JP3189233B2 - 縦目地構造 - Google Patents

縦目地構造

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寿衛 小関
聖一 富田
雅彦 阿部
英喜 滝口
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株式会社アイジー技術研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築、構築物に用いる硬
質壁材(以下、単に壁材という)の長手方向における突
き合わせ、すなわち縦目地部の構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に無機系の材料からなる壁材を用い
て横張り状に壁体を形成した際には、壁材の長手方向の
突き合わせによる継目、所謂縦目地が形成され、図12
に示すように、躯体αに壁材Gを張った後に、この壁材
G間の縦目地にバックアップ材a、コーキング材bを植
設するのが普通であった。また、この縦目地をカバーす
る方法として特開昭64-80661号公報、実開昭64-148
33号公報、実開昭64-41542号公報、実開平1-154726
号公報、実開平1-102325号公報、等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図12
に示すように壁材Gには、長手方向に沿って形成された
中空部G1 を多数個形成し、軽量化、原材料の使用量の
低減、等を図っているために、コーキング材bが中空部
1 内にまで入ってしまい、コーキング材bの使用量が
増大し、コスト高となると共に、施工性が悪く、さらに
壁材Gの端部とコーキング材bの接着面積が非常に少な
く、経時変化に対し、コーキング材bがはがれ易い欠点
があった。また、前記〜は化粧キャップが全て金属
製であり、無機系の壁材との材質差による違和感が生起
され、美観性に劣るものとなるものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような欠点
を除去するため、水平面状の釘打設片と嵌合片を有する
嵌合部とから断面略逆T字状に形成した金属製敷目板
と、水平面状の固定面と係合部とから断面略T字状に形
成した係合部材と、係合部材の固定面を覆うと共に、中
空孔を介してリベットにより係合部材と一体化した壁材
と同一材よりなる無機系化粧材の2部材よりなる化粧キ
ャップとからなり、金属製敷目板を固定した後壁材を施
工し、壁材を施工した後に金属製敷目板の嵌合部に化粧
キャップの係合部を嵌合することにより、壁材と縦目地
の同一素材による美観性の向上、コーキング材の使用量
低減、施工性の向上を図った縦目地を形成する縦目地構
造に関するものである。
【0005】
【実施例】以下に図面を用いて本発明に係る縦目地構造
について詳細に説明する。図1は上記縦目地構造を示す
断面図であり、Aは縦目地用ジョイナ(以下、単にジョ
イナという)、Bは金属製敷目板(以下、単に敷目板と
いう)、D、EはジョイナAを構成するための化粧キャ
ップCの構成材である係合部材と無機系化粧材(以下、
単に化粧材という)である。
【0006】ジョイナAは図2、図3、図4に示すよう
に、長尺状の金属板(カラー鋼板、アルミニウム板、塩
ビ鋼板、ステンレス板、銅板、チタン板、サンドイッチ
鋼板、クラッド鋼板等)等をロール成形、プレス加工、
押出成形により成形した敷目板B、金属材あるいは合成
樹脂板を押出成形、射出成形等によって形成した係合部
材Dと、壁材Gと同質材、例えばセメント材、セラミッ
ク材等よりなる化粧材E、リベット18の4部材よりな
るものである。
【0007】敷目板Bは図2に示すように、水平面状の
釘打設片1と、釘打設片1上に形成した防水突起2と、
釘打設片1の略中央を上方に2本突出した垂直片4と垂
直片4間の嵌合溝5と嵌合溝5内に突出した嵌合片6
と、垂直片4の先端を外方に逆八字状に突出したガイド
片7とからなる嵌合部3とからなるものである。
【0008】釘打設片1は敷目板Bを躯体α上に釘等の
固定具βを介して固定する部分である。また嵌合部3は
後記する係合部材Dの係合部10を収納すると共に、嵌
合溝5から離脱しないようにするためのものである。さ
らに、垂直片4は壁材Gを施工する際の当接面および防
水面として機能するものである。
【0009】ガイド片7は外方に逆八字状に突出するこ
とにより、化粧キャップCの係合部10を嵌合溝5に挿
入する際のガイドとなると共に、図1に示すように係合
部材Dの固定面8の裏面8aに当接され、ガイド片7に
より2線接触、および垂直片4の2面接触により化粧キ
ャップCをガタなく固定できるものである。
【0010】さらに、ガイド片7により雨水等が嵌合溝
5内に浸入するのを阻止することにより、敷目板Bと化
粧キャップCの固定部、所謂、嵌合溝5内と係合片11
が腐食(錆)するのを防止する機能も具備し、敷目板B
と化粧キャップCの一体化を長期に亘って確実なものと
し、離脱を防止するものである。
【0011】化粧キャップCは図5に示すように、係合
部材Dと化粧材Eを一体化したものである。
【0012】係合部材Dは図3に示すような水平面状の
固定面8と、固定面8にピッチP1 、幅P2 で穿孔した
孔9と、固定面8の略中央を下方に突出した係合片11
と係合片11に形成した複数段の係合爪12とからなる
係合部10とからなるものである。
【0013】固定面8は後記する化粧材Eの中空孔17
と孔9を介してリベット18により一体化される部分で
ある。
【0014】なお、係合部材Dは短尺でも長尺でも良
く、短尺の場合には化粧材Eに複数個一定ピッチで形成
するものである。また、係合爪12は図のように階段状
に複数段、あるいは図示しないが係合片11の先端、あ
るいは途中に形成したり、係合部材Dの長手方向に沿っ
て一定ピッチで断続的に形成することも可能である。
【0015】化粧材Eは係合部材Dと一体化することに
より化粧キャップCを形成し、図1に示すように壁材G
間の縦目地を被覆するものであり、図4に示すように例
えば長さが909〜7272mm位の長尺状であり、水
平面状の化粧面13と、化粧面13の両端に形成した側
面14と、化粧面13の裏面を凹状に窪ませて固定溝1
5と、固定溝15に形成し前記孔9のピッチP1 、幅P
2 と同一長さのピッチP3 、幅P4 に形成した孔16
を、長手方向に沿って形成した中空孔17に形成したも
のである。
【0016】固定溝15は前記係合部材Dの固定面8を
収納し、孔9、孔16を合わせて、この部分を図5に示
すようにリベット18により一体化し、係合部材Dと化
粧材Eを一体化するものである。なお、固定面8の厚さ
とリベット18の頭部の高さをプラスした寸法よりも固
定溝15の深さを大きくするものである。
【0017】中空孔17は原材料使用量の低減、養生、
乾燥、および焼成時の寸法変化による割れ、ヒビの低減
を図るためのものであると共に、孔16形成用に設けた
ものである。
【0018】ここで各部の寸法関係について簡単に説明
する。そこで、図1に示すように壁材Gの厚さをd、壁
材G間の目地幅をW1 、敷目板Bにおいて嵌合溝5の幅
をW2 、垂直片4間の幅をW3 、ガイド片7間の幅をW
4 、防水突起2から垂直片4の先端までの高さをh1
防水突起2からガイド片7の先端までの高さをh2 、係
合部材Dにおいて固定面8の幅をW5 、係合片11の幅
をW6 、固定面8の厚さをt、化粧材Eにおいて側面1
4間の幅をW7 、固定溝15の幅をW8 、固定溝14の
深さをh3 とすると、W1 ≒W3 、W2 ≦W6 、W4
5 −20mm位、W5 ≒W8 、W7 >W1 、h1
d、h2 +t−h3 =dの関係である。
【0019】次に、図1を用いて施工方法について簡単
に説明する。まず間柱、主柱、胴縁よりなる躯体α上に
シート状物Fを敷設した壁下地上のジョイナAを用いる
部分に、敷目板Bの釘打設片1を固定具βで打設し、固
定する。次に壁材Gを順々に敷目板Bの垂直片4の左右
に当接し、壁下地上に固定具βを介して固定して土台か
ら桁まで壁材Gを施工する。次に化粧キャップCの係合
部10を敷目板Bの嵌合溝5に押し込み、係合爪12と
嵌合片6を係合して図示するような縦目地を形成するも
のである。
【0020】以上説明したのは本発明に係る縦目地構造
の一実施例にすぎず、図6(a)〜(c)に示すような
敷目板B、図7(a)〜(e)、図8(a)〜(e)に
示すような係合部材D、図9(a)〜(g)、図10
(a)〜(g)に示すような化粧材E、図11(a)〜
(c)に示すようなジョイナAを用いて形成することが
できる。すなわち、図6(a)〜(c)において、
(a)図はアルミニウム合金等を押出成形により形成し
た敷目板B、(b)図は嵌合溝5内に嵌合片6を形成し
た合成樹脂製嵌合部材19を一体に形成した敷目板B、
(c)図は合成樹脂製防水ヒレ20を一体に形成し、壁
材G端部の防水性をさらに強化した敷目板Bである。
【0021】また、図7(a)〜(e)、図8(a)〜
(e)は係合部材Dのその他の実施例を示すものであ
る。
【0022】さらに、図9(a)〜(g)、図10
(a)〜(g)は化粧材Eのその他の実施例を示すもの
である。
【0023】また、図11(a)は出隅部、(b)は入
隅部、(c)は端部に使用するジョイナAを示すもので
ある。さらに、図示しないが壁材Gと敷目板B間にコー
キング材を形成したり、図1に点線で示すようにコーキ
ング材Hを形成することもできる。
【0024】
【発明の効果】上述したように本発明に係る縦目地構造
によれば、窯業系の硬質壁材と同素材の化粧材で縦目
地を被覆するため、縦目地に違和感がない。化粧材
を、係合部材を介して敷目板に取り付けるため、係合が
確実で離脱することがなく、かつ、係合が簡単である。
中空部を有する壁材を使用しても、コーキング材の使
用量を低減でき、またコーキング材が無くても防水性が
確実である。係合部材が合成樹脂材であると、係合部
材により熱橋を防止し、躯体側での結露防止等を図るこ
とができる。係合部材と化粧材の一体化はリベットを
介して行うため、一体化が確実であり、化粧材が地震、
風圧により剥落することがない。敷目板の垂直片先端
にガイド片を形成したため、化粧キャップがガタつくこ
とがなく、さらに、嵌合溝内に雨水が入いりにくく、発
錆を防止することができ、敷目板と化粧キャップの確実
な一体化を長期に亘って維持できる。等の特徴、効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る縦目地構造の一実施例を示す断面
図である。
【図2】縦目地用ジョイナの構成部材である金属製敷目
板の一例を示す斜視図である。
【図3】縦目地用ジョイナの構成部材である化粧キャッ
プの係合部材の一例を示す斜視図である。
【図4】縦目地用ジョイナの構成部材である化粧キャッ
プの無機系化粧材の一例を示す斜視図である。
【図5】縦目地用ジョイナの構成部材である化粧キャッ
プの一例を示す斜視図である。
【図6】金属製敷目板のその他の実施例を示す断面図で
ある。
【図7】係合部材のその他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図8】係合部材のその他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図9】無機系化粧材のその他の例を示す断面図であ
る。
【図10】無機系化粧材のその他の例を示す断面図であ
る。
【図11】縦目地用ジョイナのその他の例を示す断面図
である。
【図12】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 縦目地用ジョイナ B 金属製敷目板 C 化粧キャップ D 係合部材 E 無機系化粧材 3 嵌合部 7 ガイド片 8 固定面 10 係合部 15 固定溝 17 中空孔 18 リベット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 青山 敏 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 13/08 - 13/08 101 E04F 19/02 E04F 19/06 E04B 1/68

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平面状の釘打設片と、該釘打設片の中
    央部を2本突出して垂直片を形成し、該垂直片には内方
    に突出した嵌合片を形成し、また垂直片の先端には外方
    に逆八字状に突出したガイド片を形成した嵌合部とから
    なる断面略逆T字状の金属製敷目板と、水平面状の固定
    面と該固定面の中央部をに突出した係合片と、該係合片
    に形成した前記嵌合片に係止する係合爪とから係合部を
    形成した断面略T字状の係合部材と、長尺水平面状の化
    粧面と、該化粧面の裏面を凹状に窪ませた広幅の固定溝
    と、長手方向に沿って形成した中空孔を有し、固定溝の
    最奥には中空孔に貫通した孔を有る無機系化粧材より
    なり、かつ、係合部材の固定面を無機系化粧材の固定溝
    挿入し、固定溝に形成した孔を介してリベットにより
    係合部材と無機系化粧材とを一体化した化粧キャップと
    の2部材とからなり、前記敷目板の釘打設片の裏面を壁
    下地に当接して縦に固定し、該壁下地上に横張り用の硬
    質壁材を施工すると共に、垂直片の左右に硬質壁材の端
    部を配設して硬質壁材を固定し、次に前記化粧キャップ
    の係合部を敷目板の嵌合部に係合すると共に、係合爪と
    嵌合片により係止し一体化し、硬質壁材の端部を被覆し
    たことを特徴とする縦目地構造。
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