JP6432311B2 - 圧電薄膜付き基板の製造方法、圧電アクチュエータの製造方法、インクジェットヘッドの製造方法、圧電薄膜付き基板、圧電アクチュエータ、インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタ - Google Patents

圧電薄膜付き基板の製造方法、圧電アクチュエータの製造方法、インクジェットヘッドの製造方法、圧電薄膜付き基板、圧電アクチュエータ、インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタ Download PDF

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本発明は、基板を含む下地層上に、ペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜を形成した圧電薄膜付き基板およびその製造方法、上記圧電薄膜付き基板を有する圧電アクチュエータおよびその製造方法、上記圧電アクチュエータを有するインクジェットヘッドおよびその製造方法、上記インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタに関するものである。
近年、駆動素子やセンサなどに応用するための機械電気変換素子として、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)などの鉛系の圧電体や、ニオブ酸カリウムナトリウム((K,Na)NbO3)などの鉛を含まない非鉛系の圧電体が用いられている。このような圧電体は、シリコン(Si)等の基板上に薄膜として形成することで、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子へ応用が期待されている。
MEMS素子の製造においては、フォトリソグラフィーなど半導体プロセス技術を用いた高精度な加工を適用できるため、素子の小型化や高密度化が可能となる。特に、直径6インチや直径8インチといった比較的大きなSiウェハ上に素子を高密度に一括で作製することにより、素子を個別に製造する枚葉製造に比べて、コストを大幅に低減することができる。
また、圧電体の薄膜化やデバイスのMEMS化により、機械電気の変換効率が向上することで、センサの感度や駆動素子の特性が向上するといった新たな付加価値も生み出されている。例えば、熱センサでは、MEMS化による熱コンダクタンス低減により、測定感度を上げることが可能となり、プリンター用のインクジェットヘッドでは、ノズルの高密度化による高精細パターニングが可能となる。
圧電体として、Pbを含む材料を用いる場合、PZTと呼ばれるPb、Zr、Ti、Oからなる結晶を用いることが多い。PZTは、図11に示すペロブスカイト型構造となるときに良好な圧電効果を発現するため、ペロブスカイト単相にする必要がある。ここで、ペロブスカイト型構造とは、理想的には立方晶系の単位格子を有し、立方晶の各頂点(Aサイト)に配置される金属(例えばPb)、体心(Bサイト)に配置される金属(例えばZrまたはTi)、立方晶の各面心に配置される酸素Oとから構成されるABO3型の結晶構造のことである。ペロブスカイト構造の結晶には、立方晶が歪んだ正方晶、斜方晶、菱面体晶等も含まれるものとする。特に、PZTでは、Bサイトに位置するZrとTiのモル比が52:48付近で、MPB(Morphotropic Phase Boundary)と呼ばれる層境界が存在する。このMPB組成では、圧電定数、分極値、誘電率といった圧電特性の極大が得られることから、MPB組成の圧電体が積極的に利用されている。
インクジェットヘッドのようなMEMS駆動素子に圧電体を用いる場合、Siなどの基板上に必要な変位発生力を満たすために、圧電体を1〜5μmの厚みで成膜しなければならない。このような圧電体の薄膜(以下、圧電薄膜とも称する)を基板上に成膜する方法としては、CVD法(Chemical Vapor Deposition )などの化学的成膜法、スパッタ法やイオンプレーティング法といった物理的な方法、ゾルゲル法などの液相での成長法が知られている。
ところで、MEMS駆動素子における圧電薄膜の重要な膜特性として、基板を含む下地層との密着性がある。インクジェットヘッドの場合、電気信号が印加された圧電薄膜が逆圧電効果により駆動して、液体が充填されたチャンバー(圧力室)に力を加えて、液体の吐出を行うため、圧電薄膜と下地層との界面には大きな力が作用する。また、高解像な描画を実現すべく、チャネルを高密度に配置するためには、圧電薄膜の厚みも薄くする必要があり、それゆえ、圧電薄膜の剥がれが起きやすい。したがって、圧電薄膜と下地層との密着性を保持することが必要である。
また、機械電気変換特性を示すパラメータの一つである圧電定数も、圧電薄膜の膜特性として重要である。圧電定数が高いほど、入力電圧に対して効率よく駆動することができる。例えばインクジェットヘッドにおいて、最適な設計により早い応答性を利用して、高速射出を可能とするためには、圧電薄膜の圧電定数|d31|の値は、例えば140pm/V以上、望ましくは160pm/V以上であることが要求される。
圧電素子を量産する場合、例えば直径6インチや8インチといったシリコンウェハ上に圧電薄膜を連続成膜するため、上記した密着性や圧電定数といった特性が、ウェハ面内のみならず、ウェハ間すなわちバッチ間でも、仕様を満たすことが要求される。
一方で、圧電薄膜を長期間安定して成膜することは一般的に非常に難しく、10数枚のウェハに安定して圧電薄膜を成膜した後に、突発的に仕様を満たさない不良膜が形成されることがある。これは、圧電薄膜の成膜では、上述したように、ペロブスカイト型構造の結晶を得ることが重要であるが、わずかな組成のばらつきや、結晶化時の環境の乱れによって、準安定相であるパイロクロア構造の結晶や非晶質な領域ができやすく、それらの異相が増えてしまうことで、密着性や圧電特性の劣化を引き起こすためと考えられる。そのため、量産時には、抜き取りによる検査ではなく、できるだけ多くの基板に成膜された膜を検査することが要求される。
ここで、従来の一般的な膜の検査において、膜質と相関がある組成を非破壊で検査する方法として、蛍光X線元素分析法(XRF;X-ray Fluorescence Analysis )やラマン分光といった方法がある。しかし、前者の方法では、一定以上のエネルギーを持つX線を膜に照射するため、膜へのダメージが大きい。また、後者の方法では、膜へのレーザー照射によって発生するラマン散乱光の強度は、入射光に対して非常に微弱であり、測定精度が低い。さらに、両方法とも、装置の導入コストが高く、低コストでの検査には向かない。
また、膜の結晶性を測定する方法として、X線回折(XRD;X‐ray diffraction)を利用する方法もある。しかし、XRDでは、非破壊で、パーティクルなどの汚染なく測定を行うことは困難である。また、XRDの測定自体は、膜の密着性や圧電定数の測定には対応していない。
その他に、ウェハ状態のまま、ウェハ面内の任意の微小な領域に電極部を設けて電荷を測定するとともに、変位をレーザー測定することで圧電定数を測定する検査装置(例えばアグザクト社製)も提案されている。しかし、この検査装置では、電極部はデバイスとして使用できない、装置の導入コストが高い、密着性の良否まで判別できない、といった欠点がある。
したがって、上記の各方法では、膜の検査段階では良品と判定されても、その後、デバイス作製後に不良が判明する場合がある。
一方、圧電薄膜の膜厚や表面粗さを測定する方法については、例えば特許文献1および2に開示されている。特許文献1では、光学式の薄膜測定装置によって圧電薄膜の膜厚を非接触で測定するようにしている。そして、上記の光学測定による膜厚の測定値が、信頼性の高い値であるかどうかを以下のようにして判別している。つまり、圧電薄膜の表面に対して光を照射し、圧電薄膜の表面で反射された光と、照射光が圧電体膜を透過して下部電極の表面で反射された光との干渉によって得られる反射光から、反射率を測定する。そして、測定した反射率に基づいて、光学測定による膜厚の測定値が、走査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)によって測定した圧電薄膜の断面での膜厚値(実測値)に近いかどうか、つまり、信頼性の高い値であるかどうかを判別するようにしている。特許文献2では、圧電薄膜の表面の平滑性(表面粗さ)を、原子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microscope)を用いて測定するようにしている。
特開2013−197553号公報(請求項1、段落〔0011〕、〔0020〕、〔0022〕、〔0031〕〜〔0038〕、図2、図4等参照) 特開2011−181776号公報(段落〔0046〕等参照)
ところが、特許文献1および2に開示された方法は、上述のように、圧電薄膜の膜厚や表面粗さといった、圧電薄膜の外見上のパラメータを測定(検査)するものであり、膜内部の状態を検査するものではなく、ましてや、密着性および圧電特性に影響を及ぼす圧電薄膜の膜質を検査するものでもない。このため、その後作製されるデバイスにおいて、圧電薄膜の密着性および圧電特性の低下に起因するデバイス不良が発生する場合がある。従来、このようなデバイス不良は、デバイスを作製した後に判明しており、デバイス作製前にデバイス不良となるような膜であるか否かを認識することはできなかった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、成膜された圧電薄膜が、密着性や圧電特性の低下によるデバイス不良が発生するような膜質のものであるか否かを、デバイス作製前に認識することができ、これによってデバイス不良の発生を抑えることができる圧電薄膜付き基板の製造方法と、その製造方法を用いた圧電アクチュエータの製造方法およびインクジェットヘッドの製造方法と、圧電薄膜付き基板、圧電アクチュエータ、インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタとを提供することにある。
本発明の一側面に係る圧電薄膜付き基板の製造方法は、基板を含む下地層上に、ペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜を成膜する成膜工程と、前記圧電薄膜に光を照射し、前記圧電薄膜にて反射される拡散光の測定結果に基づいて、前記圧電薄膜の膜質の良否を判定する検査工程とを有している。
ペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜の膜中に、ペロブスカイト型構造とは異なる結晶相(例えばパイロクロア構造)が存在すると、圧電薄膜の下地層との密着性や圧電特性の低下につながる。圧電薄膜に光を照射し、得られる拡散光(拡散反射光)を測定することにより、上記異なる結晶相に起因する圧電薄膜の白濁状態を調べることができ、これによって、密着性および圧電特性に影響を及ぼす圧電薄膜の膜質の良否を判定することができる。
このように、圧電薄膜に光を照射して得られる拡散光の測定結果に基づいて、圧電薄膜の膜質の良否を判定することにより、圧電アクチュエータやインクジェットヘッドなどのデバイスの作製前に、成膜された圧電薄膜が、密着性や圧電特性の低下によるデバイス不良が発生するような膜であるか否かを認識することができる。これにより、膜質良の圧電薄膜を有する基板(圧電薄膜付き基板)を用いてデバイスを作製して、デバイス不良の発生を抑えることができる。
前記検査工程では、正反射光を除く前記拡散光の測定結果に基づいて、前記膜質の良否を判定してもよい。正反射光は、膜中に上記異なる結晶相が存在しているか否かに関係なく、圧電薄膜の表面での正反射によって発生するため、そのような正反射光が拡散光に含まれると、拡散光の測定結果に、正反射光によるノイズが含まれる可能性がある。正反射光を除く拡散光の測定結果に基づいて膜質の良否を判定することにより、正反射光によるノイズの影響を低減して、拡散光の測定結果に基づく膜質の良否の判定精度を向上させることができる。
前記検査工程では、前記拡散光の反射率が11%以下である場合に、膜質良と判定してもよい。拡散光の反射率が11%以下であれば、圧電薄膜において白濁部分が少ないため、膜中に密着性および圧電特性の低下をもたらす結晶相が少ないと考えられる。したがって、密着性および圧電特性に関して信頼性の高い膜質判定を実現できる。
前記検査工程では、前記拡散光の反射率が6%以下である場合に、膜質良と判定してもよい。拡散光の反射率が6%以下であれば、圧電薄膜において白濁部分が非常に少ないため、膜中に密着性および圧電特性の低下をもたらす結晶相が非常に少ないと考えられる。したがって、密着性および圧電特性に関してさらに信頼性の高い膜質判定ができる。
本発明の他の側面に係る圧電アクチュエータの製造方法は、上述した圧電薄膜付き基板の製造方法を用いた圧電アクチュエータの製造方法であって、前記圧電薄膜付き基板の製造方法は、前記成膜工程の前に、前記下地層の最表層として下部電極を形成する工程を含み、前記圧電アクチュエータの製造方法は、前記検査工程にて膜質良と判定された圧電薄膜上に、上部電極を形成する工程と、前記上部電極が形成された前記基板に、圧力室を形成する工程とを有している。
下地層の最表層として下部電極を形成し、圧電薄膜の成膜後、膜質良と判定された圧電薄膜上に上部電極を形成し、上部電極が形成された基板に圧力室を形成することで、圧電アクチュエータが得られる。膜質良と判定された圧電薄膜を用いて圧電アクチュエータが構成されるため、この圧電アクチュエータにおいて、圧電薄膜の密着性および圧電特性の低下に起因する不良(例えば素子としての駆動不良)の発生を低減することができる。
本発明のさらに他の側面に係るインクジェットヘッドの製造方法は、上述した圧電アクチュエータの製造方法を用いたインクジェットヘッドの製造方法であって、前記圧電アクチュエータの前記圧力室が形成された前記基板を支持基板とすると、前記支持基板の、前記圧力室に対して前記圧電薄膜の形成側とは反対側の表面に、インク吐出孔を有するノズル基板を貼り合わせる工程を有している。
圧電アクチュエータの支持基板の、圧力室に対して圧電薄膜の形成側とは反対側の表面にノズル基板が貼り合わされることで、インクジェットヘッドが得られる。膜質良と判定された圧電薄膜を用いてインクジェットヘッドが構成されるため、このインクジェットヘッドにおいて、圧電薄膜の密着性および圧電特性の低下に起因する不良(例えばインク吐出不良)の発生を低減することができる。
本発明のさらに他の側面に係る圧電薄膜付き基板は、基板を含む下地層上に、ペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜を形成した圧電薄膜付き基板であって、前記圧電薄膜に光を照射し、前記圧電薄膜にて反射される、正反射光を除く拡散光を測定したときに、前記拡散光の反射率が11%以下である。
ペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜の膜中に、ペロブスカイト型構造とは異なる結晶相(例えばパイロクロア構造)が存在すると、圧電薄膜の下地層との密着性や圧電特性の低下につながる。しかし、圧電薄膜に光を照射し、得られる拡散光(拡散反射光)を測定することにより、上記異なる結晶相に起因する圧電薄膜の白濁状態を調べることができる。上記拡散光の反射率が11%以下である場合、圧電薄膜の膜中に白濁の原因となる上記異なる結晶相が少ないと考えられるため、圧電薄膜において良好な密着性および圧電特性が得られる。このとき、上記拡散光には正反射光が含まれていないため、上記拡散光の反射率に、正反射光によるノイズの影響はほとんどない。
このように、圧電アクチュエータやインクジェットヘッドなどのデバイスの作製前に、圧電薄膜が、密着性および圧電特性が良好な膜であると認識できる。したがって、そのような膜質良の圧電薄膜を有する基板(圧電薄膜付き基板)を用いてデバイスを作製して、圧電薄膜の密着性や圧電特性の低下に起因するデバイス不良の発生を抑えることができる。
前記拡散光の反射率が6%以下であってもよい。この場合、圧電薄膜の膜中に白濁の原因となる上記異なる結晶相が非常に少ないと考えられるため、圧電薄膜において良好な密着性および圧電特性が確実に得られる。したがって、そのような膜質良の圧電薄膜を有する基板を用いてデバイスを作製して、デバイス不良の発生を確実に抑えることができる。
ABO3型の前記ペロブスカイト型構造のAサイトの元素は、鉛、バリウム、ランタン、ストロンチウム、ビスマス、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カドミウム、マグネシウム、カリウムの少なくとも1つを含み、Bサイトの元素は、ジルコニウムおよびチタンを含み、さらに、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、スカンジウム、コバルト、銅、インジウム、スズ、ガリウム、カドミウム、鉄、ニッケルの少なくとも1つを含んでいてもよい。
圧電薄膜が、上記のいずれかの元素を含むペロブスカイト型構造を有している構成において、上述の効果を得ることができる。
本発明のさらに他の側面に係る圧電アクチュエータは、上述した圧電薄膜付き基板と、前記圧電薄膜を膜厚方向から挟むように形成される上部電極および下部電極とを備え、前記圧電薄膜が形成される基板には、圧力室が形成されている。
密着性および圧電特性が良好な圧電薄膜を用いて圧電アクチュエータが構成されるため、この圧電アクチュエータにおいて、圧電薄膜の密着性および圧電特性の低下に起因する不良(例えば素子としての駆動不良)の発生を低減することができる。
本発明のさらに他の側面に係るインクジェットヘッドは、上記の圧電アクチュエータと、インク吐出孔を有するノズル基板とを備え、前記圧電アクチュエータの前記圧力室が形成された基板を支持基板とすると、前記ノズル基板は、前記支持基板の、前記圧力室に対して前記圧電薄膜の形成側とは反対側の表面に貼り合わされている。
密着性および圧電特性が良好な圧電薄膜を用いてインクジェットヘッドが構成されるため、このインクジェットヘッドにおいて、圧電薄膜の密着性および圧電特性の低下に起因する不良(例えばインク吐出不良)の発生を低減することができる。
本発明のさらに他の側面に係るインクジェットヘッドは、基板を含む下地層上に、下部電極と鉛系のペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜とがこの順で形成された圧電アクチュエータと、インク吐出孔を有するノズル基板と、を備えたインクジェットヘッドであって、前記圧電薄膜が形成される基板には、圧力室が形成されており、前記圧電薄膜に光を照射し、前記圧電薄膜にて反射される、正反射光を除く拡散光を測定したときに、前記拡散光の反射率が11%以下である。
インクジェットヘッドを構成する圧電アクチュエータに用いられる圧電薄膜に光を照射し、得られる拡散光(拡散反射光)を測定することにより、鉛系のペロブスカイト型構造とは異なる結晶相(例えばパイロクロア構造)に起因する圧電薄膜の白濁状態を調べることができる。上記拡散光の反射率が11%以下である場合、圧電薄膜の膜中に白濁の原因となる上記異なる結晶相が少ないと考えられるため、圧電薄膜において良好な密着性および圧電特性が得られる。このとき、上記拡散光には正反射光が含まれていないため、上記拡散光の反射率に、正反射光によるノイズの影響はほとんどない。したがって、密着性および圧電特性が良好な、鉛系のペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜を下部電極上に有する圧電アクチュエータと、ノズル基板とを用いて構成されたインクジェットヘッドにおいて、圧電薄膜の密着性や圧電特性の低下に起因するデバイス不良の発生を抑えることができる。
前記圧電薄膜の膜厚は、2μm以上6μm以下であることが望ましい。この場合、インクジェットヘッドにおいて、上記膜厚範囲の圧電薄膜を用いて、インクの吐出を確実に行うことができる。
本発明のさらに他の側面に係るインクジェットプリンタは、上記のインクジェットヘッドを備え、前記インクジェットヘッドから記録媒体に向けてインクを吐出させる。これにより、記録媒体上にインク吐出により形成される画像において、インク吐出不良による画質低下を抑えることができる。
圧電アクチュエータやインクジェットヘッドなどのデバイスの作製前に、密着性および圧電特性に影響を与える圧電薄膜の膜質を認識できる。したがって、膜質良の圧電薄膜を有する基板を用いてデバイスを作製して、圧電薄膜の密着性や圧電特性の低下に起因するデバイス不良の発生を抑えることができる。
本発明の実施の一形態に係るインクジェットプリンタの概略の構成を示す説明図である。 上記インクジェットプリンタが備えるインクジェットヘッドのアクチュエータの概略の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図とを併せて示した図である。 上記インクジェットヘッドの断面図である。 上記インクジェットヘッドの製造時の処理の流れを示すフローチャートである。 上記インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。 基板を含む下地層上に圧電薄膜を形成した圧電薄膜付き基板の断面図である。 測定物に光を照射して得られる拡散光の光量分布を模式的に示す説明図である。 上記圧電薄膜付き基板の製造工程を示す断面図である。 拡散光の反射率と、圧電薄膜の密着性および圧電特性の評価との関係を示す説明図である。 膜質の異なる3つの圧電薄膜についての拡散光の反射率スペクトルを示すグラフである。 圧電体の結晶構造を示す説明図である。模式的に示す説明図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をA〜Bと表記した場合、その数値範囲に下限Aおよび上限Bの値は含まれるものとする。
〔インクジェットプリンタの構成〕
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略の構成を示す説明図である。インクジェットプリンタ1は、インクジェットヘッド部2において、インクジェットヘッド21が記録媒体の幅方向にライン状に設けられた、いわゆるラインヘッド方式のインクジェット記録装置である。
インクジェットプリンタ1は、上記のインクジェットヘッド部2と、繰り出しロール3と、巻き取りロール4と、2つのバックロール5・5と、中間タンク6と、送液ポンプ7と、貯留タンク8と、定着機構9とを備えている。
インクジェットヘッド部2は、インクジェットヘッド21から記録媒体Pに向けてインクを吐出させ、画像データに基づく画像形成(描画)を行うものであり、一方のバックロール5の近傍に配置されている。なお、インクジェットヘッド21の詳細については後述する。
繰り出しロール3、巻き取りロール4および各バックロール5は、軸回りに回転可能な円柱形状からなる部材である。繰り出しロール3は、周面に幾重にも亘って巻回された長尺状の記録媒体Pを、インクジェットヘッド部2との対向位置に向けて繰り出すロールである。この繰り出しロール3は、モータ等の図示しない駆動手段によって回転することで、記録媒体Pを図1のX方向へ繰り出して搬送する。
巻き取りロール4は、繰り出しロール3より繰り出されて、インクジェットヘッド部2によってインクが吐出された記録媒体Pを周面に巻き取る。
各バックロール5は、繰り出しロール3と巻き取りロール4との間に配設されている。記録媒体Pの搬送方向上流側に位置する一方のバックロール5は、繰り出しロール3によって繰り出された記録媒体Pを、周面の一部に巻き付けて支持しながら、インクジェットヘッド部2との対向位置に向けて搬送する。他方のバックロール5は、インクジェットヘッド部2との対向位置から巻き取りロール4に向けて、記録媒体Pを周面の一部に巻き付けて支持しながら搬送する。
中間タンク6は、貯留タンク8より供給されるインクを一時的に貯留する。また、中間タンク6は、複数のインクチューブ10と接続され、各インクジェットヘッド21におけるインクの背圧を調整して、各インクジェットヘッド21にインクを供給する。
送液ポンプ7は、貯留タンク8に貯留されたインクを中間タンク6に供給するものであり、供給管11の途中に配設されている。貯留タンク8に貯留されたインクは、送液ポンプ7によって汲み上げられ、供給管11を介して中間タンク6に供給される。
定着機構9は、インクジェットヘッド部2によって記録媒体Pに吐出されたインクを当該記録媒体Pに定着させる。この定着機構9は、吐出されたインクを記録媒体Pに加熱定着するためのヒータや、吐出されたインクにUV(紫外線)を照射することによりインクを硬化させるためのUVランプ等で構成されている。
上記の構成において、繰り出しロール3から繰り出される記録媒体Pは、バックロール5により、インクジェットヘッド部2との対向位置に搬送され、インクジェットヘッド部2から記録媒体Pに対してインクが吐出される。その後、記録媒体Pに吐出されたインクは定着機構9によって定着され、インク定着後の記録媒体Pが巻き取りロール4によって巻き取られる。このようにラインヘッド方式のインクジェットプリンタ1では、インクジェットヘッド部2を静止させた状態で、記録媒体Pを搬送しながらインクが吐出され、記録媒体Pに画像が形成される。
なお、インクジェットプリンタ1は、シリアルヘッド方式で記録媒体に画像を形成する構成であってもよい。シリアルヘッド方式とは、記録媒体を搬送しながら、その搬送方向と直交する方向にインクジェットヘッドを移動させてインクを吐出し、画像を形成する方式である。
〔インクジェットヘッドの構成〕
次に、上記したインクジェットヘッド21の構成について説明する。図2は、インクジェットヘッド21のアクチュエータ21a(圧電アクチュエータ)の概略の構成を示す平面図と、その平面図におけるA−A’線矢視断面図とを併せて示したものである。また、図3は、図2のアクチュエータ21aにノズル基板31を接合してなるインクジェットヘッド21の断面図である。
インクジェットヘッド21は、複数の圧力室22a(開口部)を有する基板22上に、熱酸化膜23、下部電極24、圧電薄膜25、上部電極26をこの順で有している。なお、基板22、熱酸化膜23および下部電極24は、圧電薄膜25を成膜する際の下地となる下地層を構成しているが、下地層はこれらに限定されるわけではなく、適宜変更可能である。
基板22は、厚さが例えば300〜750μm程度の単結晶Si(シリコン)単体からなる半導体基板またはSOI(Silicon on Insulator)基板で構成されている。なお、図2では、基板22をSOI基板で構成した場合を示している。SOI基板は、酸化膜を介して2枚のSi基板を接合したものである。基板22における圧力室22aの上壁(圧力室22aよりも圧電薄膜25側に位置する壁)は、従動膜となる振動板22bを構成しており、圧電薄膜25の駆動(伸縮)に伴って変位(振動)し、圧力室22a内のインクに圧力を付与する。なお、圧力室22aが形成される上記の基板22のことを、その上に形成される圧電素子27を支持するための支持基板とも称する。
熱酸化膜23は、例えば厚さが0.1μm程度のSiO2(酸化シリコン)からなり、基板22の保護および絶縁の目的で形成されている。
下部電極24は、複数の圧力室22aに共通して設けられるコモン電極であり、Ti(チタン)層とPt(白金)層とを積層して構成されている。Ti層は、熱酸化膜23とPt層との密着性を向上させるために形成されている。Ti層の厚さは例えば0.02μm程度であり、Pt層の厚さは例えば0.1μm程度である。なお、Ti層の代わりにTiOx(酸化チタン)からなる層を用いてもよい。
圧電薄膜25は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの、ペロブスカイト型構造を有する強誘電体薄膜で構成されており、各圧力室22aに対応して設けられている。圧電薄膜25の膜厚は、例えば1μm以上10μm以下とすることができるが、インクジェットヘッド用の圧電アクチュエータとしては、2μm以上6μm以下であることが、薄膜の構成でインクの吐出を確実に行える観点から望ましい。また、インクジェットヘッドにおいては、圧電薄膜25として、鉛(Pb)を有するもの、つまり、鉛系のペロブスカイト型構造を有するものが、良好な圧電特性が得られる点で望ましい。
上部電極26は、各圧力室22aに対応して設けられる個別電極であり、Ti層とPt層とを積層して構成されている。Ti層は、圧電薄膜25とPt層との密着性を向上させるために形成されている。Ti層の厚さは例えば0.02μm程度であり、Pt層の厚さは例えば0.1〜0.2μm程度である。上部電極26は、下部電極24との間で圧電薄膜25を膜厚方向から挟むように設けられている。なお、Pt層の代わりに、金(Au)からなる層を形成してもよい。
下部電極24、圧電薄膜25および上部電極26は、圧力室22a内のインクを外部に吐出させるための圧電素子27を構成している。この圧電素子27は、駆動回路28から下部電極24および上部電極26に印加される電圧(駆動信号)に基づいて駆動される。インクジェットヘッド21は、圧電素子27および圧力室22aを縦横に並べることにより形成される。
圧力室22aが形成された基板22に対して、圧電薄膜25の形成側とは反対側には、ノズル基板31が接合されている。ノズル基板31には、圧力室22aに収容されるインクをインク滴として外部に吐出するためのインク吐出孔(ノズル孔)31aが形成されている。圧力室22aには、中間タンク6より供給されるインクが収容される。
上記の構成において、駆動回路28から下部電極24および上部電極26に電圧を印加すると、圧電薄膜25が、下部電極24と上部電極26との電位差に応じて、厚さ方向に垂直な方向(基板22の面に平行な方向)に伸縮する。そして、圧電薄膜25と振動板22bとの長さの違いにより、振動板22bに曲率が生じ、振動板22bが厚さ方向に変位(湾曲、振動)する。
したがって、圧力室22a内にインクを収容しておけば、上述した振動板22bの振動により、圧力室22a内のインクに圧力波が伝搬され、圧力室22a内のインクが吐出孔31aからインク滴として外部に吐出される。
〔インクジェットヘッドの製造方法〕
次に、本実施形態のインクジェットヘッド21の製造方法について以下に説明する。図4は、インクジェットヘッド21の製造時の処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、基板準備工程(S1)、熱酸化膜成膜工程(S2)、下部電極形成工程(S3)、圧電薄膜成膜工程(S4)、検査工程(S5)、上部電極形成工程(S6)、圧力室形成工程(S7)、ノズル基板接合工程(S8)が順に行われることで、インクジェットヘッド21が作製される。このうち、S1〜S5が、圧電薄膜付き基板の製造工程に対応し、S1〜S7が圧電アクチュエータの製造工程に対応している。以下、図5を参照しながら、各工程の詳細について説明する。図5は、インクジェットヘッド21の製造工程を示す断面図である。
(S1;基板準備工程)
まず、基板22を用意する。基板22としては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)に多く利用されている結晶シリコン(Si)を用いることができ、ここでは、酸化膜22eを介して2枚のSi基板22c・22dが接合されたSOI構造のものを用いている。
(S2;熱酸化膜成膜工程)
基板22を加熱炉に入れ、1500℃程度に所定時間保持して、Si基板22c・22dの表面にSiO2からなる熱酸化膜23a・23bをそれぞれ形成する。
(S3;下部電極形成工程)
次に、一方の熱酸化膜23a上に、TiおよびPtの各層をスパッタ法で順に成膜し、下部電極24を形成する。これにより、基板22、熱酸化膜23aおよび下部電極24からなる下地層が形成される。つまり、下部電極24は、上記の下地層において、基板22とは反対側の最表層に位置している。
(S4;圧電薄膜成膜工程)
続いて、基板22上に、PZTなどのペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜25を成膜する。より具体的には、基板22を600℃程度に再加熱し、変位膜となるPZTの層25aをスパッタ法で成膜する。次に、基板22に感光性樹脂35をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、エッチングすることによって感光性樹脂35の不要な部分を除去し、形成する圧電薄膜25の形状を転写する。その後、感光性樹脂35をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて層25aの形状を加工し、圧電薄膜25とする。
(S5;検査工程)
基板22上に成膜された圧電薄膜25の膜質を検査する。なお、検査工程の詳細については後述する。なお、以降で説明する工程は、S5の検査工程にて、膜質良と判定された圧電薄膜25を有する基板22に対してのみ行う。
(S6;上部電極形成工程)
次に、圧電薄膜25を覆うように、下部電極24上に、TiおよびPtの各層をスパッタ法で順に成膜し、層26aを形成する。続いて、層26a上に感光性樹脂36をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、エッチングすることによって感光性樹脂36の不要な部分を除去し、形成する上部電極26の形状を転写する。その後、感光性樹脂36をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて層26aの形状を加工し、上部電極26を形成する。
(S7;圧力室形成工程)
次に、基板22の裏面(熱酸化膜23b側)に感光性樹脂37をスピンコート法で塗布し、マスクを介して露光、エッチングすることによって、感光性樹脂37の不要な部分を除去し、形成しようとする圧力室22aの形状を転写する。そして、感光性樹脂37をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて基板22の除去加工を行い、圧力室22aを形成してアクチュエータ21aとする。
(S8;ノズル基板接合工程)
その後、アクチュエータ21aの基板22と、インク吐出孔31aを有するノズル基板31とを、接着剤等を用いて接合する。これにより、インクジェットヘッド21が完成する。なお、インク吐出孔31aに対応する位置に貫通孔を有する中間ガラスを用い、熱酸化膜23bを除去して、基板22と中間ガラス、および中間ガラスとノズル基板31とをそれぞれ陽極接合するようにしてもよい。この場合は、接着剤を用いずに3者(基板22、中間ガラス、ノズル基板31)を接合することができる。
〔検査工程の詳細について〕
図6は、基板22を含む下地層上に圧電薄膜25を形成した圧電薄膜付き基板の断面図である。圧電薄膜25において、下地層との界面側(基板22側)に、ペロブスカイト型構造とは異なる結晶相41(例えばパイロクロア構造)が存在すると、その上層に圧電薄膜25の結晶を成長させたときに、圧電薄膜25の表面のラフネス(表面粗さ)が変化して、表面に凸部42が形成されたり、圧電薄膜25を構成する柱状結晶の粒界25b付近の結晶状態や組成が変化することで粒界25bに隙間43が形成されたりする。この場合、圧電薄膜25に光を照射したときに、上記異なる結晶相41での光の反射、圧電薄膜25の表面の凸部42での光の反射、粒界25bの隙間43での光の反射によって、圧電薄膜25が白濁して見える白濁現象が起こる。また、良好な圧電特性が得られるペロブスカイト型構造とは異なる結晶相41が、下地層との界面側に存在すると、圧電特性が低下するのみならず、下地層(下部電極24)との密着性が低下する原因となる。
同じ条件で圧電薄膜25を成膜していても、成膜時のわずかな組成のばらつきや、結晶化時の環境の乱れ等により、圧電薄膜25に上記異なる結晶相41が突然生じると、圧電薄膜25の膜質が変化して、デバイス作製後に不良となることがある。このような圧電薄膜25は、上記した白濁現象による膜の白濁度合が強いことを見出した。白濁度合は、光の散乱性を示す指標であり、拡散光の反射率で定量化できる。
そこで、本実施形態では、上述した検査工程において、下地層上に成膜された圧電薄膜25に光を照射して、圧電薄膜25にて反射される拡散光(拡散反射光)を測定(検出)し、その測定結果(測定された反射率)に基づいて、圧電薄膜25の膜質の良否を判定するようにしている。上記拡散光を測定することにより、異なる結晶相41に起因する圧電薄膜25の白濁状態を調べることができるため、拡散光の測定結果に基づいて、密着性および圧電特性に影響を及ぼす圧電薄膜25の膜質の良否を判定することができる。
例えば、拡散光の反射率が11%以下であれば、圧電薄膜25の膜中において、白濁を生じる原因となる結晶相41の存在が少ないと判断できるため、そのような圧電薄膜25は密着性および圧電特性が良好であり、膜質良と判断できる。特に、拡散光の反射率が6%以下であれば、圧電薄膜25の膜中において異なる結晶相41が非常に少ないため、圧電薄膜25の密着性および圧電特性はさらに良好であると判断できる。なお、反射率11%や6%の根拠については後述する。
以上のように、圧電薄膜25に光を照射し、圧電薄膜25にて反射される拡散光の測定結果に基づいて、圧電薄膜25の膜質の良否を判定することにより、圧電アクチュエータ21aやインクジェットヘッド21などのデバイスの作製前に、成膜された圧電薄膜25が、密着性や圧電特性の低下によるデバイス不良が発生するような膜であるか否かを認識することができる。これにより、膜質良の圧電薄膜25を有する基板22(圧電薄膜付き基板)を用いて、上述した圧電アクチュエータ21aやインクジェットヘッド21などのデバイスを作製して、駆動不良やインク吐出不良などのデバイス不良が発生するのを抑えることができる。
特に、圧電薄膜25に光を照射して拡散光を測定するため、圧電薄膜25の膜質の検査を非破壊で行うことができる。また、拡散光を測定するにあたっては、特殊な装置ではなく、後述する既存の反射率測定装置を用いることができるため、膜質の検査を低コストで行うことができる。
ここで、図7は、測定物に光を照射したときの拡散光(拡散反射光)の光量分布を模式的に示している。拡散光の反射率を測定する方式としては、SCI(Specular Compenent Include)方式と、SCE(Specular Compenent Exclude)方式とがある。SCI方式は、正反射光を含む拡散光を測定する方式であり、SCE方式は、正反射光を除く拡散光を測定する方式である。各測定方式は、CIE(国際照明委員会) No.15、ASTM(アメリカ材料試験協会) E1164、JIS(日本工業規格) Z8722、ISO(国際標準化機構)/D/S/7724/1などの規格で定められている。
圧電薄膜25に光を照射したときに生じる正反射光は、圧電薄膜25の膜質(結晶相41の存在)とは関係なく、表面での正反射によって生じる。測定される拡散光に正反射光が含まれていても、拡散光の測定結果に基づいて圧電薄膜25の膜質の良否を判定することはできるが、正反射光がノイズとなって膜質の良否の判定精度が低下することが懸念される。
そこで、検査工程では、正反射光を除く拡散光を測定し(SCE方式)、その測定結果に基づいて、圧電薄膜25の膜質の良否を判定することが望ましい。これにより、正反射光によるノイズの影響を低減して、拡散光の測定結果に基づく膜質の良否の判定精度を向上させることができる。
〔実施例〕
次に、圧電アクチュエータおよびインクジェットヘッドの製造に用いられる圧電薄膜付き基板の製造方法の具体的な実施例について説明する。図8は、圧電薄膜付き基板50の製造工程を示す断面図である。
まず、厚さ625μm程度の単結晶Siウェハからなる基板51に、熱酸化膜52を100nm程度形成した。ウェハの厚みは300μm〜725μm、直径は3インチ〜8インチなど、市販されているウェハの標準的な値でよい。熱酸化膜42は、ウェット酸化用熱炉を用いてSiウェハを酸素雰囲気中に1200℃程度の高温にさらすことで形成できる。なお、基板51および熱酸化膜52は、図2の基板22および熱酸化膜23にそれぞれ対応するものである。
次に、熱酸化膜52上に、厚さ20nm程度の酸化チタン(TiOx)からなる層を密着層として形成し、さらに白金(Pt)からなる電極層を厚さ10nm程度形成して、下部電極53を形成した。これにより、基板51、熱酸化膜52および下部電極53からなる下地層が形成される。下部電極53を構成する酸化チタンは、反応性スパッタで成膜してもよいし、チタンのみを先に成膜した後に、RTA(Rapid Thermal Anneal)炉やマッフル炉で酸化雰囲気中のアニールを施してもよい。
酸化チタンを反応性スパッタで成膜するときの成膜条件は、基板温度:350度、Ar流量:20sccm、O2:流量1sccm、圧力:0.4Pa、ターゲットに印加するRFパワー:200Wである。また、反応性スパッタではなく、チタンのみを先に成膜して、成膜後にアニールを行う場合、酸素雰囲気中の基板温度:約730℃、加熱時間:30分である。
Ptのスパッタ条件は、Ar流量:20sccm、圧力:0.4Pa、ターゲットに印加するRFパワー:150W、基板温度:530℃である。なお、下部電極53は、図2の下部電極24に対応する。Ptは、その自己配向性により、(111)配向を有する膜となるが、Pt結晶性は、Pt上に成膜するPZT薄膜の膜質に影響するため、Ptは高い結晶性を持つことが望ましい。
続いて、Pt付きSiウェハを、誘電体薄膜形成装置に投入し、スパッタ法により、膜厚5μmのPZTからなる圧電薄膜54を成膜した。このときのスパッタ条件は、Ar流量:20sccm、O2流量:0.6sccm、圧力:0.5Pa、基板温度:600℃、ターゲットに印加するRFパワー:500Wである。これにより、圧電薄膜付き基板50が得られる。
ここで、PZTの高温成膜時のPb抜けを補償するため、PZTターゲット中のPb量を増やすことが望ましい。ターゲット中のPb量は、PZTのストイキメトリー組成におけるPb量を1mol%とした場合、少なくとも1.2mol%以上、望ましくは1.3〜1.5mol%がよい。
このような成膜方法でPZTを複数枚成膜し、それらの拡散光の反射率を、反射率測定装置により測定した。反射率測定装置としては、分光測色計(例えばコニカミノルタ製のCM−3600dやその後継機など)を使用することができる。上記装置では、上述の規格に従って、参照サンプルにより反射率を規格化した後、拡散光の反射率をSCE方式で測定した。このとき、SCI方式により、正反射を含む拡散光の反射率を測定してもよいが、正反射光を除く拡散光の反射率を測定するSCE方式を用いることにより、拡散光をより感度よく測定できる。
このように、PZT薄膜に光を照射して拡散光の反射率を測定するとき、例えば、ウェハの中心部および外周部を数か所測定するとよい。このとき、外周部の測定箇所としては、例えば、外周端から5〜10mmの位置を測定するとよい。
図9は、複数枚のPZT薄膜に光を照射して測定した拡散光の反射率と、圧電薄膜の密着性および圧電特性の評価との関係を示している。なお、上記の密着性および圧電特性については、成膜した圧電薄膜の全てについて評価を行うために、作製した全ての圧電薄膜付き基板を用いて、図5で示した方法でデバイス(アクチュエータ21a)を作製し、そのデバイスにおける圧電薄膜の基板との密着性および圧電定数を調べた。
具体的には、密着性については、圧電薄膜を挟む上部電極および下部電極に印加する電圧を上げていき、圧電薄膜が剥がれるときの圧電薄膜の変位量を監視し、以下の基準で評価した。なお、圧電薄膜の密着性に要求される仕様としては、膜のせん断応力(膜の厚さに垂直な方向の応力)として80MPaが一つの基準となる。つまり、せん断応力が80MPa以下で圧電薄膜が下地から剥がれると、仕様を満たさないため、不良品となる。圧電薄膜のせん断応力と変位量とは対応関係にあるため、変位量を監視することにより、仕様を満たしているか否か、つまり、密着性が良好であるか否かを判断することができる。
≪密着性評価基準≫
○・・・せん断応力が80MPaとなる変位量で圧電薄膜を変位させても、圧電薄膜が剥離しなかった。
×・・・せん断応力が80MPa以下となる変位量で圧電薄膜を変位させると、圧電薄膜が剥離した。
圧電定数については、印加電圧と圧電薄膜の変位量との関係から、公知の手法によって|d31|を求め、以下の基準に基づいて評価した。
≪圧電特性評価基準≫
◎・・・|d31|が160pm/V以上である。
○・・・|d31|が140pm/V以上160pm/V未満である。
×・・・|d31|が140pm/V未満である。
なお、良品や不良品の判定を行うために、最低バッチ数(ロット数)は、10以上であることが望ましい。
上記評価の結果、図9に示すように、拡散光の反射率が11%以上では、圧電薄膜の密着性や圧電特性が両方とも不良(×)であった。しかし、拡散光の反射率が6〜11%の範囲では、圧電薄膜の密着性が良好(○)であり、圧電特性についても、|d31|が140〜160pm/Vであり、良好(○)であった。また、拡散光の反射率が6%未満では、圧電薄膜の密着性が良好(○)である上に、圧電特性についても、|d31|が160〜180pm/Vであり、さらに良好(◎)であった。
したがって、以上より、拡散光の反射率が11%以下、望ましくは6%以下であるときに、密着性および圧電特性に関して膜質良と判定でき、信頼性の高い膜質判定ができる。
なお、図9で示した各圧電薄膜における拡散光の反射率は、波長が360nm〜740nmの範囲において測定された反射率のうちで、最も高い値を代表値として示している。図10は、例として、膜質の異なる3つの圧電薄膜A、B、Cについての拡散光の反射率スペクトルを示している。図9の点A〜Cは、図10の圧電薄膜A〜Cにおける反射率の代表値(最大値)をプロットしたものであることがわかる。
様々な圧電薄膜の膜質を評価した結果、拡散光の反射率の最小値としては、0.5%であった。これは、圧電薄膜の下部の下地層での拡散反射がほとんどなく、膜条件によっては圧電薄膜での拡散もないためと考えられる。
以上では、圧電薄膜の膜質の良否判定を、拡散光の反射率そのものを基準として行っているが、膜質良の圧電薄膜で得られる反射率の変動率で行ってもよい。例えば図9で示した膜質良(反射率11%以下)である圧電薄膜の拡散光の反射率の平均値は、7.7%であり、その標準偏差1σは2.4%である。反射率の平均値およびそのバラツキ(標準偏差)に、測定系のバラツキをさらに考慮すると、膜厚良と判定できる反射率の上限(基準)Rは、7.7+2.4+α(%)とすることができ、この式により、例えばR=11(%)やそれ以外の値とすることもできる。
以上のように、圧電薄膜の白濁に関わる拡散光の反射率を測定し、その測定結果に基づいて圧電薄膜の膜質の良否を判定することで、密着性と圧電特性の両方の特性が優れた圧電薄膜が成膜されているかどうかを、デバイス作製前に把握することができる。これにより、繰り返し成膜を行った際の突発的に生じる不良品膜を、デバイス作製前に予め排除することが可能となり、デバイス作製後にデバイス不良が生じるのを抑えることができる。
〔圧電薄膜の他の材料〕
本実施形態では、ABO3型のペロブスカイト型構造の圧電薄膜の材料として、PZTを例に挙げて説明したが、このPZTに限定されるわけではない。ABO3型のペロブスカイト型構造のAサイトの元素は、鉛(Pb)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、ビスマス(Bi)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)の少なくとも1つを含んでいてもよい。また、Bサイトの元素は、ジルコニウム(Zr)およびチタン(Ti)を含み、さらに、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、スカンジウム(Sc)、コバルト(Co)、銅(Cu)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)、カドミウム(Cd)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)の少なくとも1つを含んでいてもよい。上記した金属(元素)の組み合わせからなるペロブスカイト型構造の圧電薄膜を成膜する場合でも、本実施形態で説明した検査方法や製造方法を適用して、圧電薄膜付き基板を製造し、これを用いて圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド、インクジェットプリンタを構成することができる。
〔その他〕
本実施形態で説明した圧電薄膜付き基板は、圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド、インクジェットプリンタ以外にも、超音波センサ、赤外線センサ、周波数フィルタ、不揮発性メモリなどの種々のデバイスに適用することができる。
本実施形態では、圧電薄膜の変位量をもとに密着性を評価しているが、JIS規格に基づくひっかき試験によって密着性を評価してもよい。また、圧電定数については、従来公知のカンチレバー法によって測定してもよい。
本発明の圧電薄膜付き基板の製造方法は、例えば圧電アクチュエータやインクジェットヘッドの製造に利用可能である。
1 インクジェットプリンタ
21 インクジェットヘッド
21a アクチュエータ(圧電アクチュエータ)
22 基板(支持基板、下地層)
22a 圧力室
23 熱酸化膜(下地層)
24 下部電極(下地層)
25 圧電薄膜
26 上部電極
31 ノズル基板
31a インク吐出孔
50 圧電薄膜付き基板
51 基板(支持基板、下地層)
52 熱酸化膜(下地層)
53 下部電極(下地層)
54 圧電薄膜

Claims (12)

  1. 基板を含む下地層上に、ペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜を成膜する成膜工程と、
    前記圧電薄膜に光を照射し、前記圧電薄膜にて反射される拡散光の測定結果に基づいて、前記圧電薄膜の膜質の良否を判定する検査工程とを有しており、
    前記検査工程では、正反射光を除く前記拡散光の測定結果に基づいて、前記膜質の良否を判定するとともに、前記拡散光の反射率が11%以下である場合に、膜質良と判定することを特徴とする圧電薄膜付き基板の製造方法。
  2. 前記検査工程では、前記拡散光の反射率が6%以下である場合に、膜質良と判定することを特徴とする請求項1に記載の圧電薄膜付き基板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の圧電薄膜付き基板の製造方法を用いた圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記圧電薄膜付き基板の製造方法は、前記成膜工程の前に、前記下地層の最表層として下部電極を形成する工程を含み、
    前記圧電アクチュエータの製造方法は、
    前記検査工程にて膜質良と判定された圧電薄膜上に、上部電極を形成する工程と、
    前記上部電極が形成された前記基板に、圧力室を形成する工程とを有していることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  4. 請求項3に記載の圧電アクチュエータの製造方法を用いたインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記圧電アクチュエータの前記圧力室が形成された前記基板を支持基板とすると、
    前記支持基板の、前記圧力室に対して前記圧電薄膜の形成側とは反対側の表面に、インク吐出孔を有するノズル基板を貼り合わせる工程を有していることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 基板を含む下地層上に、ペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜を形成した圧電薄膜付き基板であって、
    前記圧電薄膜に光を照射し、前記圧電薄膜にて反射される、正反射光を除く拡散光を測定したときに、前記拡散光の反射率が11%以下であることを特徴とする圧電薄膜付き基板。
  6. 前記拡散光の反射率が6%以下であることを特徴とする請求項5に記載の圧電薄膜付き基板。
  7. ABO 3 型の前記ペロブスカイト型構造のAサイトの元素は、鉛、バリウム、ランタン、ストロンチウム、ビスマス、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カドミウム、マグネシウム、カリウムの少なくとも1つを含み、
    Bサイトの元素は、ジルコニウムおよびチタンを含み、さらに、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、スカンジウム、コバルト、銅、インジウム、スズ、ガリウム、カドミウム、鉄、ニッケルの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項5または6に記載の圧電薄膜付き基板。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載の圧電薄膜付き基板と、
    前記圧電薄膜を膜厚方向から挟むように形成される上部電極および下部電極とを備え、
    前記圧電薄膜が形成される基板には、圧力室が形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  9. 請求項8に記載の圧電アクチュエータと、
    インク吐出孔を有するノズル基板とを備え、
    前記圧電アクチュエータの前記圧力室が形成された基板を支持基板とすると、
    前記ノズル基板は、前記支持基板の、前記圧力室に対して前記圧電薄膜の形成側とは反対側の表面に貼り合わされていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  10. 基板を含む下地層上に、下部電極と鉛系のペロブスカイト型構造を有する圧電薄膜とがこの順で形成された圧電アクチュエータと、
    インク吐出孔を有するノズル基板と、を備えたインクジェットヘッドであって、
    前記圧電薄膜が形成される基板には、圧力室が形成されており、
    前記圧電薄膜に光を照射し、前記圧電薄膜にて反射される、正反射光を除く拡散光を測定したときに、前記拡散光の反射率が11%以下であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  11. 前記圧電薄膜の膜厚は、2μm以上6μm以下であることを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェットヘッド。
  12. 請求項9から11のいずれかに記載のインクジェットヘッドを備え、前記インクジェットヘッドから記録媒体に向けてインクを吐出させることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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