JP3271928B2 - 免震建造物の防火壁の構造 - Google Patents

免震建造物の防火壁の構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免震建造物の防火
構造に係わり、より具体的には免震装置を施工した建造
物に防火区画を構成する防火壁の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】建造物に使用される免震装置として、鋼
板とゴムとを交互に積み重ねて構成された積層体からな
るものが広く使用され、これらは個々に独立した耐火被
覆構造を備え各個に耐火性能が付与されている。一般
に、免震装置は基礎と建物の間に設けられ、衝撃が直接
建物に伝わらないようになっており、免震装置が建物の
荷重を支承している。
【0003】ところで、免震装置は構造物下で基礎との
間に設置されるだけでなく、今後は構造物の免震構造化
のため適用範囲が拡張され、また、建築の高層化に対応
するには任意の場所に設置することが不可欠となる。免
震装置を建築物の中間層に設置した場合、特に免震装置
設置階より下の階層から出火したときは、火災の熱によ
る免震装置の弾塑性変形性能および弾性復元力、耐負荷
容量等、免震機能の劣化に伴い、免震装置設置階より上
層階を構成する構造体の垂直度も影響を受けることにな
る。
【0004】一方、建築基準法による防火区画は、火災
時には耐火材で構成された防火壁を含む防火手段によ
り、防火区画内を外界からの閉鎖空間に形成して火災や
高熱を遮断するようになっている。従って、免震装置が
建築物の中間層に設置されると、構造体の一部である建
築物外壁、吹き抜け空間の境界壁ならびに人の移動に関
する階段室、エレベータシャフト、物品移送に関するダ
ストシュート、リネンシュートおよび空調・排気ダク
ト、給・排気管または配電通信ケーブル等の設備用シャ
フト等の建物を連続して貫通する堅穴区画を形成する防
火壁が、直接免震装置に関係してくる。その他、面積区
画あるいは地下街、駐車場、劇場等を含む異種用途区画
と同一階層に区画を構成する防火壁と免震装置とが共存
することも在りうる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら免震装置
は、地震発生時にそれ自体が設置された下層階とそれ自
体が支持する上層階との相対的に位相の異なる変位を許
容したり、それ自体が設置された基礎に対してそれ自体
が支持する躯体の変位を許容して柔軟に対応できるよう
にするものである。一方、防火区画を形成する防火壁
は、耐火材からなる剛性体で上層階と下層階あるいは基
礎と躯体とを密に連結して免震装置を含む防火区画内を
外界から遮断し、地震発生後も防火区画の内部が直接火
災や高熱に曝されて延焼に及ぶのを防止する機能を維持
しなければならない。
【0006】本発明の目的は、上記のような免震装置と
共存する防火壁構造の問題点を解決し、免震装置の挙動
に干渉せず、地震発生後も耐火性能が損傷されずに防火
区画が維持可能な防火壁を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係わる免震建造物の防火壁の構造は、免震
装置を建造物の中間階層に設置した免震建造物におい
て、前記免震装置を設置した下層階躯体と前記免震装置
が支持する上層階躯体とが異なる位相で変位可能なよう
に、前記上層階躯体に固定された防火壁が下層階躯体と
の間に摺接部分を含み、この防火壁の摺接部対向面側に
摺接部分の有効長さを越えて突出する摺接軌条部材をそ
れぞれ固定し、対向する両摺接軌条部材間に、摺動部材
として耐熱性構成体を配置し、この耐熱性構成体を一方
の摺接軌条部材に固着したことを特徴としている。
【0008】また、本発明に係わる免震建造物の防火壁
の構造は、免震装置を建造物の基礎に設置した免震建造
物において、前記免震装置が支持する躯体が基礎に対し
て変位可能なように、前記躯体に固定された防火壁が基
礎との間に摺接部分を含むように構成し、この防火壁の
摺接部対向面側に摺接部分の有効長さを越えて突出する
摺接軌条部材をそれぞれ固定し、対向する両摺接軌条部
材間に、摺動部材として耐熱性構成体を配置し、この耐
熱性構成体を一方の摺接軌条部材に固着したことを特徴
としている。
【0009】前記耐熱性構成体は、鋼板製取付部材と、
無機繊維フェルトまたは無機繊維ブラケットからなる芯
材と耐火性シートからなる表皮とで構成されるが、好ま
しくは、鋼板製取付部材と、ロックウールフェルトから
なる芯材と、セラミックファイバーブラケットからなる
外殻と、ガラスクロスまたは耐火性不織布のいずれかか
らなる表皮とで構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係わる免震建造
物の防火壁の構造の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。図1は建築物の防火区画を説明する模式的側面図
で、下層階(図中2階)の層間区画10と上層階(図中
3階)の層間区画11との間に設けられた中間層12に
免震装置13が設置され、上下の階層間に介装された免
震装置13は上層階の全荷重を支承している。免震装置
13を設置した中間層12は、外気14を遮断する外壁
15、堅穴区画16の防火壁17および面積区画18の
防火壁19によって囲まれ防火区画20を構成してい
る。ちなみに、図中堅穴区画16は例えばエレベータシ
ャフト、21は劇場等の異種用途区画の例示である。図
1において、上層階躯体に固定された防火壁と下層階躯
体との間の摺接部分に設けた耐熱性構成体を符号Aで示
している。
【0011】図2は、例えば、免震装置13を設置した
中間層12の防火壁15とその下層躯体となる防火壁1
5aとの間の摺接部分に耐熱性構成体Aを設置した構成
例を示している。前記耐熱性構成体Aは、コ字形の鋼板
製取付部材22内に、ロックウールフェルト23をセラ
ミックファイバーブラケット24で覆って成る断熱材を
収め、取付部材22とその側面に重ね合わせた中空箱形
の補助取付部材25とにわたってボルト26を貫通さ
せ、ボルト両端に螺合したナット27,28で一体化し
たものを用いている。前記防火壁15,15aの摺接対
向面には、摺接部分の有効長さを越えて突出する鋼板製
の摺接軌条部材29,30がそれぞれ固定され、その摺
接軌条部材29,30間に前記耐熱性構成体Aが配置さ
れ、この耐熱性構成体Aの中空箱形の補助取付部材25
が防火壁15側の摺接軌条部材29に溶接で固着されて
いる。
【0012】この構成によって、耐熱性構成体Aは、上
層階の層間区画(天井面)11に固設された防火壁15
の下面に着設されているが、上層階の荷重は免震装置に
よって支承されるため、耐熱性構成体Aに対する取付時
の圧縮以外の実質的な荷重負担はない。従って、耐熱性
構成体Aは防火壁15と一体に、摺接面を下層階の層間
区画(床面)10上の防火壁15aに圧接しながら摺動
可能であり、上下の層間区画12,10は相対的に位相
の異なる変位が許容される。従って、免震装置の機能に
干渉することはなく、また耐熱性構成体Aと一体で変位
する防火壁15が損傷して防火機能を喪失することもな
い。堅穴区画16の防火壁19についても全く同様の構
成で同様に機能する。
【0013】万一、相対変位が大き過ぎて、例えば図3
に示すように、耐熱性構成体Aの摺接面が防火壁15,
15aの対向摺接有効長さを越えるような場合にも、摺
接軌条部材30により、耐熱性構成体Aとの摺接状態は
保たれ、防火壁としての機能は維持される。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる免
震建造物の防火壁の構造によれば、免震装置と防火区画
が互いに干渉することなく機能できるので、優れた免震
作用を備えた防火建築物が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる免震建造物の防火壁の構造を適
用した建築物の一例を説明する模式的断面図である。
【図2】本発明に係わる免震建造物の防火壁構造におけ
る摺接部分に設けた耐熱性構成体の断面図である。
【図3】防火壁構造の摺接部分の相対変位状態を示した
耐熱性構成体の断面図である。
【符号の説明】
10 層間区画 12 中間層(天井面) 13 免震装置 14 外気 15,19 防火壁 15a,19a 防火壁 16 堅穴区画 A 耐熱性構成体 17,19 防火壁 22 鋼板製取付部材 23 ロックウールフェルト 24 セラミックファイバーブラケット 25 中空箱形の補助取付部材 26 ボルト 27,28 ナット 29,30 摺接軌条部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/94

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免震装置を建造物の中間階層に設置した
    免震建造物において、前記免震装置を設置した下層階躯
    体と前記免震装置が支持する上層階躯体とが異なる位相
    で変位可能なように、前記上層階躯体に固定された防火
    壁が下層階躯体との間に摺接部分を含み、この防火壁の
    摺接部対向面側に摺接部分の有効長さを越えて突出する
    摺接軌条部材をそれぞれ固定し、対向する両摺接軌条部
    材間に、摺動部材として耐熱性構成体を配置し、この耐
    熱性構成体を一方の摺接軌条部材に固着したことを特徴
    とする免震建造物の防火壁の構造。
  2. 【請求項2】 免震装置を建造物の基礎に設置した免震
    建造物において、前記免震装置が支持する躯体が基礎に
    対して変位可能なように、前記躯体に固定された防火壁
    が基礎との間に摺接部分を含み、この防火壁の摺接部対
    向面側に摺接部分の有効長さを越えて突出する摺接軌条
    部材をそれぞれ固定し、対向する両摺接軌条部材間に、
    摺動部材として耐熱性構成体を配置し、この耐熱性構成
    体を一方の摺接軌条部材に固着したことを特徴とする免
    震建造物の防火壁の構造。
  3. 【請求項3】 前記耐熱性構造体が、コ字形の鋼板製取
    付部材内に、無機繊維フェルトまたは無機繊維ブランケ
    ットからなる芯材と耐熱性シートからなる表皮とで構成
    された断熱材を収め、前記取付部材とその側面に重ね合
    わせた中空箱体の補助取付部材とにわたってボルトを貫
    通させ、ボルト両端に螺合したナットで一体化して構成
    されていることを特徴とする請求項1または2に記載の
    免震建造物の防火壁の構造。
  4. 【請求項4】 前記耐熱性構成体が、コ字形の鋼板製取
    付部材内に、ロックウールフェルトとセラミックファイ
    バーブラケットで覆って成る断熱材を収め、前記取付部
    材とその側面に重ね合わせた中空箱形の補助取付部材と
    にわたってボルトを貫通させ、ボルト両端に螺合したナ
    ットで一体化して構成されていることを特徴とする請求
    項1または2に記載の免震建造物の防火壁の構造。
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