る特異性を有するあるキャリアー分子(例えば、抗体)
と結合させるという考えは、部位特異的薬剤搬送を実行
するためには、魅力的なものである。例えば、近年、腫
瘍関連性細胞表面抗原を認識する、各種モノクローナル
抗体が、臨床的に使用されている多数の抗癌剤のキャリ
アーとして用いられている。これについては、Vogel,C.
−W.,1987が総覧している通りである。このような免疫
複合体の特異的で有力な細胞毒性活性については、各種
インビトロ系において、研究者が既に記載している。そ
のような免疫複合体について、その免疫性治療活性を、
癌患者ばかりでなく、腫瘍を有する動物で調べたとこ
ろ、その結果はあまりはかばかしくないどころが、期待
はずれのものでもあった。このようなデータから明らか
にされたことは、免疫複合体という考えは、なお克服す
べきいくつかの困難を抱えているということである。な
ぜなら、モノクローナル抗体と結合した薬剤の十分量を
搬送することができないからである(総論については、
Vogel.,C.−W.1987参照)。
初期には、薬剤よりも酵素の方が優れているかもしれ
ないと言われていた。リボソーム不活性化蛋白(RIP)
は酵素であり、その細胞毒性作用は、この酵素活性によ
る。しかしながら、薬剤同様RIPも、その活性を発揮す
るためには内部に取り込まれ、抗体キャリアーから遊離
し、適切な細胞内区画に達しなくてはならない。さら
に、RIPは、効果を発揮するためには、各標的細胞によ
る抗原発現を必要とし、また、固有の毒性を有するか
ら、与える量に限界がある。
もう一つの酵素法は、抗体に結合した、表面活性酵素
を用いる。この抗体−酵素複合体は、内部取り込みを必
要とせず、領域内の細胞に細胞毒性を発揮することがで
きる。抗体複合体として用いられる、表面活性酵素の一
例は、ホスホリパーゼCであって、これは、内部取り込
みを必要とせず、直接、あらゆる細胞膜のリン脂質を攻
撃する。しかしながら、ホスホリパーゼが、あらゆる細
胞のリン脂質を攻撃できるということは、固有の毒性を
発揮していることであり、このことが、その有効性に制
限を与える(Flickinger及びTrost,1976)。抗体複合体
として用いられるもう一つの表面活性化酵素は、コブラ
毒因子(CVF)すなわち補体活性化酵素であって、これ
は、細胞によって内部に取り込まれることを必要としな
い上に、本質的に毒性を持たない(Vogel,C.−W.,198
7)。しかしながら、すべての外来蛋白同様、CVFもきわ
めて免疫原性が高く、腫瘍細胞治療に利用するには、そ
の使用が制限される。
もう一つの方法は、エトポシド誘導体の脱燐酸化に、
抗体アルカリ性ホスファターゼ複合体を使用するもので
あった。この方法に関する問題は、標的での酵素活性を
制限する循環する内在性基質との競合並びに、好ましく
ない細胞毒性活性を増加させる循環中および非標的組織
での高レベルの酵素活性である(Senter et al,198
8)。
また別の酵素法では、カルボキシペプチターゼG2が用
いられた。これは、必須成長因子である葉酸を開裂する
(Searle et al,1986)。しかしながら、葉酸レベルが
十分な減少を示すには、標的組織に、インビボで抗体酵
素複合体を用いて達成できるレベルよりも高いレベルの
酵素複合体がなければならない。
前述したような特定の欠点に加えて、酵素法はすべ
て、免疫原性という共通の問題を抱えている。酵素にた
いする抗体が生じると、ブロックや立体化学的障害によ
る活性成分の非活性化、また、循環からの抗体−酵素の
急速な排除が起こる。このため、薬剤活性化に酵素−抗
体複合体を用いる、Bagshawe,K.D.(1987)の示したよ
うなシステムは、せいぜいのところ、単発投与において
のみ好結果を与えるに過ぎず、その場合でも、免疫反応
は、薬効を妨げる。
Bagshaweの方法では、ヒトと類似しない非ほ乳類酵素
を用いており、これは、複合体のもの以外の酵素による
活性化を避けるためであった。しかしながら、この酵素
はきわめて免疫原性が高く、特に、複合体となった場合
はそうであった。
発明の概要 標的決定された酵素を用いた薬剤搬送について、上記
の制限を回避し得る新規の方法を考えだした。2段階操
作が提案される。先ず、本質的に免疫原性を持たない、
標的決定成分アクチベータ複合体があって、これは、標
的決定成分と結合するアクチベータ、通常酵素である
が、を含む。好ましい実施態様においては、標的決定成
分は、腫瘍部の細胞表面または細胞外領域(例えば、壊
死部)に存在する、腫瘍関連性抗原と結合する抗体であ
る。抗体−アクチベータ複合体は、腫瘍に特異的に保持
される。必要なら、非結合複合体を、循環系から十分排
除し、毒性副作用を避ける。必要なら、この過程を、生
体内において複合体形成によって促進してもよいし、ま
たは、生体外において特定のマトリックスに吸着させる
ことによって促進してもよい。第二には、細胞に取り込
まれない比較的低毒の薬剤誘導体(前駆薬(プロドラッ
グ))を投与する。腫瘍部位において、その薬剤誘導体
は、抗体結合酵素によって「活性化」され、前駆薬が薬
剤分子に変換される。これは、腫瘍部において、抗原陰
性腫瘍細胞及び抗原陽性腫瘍細胞に侵入して、その活性
を発揮することができる。さらに、本方法では、非免疫
原性前駆薬を繰り返し投与することができるから、この
治療法の効能を大きく増幅することも可能である。さら
に、この方法は、抗腫瘍治療に限定されるものではな
く、ある治療剤の部位特異性搬送が必要とされる、どの
ようなシステムにも適用可能である。この部位特異的活
性化法を適用できる疾患例としては、他に、感染症、自
己免疫性疾患、その他の炎症性疾患がある。したがっ
て、活性化標的部位は、感染生物体を含む、特定の組織
であってもよいし、特定の細胞種であってもよい。
本発明の利点は、この複合体は、標的細胞の内部に取
り込まれる必要はない、ということである。したがっ
て、患者の体内において、繰り返し、長期にわたって前
駆薬の変換を維持することも、抗体−アクチベータ複合
体の反射注射を含めて、可能である。
ある程度の要求事項は、本発明においても、満たされ
なければならない。先ず、標的決定成分(例えば、抗
体)と、その標的決定成分と結合するアクチベータ(例
えば、酵素)は、治療の対象となる生物種にたいし適合
性の起源のものでなければならない。これは、複合体の
免疫性非活性化を防ぐためである。ヒトを治療する場合
には、この複合体は、ヒト由来のもの、または、遺伝的
に保存されているか、もしくは、遺伝的に類似の生物種
のものから得ることによるヒト様のものでなければなら
ない。これによって、ほとんど非免疫原性となり、これ
らの分子にたいする抗体の発生を防ぐことができる。ま
た、前駆薬も、本質的に非免疫原性でなければならな
い。免疫複合体の異種蛋白質(例えば、マウス抗体)に
たいし抗体が発生することは、確かめられている。マウ
ス・モノクローナル抗体の単発注入後、癌患者におい
て、ヒト抗マウス抗体が形成されることが、既に報告さ
れている(McCallister et al,1988)。これによって、
この薬剤の適用性が、ある一コースの治療に限定され
る。個人個人の多くが、マウス抗体の第1回投与前に、
マウス免疫グロブリンにたいする、先在抗体レベルを有
している(Schroff,R.W.et al,1985)。さらに、2回以
上の注入後には、免疫原性の弱い抗体Fabフラグメント
にたいしても、抗体反応が、患者の50%に検出された
(Reynolds,J.C.et al,1986)。したがって、本質的に
免疫原性を有さない、と言うとき、われわれは次の意味
で使っている。すなわち、アクチベーター標的決定成分
複合体と前駆薬を、複合体の局在化、前駆薬の活性化ま
たは活性薬の活性を、治療の効能を妨げる程度にまで抑
制するような免疫反応を患者に誘発することなく患者に
繰り返し投与できるという意味である。
第2の要求事項は、抗体結合酵素は、循環系または非
標的細胞表面に、天然の基質を本質的に持ってはならな
い、ということである。宿主に天然の基質が存在するこ
とは不利である。なぜなら、それは、前駆薬の活性化と
競合し、前駆薬の活性化量を少なくするという結果を招
くからである。天然基質が無いことは、また、抗体−ア
クチベータ複合体の局在化前に、宿主における酵素活性
によって生ずる有害副作用を避けるためにも重要であ
る。したがって、ホスホリパーゼCやホスファターゼの
ような酵素は、われわれの発明には適用ではない。なぜ
なら、上記酵素は、ヒトの中に天然の基質を持っている
からである。「本質的に天然には見られない基質」と
は、基質が、複合体の投与によってアクチベータと接触
しても、腫瘍部位における、前駆薬から薬剤への治療的
に有効な転換を妨げるほどの量としては存在しないこと
と定義する。また、基質は、天然性基質にたいする酵素
活性による有害副作用を引き起こすに足るほどの量とし
ては存在してはならない。
本発明にとって第3の重要な要求事項は、複合体の酵
素活性は、循環系もしくは非標的器官の細胞表面には、
本質的にあってはならない、または、ごく少量でしかあ
ってはならないということである。これは、腫瘍部位以
外での活性化を招く標的決定されない前駆薬活性化を防
ぐためである。例えば、アルカリ性ホスファターゼは、
ヒト血清中にかなり高レベルで存在する酵素であるが、
これは、ヒト血清中において、低分子量の化合物を、数
分内に脱燐酸化することが分かっている(Hamm et al,1
988)。低度に存在する酵素活性を、循環系から抗体を
排除することによってさらに低下させて、本発明の要求
事項に合致させてもよい。これは、生体内では、免疫複
合体の形成によって、生体外では、特定のマトリックス
への吸着によって実行することができる。複合体の酵素
活性が本質的にないということは、前駆薬が、腫瘍部以
外の場所では、薬剤の治療効果を阻害したり、非腫瘍細
胞に好ましからざる細胞毒性を引き起こしたり、また
は、その両方をもたらしたりするほどには活性化されな
いことと定義される。
好ましい実施態様の説明 下に述べる実施態様は、ヒト・モノクローナルIgM抗
体とアクチベータとしてヒト・リゾチーム、作用成分
(前駆薬)として、ドキソルビシン誘導体を用いてい
る。このシステムは、われわれの発明の利点を例示す
る。その利点を挙げるならば下記のとおりである。
(a)全成分、すなわち、標的決定成分、アクチベー
タ、前駆薬が本質的に非免疫原性であって、前駆薬の反
復投与ばかりでなく、反復標的決定も可能である。
(b)抗体作用体複合体は、非毒性であって、この複合
体を大量に投与することができる。前駆薬は、活性化後
始めて、その細胞毒性を完全に発揮する。
(c)複合体の内部取り込みは必要でなく、連続投与に
おいて、前駆薬から薬剤への繰り返し転換が可能であ
る。
(d)全ての細胞について、標的組織における抗原発現
は必要でない。なぜなら、薬剤分子は、転換後、抗原陽
性細胞にも、抗原陰性細胞にも侵入することができるか
らである。
(e)リゾチームは、ヒトにおいて活性に対する天然基
質を有さない。したがって、リゾチーム活性にたいする
競合、および、それに伴う有害作用を避けることができ
る(リゾチームの天然基質は、N−アセチルムラミン酸
とN−アセチルグルコサミン残基の交互の連なりから成
る細菌細胞壁由来のポリマーである。)。
(f)リゾチームは、循環中では、リゾチーム含有性白
血球由来のものがごく少量存在するにすぎず、細胞表面
には発現されない(Briggs et al,1966)。
しかしながら、本発明になる方法は、基本的な要求事
項を満たす各種抗体及びアクチベータシステムへの応用
が可能であり、その概念は、リゾチームアクチベータシ
ステムのみに限定されるものではない。実際、本方法の
利点の一つは、標的細胞による抗体の取り込みを必要と
するシステムに比べて、抗体の特性に関して、許容性が
はるかに高いことである。さらに、アクチベータは、酵
素である必要はなく、前駆薬を、活性成分に変換するよ
うに機能するものであればどのような化合物でもよく、
例えば、触媒性抗体であってもよい(Napper et al,198
7)。
標的決定成分の選択 本発明によれば、何かの抗原に対する抗体を、標的決
定成分として使用してもよい。抗体の他に、特定の細
胞、組織種または標的とされた感染体にたいして親和性
を有する他の分子を、標的決定成分として用いてもよ
い。例えば、サイトカインは、ある種の細胞にたいし特
別な特異性を有し、標的決定成分として用いることがで
きる。抗体以外の他の型の分子も、標的決定成分として
用いることができる。例えば、抗原、抗体フラグメン
ト、レクチン、ホルモンやリガンドである。しかし、簡
単のため、以下の議論では、抗体という用語を、他の型
の標的決定成分でもその代わりに使用することができる
という意図を含めて用いることにする。
従来のポリクローナル抗体を、本発明の概念に含め
て、キャリアー分子として用いてもよい。しかしなが
ら、モノクローナル抗体の方が多くの利点を有する。各
モノクローナル抗体は、抗原決定因子にたいして特異的
である。したがって、モノクローナル抗体の場合は、正
常組織にたいする非特異的結合の程度、および、その後
の、正常非標識細胞にたいする毒性の程度が、低くな
る。さらに、各モノクローナル抗体について、生産量は
無制限であるから、抗体の個々の調製品を、抗原特異性
が抗体製品の使用期間に渡って定常になるよう調整する
ことができる。同一の組織特異正を持ちながら、異なる
エピトープにたいして特異的な異なるモノクローナル抗
体を混合してもよい。単一モノクローナル抗体またはモ
ノクローナル抗体の混合物を用いることで、搬送システ
ムの有効性と制御性を、従来のポリクローナル試薬で得
ることのできるそのシステムの有効性にあづかるいかな
る寄与も犠牲にすることなく、改善することができる。
好ましい方法は、治療を受ける動物と同じ生物種起源
のモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を使用
することである。多くの場合、獣医学の適用を除いて
は、ヒト抗体、ヒト化(humanized)抗体、その構造が
基本的にヒトのものであるキメラ抗体の使用がもっとも
好ましい。ヒトモノクローナル抗体についてはたくさん
のものが記載されている。また、非ヒト生物種のリンパ
球細胞から生成した抗体を、ヒト化する方法や、ヒト抗
体不変領域遺伝子に遺伝的に結合させた非ヒト抗体の可
変領域遺伝子を用いる方法についても記載されている。
同種の遺伝工学的に加工した抗体を用いる利点はいくつ
かある。異種の抗体、例えば、マウスやラットの抗体と
違って、同種抗体にたいする免疫反応はごく小さい。せ
いぜい、ヒト抗体のイディオタイプの決定因子にたいす
る弱い反応が見られるのみで、それも、投与を多数回繰
り返して始めて現われるだけである。ヒト・モノクロー
ナル抗体16−88による本出願人の臨床研究では、最高、
週当り200mgまで繰り返し投与を行なった後にも、抗体
のいかなる領域についても、免疫反応誘発を検出するこ
とはできなかった。これは、イディオタイプのものであ
ろうと、アロタイプのものであろうと、フレームワーク
(framework)のものであろうと、そうであった(Steis
etal,1990)。この利点により、比較的速やかに代謝さ
れる抗体フラグメントではなく、そのままの全免疫グロ
ブリンを使用することができ、高用量のそのままの全免
疫グロブリンを投与することができ、また、抗体投与を
多数回繰り返すことができる。同生物種で生じた抗体
は、他にも利点を有する。なぜなら、このような抗体
は、異種抗体や、さらには遺伝工学的に加工されたヒト
抗体をもってしても認識されないような微妙な抗原の差
異を認識するからである。
抗体は、どのような標的に向けることもできる。標的
には、例えば、腫瘍、組織、細菌性、真菌性、ウィルス
性、寄生虫性、マイコプラズマ性、組織適合性または分
化の抗原または受容体などがある。抗体は、IgG,IgA,Ig
E,IgMなど、いかなるクラスのものでもよい。また、異
なる抗原性決定基にたいして反応性を持つ抗体を併用し
てもよい。簡単のために、下記では、標的を、標的組織
と称することとする。これは、標的決定成分が親和性を
持つ上記物質のどれであってもよい。
本発明では、細胞毒性剤を、腫瘍細胞近辺で活性化さ
せるわけであるが、その適用にあたっては、抗体を化学
的に細胞毒性剤に結合させている場合のように、標的抗
原ないし抗体は、細胞毒性剤が細胞内に侵入できるよ
う、腫瘍細胞に取り込まれる必要はない。
アクチベータの選択 アクチベータ活性は、通常、循環系や影響をうけやす
い非標的組織にあってはならないか、または、ごく低レ
ベルであって、循環系や非標的組織における薬剤の不都
合な活性化が極小程度に抑えられていて、有害副作用を
招くことがないようになっていなければならない。さら
に、アクチベータにたいする基質や、アクチベータの阻
害剤が、循環系や標的組織の中に、本発明の治療効果を
妨げるほどあってはならない。もし、治療を受ける動物
と同一生物種起源の酵素か、それとほとんど同一の酵素
を選択することによって複合体が非免疫原性になるよう
に選ばれているならば、すぐれた効果を得られる。多く
の酵素は、進化を通じて、下等生物種から単離した分子
が、ヒトの酵素とほとんど同一である程、高度に保存さ
れている。
抗体に付着させるアクチベータは、どのクラスの酵素
であってもよい。ヒドロラーゼ、酸化・還元酵素、トラ
ンスフェラーゼ、イソメラーゼまたはリアーゼ、リガー
ゼでもよいし、あるいは同様の触媒活性を持つ抗体でも
よい(Napper et al,1987参照)。
エンドグリコシダーゼのリゾチームは、アクチベータ
活性に関する上記要求事項を満たすものである。さら
に、その低分子量、一本鎖構造及び十分に研究された化
学的・構造的特性(Imoto et al,1972)によって、当該
酵素を、抗体に化学的に結合させることが可能である。
リゾチームは、129−130個のアミノ酸から成る塩基性エ
ンドグリコシダーゼであって、保存性が高い。ニワト
リ、ウズラ及びヒトのように多様な生物種から得たリゾ
チームが、アミノ酸残基の数、一級アミンの数及びこの
触媒機構に関与するアミノ酸残基に関しては、ほとんど
同じである。リゾチームは、最高77℃までの温度、pH2
から11で安定である。さらに、リゾチームは、低濃度の
大抵の変性剤にたいして異常に高い抵抗性を有する。ジ
スルフィド結合を完全に還元すると、リゾチーム酵素活
性は消失する。ヒトでは、リゾチームは、乳、涙、唾
液、胎盤、脾臓、白血球及び単球に見られる。血中のリ
ゾチームは、白血球や単球由来のものである。正常の血
液レベルは、涙のものの約1%である(Osserman及びLa
wlor,1966)。リゾチームは、ある種の細菌の細胞壁中
の、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)とN−アセチ
ルムラミン酸との間のβ−(1→4)結合を攻撃し、ま
た、キチン、すなわちN−アセチルグルコサミンの、β
−(1→4)結合ポリマーを攻撃する。好ましい基質
は、(GlcNAc)以上のポリマーである。
アクチベータの抗体への結合 本発明の方法によれば、アクチベータ酵素あるいは触
媒性抗体は、標的決定抗体に、その複合体が、抗原に結
合し、前駆薬剤成分を活性化する能力を保持するように
結合される。これは、ホモないしヘテロ二官能性架橋剤
または、直接蛋白質修飾試薬を用いて、反応性の高い基
を、アクチベータ成分と、標的決定成分の両方に導入す
ることによって達成される。この反応基によって誘導体
化した後、アクチベータと標的決定成分は、混合する
と、共有結合を通じて結合する。
リンカーを、アミノ基、カルボキシル基、またはスル
フヒドリル基と反応させて、蛋白質やペプチドに導入し
てもよい。(Wawrzynczak及びThorpe,1987)。また、糖
を酸化してアルデヒドを生成させた後で糖蛋白質や炭水
化物に導入してもよい(Sela及びHurwitz,1987)。アル
デヒドは、リンカー(例えば、ヒドラジド)上のアミノ
基と反応し、シッフの塩基(例えば、ヒドラゾン)を形
成することができる。
スルフヒドリル基は、抗体及び酵素を含む、多くの生
物性分子のシステイン残基から生成することができる。
この残基は、当該分子の生物機能を変更することなく反
応基で誘導体化することができる。抗体分子において
は、すべてのクラスのものが、分子鎖内に、また、分子
鎖間に、ジスルフィド結合を含み、これらが、当該分子
の3次、4次構造を安定化する。IgMクラスの抗体の場
合、H鎖構造は、穏やかな還元反応後、抗体機能を失う
ことなしに、誘導体化できるいくつかのジスルフィド結
合を含む。次に、遊離スルフヒドリル基は、ハロアルキ
ル基、p−メルクリ安息香酸基、および、ミカエル型の
付加反応の可能な基と反応する。付加反応可能基には、
例えば、マレミドや、Mitra及びLawton(1979)に記載
された型の基が含まれる。
蛋白質へ付着させるのにもっとも良く使われる方法
は、リシンの求核性イプシロン・アミノ基の攻撃に基づ
く。アミノ基は、きわめて反応性の高いスクシンイミド
・エステル、無水物、または、環状チオエステルによっ
て導入されるカルボニル官能基と反応させてもよいし、
または、カルボニル官能基をカルボジイミドで活性化し
て、カルボキサミド結合を形成させてもよい。また、別
のやり方として、アミノ基をメチル・イミド酸エステル
で攻撃することによって、アミジニウム結合を形成させ
てもよい。
作用分子の選択 本発明の実行に用いられる作用化合物は、意図する適
用の目的にしたがって選択される(例えば、殺細胞、細
胞増殖の防止、ホルモン療法、または遺伝子療法)。こ
の化合物としては、例えば、製薬、毒素、アルキル化
剤、酵素、抗生物質、抗代謝薬、抗増殖剤、ホルモン、
神経伝達物質、DNA、放射線不透過染料、常磁性染料、
放射性同位元素、蛍光性化合物、マーカー化合物、細胞
膜透過性を変える化合物及び不溶性マトリックスがあ
る。上記は、網羅的なリストを意図したものではなく、
また、本発明の範囲を限定するためのものでもない。最
後に、化合物同士を併用してもよい。本発明の前駆薬を
調製するのに用いられる抗癌剤の例としては、ヌクレオ
シド類似体、サイクロホスファミドおよびその類似体、
ニトロソ尿素、ミトロマイシン、アルキル化剤、アルカ
ロイド、ブレオマイシン、アントラサイクリン、シスプ
ラチンおよびその類似体が挙げられる。
アントラサイクリンの好ましい例としては、ドキソル
ビシンがある。これを、開裂性スペーサーを介して、負
に帯電した残基に結合させてもよい。負に帯電した残基
の存在によって、その薬剤誘導体は、そのままでは、細
胞によって取り込まれないので、細胞内性細胞毒性を発
揮できない。しかしながら、一旦、スペーサーが開裂す
ると(例えば、酵素的に)、負に帯電した残基は取り除
かれ、薬剤誘導体は細胞の中に入り、その活性を発揮す
る。
われわれは、次の部分から成る薬剤誘導体を設計し
た。
a)抗癌剤のドキソルビシン b)ドキソルビシンに、そのC13カルボニル基へ還元性
末端を介して複合するキチン・オリゴマー・スペーサ
ー。
c)過ヨウ素酸酸化によってキチン・オリゴマー・スペ
ーサーの非還元性末端に生成された2個のアルデヒド基
に結合した2個のタウリン残基。
ドキソルビシンは、癌患者を治療するための抗新生物
剤として広く研究されているアントラサイクリン薬剤グ
ループに属する(Young及びOzols,1981)。ドキソルビ
シンは、白血病、乳癌及び肉腫のような各種新生物性疾
患の有効治療に大きな役割を果たしている。しかしなが
ら、ドキソルビシンの有効な使用は、通例の毒性(造血
機能低下、悪心およびおう吐、並びに脱毛)、及び、独
特の毒性(心筋症)によって妨げられてきた。ここに述
べたような、活性を持つドキソルビシン分子の部位特異
的な搬送は、本薬剤の不都合な細胞毒性作用を激減させ
ることになり、本剤ばかりでなく他のアントラサイクリ
ン剤の使用にとって、画期的な新時代を開くことになろ
う。
キチン・オリゴマー(N−アセチルグルコサミンのオ
リゴマー)をスペーサーとして選んだのは、キチン・オ
リゴマーの、ヒトリゾチームの開裂作用にたいする感受
性が高いからである(Holler et al,1975a;Holler et a
l,1975b)。リゾチームを選んだことは、本法の治療原
理にとって、いくつかの利点を有する。先ず、リゾチー
ムは、ほ乳類の分泌物の中や(唾液、涙、乳、頸管粘
液)、細胞内では組織(特に、白血球と腎臓)のリソソ
ームの中に豊富に存在するが、血清中のリゾチーム・レ
ベルは比較的低い。その結果、循環における薬剤誘導体
の不都合な開裂が制限される。第二に、リゾチームにた
いしては、その薬剤誘導体と、標的酵素分子の活性部位
に関して競合するような天然基質が循環系に存在しな
い。
薬剤誘導体の細胞による取り込みを防ぐために、2個
のスルホン酸残基を、炭水化物スペースに付着させる。
負に帯電したスルホン酸基が、細胞の、小分子量化合物
の取り込みを抑制する作用については、染料排除試験に
用いられるトリパン・ブルー(Phillips,1973)、ヒト
における血液容量測定のため、診断用として用いられる
エバンス・ブルー(メルク・インデックス、9版、197
6)のような各種の分子について十分に記載されてい
る。
図の簡単な説明 第1図.SPDP−修飾16.88の免疫反応性 第2図.TPCH修飾16.88の免疫反応性 第3図.16.88−リゾチーム複合体の免疫反応性 第4図.標準曲線:リゾチーム活性 第5図.腫瘍異種移植ヌードマウスにおける、16.88−
リゾチームの血清滞留率 第6図.腫瘍異種移植ヌードマウスにおける、16.88−
リゾチームの腫瘍滞留率 第7図.ピリジル・ジスルフィド残基によるドキソルビ
シンの誘導体化 第8図.チオエステル誘導によるキチン・オリゴ糖の調
製 第9図.チオエステル誘導体化キチン・オリゴマーの、
ピリジル・ジスルフィド誘導体化ドキソルビシンへの付
着 第10図.タウリン残基の、チオエステル誘導体化キチン
・オリゴマーへの付着 第11図.開裂性キチン・オリゴマー・スペーサーを介し
て、タウリン残基を含むドキソルビシン誘導体 第12図.A2780卵巣癌細胞にたいするドキソルビシンの用
量・反応 第13図.開裂性キチン・オリゴマー・スペーサーを介し
て、タウリン残基を含むドキソルビシン誘導体の細胞毒
性活性 実施例1 リゾチーム酵素とヒト・モノクローナル抗体16.88を用
いた、抗体−酵素複合体の調製 ピリジル・ジスルフィド基による、ヒト・モノクローナ
ル抗体16.88の誘導体化 下記の実験は、スルフヒドリル誘導体化リゾチーム
(アクチベータ)と複合する、ピリジル・ジスルフィド
誘導体化抗体の形成を例示するものである。リゾチーム
に結合するスルフヒドリル基を生成するために、分子鎖
間、または、分子鎖内ジスルフィド架橋を還元して抗体
を非安定化せずに、多数の活性ジスルフィド基を、N−
スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピ
オネート(SPDP)を用いて抗体に導入する。
SPDPで誘導体化したときに、抗体が免疫活性を失う場
合には、別のリンカーを用いることができる。新規のリ
ンカー、S−(2−チオピリジル)−L−システイン
ヒドラジド(TPCH)について記載がある(Zara et al,1
989)。TPCHは、抗体の酸化した炭水化物残基に結合し
た、反応性の、末端ピリジル・ジスルフィド残基を有す
るリンカーを導入する。TPCHは、SPDPのような抗体のイ
プシロンアミノ基を通じて結合するリンカーよりも、抗
体機能を損なわずに、より多くのスペーサー基を導入す
ることを可能にする。一緒に混合すると、2−イミノチ
オレーン(2−iminothiolane)(2−IT)によってア
クチベータに導入されたスルフヒドリル基は、SPDPまた
はTPCHによって抗体に導入されたピリジル・ジスルフィ
ド基と反応し、ジスルフィド結合を形成する。ジスルフ
ィド結合によって結合した抗体−トキシン複合体に関す
る研究から(Thorpe et al,1987)、抗体とアクチベー
タ酵素の間のジスルフィド結合は、インビボでは、部分
的に不安定であり、これは、腫瘍に局在する前に抗体か
らアクチベータ酵素を遊離させる結果を招くことが示唆
される。これは、抗体とアクチベータを、より安定なチ
オエーテル結合で結合することによって防ぐことができ
る。この結合は、SPDPまたはTPCHの代わりに、架橋試
薬、例えば、N(ガンマ−マレイミドブチリルオキシ)
スクシンイミド(GMBS)を用いて導入する。GMBSは、ス
ルフヒドリル基ではなく、反応性の、末端マレイミド基
を導入し、2−ITによってリゾチームに導入されたスル
フヒドリルと、より安定なチオエステル結合を形成す
る。
ここに挙げる実施例では、抗体は、ある種の癌細胞の
細胞原形質に見られる抗原(CTA#1)と反応するヒトI
gM抗腫瘍モノクローナル抗体16.88(Haspel et al,198
5)である。この癌種には、結腸癌、乳癌、卵巣癌、す
い臓癌、肺癌が挙げられる。ピリジル・ジスルフィド残
基は、二つの異なる方法で導入した。
方法A 抗体16.88は、ヘテロ二官能性リンカーのN−スクシ
ンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネー
ト(SPDP)を用いて、リシン残基のアミノ基で誘導体に
した。16.88抗体活性の低下が許容域にありながら、1
モルの16.88当り、8モルのSPDPを導入することができ
た(第1図)。8:1の導入比を得るために、1モルの16.
88につき10モルのSPDPを反応させた。反応は、0.1M塩化
ナトリウムを含む、0.01Mリン酸バッファーpH7.0中で室
温で30分間行なった。複合抗体は、セファデックスG−
25によるゲルろ過によって、過剰のSPDPから分離した。
免疫反応性は、非修飾16.88参照と比較して測定した。
これは、SPDP修飾16.88と、非修飾16.88参照について、
同種抗原CTA#1への結合において、1−125標識非修飾
16.88参照と競合する能力を比較することによって行な
った。導入比8.6:1のところで、125I−16.88の結合を50
%低下させるのに要するSPDP−16.88量が、係数4で増
加した。
方法B 16.88の炭水化物部分を酸化し、アルデヒド官能基を
生成し、これに、ヘテロ二官能性リンカーのS−(2−
チオピリジル)−L−システイン ヒドラジド(TPCH)
を付着させた。蛋白質上のアミノ基を介して抗体に結合
するSPDPと違って、TPCHのヒドラジド部分は、穏やかな
過ヨウ素酸酸化によって16.88の炭水化物成分中に生成
したアルデヒド基と反応してヒドラゾンを形成する。第
2図に示したように、1モルの16.88当り17モルものTPC
Hの導入が、検出できるほどの抗体活性の損失もなく、
実現できた。
16.88の誘導体化は、0.1M酢酸ナトリウムバッファーp
H5.5中に2mg/mlの濃度で溶解した16.88の溶液を、10mM
過ヨウ素酸ナトリウムと、4℃で10分間反応させて行な
った。TPCHは、1モルの16.88当り7000モルのTPCHの割
合で加えた(16.88の一級アミノ基にたいし、モルにし
て、TPCHの約20倍過剰に相当する)。過剰のTPCHは、0.
1M塩化ナトリウムを含む0.01Mリン酸バッファーpH7.0を
用いたセファデックスG−25によるゲルろ過によって除
去した。
誘導体化した抗体の免疫反応性は、競合結合分析を用
いて測定した。誘導体化16.88抗体と天然16.88抗体につ
いて、放射性標識天然16.88抗体と、特異的抗原への結
合における競合能力を比較した。誘導体化抗体及び天然
抗体について、そのID50値を比較した。
リゾチームの誘導体化 リゾチームのアミノ基は、16.88に結合させるため
に、アミノ反応性ヘテロ二官能性試薬によって誘導体化
してもよい。アミノ基誘導体化は、SPDP,GMBS及び2−I
Tについて調べた。SPDP,GMBS共に、導入比が、1リゾチ
ーム当りリンカー2分子という低比率でも酵素活性を著
しく低下させた(第1表)。1リゾチーム当りリンカー
2分子という比率で、2−ITで誘導体化すると、リゾチ
ーム活性の60−68%が保持された。
リゾチームは、モルにして100倍過剰の2−ITによっ
て誘導体化した。反応は、0.1M塩化ナトリウムと0.001M
ジチオトレイトールを含む,0.01Mリン酸バッファーpH8.
0中で、室温で10分間行なった。反応は、モルにして10
倍過剰(2−ITにたいして)のエタノールアミンを加え
て停止させた。誘導体化されたリゾチームは、過剰の2
−ITやエタノールアミンから、2mMエチレンジアミンテ
トラ酢酸を含む、同じバッファーpH7.0を用いたセファ
デックスG−10にようゲルろ過クロマトグラフィーによ
って分離した。分離後直ちに、ピリジルジスルフィド誘
導体化16−88抗体への結合に使用した。リゾチーム活性
は、Micrococcus lysodeikticus懸濁液を用いて測定し
た(Shugar,1949)。
16.88−リゾチーム複合体の合成 2−IT−誘導体化リゾチームを、SPDP誘導体化16.88
(方法A)またはTPCH誘導体化16.88(方法B)に結合
させた。
方法A 16.88−SPDPと2−IT誘導体化リゾチームを、この二
つの成分を1:1(w/w)の比で混合して、結合させた。4
℃で24から48時間の結合反応中、この溶液に窒素ガスを
フラッシュした。16.88−リゾチームを、0.1M塩化ナト
リウムを含む0.01Mリン酸バッファー(pH7.0)を用いた
フラクトゲル55Fによるゲルろ過によって遊離リゾチー
ムから分離した。
方法B 2−IT誘導体化リゾチームを、TPCH誘導体化16.88と
1:1(w/w)の比で混合して、室温で一晩反応させた。1
6.88−リゾチームは、方法Aと同様にして、ゲルろ過に
よって、遊離リゾチームから分離した。
結合収率を、SPDP誘導体化16.88とTPCH誘導体化16.88
の間で比較すると、SPDP修飾抗体の方が、全体の収率は
高いことが示された。通常には、SPDP修飾16.88の1モ
ル当り3から4モルのリゾチームを結合させることがで
きた。16.88−リゾチーム複合体の抗原結合能は、非修
飾16.88参照に関して、競合結合アッセイによって測定
した。第3図に示した結果から、第1図に示したSPDP修
飾16.88に比べて、16.88−リゾチーム複合体において、
抗体活性がさらに低下したということはない、というこ
とが判明した。
複合体の酵素活性は、前駆薬と類似の溶解性の基質を
用いる新規のアッセイによって測定した。アッセイ基質
は、0.005Mクエン酸バッファーpH4.5に溶解したN−ア
セチル グルコサミン ペンタマー(GlcNAc)(1m
M)であった。37℃で4時間後、消化された(GlcNAc)
を、薄層クロマトグラフィーによって基質から分離し
た。クロマトグラフィーは、2−プロパノール/水/水
酸化アンモニウム(62/37/1)溶媒系使用のシリカによ
るものであった。(GlcNAc)と消化基質は、エタノー
ルに溶かした10%硫酸をスプレーして視像化した。定量
は、走査密度計によって行なった。この方法では、6.25
から50μg/mlの濃度範囲でリゾチーム活性が測定され
る。標準曲線(第4図)から、このアッセイは、6.25か
ら10μg/mlのリゾチーム濃度範囲でもっとも感度が高い
ことが分かる。第2表は、16.88−リゾチームの活性
は、等量の2−IT誘導体化リゾチーム活性の約90%であ
ることを示す。
16.88−リゾチームの安定性を、4℃、室温の保存状
態で監視した。その結果から(第3表)、4℃または25
℃で1カ月の期間ではリゾチーム活性には目立った低下
が見られないことが分かる。室温では、16.88抗体活性
において54%の低下が、4℃では、抗体活性に33%の低
下が、1カ月の保存後に認められた。
ヌードマウスのヒト結腸腫瘍異種移植モデルにおける、
16.88−リゾチームのインビボ腫瘍局在と薬理動態 16.88−リゾチーム、または、I−125で比放射能1mCi
/mgに放射性標識した16.88を、15匹の、皮下に0.2グラ
ムのヒト結腸腫瘍異種移植片が植え付けられているBalb
/c無胸腺ヌードマウスに静脈注入した。結腸腫瘍(TH
O)は、ヒト・モノクローナル抗体16.88によって認識さ
れる抗原を発現する。この目的は、抗体−リゾチーム
(1:4)複合体と、複合していない16.88抗体とを比較
し、リゾチームの、腫瘍の通常の抗体取り込み量や抗体
の通常の血清(血液)滞留量に及ぼす作用を測定するこ
とにある。血清滞留量(第5図)は、16.88−リゾチー
ムと16.88の両方とも、注入後4時間から2日の期間に
渡って、ほぼ同じであった。すなわち、16.88の血清半
減期は12.4時間、16.88−リゾチームの血清半減期は11.
8時間であった。注入時から、注入後1時間までは、16.
88−リゾチームの方が、血清中からより速やかに排除さ
れるようであった。異種移植腫瘍における16.88−リゾ
チームまたは16.88の量は、注入後1時間に極大になっ
た。すなわち、16.88−リゾチームの場合4%。16.88の
場合3.5%である。16.88−リゾチーム、16.88いずれに
ついても、腫瘍からの排除率は、投与後1時間から2日
にかけて、同様であった(第6図)。
実施例2 ドキソルビシン誘導体の調製 この薬剤誘導体は、下記の成分から成る。
a)ドキソルビシン、 b)ドキソルビシンと、そのC13カルボニル基に還元性
末端を介して複合したキチン・オリゴマー・スペーサ
ー。
c)キチン・オリゴマー・スペーサーの非還元性末端に
過ヨウ素酸酸化によって生成された2個のアルデヒド基
に結合した2個のタウリン残基。
ピリジル・ジスルフィド残基によるドキソルビシンの誘
導体化 ドキソルビシンをキチン・オリゴマー・スペーサーの
還元性末端に結合させるために、そのC13カルボニル基
を、既報の方法(Hurwitz et al,1980;Hurmitz et al,1
983)により、ヒドラジド誘導体を用いて修飾した。本
実施例で用いたヒドラジド誘導体は、ヘテロ二官能性試
薬であり、1つのヒドラジド部分と1つのピリジル・ジ
スルフィド部分を含む(第7図)。ヒドラジド誘導体
[3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸 ヒドラジ
ド(PDPH)]の合成は、3段階の操作によって行なう。
すなわち、3−メルカプト プロピオン酸のピリジル・
ジスルフィド誘導体の調製、i−ブチル カルバゼート
によるカルボキシル基の縮合、次いで、HClで飽和させ
た酢酸エチルによる脱プロテクト、である。
58mg(0.1mmol)のドキソルビシン−HClを0.85mlの水
に溶かした溶液を、380mg(1mmol)のPDPH及び84mg(1.
02mmol)のNaOAcを0.6mlの水に溶かした溶液で処理し
た。この透き通った赤色溶液に、0.1MのNa2CO3を4.8ml
加え、室温(RT)で一晩撹拌した。この反応混合物を、
CHCl3/MeOH(3/1)で抽出し、結合抽出物を蒸発させ、
調製用TLC(Tapered Preparative Uniplate−T、CHCl3
/MeOH/NH4OH=90/10/1)によって精製し、化合物1を得
た。FAB−MS;m/z=755(M+1)。
チオエステル誘導体化キチン・オリゴ糖の調製(第8
図) キチンは、Rupley(1964)の開発した方法によって加
水分解し、P2ゲルろ過カラムを通して精製した。このよ
うにして得られたキチン・オリゴ糖を、第8図に示すよ
うに、誘導体化した。一例として、ペンタ−N−アセチ
ルキトペンタオース(2e)を用いる。0.44g(0.42mmo
l)のペンタ−N−アセチルキトペンタオース(2e)
を、10mlの水、8mlのエタノール及び1mlのフェニルヒド
ラジンに溶解した混合液を、二日間、125℃に加熱し
た。反応混合物を、RTに冷却し、20mlの水を加え、エー
テル(25mlx3)で抽出した。水相を凍結乾燥し、その生
成物をさらに、逆相カラム(C18)(40% MeOH/H2O)を
通して精製した。化合物3e(0.33g,0.29mmol)を、水
(20ml)に溶かし、茶匙1/4のラネー・ニッケルW−2
を加え、パー(Parr)の装置を用いて一晩水素化した。
反応混合物を、セライト床を通してろ過し、濃縮し、Do
wex 50−WX2(H+)イオン交換カラムにロードした。カ
ラムは、最初、80mlの水で溶出し、次に、50mlの2N−NH
4OHで行なった。溶出液を凍結乾燥し、0.15gの化合物4e
を得た。この化合物4e(0.15g,0.15mmol)を、水(5m
l)に溶解し、0.8mlのDMFに溶解した0.067g(0.29mmo
l)のSATAと混合し、RTで一晩撹拌した。この反応混合
物を、水(20ml)で希釈し、クロロホルム(20mlx3)で
抽出し、凍結乾燥して、化合物5eを得た。これを、10ml
の0.1M NaOHを用いて、RTで2時間加水分解し、凍結乾
燥して、黄色の粉末6eを得た。
チオエステル誘導体化キチン・オリゴマーの、ピリジル
・ジスルフィド誘導体化ドキソルビシンへの付着(第9
図) PDPH誘導体化ドキソルビジン1(0.01g,0.013mmol)
をエタノール(12ml)に溶解し、触媒量のHOAcを加え、
次に、0.25g(0.023mmol)の化合物6eを加え、RTで一晩
撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(10ml)に溶解さ
せ、CHCl3/MeOH=7/3で抽出し、結合抽出物を蒸発さ
て、暗褐色の粉末7を得た{TLCでは、検出できる量の
チオエステル誘導体化キチン・オリゴマー(6e)は示さ
れなかった。シリカ・ゲル、2−プロパノール/水/NH4
OH=72/27/1}。
タウリン残基の、チオエステル誘導体化キチン・オリゴ
マーへの付着(第10図) NaIO4によって、チオエステル誘導体化キチン・オリ
ゴマーを酸化すると、非還元性末端にジアルデヒドが形
成され、これは、タウリンと反応して、シッフの塩基を
形成する(8)。化合物8は、NaBH4より、より安定な
アミンに還元され、化合物9を与えた。0.1M NaOHで化
合物9を加水分解すると、還元性末端に遊離スルフヒド
リルを含む誘導体化キチン・オリゴマー・スペーサー
(10)が形成された。
開裂性キチン・オリゴマー・スペーサーを介してタウリ
ン残基を含むドキソルビシン誘導体の調製 ジスルフィド結合を介してキチン・オリゴマーを含む
ドキソルビシン誘導体(7)を、pH6.0で、RTで60分間
穏やかにNaIO4処理した。過剰のNaIO4をエチレングリコ
ールによって消滅させたのち、モルにして10倍過剰のタ
ウリン(ドキソルビシン誘導体にたいして)を、この反
応混合物に加えた。さらにRTで1時間インキュベーショ
ンした後、この誘導体を、pH7.2に調整して、細胞毒性
アッセイに用いた。化合物7のタウリン誘導体への変換
は、シリカ使用(2−プロパノール/水/NH4OH=72/27/
1)TLC分析によって確認した。
別の合成法では、第10図に示したキチン・スペーサー
を用いて、より安定性の高い薬剤誘導体の調製が可能で
ある。ピリジルジスルフィド誘導体化ドキソルビシン
(1)を、還元性末端に遊離スルフヒドリル基を含むタ
ウリン誘導体化キチン・オリゴマー(10)と反応させ、
第11図に示すようなドキソルビシン誘導体(11)を形成
する。
ドキソルビシン誘導体当りのスルホン酸の数 もし必要なら、薬剤誘導体当りの、スルホン酸残基の
数は簡単に変えることができる。例えば、1薬剤誘導体
当り、2個ではなく、4個のスルホン酸残基を結合させ
ることができる。これは、各々2個のスルホン酸残基を
含む、ヒドラジド誘導体を用いて行なう。また、負に帯
電した基の導入は、スルホン酸残基に限られるものでは
ない。例えば、リン酸塩またはリン酸残基(例えば、3
−アミノプロピルホスホン酸)を用いてもよい。
前駆薬におけるキチン・オリゴマー・スペーサーの長さ リゾチームによるキチン・オリゴマーの開裂の相対的
速度は、鎖の長さに比例する。例えば、キトヘキサオー
スは、キトトリオースよりも、30,000倍も高い速度で開
裂される(Imoto et al,1972)。したがって、ペンタマ
ーよりも大きなオリゴマー・スペーサーの場合、リゾチ
ームによってより活性化されやすい薬剤を形成すること
が予想される。
様々な長さのキチン・オリゴ糖を含むドキソルビシン誘
導体の細胞毒性 A2780卵巣癌細胞による3H−チミジン取り込みの阻害
を用いて、インビトロ細胞毒性を測定した。簡単に言う
と、イーグル改変最小必須培養液中の2x104個の細胞の
懸濁液0.1mlを、96ウェルの微小培養プレートのウェル
に加えた。0.6から10μg/ml濃度のドキソルビシンまた
はドキソルビシン誘導体の分液(0.1ml)を加え(同じ
ものを4つずつ)、その混合物を、加湿CO2インキュベ
ーター中で、37℃で4時間インキュベートした。0.1ml3
H−チミジン(10μCi/ml)を各ウェルに加え、16時間イ
ンキュベートした。その後、細胞を洗浄し、0.5N水酸化
ナトリウムで収穫し、3H−チミジンの取り込みについて
カウントした。第12図は、ドキソルビシンについて、典
型的なアッセイの結果を示したものである。第4表は、
(GlcNAc)と結合させるのに用いたリンカー(PDPH)
で修飾したドキソルビシンと、(GlcNAc)または(Gl
cNAc)と結合させたドキソルビシンとを比較したもの
である。ドキソルビシンの修飾の程度にかかわらず、薬
剤活性には検出できるような低下は見られなかった。こ
の結果から、リゾチームの作用によって生成される薬剤
は、天然のドキソルビシンと同様の細胞毒性を持つこと
が分かる。
開裂性キチン・オリゴマー・スペーサーを介してタウリ
ン残基を含むドキソルビシン誘導体の細胞毒性活性 第13図は、タウリン残基を含むドキソルビシン誘導体
の細胞毒性を、キトペンタオース・スペーサーを含む
が、タウリン残基を付着させないドキソルビシン誘導体
の細胞毒性と比較して示す。細胞毒性は、前述のように
測定した。タウリン含有薬剤の細胞毒性は、約20倍低か
った。タウリン残基を付着させたキチン・オリゴマー・
スペーサーを、リゾチームに暴露すると、スペーサーの
開裂が起こった。これは、TLC(2−プロパノール/水/
NH4OH=67/32/1)によって確認した。上記データから、
タウリン含有前駆薬は、様々な長さを持つキチン・オリ
ゴマーを含み、かつ、元の薬剤と同程度の活性を持つ、
活性薬剤種に変換できることが分かった(第4表)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 38/44 A61P 35/00 38/45 C12P 21/08 38/46 C07K 16/00 38/51 (C12P 21/08 38/52 C12R 1:91) 38/53 A61K 37/60 39/395 37/02 37/24 45/00 37/58 A61P 35/00 37/56 C12N 15/02 37/54 C12P 21/08 37/52 // C07K 16/00 37/50 (C12P 21/08 37/48 C12R 1:91) C12N 15/00 C (72)発明者 マツケイブ,リチヤード アメリカ合衆国、メリーランド・20850、 ロツクビル、カリアー・ドライブ・204 (72)発明者 ポマト,ニコラス アメリカ合衆国、メリーランド・21701、 フレデリツク、ミルストリーム・ドライ ブ・1809 (72)発明者 フオーゲル,カール―ウイルヘルム アメリカ合衆国、ワシントン・デイー・ シー・20016、ノース・ウエスト・1403、 マサチユーセツツ・アベニユー・4100 (56)参考文献 特開 昭60−172935(JP,A) 特開 昭61−227778(JP,A) 特開 昭63−115827(JP,A) 特開 昭63−112995(JP,A) 特開 昭61−134325(JP,A) 特開 昭61−47500(JP,A) 特開 昭61−119196(JP,A) 特開 昭60−70361(JP,A) 特表 昭59−500696(JP,A) 国際公開88/7378(WO,A1) 米国特許4631190(US,A) British Journal o f Cancer,58(6),700− 703,1988 CANCER RESEACH,46 (9),4463−4468,1986 ARCHIVES OF BIOCH EMISTRY AND BIOPHY SICS,250(2),312 近畿大学環境科学研究所研究報告、第 15号、141−148,1987 The Journal of Bi ological Chemistr y,250(11),4355−4 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 47/48 A61K 31/715 CA(STN)

Claims (40)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)a.1)標的組織の細胞に対して特異性
    を有する標的決定成分と a.2)アクチベータ とを含み、該アクチベータと該標的決定成分がお互いに
    結合しているアクチベータ−標的決定成分複合体、及び b)該アクチベータにより活性薬剤に変換され得る前駆
    薬 を含むキットであって、 − 該標的決定成分がヒト成分又はその類似体を含み、 − 該アクチベータがヒト由来のもの又は他の種由来の
    高度に保存されたその等価物であり、 − 該アクチベータは循環系中に天然に存在する基質に
    本質的に作用せず、 − 該アクチベータは、循環系中に本質的に見られな
    い、前駆薬を活性薬剤に変換する活性を有しており、 − 該前駆薬は細胞内に本質的に侵入し得ず、 − 該前駆薬は該アクチベータによって開裂可能なスペ
    ーサーを含み、かつ − 該活性薬剤は細胞に侵入することができる ことを特徴とするキット。
  2. 【請求項2】該標的決定成分がヒト抗体又はそのフラグ
    メントである請求項1のキット。
  3. 【請求項3】該抗体がモノクローナル抗体又はそのフラ
    グメントである請求項2のキット。
  4. 【請求項4】該ヒトモノクローナル抗体が16.88である
    請求項3のキット。
  5. 【請求項5】該標的決定成分がヒト化抗体又はそのフラ
    グメントである請求項1のキット。
  6. 【請求項6】該標的決定成分が非ヒト成分によって付さ
    れた抗原特異性を有する、ヒト成分から主として成るキ
    メラ抗体である請求項1のキット。
  7. 【請求項7】該アクチベータがヒト起源の酵素である請
    求項1のキット。
  8. 【請求項8】該アクチベータが下等生物種由来の高度に
    保存された酵素である請求項1のキット。
  9. 【請求項9】該酵素がヒドロラーゼ、酸化還元酵素、ト
    ランスフェラーゼ、イソメラーゼ、リアーゼ及びリガー
    ゼから成るグループから選ばれる請求項7又は8のキッ
    ト。
  10. 【請求項10】該酵素がエンドグルコシダーゼである請
    求項7又は8のキット。
  11. 【請求項11】該酵素がリゾチームである請求項10のキ
    ット。
  12. 【請求項12】請求項1に記載のキットであって、前駆
    薬が活性薬剤及び該活性薬剤に開裂可能なスペーサーを
    介して結合する負に帯電した残基を含み、該前駆薬の細
    胞への取込みが負に帯電した残基により阻害されること
    を特徴とする前記キット。
  13. 【請求項13】該開裂可能なスペーサーがN−アセチル
    グルコサミンのオリゴマーである請求項12のキット。
  14. 【請求項14】該スペーサーがキチンオリゴマーである
    請求項13のキット。
  15. 【請求項15】該前駆薬が非毒性薬剤誘導体である請求
    項12〜14のいずれかのキット。
  16. 【請求項16】該前駆薬がスペーサーに結合した抗癌剤
    から誘導される請求項12〜15のいずれかのキット。
  17. 【請求項17】該抗癌剤がアントラサイクリンである請
    求項16のキット。
  18. 【請求項18】該アントラサイクリンがドキソルビシン
    である請求項17のキット。
  19. 【請求項19】該前駆薬がキチンオリゴマースペーサー
    を介して薬剤に結合した負残基も含む請求項16〜18のい
    ずれかのキット。
  20. 【請求項20】該前駆薬が a)抗癌薬剤としてのドキソルビシン、 b)該薬剤に結合したキチンオリゴマースペーサー、及
    び c)キチンオリゴマースペーサーを介して薬剤に結合し
    た2つのタウリン残基 からなる請求項1のキット。
  21. 【請求項21】該標的決定成分がアクチベータとしての
    リゾチームに結合している請求項1〜6のいずれかのキ
    ット。
  22. 【請求項22】該前駆薬が開裂可能なスペーサーとして
    N−アセチルグルコサミンのオリゴマーを含む請求項21
    のキット。
  23. 【請求項23】該前駆薬が開裂可能なスペーサーとして
    のキチンオリゴマーを含む請求項22のキット。
  24. 【請求項24】該前駆薬がスペーサーに結合した抗癌剤
    を含む請求項21〜23のいずれかのキット。
  25. 【請求項25】該抗癌剤がアントラサイクリンである請
    求項24のキット。
  26. 【請求項26】該アントラサイクリンがドキソルビシン
    である請求項25のキット。
  27. 【請求項27】該アクチベータが標的決定成分としての
    ヒトモノクローナル抗体に結合したリゾチームであり、
    該前駆薬が a)抗癌剤としてのドキソルビシン、 b)該薬剤に結合した開裂可能なスペーサーとしてのキ
    チンオリゴマー、及び c)キチンオリゴマースペーサーを介して前駆薬に結合
    した負残基 を含む請求項1のキット。
  28. 【請求項28】アクチベータとしてリゾチーム及び標的
    決定成分としてヒト抗体又はそのフラグメントを含む、
    請求項1に記載のキットに用いるための治療用アクチベ
    ータ−標的決定成分複合体。
  29. 【請求項29】該抗体がモノクローナルである請求項28
    の複合体。
  30. 【請求項30】該抗体がヒトモノクローナル抗体16.88
    である請求項29の複合体。
  31. 【請求項31】アクチベータとしてリゾチーム及び標的
    決定成分としてヒト化抗体を含む、請求項1に記載のキ
    ットに用いるための治療用アクチベータ−標的決定成分
    複合体。
  32. 【請求項32】アクチベータとしてリゾチーム及び標的
    決定成分として非ヒト成分により付与された抗原特異性
    を有する、ヒト成分から主として成るキメラ抗体を含
    む、請求項1に記載のキットに用いるための治療用アク
    チベータ−標的決定成分複合体。
  33. 【請求項33】請求項28〜32のいずれかのアクチベータ
    −標的決定成分複合体及び医薬上許容可能なキャリアを
    含む医薬製剤。
  34. 【請求項34】リゾチームにより開裂可能なスペーサー
    を含む、請求項1に記載のキットに用いるための治療用
    前駆薬。
  35. 【請求項35】該開裂可能なスペーサーがキチンオリゴ
    マーである請求項34の前駆薬。
  36. 【請求項36】請求項34又は35の前駆薬及び医薬上許容
    可能なキャリアを含む医薬製剤。
  37. 【請求項37】キチンオリゴマースペーサーに結合した
    抗癌剤を含む、請求項1に記載のキットを用いるための
    治療用前駆薬。
  38. 【請求項38】該抗癌剤がアントラサイクリンである請
    求項37の前駆薬。
  39. 【請求項39】該抗癌剤がドキソルビシンである請求項
    37又は38の前駆薬。
  40. 【請求項40】請求項37〜39のいずれかの前駆薬及び医
    薬上許容可能なキャリアを含む医薬製剤。
JP50311690A 1989-01-23 1990-01-23 治療薬の部位特異的インビボ活性化 Expired - Fee Related JP3273608B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US30099989A 1989-01-23 1989-01-23
US300,999 1989-01-23

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04503068A JPH04503068A (ja) 1992-06-04
JP3273608B2 true JP3273608B2 (ja) 2002-04-08

Family

ID=23161497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50311690A Expired - Fee Related JP3273608B2 (ja) 1989-01-23 1990-01-23 治療薬の部位特異的インビボ活性化

Country Status (12)

Country Link
EP (1) EP0454783B1 (ja)
JP (1) JP3273608B2 (ja)
KR (1) KR0185967B1 (ja)
AT (1) ATE123414T1 (ja)
AU (1) AU648015B2 (ja)
CA (1) CA2025899A1 (ja)
DE (1) DE69019959T2 (ja)
DK (1) DK0454783T3 (ja)
ES (1) ES2075893T3 (ja)
FI (1) FI97692C (ja)
NO (1) NO912864L (ja)
WO (1) WO1990007929A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5773435A (en) * 1987-08-04 1998-06-30 Bristol-Myers Squibb Company Prodrugs for β-lactamase and uses thereof
US5851527A (en) * 1988-04-18 1998-12-22 Immunomedics, Inc. Method for antibody targeting of therapeutic agents
EP1327454A3 (en) * 1989-08-02 2003-12-03 Mitra Medical Technology AB Method of treatment with medical agents
US6610299B1 (en) 1989-10-19 2003-08-26 Aventis Pharma Deutschland Gmbh Glycosyl-etoposide prodrugs, a process for preparation thereof and the use thereof in combination with functionalized tumor-specific enzyme conjugates
DE4106389A1 (de) * 1991-02-28 1992-09-03 Behringwerke Ag Fusionsproteine zur prodrug-aktivierung, ihre herstellung und verwendung
US6475486B1 (en) 1990-10-18 2002-11-05 Aventis Pharma Deutschland Gmbh Glycosyl-etoposide prodrugs, a process for preparation thereof and the use thereof in combination with functionalized tumor-specific enzyme conjugates
US7241595B2 (en) 1989-10-20 2007-07-10 Sanofi-Aventis Pharma Deutschland Gmbh Glycosyl-etoposide prodrugs, a process for preparation thereof and the use thereof in combination with functionalized tumor-specific enzyme conjugates
EP0505357B1 (en) * 1989-12-11 1999-03-10 Immunomedics, Inc. Method for antibody targeting of diagnostic or therapeutic agents
SE9100142L (sv) * 1991-01-17 1992-07-18 Bengt Sandberg En metod och ett system foer foerbaettrad in vivo reducering av diagnostiska och/eller terapeutiska substanser medelst extrakorporeal borttagning, och anvaendandet av naemnda substanser foer detta aendamaal
FR2676058B1 (fr) * 1991-04-30 1994-02-25 Hoechst Lab Prodrogues glycosylees, leur procede de preparation et leur utilisation dans le traitement des cancers.
AU4663493A (en) * 1992-07-06 1994-01-31 Hybritech Incorporated Method for delivery of cytotoxic agents and components thereof
GB9323429D0 (en) * 1993-11-12 1994-01-05 Wellcome Found Therapy
ATE222124T1 (de) * 1994-12-23 2002-08-15 Astrazeneca Ab Chemische mittel
US6436691B1 (en) 1995-08-16 2002-08-20 Zeneca Limited Chemical compounds
DK0795334T3 (da) * 1996-03-12 2006-06-06 Sanofi Aventis Deutschland Nye prodrugs til behandling af tumorer og betændelsessygdomme
PL229108B1 (pl) * 2014-08-22 2018-06-29 Celther Polska Spolka Z Ograniczona Odpowiedzialnoscia Sposób wydzielania i oczyszczania estrów chityny (mono-, di‑podstawionych) oraz kopoliestrów chityny z mieszanin poreakcyjnych

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4067774A (en) * 1971-05-14 1978-01-10 Syva Company Compounds for enzyme amplification assay
LU85581A1 (fr) * 1984-10-10 1986-06-11 Smb Lab Ensembles d'anticorps monoclonaux diriges contre la lactoferrine humaine et le lysozyme humain
JPS62138496A (ja) * 1985-12-11 1987-06-22 Ihara Chem Ind Co Ltd キチンオリゴマ−の製造方法
DE3855280T2 (de) * 1987-07-02 1996-09-19 Akzo Nv Von mca 16-88 erkanntes antigen
NZ225599A (en) * 1987-08-04 1991-09-25 Bristol Myers Co Antibody-enzyme conjugates and combinations with prodrugs for the treatment of tumour cells
ZA893284B (en) * 1988-05-04 1990-03-28 Igen Inc Peptide analogs and their use as haptens to elicit catalytic antibodies

Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ARCHIVES OF BIOCHEMISTRY AND BIOPHYSICS,250(2),312
British Journal of Cancer,58(6),700−703,1988
CANCER RESEACH,46(9),4463−4468,1986
The Journal of Biological Chemistry,250(11),4355−4
近畿大学環境科学研究所研究報告、第15号、141−148,1987

Also Published As

Publication number Publication date
FI97692C (fi) 1997-02-10
FI97692B (fi) 1996-10-31
WO1990007929A1 (en) 1990-07-26
KR910700072A (ko) 1991-03-13
EP0454783A4 (en) 1992-01-15
DE69019959D1 (de) 1995-07-13
DE69019959T2 (de) 1995-10-05
EP0454783A1 (en) 1991-11-06
CA2025899A1 (en) 1990-07-24
NO912864D0 (no) 1991-07-22
AU5039790A (en) 1990-08-13
EP0454783B1 (en) 1995-06-07
ES2075893T3 (es) 1995-10-16
FI913511A0 (fi) 1991-07-22
AU648015B2 (en) 1994-04-14
DK0454783T3 (da) 1995-10-16
NO912864L (no) 1991-09-19
ATE123414T1 (de) 1995-06-15
KR0185967B1 (ko) 1999-05-01
JPH04503068A (ja) 1992-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5433955A (en) Site specific in vivo activation of therapeutic drugs
JP3273608B2 (ja) 治療薬の部位特異的インビボ活性化
US4937183A (en) Method for the preparation of antibody-fragment conjugates
AU583854B2 (en) Antibody therapeutic agent conjugates
AU646121B2 (en) Acid-labile linker molecules
AU610062B2 (en) Diagnostic and therapeutic antibody conjugates
US5157104A (en) Trichothecene conjugates
JP2726635B2 (ja) 抗体−酵素結合体
JPH0588686B2 (ja)
HU189246B (en) Process for preparing conjugates of an enzyme and an antobody formed by covalents bonds
JPH03504645A (ja) 架橋抗体およびその製造方法
HU210147B (en) Process for producing antibody-drug conjugates and pharmaceutical compositions containing them
IE52239B1 (en) Conjugates of vindesine with immunoglobulin or fragments thereof
JPH06507918A (ja) in vivo 結合対プレターゲティング
US5155210A (en) Methods of conjugating actinomycin d
KR950007215B1 (ko) 오시딕 단위를 산화시키고 쉬프염기를 형성하여 리보솜을 비활성화시키는 당단백질을 변형시키는 방법
JPH05238951A (ja) モルホリノアントラサイクリンの抗体への化学結合
JPS61200925A (ja) 長期作用型免疫毒素および製造方法
US4919928A (en) Conjugates in which a monovalent carboxylic ionophore is associated by means of a covalent bond with a macromolecule, their use as immunotoxin potentiators and the intermediate activated ionophores
JPH05500953A (ja) 免疫共役体およびその代謝物の非標的保持量を減少させる方法
JPS62175500A (ja) 修飾糖タンパク質、当該修飾糖タンパク質の製造方法、当該修飾糖タンパク質を含む免疫毒素および当該免疫毒素を有効成分として含む抗ガン剤組成物
FR2610198A1 (fr) Conjugues d'hydrazide d'alcaloide de vinca lie a une immunoglobuline, procede de preparation et compositions pharmaceutiques en comprenant
JPS6156198A (ja) イオノフオアと高分子とをカツプリングさせた包合体およびその使用法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees