JP3265128B2 - 流体軸受用潤滑油組成物 - Google Patents

流体軸受用潤滑油組成物

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JP3265128B2 JP17243894A JP17243894A JP3265128B2 JP 3265128 B2 JP3265128 B2 JP 3265128B2 JP 17243894 A JP17243894 A JP 17243894A JP 17243894 A JP17243894 A JP 17243894A JP 3265128 B2 JP3265128 B2 JP 3265128B2
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成徳 宇田
三千治 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体軸受のうち特に高
速回転で使用する動圧型ラジアル流体軸受用潤滑油組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高速回転で使用する動圧型ラジア
ル流体軸受用潤滑油として、スリーブ材質への吸着力、
分子間力を向上させたトリメチロールプロパンと一価の
脂肪酸から得られるトリエステルを基油として用いたも
のが特開平1−188592号公報に記載されている。
また、米国特許第2,758,975号明細書には、有
機カーボネートおよびトリクレジルホスフェートの特殊
な組成物が提案されている。また、ヨーロッパ特許公開
第89,709号には、内燃機関及び/または産業機械
用の潤滑剤の調整における有機カーボネートを使用する
ことが提案されている。さらに特開平2−296898
号公報には、鋼の冷間圧延における有機カーボネートの
使用が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の潤
滑油では、例えば回転数20000rpmを超えるよう
な高速回転で使用した場合、剪断抵抗が大きいために生
ずる軸受の温度上昇により著しい粘度低下および蒸発量
の増大を招き、比較的短時間でスリーブから漏れてしま
うという問題を有していた。
【0004】また上記潤滑油の場合、スリーブ材質の主
流である鉛および錫を含む銅合金に対し、例えばJIS
H 5115に示すLBC 3Cなど、種類によって
は金属腐食性を示すという問題を有していた。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、耐金属腐食性に優れるとともに、例えば、2000
0rpmを越えるような高速回転での使用に対し、軸受
スリーブから漏れにくい流体軸受用潤滑油組成物を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の流体軸受用潤滑油組成物は、軸とスリーブ
とから少なくとも構成される流体軸受に用いる流体軸受
用潤滑油組成物であって、前記式(化1)で示される炭
酸エステル化合物を主成分基油とし、酸化防止剤として
硫黄を含むフェノール系の酸化防止剤を基油100重量
部に対し0.1〜5重量部含み、極圧添加剤として亜鉛
系極圧添加剤を基油100重量部に対し、0.1〜5重
量部含み、組成物の40℃の動粘度が10〜20mm2
/sであり、 かつ、温度160℃で222時間経過して
も劣化しないことを特徴とする。
【0007】前記構成においては、流体軸受として回転
数20000r.p.mを越える範囲の動圧型ラジアル
流体軸受に好ましく適用できる。また前記構成において
は、流体軸受が、スリーブの内周面または軸の外周面の
いずれか一方に動圧発生溝を有し、かつスリーブ材質が
鉛および錫を含む銅合金で形成されていることが好まし
い。
【0008】
【作用】前記した本発明の構成によれば、前記式(化
1)で示される炭素数13〜15の分岐状アルキル基を
含む有機カーボネートを含有する炭酸エステルを主成分
基油とし、酸化防止剤として硫黄を含むフェノール系の
酸化防止剤を基油100重量部に対し0.1〜5重量部
添加し、極圧添加剤として亜鉛系極圧添加剤を基油10
0重量部に対し0.1〜5重量部添加し、40℃の動粘
度を10〜20mm2/sとしたことにより、耐金属腐食
性に優れるとともに、例えば、20000rpmを超え
るような高速回転での使用に対し、軸受スリーブから漏
れにくい流体軸受用潤滑油組成物を実現できる。前記酸
化防止剤は、基油100重量部に対し0.1重量部未満
では酸化安定性の向上が見られず、5重量部を超えても
酸化安定性をさらに向上し得ないので経済上好ましくな
い。また前記亜鉛系極圧添加剤は、基油100重量部に
対し、0.1重量部未満では極圧性の向上が見られず、
5重量部を超えると本極圧添加剤の熱分解物の増加に起
因するスリーブ材質の腐食の増大,揮発物質の増大を招
くため好ましくない。前記極圧性は、始動時、シャフト
と軸受が片当たりを起こしている時など境界潤滑が生じ
たときに特に重要となる。また40℃の動粘度が10m
2 /s未満では油膜強度の不足およびスリーブからの
漏れの増大が顕著に見られ、20mm2 /sを超える
摺動ロス及び剪断抵抗の増大にともなう軸受の温度上昇
が無視できない。本発明に用いられる基油としては、上
記炭酸エステル(化1)に必要に応じてポリ−α−オレ
フィン,二塩基酸エステルなどの他の潤滑油を混合して
も良い。さらに、本発明は必要に応じて油性向上剤,防
錆剤,消泡剤,抗乳化剤などの公知の各種添加剤を用い
ても何等差し支えはない。
【0009】前記構成により、例えば回転数20000
rpmを越えるような高速回転での使用においても、極
性基の存在によるスリーブ材質への吸着力、分子間力を
有しながら剪断抵抗が小さいため軸受の温度上昇を制御
でき、潤滑油の粘度低下あるいは蒸発に起因する軸受ス
リーブからの漏れを著しく低減することができる。ま
た、本構成の良好な熱安定性により金属腐食性を著しく
低減することができる。前記構成においては、流体軸受
として回転数20000〜40000r.p.mの範囲
の動圧型ラジアル流体軸受に好ましく適用できる。な
お、本発明を回転数20000rmp未満の低速から中
速回転に適用した場合にも上記作用が得られることは、
潤滑油にかかる機械的負荷,熱的負荷が減少することか
ら考えても明らかである。
【0010】また前記構成においては、流体軸受が、ス
リーブの内周面または軸の外周面のいずれか一方に動圧
発生溝を有し、かつスリーブ材質が鉛および錫を含む銅
合金で形成されている動圧型ラジアル流体軸受に好まし
く適用できる。
【0011】
【実施例】以下図面を用いて説明する。図1は本発明の
一実施例の流体軸受の一部断面図である。図1におい
て、1は回転軸、2はスリーブ、3はラジアル状に設け
られた溝、4は回転軸1とスリーブ2とのクリアラン
ス、10は流体軸受部である。回転軸1はスリーブ2に
回転自在に挿入され、回転軸1とスリーブ2間に形成さ
れた微小クリアランス4による毛細管現象により、潤滑
油が軸受部10に保持される。回転軸1の外周にはラジ
アル状溝(動圧発生溝)3が設けられているので、回転
軸1が矢印Cの方向に回転すると、ラジアル状溝3のポ
ンピング作用によって潤滑油は矢印e,e´の方向に流
れ、内圧力が発生し、潤滑油の剛性が高くなって回転軸
1はスリーブ2に対して浮上して支持される。前記にお
いて、スリーブ2の材質は鉛および錫を含む銅合金(L
BC 3C)で形成されている。
【0012】以下具体的実施例を用いて本発明をさらに
詳細に説明する。以下に示す実施例と比較例で用いた流
体軸受装置は前記図1に示したものを用いた。またその
評価測定条件は下記の通りである。 (1)腐食試験 30ml瓶に3mlの試料を入れ、銅合金軸受構成材料
(前記LBC 3C)を浸漬させたものを160℃環境
中に12時間放置し、軸受構成材料の変化を観察した。 (2)極圧性,耐摩耗性試験 ASTM D4172に準拠した高速四球試験を行っ
た。試験条件は、試験時間:60分、荷重:392N
(=40kgf)、回転数:1200rpm、初期油温
度:25℃とした。 (3)熱劣化(耐熱性)試験 30ml瓶に1mlの試料を入れ、銅合金軸受構成材料
(前記LBC 3C)を浸漬させたものとさせないもの
を100℃,130℃,160℃環境中に規定時間放置
し、赤外分光分析(日本分光工業株式会社製FT/IR
−8300型)にて試料の変質の有無を確認した。 (4)耐加水分解性試験 オートクレーブ中に5N−NaOHと潤滑油組成物
を共存させ、160℃環境中に8時間放置して加水分解
の有無を測定した。
【0013】 オートクレーブ中に5N−HC1と潤
滑油組成物を共存させ、130℃環境中に8時間放置し
て加水分解の有無を測定した。上記条件は、エステル,
ウレタン,カーボネート,イミド,アミドなどを加水分
解するには十分な条件である。 (5)実機試験 試料をシャフト径5mm、クリアランス10μmのモー
タに搭載し、60℃環境中で回転数25000rpmで
連続運転し寿命試験を行った。試験中の駆動電流変化量
(駆動電流は摺動ロスと相関がある因子で、摺動ロスの
増大にともない駆動電流が増大する)の推移で示す。 (6)限界回転数試験 シャフト径5mm、クリアランス10μmのモータに搭
載し、60℃環境中でそれぞれ回転数25000rp
m,30000rpm,35000rpm,40000
rpmで連続運転し寿命試験を行った。
【0014】(実施例1)下記の流体軸受用潤滑油組成
物を調整した。 (A)下記式(化2)で示されるR,R´の炭素数
(R,R´=14,15)の分岐状アルキル基を含む有
機カーボネートを含有する炭酸エステルからなる主成分
基油:100重量部
【0015】
【化2】
【0016】(B)硫黄を含むフェノール系の酸化防止
剤として、硫黄系ヒンダードフェノール[ベンゼンプロ
パニック アシッド,3,5−ビス(1,1−ジメチル
エチル)−4−ヒドロキシ−,チオジ−2,1−エタン
ジルエステル、Benzenpropanicacid,3,5-bis(1,1-dimet
hylethyl)-4-hydroxy-,thiodi-2,1,-ethanediyleste
r]:1.0重量部 (C)亜鉛系極圧添加剤として、下記式(化3)で示さ
れるジンクジアルキルジチオフォスフェート:0.5重
量部
【0017】
【化3】
【0018】(D)前記A〜C成分を均一に混合して4
0℃の動粘度が18mm2 /sの流体軸受用潤滑油とし
た。前記の各評価測定結果は、後にまとめて示す。
【0019】(比較例1)従来の潤滑油組成物である、
トリメチロールプロパントリカプリル酸エステル100
重量部に対し、ペンタエリスチル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]0.3重量部、メチル−ベンゾトリア
ゾール0.1重量部を添加した40℃の動粘度18mm
2 /sの流体軸受用潤滑油(特開平1−188592号
記載の潤滑油)。前記の各評価測定結果は後にまとめて
示す。
【0020】(比較例2)従来の潤滑油組成物である、
アジピン酸ジイソデシル100重量部に対し、硫黄系ヒ
ンダードフェノール(bis−2,6−ジ−t−ブチル
フェノール誘導体)1.0重量部、ジンクジアルキルジ
チオフォスフェート0.5重量部を添加した40℃の動
粘度14mm2 /sの流体軸受用潤滑油。前記の各評価
測定結果は、後にまとめて示す。
【0021】(比較例3)従来の潤滑油組成物である、
セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル50重量部、アジピ
ン酸ジ−2−エチルヘキシル50重量部に対し、硫黄系
ヒンダードフェノール(bis−2,6−ジ−t−ブチ
ルフェノール誘導体)1.0重量部、ジンクジアルキル
ジチオフォスフェート0.5重量部を添加した40℃の
動粘度10mm2 /sの流体軸受用潤滑油。前記の各評
価測定結果は、後にまとめて示す。
【0022】(比較例4)従来の潤滑油組成物である、
セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル50重量部、トリオ
クチルフォスフェート50重量部に対し、硫黄系ヒンダ
ードフェノール(bis−2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール誘導体)1.0重量部、ジンクジアルキルジチオ
フォスフェート0.5重量部を添加した40℃の動粘度
10mm2/sの流体軸受用潤滑油。前記の各評価測定
結果は、後にまとめて示す。
【0023】各評価測定結果 ここで、前記実施例1および比較例1〜4の評価測定結
果を示す。まず、腐食試験の結果を(表1)に示す。
【0024】
【表1】
【0025】(表1)から明らかな通り、実施例1の流
体軸受用潤滑油組成物は、比較例1〜4に比較して耐腐
食性に優れることが確認できた。次に、極圧性,耐摩耗
性試験結果を(表2)に示す。
【0026】
【表2】
【0027】潤滑油の剪断抵抗と最高油温は相関関係
(剪断抵抗の増加にともない、最高油温が増加する)を
有するため、剪断抵抗を検討するにあたり最高油温がそ
の指標となる。また、概して潤滑油の動粘度の増加にと
もない最高油温が増加する。ここで、表2において、実
施例1および比較例2〜4を比較すると、実施例1は比
較例2〜4の約1.3〜1.8倍の動粘度を有している
にもかかわらず、最高油温は最も低い値を示している。
したがって、実施例1の流体軸受用潤滑油組成物は、剪
断抵抗の低減が図れたことが明らかである。また、実施
例1と比較例1の比較により、本発明は従来の流体軸受
用潤滑油に比べ剪断抵抗が小さいことが確認でき軸受温
度上昇の抑制が期待できる。
【0028】次に、熱劣化(耐熱性)試験結果を(表
3)に示す。
【0029】
【表3】
【0030】(表3)から明らかな通り、実施例1と比
較例1の比較により、本発明は従来の流体軸受用潤滑油
に比べ熱安定性(耐熱性)に優れることが確認できた。
すなわち比較例1の潤滑油は、温度160℃で222時
間経過すると劣化したのに対して、実施例1の潤滑油は
同じ時間経過しても劣化しなかった。次に、耐加水分解
性試験結果を示す。耐加水分解性試験において、オート
クレーブ中に5N−NaOHと実施例1の潤滑油組成物
を共存させ、160℃環境中に8時間放置したが加水分
解しなかった。また、オートクレーブ中に5N−HC1
と実施例1の潤滑油組成物を共存させ、130℃環境中
に8時時間放置したが加水分解しなかった。以上の通
り、本発明の潤滑油組成物は、酸およびアルカリとの共
存下で非常に加水分解しにくいことが確認できた。
【0031】次に、実施例1と比較例1の潤滑油組成物
を用いて実機試験を行った。試験中の駆動電流変化量
(駆動電流は摺動ロスと相関がある因子で、摺動ロスの
増大にともない駆動電流が増大する)の推移を図2に示
す。図2において、比較例1は1300時間経過時点に
て駆動電流が急増している。モータを分解し、摺動部を
観察すると軸受構成材料への腐食(銀緑色錆の発生)と
潤滑油の枯渇が見受けられ、比較例1の場合剪断抵抗が
大きいため軸受の大幅な温度上昇を招き、それにともな
う粘度低下あるいは蒸発量の増大によりスリーブより漏
れが発生している。また摺動部をミクロに見た場合、さ
らに高温になっていることが予想され、一部劣化酸を生
じ軸受構成材料を腐食させている。
【0032】これに対し実施例1の潤滑油組成物は、8
000時間経過後も安定した駆動電流が得られモータを
分解し摺動部を観察したが、軸受構成材料への腐食はほ
とんど観察されなかった。
【0033】以上の評価試験結果より、回転数2500
0rmpの高速回転で使用した場合、本発明が従来の流
体軸受用潤滑油に比べいかに優位であるかが確認でき
た。次に、実施例1の潤滑油組成物を用いて限界回転数
試験を行った。実施例1の潤滑油組成物をシャフト径5
mm、クリアランス10μmのモータに搭載し、60℃
環境中でそれぞれ回転数25000rpm,30000
rpm,35000rpm,40000rpmで連続運
転し寿命試験を行った。試験中の駆動電流変化量の推移
を図3に示す。図3において、回転数40000rpm
にて急激な寿命の悪化が見られることから本実施例の潤
滑油組成物の適用限界回転数は、上記仕様の場合400
00rpm未満であることが確認できた。
【0034】(実施例2)実施例1で用いた前記式(化
2)に代えて下記式(化4)に示す(R,R´)=(1
4,14)の炭酸エステル化合物、下記式(化5)に示
す(R,R´)=(15,15)の炭酸エステル化合
物、下記式(化6)に示す(R,R´)=(13,1
4)の炭酸エステル化合物を基油に用いて、実施例1と
同様の組成とし実施例1と同様評価試験を行った。この
結果、実施例1と同様の結果を得ることができた。すな
わち、腐食度はAであり、極圧性、耐磨耗性試験は、温
度40℃における粘度18mm2 /s、最高油温度60
℃、磨耗痕跡0.5mmであった。また耐熱性は、温度
で160℃で222時間経過しても劣化しなかった。ま
た実機試験においても長期にわたり安定して使用するこ
とができた。
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】また前記式(化4)〜(化6)の混合物を
基油に用いた場合も、実施例1と同様の結果が得られ
た。すなわち、腐食度はAであり、極圧性、耐磨耗性試
験は、温度40℃における粘度18mm2 /s、最高油
温度60℃、磨耗痕跡0.5mmであった。また耐熱性
は、温度で160℃で222時間経過しても劣化しなか
った。また実機試験においても長期にわたり安定して使
用することができた。
【0039】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の流体軸受用
潤滑油組成物は、前記式(化1)で示される炭素数13
〜15の分岐状アルキル基を含む有機カーボネートを含
有する炭酸エステルを主成分基油とし、酸化防止剤とし
て硫黄を含むフェノール系の酸化防止剤を基油100重
量部に対し0.1〜5重量部添加し、極圧添加剤として
亜鉛系極圧添加剤を基油100重量部に対し0.1〜5
重量部添加したもので、40℃の動粘度を10〜20m
2/sとし、かつ、温度160℃で222時間経過し
ても劣化しない組成物としたことにより、極性基の存在
によるスリーブ材質への吸着力,分子間力を有しながら
優れた熱安定性と低剪断抵抗性を兼ね備え、例えば20
000rmpを超えるような高速回転においても軸受の
温度上昇を抑制して、潤滑油の粘度低下あるいは蒸発の
起因する軸受スリーブからの漏れを著しく低減すること
ができる。また、金属腐食性を著しく低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の流体軸受の一部断面図
【図2】本発明と従来の流体受用潤滑油の性能比較図
【図3】本発明の流体軸受用潤滑油の回転数別性能比較
【符号の説明】
1 回転軸 2 スリーブ 3 ラジアル状溝(動圧発生溝) 4 回転軸とスリーブの間のクリアランス 10 流体軸受部 C 回転軸の回転方向 e,e´ 潤滑油の流入方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 137:10) C10M 137:10) A C10N 10:04 C10N 10:04 20:02 20:02 30:06 30:06 30:10 30:10 30:12 30:12 40:02 40:02 (72)発明者 山本 三千治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 岡村 征二 大阪府大阪市北区茶屋町18番21号 日本 グリース株式会社内 (72)発明者 長谷川 英行 大阪府大阪市北区茶屋町18番21号 日本 グリース株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−258693(JP,A) 特開 平1−188592(JP,A) 特開 平5−279684(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 169/04 C10M 105/48 C10M 135/02 C10M 135/18 C10M 135/24 C10M 135/30 C10M 137/10 C10N 10:04 C10N 20:02 C10N 30:06 C10N 30:10 - 30:12 C10N 40:02 F16C 33/10 - 33/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸とスリーブとから少なくとも構成され
    る流体軸受に用いる流体軸受用潤滑油組成物であって、 下記式(化1)で示される炭酸エステル化合物を主成分
    基油とし、 酸化防止剤として硫黄を含むフェノール系の酸化防止剤
    を基油100重量部に対し0.1〜5重量部含み、 極圧添加剤として亜鉛系極圧添加剤を基油100重量部
    に対し、0.1〜5重量部含み、 組成物の40℃の動粘度が10〜20mm2/sであ
    り、 かつ、温度160℃で222時間経過しても劣化しない
    ことを特徴とする流体軸受用潤滑油組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 流体軸受が、回転数20000r.p.
    mを越える範囲の動圧型ラジアル流体軸受である請求項
    1に記載の流体軸受用潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】 流体軸受が、スリーブの内周面または軸
    の外周面のいずれか一方に動圧発生溝を有し、かつスリ
    ーブ材質が鉛および錫を含む銅合金で形成されている請
    求項1に記載の流体軸受用潤滑油組成物。
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