JP3260060B2 - 可動式ワイヤハーネス - Google Patents

可動式ワイヤハーネス

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JP3260060B2
JP3260060B2 JP17095695A JP17095695A JP3260060B2 JP 3260060 B2 JP3260060 B2 JP 3260060B2 JP 17095695 A JP17095695 A JP 17095695A JP 17095695 A JP17095695 A JP 17095695A JP 3260060 B2 JP3260060 B2 JP 3260060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のドア内
に配索されるドア用ワイヤハーネスに関し、詳しくは配
索時の貫通作業を廃止し、ワイヤハーネスの弛み及び弛
みによる噛み込みや断線等を確実に防止することができ
る可動式ワイヤハーネスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車等のドア部分に配索され
るドア用ワイヤハーネスに関しては、実開平2ー126
957号公報等に開示されているように種々なものが知
られている。図12に示すようにドア52のドアフレー
ム53の内側パネル54は、複数の作業穴55を備える
と共に、そのヒンジ取付け端側56に開口するハーネス
引出し溝57が設けられている。また、ドアフレーム5
3内の内部空間にはドア52側に内蔵されるアクチュエ
ータ等の電装品が配置され、それらの接続用コネクタ5
8が内側パネル54に固定されている。このドアフレー
ム53と対向する覆い板59には、フラット状のドア用
ワイヤハーネスが配索されるとともに、上記作業穴55
と対向する位置に防水シート60が貼設されている。
【0003】このドア用ワイヤハーネスは、幹線51と
複数の分岐線51a,51bとから成っており、幹線5
1の先端にはドア側コネクタ17が設けられている。こ
のドア側コネクタ17は図13に示されているように車
体側ワイヤハーネス19の先端に設けられた車体側コネ
クタ18に接続される。また、分岐線51bの先端に設
けられたコネクタ61は覆い板59に固定されている。
また、幹線51と分岐線51bの回路部の内、少なくと
も幹線51は複数本の被覆電線を並列にモールドしてフ
ラットハーネスとして形成され、幹線51に対する分岐
接続は1個のジョイント吸収ユニット62により行われ
ている。
【0004】そして、幹線51の車体側ワイヤハーネス
19との接続端部側には、U字状に屈曲したたるみ部6
3が設けられている。このたるみ部63は、ドア52の
開放時に生じる伸びを吸収できる寸法許容範囲にある長
さとされる。また、上記たるみ部63の代わりに、図1
4に示したような蛇腹成形部64を設けたものもある。
【0005】上記構成においては、図12に示したよう
に覆い板59にドア用ワイヤハーネスの幹線51および
分岐線51a,51bを配索した後、たるみ部を設けて
覆い板59が内側パネル54に被せられて装着される
と、図13に示したようにドア52が組み立てられる。
そして、車体3とヒンジ結合された後、ドア側コネクタ
17と車体側コネクタ18が接続されることによりドア
用ワイヤハーネス51は車体側ワイヤハーネス19と接
続されて車体3側との接続が完了する。この状態でドア
52が車体3の側方に開放されると、たるみ部63が伸
ばされるのでフラットハーネス51には引張り力は作用
しない。そして、再びドア52が閉められるとたるみ部
63は元の形状に復帰する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ドア5
2が閉められるとき、閉める速度が速かったりフラット
ハーネス51が古くなったりすると、たるみ部63およ
び蛇腹成形部64は必ずしも元の形状に戻らなくなる。
すると、フラットハーネス51がドア52と車体3に挟
まれて損傷したり断線するという問題がある。また、た
るみ部63または蛇腹成形部64とドア52の取付け端
側56における貫通部、および車体側ワイヤハーネス1
9の車体における貫通部にはグロメット等の防水部材を
取付ける作業が必要であり作業効率が低下するという問
題がある。
【0007】本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされ
たものであり、一定の張力で付勢することでドアと車体
に挟まれて起こる損傷や断線を確実に防止すると共に、
ワイヤハーネスのドア側および車体側への貫通作業を不
要とした可動式ワイヤハーネスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ヒ
ンジ結合により回動自在に支持されて開閉される開閉体
と車体との間に貫通配索されるフラットハーネスのヒン
ジ付近にたるみ部を有するワイヤハーネスにおいて、
ラットハーネスの所定位置には取付け穴を有する固定部
材と、引掛け部材が装着され、車体の進行方向に対して
前側に前部挿通穴と位置決めを兼ねた取付けピンを有
し、後側に後部挿通穴と別体の滑り部材を有する収納箱
が車体または開閉体の何れか一方に設けられ、フラット
ハーネスが収納箱内でたるみ部を形成した状態で挿通穴
に挿通され、固定部材の取付け穴が取付けピンに挿入さ
れると共に、収納箱内のフラットハーネスを前方に付勢
する引張り弾性部材が取付けピンと引掛け部材に装着さ
れることを特徴とする可動式ワイヤハーネスによって達
成することができる。
【0009】また上記目的は、前記可動式ワイヤハーネ
スにおいて、収納箱内のフラットハーネスの引掛け部材
と後部挿通穴との間に蛇腹成形部が設けられていること
によって達成することができる。
【0010】また、本発明の上記目的は、ヒンジ結合に
より回動自在に支持されて開閉される開閉体と車体との
間に貫通配索されるフラットハーネスのヒンジ付近にた
るみ部を有するワイヤハーネスにおいて、車体の進行方
向に対して前側に前部挿通穴と後側に後部挿通穴を有
し、側部に対向して設けられた案内溝を有する収納箱が
車体または開閉体の何れか一方に設けられ、フラットハ
ーネスが収納箱内でたるみ部を形成した状態で後部挿通
穴に挿通されると共に、コネクタによって一方端が前部
挿通穴に固定され、収納箱内にたるみ部の一方の折り曲
げ部分に支持されるローラ状の固定バーと、案内溝から
突出する芯部を両端に有し、収納箱内で前後に移動可能
なローラ状の可動バーとが設けられ、可動バーを収納箱
内で前方に付勢する弾性部材が設けられていることを特
徴とする可動式ワイヤハーネスによって達成することが
できる。
【0011】また上記目的は、前記可動式ワイヤハーネ
スにおいて、弾性部材が引張りまたは圧縮バネであるこ
とによって達成することができる。
【0012】
【0013】
【0014】
【作 用】本発明に係わる上記構成の可動式ワイヤハー
ネスによれば、フラットハーネスの所定位置には取付け
穴を有する固定部材と、引掛け部材が装着され、車体の
進行方向に対して前側に前部挿通穴と位置決めを兼ねた
取付けピンを有し、後側に後部挿通穴と別体の滑り部材
を有する収納箱が車体または開閉体の何れか一方に設け
れ、フラットハーネスが収納箱内でたるみ部を形成し
た状態で挿通穴に挿通され、固定部材の取付け穴が取付
けピンに挿入されると共に、収納箱内のフラットハーネ
スを前方に付勢する引張り弾性部材が取付けピンと引掛
け部材に装着される。したがって、開閉体および車体間
の開閉部におけるフラットハーネスの防水可能な貫通作
業が廃止されることで製造工程における作業効率の向上
を図ることができる。
【0015】また、収納箱内のフラットハーネスを前方
に付勢する引張り弾性部材が取付けピンと引掛け部材に
装着されるので、開閉体の閉止時にフラットハーネスが
弛んで開閉部に噛み込まれたり断線することが確実に防
止される。また、開閉体の閉止状態では、弾性部材は元
へ戻った状態にあり、必要以上にフラットハーネスを引
っ張らないのでフラットハーネスの耐久性および信頼性
の向上を図ることができる。
【0016】また、上記可動式ワイヤハーネスにおい
て、収納箱内のフラットハーネスの引掛け部材と後部挿
通穴との間に蛇腹成形部が設けられていると、フラット
ハーネス自体が伸びるので弾性部材によるフラットハー
ネスの引張り量が小さくてすみ、フラットハーネスの耐
久性および信頼性の一層の向上を図ることができる。
【0017】また、本発明に係わる上記構成の可動式ワ
イヤハーネスによれば、車体の進行方向に対して前側に
前部挿通穴と後側に後部挿通穴を有し、側部に対向して
設けられた案内溝を有する収納箱が車体または開閉体の
何れか一方に設けられ、フラットハーネスが収納箱内で
たるみ部を形成した状態で後部挿通穴に挿通されると共
に、コネクタによって一方端が前部挿通穴に固定され、
収納箱内にたるみ部の一方の折り曲げ部分に支持される
ローラ状の固定バーと、案内溝から突出する芯部を両端
に有し、収納箱内で前後に移動可能なローラ状の可動バ
ーとが設けられ、可動バーを収納箱内で前方に付勢する
弾性部材が設けられている。したがって、開閉体および
車体間の開閉部におけるフラットハーネスの防水可能な
貫通作業が廃止されることで製造工程における作業効率
の向上を図ることができる。また、開閉体が開放される
ときフラットハーネスの繰出しに伴って可動バーが移動
するので、フラットハーネスに付勢される弾性部材の引
張り力が小さくてすみ、フラットハーネスの耐久性と信
頼性を向上させることができる。
【0018】また、案内溝から突出する芯部を両端に有
し、収納箱内で前後に移動可能なローラ状の可動バーが
設けられているので、可動バーの移動が円滑になりフラ
ットハーネスが捩じられたりすることがないのでさらに
フラットハーネスの耐久性および信頼性の一層の向上を
図ることができる。
【0019】また、収納箱内で折り曲げられたフラット
ハーネスの一方端がコネクタによって前部挿通穴に固定
されているので、フラットハーネスの他方端の繰出しに
対する可動バーの動きを小さくできるのでフラットハー
ネスの信頼性をさらに一層向上させることができる
【0020】さらに、可動バーを収納箱内で前方に付勢
する弾性部材が引張りまたは圧縮バネであることで、可
動バーを介して常にフラットハーネスに張力が付加され
ていることになり、開閉体が開閉されるときフラットハ
ーネスが弛んで噛み込まれたりすることがないのでフラ
ットハーネスの耐久性および信頼性のさらに一層の向上
を図ることができる
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可動式ワイヤハー
ネスの実施の形態をバックドアに適用した場合を図1乃
至図11に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の可
動式ワイヤハーネスの第1実施の形態を示す分解斜視
図、図2は図1における断面図、図3は図2における作
動説明図である。
【0022】図1および図2に示すように本実施の形態
の可動式ワイヤハーネス1においては、ヒンジ結合によ
り回動自在に支持されて開閉される開閉体であるバック
ドア2と車体3との間に複数の被覆された電線が並列に
列べられて弾性材で帯状に結着されたフラットハーネス
4が配索されている。このフラットハーネス4は、ヒン
ジ5付近にたるみ部6を有しており、車体3の進行方向
に対して前部挿通穴8と後部挿通穴9を有する収納箱7
が車体3側に設けられている。また、このフラットハー
ネス4が収納箱7内に2つの折曲げ部分6aを形成した
状態で挿通されると共に、収納箱7内のフラットハーネ
ス4を前方に付勢する弾性部材である引張りバネ10が
付設されている。
【0023】さらに詳しくは、フラットハーネス4には
両側に取付け穴12を有する固定部材11と、両側に引
掛け穴14を有する引掛け部材13が装着されている。
また、収納箱7にはカバー7aが一体的に設けられてい
る。そして、収納箱7の前側には前部挿通穴8と位置決
めを兼ねた取付けピン15が設けられており、後側には
後部挿通穴9と別体の滑り部材16が設けられている。
この滑り部材16は、後部挿通穴9の開口部分に装着さ
れる。
【0024】上述した構成の第1実施の形態において
は、先ずフラットハーネス4に固定部材11と引掛け部
材13が適宜な間隔に装着される。そして、収納箱7の
後部挿通穴9に滑り部材16が装着された後、フラット
ハーネス4が収納箱7内に後部挿通穴9から前部挿通穴
8にかけてたるみ部6を設けて配索される。このとき、
バネ10が引掛け穴14と取付けピン15の間に引掛け
られると共に、固定部材11の取付け穴12が取付けピ
ン15に挿入される。そして、収納箱7にカバー7aが
被せられた後、車体3に収納箱7が装着されれば可動式
ワイヤハーネス1の組立が完了する。したがって、上述
の組立作業中にはバックドア2および車体3間の開閉部
においては、フラットハーネス4の防水可能な貫通作業
が不要となり、作業効率を向上させることができる。
【0025】次に、図3に示したようにバックドア2が
ヒンジ5を中心に後方に回動されて開放されると、フラ
ットハーネス4が後方に引っ張られるので収納箱7内の
フラットハーネス4が外方に繰り出される。このとき、
バネ10が引っ張られて延びると共に、バックドア2と
収納箱7との間のフラットハーネス4には弛みは生じな
い。また、図2に示すようにバックドア2が前方に回動
されて閉められると、バネ10がフラットハーネス4を
前へ付勢しているので作動中に弛んでバックドア2と収
納箱7または車体3に挟まれて損傷したり断線するよう
なことはない。また、バックドア2の閉止状態では、バ
ネ10はもとへ戻った状態にあり必要以上にフラットハ
ーネス4を引っ張らないからフラットハーネス4および
バネ10の寿命が延び、可動式ワイヤハーネス1の信頼
性を向上させることができる。
【0026】次に、本発明の可動式ワイヤハーネスの第
2実施の形態を図4および図5に基づいて説明する。図
4は本発明の第2実施の形態を示す縦断面説明図、図5
は図4における作動説明図である。この第2実施の形態
が第1実施の形態と異なるのは、収納箱7内の後部挿通
穴9の手前のフラットハーネス4の一部に蛇腹成形部2
5が設けられた点である。よって、同一部品には同一符
号を付けることにより詳細な説明を省略する。図4およ
び図5に示すように可動式ワイヤハーネス20には、フ
ラットハーネス24の引掛け部材13と後部挿通穴9と
の間に蛇腹成形部25が設けられている。したがって、
バックドア2が開放されたときフラットハーネス24の
蛇腹成形部25自体が伸びるのでバネ10の引張り量
(定点Pの移動量)が小さくなる。そして、フラットハ
ーネス24の引張り力も小さくなるのでフラットハーネ
ス24およびバネ10の寿命がさらに伸びて可動式ワイ
ヤハーネス20の耐久性と信頼性の一層向上を得ること
ができる。
【0027】次に、本発明の可動式ワイヤハーネスの第
3実施の形態を図6乃至図8に基づいて説明する。図6
は本発明の第3実施の形態を示す組立斜視図、図7は図
6における縦断面説明図、図8は図7における作動説明
図である。この第3実施の形態が第1実施の形態と異な
るのは、図6および図7に示すように収納箱37内のフ
ラットハーネス4の2つの折曲げ部分6aのところにロ
ーラ状の固定バー31と前後に移動可能な可動バー32
が設けられている点である。したがって、可動式ワイヤ
ハーネス30においては、付随的に収納箱37の両側壁
に可動バー32の芯部33を案内するための案内部であ
る案内溝38が設けられている。また、この案内溝38
から収納箱37の両側壁外に突出した芯部33には引張
りバネ10を引つ掛けるための引き掛け穴34が設けら
れている。さらに、収納箱37の両側壁の前部にはバネ
10の他端を引つ掛けて取り付けるための取り付け穴3
5が設けられている。よって、同一部品には同一符号を
付けることにより詳細な説明を省略する。
【0028】上記構成の第3実施の形態においては、先
ず可動バー32の芯部33が案内溝38に設置され、固
定バー31が収納箱37内の後部上方に固定された後、
フラットハーネス4が後部挿通穴9から配索される。ま
た、可動バー32と固定バー31に折り曲げられてたる
み部6が形成されながら前部挿通穴8へ配索され、ドア
側コネクタ17によって前部挿通穴8に固定される。そ
して、バネ10が引掛け穴34と取付け穴35に引掛け
られると共に、最後に車体側ワイヤハーネス19の先端
に設けられた車体側コネクタ18がドア側コネクタ17
に接続されて組立が完了する。したがって、上述の組立
作業中にはバックドア2および車体3間の開閉部におい
てはフラットハーネス4の防水可能な貫通作業は不要と
なり、作業効率を向上させることができる。
【0029】図8に示すようにバックドア2がヒンジ5
を中心に後方に回動されて開放されると、フラットハー
ネス4が後方に引っ張られるので収納箱37内のフラッ
トハーネス4も外方へ繰り出される。このとき、バネ1
0が可動バー32と共に引っ張られて延び、バックドア
2と収納箱7との間のフラットハーネス4には弛みは生
じない。次に、図7に示すようにバックドア2が前方に
回動されて閉められると、バネ10がフラットハーネス
4を可動バー32と共に前方に付勢しているので作動中
に弛んでバックドア2と収納箱37または車体3に挟ま
れて損傷したり断線することはない。 また、バックド
ア2の閉止状態では、バネ10はもとへ戻った状態にあ
り、必要以上にフラットハーネス4を引っ張らないので
フラットハーネス4およびバネ10の寿命が延び、可動
式ワイヤハーネス30の耐久性と信頼性を向上させるこ
とができる。
【0030】さらに、フラットハーネス4の前端がドア
側コネクタ17によって固定されているのでバックドア
2が開放されるとき可動バー32の変位量がフラットハ
ーネス4の繰出し量(定点Pの移動量)の半分になる。
したがって、バネ10の変位量が小さくなると共に、フ
ラットハーネス4の引張り力も小さくなるのでフラット
ハーネス4およびバネ10の寿命がさらに延び、可動式
ワイヤハーネス30の耐久性と信頼性を一層向上させる
ことができる。
【0031】次に、本発明の可動式ワイヤハーネスの第
4実施の形態を図9乃至図11に基づいて説明する。図
9は本発明の第4実施の形態を示す組立斜視図、図10
は図9における縦断面説明図、図11は図10における
作動説明図である。この第4実施の形態が第3実施の形
態と異なるのは、可動式ワイヤハーネス40において、
固定バー31と可動バー32の位置が収納箱47内で異
なると共に、可動バー42が弾性部材である圧縮バネ4
9によって前方に付勢されている点である。また、それ
に付随して収納箱47における案内部である案内溝38
の位置が変わると共に、バネ49が座屈しないように可
動バー42の前方に案内棒43が突出して設けられてい
る点である。なお、この案内棒43は収納箱47の前壁
に摺動可能に突出することができるように構成されてお
り、バネ49は1本でも十分機能を果たすことができ
る。よって、同一部品には同一符号を付けることにより
詳細な説明を省略する。
【0032】図11に示すように可動式ワイヤハーネス
40は、バックドア2がヒンジ5を中心に後方に回動さ
れて開放されると、フラットハーネス4が後方に引っ張
られるので収納箱47内のフラットハーネス4も外方へ
繰り出される。しかし、固定バー31によってフラット
ハーネス4の方向が逆転されるからバネ49が可動バー
42と共に前方に圧縮される。このとき、バックドア2
と収納箱47との間のフラットハーネス4には弛みは生
じない。
【0033】なお、本発明は上述した実施の形態に限定
されるものでなく、適宜な変更を行うことにより他の態
様でも実施することができる。例えば、本実施の形態で
は収納箱7,37,47は車体3側に設けられていた
が、バックドア2側に設けることも可能である。また、
本実施の形態では可動式ワイヤハーネス1,20,3
0,40としてフラットハーネス4,24を取り上げて
説明したが、フレキシブル・プリント・サーキット(F
PC)に置き換えても対応できる。さらに、本実施の形
態ではバックドア2としてハッチ・バック・ドアを想定
して説明したが、例えばフロント・ドアのように側方へ
開閉するドアにも適応できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の可動式ワイ
ヤハーネスによれば、フラットハーネスの所定位置には
取付け穴を有する固定部材と、引掛け部材が装着され、
車体の進行方向に対して前側に前部挿通穴と位置決めを
兼ねた取付けピンを有し、後側に後部挿通穴と別体の滑
り部材を有する収納箱が車体または開閉体の何れか一方
に設けられ、フラットハーネスが収納箱内でたるみ部を
形成した状態で挿通穴に挿通され、固定部材の取付け穴
が取付けピンに挿入されると共に、収納箱内のフラット
ハーネスを前方に付勢する引張り弾性部材が取付けピン
と引掛け部材に装着される。したがって、開閉体および
車体間の開閉部におけるフラットハーネスの防水可能な
貫通作業が廃止されることで製造工程における作業効率
の向上を図ることができる。また、収納箱内のフラット
ハーネスを一方に付勢する引張り弾性部材が付設されて
いるので、開閉体の閉止時にフラットハーネスが弛んで
開閉部に噛み込まれたり断線することが確実に防止され
る。また、開閉体の閉止状態では、弾性部材は元へ戻っ
た状態にあり、必要以上にフラットハーネスを引っ張ら
ないので可動式ワイヤハーネスの耐久性および信頼性の
向上を図ることができる。
【0035】また、収納箱内のフラットハーネスの引掛
け部材と後部挿通穴との間に蛇腹成形部が設けられてい
ると、フラットハーネス自体が伸びるので弾性部材によ
るフラットハーネスの引張り量が小さくてすみ、可動式
ワイヤハーネスの耐久性および信頼性の一層の向上を図
ることができる。
【0036】また、車体の進行方向に対して前側に前部
挿通穴と後側に後部挿通穴を有し、側部に対向して設け
られた案内溝を有する収納箱が車体または開閉体の何れ
か一方に設けられ、フラットハーネスが収納箱内でたる
み部を形成した状態で後部挿通穴に挿通されると共に、
コネクタによって一方端が前部挿通穴に固定され、収納
箱内にたるみ部の一方の折り曲げ部分に支持されるロー
ラ状の固定バーと、案内溝から突出する芯部を両端に有
、収納箱内で前後に移動可能なローラ状の可動バーと
が設けられ、可動バーを収納箱内で前方に付勢する弾性
部材が設けられている。したがって、開閉体および車体
間の開閉部におけるフラットハーネスの防水可能な貫通
作業が廃止されることで製造工程における作業効率の向
上を図ることができる。また、開閉体が開放されるとき
フラットハーネスの繰出しに伴って可動バーが移動する
ので、フラットハーネスに付勢される弾性部材の引張り
力が小さくてすみ、可動式ワイヤハーネスの耐久性と信
頼性を一層向上させることができる。
【0037】また、案内溝から突出する芯部を両端に有
し、収納箱内で前後に移動可能なローラ状の可動バーが
設けられているので、可動バーの移動が円滑になりフラ
ットハーネスが捩じられたりすることがないのでさらに
フラットハーネスの耐久性および信頼性の一層の向上を
図ることができる。
【0038】また、収納箱内で折り曲げられたフラット
ハーネスの一方端がコネクタによって前部挿通穴に固定
されているので、フラットハーネスの他方端の繰出しに
対する可動バーの動きを小さくできるので可動式フラッ
トハーネスの信頼性をさらに一層向上させることができ
【0039】さらに、可動バーを収納箱内で前方に付勢
する弾性部材が引張りまたは圧縮バネであることで、可
動バーを介して常にフラットハーネスに張力が付加され
ていることになり、開閉体が開閉されるときフラットハ
ーネスが弛んで噛み込まれたりすることがないので可動
式ワイヤハーネスの耐久性および信頼性のさらに一層の
向上を図ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可動式ワイヤハーネスの第1実施の形
態を示す分解斜視図である。
【図2】図1における縦断面図である。
【図3】図2における作動説明図である。
【図4】本発明の可動式ワイヤハーネスの第2実施の形
態を示す縦断面図である。
【図5】図4における作動説明図である。
【図6】本発明の可動式ワイヤハーネスの第3実施の形
態を示す組立斜視図である。
【図7】図6における縦断面図である。
【図8】図7における作動説明図である。
【図9】本発明の可動式ワイヤハーネスの第4実施の形
態を示す組立斜視図である。
【図10】図9における縦断面図である。
【図11】図10における作動説明図である。
【図12】従来のドア用ワイヤハーネスの一例を示す分
解斜視図である。
【図13】図12における組立斜視図である。
【図14】従来の他のドア用ワイヤハーネスの一例を示
す組立斜視図である。
【符号の説明】
1,20,30,40 可動式ワイヤハーネス 2 バックドア(開閉体) 3 車体 4,24 フラットハーネス 5 ヒンジ 6 たるみ部 6’折曲げ部分 7,37,47 収納箱 8 前部挿通穴 9 後部挿通穴 10,49 バネ(弾性部材) 11 固定部材 25 蛇腹成形部 31 固定バー 32,42 可動バー 38 案内溝(案内部)
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平2−66348(JP,U) 実開 平2−126957(JP,U) 実開 昭60−142122(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 16/02 620 H01B 7/00 301

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒンジ結合により回動自在に支持されて
    開閉される開閉体と車体との間に貫通配索されるフラッ
    トハーネスの前記ヒンジ付近にたるみ部を有するワイヤ
    ハーネスにおいて、前記フラットハーネスの所定位置には取付け穴を有する
    固定部材と、引掛け部材が装着され、 前記車体の進行方向に対して前側に前部挿通穴と位置決
    めを兼ねた取付けピンを有し、後側に後部挿通穴と別体
    の滑り部材を有する収納箱が前記車体または前記開閉体
    の何れか一方に設けられ、 前記フラットハーネスが前記収納箱内で前記たるみ部を
    形成した状態で前記挿通穴に挿通され、前記固定部材の
    前記取付け穴が前記取付けピンに挿入されると共に、
    記収納箱内のフラットハーネスを前方に付勢する引張り
    弾性部材が前記取付けピンと前記引掛け部材に装着され
    ことを特徴とする可動式ワイヤハーネス。
  2. 【請求項2】 前記収納箱内の前記フラットハーネスの
    前記引掛け部材と前記後部挿通穴との間に蛇腹成形部が
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の可動式
    ワイヤハーネス。
  3. 【請求項3】 ヒンジ結合により回動自在に支持されて
    開閉される開閉体と車体との間に貫通配索されるフラッ
    トハーネスの前記ヒンジ付近にたるみ部を有するワイヤ
    ハーネスにおいて、 前記車体の進行方向に対して前側に前部挿通穴と後側に
    後部挿通穴を有し、側部に対向して設けられた案内溝を
    する収納箱が前記車体または前記開閉体の何れか一方
    に設けられ、 前記フラットハーネスが前記収納箱内で前記たるみ部を
    形成した状態で前記後部挿通穴に挿通されると共に、コ
    ネクタによって一方端が前記前部挿通穴に固定され、
    記収納箱内に前記たるみ部の一方の折り曲げ部分に支持
    されるローラ状の固定バーと、前記案内溝から突出する
    芯部を両端に有し、前記収納箱内で前後に移動可能なロ
    ーラ状の可動バーとが設けられ、前記可動バーを前記収
    納箱内で前方に付勢する弾性部材が設けられていること
    を特徴とする可動式ワイヤハーネス。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材が、引張りまたは圧縮バネ
    であることを特徴とする請求項3記載の可動式ワイヤハ
    ーネス。
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