JP3269288B2 - 光学的検査方法および光学的検査装置 - Google Patents

光学的検査方法および光学的検査装置

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JP3269288B2 JP26716894A JP26716894A JP3269288B2 JP 3269288 B2 JP3269288 B2 JP 3269288B2 JP 26716894 A JP26716894 A JP 26716894A JP 26716894 A JP26716894 A JP 26716894A JP 3269288 B2 JP3269288 B2 JP 3269288B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検査物の内部におけ
る光学的不均一性を光学的に検出する検出方法及び検査
装置に関する。
【0002】例えば、セラミック基板等において、内部
に達するクラックや内部に閉じこめられた気泡の存在に
よって、そのクラック部分や気泡部分では、光学的反射
率あるいは透過率が局所的に変化しており、光学的不均
一性を有することになる。
【0003】本願発明では、この様な光学的不均一性を
高感度で検出でき、従って、本願発明は、その応用とし
て、例えばセラミック基板の微細なクラック等の欠陥検
査に用いることができるものである。
【0004】
【従来の技術】以下、セラミックスの欠陥検査を例に取
り、従来技術について説明する。セラミックスは絶縁体
セラミックス、圧電体セラミックス等の多種があり、電
子部品を初め多くの機械部品にも広く使用されている。
【0005】このセラミックスには、表面や内部に存在
する微少な欠陥や、サブミクロン程度の微小寸法のクラ
ック開口幅をを有するマイクロクラックが破壊の起点に
なって、亀裂を進行させる脆性破壊挙動が大きな問題と
なっている。
【0006】一般に欠陥は表面のクラック状欠陥が特に
問題とされ、実用上の限界は長さ30〜100μm程度
とされている。
【0007】また検査方法としては、顕微鏡等による目
視検査、浸透探傷法、超音波探傷法、超音波顕微鏡、放
射線探傷法等がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】光学顕微鏡等による目
視検査が従来から製造現場に於いて実施されているが、
検出すべきクラック等の欠陥サイズが小さい上に、その
コントラストが低いために、欠陥検査精度に問題があ
る。
【0009】検査精度の良い検査方法としては浸透探傷
法、超音波探傷法、超音波顕微鏡、放射線探傷法等があ
るが、基板自体の価格が非常に安価で、インラインの検
査装置として高精度、高速、低コストが要求されるため
上記検査技術ではいずれかの点で問題がある。
【0010】この発明の目的は、セラミック基板等の光
拡散性のある被検査物のクラック欠陥等を高精度、高
速、低コストで検査可能な検査方法及び装置の提供にあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願発明は、被検査物表面に撮像領域と所定距離
分離して長辺が数十mm以上である略長方形状に光を照
射して走査し、前記被検査物の表面から内部に浸透した
のち前記被検査物表面から放射される光を検出し、前記
検出された光の強度変化を検出することにより被検査物
の光学的不均質を検出する光学的検査方法である。
【0012】
【作用】上記の手段の作用は、以下の通りである。被検
査物の内部に浸透し、再び被検査物の表面から放出され
る光には、被検査物内部の光学的情報が含まれる。
【0013】例えば、被検査物内部において、反射率や
透過率等が局所的に異なる様な光学的不均質が存在する
と、この不均質が存在する表面部分から放出される光の
強度は、他の表面部分からの放出光に比べて変化する。
【0014】従って、この強度の変化を検出することに
より、被検査物の光学的不均質を検出できるのである。
【0015】以下に更に作用を詳細に説明すR。図15
は被検査物上にあるクラック欠陥の模式図である。図
中、クラック面の傾斜角θ、クラック開口部の方位角φ
でクラック面の方向を表現し、クラックの長さL、クラ
ック開口部の長さSL、クラック開口部の幅SWでクラ
ックのサイズを表現するものとして、各発明の作用を説
明する。
【0016】なお、セラミックの被検査物であれば、一
般にクラック開口部の幅SWがサブミクロン程度、クラ
ックの長さLが数十ミクロン程度の欠陥以上を検出する
必要がある。
【0017】被検査物が光拡散性を有している場合、こ
の照明領域に照明された光の一部は被検査物の内部に屈
折して入射し、光強度が指数関数的に減衰しながら被検
査物の内部に拡散する。
【0018】この被検査物内部での拡散光の一部は撮像
領域に到達し、被検査物の表面から放射される。ここで
は、この放射光を拡散放射光と呼ぶ事にする。
【0019】この拡散放射光は、被検査物表面の情報で
あるクラック開口部の長さSL、クラック開口部の幅S
Wのみではなく、被検査物内部の情報であるクラックの
長さL、クラック面の傾斜角θ、クラック開口部の方位
角φを加えたクラックのサイズとクラック面の方向に影
響されて光強度が変化している。
【0020】この拡散放射光を検出する事で、被検査物
に存在するクラックのサイズやクラック面の方向に起因
した信号強度変化を検出する。
【0021】これによって、クラック欠陥による信号強
度の変化を強調し、同時にクラック開口部の近傍領域も
信号変化する領域となるので、クラック開口部の幅SW
等を空間的に拡大して検出ができる。
【0022】従って低い撮像倍率の撮像系で、撮像系の
分解能より微小なクラック開口幅SWのクラックを検出
可能となり、高精度かつ高速な欠陥検査を行える。
【0023】この検出方法では、例えばクラック開口幅
SWが0.3μmであり、撮像系の光学的な分解能限界
よりも微小なクラック開口幅のクラックでも、それを前
記のように空間的に拡大して検出する事で、光学的な撮
像系によって検出が可能である。
【0024】以上説明した欠陥検出方法に対して、従来
の光学顕微鏡等のように被検査物の撮像領域及び周辺部
全てを照明して、クラック情報を検出する方法では、各
照明領域からの拡散放射光が積分されてクラックでの信
号変化は微弱になるので、前述の欠陥強調は出来ない。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を順次説明する。
【0026】(実施例1)図1に、請求項1記載の検査
方法の一実施例を具現化した検査装置の主要構成図を示
す。
【0027】図1に於いて、白色光源1、コンデンサー
レンズ2、長方形状のスリットを有する遮光板3、投影
レンズ4にて照明系が構成されている。
【0028】また対物レンズ5、ラインセンサ6にて撮
像系が構成されている。また8は試料台移動系で、14
は、ラインセンサ6の信号と試料台移動の信号から画像
を形成する前処理部、15は画像処理部である。
【0029】また12は被検査物7上の幅wlの照明領
域、9は照明系の光軸の角度α、11は撮像系の光軸の
角度β、10は照明系の光軸と撮像系の光軸の被検査物
上に於ける間隔d、13は被検査物上の幅wsの撮像領
域である。
【0030】ここで、撮像系にあるラインセンサ6の各
画素が、撮像光学系を介して撮像領域上で撮像する領域
を画素分解能と呼ぶ事にすれば、画素分解能は画素サイ
ズを撮像倍率で除したものになる。
【0031】本実施例では幅wsの撮像領域13は、ラ
インセンサ6上の一画素で撮像する事になるので、この
幅wsは画素分解能に対応する。
【0032】かかる構成装置に於いて、白色光源1から
の光がコンデンサレンズ2を通り遮光板3を照明し、こ
の遮光板3のスリットの像が投影レンズ4によって被検
査物7上にスリットと相似形の幅wlを有する照明領域
12となる。
【0033】本実施例では、被検出物の内部情報を含ん
だ被検査物7の表面からの放射光を検出するために、そ
の最も簡単な手段として、放射光の検出領域を、照明領
域12と重ならないようにしている。この様にすること
で、ラインセンサ6では、照明領域12からの反射光が
紛れ込むことが防止され、放射光のみの検出が可能とな
る。
【0034】具体的には、撮像領域13に照明光が入射
しないようにするため、照明領域12と撮像領域13の
最小距離(d−ws/2−wl/2)が正値となるよう
に設定している。
【0035】照明領域12から被検査物7の内部を拡散
して撮像領域13から放射される拡散放射光は、撮像系
の対物レンズ5を介してラインセンサ6上に結像する。
【0036】次に試料台移動系8で被検査物7を順次移
動させながら、ラインセンサ6の信号と試料台移動の信
号から、画像を形成する前処理部14を介して画像処理
部15に入力された画像信号を画像処理する事で被検査
物7上のクラック欠陥24を検出する。
【0037】図2は被検査物7上の幅wlの照明領域1
2から幅wsの撮像領域13への光拡散例を示した模式
図である。
【0038】上記の検査装置を用いて、長方形状の照明
光20によって撮像領域13近傍の照明領域12を照明
し、撮像領域13には照明光を照射していない。
【0039】被検査物7が光拡散性を有している場合、
この照明領域12に照明された光20の一部は、被検査
物7の内部に屈折して入射し、光強度が指数関数的に減
衰しながら被検査物7の内部に拡散する。
【0040】この被検査物7内部での拡散光21の一部
は、撮像領域13に到達する拡散光となり、被検査物7
の表面から放射される。ここでは、この放射光を拡散放
射光22と呼ぶ事にする。
【0041】ここで、例えば図3の様に、照明領域12
と撮像領域13の間にクラック欠陥24の開口部23が
有る場合には、照明領域12から被検査物7の内部を拡
散して撮像領域13に到達する拡散光21の一部は、ク
ラック欠陥24を透過した後に撮像領域13に到達する
こととなる。
【0042】クラック欠陥24を透過した拡散光の強度
は一層減衰するので、撮像領域13から放射される拡散
放射光22の強度は、クラック欠陥24の無い場合に比
較して低下する。
【0043】一方、例えば図4に示す位置にクラック欠
陥24が存在し、照明光20の入射する照明領域12と
撮像領域13の間にはクラック欠陥24の開口部23が
無い場合には、まずクラック欠陥24の無い場合と同様
に、拡散光21の一部が撮像領域13の表面から拡散放
射光として放射される。
【0044】更にこれに加えて、照明領域12からの拡
散光の一部25が、クラック欠陥24によって反射され
て撮像領域13に到達する。
【0045】この結果、図4に示す位置にクラックがあ
る場合は、結局、撮像領域13から放射される拡散放射
光22の強度は、図2、図3の場合に比べて増加するこ
ととなる。
【0046】以上の点を踏まえて、クラック欠陥の検出
例を以下に説明する。図1の被検査物7の右側にクラッ
ク欠陥24がある。この被検査物7を試料台を順次左側
に移動させて、撮像した場合を例として図5を用いて検
出例を説明する。
【0047】上記の方法によれば、図5(a)に示す被
検査物7は、左側よりラインセンサによって右方向に順
次撮像される事になる。
【0048】この時のラインセンサ6上の各画素におい
て、左側より右方向に被検査物7を順次撮像する時に、
被検査物7の一部にあるクラック欠陥24が撮像領域を
通過する前後での撮像信号を図5(b)に示す。
【0049】さて、図中の被検査物7上に撮像領域A、
B、Cを考える。撮像領域Aではクラック欠陥の影響を
受けない領域であり、従って、この場合の光拡散は前述
した図2の様になるので、ラインセンサ6の信号は、ク
ラックに影響されない基準レベルである。
【0050】次に撮像領域Bでは、撮像される拡散放射
光は、前述した図4の様にクラック界面における反射光
をも含むこととなり、拡散放射光の強度増加に対応して
ラインセンサ6の信号が増加する。
【0051】さらに撮像領域Cでは、撮像される拡散放
射光は、前述した図3の様にクラックで遮られて強度が
低下したものとなり、それに応じてラインセンサ6の信
号が低下する。
【0052】また図5(b)において、撮像領域A、B
での信号の様に撮像領域の近傍にクラックが有れば、撮
像領域内にクラック開口部23が無くても信号変化をし
ている。
【0053】この様な信号特性は、表面情報としてのク
ラックの開口部23のみではなく、被検査物内部の情報
も加えたクラックのサイズやクラック面の方向に起因し
ている。
【0054】図5(b)に示す信号変化は、クラック幅
がサブミクロン程度であっても確実に発生し、また通常
の使用状態においては、この信号変化を検出するため
に、特別の高感度、高S/Nの信号検出技術を必要とし
ない。
【0055】例えば、この信号変化は、通常の市販のC
CD撮像装置によって明確に撮像することができる。つ
まり、図5(b)に示す信号変化は、市販のCCD撮像
装置において、明確なコントラストの比としてモニター
画面上で確認することができるのである。
【0056】従って、この場合、サブミクロン幅のクラ
ックの有無、またその存在位置は、モニター画面におい
て明確なコントラストの比として明確に認識、検出され
るのである。
【0057】もっとも、図5(b)の信号に対して、図
1の画像処理部15によって適当なしきい値26を設定
して、2値化して図5(c)の様に検出を行い、欠陥強
調クラック16として検出することも勿論可能である。
【0058】この場合、欠陥強調クラック16は、クラ
ック欠陥24の表面情報であるクラック開口部23より
も大きな寸法を有する欠陥として検出、表示できる。
【0059】以上のように、この信号特性はクラック欠
陥24による信号強度の変化を強調し、またクラックの
近傍も信号変化する領域となるので、クラック欠陥が拡
大強調されて検出できる。
【0060】なお例えば、クラックの開口部幅SWがサ
ブミクロン程度であっても、前記の信号特性は得られ、
数μm〜数十μmの画素分解能で検出が可能である。
【0061】従って撮像系の画素分解能が、検出すべき
クラックの寸法に比較して大きくなる低撮像倍率の撮像
系でも、画素分解能より微小なクラックを検出可能とな
る。
【0062】また一括処理での撮像領域は撮像倍率の自
乗に反比例するので、撮像倍率を低くした撮像系では一
括して検査する領域を拡大して、検査速度を向上させる
事が出来る。この結果、高精度かつ高速な欠陥検査を行
う事が出来る。
【0063】なお、2値化処理の前に微分処理を行えば
1次微分値が最大となる位置が撮像領域にクラック開口
部23が位置している場合であるので、クラック開口部
23の位置を精度良く特定できる。
【0064】また本実施例では、撮像手段としてCCD
素子をライン状に配置したラインセンサ6を用いたが、
この撮像手段はCCD素子以外でも良い。
【0065】(実施例2) 図6は、請求項記載の検査方法の一実施例を具現化し
た検査装置の主要構成を示すものである。
【0066】図6に於いて、白色光源1、コンデンサー
レンズ2、波長帯aのバンドパスフィルタ27、長方形
状のスリット3、投影レンズ4にて構成される照明系が
撮像光軸の左側に配置され、また同様の構成で波長帯b
のバンドパスフィルタ29をもった照明系が撮像光軸に
ついて対象となる位置に配置されている。
【0067】また5は対物レンズ、31は波長aと波長
bの光を分離するダイクロイックミラー、各波長帯a、
bの信号に対応する2つのラインセンサ6にて色分解撮
像系が構成されている。
【0068】また8は試料台移動系で、14はラインセ
ンサの信号と試料台移動の信号から波長aと波長bの各
画像を形成する前処理部、15は画像処理部である。
【0069】ここで28は被検査物7上の波長aによる
幅wlの照明領域、また30は被検査物7上の波長bに
よる幅wlの照明領域、9は照明系の光軸の角度α、1
0は照明系の光軸と撮像系の光軸の被検査物7上に於け
る間隔d、13は被検査物7上の幅wsの撮像領域であ
る。この幅wsは画素分解能に対応する。
【0070】かかる構成の装置に於いて、白色光源1か
らの光はバンドパスフィルタ27、29により波長帯a
あるいは波長帯bが選択透過され、コンデンサレンズ2
を通りスリット3を照明し、このスリット3の像が投影
レンズ4によって被検査物7上にスリットと相似形の幅
wlを有する照明領域28及び30となる。
【0071】ここで撮像領域13に照明光が入射しない
ようにするため、各照明領域と撮像領域の最小距離(d
−ws/2−wl/2)が正値となるように設定する。
【0072】照明領域28から被検査物7の内部を拡散
して撮像領域13から放射される波長帯aの拡散放射
光、及び照明領域30から被検査物7の内部を拡散して
撮像領域13から放射される波長帯bの拡散放射光は、
撮像系の対物レンズ5を介して、ダイクロイックミラー
31によって色分解されて、各ラインセンサ6上に結像
する。
【0073】試料台移動系8で被検査物7を順次移動さ
せながら、各ラインセンサ6の信号と試料台移動の信号
から、波長帯aと波長帯bの各画像を形成する前処理部
14を介して画像処理部15に入力された画像信号を画
像処理する事でクラック欠陥を検出する。
【0074】図7は図6の検査装置を用いて、被検査物
7上に波長帯aの照明光32で略長方形状の領域28を
照射し、波長帯aと重複しない波長帯bの照明光33
で、領域28と重複しない略長方形状の領域30を照射
した場合の、撮像領域13への光拡散例を示した模式図
である。
【0075】被検査物7が光拡散性を有している場合、
この各照明領域28、30に照射された照明光の一部
は、被検査物7の内部に屈折して入射し、減衰しながら
被検査物7の内部に拡散してゆく。
【0076】さらに、この内部拡散光の一部が、撮像領
域13の表面から波長帯aの拡散放射光34及び波長帯
bの拡散放射光35として放射される。
【0077】被検査物7上にクラック欠陥24がある
と、照明領域28からの波長帯aの拡散光の一部は、ク
ラック欠陥24によって反射または透過されて撮像領域
13に到達する。
【0078】一方、照明領域30からの波長帯bの拡散
光の一部も、クラック欠陥7によって反射または透過さ
れて撮像領域13に到達する。
【0079】波長帯aと波長帯bの照明光では、撮像領
域13に達する拡散経路が異なるため、各拡散光がクラ
ック欠陥7によって受ける反射、屈折による強度変化の
影響が違う。
【0080】この結果、各拡散放射光34、35のクラ
ック欠陥7による強度変化については、クラック面の傾
斜角θ、クラック長さL等によって、図8に例示するよ
うな定性的な関係がある。
【0081】以上の点を踏まえて、本実施例におけるク
ラック欠陥の検出について、以下に説明する。
【0082】図6の被検査物7の右側にクラック欠陥2
4がある。この被検査物7を試料台を順次左側に移動さ
せて、撮像した場合を例として図9を用いて検出例を説
明する。
【0083】上記の方法によれば、図9(a)に示す被
検査物7は、左側よりラインセンサによって右方向に順
次撮像される事になる。
【0084】この時のラインセンサ上の各画素におい
て、左側より右方向に被検査物7を順次撮像する時に、
被検査物7の一部にあるクラック欠陥24を撮像する画
素についての撮像信号の例として、波長帯aの撮像信号
を図9(b)、波長帯bの撮像信号を図9(c)に示
す。
【0085】いずれの信号も、クラック欠陥24の開口
部23の相対位置によって変化する特性を持つ。
【0086】しかし、図7で説明したように、各波長で
は照明領域が違い、撮像領域への光拡散に影響するクラ
ック面の方向やクラックのサイズが異なるので、これら
の信号では変化特性、変化量が違う。
【0087】この各信号に対して図6の画像処理部15
によって適当なしきい値26により2値化して欠陥検出
を行い、波長帯aでは図9(d)、波長帯bでは図9
(e)を得る。
【0088】この場合では、波長帯aでの信号ではクラ
ック欠陥を検出できるが、波長帯bの信号ではクラック
欠陥を検出できず、各信号でのクラック検出精度には差
が生じる。
【0089】そのため最終的判定は、各波長での欠陥判
定結果の論理和を、図9(f)の様に取る事によって、
各種の形状を持ったクラック欠陥24を精度良く検査す
る事が可能である。
【0090】以上説明したように、波長帯a及び波長帯
bの拡散放射光34、35を撮像し、各波長帯別の撮像
信号の内で強度変化の大きい方を信号処理して欠陥検出
する事で、各種のクラック面の傾斜角θ、クラック長さ
Lの欠陥について、クラック欠陥24による信号強度の
変化を強調し、同時にクラックの近傍領域も信号変化す
る領域となるので、クラック欠陥24を拡大強調して検
出できる。
【0091】従って撮像系の画素分解能が、検出すべき
クラックの寸法に比較して大きくなる低撮像倍率の撮像
系でも、画素分解能より微小なクラックを検出可能とな
る。
【0092】また一括処理での撮像領域は撮像倍率の自
乗に反比例するので、撮像倍率を低くした撮像系では一
括して検査する領域を拡大して、検査速度を向上させる
事が出来る。この結果、高精度かつ高速な欠陥検査を行
う事が出来る。
【0093】なお、2値化処理の前に各撮像信号の差信
号を取る事によって、クラック欠陥による信号変化を強
調して、検出精度を向上させる事もできる。
【0094】なお、2値化処理の前に微分処理を行えば
1次微分値が最大となる位置が撮像領域にクラック開口
部8が位置している場合であるので、クラック開口部8
の位置を精度良く特定できる。
【0095】また図6に示す色分解光学系に代わって、
波長帯aのバンドパスフィルタ27及び波長帯bのバン
ドパスフィルタ29と1つのラインセンサ6を用いて、
各バンドパスフィルタを順次交換しながら撮像する面順
次撮像方式によってもよい。
【0096】また図6に示す色分解光学系に代わって、
ラインセンサ6上の各画素に、少なくとも波長帯a、波
長帯bの各バンドパスフィルタを規則的に配置した単板
式撮像方式によってもよい。
【0097】また本実施例では撮像手段として、CCD
素子をライン状に配置したラインセンサ6を用いたが、
この撮像素子はCCD素子以外でも良い。
【0098】(実施例3) 図10は、請求項記載の検査方法の一実施例を具現化
した検査装置の主要構成を示すものである。
【0099】図10に於いて、白色光源1、コンデンサ
ーレンズ2、長方形状のスリット3、投影レンズ4にて
照明系が構成されている。また対物レンズ5、ラインセ
ンサ36にて構成された第1の撮像系は、前記の照明光
軸の左側に配置し、また対物レンズ5、ラインセンサ3
8にて構成された第2の撮像系は、前記の照明光軸に対
して、第1の撮像系と対象配置にされている。
【0100】また8は試料台移動系で、14はラインセ
ンサの信号と試料台移動の信号から画像を形成する前処
理部、15は画像処理部である。
【0101】37は第1の撮像系による被検査物上の幅
wsの撮像領域、39は第2の撮像系による被検査物上
の幅wsの撮像領域、11は撮像系の光軸の角度β、1
0は照明系の光軸と撮像系の光軸の被検査物上に於ける
間隔d、13は被検査物上の幅wlの照明領域である。
ここで、各撮像領域の幅wsは画素分解能に対応する。
【0102】かかる構成装置に於いて、白色光源1から
の光はコンデンサレンズ2を通りスリット3を照明し、
このスリット3の像が、投影レンズ4によって被検査物
7上にスリットと相似形の幅wlを有する照明領域12
となる。
【0103】ここで撮像領域37及び39に照明光を照
射しないようにするため、照明領域と撮像領域の最小距
離(d−ws/2−wl/2)が正値となるように設定
する。
【0104】照明領域12から被検査物の内部を拡散し
て撮像領域37から放射される拡散放射光は、第1の撮
像系の対物レンズ5を介して、ラインセンサ36上に結
像する。
【0105】また同様に、照明領域12から被検査物の
内部を拡散して撮像領域39から放射される拡散放射光
は、第2の撮像系の対物レンズ5を介して、ラインセン
サ38上に結像する。
【0106】試料台移動系8で被検査物7を順次移動さ
せながら、各ラインセンサ36、38の信号と試料台移
動の信号から画像を形成する前処理部14を介して画像
処理部15に入力された画像信号を画像処理する事でク
ラック欠陥を検出する。
【0107】図11は、前記の検査装置を用いて、被検
査物7上に照明光20によって長方形状の照明領域12
を照射し、この照明領域12の左側を撮像領域37、ま
た照明領域12の右側を撮像領域39とした場合の、各
撮像領域への光拡散例を示した模式図である。
【0108】被検査物7が光拡散性を有している場合、
この照明領域12に照射された照明光20の一部は被検
査物7の内部に屈折して入射し、減衰しながら被検査物
7の内部に拡散してゆく。
【0109】さらに、この内部拡散光の一部が撮像領域
37から拡散放射光40、また撮像領域39から拡散放
射光41として放射される。
【0110】図11の位置にクラック開口部23がある
場合、照明領域12からの内部拡散光の一部42は、ク
ラック欠陥24に影響されず撮像領域37に到達し、こ
れに加えて拡散光の一部43はクラック欠陥24によっ
て反射されて撮像領域37に到達する。この結果、撮像
領域37から放射される拡散放射光40の強度は増加す
る。
【0111】一方、内部拡散光の一部44は、クラック
欠陥24を透過して撮像領域39に到達するため、拡散
光の強度はさらに減衰し、撮像領域39から放射される
拡散放射光41の強度は減少する。
【0112】この様に各撮像領域37、39に到達する
内部拡散光は拡散経路が異なるため、各拡散光がクラッ
ク欠陥24によって受ける反射、屈折による強度変化の
影響が違う。
【0113】この結果、各拡散放射光40、41のクラ
ック欠陥24による強度変化は、実施例2の説明で用い
た図8と同様の関係がある。
【0114】このため、実施例2におけると同様に、各
ラインセンサの撮像信号はクラックの開口部の相対位置
によって変化し、それら信号変化はクラック面の傾斜角
θ、クラック長さLによって異なり、各撮像信号でのク
ラック検出精度には差が生じる。
【0115】この各撮像信号に対して図10の画像処理
部15によって適当なしきい値を設定して2値化して欠
陥強調して欠陥検出を行う。
【0116】最終的に各撮像信号での欠陥判定結果の論
理和を取る事によって、各種のクラック面の傾斜角θ、
クラック長さLの欠陥について、クラック欠陥24によ
る信号強度の変化を強調し、同時にクラック近傍領域も
信号変化する領域となるので、クラック欠陥24を拡大
強調して検出できる。
【0117】従って撮像系の画素分解能が、検出すべき
クラックの寸法に比較して大きくなる低撮像倍率の撮像
系でも、画素分解能より微小なクラックを検出可能とな
る。
【0118】また一括処理での撮像領域は撮像倍率の自
乗に反比例するので、撮像倍率を低くした撮像系では一
括して検査する領域を拡大して、検査速度を向上させる
事が出来る。この結果、高精度かつ高速な欠陥検査を行
う事が出来る。
【0119】なお、2値化処理の前に各撮像信号の差信
号を取る事によって、クラック欠陥による信号変化を強
調して、検出精度を向上させる事もできる。
【0120】なお、2値化処理の前に微分処理を行えば
1次微分値が最大となる位置が撮像領域にクラック開口
部23が位置している場合であるので、クラック開口部
23の位置を精度良く特定できる。
【0121】また本実施例では撮像手段として、CCD
素子をライン状に配置したラインセンサ6を用いたが、
この撮像手段はCCD素子以外でも良い。
【0122】なお、実施例2では、照明光が波長帯aと
波長帯bを用いるので、被検査物の色によっては被検査
物内部の拡散光強度が極端に減衰するので使用可能な波
長帯が制約がある。
【0123】これに対して、本実施例によれば、被検査
物の色に制限されず同一照明光で同等以上の高精度検査
が可能である。
【0124】(実施例4) 図12は、請求項記載の検査方法の一実施例を具現化
した検査装置の主要構成を示すものである。
【0125】図12に於いて、白色光源1、コンデンサ
ーレンズ2、長方形状スリット3、投影レンズ4にて照
明系が構成されている。また対物レンズ5、ラインセン
サ6にて撮像系が構成されている。
【0126】また8は試料台xy移動系で、45は試料
台の回転系、14はラインセンサの信号と試料台移動の
信号から画像を形成する信号処理部、15は画像処理
部、46は座標変換計算部である。
【0127】ここで12は被検査物上の幅wlの照明領
域、9は照明系の光軸の角度α、11は撮像系の光軸の
角度β、10は照明系の光軸と撮像系の光軸の被検査物
上に於ける間隔d、13は被検査物上の幅wsの撮像領
域を示す。
【0128】かかる構成装置に於いて、白色光源1から
の光がコンデンサレンズ2を通りスリット3を照明し、
このスリット3の像が投影レンズ4によって被検査物7
上にスリットと相似形の幅wlを有する照明領域12と
なる。
【0129】ここで撮像領域13に照明光が入射しない
ようにするため、照明領域と撮像領域の最小距離(d−
ws/2−wl/2)が正値となるように設定する。
【0130】照明領域12から被検査物7の内部を拡散
して撮像領域13から放射される拡散放射光は、撮像系
の対物レンズ5を介してラインセンサ6上に結像する。
【0131】試料台xy移動系8によって被検査物7を
順次移動させながら、ラインセンサ6の信号と試料台移
動の信号から画像を形成する前処理部14を介して画像
処理部15に入力された画像信号を画像処理する事でク
ラック欠陥を検出する。
【0132】次に試料台回転系45によって被検査物7
を任意角度δ回転させる事で、被検査物7の撮像領域1
3に対しての照明領域を移動させ、前記手順と同様にし
てクラック欠陥を検出する。
【0133】以降、順次被検査物7を任意角度δずつ回
転してクラック欠陥を検出して、最終的に(360−
δ)゜回転させて検査する。
【0134】図13は上記の検査装置を用いて、被検査
物7上に照明光20によって長方形状の照明領域12を
照射し、この照明領域12から撮像領域13への光拡散
例を示した模式図である。
【0135】被検査物7が光拡散性を有している場合、
この照明領域12に照射された照明光20の一部は被検
査物7の内部に屈折して入射し、減衰しながら被検査物
7の内部に拡散してゆく。
【0136】さらに、この内部拡散光の一部が撮像領域
13から拡散放射光22として放射される。以降、照明
領域12を領域47の様に被検査物7の撮像領域13に
対して順次回転移動させて、被検査物7の表面から放射
される拡散放射光22を個別に撮像しておき、最大の信
号変化が得られるものを信号処理して欠陥検出を行う。
【0137】クラック欠陥の検出例を以下に説明する。
図12の被検査物7の右側にクラック欠陥24がある。
この被検査物7を試料台を順次左側に移動させて、撮像
した場合を例として図14を用いて検出例を以下に説明
する。
【0138】図14(a)の被検査物7には、クラック
開口部の方位角φ、クラック面の傾斜角θ、クラック長
さLのクラック欠陥がある。
【0139】図中のy軸方向はラインセンサの長手方向
である。またx軸は画像入力時に試料台を移動する方向
である。
【0140】この被検査物7を、上記検査装置で被検査
物の左側から順次試料台をx軸方向に移動させて撮像
し、次に被検査物を任意角度δ(図の場合は90゜)ず
つ回転させて撮像を行う。
【0141】この時のラインセンサ6上の各画素におい
て、左側より右方向に被検査物7を順次撮像する時に、
被検査物7の一部にあるクラック欠陥24を撮像する画
素についての撮像信号例を、図14(b)、(c)、
(d)、(e)に示す。
【0142】各照明領域では、撮像領域への光拡散に影
響するクラック面の方向やクラックのサイズが異なるの
で、各信号では変化の程度が違う。
【0143】従って、クラック欠陥24の開口部23の
相対位置によってラインセンサの各信号は大きく変化す
るが、各信号の変化はクラック開口部の方位角φ、クラ
ック面の傾斜角θ、クラック長さL等によって大きく異
なり、クラック検出精度に差を生じる。
【0144】この各信号に対して、図12の画像処理部
15によって適当なしきい値を設定して2値化して欠陥
強調して欠陥検出を行い、最終的に各回転角度での欠陥
判定結果の論理和を取る事によって欠陥検査を行う。
【0145】これにより各種のクラック開口部の方位角
φ、クラック面の傾斜角θ、クラック長さL等の欠陥に
ついて、クラック欠陥24による信号強度の変化を強調
し、同時にクラック近傍領域は信号変化する領域となる
ので、クラック欠陥24を拡大強調して検出し、高精度
のクラック欠陥検査が可能である。
【0146】従って撮像系の画素分解能が、検出すべき
クラックの寸法に比較して大きくなる低撮像倍率の撮像
系でも、画素分解能より微小なクラックを検出可能とな
る。
【0147】また一括処理での撮像領域は撮像倍率の自
乗に反比例するので、撮像倍率を低くした撮像系では一
括して検査する領域を拡大して、検査速度を向上させる
事が出来る。この結果、高精度かつ高速な欠陥検査を行
う事が出来る。
【0148】なお、上記では試料台回転系45によって
被検査物7を回転させているが、この代替え手段とし
て、照明系と撮像系を一体として回転させても良い。
【0149】なお、各欠陥の被検査物上の位置は、座標
変換計算部46によって基準とする被検査物7の回転角
におけるxy座標に変換して算出が出来る。
【0150】なお、2値化処理の前に微分処理を行えば
1次微分値が最大となる位置が撮像領域にクラック開口
部24が位置している場合であるので、クラック開口部
24の位置を精度良く特定できる。
【0151】また本実施例では撮像手段として、CCD
素子をライン状に配置したラインセンサ6を用いたが、
この撮像手段はCCD素子以外でも良い。
【0152】以上説明した図1、6、10、12に示す
各欠陥検査装置において、照明系に、長方形状スリット
を透過した光をシリンドリカルレンズによって照明光を
略長方形状に集光させて、被検査物上に略長方形状の照
明領域を形成する方式を用いる事により、入射光強度を
減じないで、照明領域幅wlを小さくして検出信号の変
化をさらに強調出来、クラック検出精度を向上させる事
もできる。
【0153】以上、本願発明を実施例に基づき詳細に説
明した。以上の各実施例は、本願発明を、セラミック基
板におけるクラックの検出に適応したものであるが、本
願発明の原理からも明かなように、本願発明は、被検査
物の内部に浸透し、その内部の光学的不均一性の情報を
含んで被検査物の表面から放射される光を検出すること
により、被検査物の光学的不均一性を検出するものであ
り、クラック以外の検出にも適用できるものである。
【0154】例えば、内部に局部的に存在する、反射率
の高い界面あるいは透過率の低い界面等を検出すること
が可能である。
【0155】
【発明の効果】従来の顕微鏡等では、撮像領域及びその
周辺領域全体が照明されているため、例えば、図13
(a)でのクラックでは、照明領域の異なる図13の
(b)(c)(d)(e)の各信号を積分した様な信号
となる。
【0156】このため、図13(b)と図13(d)の
様に、ほぼ逆極性の信号が打ち消し合って、クラック部
の信号変化が非常に小さく目視検査が困難であり、これ
は高い撮像倍率にしても改善しない。
【0157】これに対して、本発明の欠陥検査方法およ
び検査装置によれば、限定した照明領域から撮像領域へ
光拡散して被検査物表面から放射される拡散放射光が、
撮像領域及びその周辺に存在するクラック欠陥によって
強度が変化する事を利用してクラック欠陥の強調検出を
行う。
【0158】このため撮像系が数μm〜数十μmの画素
分解能であっても、クラック開口幅がサブミクロンレベ
ルのマイクロクラックでも検出が可能である。
【0159】この結果、光拡散性のある被検査物のクラ
ック欠陥等を高精度、高速、低コストに検査可能になる
と言う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学的検査方法の一実施例を具現化し
た装置のブロック図
【図2】同実施例における被検査物上の照明領域と撮像
領域内への光拡散を示す模式図
【図3】同実施例における、照明領域と撮像領域の間に
クラック欠陥が有る場合の光拡散を示す模式図
【図4】同実施例における、照明領域と撮像領域の間以
外にクラック欠陥が有る場合の光拡散を示す模式図
【図5】同実施例に於けるクラック検出信号の模式図
【図6】本発明の光学的検査方法の第2の実施例を示す
ブロック図
【図7】同実施例における、波長帯の重複しない2つの
照明領域からの光拡散を示す模式図
【図8】同実施例における、2つの照明領域からの拡散
放射光とクラック形状の関係図
【図9】同実施例に於けるクラック検出信号の模式図
【図10】本発明の光学的検査方法の第3の実施例を示
すブロック図
【図11】同実施例における、照明領域から2つの撮像
領域への光拡散を示す模式図
【図12】本発明の光学的検査方法の第4の実施例を示
すブロック図
【図13】同実施例における、被検査物上の照明領域及
び撮像領域とクラック欠陥位置を示す模式図
【図14】同実施例におけるクラック検出信号の模式図
【図15】被検査物のクラック欠陥の模式図
【符号の説明】
1 白色光源 2 コンデンサーレンズ 3 長方形状スリット 4 投影レンズ 5 対物レンズ 6 ラインセンサ 7 被検査物 8 試料台(xyテーブル) 9 照明系の光軸の角度α 10 照明系と撮像系の間隔d 11 撮像系の光軸の角度β 12 幅wlの照明領域 13 幅wsの撮像領域 14 画像形成のための前処理部 15 画像処理部 16 欠陥強調クラック 20 白色照明光 21 被検査物内部の拡散光 22 拡散放射光 23 クラックの開口部 24 クラック欠陥 25 クラック欠陥での拡散光 26 2値化のしきい値 27 波長帯aのバンドパスフィルタ 28 波長aによる幅wlの照明領域 29 波長帯bのバンドパスフィルタ 30 波長bによる幅wlの照明領域 31 ダイクロイックミラー 32 波長aの照明光 33 波長bの照明光 34 波長aの拡散放射光 35 波長bの拡散放射光 36 第1の撮像系のラインセンサ 37 第1の撮像系による第1の撮像領域 38 第2の撮像系のラインセンサ 39 第2の撮像系による第2撮像領域 40 第1の撮像領域の拡散放射光 41 第2の撮像領域の拡散放射光 42 内部拡散光の一部 43 第1の撮像領域に到達する拡散光 44 第2の撮像領域に到達する拡散光 45 試料台回転系 46 座標変換計算部 47 位置を変更した照明領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 厚司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−61653(JP,A) 特開 平5−87739(JP,A) 特公 昭59−25972(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958 G01B 11/00 - 11/30

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検査物表面に撮像領域と所定距離分離し
    て長辺が数十mm以上である略長方形状に光を照射し
    走査し、前記被検査物の表面から内部に浸透したのち前
    記被検査物表面から放射される光を検出し、前記検出さ
    れた光の強度変化を検出することにより被検査物の光学
    的不均質を検出する光学的検査方法。
  2. 【請求項2】被検査物表面に、波長帯の重複しない複数
    種の光を重なり合うことなく照射して走査し、各照射光
    が被検査物内部に浸透したのち前記被検査物の表面から
    放射される光を各々検出し、前記検出された光の強度変
    化を検出することにより被検査物の光学的不均質を検出
    する光学的検査方法。
  3. 【請求項3】放射光の検出領域がライン状であり、前記
    検出領域の片側に波長帯aの光を略長方形状で被検査物
    に照射して走査し、他の片側に波長帯bの光を略長方形
    状で被検査物に照射することを特徴とする請求項に記
    載の光学的検査方法。
  4. 【請求項4】前記被検査物表面から放射される光の検出
    を複数の位置において検出することを特徴とする請求項
    1に記載の光学的検査方法。
  5. 【請求項5】前記被検査物表面から放射される光の検出
    照射光の両側検出することを特徴とする請求項
    載の光学的検査方法。
  6. 【請求項6】前記被検査物表面への光の照射位置を前記
    被検査物の表面から放射される光の検出位置に対して順
    次回転することを特徴とする請求項1に記載の光学的検
    査方法。
  7. 【請求項7】ラインセンサによる撮像系と、この撮像系
    による被検査物の撮像領域と所定距離分離して長辺が数
    十mm以上である長方形状スリットを投影して照明する
    照明系と、撮像系及び照明系で構成される画像入力系と
    被検査物を相対的に移動させる駆動系と、この撮像信号
    を信号処理して欠陥検出を行う信号処理系を備えている
    事を特徴とする光学的検査装置。
  8. 【請求項8】波長帯の重複しない波長帯a、波長帯bを
    分離する手段とラインセンサにより構成される色分解撮
    像系と、この撮像系による縦ライン状の撮像領域の左側
    を波長帯aで長方形状スリットを投影して照明し、同時
    に撮像領域の右側を波長帯bで長方形状スリットを投影
    して照明して、撮像領域内には照明光が照射しない様に
    した照明系と、撮像系及び照明系と被検査物を相対移動
    させる駆動系と、これらの撮像信号を信号処理して欠陥
    検出を行う信号処理系を備えている事を特徴とする光学
    的検査装置。
  9. 【請求項9】撮像手段による被検査物の撮像領域外に長
    方形状スリットを投影して照明する照明系と、この縦長
    の長方形状をした照明領域の左側と右側を独立した2つ
    のラインセンサによつて撮像する撮像系と、撮像系及び
    照明系と被検査物を相対移動させる駆動系と、これらの
    撮像信号を信号処理して欠陥検出を行う信号処理系を備
    えている事を特徴とする光学的検査装置。
  10. 【請求項10】ラインセンサによる撮像系と、この撮像
    系による被検査物の撮像領域外に長方形状スリットを投
    影して照明する照明系と、撮像系及び照明系と被検査物
    とを相対的に直線移動させる駆動系と、順次撮像系及び
    照明系と被検査物とを相対的に回転移動させる駆動系
    と、各回転移動での前記撮像信号を信号処理して、各撮
    像信号で個別に欠陥検出を行う信号処理系と、次に各欠
    陥検出結果の論理和等を演算して、最終的な欠陥検査結
    果を判定する検査結果判定系とを備えている事を特徴と
    する光学的検査装置。
  11. 【請求項11】前記長方形状スリットを透過した光をシ
    リンドリカルレンズによつて照明光を略長方形状に集光
    させて、被検査物上に略長方形状の照明領域を形成する
    事を特徴とする請求項7から10の何れかに記載の光学
    的検査装置。
  12. 【請求項12】光学的不均質が被検査物の内部に達する
    クラックであることを特徴とする請求項1から6の何れ
    かに記載の光学的検査方法。
  13. 【請求項13】光学的不均質が被検査物内部の気泡であ
    る請求項1から6の何れかに記載の光学的検査方法。
  14. 【請求項14】光学的不均質が、被検査物内部における
    光学的反射率の不均一性である請求項1から6の何れか
    に記載の光学的検査方法。
  15. 【請求項15】被検査物表面から放射される光の強度変
    化の検出が、増加から減少への変化もしくは減少から増
    加への変化として検出されることを特徴とする請求項1
    から612から14の何れかに記載の光学的検査方
    法。
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