JP3265394B1 - アクリル系樹脂手袋 - Google Patents

アクリル系樹脂手袋

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JP3265394B1
JP3265394B1 JP2001071596A JP2001071596A JP3265394B1 JP 3265394 B1 JP3265394 B1 JP 3265394B1 JP 2001071596 A JP2001071596 A JP 2001071596A JP 2001071596 A JP2001071596 A JP 2001071596A JP 3265394 B1 JP3265394 B1 JP 3265394B1
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Abstract

【要約】 【課題】 粘度安定性、成形加工性に優れたアクリル系
樹脂組成物と、脱型性、着脱性等の優れた手袋等の成形
品を提供する。 【解決手段】 本発明は、アクリル系樹脂と、少なくと
も2種類の可塑剤とを含有するアクリル系樹脂組成物で
あって、可塑剤が安息香酸エステルとフェノールアルキ
ルスルホン酸エステルであり、好ましくは、アクリル系
樹脂が100重量部に対して、安息香酸エステルが30
〜60重量部、フェノールアルキルスルホン酸エステル
が30〜60重量部配合されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸漬成形法による
成形されるアクリル系樹脂手袋に用いられるアクリル形
樹脂組成物の相溶性、粘度安定性優れ、且つ成形加工
が容易であり、また、母型からの脱型性及び手との着脱
性に優れた手袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系樹脂組成物又はアク
リロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)系組成物は、
所望の物性を有する様々な成形品を容易に成形できるこ
とから、樹脂成形品の広い分野で用いられてきた。作業
用や検査用等に用いられる手袋においても同様に塩化ビ
ニル系樹脂組成物が用いられてきたが、近年これら成形
品の廃棄における環境問題から材料組成物を転換すべく
開発が行われている。
【0003】そのような材料組成物の一つにアクリル系
樹脂組成物があるが、該組成物は、塩化ビニル系樹脂組
成物ほど可塑剤や充填剤の添加により得られる効果が解
かっておらず、所望の物性を有する成形品を得ることは
容易ではない。
【0004】一方、塩化ビニル系樹脂組成物を用いた従
来の手袋は手肌等との密着性が高いため、手肌にベタ付
いて着脱がし難い、即ち着脱性が悪いという問題があ
る。また、所定の樹脂組成物に手袋の母型を浸漬して該
母型に所定の厚さの樹脂組成物を付着させた後、加熱に
より該樹脂組成物を成膜させて手袋を製造する製造方法
(浸漬成形法)においては、該母型から成膜された手袋
を脱型する際に同様に手袋母型に密着して脱型がし難
い、即ち脱型性が悪いという問題もある。
【0005】これに対し、手袋の装着性を向上させるた
めに手袋にパウダー状の離型剤を付着させたり、手袋の
内面に植毛処理を施したり、滑性層を形成する方法が採
用されている。しかし、パウダー状の離型剤を付着させ
た場合には、使用の際に該離型剤が手や周囲の物に付着
するので、離型剤の種類によっては手肌にアレルギー症
状を引き起こしたり、汚れや塵埃を避ける必要がある作
業、例えば電子部品の組立等には使用できないという問
題がある。一方、植毛処理を施した場合には、植毛が抜
け落ちて周囲を汚すことがあるため、前述と同様に、汚
れや塵埃を避ける必要がある作業には適さず、また脱毛
により装着性が悪くなるという問題もある。
【0006】また、手袋の内面に滑性層を形成する方法
として、特開平8−337910号公報には手袋の内面
にアクリル系樹脂層を設けた手袋、特開平11−615
27号公報には手袋の内面に水性分散液により形成され
る滑性樹脂層を設けた手袋、特開2001−20112
号公報には内面処理剤を手袋の内表面に成膜した手袋が
記載されているが、これらは手袋の内面に設けた滑性を
有する樹脂層が異なるものの、いずれも手袋本体と滑性
層の2層からなるものである。従って、その製造には、
手袋本体を形成する工程の他に滑性層を形成する工程が
新たに必要となるので、製造工数が多く、製造設備とし
て2つの浸漬槽が必要となるので製造コストが高くなる
という問題がある。
【0007】一方、アクリル系樹脂手袋は、塩化ビニル
型樹脂組成物のように、可塑剤や充填剤の添加により得
られる効果が解かっていないため、単に汎用可塑剤を用
いるのみでは、脱型性や着脱性等の優れた手袋等の成形
品を作製することは困難である。また、手袋のような成
形品の材料となる樹脂組成物には、相溶性、粘度安定性
等が必要となるが、一般にアクリル系樹脂組成物は粘度
安定性が悪いので、工業生産性をも考慮した緻密な樹脂
組成物の設計が必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、粘度
安定性、成形加工性に優れたアクリル系樹脂組成物を用
いて、浸漬成形法により、脱型性、着脱性等の優れた
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂
に添加される可塑剤を、(A)ブリードが生ずることな
く成膜の脱型力を低下させるもの、(B)ブリードが生
ずるが(A)より脱型力を低下させる作用が高いものに
分類し、これらを組み合わせることにより、浸漬成形法
に適したアクリル系樹脂組成物、特に母型からの脱型性
及び使用の際の着脱性に優れた手袋の材料となり得るア
クリル系樹脂組成物を得られる事実を見出し、本発明を
完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、浸漬成形法により成形さ
れる手袋であって、アクリル系樹脂100重量部に対し
て、安息香酸エステルを30〜60重量部、アルキルス
ルホン酸フェニルエステルを30〜60重量部含んでな
るアクリル系樹脂組成物を用いて成形されたものであ
る。これにより、ブリードを一定以下に抑制しつつ脱型
力を低下させることができる。さらに、アルキルスルホ
ン酸フェニルエステルがアクリル系樹脂組成物の粘度を
安定させるので、アクリル系樹脂組成物の粘度の経時変
化、即ち経時的に粘度が上昇することを抑制し、工業生
産に適したアクリル系樹脂組成物を得ることができる。
また、手袋に、母型からの脱型を容易なものとするため
の2層構造を採用する必要がなく、1槽の浸漬槽を用い
1回の浸漬により成膜する製造方法を採用することがで
きるので、製造コストを各段に低下させることができ
る。
【0011】さらに2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタジオールジイソブチレートが、好ましくは、アク
リル系樹脂が100重量部に対して50〜80重量部配
合されたものである。アクリル系樹脂のペーストは、塩
化ビニル系樹脂のペーストと比較して粘度が高いので、
手袋の厚さを薄くすることに限界があり、従来の手袋よ
り厚さが厚ければ手袋のフィット感や作業のし易さ等が
損なわれるが、これにより、樹脂ペーストの粘度を所望
の粘度に調整することができ、例えば極薄手の手袋をも
作製することができる。
【0012】さらに、ウィスカー、好ましくは繊維状の
炭酸カルシウムの結晶が、アクリル系樹脂が100重量
部に対して3〜15重量部配合されたものである。これ
により成膜が補強されて、その物性、特に剛性が高めら
れる。
【0013】さらに、粒状無機化合物、好ましくは炭酸
カルシウムが、アクリル系樹脂組成物100重量部に対
して5〜15重量部配合されたものである。これによ
り、浸漬成形法により作製された手袋等の成形品の表面
と母型との密着力を低下させて、成膜の母型からの脱型
力を低下させることができる。
【0014】
【0015】
〔アクリル系樹脂組成物〕
本発明に使用されるアクリル系樹脂としては、例えば、
アクリル酸、アクリルリン酸、メタクリル酸、メタクリ
ル酸等の単独ポリマーの他、これらを組み合わせて得ら
れる共重合体等がある。樹脂ペーストとして加工するに
は、メタクリル酸やアクリレート共重合体が好適であ
る。
【0016】本発明においては、可塑剤として安息香酸
エステル及びアルキルスルホン酸フェニルエステルが添
加されてアクリル系樹脂組成物が作製される。アクリル
系樹脂と相溶する各種可塑剤は多種に及ぶが、本発明に
おいてはブリードを生じさせずに脱型力を低下させる可
塑剤として安息香酸エステル(C20225)を、ブリ
ードを生じさせるが脱型力を低下させる作用に優れた可
塑剤としてアルキルスルホン酸フェニルエステルを用い
る。
【0017】図1は、安息香酸エステルとアルキルスル
ホン酸フェニルエステルの脱型力、ブリード量、樹脂ペ
ーストの粘度を各可塑剤の添加重量部を変えて測定した
ものである。以下、各測定方法を説明する。まず、可塑
剤を所定配合比で配合したアクリル系樹脂ペーストに円
柱状のガラス製母型を浸漬して引き上げ、該ガラス製母
型を180℃で10分間加温してサンプルを成膜した。
脱型力は、成膜されたサンプルをガラス製母型から下方
向に手で引き下げることにより脱型した場合に加えられ
た力をバネ秤により計測した。ブリード量は、脱型され
た直後のサンプルの重量(w)を測定した後、室温で
10日間放置してからサンプル表面に浸出可塑剤を完全
に拭い取り、再度重量(w)を測定し、得られた測定
値から式(1)により求めた。なお、粘度は所定配合比
の可塑剤を添加したときの樹脂ペーストの粘度(cP;
センチポイズ)である。
【0018】
【数1】
【0019】図1から、安息香酸エステルはブリード量
を高めることなく脱型力を低下させ、アルキルスルホン
酸フェニルエステルはブリード量を高めるが脱型力を安
息香酸エステル以上に低下させることがわかる。
【0020】また、図1には示していないが、安息香酸
エステル140重量部を配合した樹脂ペーストを室温
(10〜20℃)で24時間放置した場合には樹脂ペー
ストの粘度が3000cP以上に上昇した。一方、アル
キルスルホン酸フェニルエステル140重量部を配合し
た樹脂ペーストを室温(10〜20℃)で10日間放置
した後の粘度は1000cPであった。これより、アル
キルスルホン酸フェニルエステルは粘度安定性を高める
ことがわかる。
【0021】これら2つの可塑剤を、ブリードを一定以
下に抑制しつつ脱型力が十分に低下するように配合す
る。配合比は、安息香酸エステルが、アクリル系樹脂1
00重量部に対して30〜60重量部、アルキルスルホ
ン酸フェニルエステルが、アクリル系樹脂100重量部
に対して30〜60重量部とすることが好ましい。この
配合比は、安息香酸エステルのみでは脱型力の低下が不
十分であり、樹脂ペーストの粘度安定性を維持すること
ができないこと、アルキルスルホン酸フェニルエステル
が前記範囲を下回ると脱型性を高めること及び樹脂ペー
ストの粘度安定性高めることができなくなる一方、上回
ればブリードが多くなるという弊害があることを考慮し
て設定されたものである。
【0022】前記アクリル系樹脂組成物には、さらに、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールジイ
ソブチレートを、アクリル系樹脂100重量部に対し
て、50〜80重量部配合することが好ましい。この配
合比は、厚さが約0.10〜0.20mmの極薄手、又
は約0.20〜0.35mmの薄手の手袋を浸漬成形法
により作製するには樹脂ペーストの粘度が700〜12
00cPが好適であることに基づいて設定されたもので
ある。
【0023】前記アクリル系樹脂組成物には、補強性の
充填剤としてウィスカー、好ましくは繊維状の炭酸カル
シウムの結晶を、アクリル系樹脂組成物100重量部に
対して3〜15重量部配合することが好ましい。この配
合比は、前記範囲を下回ると成膜の補強、特に剛性が向
上しない一方、上回ればその成形品、特に手袋のような
ものの装着感が悪くなるという弊害があることを考慮し
て設定されたものである。ウィスカーとしては、この他
に、金属やセラミックの繊維状の結晶を用いることがで
きる。
【0024】前記アクリル系樹脂組成物には、アンチブ
ロッキング剤として粒状無機化合物、好ましくは粒状炭
酸カルシウムを、アクリル系樹脂組成物100重量部に
対して、5〜15重量部配合することが好ましい。ここ
で、粒状無機化合物とは、外形がラグビーボール状の形
状をした粒径が数μm程度のものである。この配合比
は、前記範囲を下回ると脱型性を高める効果が損なわれ
る一方、上回ればブリードが多くなるという弊害がある
ことを考慮して設定されたものである。
【0025】〔アクリル系樹脂手袋〕 本発明に係る手袋は、アクリル系樹脂と各可塑剤及び充
填剤が相溶性のある液状分散媒に分散した分散液、すな
わち樹脂ペーストに手袋の母型を浸漬させて成膜する浸
漬成形法により作製される。詳細には、まず、アクリル
系樹脂を前記各種可塑剤及び充填剤と所定比率で配合
し、均一に混合分散させて樹脂ペーストを製造する。次
に、該樹脂ペーストを貯留したタンクに所定の手袋の母
型を浸漬させて、該母型の表面に樹脂ペーストを付着さ
せる。手袋母型を樹脂ペーストから引き上げた後、これ
を加熱して樹脂ペーストを溶融して成膜し、冷却後、手
袋母型から成膜された手袋を脱型して手袋を得る。この
ようにして得られた手袋は、アクリル系樹脂と各種可塑
剤及び充填剤との溶融膜1層からなるものである。な
お、手袋の母型は、従来より公知の陶器製やガラス製の
もの等を用いることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説
明するが、本発明は該実施例に限定されるものではな
く、各種の変更が可能なことは当然である。
【0027】〔実施例1〕 アクリル系樹脂として主成分がポリメタクリル酸であ
り、平均粒子径が1μm、平均重合度が30000のも
の(日本ゼオン:ゼオンF320)を用いた。配合する
可塑剤として、アクリル系樹脂100重量部に対して安
息香酸エステル(ベルジコルケミカル:ベンゾフレック
ス2088)を30重量部、アルキルスルホン酸フェニ
ルエステル(バイエル:メザモール)を60重量部配合
し、さらに2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジ
オールジイソブチレート(協和発酵:キョーワノール
D)を65重量部を配合し、ゲル化剤としてベントナイ
トとアルキルスルホン酸エステルの複合体(白石カルシ
ウム:オルベンZ)を3重量部、安定化剤としてカルシ
ウム亜鉛(旭電化:AC321)を1重量部、着色剤と
して白色顔料(二酸化チタン)を1重量部加えてアクリ
ル系樹脂組成物を調製した。該アクリル系樹脂組成物を
28℃に維持して、53℃に加温した手袋の母型を浸漬
して付着させ、185℃で15分間加熱して溶融、成膜
して手袋を得た。
【0028】〔実施例2〜4〕 実施例2〜4では、安息香酸エステル及びアルキルスル
ホン酸フェニルエステルの配合比を表1に示す値とした
他は、実施例1と同様にして手袋を得た。
【0029】〔実施例5〜8〕実施例5〜8では、実施
例1のアクリル系樹脂組成物に、さらにウィスカーとし
て繊維状の炭酸カルシウムの結晶(丸尾カルシウム:ウ
ィスカルA)と、粒状無機化合物として粒状炭酸カルシ
ウム(丸尾カルシウム:軽質炭酸カルシウム)を表2に
示す値で配合した他は、実施例1と同様にして手袋を得
た。
【0030】〔比較例1〜3〕比較例1又は2では、塩
化ビニル系樹脂組成物又はNBR系組成物を用いて、公
知の内面処理等を施こす2槽を用いた浸漬成形法によ
り、2層構造の手袋を得た。なお、比較例として挙げて
いないが、塩化ビニル系樹脂組成物又はNBR系組成物
を用いて、前記内面処理等を施さない1層構造の手袋
は、浸漬成形法により作製する際に成膜が母型から脱型
できなかった。一方、比較例3では、アクリル系樹脂1
00重量部に対して、安息香酸エステル80重量部、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールジイ
ソブチレート20重量部を配合し、その他ゲル化剤、安
定化剤、着色剤は前記実施例1と同様に配合して手袋を
得た。
【0031】〔評価〕前記実施例1〜4により製造され
た各手袋の評価試験の結果、及び比較例1又は2の手袋
の評価試験の結果を表1に示す。なお、各評価試験の評
価基準は以下の通りである。 (樹脂ペーストの粘度)各実施例におけるアクリル系樹
脂組成物調製直後の樹脂ペーストの粘度(cP)を粘度
計により測定した。 (成膜のブリード性)目視判定により以下の基準で判別
した。 ◎:成膜表面に可塑剤の浸出がまったく認められない。 ○:成膜表面に可塑剤の浸出が若干のみ認められる。 △:成膜表面に可塑剤の浸出が認められる。 ×:成膜表面に可塑剤の浸出が激しく認められる。 (成膜の脱型性)母型からの手袋の脱型を一定の力で行
った場合の状態を以下の基準で判別した。 ◎:手袋が母型から容易に外せた。 ○:手袋が母型から外せた。 △:手袋の指先部分が母型から外せなかった。 ×:手袋の袖口付近からまったく外せなかった。 (手袋の着脱性)被験者が手袋を装着したとき、脱いだ
ときの取扱い易さを以下の基準で判別した。 ◎:極めて装着し易く脱ぎ易い。 ○:装着し易く脱ぎ易い。 △:装着し難く脱ぎ難い。 ×:極めて装着し難く脱ぎ難い。 (手袋の作業性)被験者が手袋を装着して作業したとき
の作業性(作業のし易さ、フィット感)を以下の基準で
判別した。 :装着感が極めてソフトで、指の曲げ伸ばしが手袋をつ
けていると感じないほど自然に行える。 ○:装着感がソフトである。 △:手袋が多少堅く感じられる。 ×:装着感が極めて悪く、手に疲労を感じる。 (成膜の物性)引っ張り試験機(ショッパー)によりダ
ンベル3号を用いて測定し、引張り強さ(N/c
)、伸び(%)、300%モジュラス(N/c
)を求めた。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表1及び表2から明らかなように、実施例
1〜8では、樹脂ペーストの粘度を極薄手のものを作製
するに適した粘度まで低下されていることがわかった。
また、脱型性が向上されるとともにブリード性が十分に
抑制されていることがわかった。特に、実施例6〜8で
は、脱型性及びブリード性とも良好な結果が得られた。
また、実施例1〜8では、手袋の着脱性及び作業性が少
なくとも各比較例と同程度に保たれていることがわかっ
た。特に実施例7、8では各比較例より優れていること
がわかった。さらに、成膜の物性は、実施例1〜4にお
いては各比較例より若干劣るものの、実施例5、6にお
いては比較例2と同程度の値を示し、実施例7、8にお
いては比較例1と同程度の値を示しており、実施例5〜
8においては、成膜の物性の顕著な劣化は認められなか
った。
【0036】これに対し、表3から明らかなように、比
較例3の樹脂ペースト粘度は極めて高いものであり、さ
らに経時変化が激しく、24時間経過後に樹脂ペースト
は水飴状になっていた。また、脱型性においては、比較
例1、2は内面処理を施している2層構造であるため良
好であるが、比較例3は、各実施例より劣るものであっ
た。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアク
リル系樹脂手袋によれば、アクリル系樹脂の物性を低下
させることなく、成膜の脱型性、樹脂ペーストの粘度安
定性及び成形加工性を向上させることができる。これに
より、脱型力を低下させるための内面処理等の後処理工
程を必要とせず、樹脂ペーストも長期に渡り保存できる
ので、工業生産に適したものとなり、本アクリル系樹脂
手袋の製造コストを著しく削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は安息香酸エステルの配合重量部による
脱型力、ブリード量、及び樹脂ペースト粘度を示したグ
ラフであり、(b)はアルキルスルホン酸フェニルエステ
の配合重量部による脱型力、ブリード量、及び樹脂ペ
ースト粘度を示したグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/42 C08K 5/42 7/08 7/08 C08L 33/00 C08L 33/00 // B29K 33:00 B29K 33:00 B29L 31:48 B29L 31:48 (56)参考文献 特開 昭49−108044(JP,A) 特開 平11−12380(JP,A) 特開 昭59−89359(JP,A) 特開 昭48−436(JP,A) 特開 平10−24535(JP,A) 特開 昭58−96644(JP,A) 特開 平10−237318(JP,A) 特開2000−303225(JP,A) 特開2001−11239(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/00 - 33/16 C08K 5/101 C08K 5/42 A41D 19/00 - 19/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浸漬成形法により成形される手袋であっ
    て、 アクリル系樹脂100重量部に対して、安息香酸エステ
    ルを30〜60重量部、アルキルスルホン酸フェニルエ
    ステルを30〜60重量部含んでなるアクリル系樹脂組
    成物を用いて成形されたものであることを特徴とするア
    クリル系樹脂手袋。
  2. 【請求項2】 前記アクリル系樹脂組成物は、さらに
    2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールジイ
    ソブチレートを含有するものであることを特徴とする請
    求項1に記載のアクリル系樹脂手袋。
  3. 【請求項3】 アクリル系樹脂が100重量部に対し
    て、前記2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオ
    ールジイソブチレートが50〜80重量部配合されたこ
    とを特徴とする請求項2に記載のアクリル系樹脂手袋。
  4. 【請求項4】 前記アクリル系樹脂組成物は、さらにウ
    ィスカーを含有することを特徴とする請求項1又は2に
    記載のアクリル系樹脂手袋。
  5. 【請求項5】 前記ウィスカーが、繊維状の炭酸カルシ
    ウムの結晶であることを特徴とする請求項4に記載のア
    クリル系樹脂手袋。
  6. 【請求項6】 アクリル系樹脂が100重量部に対し
    て、前記ウィスカーが3〜15重量部配合されたことを
    特徴とする請求項4又は5に記載のアクリル系樹脂手
    袋。
  7. 【請求項7】 前記アクリル系樹脂組成物は、さらに粒
    状無機化合物を含有することを特徴とする請求項1、
    2、又は4に記載のアクリル系樹脂手袋。
  8. 【請求項8】 前記粒状無機化合物が炭酸カルシウムで
    あることを特徴とする請求項7に記載のアクリル系樹脂
    手袋。
  9. 【請求項9】 アクリル系樹脂が100重量部に対し
    て、前記粒状無機化合物が5〜15重量部配合されたこ
    とを特徴とする請求項7又は8に記載のアクリル系樹脂
    手袋。
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