JP3265469B2 - 閉止機構付き電磁ポンプ - Google Patents

閉止機構付き電磁ポンプ

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JP3265469B2
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輝也 澤田
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日本コントロール工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として石油フ
ァンヒータ等の石油燃料機器の燃料供給用の閉止機構付
き電磁ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】石油ファンヒータ等に用いられる所謂流
量型電磁ポンプは、実開昭61−162580号公報、
実開平3−1278号公報、実開平4−66378号公
報等に示すように、非運転時に特段の閉止機構は持た
ず、吐出弁が吐出弁シートに着座して、該吐出弁より後
流側の流体回路の閉止性を維持していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の吐出弁
は、本来ポンプ作用を主体とした弁であり、戻しばねの
荷重は4gぐらいで、流量型の電磁弁に用いられる一般
的な例であり、この戻しばねの荷重を大きく設定するこ
とは、流量型にあっては、性能に大きな影響を与えるた
め困難である。使用開始初期には、ある程度の逆方向閉
止力はあるものの、微細なごみ等の影響もあって、常時
閉止効果を充分に得ることは出来ない。
【0004】このことは、石油ファンヒータ等の実用時
にあって、運転停止中に電磁ポンプの内部からバーナま
での間の石油が、油タンクに抜け落ちることであり、次
の点火時に空気がバーナに送られて、爆発燃焼や不着火
による白煙の発生等の不具合がときどき生じていた。
【0005】そこで、この発明は、運転停止時に電磁ポ
ンプ内の流体が抜け落ちるのを防ぐことができる電磁ポ
ンプを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る閉止機構
付き電磁ポンプは、電磁コイルにパルス電圧を印加する
ことにより得られる磁気力の変化と、上ばね並びに下ば
ねの反発力にてプランジヤが往復動して、該プランジヤ
内に配された吸入弁と、下流側に配された吐出弁にてポ
ンプ作用が行われる電磁ポンプにおいて、前記プランジ
ヤの流入側端に閉止弁を設けると共に、該閉止弁が着座
する閉止弁シートを吸入側通路に設けて、非運転時に前
記プランジヤを支持する上ばねと下ばねとの荷重差で前
記閉止弁が閉止弁シートに着座することにある(請求項
1)。
【0007】このため、ポンプ運転停止時に、プランジ
ヤの流入側端に設けた閉止弁は、上ばねと下ばねの荷重
差で閉止弁シートに圧接(着座)される。従来の吐出弁
の戻しばねの力は、流体の圧力差により閉弁するため、
あまり大きくするとポンプ能力に低下をきたすが、この
発明では、閉止弁の閉止は、上ばねと下ばねの荷重差で
あるので、その圧接力を略5倍にも大きくすることが可
能となった。
【0008】一方運転時には、プランジヤは上磁極に向
かって変位し、閉止弁は閉止弁シートから離れて開弁
し、更に運転中はプランジヤが駆動入力と均り合った位
置(反閉止弁シート側)を振幅中心として往復動するた
め、閉止弁が閉止弁シートに接することがない。
【0009】また、電磁コイルの印加するパルス電圧に
直流電圧を重畳しても良い(請求項2)。これにより、
駆動入力、即ち、パルス電圧を可変してポンプの吐出量
を制御する場合においては、前記の如くプランジヤの往
復動の振幅中心の位置が変化するため、閉止弁の作動が
不安定と成ることがあるが、駆動入力としてのパルス電
圧に直流電圧を重畳したものを用いて、ポンプ運転開閉
時にプランジヤを直流電圧によって所定の振幅中心位置
まで上昇せしめ、その位置を基準としてプランジヤが往
復動するため、前記不具合を解消出来るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0011】図1において、電磁ポンプ1は、いわゆる
流量型の電磁ポンプで、鉄などの磁性材で形成されたケ
ース2内に、断続電圧(パルス電圧)が印加される電磁
コイル3を有する。この電磁コイル3は、樹脂製のボビ
ン4に電線が巻装されて形成されているもので、このボ
ビン4の中央を貫通して形成された貫通孔には、磁性材
より成る上下の磁極筒6a,6bが配され、更に内側に
金属性で非磁性材のガイドパイプ8が嵌挿されている。
また、上磁気プレート10及び下磁気プレート11は、
前記ボビン4の上端及び下端に配され、前記ケース2と
磁極筒6a,6bと共に磁気回路を構成している。
【0012】前記ガイドパイプ8の上方には、Oリング
13を介して吐出継手14に嵌挿され、下方はOリング
15を介して合成樹脂より成形の吸入パイプ16にそれ
ぞれ嵌挿されている。
【0013】吸入パイプ16は、樹脂などで製造されて
おり、その中心に吸入通路25が形成され、その上方に
外方へ張り出すつば26を有し、前記したガイドパイプ
8の下端に挿入されて、外嵌するOリングにて油密が保
たれている。この吸入パイプ16は、下板30が下方か
ら挿入され、つば26に係合して取付られている。ま
た、吸入パイプ16の吸入通路25に連通してプランジ
ヤ作動室21の下端側に下記する閉止弁31の閉止弁シ
ート27が配されている。この閉止弁シート27は、前
記ガイドパイプ8の下端に嵌合して取付られると共に、
記下ばね20のばね受けともなっている。
【0014】プランジヤ18は、鉄などの磁性材によっ
て略円筒状に形成されたもので、上ばね19と下ばね2
0とより前記ガイドパイプ8内に形成のプランジヤ作動
室21内に摺動自在に支持されている。そして、このプ
ランジヤ18によってプランジヤ作動室21は、上ばね
室21aと下ばね室21bとに分けられ、該両ばね室2
1a,21bは、貫通孔22及びこれに連通の径方向の
孔23にて連通されている。
【0015】また、プランジヤ18の下端(流入)側に
閉止弁31が前記貫通孔22に嵌着するように取付られ
ている。この閉止弁31は、ポンプ停止時には、上ばね
19のばね荷重が下ばね20のばね荷重より大きく設定
されており、この実施例では、20gほどの荷重にて前
記した閉止弁シート27に圧接着座されている。
【0016】吸入弁33は、ボール34、弁シート3
5、弁カバー36及び吸入弁ばね37とより成り、弁シ
ート35が前記プランジヤの上端(流出)側に嵌入さ
れ、その弁シート35に吸入弁ばね37付勢しながら
弁カバー36が弁シート35に外嵌してプランジヤ18
に取付られている。
【0017】吐出継手14は、外周に円板状のつば部4
0と、軸方向に形成の六角部41を有し、内部に軸方向
に通孔42が形成されると共に、上方のケース2に形成
の六角孔に係合され、ケース2が下板30と結合される
ことで、吐出継手14は前記したようにガイドパイプ8
にOリング13を介して外嵌されて取付られる。
【0018】この吐出継手14の通孔42に、吐出弁4
4と吐出弁ばね45を順次収納し、更に吐出弁シート
が嵌合されている。なお、吐出継手14の組付時に、
吐出弁シート46は、前記ガイドパイプ8の上端に嵌合
の上ばね押え47に当接している。なお、吐出弁44に
かかる荷重は4g程である。
【0019】上述の構成において、電磁ポンプ1は、電
磁コイル3に所望のパルス数(可変する)を持つパルス
電圧が印加され、電磁コイル3が励磁されると、上下の
磁極筒6a,6bに磁力が発生して、プランジヤ18が
上ばね19に抗して吸引され、もって、閉止弁31が閉
止弁シート27から離れると共に、上ばね19に反発エ
ネルギーが貯められる。そして、電磁コイル3が消励さ
れると吸磁力が消滅して上ばね19の反発エネルギーに
て下方へ戻され、このような繰り返しにてプランジヤ1
8は往復動されるものであるが、駆動入力(パルス電
圧)と均り合った位置を振幅中心としてプランジヤ18
が往復動することになり、その振幅中心位置は、上ばね
19側に変位した位置となっているから、閉止弁31は
閉止弁シート27に接することはない。そして、駆動入
力が遮断されるとプランジヤ18は上ばね19と下ばね
20との荷重差にて閉止弁31は閉止弁シート27に着
座され、吸入側通路は閉塞される。この際の荷重は20
g程である。
【0020】駆動入力、即ちパルス電圧の電圧値を可変
して吐出流量制御を行う場合(特に少量側への制御)に
あっては、プランジヤ18の振幅中心位置が下ばね20
方向へ変位されるために、閉止弁31が閉止弁シート2
7に接するような不具合が生じることがある。このよう
な不具合を防ぐために、駆動入力としてのパルス電圧に
直流電圧を重畳したものを用いてプランジヤ18を該直
流電圧にて所定の振幅中心位置まで上昇せしめ、その位
置を基準にプランジヤが往復動するため、電圧制御時で
あっても、閉止弁31が閉止弁シート27に接する不具
合が生じることがない。
【0021】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ポン
プの運転停止時に閉止弁が閉止弁シートに上ばねと下ば
ねの荷重差にて着座され吸入側通路が閉じられる。この
閉止力は、吐出弁の閉止力の5倍程で、ポンプから後流
側の流体回路内の油の抜けは完全に防止されるものであ
る。
【0022】そして、請求項2に示すように、パルス電
圧に直流電圧が重畳される場合には、プランジヤの振幅
中心位置が所定位置に保たれ、流量制御による電圧変動
があっても、閉止弁による不具合の発生が防がれるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す断面図である。
【図2】駆動入力としてのパルス電圧に直流電圧を重畳
した図である。
【符号の説明】
1 電磁ポンプ 3 電磁コイル 6a 上磁極筒 6b 下磁極筒 8 ガイドパイプ 14 吐出継手 16 吸入パイプ 18 プランジヤ 19 上ばね 20 下ばね 21 プランジヤ作動室 22 貫通孔 25 吸入通路 27 閉止弁シート 31 閉止弁 33 吸入弁 44 吐出弁 45 吐出弁ばね

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁コイルにパルス電圧を印加すること
    により得られる磁気力の変化と、上ばね並びに下ばねの
    反発力にてプランジヤが往復動して、該プランジヤ内に
    配された吸入弁と、下流側に配された吐出弁にてポンプ
    作用が行われる電磁ポンプにおいて、 前記プランジヤの流入側端に閉止弁を設けると共に、該
    閉止弁が着座する閉止弁シートを吸入側通路に設けて、
    非運転時に前記プランジヤを支持する上ばねと下ばねと
    の荷重差で前記閉止弁が閉止弁シートに着座することを
    特徴とする閉止機構付き電磁ポンプ。
  2. 【請求項2】 電磁コイルの印加するパルス電圧に、直
    流電圧を重畳したことを特徴とする請求項1記載の閉止
    機構付き電磁ポンプ。
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