JP3267824B2 - 積層再生フイルム - Google Patents

積層再生フイルム

Info

Publication number
JP3267824B2
JP3267824B2 JP02791795A JP2791795A JP3267824B2 JP 3267824 B2 JP3267824 B2 JP 3267824B2 JP 02791795 A JP02791795 A JP 02791795A JP 2791795 A JP2791795 A JP 2791795A JP 3267824 B2 JP3267824 B2 JP 3267824B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
resin
group
polyester
antioxidant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP02791795A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08217893A (ja
Inventor
定美 三浦
諭 北澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=12234244&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3267824(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP02791795A priority Critical patent/JP3267824B2/ja
Publication of JPH08217893A publication Critical patent/JPH08217893A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3267824B2 publication Critical patent/JP3267824B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は再生材料を含むポリエス
テルを用いて得られる積層再生フイルムに関し、更に詳
しくは再生材料を含むポリエステルを用いて製膜しても
着色が少なく、電子材料、グラフィツク材料、製版フイ
ルム、OHPフイルム、磁気カード(例えばテレホンカ
ード、プリペイドカード)、磁気テープ(例えばオーデ
ィオテープ、ビデオテープ)磁気ディスク(例えばフロ
ッピーディスク)等に有用な積層再生フイルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフイルム、特にポリエチレ
ンテレフタレートフイルムやポリエチレンナフタレート
フイルム等のポリエステルフイルムは磁気カード、磁気
テープ、磁気ディスク等の磁気記録材料用として、また
包装材料、写真材料、グラフィック材料等の一般工業材
料用として広く使用されている。
【0003】かかるポリエステルフイルムは、滑り性が
悪いためロール状に巻き取り難いこと、摩擦等で帯電す
るためフイルム表面にゴミやほこりが付着し易いこと、
接着性が悪いため積層した種々の層が剥離し易いこと等
の欠点を有している。
【0004】このような欠点を改良するため、ポリエス
テルフイルムの表面に易滑性塗膜、制電性塗膜或いは易
接着性塗膜等の薄膜を設けた積層フイルムが通常用いら
れている。
【0005】一方、ポリエステルフイルムを製造する際
には、製品とならない屑フイルム(例えば製品から切断
除去したフイルム端部等)が生じる。フイルムを経済的
に製造するには、このような屑フイルム等を回収し、再
生材料として再利用する方法が採られる。ところが、前
記のような塗膜を積層したフイルムにこの方法を用いる
と、溶融製膜の際に再生材料中に含まれる塗膜成分が熱
劣化する(回収性が劣る)ため、再生材料を含むポリエ
ステルを用いて得られたフイルムが著しく着色した実用
性に欠けるものとなる。
【0006】特に、分子内に窒素元素、硫黄元素、ハロ
ゲン元素或いはエーテル結合を有する化合物が塗膜成分
に含まれる場合には、これらの化合物が熱劣化し易いた
め着色が著しくなる。このため塗膜に含まれる成分が制
約され易滑性、制電性或いは易接着性に優れ、かつ回収
性に優れた積層フイルムを得ることは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はかかる
従来技術の問題点を解消し、着色が少ない積層再生フイ
ルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するため、次の構成からなる。単層フイルム又は多
層フイルムの少なくとも1層が再生材料を含むポリエス
テルを用いて溶融製膜してつくられた再生フイルムにお
いて、該再生材料が、下記の酸化防止剤(B)を0.0
01〜5重量%含有するポリエステルからなるポリエス
テルフイルムの少なくとも片面に、下記の樹脂(A)を
含み酸化防止剤(B)を含まない薄膜が設けられている
積層フイルムを回収して得られる材料であって、該再生
フイルムの少なくとも片面に下記の樹脂(A)を含み酸
化防止剤(B)を含まない薄膜が設けられていることを
特徴とする積層再生フイルム。
【0009】但し、酸化防止剤(B)が水素元素の少な
くとも一つが第三級ブチル基で置換されたフェノール基
を分子内に有するフェノール系化合物(B−1)、分子
内に炭素数が6〜40のアルキル基、または水素元素の
少なくとも一つが第三級ブチル基で置換されたフェニル
基を有するリン系化合物(B−2)及び分子内にエステ
ル基を有するチオエーテル系化合物(B−3)からなる
群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤であり、樹
脂(A)がポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル
変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキ
サン、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル以
外のビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゼラチン類、ポ
リオレフィン樹脂及び帯電防止性樹脂からなる群から選
ばれる少なくとも1種の樹脂である。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】[再生フイルム]本発明の再生フイルム
は、酸化防止剤(B)を0.001〜5重量%含有する
ポリエステルからなるポリエステルフイルムの少なくと
も片面に、樹脂(A)を含む薄膜が設けられている積層
フイルムを回収して得られる材料(以下『再生材料』と
いう)を含むポリエステルを用いて溶融製膜してつくら
れた単層フイルム、又は2層以上の多層フイルムにおい
て少なくとも1層が再生材料を含むポリエステルを用い
て溶融製膜してつくられた多層フイルム(以下この単層
フイルムと多層フイルムを併せて『再生フイルム』とい
うことがある)である。
【0012】上記の多層フイルムとしては、例えば3層
フイルムの中間層を再生材料を含むポリエステルを用い
た層とし、中間層以外の層を再生材料を含まないポリエ
ステルを用いた層とした多層フイルムを挙げることがで
きる。
【0013】本発明の積層再生フイルムは、再生フイル
の少なくとも片面に、樹脂(A)を含み酸化防止剤
(B)を含まない薄膜を積層したものであ
【0014】本発明における再生フイルムは、従来から
知られている方法で製造することができる。例えば、前
記再生材料を含むポリエステルを押出機にて溶融し単層
のダイスから単層シートとして冷却ドラム上にキャスト
し、或いは複数の押出機の少なくとも一つにて溶融し多
層のダイスの少なくとも1層から多層シートとして冷却
ドラム上にキャストして未延伸フイルムとし、次いで該
未延伸フイルムを縦方向に延伸し、続いて横方向に延伸
することで製造できる。
【0015】さらに縦方向及び/又は横方向に再度延伸
することもできる。延伸処理は前記単層シートまたは多
層シートを構成するポリエステルの二次転移点(Tg)
−10℃より高い温度で、夫々の方向に2倍以上、さら
には3倍以上延伸することで行うのが好ましい。その
際、面積延伸倍率は8倍以上、さらには9倍以上とする
のが望ましい。面積延伸倍率の上限は、フイルムの用途
にもよるが、35倍迄、更には30倍迄とするのが好ま
しい。延伸後に熱処理して配向結晶化を完結させること
もできる。
【0016】[再生材料] 本発明における再生材料は、酸化防止剤(B)を0.0
01〜5重量%含有するポリエステルからなるポリエス
テルフイルムの少なくとも片面に、樹脂(A)を含み酸
化防止剤(B)を含まない薄膜を積層したフイルムから
生じる屑フイルムを粉砕した粉砕物、或いは粉砕物を溶
融押出して得たチップである。この再生材料は単独或い
は他のポリエステルチップと混合して溶融製膜に用いる
ことができる。再生フイルムをつくるのに用いるポリエ
ステルに占める再生材料の割合は、30重量%以上であ
ることが好ましく、特に、下記式(I)で示される範囲
とすることが得られる再生フイルムの色相が良好なもの
となるため好ましい。
【0017】
【数2】Y≧6×X ……(I) [式(I)でXはポリエステルフイルム中の酸化防止剤
(B)の配合割合(重量%)、Yは溶融製膜の際に用い
る再生材料の割合(重量%)を示す。]
【0018】[その他の配合剤]単層の再生フイルム、
或いは多層の再生フイルムの最外層の少なくとも1つの
層には、フイルムの滑り性を良好なものとするため、平
均粒径が0.01〜20μm程度の有機や無機の微粒子
を滑剤として、例えば0.005〜20重量%の配合割
合で含有させることができる。かかる微粒子の具体例と
して、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アミルニ
ウム、酸化チタン、グラファイト、カオリン、酸化珪
素、酸化亜鉛、カーボンブラック、炭化珪素、酸化錫、
アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミ
ン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等を好ましく挙げるこ
とができる。
【0019】再生フイルムには前記微粒子以外にも着色
剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒、顔料、
蛍光増白剤、可塑剤、架橋剤、滑り剤、紫外線吸収剤、
他の樹脂等を必要に応じて添加することができる。
【0020】[ポリエステル]本発明において、再生フ
イルムをつくるのに用いるポリエステル、或いはポリエ
ステルフイルムの主たる構成成分であるポリエステル
は、ジカルボン酸成分とグリコール成分からなる線状ポ
リエステルである。
【0021】このジカルボン酸成分としては、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4´−ジフェ
ニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸等を挙げることができ、特にテレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0022】また、グリコール成分としては、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサ
ンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等を挙げることができ、特にエチレ
ングリコールが好ましい。
【0023】かかるポリエステルのうち、ポリエチレン
テレフタレート或いはポリエチレン―2,6―ナフタレ
ートを用いると、高ヤング率である等の機械的特性に優
れ、耐熱寸法安定性がよい等の熱的特性等に優れる再生
フイルムが得られるため好ましい。
【0024】このポリエチレンテレフタレート或いはポ
リエチレン―2,6―ナフタレートは、上記ジカルボン
酸成分或いはグリコール成分等を共重合したポリエステ
ルであってもよく、三官能以上の多価カルボン酸成分或
いはポリオール成分をポリエステルが実質的に線状とな
る範囲(例えば5モル%以下)で少量共重合したポリエ
ステルであってもよい。
【0025】かかるポリエステルは常法によりつくるこ
とができ、数平均分子量は10,000以上であること
が再生フイルムの機械的特性が良好となるため好まし
い。
【0026】[酸化防止剤(B)]本発明において、ポ
リエステルフイルムに含まれる酸化防止剤(B)はフェ
ノール系化合物(B−1)、リン系化合物(B−2)及
びチオエーテル系化合物(B−3)からなる群から選ば
れる少なくとも1種の酸化防止剤である。
【0027】酸化防止剤(B)のポリエステルに対する
配合量は、0.001〜5重量%であり、特に0.02
〜2重量%が好ましい。この量が0.001重量%未満
では着色防止効果が不足し、5重量%を超えると経済的
でない。
【0028】本発明において、酸化防止剤(B)には、
フェノール系化合物(B−1)、リン系化合物(B−
2)及びチオエーテル系化合物(B−3)からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種を用いればよいが、2種以上
を組み合わせて用いることが再生フイルムを製造する際
の着色防止の効果が向上するため好ましい。
【0029】ポリエステルに酸化防止剤を配合する方法
は、ポリエステル中に酸化防止剤が均一に分散するもの
であれば特に限定されないが、例えば、ポリエステルと
酸化防止剤とを溶融混合してチップ化する方法、酸化防
止剤の高濃度マスターチップを使用する方法、溶融製膜
の際にポリエステルに対して酸化防止剤を直接添加する
方法、ポリエステルを重合する時に酸化防止剤を配合す
る方法等を好ましく例示することができる。
【0030】[フェノール系化合物(B−1)]フェノ
ール系化合物(B−1)は、水素元素の少なくとも一つ
が第三級ブチル基で置換されたフェノール基を分子内に
有するフェノール系化合物であり、更に下記に示す骨格
を有する化合物が好ましい。
【0031】
【化3】
【0032】[但し、RはC(CH3 3 、R1 はアル
キレン基、置換アルキレン基またはエーテル基含有アル
キレン基、R2 は炭素数が1〜40のアルキル基、nは
1または2の整数を示す。]
【0033】
【化4】
【0034】[但し、RはC(CH3 3 、R1 、R3
はアルキレン基、置換アルキレン基またはエーテル基含
有アルキレン基、nは1または2の整数を示す。]
【0035】かかる化合物のうち、特に、水酸基に隣接
する位置に少なくとも一つの第三級ブチル基を有し、か
つエステル結合を有する置換基を有するフェノール系化
合物が再生フイルムの色相が良好なものとなるため好ま
しい。
【0036】フェノール系化合物(B−1)の好ましい
具体例としては、例えば下記の化合物を挙げることがで
きる。
【0037】
【化5】
【0038】[但し、RはC(CH3 3 を示す。]
【0039】
【化6】
【0040】[但し、RはC(CH3 3 を示す。]
【0041】
【化7】
【0042】[また、RはC(CH3 3 を示す。]
【0043】[リン系化合物(B−2)]リン系化合物
(B−2)は、分子内に炭素数が6〜40のアルキル
基、または水素元素の少なくとも一つが第三級ブチル基
で置換されたフェニル基を有するリン系化合物であり、
特に下記(化1)又は下記(化2)の構造式を有するリ
ン系化合物が再生フイルムの色相が良好なものとなるた
め好ましい。
【0044】
【化8】
【0045】[上記の式でR1 、R2 、R3 は炭素数が
6〜40のアルキル基、または水素元素の少なくとも一
つが第三級ブチル基で置換されたフェニル基を示す]
【0046】
【化9】
【0047】[上記の式でR1 、R2 は炭素数が6〜4
0のアルキル基、または水素元素の少なくとも一つが第
三級ブチル基で置換されたフェニル基を示す] かかる化合物として、例えば下記の化合物等を挙げるこ
とができる。
【0048】
【化10】
【0049】
【化11】
【0050】[但し、RはC(CH3 3 を示す。]
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】[但し、RはC(CH3 3 を示す。]
【0054】[チオエーテル系化合物(B−3)]チオ
エーテル系化合物(B−3)は、分子内にエステル基を
有するチオエーテル系化合物であり、例えば下記に示す
骨格を有する化合物が好ましい。
【0055】
【化14】
【0056】[但し、R4 は炭素数が1〜40のアルキ
ル基、R5 は炭素数が1〜6のアルキレン基を示す。]
【0057】
【化15】
【0058】[但し、R4 は炭素数が1〜40のアルキ
ル基、R5 、R6 は炭素数が1〜6のアルキレン基を示
し、mは1〜4の整数、pは0〜3の整数かつm+p=
4である。]
【0059】
【化16】
【0060】[但し、RはC(CH3 3 、R4 は炭素
数が1〜40のアルキル基、R5 は炭素数が1〜6のア
ルキレン基、nは1または2の整数を示す。]
【0061】
【化17】
【0062】[但し、R6 、R7 は炭素数が1〜3のア
ルキル基、RはC(CH3 3 、n、mは1または2の
整数を示す。] かかる化合物として、例えば下記の化合物等を挙げるこ
とができる。
【0063】
【化18】
【0064】[但し、RはC(CH3 3 を示す。]
【0065】
【化19】
【0066】
【化20】
【0067】
【化21】
【0068】[但し、RはC(CH3 3 を示す。]
【0069】[樹脂(A)]本発明において、薄膜を構
成する成分の樹脂(A)はポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリシロキサン、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹
脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゼラチン類、ポ
リオレフィン樹脂、帯電防止性樹脂から選ばれる少なく
とも1種の樹脂である。このうち樹脂(A)としてポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性ポリエステ
ル樹脂又は帯電防止性樹脂を用いることが機械的特性に
優れた再生フイルムが得られるため好ましく、酸化防止
剤(B)としてフェノール系化合物(B−1)を含むポ
リエステルフイルムとこれらの樹脂とを組み合わせて用
いることが機械的特性に優れかつ着色が少ない再生フイ
ルムが得られるため好ましい。
【0070】また、樹脂(A)の数平均分子量は下記に
示す範囲ものが好ましい。数平均分子量がこの範囲であ
ると薄膜とベースフイルムとの密着性や薄膜の靭性が優
れたものになる。
【0071】[ポリエステル樹脂]樹脂(A)に用いる
ことができるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分と
グリコール成分とを構成成分とする線状ポリエステルで
あり、数平均分子量が5,000〜25,000のもの
が好ましい。
【0072】このジカルボン酸成分としてはテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4´
−ジフエニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
ドデカンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等を
好ましく例示することができる。
【0073】また、グリコール成分としてはエチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ビスフェノールA−アル
キレンオキシド付加体、水添ビスフェノールA−アルキ
レンオキシド付加体、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等を好ましく例示することができる。
【0074】このポリエステル樹脂には親水性を付与す
るためにスルホン酸塩基を有する成分を共重合すること
ができる。ポリエステル樹脂に親水性を付与すると、水
性塗液を用いて薄膜を積層する場合に水性塗液中での分
散性が良好となるので好ましい。かかる成分としては、
例えば5−Naスルホイソフタル酸、5−Kスルホイソ
フタル酸等を挙げることができる。
【0075】ポリエステル樹脂は、三官能以上の多価カ
ルボン酸成分、ポリオール成分を実質的に線状のポリマ
ーとなる範囲で少量(例えば5モル%以下)共重合した
ものであってもよい。かかる三官能以上の多価カルボン
酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ジメチ
ロールプロピオン酸等を挙げることができ、ポリオール
としては、グリセリン、トリメチロールプロパン等を挙
げることができる。
【0076】[アクリル樹脂]アクリル樹脂は、例えば
アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸ソーダ、アクリル酸アンモ
ニウム、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシ
ジル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド等で示されるア
クリル系単量体を主成分とする重合体或いは共重合体で
あり、数平均分子量が5,000〜250,000のも
のが好ましい。
【0077】アクリル樹脂はスチレン、α−メチルスチ
レン、スチレンスルホン酸ソーダ、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、ビニルエーテル、ビニルスルホン酸ソーダ、
メタリル酸ソーダ(酢酸ビニルを除く)等を共重合成分
とした共重合体であってもよい。
【0078】[アクリル変性ポリエステル樹脂]アクリ
ル変性ポリエステル樹脂は、前記ポリエステル樹脂の存
在下でアクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル
酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸ソーダ、アクリル酸
アンモニウム、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
グリシジル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−メトキシメチルア
クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等で示さ
れるアクリル系単量体を重合させてつくられた共重合体
であり、数平均分子量が5,000〜250,000の
ものが好ましい。
【0079】アクリル変性ポリエステル樹脂はスチレ
ン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ソーダ、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニル
スルホン酸ソーダ、メタリル酸ソーダ(酢酸ビニルを除
く)等の単量体を共重合成分として含むものであっても
よい。
【0080】[ポリウレタン樹脂]ポリウレタン樹脂
は、多官能イソシアネートとポリヒドロキシ基を有する
化合物とから得られる重合体或いは共重合体であり、数
平均分子量が5,000〜25,000のものが好まし
い。ポリウレタン樹脂としては、例えばジイソシアネー
ト、ポリエーテル、ポリエステル、グリコール、ジアミ
ン、ジメチロールプロピオン酸塩等を用いて造ることが
でき、エマルジョンや水溶液としたものが好ましい。
【0081】[ポリシロキサン]ポリシロキサンはシラ
ンカップリング剤の縮合物、或いはジメチルポリシロキ
サン等分子内にシロキサン結合を有する線状又は網目状
構造の高分子である。
【0082】[エポキシ樹脂]エポキシ樹脂は、エポキ
シ基を有する化合物から得られる重合体或いは共重合体
であり、数平均分子量が150〜30,000のものが
好ましい。上記の化合物としては例えばビスフェノール
グリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテ
ル、アミノグリシジルエーテル等を挙げることができ
る。
【0083】[ポリエーテル樹脂]ポリエーテル樹脂と
しては、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレン
オキシド、フェノキシ樹脂等を挙げることができ、数平
均分子量が800〜400,000のものが好ましい。
【0084】[ビニル樹脂] ビニル樹脂はポリビニルアルコール、ポリビニルブチラ
ール(酢酸ビニルを除く)の重合体等の分子内に不飽和
結合を有する単量体から得られる重合体或いは共重合体
である。
【0085】[セルロース系樹脂]セルロース系樹脂と
は、メチルセルロース、ニトロセルロース等分子内にセ
ルロース構造を有する樹脂である。
【0086】[ゼラチン]ゼラチンとは、高分子量のポ
リペプチドのことであり、コラーゲン等のタンパク質原
料から得られるものを用いることができる。
【0087】[ポリオレフィン樹脂]ポリオレフィン樹
脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタ
ジエン等を挙げることができる。
【0088】[帯電防止性樹脂]帯電防止性樹脂は第四
級アミン塩カチオンを分子内に有するポリマー、スルホ
ン酸塩を分子内に有するポリマー或いはリン酸塩を分子
内に有するポリマー等帯電防止性を有するポリマーであ
る。かかるポリマーとしてはポリスチレンスルホン酸ソ
ーダ、ポリイソプレンスルホン酸ソーダ、リン酸アルキ
ルエステルNa塩基を分子内に有するポリアクリル酸エ
ステル系ポリマー、第四級ポリアルキルアミン/アルキ
ル硫酸塩基置換アクリルアミド/エチレン共重合体等を
挙げることができ、数平均分子量が2,000〜70,
000のものが好ましい。
【0089】これらの樹脂は単独又は複数組み合わせて
使用することができる。
【0090】[薄膜] 本発明において、ポリエステルフイルム或いは再生フイ
ルムの少なくとも片面に、樹脂(A)を含む薄膜をフイ
ルム表面に設ける方法は特に限定されないが、例えば、
樹脂(A)を含む水性塗液を用いて塗設する方法、樹脂
(A)を溶融混練した後フイルムの表面に押出し積層す
る方法等を例示することができる。このうち、水性塗液
を用いた薄膜(以下『塗膜』ということがある)を塗設
する方法が特に好ましい。以下この方法を例にとり説明
する。
【0091】[水性塗液]本発明において、前記樹脂
(A)を含む水性塗液を用いて塗膜を塗設する場合、水
性塗液には塗膜表面の滑り性を良好なものとし、フイル
ムの耐ブロッキング性を良好なものとするため、平均粒
径が0.002〜3μm程度の有機や無機の微粒子を滑
剤として、塗膜中に0.5〜40重量%の配合割合とな
るよう添加することができる。
【0092】かかる滑剤としては、例えば炭酸カルシウ
ム、酸化カルシウム、酸化アミルニウム、酸化チタン、
グラファイト、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カーボ
ンブラック、炭化珪素、酸化錫等の無機微粒子、例えば
ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、シリ
コーン樹脂、フッ素樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の有機微粒
子を挙げることができる。これらの有機微粒子は、塗膜
に固体の微粒子状で含まれるものであれば熱可塑性樹脂
微粒子であってもよく、架橋構造を有する樹脂微粒子で
あってもよい。
【0093】水性塗液には、更にその他の成分として界
面活性剤、酸化防止剤(B)以外の酸化防止剤、低分子
帯電防止剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、可塑剤、架橋
剤、滑り剤(ワックス等の滑り性付与剤)、紫外線吸収
剤等を配合することができる。
【0094】水性塗液の固形分濃度は、1〜30重量%
が好ましく、特に2〜20重量%が好ましい。固形分濃
度がこの範囲にあると水性塗液の粘度が塗布に適したも
のになる。本発明に用いる水性塗液は、水溶液、水分散
液、乳化液等任意の形態で用いることができる。また、
水性塗液には少量の有機溶剤が含まれていてもよい。
【0095】[塗膜の塗設]本発明において、ポリエス
テルフイルム或いは再生フイルムの少なくとも片面に、
前記水性塗液を塗布し、加熱乾燥、延伸することにより
塗膜を塗設する場合、水性塗液の塗布方法としては、公
知の任意の塗工法が適用でき、例えばグラビアコート
法、リバースロールコート法、ダイコート法、キスコー
ト法、リバースキスコート法、オフセットグラビアコー
ト法、マイヤーバーコート法、ロールブラッシュ法、ス
プレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カー
テンコート法等を単独または組み合わせて適用すること
ができる。水性塗液のWET塗布量は走行しているフイ
ルム1m2 当り1〜20g、特に2〜12gが好まし
い。塗布量がこの範囲にあると乾燥が容易になり、かつ
塗布斑が生じ難いので好ましい。
【0096】水性塗液を塗布するポリエステルフイルム
或いは再生フイルムとは、例えばポリエステル或いは再
生材料を含むポリエステルを熱溶融せしめ、そのままフ
イルム状とした未延伸フイルム;未延伸フイルムを縦方
向(長手方向)または横方向(幅方向)の何れか一方に
延伸せしめた一軸延伸フイルム;縦方向或いは横方向の
一軸延伸フイルムを横方向或いは縦方向に逐次延伸せし
めた二軸延伸フイルム、または未延伸フイルムを縦方向
および横方向の二方向に同時延伸せしめた二軸延伸フイ
ルム;二軸延伸フイルムを熱固定および/または熱弛緩
せしめた二軸延伸熱処理フイルムを挙げることができ
る。
【0097】かかるポリエステルフイルム或いは再生フ
イルムの厚さは、未延伸フイルムでは10〜1000μ
m、一軸延伸フイルムでは2〜500μm、二軸延伸フ
イルムおよび二軸延伸熱処理フイルムでは1〜300μ
mが好ましい。
【0098】水性塗液は前記ポリエステルフイルム或い
は再生フイルムのうち延伸可能なフイルム、例えば一軸
延伸フイルム、特に縦方向の一軸延伸フイルムに塗布
し、乾燥、延伸することが、塗膜の接着性が強固なもの
になり、かつ効率良く制電性フイルムを製造できるため
好ましい。例えば、ポリエステル或いは再生材料を含む
ポリエステルを熱溶融し、シート状に押出し冷却して未
延伸フイルムとし、この未延伸フイルムを縦方向に延伸
して一軸延伸フイルムとした後、水性塗液を塗布し、乾
燥しつつ横方向に延伸し、必要なら更に縦や横に再延伸
した後熱処理して塗膜を塗設したフィルムがつくられ
る。
【0099】塗設した塗膜の厚さは0.005〜3μ
m、特に0.015〜1μmが好ましい。塗膜の厚さが
0.005μmよりも薄いと着色防止効果が不足するこ
とがあり、1μmを超えると塗膜が削れ易くなることが
あるため好ましくない。
【0100】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。各特性値は下記の方法で測定した。尚、平均分
子量は数平均分子量を示す。また、以下に示す実施例1
〜13は再生フイルムについての参考例1〜13と読み
替えるものとする。積層再生フイルムの例を実施例14
及び実施例15に示す。
【0101】1.再生フィルムの着色度 薄膜を設けないフイルムを粉砕し、押出機にて約300
℃にて溶融しチップ化した。次いで、得られたチップを
用いて溶融製膜し、ブランクフイルムを作成した。この
フイルムの着色度をブランクとした。一方、薄膜を設け
たサンプルフイルムを粉砕し、押出機にて約300℃に
て溶融しチップ化した。次いで、得られたチップを用い
て溶融製膜し、再生フイルムを作成した。このフイルム
の着色度を下記の基準により評価した。
【0102】ランクA:着色度がブランクフイルム並み ランクB:フイルムがやや着色している ランクC:フイルムの着色度が大で実用性に欠ける
【0103】[実施例1]式(I−1)で示されるフェ
ノール化合物0.2重量%、式(II−2)で示されるホ
スファイト化合物0.4重量%、式(III −1)で示さ
れるチオエーテル化合物0.2重量%を含む固有粘度が
0.65のポリエチレンテレフタレートを溶融して冷却
ドラム上にキャストし、次いで108℃で縦方向に3.
5倍延伸して一軸延伸フイルムとした。この一軸延伸フ
イルムの両面に、酸成分がテレフタル酸(56モル%)
及びイソフタル酸(44モル%)、グリコール成分がエ
チレングリコール(17モル%)、ジエチレングリコー
ル(11モル%)、ネオペンチルグリコール(54モル
%)及びポリエチレングリコール(18モル%)の共重
合ポリエステル(A−1;平均分子量20,400;ポ
リエステル樹脂)9重量%、メタクリル酸メチル(66
モル%)、アクリル酸エチル(24モル%)及びアクリ
ル酸アンモニウム(10モル%)共重合体(A−2;平
均分子量54,000;アクリル樹脂)2重量%、エチ
レン(80モル%)、アクリル酸エチル(12モル%)
及び[CH2 =CHCOO(CH2 3 + (CH3
2 2 5 ][C2 5 OSO3 - ]で示されるモノマ
ー(8モル%)から得られた共重合体(A−3;平均分
子量:8,600;帯電防止性樹脂)67重量%、ポリ
エチレングリコールトリレンジイソシアネートプレポリ
マー(平均分子量:20,600)、エチレンジアミン
及びジメチロールプロピオン酸アンモニウム系ポリウレ
タン(ポリウレタン樹脂)1重量部、メチルセルロース
(セルロース系樹脂)2重量部、ポリエチレングリコー
ル(ポリエーテル樹脂)3重量部、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン(ポリシロキサン)2重量
部、ポリビニルピロリドン(ビニル樹脂)2重量部、ゼ
ラチン1重量部、ポリエチレン(ポリオレフィン樹脂)
2重量部及びビスフェノールAグリシジルエーテル(エ
ポキシ樹脂)2重量部からなる混合物(A−4)15重
量%並びにポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
7重量%からなる組成の8重量%水性塗液をグラビアコ
ーターで塗布した。次いで塗布フイルムを97℃で乾燥
後、104℃で横方向に3.9倍延伸し、234℃で熱
処理して厚さ125μmの積層フイルムをつくった。こ
の積層フイルムの塗膜厚さは0.35μmであった。こ
の積層フイルムを粉砕し、押出機にて約300℃にて溶
融しチップ化した。次いで、得られたチップを用いて溶
融製膜し、厚さ123μmの再生フイルムを作成した。
このフイルムの着色度評価結果を表1に示す。
【0104】[実施例2〜7]ベースフイルムに用いた
ポリエステルに含まれる酸化防止剤、塗膜の組成、塗膜
厚さを表1に記載のように変更した以外は実施例1と同
様にして積層フイルムを得た。この積層フイルムから、
実施例1と同様に作成した再生フイルムの着色度評価結
果を表1に示す。
【0105】[比較例1]ベースフイルムに酸化防止剤
を含まないポリエステルを用いた以外は実施例1と同様
にして積層フイルムを得た。この積層フイルムから、実
施例1と同様に作成した再生フイルムの着色度評価結果
を表2に示す。
【0106】[比較例2]ベースフイルムに酸化防止剤
として式(I−2)で示されるフェノール化合物0.0
005重量%、式(II−2)で示されるチオエーテル化
合物0.0001重量%を含むポリエステルを用いた以
外は実施例1と同様にして積層フイルムを得た。この積
層フイルムから、実施例1と同様に作成した再生フイル
ムの着色度評価結果を表2に示す。
【0107】[実施例8〜13]ベースフイルムに用い
たポリエステルに含まれる酸化防止剤、塗膜の組成、塗
膜厚さを表1に記載のように変更した以外は実施例1と
同様にして積層フイルムを得た。この積層フイルムか
ら、実施例1と同様に作成した再生フイルムの着色度評
価結果を表1に示す。
【0108】[比較例3〜11]ベースフイルムに用い
たポリエステルに含まれる酸化防止剤、塗膜の組成、塗
膜厚さを表2に記載のように変更した以外は実施例1と
同様にして積層フイルムを得た。この積層フイルムか
ら、実施例1と同様に作成した再生フイルムの着色度評
価結果を表2に示す。
【0109】[実施例14] 実施例1で得た厚さ125μmの積層フイルムを粉砕
し、押出機にて300℃で溶融押出して得られたチップ
54重量%と、固有粘度0.64のポリエチレンテレフ
タレートからなるチップ46重量%とを混合し乾燥後、
押出機に供給した以外は実施例1と同様にして塗膜を塗
設した積層フイルム(積層再生フイルム)を得た。この
積層再生フイルムの着色度はAであった。
【0110】[実施例15] 実施例1で得た厚さ125μmの積層フイルムを粉砕
し、押出機にて301℃で溶融押出して得られたポリエ
ステル(E1)からなるチップ(P1)と、固有粘度
0.62のポリエチレンテレフタレート(E2)からな
るチップ(P2)とを乾燥後、別々の押出機に供給し、
溶融ポリマーを3層の構成がE2/E1/E2となるよ
う3層フイルム製膜用ダイに導入し、冷却ドラム上に押
出しキャストして3層の無延伸フイルムとした。次いで
この無延伸フイルムを108℃で縦方向に3.5倍延伸
し、更に105℃で横方向に3.6倍延伸し、230℃
で熱処理してE2/E1/E2層の厚みが32μm/1
02μm/32μmの3層二軸延伸フイルムをつくっ
た。得られた3層二軸延伸フイルム(積層再生フイル
ム)の着色度はAであった。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】尚、表1、表2で塗液組成を構成する成分
の記号は前記のもの又は下記の化合物、重合体を示す。 [A−5]:ポリエステル(A−1)46重量%にアク
リル酸エチル(23モル%)、メタクリル酸エチル(5
8モル%)、アクリル酸ソーダ(9モル%)及びグリシ
ヂルメタクリレート(10モル%)のアクリル系単量体
54重量%をグラフト重合した共重合体(平均分子量:
23500、アクリル変性ポリエステル樹脂) [I−4]:下記(式I−4)で示した化合物 [I−5]:下記(式I−5)で示した化合物 [I−6]:下記(式I−6)で示した化合物 [II−5]:下記(式II−5)で示した化合物 [II−6]:下記(式II−6)で示した化合物 [II−7]:下記(式II−7)で示した化合物 [III-5]:下記(式III-5)で示した化合物 [III-6]:下記(式III-6)で示した化合物 [III-7]:下記(式III-7)で示した化合物
【0114】
【化22】
【0115】
【化23】
【0116】
【化24】
【0117】
【化25】
【0118】
【化26】
【0119】
【化27】
【0120】
【化28】
【0121】
【化29】
【0122】
【化30】
【0123】
【発明の効果】本発明においては、ベースフイルムを構
成するポリエステルに特定構造の酸化防止剤を使用する
ため、薄膜を設けた積層フイルムを回収し、再生フイル
ムの材料に用いても着色が抑止され、実用性のある再生
フイルムが得られ、本発明の積層再生フイルムは着色度
が小さく、磁気記録媒体、磁気カ−ド、包装材料、写真
材料、グラフィック材料、製版フィルム、OHPフィル
ム等に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 67/00 C08L 67/00 C09K 15/08 C09K 15/08 15/12 15/12 15/32 15/32 C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/18 B32B 27/36 C08K 5/13 - 5/138 C08K 5/372 - 5/378 C08K 5/49 - 5/5399 C08L 67/00 - 67/08 C09K 15/08 C09K 15/12 - 15/14 C09K 15/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単層フイルム又は多層フイルムの少なく
    とも1層が再生材料を含むポリエステルを用いて溶融製
    膜してつくられた再生フイルムにおいて、該再生材料
    が、下記の酸化防止剤(B)を0.001〜5重量%含
    有するポリエステルからなるポリエステルフイルムの少
    なくとも片面に、下記の樹脂(A)を含み酸化防止剤
    (B)を含まない薄膜が設けられている積層フイルムを
    回収して得られる材料であって、該再生フイルムの少な
    くとも片面に樹脂(A)を含み酸化防止剤(B)
    を含まない薄膜が設けられていることを特徴とする積層
    再生フイルム。但し、酸化防止剤(B)が水素元素の少
    なくとも一つが第三級ブチル基で置換されたフェノール
    基を分子内に有するフェノール系化合物(B−1)、分
    子内に炭素数が6〜40のアルキル基、または水素元素
    の少なくとも一つが第三級ブチル基で置換されたフェニ
    ル基を有するリン系化合物(B−2)及び分子内にエス
    テル基を有するチオエーテル系化合物(B−3)からな
    る群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤であり、
    樹脂(A)がポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリ
    ル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロ
    キサン、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル
    以外のビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゼラチン類、
    ポリオレフィン樹脂及び帯電防止性樹脂からなる群から
    選ばれる少なくとも1種の樹脂である。
  2. 【請求項2】 フェノール系化合物(B−1)が、水酸
    基に隣接する位置に少なくとも一つの第三級ブチル基を
    有し、かつエステル結合を有する置換基を有するフェノ
    ール系化合物である請求項1記載の積層再生フイルム。
  3. 【請求項3】 リン系化合物(B−2)が下記(化1)
    又は下記(化2)の構造式を有するリン系化合物である
    請求項1記載の積層再生フイルム。 【化1】 [上記の式でR1 、R2 、R3 は炭素数が6〜40のア
    ルキル基、または水素元素の少なくとも一つが第三級ブ
    チル基で置換されたフェニル基を示す] 【化2】 [上記の式でR1 、R2 は炭素数が6〜40のアルキル
    基、または水素元素の少なくとも一つが第三級ブチル基
    で置換されたフェニル基を示す]
  4. 【請求項4】 単層フイルム又は多層フイルムの少なく
    とも1層が再生材料を30重量%以上含むポリエステル
    を用いて溶融製膜してつくられた請求項1記載の積層
    生フイルム。
  5. 【請求項5】 溶融製膜の際に用いる再生材料の割合
    (重量%)が、下記式(I)で示される範囲である請求
    1記載の積層再生フイルム。 【数1】 Y≧6×X ……(I) [式(I)でXはポリエステルフイルム中の酸化防止剤
    (B)の配合割合(重量%)、Yは溶融製膜の際に用い
    る再生材料の割合(重量%)を示す。]
JP02791795A 1995-02-16 1995-02-16 積層再生フイルム Expired - Lifetime JP3267824B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02791795A JP3267824B2 (ja) 1995-02-16 1995-02-16 積層再生フイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02791795A JP3267824B2 (ja) 1995-02-16 1995-02-16 積層再生フイルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08217893A JPH08217893A (ja) 1996-08-27
JP3267824B2 true JP3267824B2 (ja) 2002-03-25

Family

ID=12234244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02791795A Expired - Lifetime JP3267824B2 (ja) 1995-02-16 1995-02-16 積層再生フイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3267824B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009220311A (ja) 2008-03-13 2009-10-01 Mitsubishi Plastics Inc ポリエステルフィルム
JP5752897B2 (ja) * 2010-06-24 2015-07-22 帝人デュポンフィルム株式会社 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP5793390B2 (ja) * 2011-03-05 2015-10-14 三菱樹脂株式会社 二軸配向ポリエステルフィルム
JP5952705B2 (ja) * 2012-10-12 2016-07-13 富士フイルム株式会社 積層フィルムおよびその製造方法
US20220017708A1 (en) * 2020-07-15 2022-01-20 Nan Ya Plastics Corporation Polyester film for embossing and method for manufacturing the same
JP7294515B1 (ja) * 2022-08-31 2023-06-20 東洋インキScホールディングス株式会社 再生プラスチックの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08217893A (ja) 1996-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3193300B2 (ja) 制電性ポリエステルフイルム
JP3267824B2 (ja) 積層再生フイルム
JPH08217892A (ja) 再生フイルム
JP2003292654A (ja) 帯電防止性積層ポリエステルフィルム
JP2002079617A (ja) 帯電防止性積層ポリエステルフィルム
JP3212827B2 (ja) 積層フイルム
JPH09141806A (ja) 離型フイルム
JP3455652B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JP3139034B2 (ja) ポリエステル複合フィルム
JP2002088180A (ja) 帯電防止性積層ポリエステルフィルム
JPH08198986A (ja) 制電性フイルム
JPH08134245A (ja) 制電性フイルム
JPH08143691A (ja) 制電性フイルム
JPH0574463B2 (ja)
JP3212828B2 (ja) 積層フイルム
JP3122016B2 (ja) 積層フイルム
JPH08216346A (ja) 積層フイルム
JPH0858044A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JPH09141804A (ja) 制電性フイルム
JP3212829B2 (ja) Ohp用フイルム
JP3279966B2 (ja) プリペードカード用ポリエステルフィルム
JPH09141808A (ja) 積層フイルム
JP2001060315A (ja) 磁気カード用積層フィルム
JP2001200075A (ja) 再生フィルム
JP3193321B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム