JP3265104B2 - 射出成形機における安全扉装置 - Google Patents

射出成形機における安全扉装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機の安全扉装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機1(図4)では通常、ベース
2上に型締めユニット3、射出ユニット4が対向して配
置される。これらのユニット3,4は、機械的な稼働部
分を多数有し、また、各部材の動きは強力、かつ、高速
で作業者に危険なため、カバー5で覆って作業者から隔
離している。しかし、金型6の交換やシリンダアセンブ
リー7の交換作業等では、型締めユニット3におけるク
ランプ空間8(固定プラテン9と可動プラテン10間)
やスイベル空間11(固定プラテン9と射出ユニット4
のフロントプレート12間)内での操作が必要となるの
で、これら空間個所のカバー5は安全扉13(a,b)
とされ、他の固定カバー14(a,b)と異なり開閉可
能とされている。安全扉13は、図4のように射出成形
機1の左右方向にスライド可能とされるのが普通で、図
5のように走行レール15に吊持された格好で走行す
る。走行レール15はベース2上に構築された機枠16
(図6)の一部であって、前記のクランプ空間8および
スイベル空間11を横切って架設されている。なお、機
枠16は型締めユニット3のプラテンや射出ユニット4
のプレートを一部として構築される。
【0003】安全扉13は、走行レール15に上部に取
り付けた垂直回転および水平回転のローラー17,18
を介して懸架され、下縁がベース2に設けられたガイド
レール19に案内されている。固定カバー14は走行レ
ール15の上面とベース2の側面に固定されている。符
号20は安全扉13を開閉するための取手である。ま
た、安全扉13、ガイドレール15、ローラー17,1
8およびガイドレール19などで安全扉装置が構成され
る。従来の安全扉13はこのような構造であるために、
安全扉13を開けた時に走行レール15がクランプ空間
8、スイベル空間11を横切って露出する(図6)。こ
のため、外観が良くないと共に、金型6の交換や製品の
取り出し、あるいは、シリンダアセンブリーを交換する
際の邪魔になることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、射出成形
機の安全扉装置に関し、滑らかに開閉できると共に、開
放した時にクランプ空間やスイベル空間に扉をガイドす
るための走行レールが露出したり、これら空間での操作
に邪魔となることがない安全扉装置の提供を課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】射出成形機における安全
扉装置に関する。安全扉、ケーシングの長手方向に走行
する可動部材を備えた片持ち式のスライド部材、支持ロ
ーラーおよびガイドレールを備える。安全扉はベース
上の機枠に一端が固定された片持ち式のスライド部材
可動部材に上部が取り付けられ、下部がこの扉の閉じ方
向前寄り部分に回転自在に軸支された支持ローラーによ
りベース上面に転動可能に支持される。さらに安全扉の
下縁がベースの下面側に設けられたガイドレールに案内
される。
【0006】次の構成は好ましい。ベース上に型締めユ
ニットと射出ユニットが対向して配置された射出成形機
における安全扉装置に関し、安全扉、ケーシングの長手
方向に走行する可動部材を備えた片持ち式のスライド部
、支持ローラーおよびガイドレールを備え、型締めユ
ニットのクランプ空間を開閉する位置と型締めユニット
の固定プラテンと射出ユニットのフロントプレート間の
スイベル空間を開閉する位置に安全扉が配置され、それ
ぞれの安全扉は、ベース上の機枠に一端が固定された
持ち式のスライド部材の可動部材に上部が取り付けら
れ、下部がこの扉の閉じ方向前寄り部分に回転自在に軸
支された支持ローラーによりベース上面に転動可能に支
持され、さらに、安全扉の下縁がベースの下面側に設け
られたガイドレールに案内されていること。これらの安
全扉装置において、安全扉の下縁がベースの下面側に設
けられたガイドレールに案内されていると共に下縁にベ
ースの側面に当接して案内される回転自在なガイドロー
ラーが設けられていること。
【0007】
【作用】安全扉は、射出成形機が可動中にクランプ空間
およびスイベル空間を閉じ、作業者を危険から隔離す
る。ケーシングの長手方向に走行する可動部材を備えた
片持ち式のスライド部材は、安全扉が開閉される時の上
部ガイドとなる。支持ローラーは、安全扉の重量を支持
し、片持ち式のスライド部材に曲げ荷重が作用するのを
防止する。ガイドレールは、安全扉の下縁をガイドし、
扉が前後に振れるのを防止する。
【0008】
【実施例】図1は、本願発明による安全扉13を備えた
射出成形機1の型締めユニット3側を示しており、本願
の趣旨に沿ってベース2、機枠16、固定カバー14お
よび安全扉13に関する構成のみが示されている。射出
ユニット4側は省略されているが、型締めユニット3側
の機枠16、固定カバー14および安全扉13に対応す
る射出ユニット4側の構成は、固定プラテンカバー21
を中心にして、型締めユニット3側と対向した格好でほ
ぼ同様な構造となる。射出成形機1は安全扉装置を除い
て前記の従来例と同じである。図1には示されていない
が説明上必要な部分については従来例と同じ部材の符号
を用いて説明することとする。なお、固定プラテンカバ
ー21は、型締めユニット3における固定プラテン9の
前後面に装着されている。
【0009】機枠16は、端部支持枠22、中間支持枠
23、前後方向の横枠24および左右方向の横枠25
(2本)で構成される。前後の端部支持枠22および中
間支持枠23は、ベース2の上面に下端が固定して立設
されている。前後方向の横枠24は左右の端部支持枠2
2間を結合して固定され、左右方向の横枠25は端部支
持枠22と中間支持枠23間を結合して固定されてい
る。これにより、機枠16はベース2を含めた全体が直
方体となる枠形に構成されている。ただし、中間支持枠
23間を結合する前後方向の横枠は省略され、また、左
右方向の横枠25は中間支持枠23と固定プラテンカバ
ー21間には存在しない。左右方向の横枠25の断面は
鉤状に屈曲しており(図2)、受け面26を構成してい
る。
【0010】機枠16の端面には端部の固定カバー27
が、側面には側部の固定カバー28がそれぞれ上部を機
枠16に、下部をベース2にビスなどで固定して取り付
けられている。安全扉13は、中間支持枠23と固定プ
ラテンカバー21間のクランプ空間8を遮蔽する位置に
配置され、機枠16に一端が固定された片持ちスライド
パック29の可動部材30に上部が取り付けられ、下部
がこの扉13の閉じ方向前寄り部分に回転自在に軸支さ
れた支持ローラー31によりベース2の上面に支持され
ている。さらに下縁がベース2の下面側に設けられたガ
イドレール32に案内されている。安全扉13は側部固
定カバー28の外面側を移動するように配置されてお
り、扉13が開かれたとき側部固定カバー28の外面側
に重合する。なお、この実施例において、クランプ空間
8に対して安全扉13は、作業者側である前側とその対
向面である後側の双方に設けられる。
【0011】片持ちスライドパック29は、ケーシング
33とその内部をベアリングを介してケーシング33の
長手方向に走行する可動部材30を備える。すなわち、
片持ちスライドパック29は、ケーシングの長手方向に
走行する可動部材を備えた片持ち式のスライド部材であ
って、市販されている 可動部材30はこの実施例にお
いて、外側の第1の可動部材34に対しさらに走行可能
とされた第2の可動部材である。片持ちスライドパック
29は、ケーシング33をその端部がクランプ空間8に
突出しないようにして左右方向の横枠25の中間支持枠
側端部における受け面26に固定され、他方、安全扉1
3の内側面に第2の可動部材30の先端部が固定され
る。そして、第1、第2の可動部材34,30は片持ち
スライドパック29を伸長させたとき先端部が固定プラ
テンカバー21の近傍にまで達し、収縮させたときケー
シング33に納まる長さとされている。なお、片持ちス
ライドパック29は左右方向に伸長および収縮が可能で
あるが前後方向には所定の剛性を有する。この実施例に
おいて、安全扉13は、さらに下縁にベース2の側面に
当接して案内される回転自在なガイドローラー35を備
えている。支持ローラー31およびガイドローラー35
は若干の弾力を備えた合成樹脂製とされ、安全扉13の
開閉時に音がしないようにされている。
【0012】以上の構成であって、安全扉13を取手2
0をもって左右に引くと片持ちスライドパック29が伸
長、および収縮すると共に支持ローラー31がベース2
上を転動してクランプ空間8が開閉される。この場合に
扉13の前後移動(振れ)は片持ちスライドパック29
の前後方向の剛性と扉下縁がガイドレール32に係合さ
れ、かつ、ガイドローラー35がベース2の側面に当接
されて転動する構造により防止され、開閉は安定して滑
らかに行われる。そして、安全扉13が開かれた時にも
クランプ空間8にこの空間を横切るレールなどは露出し
ない。以上は、実施例であって、本願の発明は図示され
た具体的な構成に限定されない。安全扉13は、前側
(作業者側)にのみ設けられることもあり、また、型締
めユニット3のクランプ空間8を開閉するためにだけ設
けられることもある。
【0013】
【発明の効果】射出成形機のクランプ空間やスイベル空
間に、これらの空間を横切るレールを架設することなく
安全扉を開閉可能に構成しているので、金型交換等クラ
ンプ空間での作業やシリンダアセンブリーの交換等スイ
ベル空間での作業時に邪魔になるものが少なくなり、作
業能率が向上し、また、危険が減少する。安全扉を開い
た時、クランプ空間やスイベル空間に扉を支持しガイド
するためのレールが露出しないので、射出成形機として
の外観が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る型締めユニットにおける
安全扉装置を一部省略して示す斜視図。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図。
【図3】本発明の実施例に係る型締めユニット部分の正
面図。
【図4】射出成形機の正面図(従来例)。
【図5】図4のB−B線に沿った断面図。
【図6】型締めユニット部分の正面図(従来例)。
【符号の説明】
1 射出成形機 2 ベース 3 型締めユニット 4 射出ユニット 5 カバー 6 金型 7 シリンダアセンブリー 8 クランプ空間 9 固定プラテン 10 可動プラテン 11 スイベル空間 12 フロントプレート 13 安全扉 14 固定カバー 15 走行レール 16 機枠 17 垂直回転ローラー 18 水平回転ローラー 19 ガイドレール 20 取手 21 固定プラテンカバー 22 端部支持枠 23 中間支持枠 24 前後方向の横枠 25 左右方向の横枠 26 受け面 27 端部の固定カバー 28 側部の固定カバー 29 片持ちスライドパック 30 第2の可動部材 31 支持ローラー 32 ガイドレール 33 ケーシング 34 第1の可動部材 35 ガイドローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/17 - 45/84

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機における安全扉装置であっ
    て、安全扉、ケーシングの長手方向に走行する可動部材
    を備えた片持ち式のスライド部材、支持ローラーおよび
    ガイドレールを備え、前記安全扉は、ベース上の機枠に
    一端が固定された前記片持ち式スライド部材の可動部材
    に上部が取り付けられ、下部が回転自在に軸支された
    支持ローラーによりベース上面に支持されており、さ
    らに下縁がベース下面側に設けられたガイドレールに案
    内されていることを特徴とする射出成形機における安全
    扉装置。
  2. 【請求項2】 ベース上に型締めユニットと射出ユニッ
    トが対向して配置された射出成形機における安全扉装置
    であって、安全扉、ケーシングの長手方向に走行する可
    動部材を備えた片持ち式のスライド部材、支持ローラー
    およびガイドレールを備え、安全扉は、型締めユニット
    のクランプ空間を開閉する位置と型締めユニットの固定
    プラテンと射出ユニットのフロントプレート間の空間を
    開閉する位置に配置されており、それぞれベース上の機
    枠に一端が固定された片持ち式スライド部材の可動部材
    に上部が取り付けられ、下部がこの扉の閉じ方向前寄り
    部分に回転自在に軸支された支持ローラーによりベース
    上面に支持されており、さらに下縁がベースの下面側に
    設けられたガイドレールに案内されていることを特徴と
    する射出成形機における安全扉装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された射
    出成形機における安全扉装置であって、安全扉の下縁が
    ベースの下面側に設けられたガイドレールに案内されて
    いると共に下縁にベースの側面に当接して案内される回
    転自在なガイドローラーが設けられていることを特徴と
    した射出成形機における安全扉装置。
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