JP3273347B2 - 液体圧送装置 - Google Patents

液体圧送装置

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JP3273347B2
JP3273347B2 JP30687194A JP30687194A JP3273347B2 JP 3273347 B2 JP3273347 B2 JP 3273347B2 JP 30687194 A JP30687194 A JP 30687194A JP 30687194 A JP30687194 A JP 30687194A JP 3273347 B2 JP3273347 B2 JP 3273347B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水や燃料等の液体を圧
送する液体圧送装置に関するものである。本発明の液体
圧送装置は、蒸気配管系で発生した復水を一旦集め、こ
の復水をボイラ―や廃熱利用装置に送る装置として特に
適するものである。
【0002】
【従来の技術】蒸気配管系で凝縮して発生した復水は、
まだ相当の熱量を有していることが多く、そのためエネ
ルギ―の有効活用のため、液体圧送装置を用いて復水を
回収し、この復水をボイラ―や廃熱利用装置に送って廃
熱を有効利用する復水回収システムが広く普及してい
る。
【0003】復水回収システムに利用される液体圧送装
置は、復水を一旦密閉容器内に回収し、更に切替え弁を
切り換えて密閉容器内に蒸気等の高圧の作動流体を導入
し、この作動流体の圧力によって密閉容器内の復水を強
制的に排出するものである。そのため液体圧送装置を高
効率で稼働させるためには、密閉容器内にできるだけ多
量の復水を溜め、切替え弁を確実に切り換える必要があ
る。
【0004】そこで液体圧送装置では、一般にコイルバ
ネを利用したスナップ機構が採用され、切替え弁の切り
換えを確実にすることが行なわれてきた。コイルバネを
利用したスナップ機構を内蔵する液体圧送装置には、例
えば米国特許5141405号に開示された構成があ
る。
【0005】図6は従来技術の液体圧送装置のスナップ
機構の正面図である。前記した米国特許5141405
号に開示された液体圧送装置では、スナップ機構100
は、フロ―トア―ム101、副ア―ム102及び圧縮状
態のコイルバネ103によって構成される。そしてフロ
―トア―ム101は支持部材105に対してピン106
によって揺動可能に固定され、先端にはフロ―ト108
が取り付けられている。
【0006】副ア―ム102はフロ―トア―ム101と
同一のピン106で一端が支持部材105と結合され、
他端はばね受け部材116を介してピン110によって
コイルバネ103の一端と結合されている。副ア―ム1
02の中間部にはピン107により弁軸操作棒111が
連結されている。この弁軸操作棒111は図示しない切
替え弁に連結されており、スナップ機構100は弁軸操
作棒111を介して切替え弁とリンクされている。
【0007】また図6におけるコイルバネ103の他端
はばね受け部材115を介してピン112によってフロ
―トア―ム101と結合されている。従来技術の液体圧
送装置では、図示しない密閉容器内に復水が溜まるとフ
ロ―ト108が浮上し、このフロ―ト108の浮上に連
動してコイルバネ103のバネ受け部材115側が上方
向に移動し、コイルバネ103は圧縮変形する。そして
フロ―ト108が更に上昇し、コイルバネ103と副ア
―ム102が直線状に並び、なおもフロ―ト108が上
昇してコイルバネ103と副ア―ム102の角度が18
0度を越えると、コイルバネ103は急激に変形を回復
し、コイルバネ103と副ア―ム102間の連結部(ピ
ン110)は下側にスナップ移動する。その結果、副ア
―ムに連結された弁軸操作棒111が下側に移動し、図
示しない切替え弁が急激に切り換えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の液体圧送装
置100は、簡単な構成で比較的効率良く液体の圧送を
行うことができるものであるが、切替え弁を確実に切り
換えるだけの力を得るために、大きな浮力、即ち大きな
フロ―トを必要とする問題があった。これは、従来技術
の液体圧送装置100では、ピン106とピン110及
びピン112で形成される三角形において、ピン106
とピン112間の距離がピン106とピン110間の距
離よりも長く、即ちピン106とピン112間の距離が
長いものであるために、副ア―ム102に伝達するフロ
―トア―ム101による浮力の拡大比が小さいためであ
る。またピン106とピン110間の距離が短いもので
あるために、弁軸操作棒111に伝達する副ア―ム10
2による拡大比も小さいためである。
【0009】本発明は、従来技術の上記した問題点に注
目し、小さな浮力であっても強力な力で切替え弁を切り
換えることができ、動作が確実な液体圧送装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための技術的手段】本発明の特徴は、
作動流体導入口と作動流体排出口と圧送液体流入口及び
圧送液体排出口を有する密閉容器内にフロ―トと切替え
弁及びスナップ機構が内蔵され、スナップ機構は、密閉
容器内に支持された第1の軸と、前記第1の軸の周りに
回転するフロ―トア―ム及び副ア―ムと、前記第1の軸
から離れた点において前記フロ―トア―ムに支持されて
前記第1の軸と平行な第2の軸と、前記第1の軸から離
れた点において前記副ア―ムに支持されて前記第1の軸
と平行な第3の軸と、前記第2及び第3の軸の間に取り
付けられて両取り付け部が回転可能である圧縮コイルバ
ネを有し、前記フロ―トが前記フロ―トア―ムに連結さ
れ、前記切替え弁が弁軸操作棒を介して前記副ア―ムに
連結された液体圧送装置において、前記第1の軸と前記
第3の軸間の距離を前記第1の軸と前記第2の軸間の距
離よりも長くした液体圧送装置にある。
【0011】
【作用】本発明の液体圧送装置は、従来公知のそれと同
様にフロ―トの移動に応じてコイルバネがスナップ移動
し、切替え弁が切り換えられて密閉容器内に溜まった液
体を圧送する。即ち、密閉容器内に復水が溜まるとフロ
―トが浮上し、このフロ―トの浮上に連動してフロ―ト
ア―ムが第1の軸の周りに回転して、フロ―トア―ムと
コイルバネの連結部である第2の軸側が第1の軸と第3
の軸を結ぶ線に近付く方向に移動し、コイルバネは圧縮
変形する。そしてフロ―トが更に上昇し、第2の軸が第
1の軸と第3の軸を結ぶ線上に並び、なおもフロ―トが
上昇して第2の軸が第1の軸と第3の軸を結ぶ線を越え
ると、コイルバネは急激に変形を回復し、コイルバネと
副ア―ム間の連結部である第3の軸が、第1の軸と第2
の軸を結ぶ線に対して初期とは反対側にスナップ移動す
る。その結果、弁軸操作棒が移動し、切替え弁が急激に
切り換えられる。
【0012】そして本発明の液体圧送装置で採用するス
ナップ機構は、第1の軸と第3の軸間の距離を第1の軸
と第2の軸間の距離よりも長くしたものであるので、即
ち、第1の軸と第2の軸及び第3の軸で形成される三角
形において、第1の軸と第2の軸間の距離が短く、第1
の軸と第3の軸間の距離が長いものであるので、副ア―
ムに伝達するフロ―トア―ムによる浮力の拡大比が大き
くなり、また弁軸操作棒に伝達する副ア―ムによる拡大
比も大きくなる。従って、小さな浮力、即ち小さなフロ
―トを用いたものであっても強力な力で切替え弁を切り
換えることができる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例について説明す
る。図1は本発明の具体的実施例の液体圧送装置の断面
図である。図2は、図1のスナップ機構の拡大断面図で
ある。図3は、図2のA−A断面図である。図1におい
て、本実施例の液体圧送装置1は、密閉容器2内にフロ
―ト3、切替え弁4、スナップ機構5及び弁手段6が配
置されたものである。
【0014】順次説明すると、密閉容器2は、本体部7
と蓋部8が図示しないネジによって結合され、内部に液
体溜空間10が形成されたものである。本実施例では密
閉容器2の本体部7は単なる容器であり、本実施例の特
徴的な構成要素は、概ね密閉容器2の蓋部8に設けられ
ている。即ち蓋部8には、4つの開口、具体的には作動
流体導入口11,作動流体排出口13,圧送液体流入口
16,圧送液体排出口17が設けられている。
【0015】作動流体導入口11の内側、言い換えると
密閉容器2内部側の位置に給気弁20が取り付けられて
おり、作動流体排出口13の内側には排気弁21が取り
付けられている。ここで給気弁20は、弁ケ―ス22と
弁体23及び昇降棒24によって構成される。弁ケ―ス
22は軸方向に貫通孔を有し、該貫通孔の上端面は弁座
25として機能する。弁ケ―ス22の中間部には、前記
した貫通孔と外部とを連通する4つの開口26が設けら
れている。弁体23は、半球状であり、昇降棒24の先
端に一体的に取り付けられている。
【0016】本実施例の液体圧送装置1では、給気弁2
0の弁ケ―ス22の先端が、作動流体導入口11の中に
ねじ込まれている。そして弁体23は作動流体導入口1
1側にあり、昇降棒24は弁ケ―ス22の貫通孔を通っ
て密閉容器2側に抜け、連設板27に当接するようにな
っている。連設板27は、弁軸操作棒28に連結されて
いる。さらに弁軸操作棒28はスナップ機構5と連結さ
れている。
【0017】排気弁21は、弁ケ―ス29と弁体30と
昇降棒31によって構成される。弁ケ―ス29は軸方向
に貫通孔を有し、該貫通孔の内部に弁座32があり、弁
座32の下から昇降棒31の先端に保持固定された弁体
30が当接して開閉を行うものである。尚、弁軸操作棒
28と昇降棒31とはピン33で連結されている。給気
弁20と排気弁21とで切替え弁4が構成され、給気弁
20が開くと排気弁21は閉じ、給気弁20が閉じると
排気弁21は開く。
【0018】圧送液体流入口16は蓋部8のほぼ中央に
あり、圧送液体排出口17は密閉容器2の下部に相当す
る位置に設けられている。
【0019】フロ―ト3は、レバ―34及び軸35を介
してブラケット36によって支持されており、スナップ
機構5は、第1の軸37を介してブラケット38によっ
て支持されている。そしてブラケット36とブラケット
38は図示しないネジによって結合され密閉容器2の蓋
部8に一体的に取り付けられている。レバ―34は、図
3の様に板を「U」字状に曲げ加工して作られたもので
あり、2枚の板が平行に対向している。そしてレバ―3
4の曲げ加工された部分にフロ―ト3が結合されてい
る。またレバ―34の他端部には軸40が取り付けられ
ている。
【0020】ブラケット36は上から見ると、図3の様
に「L」字状をした2枚の板よりなり、軸41,42及
び前記した軸35が掛け渡されて連結されたものであ
る。軸35はフロ―ト3の揺動軸を兼ねている。フロ―
ト3は軸35を中心として上下に揺動する。また軸4
1,42はそれぞれフロ―ト3の上下限のストッパを兼
用している。一方ブラケット38も同様に、「L」字状
をした2枚の板よりなり、軸43及び前記した第1の軸
37が掛け渡されて連結されたものである。軸43は下
記の副ア―ム52のストッパ―を兼ねている。
【0021】スナップ機構5は、フロ―トア―ム51、
副ア―ム52、圧縮状態のコイルバネ54、バネ受け部
材55及びバネ受け部材56からなるものである。フロ
―トア―ム51は、図3の様に平行に対向した2枚の板
よりなり、2枚の板の左端部には、溝57が設けられて
いる。フロ―トア―ム51は前記した第1の軸37によ
って右端部が回転可能に支持されている。またフロ―ト
ア―ム51の溝57には前記したレバ―34の軸40が
嵌合している。そのためフロ―トア―ム51は、フロ―
ト3の浮沈に追従し、第1の軸37を中心として上下に
揺動する。
【0022】フロ―トア―ム51の右端部は下方に脹
れ、その下端部には、前記した第1の軸37と平行な第
2の軸58が掛け渡され、バネ受け部材55が第2の軸
58によって回転可能に支持されている。また、前記し
た第1の軸37に副ア―ム52の上端部が回転可能に支
持されている。副ア―ム52は、図3の様に平行に対向
した2枚の板よりなり、夫々の板は逆「L」字状をして
いる。副ア―ム52の下端部には、前記した第1及び第
2の軸37,58と平行な第3の軸59が掛け渡され、
バネ受け部材56が第3の軸59によって回転可能に支
持されている。そして両バネ受け部材55,56の間に
圧縮状態のコイルバネ54が取り付けられている。また
副ア―ム52の上左端部に軸60が掛け渡され、弁軸操
作棒28の下端が連結されている。フロ―トア―ム51
には、軸60の動きを妨げないように、窓81が開けら
れている。
【0023】圧送液体排出口17の液体溜空間10側に
は、複座弁である弁手段6が設けられている。弁手段6
は、上下弁ケ―ス61,62と上下弁体63,64及び
排水弁軸71とからなるものである。上弁ケ―ス61と
下弁ケ―ス62は図示しないネジによって固着され、上
弁ケ―ス61が図示しないネジによって蓋部8に固着さ
れている。上弁ケ―ス61には上弁座66が形成され、
下弁ケ―ス62には下弁座67が形成されている。上弁
体63に連結棒65がねじ結合され、ナット68で緩み
止めされている。上弁体63の下部軸部に下弁体64
が、連結管69で一定間隔隔てられて、ねじ結合されて
いる。
【0024】連結棒65の上端は軸70によって揺動可
能に排水弁軸71に連結され、さらに排水弁軸71の上
端は、フロ―トア―ム51に軸72によって揺動可能に
連結されている。上下弁体63,64は、フロ―ト3の
上昇に応じて下方に移動し、液体溜空間10と圧送液体
排出口17とを連通すると共に、フロ―トの降下に応じ
て上方に移動し、図1に示す様に液体溜空間10と圧送
液体排出口17とを遮断するものである。
【0025】次に本実施例の液体圧送装置1の作用につ
いて、作動流体として蒸気を用いた場合の一連の動作手
順を追うことによって説明する。まず液体圧送装置1の
外部配管は、作動流体導入口11が高圧の蒸気源に接続
され、作動流体排出口13は、蒸気循環配管に接続され
る。また圧送液体流入口16は、外部から液体溜空間1
0に向かって開く逆止弁(図示せず)を介して蒸気使用
装置等の負荷に接続される。一方圧送液体排出口17
は、液体溜空間10から外部に向かって開く逆止弁(図
示せず)を介してボイラ―等の液体圧送先へ接続され
る。
【0026】本実施例の液体圧送装置1の液体溜空間1
0内に復水が無い場合は、図1に示す様にフロ―ト3は
底部に位置する。このとき、切替え弁4における給気弁
20が閉じられ、排気弁21が開かれている。また弁手
段6が閉じられている。そして蒸気使用装置等の負荷内
で復水が発生すると、復水は圧送液体流入口16から液
体圧送装置1に流下して、液体溜空間10内に溜まる。
【0027】液体溜空間10内に溜まった復水によって
フロ―ト3が浮上すると、レバ―34が軸35を中心に
時計回り方向に回転し、排水弁軸71との連結部である
軸72が下方に移動し、排水弁軸71及び連結棒65を
介して上下弁体63,64が下方に移動し、弁手段62
が開弁する。
【0028】一方スナップ機構5側では、レバ―34の
回転による軸40の下方への移動に連動して、フロ―ト
ア―ム51が第1の軸37を中心に反時計回り方向に回
転し、コイルバネ54との連結部である第2の軸58が
右方に移動して第1の軸37と第3の軸59を結ぶ線に
近付き、コイルバネ54は圧縮変形する。そしてフロ―
ト3が更に上昇し、第2の軸58が第1の軸37と第3
の軸59を結ぶ線上に並び、なおもフロ―ト3が上昇し
て第2の軸58が第1の軸37と第3の軸59を結ぶ線
よりも右方に移動すると、コイルバネ54は急激に変形
を回復し、副ア―ム52が時計回り方向に回転して第3
の軸59が左方にスナップ移動する。その結果、副ア―
ム52の軸60に連結された弁軸操作棒28が上側に移
動し、給気弁20が開口されると共に排気弁21が閉じ
られる。
【0029】作動流体導入口11が開放されると、密閉
容器2内に高圧蒸気が導入され、内部の圧力が上昇し、
液体溜空間10に溜まった復水は、蒸気圧に押されて圧
送液体排出口17から図示しない逆止弁を介して外部の
ボイラ―や廃熱利用装置へ排出される。
【0030】復水を排出した結果復水溜空間10内の水
位が低下し、フロ―ト3が降下する。すると、レバ―3
4が軸35を中心に反時計回り方向に回転し、排水弁軸
71との連結部である軸72が上方に移動し、先とは全
く逆の経路をたどり、弁手段62が閉弁する。
【0031】一方スナップ機構5側では、レバ―34の
回転による軸40の上方への移動に連動して、フロ―ト
ア―ム51が第1の軸37を中心に時計回り方向に回転
し、コイルバネ54との連結部である第2の軸58が左
方に移動して第1の軸37と第3の軸59を結ぶ線に近
付き、コイルバネ54は圧縮変形する。そしてフロ―ト
3が更に降下し、第2の軸58が第1の軸37と第3の
軸59を結ぶ線上に並び、なおもフロ―ト3が降下して
第2の軸58が第1の軸37と第3の軸59を結ぶ線よ
りも左方に移動すると、コイルバネ54は急激に変形を
回復し、副ア―ム52が反時計回り方向に回転して第3
の軸59が右方にスナップ移動する。その結果、副ア―
ム52の軸60に連結された弁軸操作棒28が下側に移
動し、給気弁20が閉じ、排気弁21が開口する。
【0032】以上の実施例では、フロ―ト3は、レバ―
34を介してフロ―トア―ム51に連結した。次にフロ
―ト3を直接フロ―トア―ムに連結する構成について説
明する。尚、以下に述べる実施例では、先の実施例と同
一の作用を行う部材に付いては同一の番号を付し、重複
説明を避けることとする。
【0033】図4は本発明の具体的実施例の液体圧送装
置で採用するスナップ機構の図2と同様な拡大断面図で
ある。図5は、図4のB−B断面図である。
【0034】フロ―ト3は、フロ―トア―ム51及び第
1の軸37を介してブラケット36によって支持されて
おり、スナップ機構5は、前記した第1の軸37を介し
てブラケット36によって支持されている。そしてブラ
ケット36は密閉容器の蓋部に一体的に取り付けられて
いる。ブラケット36は上から見ると、図5の様に
「L」字状をした2枚の板よりなり、軸43及び前記し
た第1の軸37が掛け渡されて連結されたものである。
軸43は下記の副ア―ム52のストッパ―を兼ねてい
る。
【0035】スナップ機構5は、フロ―トア―ム51、
副ア―ム52、圧縮状態のコイルバネ54、バネ受け部
材55及びバネ受け部材56からなるものである。フロ
―トア―ム51は、図5の様に板を「U」字状に曲げ加
工して作られたものであり、2枚の板が平行に対向して
いる。そしてフロ―トア―ム51の曲げ加工された部分
にフロ―ト3が結合されている。フロ―ト3は前記した
第1の軸37を中心として上下に揺動する。
【0036】フロ―トア―ム51の右端部は右下方に脹
れ、その右端部には、前記した第1の軸37と平行な第
2の軸58が掛け渡され、バネ受け部材55が第2の軸
58によって回転可能に支持されている。また、前記し
た第1の軸37に副ア―ム52の上端部が回転可能に支
持されている。副ア―ム52は、図5の様に平行した2
枚の板よりなり、夫々の板は逆「L」字状をしている。
副ア―ム52の下端部には、前記した第1及び第2の軸
37,58と平行な第3の軸59が掛け渡され、バネ受
け部材56が第3の軸59によって回転可能に支持され
ている。そして両バネ受け部材55,56の間に圧縮状
態のコイルバネ54が取り付けられている。また副ア―
ム52の上中間部に軸60が掛け渡され、弁軸操作棒2
8の下端が連結されている。
【0037】本実施例のスナップ機構5の動作を説明す
る。フロ―ト3が浮上すると、フロ―トア―ム51が第
1の軸37を中心に時計回り方向に回転し、コイルバネ
54との連結部である第2の軸58が左方に移動して第
1の軸37と第3の軸59を結ぶ線に近付き、コイルバ
ネ54は圧縮変形する。そしてフロ―ト3が更に上昇
し、第2の軸58が第1の軸37と第3の軸59を結ぶ
線上に並び、なおもフロ―ト3が上昇して第2の軸58
が第1の軸37と第3の軸59を結ぶ線よりも左方に移
動すると、コイルバネ54は急激に変形を回復し、副ア
―ム52が反時計回り方向に回転して第3の軸59が右
方にスナップ移動する。その結果、副ア―ム52の軸6
0に連結された弁軸操作棒28が上側に移動する。
【0038】
【発明の効果】本発明の液体圧送装置では、第1の軸と
第3の軸間の距離を第1の軸と第2の軸間の距離よりも
長くしている。そのため第1の軸と第2の軸間の距離を
短く、第1の軸と第3の軸間の距離を長くでき、副ア―
ムに伝達するフロ―トア―ムによる浮力の拡大比が大き
くなり、また弁軸操作棒に伝達する副ア―ムによる拡大
比も大きくなる。そのため本発明の液体圧送装置は、小
さなフロ―トを用いたものであっても強力な力で切替え
弁を切り換えて、確実に液体を圧送できる優れた効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的実施例の液体圧送装置の断面図
である。
【図2】図1のスナップ機構の拡大断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明の具体的実施例の液体圧送装置で採用す
る他のスナップ機構の断面図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】従来技術の液体圧送装置におけるスナップ機構
の断面図である。
【符号の説明】
2 密閉容器 3 フロ―ト 4 切替え弁 5 スナップ機構 11 作動流体導入口 13 作動流体排出口 16 圧送液体流入口 17 圧送液体排出口 20 給気弁 21 排気弁 28 弁軸操作棒 37 第1の軸 51 フロ―トア―ム 52 副ア―ム 54 圧縮状態のコイルバネ 58 第2の軸 59 第3の軸

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体導入口と作動流体排出口と圧送
    液体流入口及び圧送液体排出口を有する密閉容器内にフ
    ロ―トと切替え弁及びスナップ機構が内蔵され、スナッ
    プ機構は、密閉容器内に支持された第1の軸と、前記第
    1の軸の周りに回転するフロ―トア―ム及び副ア―ム
    と、前記第1の軸から離れた点において前記フロ―トア
    ―ムに支持されて前記第1の軸と平行な第2の軸と、前
    記第1の軸から離れた点において前記副ア―ムに支持さ
    れて前記第1の軸と平行な第3の軸と、前記第2及び第
    3の軸の間に取り付けられて両取り付け部が回転可能で
    ある圧縮コイルバネを有し、前記フロ―トが前記フロ―
    トア―ムに連結され、前記切替え弁が弁軸操作棒を介し
    て前記副ア―ムに連結された液体圧送装置において、前
    記第1の軸と前記第3の軸間の距離を前記第1の軸と前
    記第2の軸間の距離よりも長くしたことを特徴とする液
    体圧送装置。
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