JP3266063B2 - 金属帯の巻取方法 - Google Patents
金属帯の巻取方法Info
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- JP3266063B2 JP3266063B2 JP22872397A JP22872397A JP3266063B2 JP 3266063 B2 JP3266063 B2 JP 3266063B2 JP 22872397 A JP22872397 A JP 22872397A JP 22872397 A JP22872397 A JP 22872397A JP 3266063 B2 JP3266063 B2 JP 3266063B2
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- metal strip
- metal band
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属帯の連続処
理ラインに適用される金属帯の巻取方法に関する。
理ラインに適用される金属帯の巻取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷延工場等における各種の金属帯処理設
備には、通常、金属帯の巻取装置が設置されている。こ
の巻取装置のマンドレルは、外周に拡縮可能な複数のセ
グメントを有しており、巻き始めにおいては、金属帯の
数巻を巻き取った段階で、マンドレルのセグメントを拡
大して、金属帯のコイルとマンドレル(セグメント)と
の滑りを防止している。
備には、通常、金属帯の巻取装置が設置されている。こ
の巻取装置のマンドレルは、外周に拡縮可能な複数のセ
グメントを有しており、巻き始めにおいては、金属帯の
数巻を巻き取った段階で、マンドレルのセグメントを拡
大して、金属帯のコイルとマンドレル(セグメント)と
の滑りを防止している。
【0003】この場合、金属帯をマンドレルのセグメン
トに直接巻き付けると、セグメントの継ぎ目の部分で金
属帯に折れ曲がりを生じることがある。そこで、セグメ
ントにゴム等の弾性を有するスリーブを装着し、このス
リーブに金属帯を巻き付ける方法が実際には広く行われ
ている。このようにして、セグメントの継ぎ目の部分で
金属帯に発生する折れ曲がりを防止することができる。
トに直接巻き付けると、セグメントの継ぎ目の部分で金
属帯に折れ曲がりを生じることがある。そこで、セグメ
ントにゴム等の弾性を有するスリーブを装着し、このス
リーブに金属帯を巻き付ける方法が実際には広く行われ
ている。このようにして、セグメントの継ぎ目の部分で
金属帯に発生する折れ曲がりを防止することができる。
【0004】図2は、このようにスリーブを装着して金
属帯を巻き取る様子を示す模式図である。図中、1は金
属帯、2はゴムスリーブ、3はマンドレルのセグメン
ト、4は金属帯の先端部、5はラップマークをそれぞれ
示す。このように、単にスリーブを装着しただけでは、
金属帯1の先端部4によるコイルの段差は解消せず、こ
の段差の上に巻き取られた金属帯1に押し付けられてで
きる折れ曲がり、即ちラップマーク5の発生が避けられ
ない。そこで、このラップマークを防止するための方法
が、いくつか提案されている。
属帯を巻き取る様子を示す模式図である。図中、1は金
属帯、2はゴムスリーブ、3はマンドレルのセグメン
ト、4は金属帯の先端部、5はラップマークをそれぞれ
示す。このように、単にスリーブを装着しただけでは、
金属帯1の先端部4によるコイルの段差は解消せず、こ
の段差の上に巻き取られた金属帯1に押し付けられてで
きる折れ曲がり、即ちラップマーク5の発生が避けられ
ない。そこで、このラップマークを防止するための方法
が、いくつか提案されている。
【0005】例えば、特開平4−37416号公報に
は、マンドレルのセグメントを一気に拡大するのではな
く、中間径で所定回数巻き取った後、最大径に拡大する
という方法が提案されている。このように、巻取りの途
中でセグメントを拡大することにより、ラップマークの
折れ曲がりの部分が伸長してなだらかになるとともに、
金属帯の先端部がゴムスリーブに噛み込み、その段差が
小さくなることが記載されている。
は、マンドレルのセグメントを一気に拡大するのではな
く、中間径で所定回数巻き取った後、最大径に拡大する
という方法が提案されている。このように、巻取りの途
中でセグメントを拡大することにより、ラップマークの
折れ曲がりの部分が伸長してなだらかになるとともに、
金属帯の先端部がゴムスリーブに噛み込み、その段差が
小さくなることが記載されている。
【0006】また、特開平6−79350号公報には、
マンドレルのセグメントを中間径(真円径より3〜10
mm程度小さい径)に設定して1.5〜5巻程度巻き取
った後、真円径に拡大し、さらに数巻巻き取った後、再
度拡大するという方法が提案されている。このようにし
て、ラップマークの発生を防止するとともに、真円径よ
りさらに拡大することにより、コイルの内巻き部の接触
面圧を増加させスリップトラブルを防止することが記載
されている。
マンドレルのセグメントを中間径(真円径より3〜10
mm程度小さい径)に設定して1.5〜5巻程度巻き取
った後、真円径に拡大し、さらに数巻巻き取った後、再
度拡大するという方法が提案されている。このようにし
て、ラップマークの発生を防止するとともに、真円径よ
りさらに拡大することにより、コイルの内巻き部の接触
面圧を増加させスリップトラブルを防止することが記載
されている。
【0007】なお、金属帯の巻取においては、巻取初期
においては、金属帯がマンドレル(ゴムスリーブ)に十
分巻き付いておらず張力を掛けることができないので、
張力が一定となるように制御することはできない。そこ
で通常は、金属帯の先端部が巻取装置に進入する際の巻
取速度を、金属帯の進入速度より多少大きくしておき、
金属帯に摩擦力を与えて張力を発生させ、金属帯をマン
ドレル(ゴムスリーブ)に巻き付ける。
においては、金属帯がマンドレル(ゴムスリーブ)に十
分巻き付いておらず張力を掛けることができないので、
張力が一定となるように制御することはできない。そこ
で通常は、金属帯の先端部が巻取装置に進入する際の巻
取速度を、金属帯の進入速度より多少大きくしておき、
金属帯に摩擦力を与えて張力を発生させ、金属帯をマン
ドレル(ゴムスリーブ)に巻き付ける。
【0008】ここで、巻取速度と金属帯の進入速度の比
を、金属帯の進入速度に対する百分率(%)で表した値
を、テンションリールのリード率という。このテンショ
ンリールのリード率が小さ過ぎると、巻取初期の金属帯
の張力が不足し、金属帯がマンドレル(ゴムスリーブ)
に十分に巻き付かずスリップし、巻取不良となる。そこ
で、テンションリールのリード率は、このスリップの防
止の観点から、大きめに設定されている。
を、金属帯の進入速度に対する百分率(%)で表した値
を、テンションリールのリード率という。このテンショ
ンリールのリード率が小さ過ぎると、巻取初期の金属帯
の張力が不足し、金属帯がマンドレル(ゴムスリーブ)
に十分に巻き付かずスリップし、巻取不良となる。そこ
で、テンションリールのリード率は、このスリップの防
止の観点から、大きめに設定されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
2つの技術においては、ラップマークの発生をある程度
防止することはできたが、それでも、ラップマークが頻
発することがあった。特に、金属帯の板厚が厚くなる
と、ラップマークが発生し易くなるという問題があっ
た。
2つの技術においては、ラップマークの発生をある程度
防止することはできたが、それでも、ラップマークが頻
発することがあった。特に、金属帯の板厚が厚くなる
と、ラップマークが発生し易くなるという問題があっ
た。
【0010】また、特開平6−79350号公報記載の
方法は、マンドレルのセグメントを2段階で拡大して、
金属帯の先端部が後続の(2巻目の)金属帯に接触する
部分をずらすことにより、ラップマークを緩和すること
を狙っている。しかし、一度折れ曲がった部分は簡単に
は平滑化されず、また、折れ曲がった部分が伸びるほど
コイル内径を拡大すると、コイル内周部にすり疵が発生
するという問題が生じる。
方法は、マンドレルのセグメントを2段階で拡大して、
金属帯の先端部が後続の(2巻目の)金属帯に接触する
部分をずらすことにより、ラップマークを緩和すること
を狙っている。しかし、一度折れ曲がった部分は簡単に
は平滑化されず、また、折れ曲がった部分が伸びるほど
コイル内径を拡大すると、コイル内周部にすり疵が発生
するという問題が生じる。
【0011】その他、ラップマークの発生を防止する上
では、ゴムスリーブの硬度が低い方が効果的であるが、
その反面、弾性変形し易いため金属帯の張力の影響を受
けやすくなる。金属帯の張力に板幅方向の不均一がある
と、ゴムスリーブの弾性変形量が板幅方向で不均一とな
り、巻取り制御がしにくくなり、コイルの端面が不揃い
となる等のコイル形状不良(巻き姿の崩れ)の問題を生
じる。
では、ゴムスリーブの硬度が低い方が効果的であるが、
その反面、弾性変形し易いため金属帯の張力の影響を受
けやすくなる。金属帯の張力に板幅方向の不均一がある
と、ゴムスリーブの弾性変形量が板幅方向で不均一とな
り、巻取り制御がしにくくなり、コイルの端面が不揃い
となる等のコイル形状不良(巻き姿の崩れ)の問題を生
じる。
【0012】この発明は、これらの問題を解決し、コイ
ル形状不良等のトラブルを防止するとともに、ラップマ
ークの発生を防止できる金属帯の巻取方法を提供する。
ル形状不良等のトラブルを防止するとともに、ラップマ
ークの発生を防止できる金属帯の巻取方法を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、弾性を有す
るスリーブを装着した拡縮可能なマンドレルを有するテ
ンションリールを用いて、巻取の最初に中間径で所定回
数巻き取った後、マンドレルをさらに拡大して巻き取る
金属帯の巻取方法において、 (1)金属帯の先端部が後続の金属帯の表面に接触する
際のテンションリールのリード率を、金属帯の板厚毎に
あらかじめ求めておいたラップマークの発生限界とスリ
ップの発生限界をそれぞれ上限と下限とする範囲内に、
制御することを特徴とする金属帯の巻取方法である。 (2)金属帯の先端部が後続の金属帯の表面に接触する
際のテンションリールのリード率Lを、金属帯の板厚t
により表した、ラップマークの発生限界を示す式f
(t)とスリップの発生限界を示す式g(t)をそれぞ
れ上限と下限とする範囲内に、制御することを特徴とす
る金属帯の巻取方法である。 g(t)≦ L ≦f(t) f(t)=a×ln(t)+b g(t)=c×ln(t)+d ここで、a=−0.2,b=1.4,c=−0.08,
d=1.1である。
るスリーブを装着した拡縮可能なマンドレルを有するテ
ンションリールを用いて、巻取の最初に中間径で所定回
数巻き取った後、マンドレルをさらに拡大して巻き取る
金属帯の巻取方法において、 (1)金属帯の先端部が後続の金属帯の表面に接触する
際のテンションリールのリード率を、金属帯の板厚毎に
あらかじめ求めておいたラップマークの発生限界とスリ
ップの発生限界をそれぞれ上限と下限とする範囲内に、
制御することを特徴とする金属帯の巻取方法である。 (2)金属帯の先端部が後続の金属帯の表面に接触する
際のテンションリールのリード率Lを、金属帯の板厚t
により表した、ラップマークの発生限界を示す式f
(t)とスリップの発生限界を示す式g(t)をそれぞ
れ上限と下限とする範囲内に、制御することを特徴とす
る金属帯の巻取方法である。 g(t)≦ L ≦f(t) f(t)=a×ln(t)+b g(t)=c×ln(t)+d ここで、a=−0.2,b=1.4,c=−0.08,
d=1.1である。
【0014】この発明は、コイルのラップマークの発生
に及ぼす種々の要因について、種々検討する中でなされ
たものである。巻取装置自体の要因とは別に、巻取条件
の影響に着目した結果、テンションリールのリード率
が、ラップマークの発生に影響を及ぼすことを見いだし
た。それは、ラップマークの発生は、巻取の際のテンシ
ョンリールのリード率が大きい場合に発生し易いという
ことである。
に及ぼす種々の要因について、種々検討する中でなされ
たものである。巻取装置自体の要因とは別に、巻取条件
の影響に着目した結果、テンションリールのリード率
が、ラップマークの発生に影響を及ぼすことを見いだし
た。それは、ラップマークの発生は、巻取の際のテンシ
ョンリールのリード率が大きい場合に発生し易いという
ことである。
【0015】そこで、コイルのラップマークの発生の有
無と、金属帯の板厚およびテンションリールのリード率
との関係について調べた。調査は、実機において、ラッ
プマークの発生の際のテンションリールのリード率のデ
ータを収集して行った。このようにして得られたデータ
を、金属帯の板厚とリード率で整理することにより、ラ
ップマークの発生の要因を解明することができた。
無と、金属帯の板厚およびテンションリールのリード率
との関係について調べた。調査は、実機において、ラッ
プマークの発生の際のテンションリールのリード率のデ
ータを収集して行った。このようにして得られたデータ
を、金属帯の板厚とリード率で整理することにより、ラ
ップマークの発生の要因を解明することができた。
【0016】図1は、コイルのラップマークおよびスリ
ップの発生に及ぼす金属帯の板厚とリード率の影響を示
す図である。図の横軸は板厚、縦軸はリード率を示す。
図中、□印はラップマークの発生、△印はスリップの発
生をそれぞれ示す。この図より、コイルにラップマーク
が発生するのは、図の右上の領域である。また、スリッ
プが発生するのは、図の左下の領域である。
ップの発生に及ぼす金属帯の板厚とリード率の影響を示
す図である。図の横軸は板厚、縦軸はリード率を示す。
図中、□印はラップマークの発生、△印はスリップの発
生をそれぞれ示す。この図より、コイルにラップマーク
が発生するのは、図の右上の領域である。また、スリッ
プが発生するのは、図の左下の領域である。
【0017】ラップマークが発生する領域(図1右上)
は、金属帯の板厚tが厚く、テンションリールのリード
率が大きい領域である。なお、これは、この領域では常
にラップマークが発生するというのではなく、ラップマ
ークが発生するのはこの領域に限られるということを示
している。
は、金属帯の板厚tが厚く、テンションリールのリード
率が大きい領域である。なお、これは、この領域では常
にラップマークが発生するというのではなく、ラップマ
ークが発生するのはこの領域に限られるということを示
している。
【0018】図中の曲線Aは、ラップマークの発生限界
を示す境界線であり、リード率がこの曲線を越えない範
囲で、ラップマークの発生を防止することができる。こ
の曲線を式で表すと、次のようになる。 L=f(t) (1) f(t)=a×ln(t)+b (2) ここで、Lはリード率、tは板厚である。係数a,b
は、実際の操業結果等から予め求めておく。図1より、
a=−0.2,b=1.4と求まる。
を示す境界線であり、リード率がこの曲線を越えない範
囲で、ラップマークの発生を防止することができる。こ
の曲線を式で表すと、次のようになる。 L=f(t) (1) f(t)=a×ln(t)+b (2) ここで、Lはリード率、tは板厚である。係数a,b
は、実際の操業結果等から予め求めておく。図1より、
a=−0.2,b=1.4と求まる。
【0019】スリップが発生する領域(図1左下)は、
金属帯の板厚tが薄く、テンションリールのリード率が
小さい領域である。なお、これは、この領域では常にス
リップが発生するというのではなく、スリップが発生す
るのはこの領域に限られるということを示している。
金属帯の板厚tが薄く、テンションリールのリード率が
小さい領域である。なお、これは、この領域では常にス
リップが発生するというのではなく、スリップが発生す
るのはこの領域に限られるということを示している。
【0020】図中の曲線Bは、スリップの発生限界を示
す境界線であり、リード率がこの曲線を下回らない範囲
で、スリップの発生を防止することができる。この曲線
を式で表すと、次のようになる。 L=g(t) (3) g(t)=c×ln(t)+d (4) 係数c,dは、実際の操業結果等から予め求めておく。
図1より、c=−0.08,d=1.1と求まる。
す境界線であり、リード率がこの曲線を下回らない範囲
で、スリップの発生を防止することができる。この曲線
を式で表すと、次のようになる。 L=g(t) (3) g(t)=c×ln(t)+d (4) 係数c,dは、実際の操業結果等から予め求めておく。
図1より、c=−0.08,d=1.1と求まる。
【0021】図1の曲線Aと曲線Bとの間の領域で巻取
作業を行うことにより、ラップマークおよびスリップの
発生を双方とも防止することができる。このことを式で
表すと、 g(t)≦ L ≦f(t) (5) となる。
作業を行うことにより、ラップマークおよびスリップの
発生を双方とも防止することができる。このことを式で
表すと、 g(t)≦ L ≦f(t) (5) となる。
【0022】以上のように、テンションリールのリード
率が大きく、金属帯の板厚が厚い領域で、ラップマーク
が発生する理由については、現在のところ不明である
が、定性的には次のように考えると理解し易い。
率が大きく、金属帯の板厚が厚い領域で、ラップマーク
が発生する理由については、現在のところ不明である
が、定性的には次のように考えると理解し易い。
【0023】巻取の際、金属帯の先端部は、テンション
リールを1周するころにはリールの周速と同じかそれに
近い速度に加速される。この際、テンションリールは所
定のリード率を持つよう制御されているため、金属帯の
張力は上昇する。金属帯がリールに完全に巻き付いた時
点で、スパイクテンションと呼ばれ、張力の急激な上昇
が起こる。すると、後続の金属帯は張力の高い状態とな
るため、金属帯の先端部との衝突の際の逃げ代が小さく
なり、折れが発生し易くなると考えられる。
リールを1周するころにはリールの周速と同じかそれに
近い速度に加速される。この際、テンションリールは所
定のリード率を持つよう制御されているため、金属帯の
張力は上昇する。金属帯がリールに完全に巻き付いた時
点で、スパイクテンションと呼ばれ、張力の急激な上昇
が起こる。すると、後続の金属帯は張力の高い状態とな
るため、金属帯の先端部との衝突の際の逃げ代が小さく
なり、折れが発生し易くなると考えられる。
【0024】この発明では、リード率を所定の範囲内に
制御しているので、上記スパイクテンションの発生が緩
和される。その結果、金属帯の先端部との衝突の際の後
続の金属帯の逃げ代が大きくなり、折れが発生しにくく
なると考えられる。
制御しているので、上記スパイクテンションの発生が緩
和される。その結果、金属帯の先端部との衝突の際の後
続の金属帯の逃げ代が大きくなり、折れが発生しにくく
なると考えられる。
【0025】図3は、ラップマークの生成過程を示す模
式図である。図中、1は金属帯、2はゴムスリーブ、3
はマンドレルのセグメント、4は金属帯の先端部、5は
ラップマーク、6は金属帯の折れ曲がり部をそれぞれ示
す。図3aは、金属帯の先端部4が衝突して、金属帯1
に折れ曲がり部6が発生したところを示している。この
折れ曲がり部6の上にさらに金属帯1が巻き付けられる
と、図3bに示すように、折れ曲がり部6は座屈してさ
らに塑性変形が進む。最終的に、この部分がラップマー
ク5となる。
式図である。図中、1は金属帯、2はゴムスリーブ、3
はマンドレルのセグメント、4は金属帯の先端部、5は
ラップマーク、6は金属帯の折れ曲がり部をそれぞれ示
す。図3aは、金属帯の先端部4が衝突して、金属帯1
に折れ曲がり部6が発生したところを示している。この
折れ曲がり部6の上にさらに金属帯1が巻き付けられる
と、図3bに示すように、折れ曲がり部6は座屈してさ
らに塑性変形が進む。最終的に、この部分がラップマー
ク5となる。
【0026】ここで、後続の金属帯の表面疵は、上記の
スパイクテンションが大きい場合、あるいは衝突する金
属帯の先端部の質量が大きい場合、発生し易くなると考
えられる。従って、テンションリールのリード率が大き
い場合、あるいは金属帯の板厚が厚い場合、ラップマー
クが発生し易いことになり、これは、一応今回の結果
(図1)と一致している。
スパイクテンションが大きい場合、あるいは衝突する金
属帯の先端部の質量が大きい場合、発生し易くなると考
えられる。従って、テンションリールのリード率が大き
い場合、あるいは金属帯の板厚が厚い場合、ラップマー
クが発生し易いことになり、これは、一応今回の結果
(図1)と一致している。
【0027】
【発明の実施の形態】発明の実施にあたっては、金属帯
が巻取装置に進入する際、テンションリールのリード率
を前述の式(5)の範囲に設定する。その結果、巻取速
度、即ちテンションリールの周速(ゴムスリーブ外周長
さ×回転数)は、金属帯の進入速度よりリード率に相当
する相対速度の分だけ高速となる。
が巻取装置に進入する際、テンションリールのリード率
を前述の式(5)の範囲に設定する。その結果、巻取速
度、即ちテンションリールの周速(ゴムスリーブ外周長
さ×回転数)は、金属帯の進入速度よりリード率に相当
する相対速度の分だけ高速となる。
【0028】金属帯の先端部は、ベルトラッパ又はガイ
ドロール等のガイド装置で案内されてリール(ゴムスリ
ーブ)に巻き付いていく。これらのガイド装置も、テン
ションリールのリード率と同じリード率で運転する。金
属帯の先端部は、リード率に相当する相対速度により前
方(回転方向)に引っ張られ、金属帯には張力が発生す
る。この張力により金属帯はリール(ゴムスリーブ)に
巻き付いていく。
ドロール等のガイド装置で案内されてリール(ゴムスリ
ーブ)に巻き付いていく。これらのガイド装置も、テン
ションリールのリード率と同じリード率で運転する。金
属帯の先端部は、リード率に相当する相対速度により前
方(回転方向)に引っ張られ、金属帯には張力が発生す
る。この張力により金属帯はリール(ゴムスリーブ)に
巻き付いていく。
【0029】金属帯がリールに数回巻き付いた段階で、
リールのマンドレルを拡張してコイルの緩みを除去し、
同時にリード率を0即ちリールの周速を金属帯の進入速
度(ライン速度)と同一にする。その後、テンションリ
ールの回転制御を、張力一定制御に切り換えて、巻取を
続行する。
リールのマンドレルを拡張してコイルの緩みを除去し、
同時にリード率を0即ちリールの周速を金属帯の進入速
度(ライン速度)と同一にする。その後、テンションリ
ールの回転制御を、張力一定制御に切り換えて、巻取を
続行する。
【0030】このように、テンションリールのリード率
を、この発明の不等式を満たす範囲に制御することによ
り、図1の曲線Aと曲線Bとの間の領域、即ちラップマ
ークおよびスリップの双方とも発生を防止できる範囲
で、巻取作業を行うことができる。
を、この発明の不等式を満たす範囲に制御することによ
り、図1の曲線Aと曲線Bとの間の領域、即ちラップマ
ークおよびスリップの双方とも発生を防止できる範囲
で、巻取作業を行うことができる。
【0031】
【発明の効果】この発明では、ラップマークの発生に及
ぼすテンションリールのリード率と板厚の影響を解明
し、これら両者により表される不等式により、ラップマ
ークの発生を防止できる巻取条件を明らかにした。この
不等式に基づき、巻取装置を制御することにより、コイ
ル形状不良等のトラブルを防止するとともに、ラップマ
ークの発生を防止することが可能となる。
ぼすテンションリールのリード率と板厚の影響を解明
し、これら両者により表される不等式により、ラップマ
ークの発生を防止できる巻取条件を明らかにした。この
不等式に基づき、巻取装置を制御することにより、コイ
ル形状不良等のトラブルを防止するとともに、ラップマ
ークの発生を防止することが可能となる。
【図1】コイルのラップマークおよびスリップの発生に
及ぼす金属帯の板厚とリード率の影響を示す図である。
及ぼす金属帯の板厚とリード率の影響を示す図である。
【図2】スリーブを装着して金属帯を巻き取る様子を示
す模式図である。
す模式図である。
【図3】ラップマークの生成過程を示す模式図である。
1 金属帯 2 ゴムスリーブ 3 マンドレルのセグメント 4 金属帯の先端部 5 ラップマーク 6 金属帯の折れ曲がり部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−79350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 47/30 B21C 47/02
Claims (2)
- 【請求項1】 弾性を有するスリーブを装着した拡縮可
能なマンドレルを有するテンションリールを用いて、巻
取の最初に中間径で所定回数巻き取った後、マンドレル
をさらに拡大して巻き取る金属帯の巻取方法において、
金属帯の先端部が後続の金属帯の表面に接触する際のテ
ンションリールのリード率を、金属帯の板厚毎にあらか
じめ求めておいたラップマークの発生限界とスリップの
発生限界をそれぞれ上限と下限とする範囲内に、制御す
ることを特徴とする金属帯の巻取方法。 - 【請求項2】 弾性を有するスリーブを装着した拡縮可
能なマンドレルを有するテンションリールを用いて、巻
取の最初に中間径で所定回数巻き取った後、マンドレル
をさらに拡大して巻き取る金属帯の巻取方法において、
金属帯の先端部が後続の金属帯の表面に接触する際のテ
ンションリールのリード率Lを、金属帯の板厚tにより
表した、ラップマークの発生限界を示す式f(t)とス
リップの発生限界を示す式g(t)をそれぞれ上限と下
限とする範囲内に、制御することを特徴とする金属帯の
巻取方法。 g(t)≦ L ≦f(t) f(t)=a×ln(t)+b g(t)=c×ln(t)+d ここで、a=−0.2,b=1.4,c=−0.08,
d=1.1である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22872397A JP3266063B2 (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | 金属帯の巻取方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22872397A JP3266063B2 (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | 金属帯の巻取方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1157854A JPH1157854A (ja) | 1999-03-02 |
JP3266063B2 true JP3266063B2 (ja) | 2002-03-18 |
Family
ID=16880813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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