JP3286194B2 - 免震建造物の防火壁の構造 - Google Patents
免震建造物の防火壁の構造Info
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Description
構造に係わり、より具体的には免震装置を施工した建造
物に防火区画を構成する防火壁の構造に関する。
板とゴムとを交互に積み重ねて構成された積層体からな
るものが広く使用され、これらは個々に独立した耐火被
覆構造を備え各個に耐火性能が付与されている。一般
に、免震装置は基礎と建物の間に設けられ、衝撃が直接
建物に伝わらないようになっており、免震装置が建物の
荷重を支承している。
間に設置されるだけでなく、今後は構造物の免震構造化
のため適用範囲が拡張され、また、建築の高層化に対応
するには任意の場所に設置することが不可欠となる。免
震装置を建築物の中間層に設置した場合、特に免震装置
設置階より下の階層から出火したときは、火災の熱によ
る免震装置の弾塑性変形性能および弾性復元力、耐負荷
容量等、免震機能の劣化に伴い、免震装置設置階より上
層階を構成する構造体の垂直度も影響を受けることにな
る。
時には耐火材で構成された防火壁を含む防火手段によ
り、防火区画内を外界からの閉鎖空間に形成して火災や
高熱を遮断するようになっている。従って、免震装置が
建築物の中間層に設置されると、構造体の一部である建
築物外壁、吹き抜け空間の境界壁ならびに人の移動に関
する階段室、エレベータシャフト、物品移送に関するダ
ストシュート、リネンシュートおよび空調・排気ダク
ト、給・排気管または配電通信ケーブル等の設備用シャ
フト等の建物を連続して貫通する堅穴区画を形成する防
火壁が、直接免震装置に関係してくる。その他、面積区
画あるいは地下街、駐車場、劇場等を含む異種用途区画
と同一階層に区画を構成する防火壁と免震装置とが共存
することも在りうる。
は、地震発生時にそれ自体が設置された下層階とそれ自
体が支持する上層階との相対的に位相の異なる変位を許
容したり、それ自体が設置された基礎に対してそれ自体
が支持する躯体の変位を許容して柔軟に対応できるよう
にするものである。一方、防火区画を形成する防火壁
は、耐火材からなる剛性体で上層階と下層階あるいは基
礎と躯体とを密に連結して免震装置を含む防火区画内を
外界から遮断し、地震発生後も防火区画の内部が直接火
災や高熱に曝されて延焼に及ぶのを防止する機能を維持
しなければならない。
共存する防火壁構造の問題点を解決し、免震装置の挙動
に干渉せず、地震発生後も耐火性能が損傷されずに防火
区画が維持可能な防火壁を提供することである。
め、本発明に係わる免震建造物の防火壁の構造は、免震
装置を建造物の中間階層に設置した免震建造物におい
て、前記免震装置を設置した下層階躯体と前記免震装置
が支持する上層階躯体とが異なる位相で変位可能なよう
に、前記上層階躯体に固定された防火壁が下層階躯体と
の間に摺接部分を含み、この防火壁の摺接部分に摺動部
材として、鋼板製取付部材と無機繊維フェルトまたは無
機繊維ブランケットからなる芯材と耐火性シートからな
る表皮とで構成された耐熱性構成体を着設したことを特
徴としている。
の構造は、免震装置を建造物の基礎に設置した免震建造
物において、前記免震装置が支持する躯体が基礎に対し
て変位可能なように、前記躯体に固定された防火壁が基
礎との間に摺接部分を含み、この防火壁の摺接部分に摺
動部材として、鋼板製取付部材と無機繊維フェルトまた
は無機繊維ブランケットからなる芯材と耐火性シートか
らなる表皮とで構成された耐熱性構成体を着設したこと
を特徴としている。
は基礎との間に設けてもよいし、この防火壁の中間に設
けてもよい。そして、前記耐熱性構成体は、前記防火壁
の下面に沿って全長にわたりこの防火壁と同一の幅で着
設し、さらに、前記耐熱性構成体の摺接面から防火壁側
面への立ち上がり部分には、面取りを施してテーパー面
に形成する。
材と、無機繊維フェルトまたは無機繊維ブラケットから
なる芯材と耐火性シートからなる表皮とで構成される
が、好ましくは、鋼板製取付部材と、ロックウールフェ
ルトからなる芯材と、セラミックファイバーブラケット
からなる外殻と、ガラスクロスまたは耐火性不織布のい
ずれかからなる表皮とで構成される。
物の防火壁の構造の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。図1は建築物の防火区画を説明する模式的側面図
で、下層階(図中2階)の層間区画10と上層階(図中
3階)の層間区画12との間に設けられた中間層14に
免震装置16が設置され、上下の階層間に介装された免
震装置16は上層階の全荷重を支承している。免震装置
16を設置した中間層14は、外気18を遮断する外壁
20、堅穴区画23の防火壁24および面積区画25の
防火壁26によって囲まれ防火区画28を構成してい
る。ちなみに、図中堅穴区画2323は例えばエレベー
タシャフト、30は劇場等の異種用途区画の例示であ
る。
は鋼板製取付部材で、36はロックウールフェルトの芯
材、38はセラミックファイバーブラケットの外殻そし
て40はガラスクロスまたは耐火性不織布である。耐熱
性構成体32は製造工場で外壁20および防火壁24,
26の所定の寸法に適合するように作成される。
ト36をセラミックファイバーブラケット38で覆った
ものを、ガラスクロスまたは耐火性不織布40で包み込
み、“└┐”形に成形した鋼板製取付部材34のウエブ
面42およびウエブ面42から左右逆方向に折り返され
た縁枠面44,46にそれぞれ接着し、幅w方向の全長
にわたりピン48を挿通して側面56を固定することに
よって形成される。
(天井面)12に固設された防火壁26の下端を下層階
躯体の層間区画(床面)10に固定せず摺接面50とし
た実施例の断面図である。このため、耐熱性構成体32
が、現場で防火壁26の下面52に締結具54で着設さ
れる。工場で製造された耐熱性構成体32の高さTは、
現場における床面10から防火壁下面52までの間隔t
1より大きく形成されている。しかも、耐熱性構成体3
2の摺接面50が両側面56との中間に隣接するテーパ
ー面58の垂直成分(高さ)dは(T−t)より大きく
設けてある。
圧縮して防火壁26の下面52と床面10との間隙T内
に押入し、鋼板製取付部材34のウエブ面42の長手方
向に沿って、耐熱性構成体32を上下方向に圧縮した状
態で防火壁26の下面52に接着するとともに、適当な
本数の締結具54を縁枠面44に沿ってほぼ等間隔に配
列して防火壁26の側面60に固定する。なお、床面1
0の摺接面となる部分にはPTFEシートを貼着してお
くのが好ましい。
上層階の層間区画(天井面)12に固設された防火壁2
6の下面52に着設されているが、取付時の圧縮以外の
荷重負担はない。従って、耐熱性構成体32は防火壁2
6と一体に、摺接面50を下層階の層間区画(床面)1
0上に圧接しながら摺動可能であり(図中矢印)、上下
の層間区画12,10は相対的に位相の異なる変位が許
容される。従って、免震装置の機能に干渉することはな
く、また耐熱性構成体32と一体で変位する防火壁26
が損傷して防火機能を喪失することもない。堅穴区画2
3の防火壁24についても全く同様の構成で同様に機能
する。
摺接部分を区画の中間に設けた実施例の図示で、外壁2
0またはこれと同様な構成の防火壁に関する断面図であ
る。外壁(または防火壁)20は上下に分割されて、上
部外壁20aは上層階の層間区画(天井面)12に固定
され、下部外壁20bは下層階の層間区画(床面)10
に固設されている(図1参照)。
設けられた間隙t2(≒t1)には、上記した防火壁2
6の場合と同様の手段で高さTの耐熱性構成体32が圧
縮状態で押入される。耐熱性構成体32は、上部外壁2
0aの下面64に沿ってその全長にわたって接着され、
適当な本数の締結具54で縁枠面44を外壁20aの側
面66に固定される。ちなみに、68は分割位置62に
雨水の浸入を防止する庇である。また、下部外壁20b
の上面にはPTFEシートを貼着しておくのが好まし
い。
壁)20aの下面64に着設した耐熱性構成体32の摺
接面50は、下部外壁20bの上面70上に圧着して摺
動可能となり(図中矢印)、上下の外壁(または防火
壁)20a,20b間には相対的に位相の異なる変位が
許容されるので、免震装置の機能に干渉することはな
い。また上記床面10で摺接する防火壁26の場合と同
様、防火機能が損なわれることもない。
示すように耐熱性構成体32の摺接面50が下部外壁上
面70の摺接幅Rを逸脱し当接領域から外れた場合に
は、耐熱性構成体32の圧縮変形が原形に回復して、摺
接面50は下部外壁20bの上面70より下方に位置す
ることになる。しかしながら、復元方向の移動に際して
耐熱性構成体32に設けたテーパー面58の作用で容易
に摺接面50は下部外壁20bの上面70に乗り揚げる
ことができるので摺接関係は回復できる(図中矢印参
照)。
震建造物の防火壁の構造によれば、免震装置と防火区画
が互いに干渉することなく機能できるので、優れた免震
作用を備えた防火建築物が達成できる。
用した建築物の一例を説明する模式的断面図である。
ける耐熱性構成体の断面図である。
例を示す断面図である。
3に図示したものと別の例を示す断面図である。
ける耐熱性構成体の作用を説明する断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 免震装置を建造物の中間階層に設置した
免震建造物において、前記免震装置を設置した下層階躯
体と前記免震装置が支持する上層階躯体とが異なる位相
で変位可能なように、前記上層階躯体に固定された防火
壁が下層階躯体との間に摺接部分を含み、この防火壁の
摺接部分に摺動部材として、鋼板製取付部材と無機繊維
フェルトまたは無機繊維ブランケットからなる芯材と耐
火性シートからなる表皮とで構成された耐熱性構成体を
着設したことを特徴とする免震建造物の防火壁の構造。 - 【請求項2】 免震装置を建造物の基礎に設置した免震
建造物において、前記免震装置が支持する躯体が基礎に
対して変位可能なように、前記躯体に固定された防火壁
が基礎との間に摺接部分を含み、この防火壁の摺接部分
に摺動部材として、鋼板製取付部材と無機繊維フェルト
または無機繊維ブランケットからなる芯材と耐火性シー
トからなる表皮とで構成された耐熱性構成体を着設した
ことを特徴とする免震建造物の防火壁の構造。 - 【請求項3】 前記防火壁の摺接部分が防火壁と床面ま
たは基礎との間に設けられていることを特徴とする請求
項1または2に記載の免震建造物の防火壁の構造。 - 【請求項4】 前記防火壁の摺接部分がこの防火壁の中
間に設けられていることを特徴とする請求項1または2
に記載の免震建造物の防火壁の構造。 - 【請求項5】 前記耐熱性構成体が、前記防火壁の下面
に沿って全長にわたりこの防火壁と同一の幅で着設され
ていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記
載の免震建造物の防火壁の構造。 - 【請求項6】 前記耐熱性構成体の摺接面から防火壁側
面への立ち上がり部分が、面取りされてテーパー面に形
成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれ
かに記載の免震建造物の防火壁の構造。 - 【請求項7】 前記耐熱性構成体が、鋼板製取付部材
と、ロックウールフェルトからなる芯材と、セラミック
ファイバーブラケットからなる外殻と、ガラスクロスま
たは耐火性不織布のいずれかからなる表皮とで構成され
ていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記
載の免震建造物の防火壁の構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP35764196A JP3286194B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 免震建造物の防火壁の構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP35764196A JP3286194B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 免震建造物の防火壁の構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10183817A JPH10183817A (ja) | 1998-07-14 |
JP3286194B2 true JP3286194B2 (ja) | 2002-05-27 |
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Family Applications (1)
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JP35764196A Expired - Fee Related JP3286194B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 免震建造物の防火壁の構造 |
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JP (1) | JP3286194B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4239306B2 (ja) * | 1999-07-23 | 2009-03-18 | オイレス工業株式会社 | 免震装置用の耐火装置 |
-
1996
- 1996-12-27 JP JP35764196A patent/JP3286194B2/ja not_active Expired - Fee Related
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