JP3260188B2 - 屋根構造 - Google Patents

屋根構造

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鎮雄 嵐
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株式会社アイジー技術研究所
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  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加工が容易で、しかも簡
単かつ迅速に施工でき、更に施工後の外観が従来にない
意匠性を有する段付き屋根の屋根構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種構造を形成する屋根材とし
ては長尺状の瓦棒葺屋根、平葺屋根、長尺金属瓦、等種
々存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、長尺状
の瓦棒葺屋根は施工、防水性の点においては良好である
ものの単調な外観であるため意匠性に劣る欠点があっ
た。また、平葺屋根は割り付けが面倒であり、かつ横方
向の連結は非常に難しく、施工に熟練を要した。さらに
平葺屋根は立体感に欠け、特に長尺の場合は重く、高所
作業による危険があった。また、プレスにより形成した
長尺金属瓦は段付きのため、加工が難しく、更に横桟等
の屋根下地の形成が不可欠であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような欠点
を除去するため、略菱形状の板体の上部側の2辺には表
面側に折り返した係止片と、係止片の先端を裏面側に折
り返して延長した固定片とを形成し、下部側の2辺には
内方に屈曲し、再び外方に折り返して形成した挿入溝を
形成した化粧面部材と、先端に上記挿入溝と嵌合固着す
る引掛爪を形成した前記化粧面部材の下部側の2辺と同
じ長さの挿入片と、挿入片の他方先端を下方に屈曲する
と共に上部側から下部側に向かって高さが暫増した側壁
と、側壁の下端を内方に屈曲して形成した係合片とから
なる係合部材を化粧面部材の挿入溝に係合一体化した屋
根材からなる構造であり、上部側の2辺は固定片を固定
具を介して屋根下地に固着され、下部側の係合片は下段
の屋根材の係止片に挿入されて固定されている屋根構造
としたので、化粧面が略菱型状でほど良い段差を有する
屋根となり、加工を必要とせず、しかも従来にない意匠
性を向上し、さらに、防水性も完璧な屋根構造を提案す
るものである。
【0005】
【実施例】以下に図面を用いて本発明に係る屋根構造に
ついて詳細に説明する。図1(a)、(b)は本発明に
係る屋根構造を示す斜視図と端面図であり、Aは屋根
材、Bは軒先唐草、Cは固定具である。
【0006】さらに詳説すると、屋根材Aは図2
(a)、(b)および図2のイ−イ線部分拡大端面図で
ある図4(a)、(b)に示すように、化粧面部材6と
係合部材11とから形成されるものであり、化粧面部材
6は略菱形状の化粧面1aと、上部側の2辺を上方にハ
ゼ状に屈曲した係止片2と、係止片2の先端を再び折り
返して延長した固定片3とから形成した上部連結部4
と、下部側の2辺を内方に屈曲し、再び外方に折り返し
た挿入溝5とから形成したものである。
【0007】また、係合部材11は図1(a)、
(b)、図3(a)、並びに係合部材11を反転した図
3(b)に示す通り、先端に上記挿入溝5と嵌合固着す
る引掛爪7を形成した挿入片8と、該挿入片8の他方先
端を下方に屈曲した側壁9と、該側壁9は上部側から下
部側に向かって高さが暫増するものとし、また上記側壁
9の下端を内方に屈曲して形成した係合片10とからな
り、化粧面部材6と別部材とすることで、加工性が大幅
に向上するものである。
【0008】固定片3は図1に示すように、屋根下地α
に釘等の固定具Cにより固定される部分である。さら
に、係止片2は係合部材11の係合片10を係止して、
下端を固定する部分である。また、側壁9は屋根材Aを
施工した際に、段差を形成する部分であり、屋根の外観
に立体感を付与し、意匠性の向上に役立つものである。
なお、図2では固定片3の先端には上方に折り返した舌
片3aを形成し、施工の際の危険防止、雨返しとして機
能させるものである。
【0009】また、図2並びに図4に示すように上部連
結部4並びに、化粧面部材6の隅部に相当する中央部4
a、6aは、切り込みを一切入れず屈曲加工のみにて形
成したので、中央部4a、6aに浸入した雨水が屋根下
地α側に流出することがなく、防水性が確実となるもの
である。
【0010】化粧面部材6及び、係合部材11を別部材
としたため、プレス加工が容易となり、生産性が大きく
向上し、さらに両部材に違った色を採用することで、ア
クセントとして機能させ、新規な外観印象を得ることが
できるものである。
【0011】なお、屋根材Aは金属製板材よりなり、例
えば表面処理鋼板、フッ素塗膜鋼板、亜鉛・ニッケル合
金メッキ鋼板、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、チタン鋼
板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、アルミニウ
ム複合板、ステンレス鋼板、クラッド鋼板、制振鋼板等
の金属薄板の1種以上からなるものである。
【0012】さらに、図5、図7に示すようなバックア
ップ材Dを屋根材Aと屋根下地α間に介在した構造とす
ることもできる。すなわち、バックアップ材Dは図5に
示すように屋根材Aと略同一形状に形成したものであ
り、図6に示すようにその接着面12を屋根板Aの裏面
に貼着して形成することもできる。また、バックアップ
材Dの素材としては、外力に対して変形度合いが少ない
剛性のあるものであれば良く、硬質の合成樹脂発泡体、
シージングボード、シージングインシュレーションボー
ド、石膏ボード、合板等よりなるものであり、その機能
としては、側壁9により段差を形成したため、この段差
が屋根に上がった人の自重により変形するのを防止する
嵩上げ材(バックアップ材)的機能、断熱性、耐火性、
防音性、遮音性等を向上するためのものである。もちろ
ん、屋根下地αにバックアップ材Dを敷設固定した後
に、屋根板Aを施工することもできるものである。
【0013】また図1、図8(a)および、図8(a)
のロ−ロ線端面図である図8(b)に示す下端用屋根材
1 は、二等辺三角形状の化粧面13と、下端を内方に
屈曲した係合片14と、上部側の2辺を外方に屈曲した
係止片15と、係止片15の先端を延長した固定片16
よりなるものであり、図1(a)に示すような軒先唐草
Bのスタート片17に係合片14を引っ掛けると共にか
しめて一体化し、固定片16を図1に示すように、屋根
下地αに釘等の固定具Cにより固定するものである。さ
らに、係止片15は第1段目の屋根材Aの係合片10を
係止して連結するスタート材的機能をはたすものであ
る。
【0014】次に図9(a)および、図9(a)のハ−
ハ線端面図である(b)に示す下端用屋根材A2 は、化
粧面部材6と係合部材11を分離して成形したもので、
屋根材Aと同様の加工手段を用いたものである。
【0015】また、図10(a)、(b)は軒先唐草B
を示す一部切り欠き斜視図であり、(b)は段差対応型
のスタート片18を形成したものである。
【0016】次に本発明に係る屋根構造の施工例につい
て簡単に説明する。そこで、屋根材Aとしては0.35
mm厚のカラー鋼板よりなる屋根材Aとし、下端用屋根
材A 1 並びに、軒先唐草Bとしては上記屋根材Aと同一
材よりなるもの、固定具Cとしてはステンレス製釘より
なるものを使用し、屋根下地αはアスファルトフェルト
まで既に形成されているものとする。
【0017】まず、屋根下地αの軒先に図10(a)に
示すような長尺状の軒先唐草Bを固定具Cを介して連続
状で固定する。軒先への軒先唐草Bの形成が完了した
ら、図8に示すような下端用屋根材A1 の係合片14を
軒先唐草Bのスタート片17に引っ掛けると共に、つか
みによりかしめて一体化し、上端の固定片16を固定具
Cを介して屋根下地αに固定して下端用屋根材A1 を軒
先に複数個固定する。
【0018】このような工程を桁方向に順次行い、下端
用屋根材A1 の固定が全て完了したら、第1段目の屋根
材Aの係合片10を下端用屋根材A1 の係止片15に係
止し、上端の固定片3を固定具Cを介して屋根下地αに
固定する。第1段目の屋根材Aの取り付けが全て完了し
たら、第2段目の屋根材Aの係合片10を第1段目の屋
根材Aの係止片2に係止し、上端の固定片3を固定具C
で屋根下地αに固定する。このような工程を順次棟まで
行うことにより、本発明に係る屋根構造を形成するもの
である。
【0019】以上、説明したのは、本願発明に係る一実
施例にすぎず、バックアップ材Dを7図(a)〜(e)
に示すように形成することもできる。すなわち、(a)
図は4つのバックアップ材Dを菱形状に形成した場合、
(b)図は(a)図を2連直列に配置した場合、(c)
図は(b)図を2連平行に配置した例、(d)図は
(a)図において上下、左右に相决りを形成した場合、
(e)図は(a)図に示した配列で角部をすべて面取り
し長方形状に形成した例を示すものである。
【0020】
【発明の効果】上述したように本発明に係る屋根構造に
よれば、略菱形状の化粧面を有し、側壁により段差を
形成した屋根材を使用したため、従来にない意匠性の向
上した屋根を形成できる。屋根材は本体を化粧面部材
と係合部材の2部材としたため、プレス加工が容易とな
りコストを大幅に下げることができる。また同様に、
2部材としたため、好みに応じて、側壁の色を変えて葺
成することが可能である。屋根材は本体の固定片を直
接、釘等で屋根下地に固定するので固定が確実となると
共に、別途固定のための吊り子材を必要とせず、施工性
が向上する。上部連結部並びに化粧面部材及び、係合
部材の隅部に切り込みを入れず折り重ねたため、防水性
が大幅に向上する。下端側の2辺に段差を形成した屋
根材を使用したため、菱形状で段差の明確な外装構造と
なる。屋根材を施工するための割り付けを必要とせ
ず、施工が楽である。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る屋根構造の代表例を示す斜視図と
端面図である。
【図2】屋根材の一例を示す斜視図である。
【図3】係合部材の一例を示す斜視図である。
【図4】屋根材の一例を示す部分拡大端面図である。
【図5】バックアップ材の一例を示す斜視図である。
【図6】屋根材にバックアップ材を接着した場合を示す
端面図である。
【図7】バックアップ材のその他の例を示す斜視図であ
る。
【図8】下端用屋根材の一例を示す説明図である。
【図9】下端用屋根材のその他の例を示す説明図であ
る。
【図10】軒先唐草の例を示す一部切り欠き斜視図であ
る。
【符号の説明】
A 屋根材 B 軒先唐草 C 固定具 D バックアップ材 α 屋根下地 1 菱型状の板体 2 係止片 3 固定片 4 上部連結部 5 挿入溝 6 化粧面部材 7 引掛爪 8 挿入片 9 側壁 10 係合片 11 係合部材 12 接着面 13 化粧面 14 係合片 15 係止片 16 固定片 17 スタート片 18 段差対応型スタート片

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略菱形状の板体の上部側の2辺には表面
    側に折り返した係止片と、該係止片の先端を裏面側に折
    り返して延長した固定片とを形成し、下部側の2辺には
    内方に屈曲し、再び外方に折り返して形成した挿入溝を
    形成した化粧面部材と、先端に上記挿入溝と嵌合固着す
    る引掛爪を形成した前記化粧面部材の下部側の2辺と同
    じ長さの挿入片と、該挿入片の他方先端を下方に屈曲す
    ると共に上部側から下部側に向かって高さが暫増した側
    壁と、該側壁の下端を内方に屈曲して形成した係合片と
    からなる係合部材を化粧面部材の挿入溝に係合一体化し
    た屋根材からなる構造であり、上部側の2辺は固定片を
    固定具を介して屋根下地に固着され、下部側の係合片は
    下段の屋根材の係止片に挿入されて固定されていること
    を特徴とする屋根構造。
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