JP3269077B2 - 豆入り糯米菓の製造方法 - Google Patents

豆入り糯米菓の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、豆入り糯米菓の製
造方法に関し、特に製造工程における豆類の脱落を防止
する豆入り糯米菓の製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】米菓は主として粳米を
主原料とする粳米菓と糯米を主原料とする糯米菓とに大
別され、これらの粳米菓や糯米菓は、それぞれ異なる食
感を有するものとして食されている。ところで、このよ
うな米菓には、米菓生地中に豆類を配したものがあり、
糯米菓、粳米菓のそれぞれにおいてこの豆入り米菓が製
造されている。この豆入り米菓は、糯米菓の場合には、
一般に糯米を洗米、水浸漬、水切りをして蒸煮した後、
あるいはこれを混捏してドウと呼ばれる生地を調製した
後、豆類を配合し、さらに混捏、一次成型及び冷蔵した
後、この混合物を二次成型として生地を1〜5mm程度に
切断して乾燥し、続いて焼成することにより製造される
が、この製造工程における切断の際に豆類も一緒に切断
されて米菓の生地片の表面に切断された豆類が露出する
ことになる。そして、この糯米菓の主原料となる糯米
は、粳米と比較して生地表面に露出した豆類が脱落しや
すく、焼成後の米菓に穴や窪みが生じ外観を損なうばか
りか、破損の増加や味付け時の調味液が窪みに溜まるな
どの不良品を生ずる原因となっていた。
【0003】そこで、このような豆入り糯米菓における
豆類の脱落の問題を解消する方法として特開昭52−8
2758号公報及び特開昭52−108052号公報に
は2枚のシート状餅生地の間に圧着することなく豆類を
介在させシート状餅生地/豆類/シート状餅生地という
サンドイッチ構造とした後、所望の寸法にて切断し、乾
燥を行った後整形用米菓生地矯正装置を有する焼成機に
て焼成する豆入り米菓の製造方法が開示されている。ま
た、特開昭61−209550号公報には平らな米菓ベ
ース上に、接着剤を介して枠型米菓ベースの内に豆類な
どの可食物を置き、さらに枠型ベースの上に、接着剤を
介して平らな米菓ベースを置き、次いで高周波釜を用い
て焼き上げることを特徴とする米菓の製造方法が開示さ
れている。これらの方法ではシート状餅生地や米菓ベー
スで豆類を覆うことになるので米菓の表面に豆類は全く
露出しないことになるため、豆類の脱落の問題は解消さ
れるが、得られる製品には豆類が全く視認されないため
外観に劣るという問題点があった。また、シート状餅生
地で豆類をサンドイッチする構造であるので、比較的薄
い米菓には適しないという問題点もあった。また、その
製造工程が複雑であり生産性が良好でないという問題点
もあった。
【0004】また、特開昭59−74959号公報には
玄米と豆類とを二昼夜浸漬してこれらを蒸籠に入れて散
水を行いながら、蒸煮し、蒸煮後、餅搗機で搗く糯玄米
餅の製造方法が開示されているが、この方法は、基本的
には豆入りの餅生地を製造するためのものであり、前述
したような豆入り餅米菓における豆の脱落の問題につい
は何ら検討されたものではなかった。さらに、この方
法では豆類を水に浸漬したり蒸煮したりしているので必
ずしも豆類の風味の良好な糯米菓が得られないという問
題点があった。
【0005】本発明は、上記課題に基づいてなされたも
のであり、豆類の脱落を防止しうる外観の良好な豆入り
糯米菓を生産性良く製造する方法を提供することを目的
とする。また、本発明は、豆類の風味を損なうことがな
い豆入り糯米菓の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み本発明者
らは、糯米菓の製造工程において餅生地片の表面に露出
した豆が脱落する原因について検討した結果、乾燥工程
における餅生地の収縮や生地の攪拌による振動に起因す
る豆類の落下や、焼成工程において餅生地の膨張に伴い
豆類がはじき出される現象によるものであり、特に乾燥
工程よりも焼成工程で多くの豆類が脱落する傾向にある
ことがわかった。さらに、焼成工程において豆類が脱落
する原因について検討した結果、焼成段階での生地の体
積の膨張度が高いため豆をはじき出す力が強いことによ
るためであることがわかった。しかも、焼成段階までく
ると餅生地の水分も低下するため、生地の仕込み段階よ
りも粘着力が低下してくることに加え、豆類は仕込み段
階での餅生地より乾燥しているので両者の水分量の差が
大きいため豆類の周囲の生地から乾燥し始め、これに伴
い粘着力が低下するため、餅生地の膨化力の方が大きく
なりやすく、これにより豆類が脱落することがわかっ
た。そこで、本発明者らは、この豆類の脱落を防止する
方法について種々検討した結果、添加する豆類に水分を
与える、すなわち水処理を施してやることによって、添
加後の工程での生地からの豆類の剥離、落下などの脱落
現象を抑制することができることを見出した。特に、一
度濡らした豆類を水分14〜20%まで乾燥あるいは焼
成した後、蒸籠などに入れて蒸気を噴霧させて、豆表面
の水分量を20〜26%としてやれば、豆類表面部が軟
化し、餅生地との間の粘着性が向上し、乾燥工程におけ
る豆類と餅生地の収縮差や衝撃による豆の脱落を防止
し、焼成時における豆と餅生地との間の膨張差や生地の
膨張により豆がはじきだされるなどの現象を抑制するこ
とができることを見出した。また、乾燥あるいは焼成を
豆類を煎ることにより行えば、水処理をしても豆類の風
味と香ばしさを充分に引き出すことができることを見出
した。これらに基き本発明に想到した。
【0007】すなわち、本発明の請求項1記載の豆入り
糯米菓の製造方法は、豆類を水に浸漬した後焙煎し、さ
らに豆類の表面を湿らす水処理を施した豆類を糯米を主
原料とするドウに添加し、混捏、成型、冷却、切断及び
焼成の各工程を行う方法である。
【0008】また、請求項2記載の豆入り糯米菓の製造
方法は、豆類を温水に浸漬した後冷水に浸漬し、豆類を
焙煎し含水率を14〜20%程度とした後、さらに豆類
の表面を蒸気加熱して湿らす水処理を施した豆類を糯米
を主原料とするドウに添加し、混捏、成型、冷却、切断
及び焼成の各工程を行う方法である。
【0009】
【発明の実施形態】以下、本発明の豆入り糯米菓の製造
方法について大豆の場合を例に詳細に説明する。なお、
本実施例において用いる大豆としては、外国産であって
も国内産であってもよく、また、その品種(青大豆、黄
大豆、黒大豆)、種類、等級に関しても特に限定されな
い。
【0010】最初に大豆に水処理を施す。この水処理は
基本的には、大豆を水に浸漬したり大豆に水を吹き付け
たりすることにより、その表面を濡らしてやる、あるい
は湿らせてやればよいが、特に以下のような工程によ
る。すなわち、まず30〜40℃程度の温水に大豆を1
〜2時間程度浸漬する。浸漬時間は豆の種類、等級によ
り調整するのが望ましく、大豆が充分水分を吸収するま
で継続する。その後、この大豆を引き上げ短時間冷水に
浸漬する。ここで、短時間冷水に浸漬することにより、
後述する焙煎工程で、大豆の皮が剥離するのを防止する
ことができる。冷水浸漬の後は水切りを行い表面の水分
を除去するために、冷蔵庫などに入れて0〜15℃で約
12時間冷蔵する。
【0011】冷蔵後、自動煎り機などの焼成窯で大豆を
煎る(焙煎工程)。この大豆を煎る焼成窯としては特に
限定はなく、種々のものを用いることができる。このよ
うに米菓餅生地に大豆を混入する前に焙煎することによ
り、大豆にロースト感を付与することが可能となり、水
処理をしても大豆の風味を損なうことがなく、かえって
増強することができるという効果を奏する。また、大豆
を米菓餅生地に混入すると米菓餅生地の水分が大豆に移
行するため、大豆内部の水分が米菓の焼成時にも大豆か
ら蒸発せずに内部に残存し、生地中の大豆が生焼けにな
ることがあるため、焙煎によりできる限り大豆の水分を
低めに押さえるのが望ましい。具体的には、冷蔵後50
%程度である大豆の水分量を14〜20%程度、特に約
16%程度になるまで煎るのが好ましい。なお、この焙
煎時間としては5〜10分程度でよい。
【0012】このような焙煎工程後の大豆を米菓餅生地
に添加してもよいが、前述した煎り大豆に蒸気などを当
てて大豆表層部を加熱加湿するのが好ましい。この大豆
表層部の加湿は、せいろなどに大豆を投入し、蓋を開放
もしくは密閉した状態で、蒸煮すればよい。処理時間は
長時間蒸気を当てる必要はなく30〜60秒程度でよ
い。この工程によって大豆表面に水分を含ませることが
でき、これにより大豆表層部が軟化し、米菓餅生地(ド
ウ)と大豆との粘着性が向上して、後工程、特に焼成工
程での大豆の生地からの脱落が一層抑制される。ただ
し、蒸気加熱後の水分量が多すぎると焼成時に大豆から
の水分の抜けが悪く、大豆の生焼け、芯残りなどが発生
し食するに適しない状態となる一方、少なすぎると大豆
の脱落が生じ易くなるため、最終的には大豆の水分量を
19〜26%、特に19〜22%程度とするのが好まし
い。
【0013】一方、糯米を洗米し、浸漬、水切りを行
う。糯米は、品種、品質に合わせて、浸漬時間を調整し
充分吸水するまで浸漬する。また糯米以外に粳米、米澱
粉、他種澱粉、他種の穀類、食品素材等を糯米菓の特色
を損なわない範囲内で適宜配合してもよい。浸漬後水切
りした糯米をせいろ等により蒸煮し、あるいは糯米を製
粉し蒸練機で蒸煮するなどして、糯米を主成分とする米
菓餅生地(ドウ)を製造しておく。そして、この米菓餅
生地を混捏するが、この混捏時に前述した水処理を施さ
れた大豆を加える。大豆の配合量は所望とする豆入り米
菓に応じて適宜決定すればよいが、餅生地100%に対
して重量比で20〜30%程度大豆を配合するのが一般
的である。なお、大豆は混捏の前の蒸煮段階で混入して
もよい。
【0014】続いて大豆を混入した米菓餅生地を型に充
填する。この型としては例えば、長さ1m、幅6cm、
深さ3cmの半円筒形状の樋状型を使用すればよいが、
これに限らず所望とする米菓形状に合わせて、種々の形
状の型を用いることができ、米菓の製造で汎用されてい
る円盤様型を用いることもできる。そして、豆入り餅生
地を充填した型を冷蔵庫に入れ、ある程度生地が固化し
た段階で型から取り外し、さらに生地が充分固化するま
で冷蔵する。この冷蔵による固化工程は全体で36〜6
0時間程度、特に48時間程度とする。具体的には、4
8時間の場合には5時間冷却して米菓餅生地がある程度
固化したら型から取り外し、さらに43時間の冷蔵を継
続すればよい。
【0015】このようにして大豆入り米菓餅生地を固化
させた後、切断機などによって切断する。この際の切断
厚は所望とする米菓の形状に応じて適宜選択すればよい
が、一般には1〜5mm程度である。切断後は形状的特
徴を付与するとともに、焼成後の食感を軽くすることを
目的として、必要に応じて通風乾燥機などの乾燥機によ
り冷風を当てて切断生地の表裏に目と呼ばれるヒビを入
れることができる(「目入れ」)。
【0016】その後乾燥を行うが、この乾燥方法は、餅
生地の切断厚によって一段階であっても多段階であって
もよく、例えば、通風乾燥機中で攪拌しながら行えばよ
い。この乾燥工程中にネカセと呼ばれる調質工程などを
適宜設けて最終的には適正焼成前水分である20〜22
%に合わせる。この水分量は所望とする食感、形状など
に応じて適宜調整すればよい。この乾燥工程においても
餅生地は乾燥の進行とともに収縮し、餅生地と大豆との
収縮差や生地の攪拌による振動などにより、大豆が脱落
するおそれがあるので注意が必要であるが、本発明にお
いては、大豆と餅生地との粘着力が強化されているの
で、常法と比較して脱落が大幅に抑制されている。
【0017】そして、乾燥後の生地をガス運行釜などの
焼成装置で焼成する。焼成工程の段階でも、豆と餅生地
間の収縮差や餅生地の膨張により豆がはじき出されるな
どの現象がおこり、特に生地の膨化段階で豆が多く脱落
する傾向が見られる。一般的に豆入り糯米菓は、乾燥工
程よりも焼成工程で豆が脱落する傾向が高い。これは、
焼成段階での生地の体積の膨張度が高く豆をはじき出す
力が強いためであり、また、この段階では餅生地の水分
も低くなり両者間の粘着力が低下しているためでもあ
る。しかしながら、本発明では、大豆に前述した水処理
を施しているので、餅生地と大豆との粘着力が増大して
いるだけでなく、大豆表面が軟化しているので、生地の
膨張・収縮に対してある程度追従可能となっているた
め、これら乾燥段階あるいは焼成段階においての大豆の
脱落が大幅に抑制されている。
【0018】以上、本発明を大豆の場合を例に説明して
きたが、本発明は大豆に限定されるものではなく、いん
げん豆、小豆、エンドウ豆などの種々の豆に適用可能で
ある。なお、本明細書中において豆類とは、上記一般的
な「豆」に限らず落花生、アーモンドなどのナッツ類も
含む。
【0019】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例に基き、より詳
細に説明する。実施例1 大豆を40℃の温水に1時間30分浸漬し充分吸水させ
た。その後、短時間冷水に浸した後、ザルに移し冷蔵庫
に一晩放置した。冷蔵庫に放置することにより、余分な
水分を大豆内部に浸透させることができる。
【0020】この大豆1kgを自動煎り機に投入し、水
分が約16.0%になるまで前半強火後半弱火で7分3
0秒間煎った。この煎った大豆を冷却、放冷した後、せ
いろを使用し、一枠に大豆1kgを入れて蓋をし、蒸圧
0.2kg/cm2で30秒間蒸かし、大豆の加熱及び
加湿を行った。処理後の大豆の水分は20.5%であっ
た。
【0021】一方、これとは別に糯米を洗米し、一晩水
に浸漬して水切りしたものを製粉し、蒸練機に投入して
蒸圧0.5kg/cm2で7分間蒸煮して米菓餅生地を
用意しておき、練り機で混捏を行った後、この米菓餅生
地に前述した水処理後の大豆を加え、さらに軽く混捏し
た。大豆の配合量は米菓餅生地100%に対して重量比
で22.5%とした。この混合物を練り機に投入して練
った後、米菓餅生地を長さ1m、幅6cm、深さ3cm
の半円筒状の樋状の型に流し込み充填した。その後、こ
の型ごと冷蔵庫に保管し、5時間冷蔵した後、型から固
化した米菓餅生地を外し、さらに43時間冷蔵を行っ
た。
【0022】この冷蔵後の米菓餅生地を4mm幅に切断
し、通風乾燥機で冷風を糯切断生地の両面に当てて「目
入れ」と呼ばれる、生地表面にヒビを入れる作業を行
い、生地を頻繁に攪拌しながら両面ともにひびの入った
生地とした。目入れ後、通風乾燥機で乾燥を行い、乾燥
水分を28%まで落とし、ネカセと呼ばれる調質工程を
設け、低温(5〜15℃)で12時間程度保管した。
【0023】その後、再び通風乾燥機で乾燥を行い最終
的に生地の水分を22%まで落とした後、再度調質工程
を設け、続いてガス運行釜で焼成を行い、大豆入り糯米
菓の素焼き生地を得た。このようにして得られた素焼き
生地は、大豆の脱落も少なく、外観上秀でたものであっ
た。また、大豆の風味が豊かで香ばしいものであった。実施例2 大豆を40℃の温水に1時間30分浸漬し充分吸水させ
た。その後、短時間冷水に浸した後、ザルに移し水切り
を行った後、冷蔵庫に一晩放置した。冷蔵庫に放置する
ことにより、余分な水分を大豆内部に浸透させることが
できる。
【0024】この大豆1kgを自動煎り機に投入し、水
分が約16.0%になるまで前半強火後半弱火で7分3
0秒間煎った。この煎った大豆を冷却、放冷した後、せ
いろを使用し、一枠に大豆1kgを入れて蓋をせず開放
状態にて蒸圧0.2kg/cm2で60秒間蒸かし、大
豆の加熱及び水分添加を行った。処理後の大豆の水分は
19.5%であった。
【0025】一方、これとは別に糯米を洗米し、一晩水
に浸漬して水切りしたものを製粉し、蒸練機に投入して
蒸圧0.5kg/cm2で7分間蒸煮して米菓餅生地を
用意しておき、練り機で混捏を行った後、この米菓餅生
地に前述した水処理後の大豆を加え、さらに軽く混捏し
た。大豆の配合量は米菓餅生地100%に対して重量比
で22.5%とした。この混合物を練り機に投入して練
った後、米菓餅生地を長さ1m、幅6cm、深さ3cm
の半円筒状の樋状の型に流し込み充填した。その後、こ
の型ごと冷蔵庫に保管し、5時間冷蔵した後、型から固
化した米菓餅生地を外し、さらに43時間冷蔵を行っ
た。
【0026】この冷蔵後の米菓餅生地を4mm幅に切断
し、通風乾燥機で冷風を糯切断生地の両面に当てて目入
れ作業を行い、生地を頻繁に攪拌しながら両面ともにひ
びの入った生地とした。目入れ後、通風乾燥機で乾燥を
行い、乾燥水分を28%まで落とし、ネカセと呼ばれる
調質工程を設け、低温(5〜15℃)で12時間程度保
管した。
【0027】その後、再び通風乾燥機で乾燥を行い最終
的に生地の水分を22%まで落としたら、再度調質工程
を取り、続いてガス運行釜で焼成を行い、大豆煎り糯米
菓の素焼き生地を得た。このようにして得られた素焼き
生地は、大豆の脱落も少なく、外観上秀でたものであっ
た。また、大豆の風味が豊かで香ばしいものであった。実施例3 大豆を40℃の温水に1時間30分浸漬し充分吸水させ
た。その後、短時間冷水に浸した後、ザルに移し水切り
を行った後、冷蔵庫に一晩放置した。冷蔵庫に放置する
ことにより、余分な水分を大豆内部に浸透させることが
できる。
【0028】この大豆1kgを自動煎り機に投入し、水
分が約16.0%になるまで前半強火後半弱火で7分3
0秒間煎った。
【0029】一方、これとは別に糯米を洗米し、一晩水
に浸漬して水切りしたものを製粉し、蒸練機に投入して
蒸圧0.5kg/cm2で7分間蒸煮して米菓餅生地を
用意しておき、練り機で混捏を行った後、この米菓餅生
地に前述した水処理を施した大豆を加え、さらに軽く混
捏した。大豆の配合量は米菓餅生地100%に対して重
量比で22.5%とした。この混合物を練り機に投入し
て練った後、米菓餅生地を長さ1m、幅6cm、深さ3
cmの半円筒状の樋状の型に流し込み充填した。その
後、この型ごと冷蔵庫に保管し、5時間冷蔵した後、型
から固化された米菓餅生地を外し、さらに43時間冷蔵
を行った。
【0030】この冷蔵後の米菓餅生地を4mm幅に切断
し、通風乾燥機で冷風を糯切断生地の両面に当てて目入
れ作業を行い、生地を頻繁に攪拌しながら両面ともにひ
びの入った生地とした。目入れ後、通風乾燥機で乾燥を
行い、乾燥水分を28%まで落とし、ネカセと呼ばれる
調質工程を設け、低温(5〜15℃)で一日保管した。
【0031】その後、再び通風乾燥機で乾燥を行い最終
的に生地の水分を22%まで落としたら、再度調質工程
を取り、続いてガス運行釜で焼成を行い、大豆煎り糯米
菓の素焼き生地を得た。このようにして得られた素焼き
生地は、大豆の脱落がある程度認められ、外観にやや劣
るものであった。また、大豆の風味が豊かで香ばしいも
のであった。大豆の脱落検査 実施例1、実施例2及び実施例3の焼成後の各素焼き1
00枚を採取し、焼成生地1枚から大豆が何個抜け落ち
たかを生地に残った大豆の脱落跡によりカウントした。
結果を表1乃至表3及び図1乃至図4に示す。なお、こ
の大豆の脱落数は、切断工程、目入れ工程、乾燥工程及
び焼成工程における大豆の脱落数であるが焼成工程での
脱落が最も顕著であった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表1乃至表3及び図1乃至図4から明らか
なように実施例1及び実施例2の大豆入り糯米菓の製造
方法によれば大豆の落下数が実施例3と比べて大幅に減
少しているのが確認された。これにより蒸気などを当て
て大豆表層部を加熱加湿することが効果的であることが
わかる。また、実施例3の方法でも通常の方法と比べて
大豆の落下数は減少していた。このことから、本発明の
方法により豆入り糯米菓における豆の脱落を抑制するこ
とができることがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の豆入り糯米菓の
製造方法は、豆類を水に浸漬した後焙煎し、さらに豆類
の表面を湿らす水処理を施した豆類を糯米を主原料とす
るドウに添加し、混捏、成型、冷却、切断及び焼成の各
工程を行う方法であるので、成型、冷却、切断及び焼成
の各工程、特に焼成工程における豆類の脱落を抑制する
ことができる。しかも豆の風味豊かな米菓を製造するこ
とが可能となる。
【0037】また、請求項2記載の豆入り糯米菓の製造
方法は、請求項2記載の豆入り糯米菓の製造方法は、
類を温水に浸漬した後冷水に浸漬し、豆類を焙煎し含水
率を14〜20%程度とした後、さらに豆類の表面を蒸
気加熱して湿らす水処理を施した豆類を糯米を主原料と
するドウに添加し、混捏、成型、冷却、切断及び焼成の
各工程を行う方法であるので、成型、冷却、切断及び焼
成の各工程、特に焼成工程における豆類の脱落を抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の大豆入り糯米菓における大豆の落ち
数を示すグラフである。
【図2】実施例2の大豆入り糯米菓における大豆の落ち
数を示すグラフである。
【図3】実施例3の大豆入り糯米菓における大豆の落ち
数を示すグラフである。
【図4】実施例1から3の大豆入り糯米菓における大豆
の落ち数の対比を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23G 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豆類を水に浸漬した後焙煎し、さらに豆
    類の表面を湿らす水処理を施した豆類を糯米を主原料と
    するドウに添加し、混捏、成型、冷却、切断及び焼成の
    各工程を行うことを特徴とする豆入り糯米菓の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 豆類を温水に浸漬した後冷水に浸漬し、
    豆類を焙煎し含水率を14〜20%程度とした後、さら
    に豆類の表面を蒸気加熱して湿らす水処理を施した豆類
    を糯米を主原料とするドウに添加し、混捏、成型、冷
    却、切断及び焼成の各工程を行うことを特徴とする豆入
    り糯米菓の製造方法。
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