JP3262578B2 - 釣竿並びに竿体の軽量化塗装方法 - Google Patents
釣竿並びに竿体の軽量化塗装方法Info
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Description
ン製の釣竿の表面塗装に係るものである。
竹製のものから軽くて強靭なカーボン製のものへと移行
してきている。一方、最近の高級化指向のもとでは、釣
人の釣竿に対する所有欲を満足させるべく、釣竿の色や
模様の多様化を図る傾向にある。またその一方では、釣
竿の軽量化が至上課題である業界において、カーボンの
肉厚が限界にきている現状下では、釣竿の塗装部分での
軽量化に目が向けられている。
黒色であるため、黒色系の色や模様を付す場合には一回
塗装でよく塗装重量もさほど大きくならないが、白色系
の釣竿を作るとなると、地色を隠すために白色系の捨て
塗りを行う必要がある。ところがこの捨て塗りにおい
て、塗りムラをなくすにはどうしても通常10〜15μ
の塗装厚となることから、塗装重量も釣竿の軽量化にと
って無視できないほどのものとなっていた。
鑑みなされたものであって、白色系の釣竿を作るにあた
り、塗装厚をなるべく薄くして塗装重量を軽減し、しか
も塗装面にムラを生じない釣竿並びに竿体の軽量化塗装
方法の開発を試みたものである。
竿は、竿素材に対して本塗り仕上げが施される前に下塗
りが行われる釣竿であって、前記竿素材の地色は黒色で
あり、また前記本塗り仕上げは、白色系の塗料により成
され、且つ前記下塗りは、竿素材の地色を隠すために行
われるものであり、この下塗りを行うにあたっては、白
色系インキでベタ塗り印刷し、これを乾燥させたフイル
ムに対して、その印刷面側に、白色系顔料を含み前記白
色系インキの活性作用を有する塗料成分を塗装したもの
を、その塗装面が活性状態のまま、液圧によって竿素材
表面に密着させるようにし、前記ベタ塗り印刷及び塗料
成分が、直接一層で竿素材表面に転写され、竿素材の下
地色を隠す下塗り部の厚さを軽減するようにしたことを
特徴として成るものである。
量化塗装方法は、竿素材に対して本塗り仕上げを施す前
に下塗りを行う塗装方法であって、前記竿素材の地色は
黒色であり、また前記本塗り仕上げは、白色系の塗料に
より成され、且つ前記下塗りは、竿素材の地色を隠すた
めに行うものであり、この下塗りを行うにあたっては、
白色系インキでベタ塗り印刷し、これを乾燥させたフイ
ルムに対して、その印刷面側に、白色系顔料を含み前記
白色系インキの活性作用を有する塗料成分を塗装したフ
イルムを、その塗装面が活性状態のまま塗装面が上にな
るように液体上に浮かべた状態で、竿素材の一部または
全部を前記液体中に没入させて、液圧によって前記ベタ
塗り印刷及び塗料成分を、直接一層で竿素材表面に転写
し、竿素材の下地色を隠す下塗り部の厚さを軽減するよ
うにしたことを特徴として成るものである。
の軽量化塗装方法は、竿素材に対して本塗り仕上げを施
す前に下塗りを行う塗装方法であって、前記竿素材の地
色は黒色であり、また前記本塗り仕上げは、白色系の塗
料により成され、且つ前記下塗りは、竿素材の地色を隠
すために行うものであり、この下塗りを行うにあたって
は、白色系インキでベタ塗り印刷し、これを乾燥させた
フイルムに対して、その印刷面側に、前記白色系インキ
の活性作用を有する塗料成分を塗装したフイルムを、そ
の塗装面が活性状態のまま塗装面が上になるように液体
上に浮かべた状態で、竿素材の一部または全部を前記液
体中に没入させて、液圧によって前記ベタ塗り印刷を、
直接一層で竿素材表面に転写し、竿素材の下地色を隠す
下塗り部の厚さを軽減するようにしたことを特徴として
成るものである。これら発明により前記目的を達成しよ
うとするものである。
刷されたフイルムから液圧により竿素材表面に塗料成分
を転写するから、パスカルの原理によりフイルム上の塗
料成分が等しい圧力で竿素材表面に転写されて、塗装膜
が一層であり且つムラのない表面処理が可能となる。
に説明する。符号1は本発明たる釣竿であって、このも
のは径寸法を異ならせた筒状の竿体2を複数本摺動自在
に嵌め合わせて成る。この竿体2は竿素材たるカーボン
筒3の外側表面に塗装部4を施したものであり、この塗
装部4は白色顔料を含む下塗り部5とその上に設けられ
る本塗り部6とから成る。尚、本塗り部6は、本実施例
では特に図中で符号を設けて区別しないが、仕上の着色
塗装と表面保護のためのクリアーコートとで構成できる
他、クリアーコートを省き着色塗装のみの構成としても
よい。
のであり、以下更に具体的構成について竿体の軽量化塗
装方法を示しながら説明する。まず釣竿の軽量化塗装に
使用するベタ塗り印刷済みフィルム15について説明す
る。このベタ塗り印刷済みフィルム15は、図4に示す
ように、一例として白色系インキ15aをベタ塗り印刷
し、これを乾燥させて成るものであり、使用に際しては
その印刷面側に、白色系顔料を含み前記白色系インキ1
5aの活性作用を有する活性塗料成分16を塗装し、こ
の活性塗料成分16により前記白色系インキ15aを活
性させた状態にて使用する。
脂分と溶剤とを主成分として含む。また請求項1及び2
で定義される白色系顔料とは、白色ないし黄色、肌色、
パール色、水色などの明度7ないし8以上の色の顔料を
いう。因みに釣竿1に塗装を行う方法の要件としては、
本来顔料の色は無関係であるが、本発明では前述したよ
うに、白色系塗料を黒色のべ−スに塗る場合に、いわゆ
る捨て塗りを必要とし、これに伴う塗りムラを防止する
のに厚塗りにより塗装重量が大きくなるという問題があ
るため、このような問題点を解決するためになされた本
発明の構成要件に、あえて白色系顔料の要件を加えたも
のである。また白色系顔料を必要としない場合には、こ
れを除いた構成とすればよく、更に樹脂成分をも除き、
実質的に溶剤のみの活性塗料成分16としてもよい。こ
こで活性塗料成分16の具体的構成としては下記のもの
が好ましい。
ド樹脂やニトロセルロースが、また体質顔料としては沈
降性炭酸バリウムが、そしてまた白色系顔料としては無
機質、有機質の顔料、例えば酸化チタンが存在し、溶剤
としてはプチルカルビトールアセテートやプチルセルソ
ルブ等が存在する。このような物質を用いた活性塗料成
分16の好ましい実施例を下記に示す。
15により、カーボン筒3に塗装、転写する方法につい
て説明する。転写作業は図2に示すような液圧転写装置
10を適用する。この液圧転写装置10を簡単に説明す
ると、このものはフイルム供給装置11、転写槽12及
び転写コンベヤ13を具えて成り、転写槽12内には水
Wが入れられ、また転写コンベヤ13には複数の被転写
体保持装置14が設けられる。
は、まずベタ塗り印刷済みフィルム15をフイルム供給
装置11にセットしておき、このフイルムが転写槽12
側へ送り出される途中で、ベタ塗り印刷済みフィルム1
5の片面に白色系顔料を含む 活性塗料成分16を塗装し
て、塗装面が活性状態のまま白色系顔料を含む活性塗料
成分16の塗装面が上になる状態で、その端部側を転写
槽12内の水W上に浮遊状態で供給できるようにする。
系顔料を含む活性塗料成分16が塗装されて成るもの
は、実質上転写槽12内の水面上にある段階で形成され
ていればよく、要するにベタ塗り印刷済みフィルム15
が転写槽12へ供給される前段階ないし転写槽12内の
水面上にフイルムがセットされた後の段階の間のいずれ
かのときに、ベタ塗り印刷済みフィルム15の上面側に
前記白色系顔料を含む活性塗料成分16を塗装されるよ
うにすればよい。尚、ベタ塗り印刷済みフィルム15へ
の白色系顔料を含む活性塗料成分16の塗装は、ロール
コートやスプレーコートによる方法が採り得る。
が被転写体保持装置14に把持された状態でベタ塗り印
刷済みフィルム15の供給されている水面上に下降して
くる。そしてカーボン筒3が水面に到達すると、このも
のがベタ塗り印刷済みフィルム15を水面下に押し下げ
るとともに、このとき水圧によりベタ塗り印刷済みフィ
ルム15がカーボン筒3に圧接され、ベタ塗り印刷及び
塗料成分がカーボン筒3の表面に直接転写されて、下塗
り部5が一層で形成される。そして転写が完了したカー
ボン筒3は、転写槽12から出た後、被転写体保持装置
14による把持が解除されて次工程へ送られる。次工程
では乾燥、検査等が行われた後、所定の色の仕上着色塗
装とクリアーコートとが施されて竿体2ができあがる。
このようにしてできた各種の竿体2同士を嵌め合わせる
ことで本発明の釣竿1が完成する。
本発明の竿体の軽量化塗装方法は、釣竿以外にも軽量化
が要求される他の竿体にも同様に適用できるとともに、
更には竿体以外にも、例えば軽量化の要請が大きいグラ
イダー、気球その他の航空産業等で使用される部材の塗
装にも適用することができる。尚、竿体が長尺であると
きには、特公昭63−24480号公報の第3図、第4
図に掲げてある装置を用いることができる。
り印刷を液圧によりカーボン筒3に転写するから、塗装
厚を2〜3μにすることができ、従来の白色系塗料の捨
て塗りを行う場合の塗装厚10〜15μと比較して、約
1/5の厚さで塗装が行える。従って釣竿1の重量は、
塗装比重を1.2g/cm3とすれば、4/5×1.2
×釣竿の表面積で表される重量だけ軽くなる。
大して示す破断斜視図である。
写装置を示す側面図である。
びにその一部を拡大して示す断面図である。
済みフイルムに、活性塗料成分を塗装して構成した実施
例を示す断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 竿素材に対して本塗り仕上げが施される
前に下塗りが行われる釣竿であって、前記竿素材の地色
は黒色であり、また前記本塗り仕上げは、白色系の塗料
により成され、且つ前記下塗りは、竿素材の地色を隠す
ために行われるものであり、この下塗りを行うにあたっ
ては、 白色系インキでベタ塗り印刷し、これを乾燥させたフイ
ルムに対して、その印刷面側に、白色系顔料を含み前記
白色系インキの活性作用を有する塗料成分を塗装したも
のを、その塗装面が活性状態のまま、液圧によって竿素
材表面に密着させるようにし、 前記ベタ塗り印刷及び塗料成分が、直接一層で竿素材表
面に転写され、 竿素材の下地色を隠す下塗り部の厚さを軽減するように
したことを特徴とする釣竿。 - 【請求項2】 竿素材に対して本塗り仕上げを施す前に
下塗りを行う塗装方法であって、前記竿素材の地色は黒
色であり、また前記本塗り仕上げは、白色系の塗料によ
り成され、且つ前記下塗りは、竿素材の地色を隠すため
に行うものであり、この下塗りを行うにあたっては、 白色系インキでベタ塗り印刷し、これを乾燥させたフイ
ルムに対して、その印刷面側に、白色系顔料を含み前記
白色系インキの活性作用を有する塗料成分を塗装したフ
イルムを、その塗装面が活性状態のまま塗装面が上にな
るように液体上に浮かべた状態で、 竿素材の一部または全部を前記液体中に没入させて、液
圧によって前記ベタ塗り印刷及び塗料成分を、直接一層
で竿素材表面に転写し、 竿素材の下地色を隠す下塗り部の厚さを軽減するように
したことを特徴とする竿体の軽量化塗装方法。 - 【請求項3】 竿素材に対して本塗り仕上げを施す前に
下塗りを行う塗装方法であって、前記竿素材の地色は黒
色であり、また前記本塗り仕上げは、白色系の塗料によ
り成され、且つ前記下塗りは、竿素材の地色を隠すため
に行うものであり、この下塗りを行うにあたっては、 白色系インキでベタ塗り印刷し、これを乾燥させたフイ
ルムに対して、その印刷面側に、前記白色系インキの活
性作用を有する塗料成分を塗装したフイルムを、その塗
装面が活性状態のまま塗装面が上になるように液体上に
浮かべた状態で、 竿素材の一部または全部を前記液体中に没入させて、液
圧によって前記ベタ塗り印刷を、直接一層で竿素材表面
に転写し、 竿素材の下地色を隠す下塗り部の厚さを軽減するように
したことを特徴とする竿体の軽量化塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02728592A JP3262578B2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 釣竿並びに竿体の軽量化塗装方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02728592A JP3262578B2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 釣竿並びに竿体の軽量化塗装方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05193298A JPH05193298A (ja) | 1993-08-03 |
JP3262578B2 true JP3262578B2 (ja) | 2002-03-04 |
Family
ID=12216810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02728592A Expired - Fee Related JP3262578B2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 釣竿並びに竿体の軽量化塗装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3262578B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5905741B2 (ja) * | 2012-02-29 | 2016-04-20 | グローブライド株式会社 | 塗装構造体 |
-
1992
- 1992-01-17 JP JP02728592A patent/JP3262578B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05193298A (ja) | 1993-08-03 |
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