JP4350824B2 - ゴム手袋およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム手袋に関し、より詳しくは、袖部を補強して着脱感を向上させたゴム手袋とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ゴムラテックスから浸漬法によって一体成形されるゴム手袋は、一般に伸びが大きく、作業性や手とのフィット感に優れていることから、業務用から家庭用までの幅広い分野で利用されている。
しかしながら、ゴム手袋には、ゴム特有の柔らかさに起因して、着脱時に伸びが生じやすいという問題があり、塩化ビニル等の樹脂製の手袋に比べて着脱感が劣るという問題がある。
【0003】
そこで従来、手袋の袖部のみを部分的に太くするなどして、着脱時の伸びを抑制することが試みられているが、手首部分が締め付けられるように感じたり、手とのフィット感が悪くなるなど、ゴム手袋の特性が損なわれるという問題が生じる。
また、ゴム手袋を一体成形するのではなく、袖部のみを、塩化ビニル等の熱可塑性樹脂といった伸びが生じにくい材質で形成する場合には、製造工程が複雑化したり、あるいは手袋の用途に適した厚みではゴム膜を形成できないといった問題が生じる。
【0004】
そこで、本発明の目的は、ゴム手袋特有の良好な作業性やフィット感を維持しつつ、着脱時の伸びを抑制し、着脱性を向上させたゴム手袋とその製造方法とを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明のゴム手袋は、ゴムラテックスから浸漬法にて一体成形されたゴム手袋であって、手首より指先側の100%伸び時における引張応力M100 が1.5MPa未満で、手首より袖口側の100%伸び時における引張応力M100 が1.5MPa以上であることを特徴とする。
【0006】
本発明のゴム手袋の製造方法は、少なくともシリカ化合物を、当該化合物中のSiO2 分がゴム固形分100重量部に対して0.5〜8重量部となる割合で含有する、前加硫が施されたゴムラテックスに手袋の型を浸漬して、前記型表面にゴム膜を形成した後、分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物を前記ゴム膜の手首より袖口側に相当する領域に塗布し、次いでゴム膜全体を加硫することを特徴とする。
【0007】
上記本発明のゴム手袋によれば、例えば少なくともシリカ化合物を所定量含有するゴムラテックスを用いてゴム手袋の形状に応じたゴム膜を一体成形した後、前記ゴム膜の手首より袖口側に相当する領域に、分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物を塗布し、その後にゴム膜全体を加硫する等の手段を経ることによって、手首より指先側を低モジュラスとし、かつ手首より袖口側を高モジュラスとすることができる。
【0008】
上記本発明のゴム手袋の手首より指先側は、100%伸び時における引張応力M100 (以下、「引張応力M100 」という)が所定値未満の低モジュラスであることから、ゴムラテックス製ゴム手袋特有の良好な作業性や優れたフィット感が維持されている。一方、手首より袖口側は、引張応力M100 が所定値以上の高モジュラスであることから、硬くて伸びにくい性質を示す。すなわち、上記本発明によれば、ゴムラテックスから浸漬法によって一体成形したゴム手袋であっても、全体として良好な作業性とフィット感とを維持しつつ、着脱時の伸びが生じにくく、かつ着脱性に優れたゴム手袋を得ることができる。
【0009】
上記本発明のゴム手袋の製造方法によれば、まず、少なくとも所定量のシリカ化合物を含有する、前加硫が施されたゴムラテックス中にゴム手袋の型を浸漬して、型表面全体にゴム膜を一体成形し、次いで前記ゴム膜の手首より袖口側に相当する領域に、分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物を塗布して、ゴム膜全体を加硫することから、手首より指先側をゴムラテックス製ゴム手袋特有の低モジュラス状態で維持しつつ、手首より袖口側を高モジュラスとすることができる。具体的には、上記本発明のゴム手袋に示すように、手首より指先側の引張応力M100 を1.5MPa未満に、かつ袖部の引張応力M100 を1.5MPa以上にすることができる。
【0010】
また、上記本発明のゴム手袋の製造方法は、通常の浸漬法で作製したゴム膜の袖部のみに前記溶液または分散液の塗布による加工を施すものであることから、製造工程が簡易で、低コストでもってゴム手袋を得ることができる。
本発明における引張応力M100 は、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法 6.3 引張応力」の規定に準じて測定したモジュラスである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のゴム手袋について詳細に説明する。
本発明のゴム手袋10は、例えば図1にその一実施形態を示すように、指先14から袖口16までを一体成形したものであって、手首12から指先14側(すなわち、手指部18)が低モジュラスで、手首12から袖口16側(すなわち、袖部20)が高モジュラスであることを特徴とする。
【0012】
なお、手首12はゴム膜の低モジュラス領域と高モジュラス領域との境界であって、その位置は、ゴム手袋を実際に装着した場合に、人の掌の付け根部より肘側の部位が高モジュラスのゴム膜に覆われるように適宜設定される。
本発明のゴム手袋において、手首12から指先14側(手指部18)におけるゴム膜の引張応力M100 は1.5MPa未満であることが求められる。手指部18の引張応力M100 が前記範囲を超えると、ゴム手袋特有の良好な作業性や手とのフィット感が損なわれる。手指部18の引張応力M100 は、前記範囲の中でも0.5MPa以上、1.5MPa未満であるのが好ましく、より好ましくは0.8〜1.2MPa、なかんづく1.0〜1.2MPaである。
【0013】
一方、手首12から袖口16側(袖部20)におけるゴム膜の引張応力M100 は1.5MPa以上であることが求められる。袖部20の引張応力M100 が前記範囲を下回ると、着脱時に伸びが生じたり、ゴム手袋独自の優れた着脱感が損なわれてしまう。袖部20の引張応力M100 は、前記範囲の中でも1.5〜5.0MPaであるのが好ましく、より好ましくは2.0〜4.0MPa、なかんづく2.0〜3.0MPaである。
【0014】
本発明のゴム手袋は次のようにして製造される。まず、少なくともシリカ化合物を含有する前加硫が施されたゴムラテックスに、表面に凝固液を塗布した手袋の型を浸漬し、必要に応じてゲルリーチングを行う。次いで、前記型の表面に形成されたゴム膜の手首から袖側の範囲(袖部)に、分子内にアルコキシシリル基を2つ以上有する化合物の溶液または分散液を塗布する。前記溶液または分散液を塗布した後、ゴム膜全体を加硫することによって、前記本発明のゴム手袋が得られる。
【0015】
上記の方法によれば、ゴム膜の袖部に塗布された、分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物が、ゴム膜全体を加硫する際に加水分解を起こして、ゴムラテックス中にあらかじめ配合されているシリカ化合物と強固に結合する。こうして、ゴム手袋の手首部から袖部までの領域に相当するゴム膜の表面に、前記結合によって生じた膜が形成され、袖部のモジュラスのみが高くなって当該箇所が補強される。
【0016】
本発明に用いられるゴムラテックスは特に限定されるものではなく、例えば天然ゴムラテックス(NR)、脱蛋白天然ゴムラテックス(DPNR)、イソプレンゴムラテックス(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス(NBR)等が挙げられる。
ゴムラテックス中に配合される加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等の加硫系配合剤としては、前加硫の程度、加硫後のゴム膜のモジュラスや硬度等に応じて、その組合せや配合量を適宜設定する必要がある。
【0017】
本発明に使用可能な加硫剤としては、例えば硫黄や、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素等の有機含硫黄化合物が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫剤の配合量は、前加硫の程度や加硫促進剤等の配合量と兼ね合いによって決定されるものであるが、通常、ゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部の範囲で設定される。
【0018】
加硫促進剤としては、例えばN−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEPDC,PX)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMDC,PZ)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC,EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBDC,BZ)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT,MZ)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD,TT)等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
【0019】
加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本発明において、ゴムラテックスに配合されるシリカ化合物は特に限定されるものではなく、例えば粉体のシリカ化合物、シリカマグネシア、シリカゾル、コロイダルシリカ等が挙げられる。
【0020】
シリカ化合物の配合は、ゴムラテックスに前加硫(熟成)を施す前および前加硫(熟成)を施した後のいずれであってもよい。
また、前記シリカ化合物の配合量は、当該化合物中のSiO2 分に換算した場合に、ゴム固形分100重量部に対して0.5〜8重量部となる範囲で設定される。シリカ化合物の配合量が前記範囲を下回るとアルコキシシリル基を有する化合物との結合が弱くなるため、袖部のモジュラスを高める効果が不十分になって、着脱時の伸びを抑制できなくなったり、着脱性を向上させることができなくなるおそれがある。逆に、前記範囲を超えると、ゴム手袋全体が硬くなって、手とのフィット感が損なわれるおそれがある。シリカ化合物の配合量は、前記範囲の中でも特に1〜5重量部であるのが好ましい。
【0021】
本発明において、ゴムラテックス中には前記加硫系配合剤とシリカ化合物のほかにも、例えば老化防止剤、分散安定剤、充填剤等の、従来公知の種々の配合剤を必要に応じて配合することができる。前記老化防止剤としては、一般に非汚染性であるフェノール系、アミン系等の老化防止剤を用いることができる。また、充填剤としては、例えば炭酸カルシウムやクレー類等が挙げられる。
【0022】
ゴムラテックスの前加硫(熟成)は、30〜50℃で12〜96時間行うのが好ましい。前加硫時の温度が前記範囲を下回ると前加硫に時間がかかりすぎてしまい、逆に前記範囲を超えるとラテックスが不安定化したり、ゴム膜の表面が乾燥してゴム手袋の特性に悪影響を及ぼしてしまうおそれがある。また、前加硫の時間が前記範囲を下回ると十分に前加硫が施されなくなるおそれがあり、逆に前記範囲を超えると前加硫が進行し過ぎて、ゴム手袋の特性に悪影響を及ぼしてしまうおそれがある。
【0023】
本発明に用いられる、分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物としては、例えば一般式(1) :
【0024】
【化1】
【0025】
(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、同一または異なって、水素原子、アルコキシ基、アルキル基またはアルケニル基を示す。但し、R1 、R2 、R3 およびR4 のうち少なくとも2つはアルコキシ基を示す。)
で表される化合物等が挙げられる。
一般式(1) 中の基R1 、R2 、R3 およびR4 に相当するアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の炭素数が1〜6のアルコキシ基が挙げられる。
【0026】
アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の、炭素数が1〜6の直鎖のアルキル基、およびシクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル等の、炭素数が4〜6の環状アルキル基が挙げられる。
【0027】
アルケニル基としては、例えばビニル、アリル、3−ブテニル、3−ペンテニル、5−ヘキシニル等の炭素数が2〜6のアルケニル基が挙げられる。
上記アルコキシ基には、例えばメトキシ、エトキシ等の低級アルコキシ基が置換していてもよい。
上記アルキル基には、例えばメトキシ、エトキシ等の低級アルコキシ基;例えば2,3−エポキシプロポキ等の、エポキシ基を有するアルコキシ基;アミノ基;メルカプト基;ハロゲン原子等が置換していてもよい。
【0028】
上記一般式(1) で表される化合物の具体例としては、例えばビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0029】
なお、分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物としては、例えば信越化学工業(株)製のシランカップリング剤「KBM903」(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)、「KBM803」(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、「KBM403」(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)等が市販されている。
【0030】
本発明において、分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物が液体である場合には、ゴム膜上に直接塗布するか、または適当な媒体による溶液もしくは分散液の形態とした上で使用される。前記化合物が固体である場合には、前記化合物を適当な媒体による溶液もしくは分散液の形態とした上でゴム膜上に塗布することによって使用される。
【0031】
本発明に用いられる手袋の型は特に限定されるものではなく、例えば陶器製、ガラス製等の、従来公知の種々の型を用いることができる。また、表面に織布、不織布等からなる手袋体を装着したものであってもよい。この場合、ゴム膜内部に前記手袋体を内蔵したゴム手袋が得られる。
手袋の型をゴムラテックス中に浸漬する際に、あらかじめ型表面に付着させる凝固剤としては特に限定されるものではなく、従来公知の硝酸カルシウム溶液等を常法に従って使用できる。
【0032】
ゴム膜全体の加硫は、ゴム膜の手首より袖口側の領域に、分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物を塗布した後において、100〜140℃で30〜60分加熱することによって行われる。加硫温度が100℃を下回ると、分子内にアルコキシ結合を2つ以上有する化合物と、ゴムラテックス中のシリカ化合物とが十分に反応しないため、袖部の補強効果が不十分になって、当該領域を高モジュラスに(例えば、その100%伸び時における引張応力M100 を1.5MPa以上に)できなくなるおそれがある。逆に、加硫温度が140℃を超えると、ゴム手袋全体が劣化するおそれがある。加硫温度は、上記範囲の中でも特に110〜120℃であるのが好ましい。
【0033】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明のゴム手袋を説明する。
実施例1
天然ゴムラテックス約167重量部(ゴム固形分100重量部)に対して、シリカ化合物としての20%コロイダルシリカ〔日産化学(株)製の商品名「スノーテックN」〕を、当該コロイダルシリカのSiO2 分が5重量部となるように配合し、さらに酸化亜鉛(ZnO)0.5重量部、硫黄1重量部およびジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(BZ)1重量部を配合し、40℃で24時間熟成して、前加硫を施した。
【0034】
次いで、あらかじめ20%硝酸カルシウム(凝固液)に浸漬させておいた手袋の型を前記ゴムラテックスに15秒間浸漬し、室温で数分間乾燥した。さらに、手首から袖口側(袖部)のみに、分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物〔信越化学工業(株)製のシランカップリング剤、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、商品名「KBM903」〕を塗布し、120℃で30分間加硫して、ゴム手袋を得た。
【0035】
得られたゴム手袋は、図1に示す形状を有するものであって、ゴム手袋の全長xは300mm、袖口16から手首12までの長さyは120mmであった。
実施例2
分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物として、信越化学工業(株)製のシランカップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、商品名「KBM803」を用いたほかは、実施例1と同様にして、ゴム手袋を作製した。
【0036】
実施例3
分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物として、信越化学工業(株)製のシランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、商品名「KBM403」を用いたほかは、実施例1と同様にして、ゴム手袋を作製した。
【0037】
実施例4、比較例2および比較例3
シリカ化合物(コロイダルシリカ)の配合量を変えたほかは、実施例1と同様にして、ゴム手袋を作製した。
比較例1
ゴムラテックス中にシリカ化合物(コロイダルシリカ)を配合しなかったほかは、実施例1と同様にして、ゴム手袋を作製した。
【0038】
上記実施例および比較例でえられたゴム手袋について、手首より指先側と、手首より袖口側とについての100%伸び時における引張応力M100 (MPa)を測定した。
また、5人の被験者に実際にゴム手袋を装着してもらい、着脱感(ゴム手袋を装着または脱着する際の取扱性)および装着感(ゴム手袋を装着している際の作業のし易さ。手にかかる負担の程度や手を締め付ける度合い。いわゆる、フィット感)についての評価を求めた。
【0039】
着脱感および装着感は、各被験者の評価を平均して、以下の4段階で表した。
(着脱感)
◎:非常に装着し易く(履き易く)、脱ぎ易い。
○:履き易く、脱ぎ易い。
△:履きにくく、脱ぎにくい。
×:極めて履きにくく、かつ脱ぎにくい。
【0040】
(装着感)
◎:フィット感が非常に良好で、作業し易い。
○:フィット感が良好で、作業し易い。
△:フィット感が悪く、作業しにくい。
×:フィット感が非常に悪く、極めて作業しにくい。
【0041】
以上の結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1より明らかなように、手指部の引張応力M100 が1.5MPa未満で、かつ袖部の引張応力M100 が1.5MPa以上である実施例1〜4のゴム手袋によれば、実際に装着した被験者全員が、着脱感と装着感のいずれも良好であったと評価した。
これに対し、手指部の引張応力M100 が1.5MPaを下回った比較例1では、いずれの被験者も着脱感が好ましくないと評価し、またゴム手袋の袖部の耐久性も劣っていた。比較例2では、その装着感について比較例1ほどの低い評価を受けなかったものの、依然として不十分であった。
【0044】
また、手指部の引張応力M100 が1.5MPaを超えた比較例3では、いずれの被験者も装着感が好ましくないと評価した。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ゴム手袋特有の良好な作業性やフィット感を維持しつつ、着脱時の伸びを抑制し、着脱性を向上させたゴム手袋を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a) は本発明のゴム手袋の一実施形態を示す左側面図であり、同図(b) はその正面図である。
【符号の説明】
10 ゴム手袋
12 手首
14 指先
16 袖口
Claims (2)
- ゴムラテックスから浸漬法にて一体成形されたゴム手袋であって、手首より指先側の100%伸び時における引張応力M100 が1.5MPa未満で、手首より袖口側の100%伸び時における引張応力M100 が1.5MPa以上であることを特徴とするゴム手袋。
- 少なくともシリカ化合物を、当該化合物中のSiO2 分がゴム固形分100重量部に対して0.5〜8重量部となる割合で含有する、前加硫が施されたゴムラテックスに手袋の型を浸漬して、前記型表面にゴム膜を形成した後、分子内にアルコキシシリル結合を2つ以上有する化合物を前記ゴム膜の手首より袖口側に相当する領域に塗布し、次いでゴム膜全体を加硫することを特徴とする請求項1記載のゴム手袋の製造方法。
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