JP3244265B2 - 免震建造物における防火壁の構造 - Google Patents
免震建造物における防火壁の構造Info
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Description
構造に係わり、より具体的には免震装置を施工したビル
ディングに防火区画を構成する防火壁の構造に関する。
立ち上がる固定壁101と免震装置102を介して立ち
上がる自由壁103とが含まれる。そのため地震発生時
には、固定壁101と自由壁103との相対的な変位が
生じ、その間に形成された鉛直方向の空間104は不規
則に拡開しあるいは縮閉する。このような構造を防火区
画する場合、不規則に開閉する空間104から火煙の漏
洩を阻止するためには伸縮自在の防火壁の構造が必要と
なる。
造として、図5に示すように無機繊維からなる耐火性フ
ェルト状材料105を積み重ねて固定壁101および自
由壁103に固定することにより防火区画を構成してい
た。ところが、少なくとも3mある階高をカバーするに
は、防火区画材106として耐火フェルト状材料105
を何段か積み上げる必要がある。
に柔軟性を具える耐火性フェルト状材料105は、積み
重ねると自重が支持できず、固定壁101および自由壁
103の固定部分から離れたところでは、重力の作用で
耐火性フェルト状材料105自体に圧壊またはクリープ
による変形を生じ、耐火性フェルト状材料105を積層
した最上部107ではスラブ108の下面との間に隙間
109が発生するという問題があった。
めには、地震の予測できない不規則な振動により、耐火
性フェルト状材料105の積層境界となる継目110に
おいて、互いの境界面間に生じたズレが吸収できず隣接
区画に連通する隙間や破損部位となって残留してはなら
ない。ところが上下にブロック状に積層された耐火性フ
ェルト状材料105の柔軟性や密度の違い、部分的に不
均一な摩擦抵抗や振動伝播速度の相違などの構造的問題
から、上下の材料が互いに一体となって振動に追従して
変位することができず、継目部分に少なくともズレを生
じ、火災発生時には防火壁として致命的欠陥である隙間
を形成する。
装置を施したビルディングの固定壁と自由壁とに挟まれ
た空間に施工される防火壁において、上記した継目部分
の問題を解消し、地震発生後も耐火性能が損傷されずに
防火区画が維持できる、耐震性能に優れた新奇な防火区
画材を提供することである。
ける防火壁の構造は、上記の目的を達成するために、基
礎から立ち上がる固定壁と免震装置を介して立ち上がる
自由壁とを含む防火区画において、水平方向に複数の金
属板を蝶番で屈伸自在に連設した支持金具と、クッショ
ン性を有する耐火部材を含む耐熱構造体とからなり、前
記支持金具の両面から全面を覆うように前記耐熱構造体
を着設して前記支持金具に熱の伝播を遮断する手段を施
した防火区画材を、前記固定壁と自由壁との間に介装し
た。
トまたは無機繊維ブランケットからなる芯材と、耐熱性
シートからなる表面材とで構成した。好適には前記芯材
を、ポリエステル、ナイロン、ガラスクロス、シリカク
ロスまたは耐火性不織布のいずれかを含む保護クロスで
被覆して、防水、防塵、防炎性能を付与するとともに形
状維持するようにした。
板を蝶番で水平に連結し、両側に位置する鋼板を固定壁
と自由壁のそれぞれにアンカーボルトなどによる適当な
手段で固定するようにした。このような支持金具の各面
は複数の鋼板を直列に配列して、隣接する鋼板同士を連
結金具で固定して形成した。
における防火壁の構造の実施の形態を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明に係わる防火壁の支持金具10
の部分的な斜視図である。支持金具10は4面の支持面
12,13,14,15が蝶番17で屏風状に連設され
て3箇所に関節部18を備え、水平方向に屈伸自在であ
る。
ば1.2mm厚の平らな3枚の鋼板セグメント13-1,
13-2,13-3:14-1,14-2,14-3が、鉛直方向
に直列に配置され、隣接する鋼板セグメントが互いに連
結金具19により固定されている。また両最外側に位置
し取付部材として機能する支持面12,15には取付相
手側に直角の折曲部分20,21が鏡像関係で形成され
ている。折曲部分20,21の折曲げ幅は、支持金具1
0に着設される耐熱構成体22aの左右を画定する縁部
の小口面23の厚さを覆うように形成される(図2参
照)。
に折曲部分20,21をもつ、例えば1.2mm厚の鋼
板セグメント12-1,12-2,12-3:15-1,15-
2,15-3で構成され、隣接する各セグメントが互いに
連結金具19で固定され、各支持面12,15がそれぞ
れ一体に形成されている。支持金具10の鋼板セグメン
トの連設は、図示されるように3段に限定されるもので
はなく、必要に応じて随時上下方向に延長または短縮す
ることができる。
ように、例えば50mm厚のセラミックファイバブラン
ケットを芯材24としてガラスクロスの表面材25で被
覆したマット状の耐熱構造体22a,22bが、支持金
具10に両面から全面を覆うように着設され、固定ピン
16で一体に固着される。固定ピン16としてはワッシ
ャ付の先打ち・後打ち溶接ピンを使用すると好適である
(図3参照)。
トに限定されるものでなく、クッション性を有する耐熱
耐火性であれば、適当な無機繊維フェルトや無機繊維ブ
ランケットが適用でき、ロックウールフェルトをセラミ
ックファイバブランケットで覆ってもよい。このような
芯材を被覆する保護クロスとなる表面材25はガラスク
ロス以外にポリエステル、ナイロン、シリカクロスまた
は耐火性不織布などを仕様に応じて適用することで、防
水、防塵、防炎性能を付与するとともに形状を維持する
ことができる。
体22a,22bで覆って構成した防火区画材26は、
図2および図3に示されるように、防火壁を構成する固
定壁34および自由壁35のそれぞれに埋設した数本の
アンカーボルト32に、支持金具10の対向面29,3
0を係合し、ナット33を締結して固定する。固定壁3
4および自由壁35に当接する耐熱構造体22aの左右
端縁の小口面23は支持金具10両側の折曲部分20,
21に覆われる。
3,14のそれぞれの幅AおよびBの和は、固定壁34
と自由壁35との互に相対する両防火躯体壁面27,2
8の間隔Dより十分に大きくとり、地震による固定壁3
4と自由壁35との相対変位が吸収できるように屈設し
て躯体間隔Dを閉塞する。
への固設は、支持金具10およびアンカーボルト32と
ナット33の締結具が露出しないように耐熱構造体22
a,22bで覆うことによって、鋼板製の支持金具10
が火災時の熱で変形するのを防止することができる。ま
た、耐熱構造体22a,22bの上下に位置する端縁の
小口面は強制力が作用すると摺動可能なように上下のス
ラブ面に圧接させて施工することにより、耐熱構造体2
2a,22bとスラブとの間に隙間が形成されないよう
にすることができる。
6の実施例で、5面の鋼板を連結した関節部18が4箇
所の支持金具11から構成される。これは上記した防火
区画材26を構成する4面の鋼板で形成した支持金具1
0の内側2枚の支持面13,14の間に第5の支持面3
8を介装したものである。
を、4面の支持金具10における支持面13,14と同
様に、平板の鋼板セグメントを直列に接続して形成し、
その両端縁を蝶番17で支持面13,14の各々に屈伸
自在に連結したもので、それ以外の構成は4面の支持金
具10と全く同様である。従って、図4においては、4
面の支持金具10で構成した防火区画材26と同等の部
材には同一の符号が用いてある。
具11には両面から全面を覆うように、防火区画材26
の耐熱構造体22a,22bと同様の構成を有するマッ
ト状耐熱構造体37a,37bが着設され、固定ピン1
6で一体に固着される。支持面13,38,14の幅の
総和A+B+Cが両防火躯体壁面27,28の間隔Dよ
り十分に大きくなるように防火区画材36を構成し、固
定壁34と自由壁35との相対変位が吸収できるように
屈設して躯体間隔Dを閉塞する。これは、4面支持金具
10による防火区画材26と同様の施工手段で行うこと
ができる。
して、両防火躯体壁面27,28の相対距離が変化する
空間を区画するにあたり、基本的には耐火性無機繊維フ
ェルトが何重かに積層されるのであるが、本発明に係わ
る免震建造物における防火壁の構造では、連結された鋼
板製支持金具10の両面に耐火性無機繊維フェルトなど
からなる耐熱構造体22a,22bを固定したので、何
重に積層しても鋼板支持金具10の剛性により形状を維
持することができる。従って、従来工法のように最上部
でスラブ下面との間に隙間を生じることはない。
3,14,15が蝶番17で水平方向に連結されている
ので、着設固定した耐火性無機繊維フェルトなどによる
耐熱構造体22a,22bとともに、固定壁34と自由
壁35との不規則な相対変位に対応して自在に追動でき
る。しかも鋼板支持面12,13,14,15に固定さ
れた耐熱構造体22a,22bは、目地部分が地震に対
応して自在に変形可能で、上下に隣接して配置された耐
火性無機繊維フェルトの境界となる継目に、地震後を含
めてズレや隙間が生じることはない。
震建造物における防火壁の構造は固定壁と自由壁との間
に横方向に自由度を備えた支持金具にクッション性耐火
部材を着設した耐熱構成体を介装して屈設したので、固
定壁と自由壁との相対的な位置の変動に対応でき、地震
後を含めて、振動を吸収する耐熱構成体にズレや隙間が
生じることはなく優れた耐火性能を備えた防火壁を施工
することができる。
支持金具の斜視図である。
防火区画材の斜視図である。
防火区画材の断面図である。
別の実施例による防火区画材の断面図である。
する断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 基礎から立ち上がる固定壁と免震装置を
介して立ち上がる自由壁とを含む防火区画において、水
平方向に複数の金属板を蝶番で屈伸自在に連設した支持
金具と、クッション性を有する耐火部材を含む耐熱構造
体とからなり、前記支持金具の両面から全面を覆うよう
に前記耐熱構造体を着設して前記支持金具に熱の伝播を
遮断する手段を施した防火区画材を、前記固定壁と自由
壁との間に介装したことを特徴とする免震建造物におけ
る防火壁の構造。 - 【請求項2】 前記耐熱構造体を無機繊維フェルトまた
は無機繊維ブランケットからなる芯材と、耐熱性シート
からなる表面材とで構成したことを特徴とする請求項1
に記載の免震建造物における防火壁の構造。 - 【請求項3】 前記芯材を、ポリエステル、ナイロン、
ガラスクロス、シリカクロスまたは耐火性不織布のいず
れかを含む保護クロスで被覆して、防水、防塵、防炎性
能を付与するとともに形状維持するようにしたことを特
徴とする請求項2に記載の免震建造物における防火壁の
構造。 - 【請求項4】 前記支持金具は少なくとも4面の鋼板が
蝶番で水平に連結され、両最外側に位置する鋼板を固定
壁と自由壁のそれぞれにアンカーボルトなどによる適当
な手段で固定するようにしたことを特徴とする請求項1
に記載の免震建造物における防火壁の構造。 - 【請求項5】 前記支持金具の各面は、複数の鋼板を直
列に配列し、隣接する鋼板同士を連結金具で固定して形
成したことを特徴とする請求項4に記載の免震建造物に
おける防火壁の構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02655798A JP3244265B2 (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 免震建造物における防火壁の構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11210113A JPH11210113A (ja) | 1999-08-03 |
JP3244265B2 true JP3244265B2 (ja) | 2002-01-07 |
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JP02655798A Expired - Fee Related JP3244265B2 (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 免震建造物における防火壁の構造 |
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JP (1) | JP3244265B2 (ja) |
-
1998
- 1998-01-23 JP JP02655798A patent/JP3244265B2/ja not_active Expired - Fee Related
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