JP3264915B2 - 包被球断方法 - Google Patents

包被球断方法

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JP3264915B2
JP3264915B2 JP2000137357A JP2000137357A JP3264915B2 JP 3264915 B2 JP3264915 B2 JP 3264915B2 JP 2000137357 A JP2000137357 A JP 2000137357A JP 2000137357 A JP2000137357 A JP 2000137357A JP 3264915 B2 JP3264915 B2 JP 3264915B2
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康憲 田代
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、饅頭やおはぎなど
のような外皮材で内包材を包み込んだ食品の製造に際し
て、外皮材の内側に餡など内包材を棒状に包んだ連続し
た棒状の食品材料を、中心の餡などの内包材を露出させ
ず、また、皮に花紋状のヒダをつけることなく連続切断
できる包被球断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続した棒状体で供給される内外二重構
造となった食品材料から、饅頭のような包み構造体を作
り出す球断方法は各種あり、例えば、本出願人の出願に
係る特公昭63−29979号公報、特公平1−426
52号公報、特開昭62−278934号公報があり、
これら従来のスライド式シャッター装置は、3個以上の
角形片を摺動面をスライドさせることにより、内包材を
露出しないで包被球断することが可能であるが、棒状食
品材料の球断の際の外皮の表面に花紋状のヒダが形成さ
れてしまい、外皮表面を平坦に滑らかにする場合には、
手作業その他により手直しを加えなければならなかっ
た。また、従来の装置においては、球断成形の際に手粉
などを使用すると、シャッターの摺動面に手粉が付着
し、シャッターの開閉が渋くなり開閉ができなくなった
り、連続運転によってシャッターの摺動面が摩擦熱で焼
きついてしまうなどの不具合が発生し、不都合が多かっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、手粉の使用
が可能であって、かつ、表面を滑らかに仕上げることの
できる棒状食品材料の包被球断方法を提供することを目
的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決したもので、本発明の構成は、複数の多面体の先端
部を中央に集合させて、形成される多面体で囲繞された
領域に供給される材料を包被球断する方法において、
記各多面体の刃部であって前記材料に接触して当該材料
を切断するための第1側面を、前記領域に供給される材
料に向かって当該第1側面の厚み方向の中間部が突出し
た凸面に形成し、前記各多面体の前記第1側面の厚み方
向の中間部を、当該多面体の上下面より前記材料側へ先
行して侵入させ、材料の外皮材を材料中央部まで移動さ
せるとともに内包材を上下に分離し、内包材の分離位置
において外皮材を接合することを特徴とする包皮球断方
法である。
【0005】また、上記包被球断方法において、複数の
多面体の前記中間部の上下両側に形成された斜面に、材
料の外皮材を接触させて材料の外皮材を上方向と下方向
へ流動させるとともに内包材を上下に分離し、内包材の
分離位置において外皮材を包被接合するものであり、ま
た、前記多面体の先端部を中央に集合させて前記材料を
切断する際に、当該斜面部が集合する包被球断方法であ
る。上記のようにして、複数の多面体の先端部を中央に
集合させて包被球断を行うと、四方から押圧されてでき
る材料の頸部は表面積が減少するので、表皮を薄くさせ
ることなく切断することができる。また、皮に花紋状の
ヒダをつけることなく連続切断することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明を添付図面に基づいて説明
するが、図1は材料を切断するための囲みを構成する多
面体10の形状を説明するものであり、図2、図3は多
面体10が形成する囲みを開閉した状態を示す。図4、
図5、図6、図7は本実施例の多面体の囲みの開閉駆動
の説明図である。図8、図9、図10、図11はそれぞ
れの多面体の切断作用を示す説明図である。
【0007】
【実施例】本発明において用いる多面体10について、
図1においては、(A)点を中心にし、(R)を半径と
して書かれた円周(a)と、円周(a)の上に等間隔に
配置された支点位置を(B)として説明する。支点
(B)は、多面体10の基部が装嵌されて回転する支軸
の位置である。隣合う支点(B1)、(B2)を結ぶ最短距
離を(a')で表している。次に、支点(B1)から(R)
の距離にあり、また、中心(A)から(a')の距離にあ
る点(x1)を中心にして、(a')を半径として書いた曲
線を(y1)とする。この曲線(y1)で形づくられる第1
側面(Y1)は、多面体10の基部と反対側の自由端側
にある刃部17であって、材料に接触してこれを切断する
部位となっている。
【0008】次に、隣の支点(B2)から(R)の距離に
あり、また、中心(A)から(a')の距離にある点(x
2)を中心にし、(a')を半径として書いた曲線を(y2)
とする。(Y2)は第1側面(Y1)の背部に設置する
第2側面となり、これらの交差部が先端部18となる。
刃部17のその曲線(y1)は円周aの方向に半径a'
示す円弧状となっているが、加えて、囲みを通過する材
料の軸線の方向に凸面部(E)を有している。先端部1
8はこの凸面部Eに嵌まってなぞる形状をしており、図
13、図14、図15に示すように第1側面Y1に当接
した状態を保持して摺動する。さらに、囲みが閉じたと
きは、第1側面Y1は隣接する多面体10の第2側面Y
2と当接するものであり、第2側面Y2は凸面部Eに対
応して当接する凹面部Dを有している。
【0009】凸面部Eについては、図12、図13、図
16から明らかなように、多面体10の上下面の間で厚
み方向の中間の部分が突出し、その上面171と下面1
72は斜面を形成している。換言すれば、上記上面17
1と下面172それぞれの斜面の間には、図13、図1
5より明らかなように、多面体10の厚さ方向(図1
3、図15において上下方向)に一定巾の帯状の曲面が
形成してある。この曲面は、食品材料の絞り作用に関し
ては上面171と下面172それぞれの斜面に先行して
食品材料に侵入する部分である。
【0010】次に、側面11および12は、図2、図3
で示したその回転の過程で、隣同士の干渉が生じない範
囲で作られた頸部であり、その先に支点(B1)に嵌合す
る孔15が存在している。図4〜図7により、多面体1
0の駆動を説明すると、多面体10に設けた孔15をベ
ース23の支軸29に嵌入し、また、長孔14を作用ピ
ン21に遊嵌している。作用ピン21はベース23上で
摺動自在に回転する回転板20に付設されている。回転
板20はその下側に設けた駆動ピン22がガイドバー2
4にガイドされ、ガイドバー24はロッド25に取りつ
けられている。ロッド25はその一端がアーム27の一
端に軸着し、アーム27の他端がベース23に軸嵌して
いる。アーム27の任意の位置に付設されたカムフォロ
ア28が、ベース上で回転するカム26の溝に嵌まって
いる。
【0011】したがって、主軸34の回転によりカム2
6はカムフォロア28を移動し、アーム27、ロッド2
5を介してガイドバー24が駆動ピン22に駆動伝達さ
れ、回転板20が回転して多面体10を動かす。ベース
23は両側に主軸34、34’に上下動可能に装嵌され
ている。主軸34、34’にはカム31、31’が軸着
しており、ベース23から伸びたベースアーム32に設
けられたカムフォロア33が、このカム31、31’の
溝に嵌まっている。カム31、31’が回転すると、溝
に規制されたカムを介してベース23が上下動する。
【0012】以上説明したように、多面体10が形成す
る囲み16の開閉は、カム26の回転により行われ、こ
の開閉と同調してベース23の上下動が行われて、包被
球断が実施されるのである。この包被球断において、多
面体10の厚み方向の中間部が、当該多面体の上下面1
71,172より前記材料側へ先行して侵入し、材料の
外皮材を材料の中央部まで移動させるとともに内包材を
上下に分離し、内包材の分離位置において外皮材を接合
するのであるが、図8以降の図面に基づいて、本発明の
切断作用と効果について記載する。
【0013】図8〜図11は二重棒状生地材料の包被切
断を示す説明図であり、40は外皮生地を示し、中心に
は内包材41を包み込んだ連続棒状体を示す。刃部17
の突端は一定の厚さ(T)を有している。その厚さ
(T)については切断しようとする材料の性質に応じ
て、刃部の先端に向け厚みが一定のもの(図8)や厚み
が減少するもの(図9〜図11)、不等角度で次第に減
少するもの(図9)や、また、所定厚み(一定の平面
部)を有して減少するもの(図10)を示しており、各
種選択することができる。その作用と効果について述べ
ると、刃部17の厚み方向の中間部をその上下面より材
料側へ先行して侵入させると、図8においては刃部17
の厚みが囲みの開閉位置に関係なく一定を示しており、
図8A、B、Cのように刃部17が外皮40に接触して
から、巾が変わらず厚みTのままで材料を中央部まで移
動し、外皮40が中央に移動するとともに、内包材41
は矢印mの方向に流動する。
【0014】そして、刃部17が集合した時は、移動し
た外皮と内包材は刃部17の上下に分離して上下部のそ
れぞれの生地となり、内包材41を完全に包被すること
ができるものである。この時、鋭角でない凸面Eを形成
する刃部の上面171と下面172の斜面を材料の軸線
に対し侵入させると、上面と下面が生地を所定量中心に
移動させるとともに、相対的に上下に流動(移動)さ
せ、外皮40の四方から押圧でできるくびれ部は表面積
が減少するので、外皮40を薄くさせたり、内包材41
を露出することなく切断することができる。
【0015】図9に示す実施例は、材料に接触する面積
が囲みが小さくなるにつれて減少する作用図であり、図
10、図11もその変形である。この包被球断効果は、
刃部17が中心Aの方向への運動によって材料に食い込
んで行き、その接触面はs→s’→s”の順に小さくな
って外皮40を所定量移動させているので、内包材41
は矢印mの方向に流動し、内包材を露出させずに切断が
可能となる。このときの多面体10は、第1側面と隣接
の多面体の第2側面が、図12に示すように当接し、両
多面体の当て面19に凹凸をなくしているので、従来法
において用いる装置に示されているこの凹凸によってで
きる花紋状のヒダを発生させずに済むものである。
【0016】図11に示す多面体は、刃部が次第に減少
し所定の厚みT”を有するものである。これは刃部17
の中間部に一定の厚み方向に垂直な曲面部を有している
ので、面作用によって外皮40を多面体の当接位置に移
動する効果が生じるものである。囲みが閉じた時、その
先端部18は所定の厚みをもって集合しており、弾性の
比較的強い材料でも内包材を露出せずに切断することが
できる。図10に示す多面体は、刃部17が次第に不等
角度で減少するものである。生地切断の初期段階におい
ては、接触面積の減少率を大きくし、後期段階において
はその減少率が小さくなるようにしている。この多面体
を使った場合の包被球断は、外皮が薄く、かつ、柔らか
い材料に効果がある。
【0017】すなわち、外皮が薄く柔らかいと、包被球
断の後半において外皮の皮まわりが不足し、内包材が露
出するときがあるので、前半の接触面積が大の時に中心
方向に移動した生地を、後半の小さくなった接触面積か
らはゆっくりと接触面を小さくしてゆき、皮まわりを安
定させるものである。また、刃部17が不等角度で減少
する多面体のその他の実施例として、上面171と下面
172の減少量(角度)を対称として説明しているが、
これを非対称とすることで、製品の上面、側面、下面の
外皮の厚みを必要に応じて調整することができる。ま
た、従来法において用いる装置におけるシャッター機構
は、シャッター摺動面に手粉が付着すると、焼き付けを
起こし、装置を停止しなければならなかったが、本発明
においては、手粉を使用しても、刃部17に付着した手
粉は、隣接する多面体10の先端部18によって除去さ
れるので、手粉によって多面体が焼き付いたりすること
がない。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、複数の材料の同心の連
続棒状生地の包被球断に当たり、外皮で内包材を完全に
覆うことができるばかりでなく、外皮生地の表面を花紋
状のヒダを付けずに滑らかな表面に形成することができ
る。また、手粉等を使用しても焼き付けの発生がなく、
連続生産をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多面体の形状の説明図である。
【図2】組み立てられた多面体が囲みを開いた状態を示
す上面図である。
【図3】組み立てられた多面体が集合して囲みを閉じた
状態を示す上面図である。
【図4】ベースの上面図である。
【図5】ベースの一部断面の正面図である。
【図6】多面体10の駆動伝達を示す上面図である。
【図7】多面体の駆動伝達を示す一部断面の平面図であ
る。
【図8】切断作用を示す説明図である。
【図9】切断作用を示す説明図である。
【図10】切断作用を示す説明図である。
【図11】切断作用を示す説明図である。
【図12】第1側面と第2側面との当て面を示す断面図
である。
【図13】多面体のその他の実施例の側面図と断面によ
る説明図である。
【図14】多面体のその他の実施例の上面図である。
【図15】多面体のその他の実施例の側面図である。
【図16】図15の多面体の断面による説明図である。
【符号の説明】
10 多面体 11 多面体の頸部となる側面 12 多面体の頸部となる側面 14 長孔 15 孔 16 囲み 17 刃部 171 刃部の上面 172 刃部の下面 18 先端部 19 当て面 20 回転板 21 作用ピン 22 駆動ピン 23 ベース 24 ガイドアーム 25 ロッド 26 カム 27 アーム 28 カムフォロア 29 支軸 30 上下動機構 31 カム 32 ベースアーム 33 カムフォロア 34 主軸 R 円Aの半径 a 円Aの円周 B 円Aの円周を等分割した支点 B1 、B2 隣合ったB点 a’ B1 とB2 を結んだ最短距離 x1 求められた点 x2 求められた点 y11 を中心とし、Rを半径として描かれた曲線 y22 を中心とし、Rを半径として描かれた曲線

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の多面体の先端部を中央に集合させ
    て、形成される多面体で囲繞された領域に供給される材
    料を包被球断する方法において、前記各多面体の刃部で
    あって前記材料に接触して当該材料を切断するための第
    1側面を、前記領域に供給される材料に向かって当該第
    1側面の厚み方向の中間部が突出した凸面に形成し、前
    記各多面体の前記第1側面の厚み方向の中間部を、前記
    領域の閉鎖開始から閉鎖終了まで当該多面体の上下面よ
    り前記材料側へ先行して侵入させ、材料の外皮材を材料
    の中央部まで移動させるとともに内包材を上下に分離
    し、内包材の分離位置において外皮材を接合することを
    特徴とする包被球断方法。
  2. 【請求項2】 複数の多面体の前記中間部の上下両側に
    形成された斜面に、材料の外皮材を接触させて材料の外
    皮材を上方向と下方向へ流動させるとともに内包材を上
    下に分離し、内包材の分離位置において外皮材を包被接
    合することを特徴とする請求項1に記載の包被球断方
    法。
  3. 【請求項3】 前記多面体の先端部を中央に集合させて
    前記材料を切断する際に、当該斜面部が集合することを
    特徴とする請求項2に記載の包被球断方法。
JP2000137357A 1990-05-01 2000-05-10 包被球断方法 Expired - Lifetime JP3264915B2 (ja)

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