JP3263401B2 - 結晶化によりアジピン酸を精製する方法 - Google Patents
結晶化によりアジピン酸を精製する方法Info
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Description
は再結晶することによりアジピン酸を精製する方法に関
する。
つの基礎材料である。ポリアミド6−6に対する用途の
ためには、それは非常に高い純度を有する必要があり、
この純度は先駆物質の段階で、特にアジピン酸の段階で
既に存在しなければならない。
応じて、明らかに相違する。本発明の方法は、各種の合
成方法に由来するアジピン酸に適用することができる。
事実、最もやっかいで且つ時には最も経費のかかる不純
物の一つは、アジピン酸の製造中に使用される触媒の微
量の存在によって形成される。
は、特に、ブタジエンの二段階ヒドロキシカルボニル化
から得られるアジピン酸に適用される。
酸類の混合物、主として3−ペンテン酸をもたらす。第
二ヒドロキシカルボニル化は、第一反応で得られたペン
テン酸に影響し、ある種の量の2−メチルグルタル酸、
2−エチルこはく酸及び第一ヒドロキシカルボニル化反
応に由来するその他の化合物、例えばγ−バレロラクト
ン、未転化のペンテン酸及びメチルブテン酸も含有する
アジピン酸をもたらす。また、それは、第二ヒドロキシ
カルボニル化反応で使用された微量の触媒、通常イリジ
ウム及び(又は)ロジウムも含有する。
コバルト触媒の存在下に実施されので、この方法では得
られるアジピン酸は微量のコバルト触媒を含有する。
では一層溶解性であるので、アジピン酸の結晶化にはこ
の溶媒が一般に使用される。
アジピン酸に対してますます要求されている純度が非常
に高いために、水からの一回又は何回もの再結晶はしば
しば不適切であることがわかる。
因しうる欠点に加えて、ある種の触媒、例えばイリジウ
ム又はロジウムの本質的な価値は、アジピン酸のトン数
が非常に大きいことを念頭におけば、経済的に実施可能
な工業的方法との関係でそれらを可能な限り完全に回収
することが必須であることを意味する。
り、該結晶化又は再結晶を20℃以下の融点を有する少な
くとも1種のカルボン酸中で実施することを特徴とす
る、アジピン酸の改良結晶化又は再結晶方法である。
ば、飽和であるか又はエチレン性不飽和を含有する脂肪
族カルボン酸である。
る線状又は分岐状のモノカルボン酸である。
ピオン酸、ブタン酸類、ペンタン酸類、ヘキサン酸類、
ペンテン酸類などであるが、これらに限定されない。
性のため及びシクロヘキサンからのアジピン酸の合成に
これを使用するためであり、またペンテン酸類はそれが
ブタジエンからのアジピン酸の製造における中間体であ
るためである。
を一酸化炭素の存在下に実施したときはさらに改善され
得る。
上の雰囲気(即ち、反応器ヘッドスペース)の少なくと
も一部分を構成することができ、或いは該反応器内に大
気圧よりも高い圧力を創生させることができる。
は、少なくとも0.5バール)〜50バールの一酸化炭素の
絶対圧の下で操作され、その上限はその性質上臨界的で
はないが、過度に経費のかからない工業的装置によって
決められる。
酸は、通常は、ほぼ95%の最低純度をもたらすように、
1回又は2回以上の精製操作を、特に水からの結晶化、
精製或いはまたは蒸留による操作を既に受けたアジピン
酸である。
は、95〜99.95%の純度を有する。
を最低量の熱い脂肪族カルボン酸に、即ち、通常は80〜
250℃の温度で、要すれば一酸化炭素の少なくとも分圧
下に又は一酸化炭素の雰囲気下に溶解させ、次いで、要
すれば純アジピン酸の結晶を使用して溶液に播種した後
に、溶液を冷却することにより溶解アジピン酸の結晶化
を誘発させることからなる。
ジピン酸の飽和溶液をもたらすようなものである。例示
として、90℃では、3−ペンテン酸中の飽和溶液は重量
/重量でほぼ33%のアジピン酸を含有する。
ン酸の存在下に実施するときに削減することができる。
を有する無機プロトン酸を意味する。
沃化水素酸、臭化水素酸、塩酸、硝酸及び硫酸が挙げら
れる。
属の1モル当たり0モル〜100モルの範囲内にあり得
る。好ましくは、強プロトン酸の量は、触媒金属の1モ
ル当たり0モル(好ましくは1モル)〜50モルの範囲内
にあり得る。
混合物からのアジピン酸の結晶化も包含する。
キシカルボニル化することによって得られた混合物から
アジピン酸を結晶化させることが可能である。この反応
混合物は、ヒドロキシカルボニル化のために使用される
一酸化炭素の存在下又は不存在下にカルボン酸と混合す
ることができ、この全混合物は再結晶について上で示し
たように80〜250℃の温度に保持することができる。
応混合物を、好ましくは一酸化炭素の圧力下に冷却する
ことによって実施することができる。この別法は、特
に、ヒドロキシカルボニル化をカルボン酸中で実施する
ときに或いはそれを3−ペンテン酸の転化率が不完全で
ある3−ペンテン酸中で実施するときに使用することが
できる。
実施されるので、結晶化のためにこの化合物を添加する
ことは一般に必要ではないが、適当な場合にはこの可能
性は排除されない。
進剤が沃化水素酸又は臭化水素酸であってよいので、強
プロトン酸を添加する必要がないかもしれない。しかし
ながら、所望ならば、反応混合物中に存在する強プロト
ン酸の量を補給することができる。アジピン酸の再結晶
については、好ましくないが強プロトン酸の不存在下に
操作することも可能である。
減するためにアジピン酸について多数回連続して実施す
ることができる。また、本発明に従う結晶化又は再結晶
に続いて水からの1回以上の再結晶を実施することも可
能である。
量%)を含有する5.2gのアジピン酸及び7.5mlの酢酸を
ガラスバルブに装入する。このアジピン酸は、酢酸Coの
存在下にシクロヘキサンの直接酸化により製造され、水
からの再結晶により精製されたものである。このもの
は、測定可能な有機不純物を何も含有しない。
次いでこれを密閉する。
ル)。
持する。
ピン酸をろ過により取り出し、オートクレーブを数mlの
酢酸ですすぐ。
回、次いで8mlの酢酸で3回洗浄する。
ピン酸中に存在するコバルトを、質量分光計(ICP/質
量)と組み合わせた誘導結合プラズマによって評価す
る。重量/重量で0.00008%のCoが見出された。
使用した反応混合物に使用したアジピン酸中に存在する
Coの1モル当量当たり10モル当量のHClを添加して、反
復する。
を含有する乾燥された最終アジピン酸が得られた。
応混合物にHI(後記の表1に示した通りのHI対Irのモル
比で)を添加し、さらに再結晶用溶媒として3−ペンテ
ン酸(P3)を使用し、イリジウムを含有するアジピン酸
(AdOH)を使用して、反復する。このアジピン酸は、Ir
を基材とした触媒の存在下に3−ペンテン酸のヒドロキ
シカルボニル化によって製造され、水からの再結晶によ
って精製された。それは測定可能な量の有機不純物を何
ら含有しない。
た3−ペンテン酸により、次いでアジピン酸で飽和され
た水により洗浄する。
使用したアジピン酸のIrの初期含有量及び最終含有量
(初期Ir及び最終Ir)(μg/gで表す)を要約する。
ジピン酸(AdOH)を使用する。このアジピン酸は、Rhを
基材とした触媒の存在下に3−ペンテン酸のヒドロキシ
カルボニル化によって製造され、水からの再結晶によっ
て精製された。それは測定可能な量の有機不純物を何ら
含有しない。
た3−ペンテン酸により、次いでアジピン酸で飽和され
た水により洗浄する。
使用したアジピン酸のRhの初期含有量及び最終含有量
(初期Rh及び最終Rh)(μg/gで表す)を要約する。
して、例3〜8に記載した再結晶を反復する。
ピン酸のIrの初期含有量及び最終含有量(初期Ir及び最
終Ir)(μg/gで表す)を要約する。
キシカルボニル化により得られたアジピン酸を水から再
結晶する。このアジピン酸は既に1回の結晶化を受けて
受けており、それでも0.00022%のイリジウムを含有す
る。
解し、次いで得られた溶液を徐々に冷却し、次いでろ過
し、最後にろ過により取りだしたアジピン酸を5mlの水
で2回、次いで8mlの水で3回洗浄することによって慣
用的な方法で実施する。
ジピン酸中に存在するイリジウムを定量する。重量/重
量で0.00022%のIrが見出された。従って、アジピン酸
のイリジウム含有量は成功裏に削減されなかった。
シカルボニル化を実施する。
に保持し、1時間5分の期間後に反応を停止させる。
に、結晶化したアジピン酸を引き出し、ろ過する。次い
で、ろ液の化合物のガスクロマトグラフィー及び高性能
液体クロマトグラフィーによる検定法を使用して、3−
ペンテン酸について56.6%の転化率が決定された。
リジウムを含有する。
環させて)3−ペンテン酸から再結晶する。
−ペンテン酸により、次いでアジピン酸で飽和された水
により洗浄する。
00002%のイリジウム含有量を有する。
Claims (10)
- 【請求項1】ペンテン酸を水及び一酸化炭素によりヒド
ロキシカルボニル化することによって得られたアジピン
酸を結晶化又は再結晶するにあたり、該結晶化又は再結
晶を20℃以下の融点を有する少なくとも1種のカルボン
酸中で実施すること及び再結晶に付するアジピン酸が最
低で95%の純度まで精製されたものであることを特徴と
する、微量金属含有量の削減を可能ならしめるアジピン
酸の結晶化又は再結晶方法。 - 【請求項2】使用するカルボン酸が飽和であるか又はエ
チレン性不飽和を含有する脂肪族カルボン酸、好ましく
は、2〜6個の炭素原子を含有する線状又は分岐状のモ
ノカルボン酸から選択されることを特徴とする、請求項
1に記載の方法。 - 【請求項3】使用するカルボン酸が酢酸、プロピオン
酸、ブタン酸類、ペンタン酸類、ヘキサン酸類及びペン
テン酸類のうちから選択されることを特徴とする、請求
項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】結晶化又は再結晶を一酸化炭素の存在下に
実施することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに
記載の方法。 - 【請求項5】一酸化炭素が、結晶化又は再結晶反応器に
おける溶液上の雰囲気の少なくとも一部分を構成し又は
該反応器内に大気圧よりも高い圧力を創生させることを
特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】0.5バール〜50バールの一酸化炭素の絶対
圧の下で実施することを特徴とする、請求項4又は5に
記載の方法。 - 【請求項7】再結晶に付される粗製のアジピン酸が95〜
99.95%の純度を有することを特徴とする、請求項1〜
6のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】再結晶を強プロトン酸の存在下に実施する
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項9】強プロトン酸が沃化水素酸、臭化水素酸、
塩酸、硝酸及び硫酸のうちから選択されることを特徴と
する、請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】強プロトン酸の量が、アジピン酸中に存
在する触媒金属の1モル当たり0〜100モルの範囲、好
ましくは触媒金属の1モル当たり0〜50モルの範囲内に
あることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載
の方法。
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