JP3261974B2 - 過電流保護回路 - Google Patents

過電流保護回路

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JP3261974B2
JP3261974B2 JP12500696A JP12500696A JP3261974B2 JP 3261974 B2 JP3261974 B2 JP 3261974B2 JP 12500696 A JP12500696 A JP 12500696A JP 12500696 A JP12500696 A JP 12500696A JP 3261974 B2 JP3261974 B2 JP 3261974B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気負荷をその通
電経路に設けたトランジスタ等のスイッチング素子をオ
ン・オフさせて駆動する駆動装置において、スイッチン
グ素子に流れる過電流を検出してスイッチング素子を強
制的にオフすることにより、スイッチング素子を過電流
から保護する過電流保護回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平5−30073
1号公報に開示されているように、電気負荷の通電経路
に設けた抵抗器の両端電圧からトランジスタを通って電
気負荷に流れる電流を検出し、その検出電流が所定値以
上の過電流になると、一定時間、トランジスタを強制的
にオフして、トランジスタを過電流から保護すると共
に、こうした過電流保護の動作状態を監視して、過電流
保護(つまりトランジスタの強制オフ)が頻繁に実行さ
れた場合には、トランジスタをオフ状態に保持して、ト
ランジスタが再びオンされるのを禁止する過電流保護回
路が知られている。
【0003】この種の過電流保護回路は、過電流を検出
した時点でトランジスタをオフ状態に保持するようにす
ると、ノイズ等によって電気負荷の通電経路に一時的に
過電流が流れたような場合であっても、電気負荷を駆動
することができなくなってしまうことから、過電流の検
出時には、所定の保護時間だけトランジスタを強制的に
オフし、こうした強制オフの実行頻度を頻度監視回路に
て監視して、その頻度が所定度合以上になったときに、
電気負荷の通電経路に短絡等の異常が生じていると判断
して、トランジスタをオフ状態に保持するようにしてい
るのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の頻度
監視回路は、過電流を検出してトランジスタを強制オフ
している保護期間内にコンデンサを所定の充電時定数に
て充電し、トランジスタの強制オフが解除された復帰期
間内にコンデンサを所定の放電時定数にて放電する、コ
ンデンサの充放電回路にて構成されており、従来では、
その充放電回路のコンデンサの両端電圧(つまり充電電
荷量)が所定レベルに達したときに、強制オフの実行頻
度が所定度合以上になったと判断して、トランジスタを
オフ状態に保持するようにされていため、例えば、通電
経路の異常が、振動等によって間欠的に解消されるよう
な場合に、その異常を検出できないことがあった。
【0005】つまり、通電経路の異常が間欠的に解消さ
れるような場合、その解消期間中にコンデンサが放電さ
れるため、コンデンサの両端電圧が所定レベルに達せ
ず、トランジスタをオフ状態に保持する保持動作に移行
することができないのである。そしてこのようにトラン
ジスタをオフ状態に保持する保持動作に移行できない場
合には、トランジスタに過電流が流れてトランジスタを
一定時間強制オフする過電流保護の動作が繰返し実行さ
れることになるため、トランジスタが除々に劣化し、最
終的には電気負荷を良好に駆動できなくなってしまう、
といった問題が発生する。
【0006】なお、頻度監視回路としては、所定の監視
時間内に過電流の検出回数をカウントするように構成
し、そのカウント値が所定値に達したときに、通電経路
の異常を判定して、トランジスタをオフ状態に保持する
ようにすることも考えられているが、この場合にも、通
電経路の異常が間欠的に解消される際には、カウント値
が通電経路の異常を判定する所定値に達することはない
ので、上記と同様の問題が生じる。
【0007】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、過電流を検出してトランジスタ等のスイッチング
素子を一定時間強制オフする過電流保護回路において、
その過電流保護の動作状態から通電経路の異常を確実に
判定して、スイッチング素子をオフ状態に保持する保持
動作に移行できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の過電流保護回路において
は、検出手段がスイッチング素子に流れる所定電流値以
上の過電流を検出し、この検出手段にて過電流が検出さ
れると、保護手段が、所定の保護時間だけスイッチング
素子を強制的にオフする。そして、頻度監視手段が、保
護手段がスイッチング素子をオフする頻度を監視し、そ
の頻度が所定度合以上に大きくなると、スイッチング素
子を強制的にオフして、そのオフ状態を保持する。
【0009】また頻度監視手段では、保護手段がスイッ
チング素子を一旦オフすると、第1のタイマ手段がその
後の経過時間を計時し、保護手段が保護時間の経過に伴
いスイッチング素子を強制的にオフする指令を解除する
と、第2のタイマ手段が、その後検出手段にて過電流が
検出されるまでの正常時の経過時間を計時する。
【0010】そして、第2のタイマ手段は、正常時の経
過時間が所定の解除時間に達すると、第1のタイマ手段
をリセットして第1のタイマ手段による計時を停止させ
る。また、第1のタイマ手段は、自らが計時したスイッ
チング素子強制オフ後の経過時間が予め設定された監視
時間に達すると、スイッチング素子をオフ状態に保持す
る保持指令を発生する。そして、第1のタイマ手段から
保持指令が出力されると、保持手段が、スイッチング素
子をオフして、そのオフ状態を保持する保持動作に入
る。
【0011】つまり、本発明の過電流保護回路では、従
来のようにスイッチング素子のオフ期間とオン期間とで
コンデンサを充放電することにより、スイッチング素子
が強制的にオフされる頻度を監視するのではなく、
(1) 基本的には、検出手段にて過電流が検出されて
保護手段が動作すると、第1のタイマ手段によりその後
の経過時間を計時して、その経過時間が、所定の監視時
間が経過した時点で、保持手段が、スイッチング素子を
オフ状態に保持する保持動作に入るようにし、(2)
過電流検出後に保持手段が保持動作に入る監視時間内
に、スイッチング素子の強制オフ解除後に過電流が検出
されない正常時の時間が所定の解除時間に達した場合に
だけ、第1のタイマ手段をリセットして、保持手段がス
イッチング素子の保持動作に入るのを禁止するようにし
ている。
【0012】このため、本発明によれば、過電流の検出
に伴いスイッチング素子を一旦強制的にオフし、そのオ
フ状態を解除した後、再び過電流を検出するまでの正常
時の時間が、解除時間よりも短い場合には、頻度監視時
間内での過電流の検出回数に関係なく、過電流を最初に
検出してから監視時間経過後に、スイッチング素子をオ
フ状態に保持する保持動作に移行することになり、通電
経路の異常が振動等によって間欠的に解消される場合で
あっても、その異常を確実に判定して、スイッチング素
子がオンされるのを禁止できる。
【0013】従って、本発明によれば、従来のように、
通電経路に短絡異常等があるにもかかわらず、スイッチ
ング素子をオフ状態に保持する保持動作に移行できず
に、スイッチング素子が劣化してしまうといったことを
防止でき、スイッチング素子を過電流から確実に保護す
ることが可能になる。
【0014】なお、第2のタイマ手段が計時を開始して
から第1のタイマ手段をリセットするまでの解除時間と
しては、請求項1に記載のように、第1のタイマ手段が
計時を開始してから保持指令を発生するまでの監視時間
から、保護手段がスイッチング素子を強制的にオフする
保護時間を減じた時間(監視時間−保護時間)よりも短
い時間に設定する必要はある。これは、解除時間を監視
時間から保護時間を減じた時間よりも長い時間に設定す
ると、第2のタイマ手段が解除時間を計時して第1のタ
イマ手段をリセットするまでの間に、保持手段がスイッ
チング素子をオフ状態に保持する保持動作に入ってしま
い、ノイズ等によってスイッチング素子に一時的に過電
流が流れた場合にスイッチング素子をオフ状態に保持し
てしまうのを防止する、といった頻度監視手段の所期の
目的を達成できなくなってしまうためである。
【0015】次に請求項2に記載の過電流保護回路は、
スイッチング素子をパルス幅変調信号にてオン・オフさ
せて、電気負荷をデューティ駆動する駆動装置におい
て、スイッチング素子を過電流から保護するためのもの
である。そして、この過電流保護回路では、保護手段
が、駆動装置にてスイッチング素子駆動用のパルス幅変
調信号を生成するのに使用される一定周期のクロック信
号に基づき、スイッチング素子を強制的にオフした後の
オフ状態の解除タイミングを設定する。
【0016】つまり、スイッチング素子をパルス幅変調
信号(以下、単にPWM信号という)にてオン・オフさ
せて電気負荷をデューティ駆動する駆動装置としては、
従来より、三角波発生回路を用いて一定周期で信号レベ
ルが増減する三角波を生成し、この生成した三角波と制
御信号とを、コンパレータ等を用いて大小比較すること
により、スイッチング素子駆動のためのPWM信号を発
生するように構成されたアナログ回路からなるものや、
デジタルタイマ等を用いて、一定周期毎にデューティ比
に対応した時間だけパルス信号を発生し、これをPWM
信号としてスイッチング素子に出力するようにしたデジ
タル回路からなるものが知られているが、こうした駆動
装置には、三角波やパルス信号の発生周期を一定にする
ために、一定周期のクロック信号を発生する発振器が備
えられている。
【0017】そこで、本発明(請求項2)では、保護手
段において、この発振器からのクロック信号に基づき、
スイッチング素子を強制オフした後にそのオフ状態を解
除する解除タイミングを設定することにより、スイッチ
ング素子強制オフ後の保護時間計時用の特別な計時手段
を設けることなく保護手段を構成できるようにしている
のである。このため、本発明によれば、保護手段、延い
ては過電流保護回路の構成を簡素化することができる。
【0018】次に請求項3に記載の過電流保護回路は、
スイッチング素子として、電気負荷の給電用2端子と直
流電源の正極側との間に夫々設けられた一対の正極側ス
イッチング素子と、給電用2端子と直流電源の負極側と
の間に夫々設けられた一対の負極側スイッチング素子と
を備え、正極側及び負極側の各一対のスイッチング素子
のオン状態の組み合せにより、電気負荷に流す電流方向
を双方向に切り換えることができる、所謂Hブリッジ型
の駆動装置に適用されるものである。
【0019】そして、本発明では、所謂ハイサイドスイ
ッチとなる一対の正極側スイッチング素子に対して正極
側検出手段及び正極側保護手段を、所謂ローサイドスイ
ッチとなる一対の負極側スイッチング素子に対して負極
側検出手段及び負極側保護手段を夫々設け、正極側スイ
ッチング素子のいずれかに過電流が流れた場合には、正
極側検出手段にてその旨を検出して、正極側保護手段に
て一対の正極側スイッチング素子を保護時間だけ強制的
にオフし、負極側スイッチング素子のいずれかに過電流
が流れた場合には、負極側検出手段にてその旨を検出し
て、負極側保護手段にて一対の負極側スイッチング素子
を保護時間だけ強制的にオフする。
【0020】また、頻度監視手段では、正極側保護手段
及び負極側保護手段の少なくとも一方がスイッチング素
子をオフしたときに、第1のタイマ手段がその後の経過
時間の計時を開始し、第2のタイマ手段は、スイッチン
グ素子の強制オフ解除後に正極側検出手段及び負極側検
出手段のいずれかで過電流が検出されるまでの経過時間
を計時する。
【0021】従って、本発明によれば、Hブリッジ型の
駆動装置において、電気負荷の給電用2端子のいずれか
が直流電源の正極側或いは負極側に短絡して、4個のス
イッチング素子の内のいずれかに過電流が流れるように
なった場合に、一つの頻度監視手段を用いてその旨を判
定して、そのスイッチング素子が過電流によって劣化す
るのを防止できる。また、4個のスイッチング素子に対
する過電流検出及び過電流保護(保護時間だけの強制オ
フ)についても、正極側と負極側との2系統の検出手段
及び保護手段にて行なうことができる。
【0022】このため、本発明によれば、Hブリッジ型
の駆動装置において、各スイッチング素子毎に、検出手
段,保護手段,及び頻度監視手段を設けることなく、各
スイッチング素子を過電流から確実に保護することがで
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面と
共に説明する。図1は、エンジンのスロットルバルブを
開閉するDCモータ10の駆動装置の構成を表わす概略
構成図である。
【0024】なお、本実施例において、DCモータ10
が開閉するスロットルバルブは、アクセルペダルの踏込
量に応じて変位する規制部材によってスロットル開度の
上限が規制されると共に、バネによって開方向(換言す
れば規制部材方向)に付勢されており、DCモータ10
はこのバネの付勢力に抗してスロットルバルブを閉方向
に駆動することにより、スロットル開度を制御する。
【0025】図1に示す如く、DCモータ10の両端に
ワイヤハーネスを介して夫々接続される端子(給電用2
端子)A,Bには、夫々、Pチャネル(Pch)のMO
S型FET(以下、トランジスタという)Tr1,Tr3の
ドレインと、Nチャネル(Nch)のMOS型FET
(以下、トランジスタという)Tr2,Tr4のドレインと
が接続されている。
【0026】トランジスタTr1,Tr3は、夫々、端子
A,Bに正電圧を印加するためのもの(正極側スイッチ
ング素子)であり、そのソースは、電流検出用の抵抗器
Rs及びイグニッションスイッチ4を介して、バッテリ
2の正極端子に接続されている。また、トランジスタT
r2,Tr4は、夫々、端子A,Bに負電圧を印加するため
のもの(負極側スイッチング素子)であり、そのソース
は、バッテリ2の負極端子と同電位のグランドライン
(以下GNDという)に接続されている。即ち、DCモ
ータ10には、これら4個のトランジスタTr1〜Tr4か
らなるHブリッジ型の駆動回路6が備えられている。
【0027】このようなHブリッジ型の駆動回路6で
は、全トランジスタTr1〜Tr4がオフ状態であるとき
に、端子Aに接続された正極側のトランジスタTr1と、
端子Bに接続された負極側のトランジスタTr4とを同時
にオンすれば、DCモータ10に対して端子Aから端子
B側に電流を流して、DCモータ10を一方向に回転さ
せることができ、逆に端子Bに接続された正極側のトラ
ンジスタTr3と、端子Aに接続された負極側のトランジ
スタTr2とを同時にオンすれば、DCモータ10に対し
て端子Bから端子A側に電流を流して、DCモータ10
を逆方向に回転させることができる。また本実施例で
は、DCモータ10の通電遮断時には、スロットルバル
ブが、前述のバネによってアクセルペダルの踏込量に応
じた最大開度まで開弁され、DCモータ10の回転位置
もその位置に保持される。
【0028】このため、本実施例では、スロットル開度
を制御する際には、バネの付勢力に抗してスロットルバ
ルブを閉方向に駆動するために、DCモータ10に、図
に矢印で示す一定方向(端子Aから端子B方向)にのみ
モータ電流iM を流すようにされている。またDCモー
タ10の回転位置(延いてはスロットル開度)を制御す
るには、モータ電流iM を制御すればよいため、本実施
例におけるDCモータ10の駆動制御は、上記4個のト
ランジスタTr1〜Tr4の内、端子Aに接続された正極側
のトランジスタTr1をオン状態、負極側のトランジスタ
Tr2をオフ状態に夫々保持し、端子Bに接続された負極
側のトランジスタTr4と正極側のトランジスタTr3との
オン・オフ状態を交互に切り換えることにより行なわれ
る。
【0029】つまり、PチャネルのトランジスタTr1,
Tr3は、ゲートに入力される駆動信号O1 ,O3 がLow
レベルであるときにオン状態となり、Nチャネルのトラ
ンジスタTr2,Tr4は、ゲートに入力される駆動信号O
2 ,O4 がHighレベルであるときにオン状態となる。そ
こで、本実施例では、図2に示す如く(正常の領域を参
照)、トランジスタTr1,Tr2の駆動信号O1 ,O2 を
共にLow レベルに保持することにより、トランジスタT
r1をオン状態,トランジスタTr2をオフ状態にし、トラ
ンジスタTr3,Tr4には、目標スロットル開度に応じて
デューティ制御した同レベルの駆動信号O3 ,O4 を入
力することにより、トランジスタTr3,Tr4のオン・オ
フ状態を交互に反転させる。
【0030】この結果、駆動信号O3 ,O4 がHighレベ
ルとなり、トランジスタTr3がオフ,トランジスタTr4
がオン状態となった際には、モータ電流iM が上昇し、
駆動信号O3 ,O4 がLow レベルとなり、トランジスタ
Tr3がオン,トランジスタTr4がオフ状態となった際に
は、DCモータ10に蓄積された磁気エネルギによりト
ランジスタTr3,Tr1,DCモータ10の閉回路に回生
電流が流れて、モータ電流iM は減衰し、最終的にはモ
ータ電流iM が零になる。そして、DCモータ10に
は、トランジスタTr4のオン/オフ時間の比率(デュー
ティ比)に応じたトルクが発生し、DCモータ10(延
いてはスロットルバルブ)は、この発生トルクとバネの
付勢力とが釣り合った位置に制御される。
【0031】次に、こうしたスロットル制御のための各
トランジスタTr1〜Tr4の駆動信号O1 〜O4 は、図示
しないエンジン制御回路から目標スロットル開度を表わ
す制御信号を受け、この制御信号と三角波発生回路14
にて生成された三角波とを比較することにより、パルス
幅変調信号(PWM信号)を発生する、PWM制御回路
16により生成される。
【0032】そして、本実施例では、各トランジスタT
r1〜Tr4を過電流から保護するために、PWM制御回路
16にて生成されたPWM信号をそのままトランジスタ
Tr1〜Tr4の駆動信号O1 〜O4 とするのではなく、ト
ランジスタTr1,Tr3に対しては、PWM制御回路16
にて生成されたPWM信号をOR回路21,23を介し
て入力し、トランジスタTr2,Tr4に対しては、PWM
制御回路16にて生成されたPWM信号をNOR回路2
2,24を介して入力する。
【0033】つまり、本実施例では、PWM制御回路1
6から各トランジスタTr1〜Tr4に至る駆動信号入力系
に、OR回路21,23或いはNOR回路22,24を
設けることにより、後述の過電流保護回路から出力され
るHighレベルの通電遮断信号をこれら各回路21〜24
に入力して、各トランジスタTr1〜Tr4を強制的にオフ
することができるようにされている。
【0034】またこのように、PWM制御回路16から
各トランジスタTr1〜Tr4への駆動信号入力系には、O
R回路21,23やNOR回路22,24が設けられて
いるため、PWM制御回路16は、通電遮断信号がLow
レベルであるときに、これら各回路21〜24から出力
される駆動信号O1 〜O4 が図2の正常の領域に示した
ように変化するよう、PWM信号を生成する。即ち、P
WM制御回路16は、トランジスタをオン状態にする際
にはLow レベルとなり、オフ状態にする際にはHighレベ
ルとなるPWM信号を発生し、正常時に各トランジスタ
Tr1〜Tr4に入力される駆動信号O1 〜O4 を図2に示
したように変化させる。
【0035】次に、本実施例のDCモータ10の駆動装
置には、コンパレータ26,RSフリップフロップ2
8,頻度監視解除タイマ30,頻度監視タイマ32,R
Sフリップフロップ36からなる過電流保護回路が備え
られている。コンパレータ26は、本発明の検出手段に
相当するものであり、バッテリ2の正極端子からDCモ
ータ10に至る通電経路に設けられた抵抗器Rsの両端
電圧VRSと、過電流判定用の基準電圧VT とを比較し、
VRS≧VT であるときに、トランジスタTr1又はTr3に
過電流が流れたと判断して、Highレベルの検出信号Sa
を発生する。
【0036】次に、RSフリップフロップ28は、本発
明の保護手段に相当するものであり、そのセット端子S
には、コンパレータ26からの検出信号Saが入力され
る。そして、RSフリップフロップ28は、この検出信
号Saによりセットされると、出力端子QからHighレベ
ルの通電遮断信号Scを発生し、これをOR回路21,
23に出力することにより、トランジスタTr1,Tr3を
強制的にオフさせる。
【0037】また、RSフリップフロップ28のリセッ
ト端子Rには、パルス発生回路12からのパルス信号S
bが入力され、RSフリップフロップ28は、このパル
ス信号Sbを受けると、通電遮断信号Scの出力を停止
する。なお、パルス発生回路12は、三角波発生回路1
4にて三角波を発生するのに使用される内部クロックを
利用して、PWM信号に同期したパルス信号Sbを生成
する。
【0038】次に、頻度監視解除タイマ30は、本発明
の頻度監視手段を構成する第2のタイマ手段に相当する
ものであり、充放電用のコンデンサC1 と、内部の電源
電源電圧(定電圧)を受けて、コンデンサC1 を一定の
時定数にて充電する抵抗器R1 と、コンデンサC1 の両
端電圧Vdと基準電圧V1 とを比較し、コンデンサC1
の両端電圧Vdが基準電圧V1 以上であるときに、High
レベルのリセット信号Seを出力するコンパレータ30
aと、RSフリップフロップ28からの通電遮断信号S
c(Highレベル)を受けてオン状態となり、コンデンサ
C1 に蓄積された電荷を放電させるNPN型バイポーラ
トランジスタ(以下単にトランジスタという)Q1 とか
ら構成されている。
【0039】従って、この頻度監視解除タイマ30で
は、RSフリップフロップ28から通電遮断信号Sc
(Highレベル)が出力されて、トランジスタTr1,Tr3
が強制的にオフされているときに、トランジスタQ1 が
オンして、コンデンサC1 が放電され、RSフリップフ
ロップ28からの通電遮断信号Sc(Highレベル)の出
力が停止され、トランジスタTr1,Tr3の強制オフが解
除されると、トランジスタQ1 がオフして、コンデンサ
C1 が一定の時定数にて充電される。
【0040】そして、このコンデンサC1 の充電時に、
コンデンサC1 の両端電圧Vdが基準電圧V1 に達する
までの間は、コンパレータ30aからLow レベルのリセ
ット信号Seが出力され、コンデンサC1 の両端電圧V
dが基準電圧V1 に達すると(換言すれば、コンデンサ
C1 の充電時間が基準電圧V1 に対応した解除時間に達
すると)、コンパレータ30aからHighレベルのリセッ
ト信号Seが出力される。
【0041】なお、このリセット信号Seは、OR回路
34の一方の入力端子に入力される。また、OR回路3
4の他方の入力端子には、解除信号入力端子40及びN
OT回路41を介して外部からの解除信号がNOT回路
41を介して入力される。そして、OR回路34は、こ
れら2つの入力端子に入力されたリセット信号Se及び
解除信号の内、少なくとも一方がHighレベルであると
き、頻度監視タイマ32にHighレベルの信号を入力す
る。
【0042】次に頻度監視タイマ32は、本発明の頻度
監視手段を構成する第1のタイマ手段に相当するもので
あり、充放電用のコンデンサC2 と、内部の電源電圧
(定電圧)を受けて、コンデンサC2 を一定の時定数に
て充電する抵抗器R2 と、コンデンサC2 の両端電圧V
fと基準電圧V2 とを比較し、コンデンサC2 の両端電
圧Vfが基準電圧V2 以上であるときに、Highレベルの
保持信号Sgを出力するコンパレータ32aと、OR回
路34からの入力信号がHighレベルであるときオン状態
となり、コンデンサC2 に蓄積された電荷を放電させる
NPN型バイポーラトランジスタ(以下単にトランジス
タという)Q2 とから構成されている。
【0043】従って、この頻度監視タイマ32では、頻
度監視解除タイマ30からHighレベルのリセット信号S
eが出力されるか、外部から解除信号入力端子40にLo
w レベルの解除信号が入力されると、OR回路34から
の出力信号(Highレベル)により、トランジスタQ2 が
オンして、コンデンサC2 が放電され、頻度監視解除タ
イマ30からのリセット信号がLow レベルであり、外部
から解除信号入力端子40に入力される解除信号がHigh
レベルであるとき、OR回路34からの出力信号(Low
レベル)により、トランジスタQ2 がオフして、コンデ
ンサC2 が一定の時定数にて充電される。
【0044】そして、このコンデンサC2 の充電時に、
コンデンサC2 の両端電圧Vfが基準電圧V2 に達する
までの間は、コンパレータ32aからLow レベルの保持
信号Sgが出力され、コンデンサC2 の両端電圧Vfが
基準電圧V2 に達すると(換言すれば、コンデンサC2
の充電時間が基準電圧V2 に対応した監視時間に達する
と)、コンパレータ32aからHighレベルの保持信号S
gが出力される。
【0045】次に、RSフリップフロップ36は、本発
明頻度監視手段を構成する保持手段に相当するものであ
り、そのセット端子Sには、頻度監視タイマ32からの
保持信号Sgが入力される。そして、RSフリップフロ
ップ36は、この保持信号SgがHighレベルとなって、
セットされると、出力端子QからHighレベルの通電遮断
信号Shを発生し、これをOR回路38を介して、OR
回路21,23及びNOR回路22,24に夫々出力す
ることにより、トランジスタTr1〜Tr4を強制的にオフ
させる。
【0046】なお、RSフリップフロップ36のリセッ
ト端子Rには、外部から解除信号入力端子40に入力さ
れた解除信号がNOT回路41を介して入力され、解除
信号がLow レベルとなったときにリセットされて、通電
遮断信号Sh(Highレベル)の出力を停止する。また、
この通電遮断信号Sh(Highレベル)をOR回路21,
23及びNOR回路22,24に夫々出力するOR回路
38の他方の入力端子にも、NOT回路41を介して外
部から解除信号入力端子40に入力された解除信号が入
力される。
【0047】次に、上記のように構成された本実施例の
過電流保護回路の動作を、図2〜図4に示すタイムチャ
ートを用いて説明する。なお、以下の説明において、解
除信号入力端子40は、Highレベルに保持されているも
のとする。図2に示す如く、スロットル開度を目標開度
に制御するPWM制御を実行しているときに、例えば、
時点t0 にて、端子AとDCモータ10とを接続するワ
イヤハーネスがGNDに短絡すると、トランジスタTr1
に流れる電流が急上昇し、それに応じて抵抗器Rsの両
端電圧VRSも急上昇する。そして、この電圧VRSが過電
流判定用の基準電圧VT に達すると、コンパレータ26
にてその旨(つまり過電流)が検出されて、検出信号S
aがHighレベルになる(時点t1 )。
【0048】すると、この検出信号Saにより、RSフ
リップフロップ28がセットされて、RSフリップフロ
ップ28からHighレベルの通電遮断信号Scが出力さ
れ、トランジスタTr1,Tr3の駆動信号O1 ,O3がHig
hレベルとなって、これら各トランジスタTr1,Tr3が
オフ状態となる。この結果、トランジスタTr1は過電流
から保護される。
【0049】次に、RSフリップフロップ28は、パル
ス発生回路12からのパルス信号Sbによりリセットさ
れることから、時点t1 にて一旦過電流保護に入って
も、このパルス信号Sbにより設定される保護時間経過
後には、通電遮断信号ScはLow レベルに復帰する。す
ると、トランジスタTr1は、PWM制御回路16からの
出力により再びオン状態になるため、トランジスタTr1
に過電流が流れ、その旨がコンパレータ26にて検出さ
れて、RSフリップフロップ28から再度Highレベルの
通電遮断信号Scが出力されて、トランジスタTr1,T
r3が強制オフされる。そして、その後は、RSフリップ
フロップ28がパルス発生回路12からのパルス信号に
よりリセットされることから、上記過電流保護の動作が
繰返し実行され、トランジスタTr1は周期的にオン/オ
フされることになる。
【0050】なお、このように時点t1 で過電流保護の
動作に入ると、DCモータ10は駆動されず、スロット
ル開度は、アクセルペダルの踏込量に応じた最大開度と
なるため、PWM制御回路16からはトランジスタTr4
をオンし続けるためのデューティ比100%のパルス幅
変調信号が出力され、トランジスタTr3,Tr4の駆動信
号O3 ,O4 はHighレベルに保持される。
【0051】一方、上記のように時点t1 にてRSフリ
ップフロップ28から通電遮断信号Sc(Highレベル)
が出力されると、頻度監視解除タイマ30内のコンデン
サC1 が放電され、頻度監視解除タイマ30からの出力
(リセット信号Se)がLowレベルとなるため、頻度監
視タイマ32のトランジスタQ2 がオフ状態となって、
コンデンサC2 が、このコンデンサC2 の容量と抵抗器
R2 の抵抗値とで決定される一定の時定数にて充電され
る。
【0052】またRSフリップフロップ28は、通電遮
断信号Sc(Highレベル)の出力を開始した後、パルス
発生回路12からのパルス信号Sbによりリセットされ
て、その出力を停止するが、端子AとDCモータ10と
を接続するワイヤハーネスが短絡している場合には、上
記のようにコンパレータ26にて過電流が検出されて、
再びセットされ、通電遮断信号Sc(Highレベル)の出
力を短時間で再開する。従って、頻度監視解除タイマ3
0内のコンデンサC1は、パルス発生回路12からのパ
レス信号SbによりRSフリップフロップ28がリセッ
トされた後、コンパレータ26にて過電流が検出される
までの短時間の間、コンデンサC1の容量と抵抗器R1
の抵抗値とで決定される一定の時定数にて充電されるも
のの、その両端電圧Vdが基準電圧V1に達することは
ない。
【0053】このため、端子AとDCモータ10との間
のワイヤハーネスが短絡して過電流保護回路が過電流保
護動作に入ると(時点t1 )、その後、頻度監視タイマ
32のコンデンサC2 の両端電圧Vfが基準電圧V2 に
対応した所定の監視時間に達した時点t2 で、頻度監視
タイマ32から保持信号Sg(Highレベル)が出力され
ることになる。
【0054】そして、この保持信号Sgにより、RSフ
リップフロップ36がセットされることから、時点t2
以降、OR回路21,23及びNOR回路22,24に
は、通電遮断信号Sh(Highレベル)が入力され、駆動
回路6を構成する4個のトランジスタTr1〜Tr4が全て
オフ状態に保持されることになる。
【0055】なお、各トランジスタTr1〜Tr4をオフ状
態に保持する保持動作は、RSフリップフロップ36が
解除信号入力端子40に入力される解除信号がLow レベ
ルとなるまで保持される。つまり、過電流保護回路が各
トランジスタTr1〜Tr4をオフ状態に保持する保持動作
に入った時点t2 以降に、時点t3 にて、頻度監視解除
タイマ30内のコンデンサC1 の両端電圧Vdが基準電
圧V1 に達したとしても、解除信号入力端子40のレベ
ルを一旦Low レベルにて頻度監視タイマ32及びRSフ
リップフロップ36をリセットするまでは、保持動作が
継続される。
【0056】次に、図3に示すように、端子AとDCモ
ータ10との間のワイヤハーネスのGNDへの短絡が、
エンジンやこのエンジンを搭載した車両の振動等によっ
て、間欠的に解消するような場合には、過電流保護回路
が一旦過電流保護動作に入っても、その正常復帰期間
(時点t11〜t12)中には、コンパレータ26にて、一
時的に過電流が検出されなくなる。
【0057】そして、このときトランジスタTr1〜Tr4
をオフ状態に保持する保持動作に入っていなければ、正
常復帰期間中、駆動装置は、通常のPWM制御に復帰す
るが、端子AとDCモータ10との間のワイヤハーネス
が再度GNDに短絡した時点t12で、トランジスタTr1
に過電流が流れるようになるため、電流立上がり後の時
点t13以降、過電流保護回路は、再び過電流保護動作に
入る。
【0058】一方、こうした一時的な正常復帰期間(時
点t11〜t12)は短いことから、この復帰期間中に、頻
度監視解除タイマ30内のコンデンサC1 の両端電圧V
dが基準電圧V1 に達することはなく、従って、頻度監
視タイマ32内のコンデンサC2 が放電されることはな
い。
【0059】この結果、頻度監視タイマ32内のコンデ
ンサは、ワイヤハーネスが最初に短絡して、過電流が検
出されてから、連続的に充電されることになり、過電流
保護回路は、最初の過電流検出後、所定の監視時間が経
過した時点t14で、トランジスタTr1〜Tr4をオフ状態
に保持する保持動作に入ることになる。
【0060】つまり、本実施例の過電流保護回路では、
端子AとDCモータ10とを接続するワイヤハーネスの
GNDへの短絡が何回解消されても、その一回毎の継続
時間が頻度監視解除タイマ30内のコンデンサC1 の両
端電圧Vdが基準電圧V1 になるのに要する解除時間よ
りも短いときには、最初に過電流を検出してから、トラ
ンジスタTr1〜Tr4をオフ状態に保持するまでの時間が
変化することはなく、この時間は、頻度監視タイマ32
のコンデンサC2 を基準電圧V2 まで充電するのに要す
る一定時間(監視時間)となる。
【0061】従って、本実施例の過電流保護回路によれ
ば、上記のように、ワイヤハーネスの短絡異常が振動等
によって一時的に解消されるような場合でも、その異常
を確実に判定して、トランジスタTr1〜Tr4をオフ状態
に保持することができ、トランジスタTr1〜Tr4を過電
流から確実に保護することが可能になる。
【0062】一方、本実施例の過電流保護回路におい
て、ノイズ等によって、トランジスタTr1に過電流が流
れ、コンパレータ26にてその旨が判定された場合に
は、上記と同様に、トランジスタTr1,Tr3を強制的に
オフする過電流保護に入るが、こうした一時的な異常発
生時には、過電流保護に入っても直ぐに正常に復帰し、
その後正常状態が継続されることになる。
【0063】そして、本実施例の過電流保護回路では、
図4に示す如く、正常復帰してからの経過時間(時点t
21以降の経過時間)は、RSフリップフロップ28が通
電遮断信号Sc(Highレベル)の出力を解除した後の経
過時間をコンデンサC1 への充電により計時する頻度監
視解除タイマ30にて計時され、その計時時間が解除時
間に達して、そのコンデンサC1 の両端電圧Vdが基準
電圧V1 以上になると(時点t22)、頻度監視タイマ3
2にリセット信号Se(Highレベル)が入力されて、ト
ランジスタQ2 がオンし、頻度監視タイマ32内のコン
デンサC2 が速やかに放電される。
【0064】そして、この状態は、コンパレータ26に
て次に過電流が検出されて、RSフリップフロップ28
から通電遮断信号Scが出力されるまで、継続される。
従って、本実施例の過電流保護回路によれば、ノイズ等
によってトランジスタTr1に過電流が流れた場合のよう
に、一時的な異常発生時には、トランジスタTr1〜Tr4
をオフ状態に保持する保持動作に移行することはなく、
DCモータ10を継続して駆動制御することができるよ
うになる。
【0065】なお、図5に示すように、頻度監視タイマ
32においてコンデンサC2 の両端電圧Vfが基準電圧
V2 に達するまでの監視時間△t2が、頻度監視解除タ
イマ30においてコンデンサC1 の両端電圧Vdが0V
から基準電圧V1 に達するまでの解除時間△t1 に、過
電流検出後にRSフリップフロップ28が通電遮断信号
Scを出力する保持時間△tdを加えた時間(△t1 +
△td)よりも短い場合には、リセット信号Seによっ
て頻度監視タイマ32をリセット(つまりコンデンサC
2 を放電)することができず、過電流を1回検出しただ
けで各トランジスタTr1〜Tr4をオフ状態に保持する保
持動作に入ってしまうことになる。
【0066】従って、本実施例の過電流保護回路を実現
する際には、頻度監視解除タイマ30及び頻度監視タイ
マ32においてコンデンサC1 ,C2 を充電する際の時
定数、つまりコンデンサC1 ,C2 の容量及び抵抗器R
1 ,R2 の抵抗値を、少なくとも、監視時間△t2 が、
解除時間△t1に保持時間△tdを加えた時間(△t1+
△td)よりも長くなる{(△t1+△td)<△t
2}ように、設定する必要はある。
【0067】そして、保持時間△tdは、パルス発生回
路12からのパルス信号Sbにより決定されることか
ら、より確実には、少なくとも、監視時間△t2 が、解
除時間△t1 にパルス発生回路12からのパルス信号S
bの発生周期(換言すれば駆動装置側のPWM信号の発
生周期)△tRを加えた時間(△t1 +△tR)よりも
長くなる{(△t1+△tR)<△t2}ように、頻度
監視解除タイマ30及び頻度監視タイマ32内のコンデ
ンサC1 ,C2 の充電時定数を設定すればよい。
【0068】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例で
は、バッテリ2側の通電経路に電流検出用の抵抗器Rs
を設けることにより、Hブリッジを構成する正極側のト
ランジスタTr1,Tr3に流れる過電流を検出できるよう
にし、過電流検出時には、このトランジスタTr1,Tr3
を同時に強制オフして、過電流から保護するものについ
て説明したが、図6に示すように、DCモータ10の通
電経路のGND側にも電流検出用の抵抗器RSGを設け、
この両端電圧VRSG と基準電圧VTGとを検出手段として
のコンパレータ52にて判定し、VRSG ≧VTGであると
きに、保護手段としてのRSフリップフロップ54をセ
ットして、RSフリップフロップ54からの通電遮断信
号により、Hブリッジを構成する負極側のトランジスタ
Tr2,Tr4を強制オフするようにすれば、端子A或いは
端子BとDCモータ10とを接続するワイヤハーネスが
バッテリ2の正極端子側に短絡した場合にトランジスタ
Tr2,Tr4に流れる過電流を検出して、これらトランジ
スタTr2,Tr4を過電流から保護することも可能にな
る。
【0069】そしてこの場合、RSフリップフロップ2
8からの通電遮断信号Scと、RSフリップフロップ5
4からの通電遮断信号とを、OR回路56を介して、頻
度監視解除タイマ30に入力するようにすれば、端子A
或いは端子BとDCモータ10とを接続するワイヤハー
ネスが、GNDに短絡した場合であっても、またバッテ
リ2の正極端子側に短絡した場合であっても、その短絡
異常を判定して、各トランジスタTr1〜Tr4をオフ状態
に保持する保持動作に移行することができるようにな
り、各トランジスタTr1〜Tr4をより確実に過電流から
保護することが可能になる。
【0070】なお、図6は、図1に示した上記実施例の
駆動装置に、上記説明した抵抗器RSG,コンパレータ5
2,RSフリップフロップ54,OR回路56を設けた
駆動装置を表わし、これら各部以外の構成は、図1と全
く同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0071】一方、このように通電経路のGND側にも
過電流検出用の抵抗器RSGを設けて、ワイヤハーネスが
バッテリ2の正極端子側に短絡した際の過電流保護をも
良好に実行できるようにした場合、保護手段としてのコ
ンパレータ26,54から出力される通電遮断信号をO
R回路56を介して頻度監視解除タイマ30に入力する
必要があるが、例えば、こうした過電流保護回路を含む
駆動装置をIC化する場合には、端子配列等の影響で、
RSフリップフロップ28,54からの出力と頻度監視
解除タイマ30付近に設けたOR回路56とを接続する
配線を形成することが極めて難しくなることも考えられ
る。
【0072】そこで、このような場合には、例えば図7
に示す如く、コンパレータ26,52からの出力、及
び、パルス発生回路12からの出力を、夫々、頻度監視
解除タイマ30近傍まで配線すると共に、頻度監視解除
タイマ30近傍に、OR回路56と、RSフリップフロ
ップ60とを設け、コンパレータ26,52からの出力
(つまり過電流検出信号)をOR回路56に入力し、更
に、このOR回路56の出力をRSフリップフロップ6
0のセット端子Sに、パルス発生回路12からの出力を
RSフリップフロップ60のリセット端子Rに、夫々入
力して、RSフリップフロップ60の出力を、頻度監視
解除タイマ30に入力するようにしてもよい。
【0073】つまり、本実施例の過電流保護回路は、こ
のように構成しても、頻度監視解除タイマ30にて正常
時の動作時間を計時することができるため、図6に示し
た装置と同様の効果を得ることができる。そして、この
場合、過電流保護回路を含む駆動装置をIC化する際
に、RSフリップフロップ28,54からの出力を頻度
監視解除タイマ30付近まで配線する必要はないため、
RSフリップフロップ60を別途設ける必要があるもの
の、IC化を容易に図ることができるようになる。な
お、こうしたIC化のための回路変更は一例であって、
実際に駆動装置を構成する上で、製造コスト、ICの大
きさ等を考慮して適宜行なえば良い。
【0074】また次に、上記実施例では、頻度監視解除
タイマ30,及び頻度監視タイマ32に、夫々、コンデ
ンサC1 ,C2 の充電回路によって、解除時間,監視時
間を夫々計時するタイマ回路を用いるものとして説明し
たが、これら各タイマ30,32には、外部から所定周
期で入力されるクロック信号をカウントして、そのカウ
ント値から時間を計時するデジタルタイマを使用するこ
ともできる。
【0075】そして、例えば、頻度監視解除タイマ30
をデジタルタイマで実現する場合には、図8(a)に示
すように、デジタルタイマのクリア端子CLRに、RS
フリップフロップ28から出力される通電遮断信号Sc
を入力し、デジタルタイマのクロック端子CLKにパル
ス発生回路12から周期的に出力されるパルス信号Sb
を入力するようにし、デジタルタイマを、パルス信号S
bのカウント値が所定値(例えば値4)に達した時点
で、出力端子Qからリセット信号Se(Highレベル)を
出力するように構成すればよい。
【0076】つまり、頻度監視解除タイマ30をこのよ
うに構成した場合、図8(b)に示すように、頻度監視
解除タイマ30は、RSフリップフロップ28から通電
遮断信号Sc(Highレベル)が出力される度にクリアさ
れ、RSフリップフロップ28からの通電遮断信号Sc
の出力が停止して、その停止時間が、パルス発生回路1
2からパルス信号Sbが所定数(例えば4個)出力され
る時間に達した時点(図に示す)で、Highレベルのリ
セット信号Seを出力するようになる。
【0077】従って、図9に示すように、ワイヤハーネ
スがGNDに短絡している場合に、その短絡状態が間欠
的に解消されるような場合であっても、その正常復帰時
間が、パルス発生回路12から出力されるパルス信号S
bの所定数分(つまり解除時間)に達しない場合には、
出力端子Qからリセット信号Se(Highレベル)が出力
されることはなく、上記実施例と同様、頻度監視タイマ
32による計時を継続させることができる。
【0078】一方、上記実施例では、DCモータ10の
駆動装置に本発明の過電流保護回路を適用した場合につ
いて説明したが、本発明は、トランジスタ、サイリスタ
等のスイッチング素子をオン/オフさせて、電気負荷の
通電・非通電を切り換える駆動装置であれば、例えば、
DCモータやソレノイド等のアクチュエータを駆動する
駆動装置であっても、またDC−DCコンバータ等の電
圧用の駆動装置であっても、適用することができる。
【0079】また更に、上記実施例では、トランジスタ
の過電流を検出するために、電気負荷(つまりDCモー
タ)の通電経路に設けた抵抗器を用いて、トランジスタ
に流れる電流を検出するように構成したが、電気負荷駆
動用のスイッチング素子として使用される所謂パワート
ランジスタには、電流検出用の抵抗器や通過電流による
発熱を検出する温度センサを内蔵したものもあるため、
こうしたトランジスタの過電流保護を行なう際には、電
気負荷の通電経路に電流検出用抵抗器を設ける必要はな
く、そのトランジスタの電流検出機能を利用して、過電
流を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の過電流保護回路を備えたDCモータ
の駆動装置全体の構成を表わす概略構成図である。
【図2】 短絡異常発生時の過電流保護回路の動作を表
わすタイムチャートである。
【図3】 短絡異常が間欠的に解消する場合の過電流保
護回路の動作を表わすタイムチャートである。
【図4】 過電流が一時的に発生した場合の過電流保護
回路の動作を表わすタイムチャートである。
【図5】 頻度監視解除タイマと頻度監視タイマとの計
時時間の関係を説明する説明図である。
【図6】 図1の回路にGND側の過電流検出機能を追
加した過電流保護回路の構成を表わす概略構成図であ
る。
【図7】 図6に示した過電流保護回路の他の構成例を
表わす概略構成図である。
【図8】 頻度監視解除タイマにデジタルタイマを使用
する場合の説明図である。
【図9】 図8のデジタルタイマを使用した場合の過電
流保護回路の動作を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
2…バッテリ 4…イグニッションスイッチ 10
…DCモータ 12…パルス発生回路 14…三角波発生回路 1
6…PWM制御回路 21,23…OR回路 22,24…NOR回路 26…コンパレータ(検出手段) 28…RSフリップ
フロップ(保護手段) 30…頻度監視解除タイマ(第2のタイマ手段) 32…頻度監視タイマ(第1のタイマ手段) 34…
OR回路 36…RSフリップフロップ(保持手段) 38…O
R回路 40…解除信号入力端子 41…NOT回路 52…コンパレータ(検出手段) 54…RSフリップ
フロップ(保護手段) 56…OR回路 60…RSフリップフロップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H02P 3/08 H02P 3/08 A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48 G01R 19/00 H02H 3/087 H02H 7/20 H02M 3/00 H02P 3/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気負荷の通電経路を導通・遮断するス
    イッチング素子に流れる所定電流値以上の過電流を検出
    する検出手段と、 該検出手段にて過電流が検出されると、所定の保護時間
    だけ前記スイッチング素子を強制的にオフする保護手段
    と、 該保護手段が前記スイッチング素子をオフする頻度を監
    視し、該頻度が所定度合以上に大きくなると、前記スイ
    ッチング素子を強制的にオフして、該オフ状態を保持す
    る頻度監視手段と、 を備えた過電流保護回路において、 前記頻度監視手段が、 前記保護手段が前記スイッチング素子を一旦オフする
    と、その後の経過時間を計時し、該経過時間が予め設定
    された監視時間に達すると、前記スイッチング素子をオ
    フ状態に保持する保持指令を発生する第1のタイマ手段
    と、 前記保護手段が前記保護時間の経過に伴い前記スイッチ
    ング素子を強制的にオフする指令を解除する度に、その
    後、前記検出手段にて過電流が検出されるまでの正常時
    の経過時間を計時し、該正常時の経過時間が、前記監視
    時間から前記保護時間を減じた時間よりも短い所定の解
    除時間に達したときに、前記第1のタイマ手段をリセッ
    トして該第1のタイマ手段による計時を停止させる第2
    のタイマ手段と、 前記第1のタイマ手段からの保持指令により前記スイッ
    チング素子をオフして、該オフ状態を保持する保持手段
    と、 を備えたことを特徴とする過電流保護回路。
  2. 【請求項2】 過電流保護回路は、前記スイッチング素
    子をパルス幅変調信号にてオン・オフさせて前記電気負
    荷をデューティ駆動する駆動装置に設けられ、 前記保護手段は、該駆動装置において前記パルス幅変調
    信号を生成するのに使用される一定周期のクロック信号
    に基づき、前記スイッチング素子を強制的にオフした後
    のオフ状態の解除タイミングを設定することを特徴とす
    る請求項1に記載の過電流保護回路。
  3. 【請求項3】 過電流保護回路は、前記スイッチング素
    子として、前記電気負荷への給電用2端子と直流電源の
    正極側との間に夫々設けられた一対の正極側スイッチン
    グ素子と、該給電用2端子と直流電源の負極側との間に
    夫々設けられた一対の負極側スイッチング素子とを備
    え、正極側及び負極側の各一対のスイッチング素子のオ
    ン状態の組み合せにより、前記電気負荷に流れる電流方
    向を双方向に切り換え可能な駆動装置に設けられ、 前記検出手段は、前記一対の正極側スイッチング素子の
    いずれかに流れる過電流を検出する正極側検出手段と、
    前記一対の負極側スイッチング素子のいずれかに流れる
    過電流を検出する負極側検出手段と、からなり、 前記保護手段は、前記正極側検出手段にて過電流が検出
    されると前記一対の正極側スイッチング素子を前記保護
    時間だけ強制的にオフする正極側保護手段と、前記負極
    側検出手段にて過電流が検出されると前記一対の負極側
    スイッチング素子を前記保護時間だけ強制的にオフする
    負極側保護手段と、からなり、 前記頻度監視手段において、前記第1のタイマ手段は、
    前記正極側保護手段及び負極側保護手段の少なくとも一
    方がスイッチング素子を一旦オフした後の経過時間を計
    時し、前記第2のタイマ手段は、前記スイッチング素子
    の強制オフ解除後に前記正極側保護手段及び負極側保護
    手段のいずれかで過電流が検出されるまでの経過時間を
    計時することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の過電流保護回路。
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