JP2001122054A - スライドドア用インナパネル - Google Patents

スライドドア用インナパネル

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JP2001122054A
JP2001122054A JP30514799A JP30514799A JP2001122054A JP 2001122054 A JP2001122054 A JP 2001122054A JP 30514799 A JP30514799 A JP 30514799A JP 30514799 A JP30514799 A JP 30514799A JP 2001122054 A JP2001122054 A JP 2001122054A
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JP
Japan
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inner panel
door
wire harness
side wire
circuit body
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JP30514799A
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English (en)
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Hiroshi Watabe
弘志 渡部
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Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
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Publication date
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  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)
  • Electric Cable Arrangement Between Relatively Moving Parts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライドドアの製造に係る作業性を向上さ
せ、また、ドア側ワイヤハーネスの配索に係る自由度を
高め、さらには、配索スペースを十分に確保し得るスラ
イドドア用インナパネルを提供する。 【解決手段】 スライドドア用のインナパネル5は、給
電装置7のガイドレール27を設けたインナパネル本体
14を有している。ガイドレール27は、ドア側ワイヤ
ハーネス23を固定したスライダ28をスライド自在に
備えている。インナパネル本体14は、複数の回路15
a〜15dから成る回路体15を有している。そして、
そのインナパネル本体14には、ドア側ワイヤハーネス
23のコネクタ24と補機6の接続部6aとが接続され
る回路体露出部16を複数箇所形成している。回路体露
出部16は、回路体15の配索パターンに沿い、スライ
ダ28の移動に追従するドア側ワイヤハーネス23の移
動範囲内を除いて形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の側部におい
て車両の前後方向にスライド自在に設けられるスライド
ドアのアウタパネルとドアトリムとの間に配置されるイ
ンナパネル、即ちスライドドア用インナパネルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ワンボックスカーや一部の乗用車に見ら
れる車両のスライドドアは、アウタパネルとそのアウタ
パネルよりも車室内側に設けられるインナパネルと、イ
ンナパネルに取り付けられ車室内に面するドアトリムと
を備えている。
【0003】また、スライドドアの内部には、パワーウ
インドモータ、ドアロックユニット、及びスピーカ等の
各種補機が装備されている。
【0004】これら各種補機は、車両の本体とスライド
ドア間に配設される給電装置により、車両の本体側(電
源側)ワイヤハーネスとドア側ワイヤハーネスとが接続
されて、常時給電が受けられるようになっている。
【0005】給電装置は、例えばインナパネルのインナ
パネル本体に設けられるガイドレールと、そのガイドレ
ールに対してスライド自在となるスライダと、ガイドレ
ールにおけるスライダの位置により伸縮(開閉)する二
本(一対)のリンクアームとを備えて構成されている。
また、スライドドアが開又は閉方向に操作されると、ス
ライダがガイドレールをスライドするかの如く作用する
ように構成されている。
【0006】二本のうちの一方となるリンクアームは、
その一端がガイドレールの一端に回動自在に取り付けら
れるようになっている。また、二本のうちの他方となる
リンクアームの一端は、スライダに対して回動自在に取
り付けられるようになっている。二本のリンクアームの
各他端は、回転軸を介して互いに連結状態に取り付けら
れるようになっている。
【0007】ドア側ワイヤハーネスは、二本のリンクア
ームに沿って配索されるようになっており、その中間を
スライダに固定するようになっている。また、ドア側ワ
イヤハーネスの一端部は、例えば本体側ワイヤハーネス
に直接、コネクタ接続されるようになっており、分岐し
た他端部は各種補機に各々接続されるようになってい
る。
【0008】上記構成において、スライドドアが開又は
閉方向に操作されると、インナパネル本体においては、
スライダの移動に伴い二本のリンクアームが屈曲する。
ドア側ワイヤハーネスは、二本のリンクアームに伴い伸
縮しスライダの移動方向へ移動する(実際には、スライ
ドドアが開閉操作され移動するから、スライダ自身が移
動するわけではない。説明を分かりやすくするために上
述のような作用の説明をした)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
インナパネルにあっては、そのインナパネル本体に給電
装置が設けられていることから、次のような問題点が生
じている。
【0010】上述の給電装置は、車両の本体及びスライ
ドドア間に介在するものの、スライドドア側、即ちイン
ナパネル本体に配設されていることから、ガイドレール
やリンクアーム等によって、インナパネル自体の製造に
係る作業性や、ドア側ワイヤハーネスに対する配索の自
由度、さらには、配索スペースの確保に影響を来してし
まっている。
【0011】もう少し詳しく説明すると、先ず、ドア側
ワイヤハーネスの他端部を各種補機に対して配索するに
あたっては、その他端部側をガイドレールやリンクアー
ムから回避させて配索しなければならない。また、クリ
ップ等でスライドドア内のいずれかの位置に固定し配索
なければならない。従来より問題となってはいたが、ド
ア側ワイヤハーネスをスライドドア内に配索する作業は
容易でなく、その上さらに、ガイドレールやリンクアー
ムから回避させながら配索するのは大変な作業になって
しまう。このことから、組み立てに係る作業性は非常に
悪いと言える。
【0012】また、スライドドアの設計段階において、
ドア側ワイヤハーネスの配索位置を検討する際には、組
み立て順序やガイドレール、リンクアーム、補機等の配
置を考慮して配索位置を決定することになるが、上述の
配置構成にあっては、配索の自由度が著しく阻害されて
しまうことになる。
【0013】さらに、近年の高機能化のニーズによっ
て、スライドドアに設けられる各種補機の数が多くなっ
てきていることから、上記給電装置を備えた状態でのス
ライドドア内に、ドア側ワイヤハーネスに対する配索ス
ペースを確保するのは非常に困難であると言える。
【0014】本発明は、上述した事情に鑑みてなされる
もので、スライドドアの製造に係る作業性を向上させ、
また、ドア側ワイヤハーネスの配索に係る自由度を高
め、さらには、配索スペースを十分に確保し得るスライ
ドドア用インナパネルを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
なされた請求項1記載の本発明のスライドドア用インナ
パネルは、車両の側部において該車両の前後方向にスラ
イド自在に設けられるスライドドアのアウタパネルとド
アトリムとの間に配設されるとともに、前記車両の本体
及び前記スライドドア間に介在する給電装置のガイドレ
ールを設けたインナパネル本体を備え、前記ガイドレー
ルは、該ガイドレールに対してスライド自在となるスラ
イダを有し、前記インナパネル本体は、所望の配索パタ
ーンで配索、固定される一つ又はそれ以上の回路から成
る回路体を一体に備え、前記スライダには、一方を前記
本体に配索される本体側ワイヤハーネスに直接又は間接
的に接続した前記スライドドアのドア側ワイヤハーネス
を固定し、前記インナパネル本体には、前記回路体の一
部を露出させて、前記ドア側ワイヤハーネスの他方と前
記インナパネル本体に取り付けられる補機の接続部と
が、各々直接又は間接的に接続される複数の回路体露出
部を形成し、且つ、該回路体露出部を、前記スライダに
追従する前記ドア側ワイヤハーネスの移動範囲内を除く
位置に配置形成したことを特徴としている。
【0016】請求項2記載の本発明のスライドドア用イ
ンナパネルは、請求項1に記載のスライドドア用インナ
パネルにおいて、前記回路体露出部は、前記インナパネ
ル本体の表裏面を貫通させて形成した開口を有すること
を特徴としている。
【0017】請求項3記載の本発明のスライドドア用イ
ンナパネルは、請求項1又は請求項2に記載のスライド
ドア用インナパネルにおいて、前記回路体露出部に、露
出する前記回路体に対応して形成された第一接続部と、
前記補機の前記接続部又は前記ドア側ワイヤハーネスの
前記他方に対応して形成された第二接続部とを有する中
継用コネクタを接続したことを特徴としている。
【0018】請求項4記載の本発明のスライドドア用イ
ンナパネルは、請求項1ないし請求項3いずれか記載の
スライドドア用インナパネルにおいて、前記ドア側ワイ
ヤハーネスの前記他方に対応する前記回路体露出部を、
前記ガイドレールの端部近傍に配設したことを特徴とし
ている。
【0019】請求項5記載の本発明のスライドドア用イ
ンナパネルは、請求項1ないし請求項3いずれか記載の
スライドドア用インナパネルにおいて、前記インナパネ
ル本体の、前記ガイドレールの延在方向に対し直交する
方向に、前記ドア側ワイヤハーネスを吊り下げ支持する
ハーネス支持ガイドを形成し、該ハーネス支持ガイド近
傍には、前記ドア側ワイヤハーネスの前記他方に対応す
る前記回路体露出部を配設したことを特徴としている。
【0020】請求項6記載の本発明のスライドドア用イ
ンナパネルは、請求項1ないし請求項5いずれか記載の
スライドドア用インナパネルにおいて、前記回路体を、
前記インナパネル本体に対しはめ込み、つけ、或いはイ
ンサート成形のいずれかにより配索、固定したことを特
徴としている。
【0021】請求項1に記載された本発明によれば、ス
ライドドア用インナパネルは、そのインナパネル本体に
回路体を備えている。回路体は、所望の配索パターンで
配索、固定されるとともに、インナパネル本体に対し一
体となっている。また、インナパネル本体には、ドア側
ワイヤハーネスの他方と補機の接続部とが直接又は間接
的に接続される回路体露出部を複数箇所形成している。
回路体露出部は、給電装置のガイドレールをスライドす
るスライダに固定されたドア側ワイヤハーネスの移動範
囲内を除いた位置に形成されている。インナパネル本体
に回路体が一体となっていることから、作業者によるド
ア側ワイヤハーネスの配索作業が軽減される。また、配
索の自由度も向上し、配索スペースの確保も良好であ
る。また、ドア側ワイヤハーネスの他方と補機の接続部
とを各々回路体露出部に直接又は間接的に接続すること
で、補機への給電がなされるようになるから、ドア側ワ
イヤハーネスを広範囲に配索する必要はない。ガイドレ
ールや例えばリンクアームを回避しながらドア側ワイヤ
ハーネスを配索する必要もない。作業性が格段に向上す
ることになる。
【0022】請求項2に記載された本発明によれば、開
口の縁部を用いてコネクタの嵌合が可能になる。これに
より、ドア側ワイヤハーネスの他方や補機の接続部との
接続が容易になし得られるようになり、作業性が向上す
る。
【0023】請求項3に記載された本発明によれば、中
継用コネクタを用いることでドア側ワイヤハーネスの他
方又は補機の接続部の形態を回路体露出部に対応させる
必要がなくなる。例えば従来通りの形態のドア側ワイヤ
ハーネスで対応可能となる。また、補機がカスタム化さ
れない。第一接続部や第二接続部の形態を違えた中継コ
ネクタを幾つか備えることで、各種補機に対して容易に
対応させることが可能である。ドア側ワイヤハーネスの
他方又は補機の接続部と、第二接続部との接続性は、当
然に良好となるから、作業性が向上する。
【0024】請求項4に記載された本発明によれば、ス
ライダの移動量に応じた分の長さを確保したドア側ワイ
ヤハーネスを必要とする給電装置を配設する場合に、ド
ア側ワイヤハーネスの全長を従来よりも短くすることが
可能になる。即ち、上記移動量に応じた分の長さは当然
必要になるが、ガイドレールの端部近傍に回路体露出部
を配置することで、補機に接続するまでの分の長さを短
縮することが可能になる。ドア側ワイヤハーネスが短く
なれば、スライドドア内におけるドア側ワイヤハーネス
の占有率が低くなり、配索スペースの確保が容易にな
る。
【0025】請求項5に記載された本発明によれば、ス
ライダの移動量の例えば約半分に応じた分の長さを確保
したドア側ワイヤハーネスを必要とする給電装置を配設
する場合に、ドア側ワイヤハーネスの全長を従来よりも
短くすることが可能になる。即ち、上記移動量の例えば
約半分に応じた分の長さは当然必要になるが、インナパ
ネル本体にハーネス支持ガイドを形成し、そのハーネス
支持ガイドの端部近傍に回路体露出部を配置すること
で、補機に接続するまでの分の長さを短縮することが可
能になる。ドア側ワイヤハーネスが短くなれば、スライ
ドドア内におけるドア側ワイヤハーネスの占有率が低く
なり、配索スペースの確保が容易になる。
【0026】請求項6に記載された本発明によれば、回
路体は、インナパネル本体に対しはめ込み、つけ、或い
はインサート成形のいずれかにより配索、固定される。
配索に係る作業性は良好である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施の形態を説明する。図1は本発明のスライドドア用
インナパネルの一実施の形態を示す斜視図である。ま
た、図2は図1のインナパネル本体と給電装置を示す正
面図、図3は回路体の配索状態を説明するための図面、
図4はドア側ワイヤハーネスの他方側に対応して形成さ
れた回路体露出部とその近傍の拡大斜視図を示してい
る。
【0028】図1において、ワンボックスカーや一部の
乗用車等の車両1の側部には、その車両1の本体2に対
して前後方向にスライド自在となるスライドドア3が設
けられている。
【0029】スライドドア3は、金属製のアウタパネル
4と、そのアウタパネル4よりも車室内側に設けられる
インナパネル5(特許請求の範囲に記載したスライドド
ア用インナパネルに相当)と、更に車室内側に設けら
れ、図示しない車室内に面するドアトリム(不図示)と
を備えて構成されている。
【0030】スライドドア3の内部には、パワーウイン
ドモータ、ドアロックユニット、及びスピーカ等の各種
補機が装備されるようになっている(説明の都合上、こ
れら補機のうちの一つに引用符号6を付すことにする。
外観形状は単なる箱状に省略してある)。
【0031】また、本形態のスライドドア3には、その
スライドドア3に対して常時、本体2側から給電がなさ
れるように構成した給電装置7が設けられている。
【0032】上記本体2は、上記側部に乗車口を有して
おり、その乗車口の下部には、ステップ8が一体に形成
されている。また、ステップ8の一段上には、図示しな
い車室内床面が配設されている。本明細書において、車
両1のヘッドランプ側を「前」、テールランプ側を
「後」、天井側を「上」、シャーシ側又は地面側を
「下」としている。
【0033】ステップ8の下方には、スライドドア3を
本体2の前後方向にスライド開閉可能に移動させるため
のレール9(図5参照)が一体に設けられている。ステ
ップ8は、そのステップ8に対して起立連成される側壁
部10を有している。
【0034】上記レール9についてもう少し詳しく説明
すると、スライドドア3が閉じた状態でそのスライドド
ア3を車室外から開ける際には、開けようとする者に対
して通常、一旦手前に引くようにして操作されることか
ら、上記レール9は若干く字状に曲げられて形成されて
いる。即ち、レール9には、傾斜部11が形成されてい
る(図5参照)。
【0035】上記レール9には、スライドドア3に設け
られるヒンジローラ3aの端部(図示しないローラー
部)が摺動するようになっている。また、上記レール9
は、スライドドア3の移動を可能とする長さに形成され
ている。
【0036】側壁部10の内側には、本体2に配索され
るとともに図示しない電源に接続される本体側ワイヤハ
ーネス12が配置されており、端部のコネクタ13を含
むその近傍が側壁部10から露出するようになってい
る。
【0037】本体側ワイヤハーネス12は、既知構成で
あるので特に説明はしないが、少なくともスライドドア
3側の補機6等を電気的に接続できる回路を有している
ものとする。また、コネクタ13も既知構成であるので
特に説明はしない。雄又は雌形いずれかのハウジング形
態で構成されている。
【0038】上記アウタパネル4は、例えば鋼板を用い
て製造されており、外観視の形状が車両1のデザインに
左右される部材であって、車室内側には、図示しない補
強材やリーンホース、ビームなどが取り付けられてい
る。尚、軽量化のために上記材質以外の材質(例えばア
ルミニウム、合成樹脂材など)でも製造できるのは当然
である。
【0039】上記インナパネル5は、図1又は図2のい
ずれかにおいて、インナパネル本体14と、例えば図示
しない各種補強部材やサッシ等とで構成されている。
【0040】インナパネル本体14は、例えばアウタパ
ネル4と同厚の鋼板を用いて製造されており、給電装置
7や補機6等が取り付けられるている。インナパネル本
体14の材質は上記鋼板に限定されるものではなく、合
成樹脂材によって成形することも可能である。また、そ
の形状は、アウタパネル4の形状に合わせて形成されて
いる。図中においては平板状に形成されているが、これ
に限られるものではないものとする。適宜位置に切り欠
きや穴或いは窪み等があっても当然によいものとする。
【0041】インナパネル本体14には、所望の配索パ
ターンで配索、固定される回路体15と、その回路体1
5の一部を車室内側に露出させる回路体露出部16(引
用符号16a〜16cの三つを総称する場合に引用符号
16を付す)と、アウタパネル4に対する複数の固定部
17(インナパネル本体14をアウタパネル4に例えば
螺合させる部分)とが設けられている。
【0042】回路体15は、複数の(図1においては四
つ。これに限定されるものではない。一つであってもよ
い)回路15a〜15dから構成されており、本形態に
おいては、その回路15a〜15dが電線によって構成
されている。回路15a〜15dは、バスバーでも当然
に対応することができるものとする。配索パターンは、
図中に示された経路に限定されるものではない。
【0043】また、回路体15は、インナパネル本体1
4に対して次のいずれかの状態のように配索されてい
る。即ち、図3(a)に示される如く、回路体15は、
インナパネル本体14の裏面18(上記アウタパネル4
に対向する側の面を裏面とし、その反対側を表面19と
する)につけられた状態に配索されている。尚、「つ
け」とは、貼り付け、接着、粘着シートを用いてつけ
る、等を含んでいるものとする。また、これらは配索方
向に対して全部(上記回路体露出部16を除く)又は部
分的に行われるものとする。
【0044】一方、図3(b)に示される如く、回路体
15をインナパネル本体14に対して、はめ込んだ状態
に配索することも可能である。回路体15は、非導電性
の合成樹脂材によって成形されたり、サンドウィッチ状
にラミネートされたりした絶縁部20を介して、インナ
パネル本体14の裏面18に形成された凹部21に、は
め込み固定されている。
【0045】絶縁部20は、例えば上記回路体露出部1
6に対応する位置において回路体15を露出させるよう
に形成されている。絶縁部20と凹部21との間には、
接着剤や粘着シート等を介在させて固定するようにして
もよい。また、インナパネル本体14の裏面18に係止
部(不図示)を設けて支持するようにしてもよい。適宜
の手段で配索固定することができるものとする。
【0046】凹部21の幅(回路体15の配索方向に対
し直交する方向)は、上記回路体露出部16の幅よりも
広くなるように形成されている。
【0047】他方、図3(c)に示される如く、回路体
15をインナパネル本体14に対し埋設した状態に配索
することも可能である。インナパネル本体14を例えば
合成樹脂材で成形する際に、一緒にモールドしてしまえ
ば埋設状態に配索、固定することができる。また、図3
(b)で説明した凹部21に回路体15を配置して合成
樹脂材をその凹部21に充填することでもよい。
【0048】図1及び図2に戻り、上記回路体露出部1
6は、インナパネル本体14の表面19より回路体15
を臨むことが可能な開口22を有して構成されている。
回路体露出部16の数は、本形態で示す三つに限定され
るものではなく、少なくともスライドドア3(図1参
照)に配索されるドア側ワイヤハーネス23(図1参
照)の端部に設けられるコネクタ24(図1参照)と、
各種補機(補機6を含む、図1参照)の数に対応する分
だけ形成されるものとする。
【0049】上記端部とは、特許請求の範囲に記載した
他方に相当する側の端部を指している。これによりその
端部の逆側が特許請求の範囲に記載した一方に相当する
ことになる。
【0050】開口22は、表面19(図3参照)及び裏
面18(図3参照)を貫通させて形成されている。開口
22を、インナパネル本体14を貫通させて形成するこ
とにより、その開口22の縁部がエッジ状に形成される
ようになる。そのエッジ状の部分には、例えば可撓性の
あるアームを備えたコネクタハウジングを容易に嵌合さ
せることができるようになるのは言うまでもない。
【0051】尚、回路体露出部16の開口22近傍にね
じ止め用の穴を設けて後述するコネクタ24(図1参
照)等を螺合により固定することも可能である(確実な
固定状態が得られるが、作業性の面を考慮すると、開口
22の縁部に嵌合させることが好ましい)。
【0052】回路体露出部16についてもう少し詳しく
説明すると、回路体露出部16aは、図4に示される如
く、ドア側ワイヤハーネス23のコネクタ24に対応し
て配置形成されており、その開口22には、回路体露出
部16bに向けて配索される回路15a、15bと、回
路体露出部16cに向けて配索される回路15c、15
dとが等ピッチで露出している。
【0053】尚、ドア側ワイヤハーネス23は、回路1
5a〜15dに対応する電線23a〜23dをテープ巻
きにして製造されており(キャブタイヤケーブルでもよ
い)、上記本体側ワイヤハーネス12(図1参照)のコ
ネクタ13(図1参照)にコネクタ接続されるコネクタ
25(図1参照)と、上記コネクタ24とをそれぞれ端
部に備えて構成されている。
【0054】コネクタ24は、図4に示される如く、電
線23a〜23dの端末に設けられる複数の端子24a
と、合成樹脂製のコネクタハウジング24bとから構成
されている。
【0055】端子24aは圧接端子である(例えば弾性
接触片を有する端子を用いることも当然に可能であ
る)。コネクタハウジング24bには、回路体15の配
索方向に対し直交する方向、即ち回路体15の幅方向に
複数の端子収容室24cが並んで形成されている。ま
た、コネクタハウジング24bには、回路15a〜15
dに対応して略U字状の切り欠き24dが複数形成され
ている。上記幅方向の側壁には、可撓性を有するアーム
24e、24eが一体に設けられており、そのアーム2
4e、24eの中間には、開口22の上記縁部に係合す
る略爪形状の突起24f、24f(一方のみ図示)が形
成されている。
【0056】回路体露出部16bは、図1又は図2のい
ずれかに示される如く、補機6に対応して配置形成され
ており、その開口22には、回路15a、15bが所望
のピッチで露出している。また、回路体露出部16bに
は、図1に示される如く、中継コネクタ26が接続さ
れ、そこに補機6が接続されるようになっている。
【0057】中継コネクタ26は、第一接続部26aと
第二接続部26bとを有するとともに、図示しない二つ
(この数に限定されないものとする)の端子と、可撓性
のあるアーム26c、26cを両側壁に形成したコネク
タハウジング26dとで構成されている。
【0058】第一接続部26aは、回路体露出部16b
に対し接続できるように形成されており、アーム26
c、26cと開口22との嵌合で回路体露出部16bに
係止されるようになっている。また、第二接続部26b
は、補機6の接続部6aに対し接続可能に形成されてい
る。
【0059】上記図示しない端子は、例えば第一接続部
26a側が圧接端子形状に形成され、第二接続部26b
側は雌又は雄端子形状に形成されたものを用いるように
なっている。コネクタハウジング26dには、端子収容
室26eと略U字状の切り欠き26fとが形成されてい
る(これらと上記アーム26c、26cの配置は、図4
の上記コネクタ24が参考になる)。
【0060】回路体露出部16cは、図1又は図2のい
ずれかに示される如く、例えば補機6以外の補機に対応
して配置形成されており、その開口22には、回路15
c、15dが所望のピッチで露出している。また、回路
体露出部16cには、図1に示される中継コネクタ26
が同じく接続され、そこに上記補機が接続されるように
なっている。
【0061】尚、回路体露出部16b、16cに中継コ
ネクタ26を接続しないで対応する場合もあり得る。そ
の際には、例えば補機6の接続部6aが回路体露出部1
6b又は16cに直接、接続できるように構成されるも
のとする(図8を参照しながら他の例として後述す
る)。
【0062】また、中継コネクタ26の構成を応用し、
回路体露出部16aに対応する中継コネクタを形成する
ことも可能である。その中継コネクタによれば、コネク
タ24を間接的に回路体露出部16aに接続させること
ができるようになる。
【0063】中継用コネクタ26を用いることで、例え
ば補機6の接続部6aに対する接続が容易になし得られ
るようになるから、従来と比べても作業性が向上するの
は言うまでもない。
【0064】上記給電装置7は、図1又は図2のいずれ
かにおいて、インナパネル本体14の表面19側に配設
されるガイドレール27と、そのガイドレール27に対
してスライド自在となるスライダ28と、スライダ28
の移動(後述の作用の説明時に解説する)に伴い開閉
(又は伸縮)動作する一対のリンクアーム29、30と
を備えて構成されている。また、スライダ28とリンク
アーム29、30とに跨ってドア側ワイヤハーネス23
が配索されており、スライダ28が移動しリンクアーム
29、30が開閉動作すると、そのドア側ワイヤハーネ
ス23が伸縮するように構成されている。
【0065】尚、リンクアーム29、30は、開閉動作
によりそのリンクアーム29、30自体が閉じると逆V
字状に起立するよう配設されている。
【0066】ガイドレール27は、前後方向に延在する
ように配置される真っ直ぐな帯状の板部31と、その板
部31の両端と長手方向中間部に形成される固定部32
〜34と、固定部32〜34と表面19との間に複数介
在するリング状のスペーサ35とを備えて構成されてい
る。
【0067】板部31の高さ方向(上下方向)中央に
は、スリット状の長孔36が形成されている。長孔36
は、前後方向に延在するように形成されている。固定部
32〜34は、それぞれ板部31に対して膨出するよう
に形成されており、スペーサ35と共にボルト37によ
って締め付け固定されている。
【0068】ガイドレール27とインナパネル本体14
との間には、スペーサ35の板厚分の間隙(不図示)が
形成されている。
【0069】スライダ28は、矩形状に形成されてお
り、長孔36に挿通される支軸38を有している。支軸
38の先端には、ガイドレール27の裏側の上記間隙に
位置する図示しないフランジ部が形成されている。支軸
38の外周には、例えば図示しないベアリングが設けら
れており、その図示しないベアリングが長孔36に摺接
することで、スライダ28が長孔36に沿ってスムーズ
に進退するようになっている。
【0070】また、スライダ28は、スライド方向(上
記前後方向)に段部39が形成されており、その段部3
9の下段(薄肉側)には、ドア側ワイヤハーネス23が
湾曲した状態で本体2側に導出されている。段部39の
上段(厚肉側)には、ドア側ワイヤハーネス23が固定
されている。上段は、肉厚方向に押さえ板40が重合し
ており、ドア側ワイヤハーネス23がほぼ90゜湾曲さ
せられた状態で挟みつけられている。
【0071】即ち、押さえ板40には、ほぼ90゜に湾
曲したアーチ部41が形成されており、上段には、これ
に対応する溝部(不図示)が形成されている。つまり、
アーチ部41と溝部(不図示)の間にドア側ワイヤハー
ネス23が挟持されている。押さえ板40は、ボルトに
より締め付け固定されている。
【0072】スライダ28から、本体2側に導出された
ドア側ワイヤハーネス23は、略U字状の湾曲部42を
有しており、その端部には上記コネクタ25が配設され
ている。コネクタ25は、本体側ワイヤハーネス12の
コネクタ13にコネクタ接続されている。
【0073】尚、湾曲部42に図示しないコイルスプリ
ングを外挿することが可能である。外挿する範囲は、湾
曲部42の全体、若しくは、スライダ28及びコネクタ
25の近傍のいずれでもよい。スライダ28の移動に伴
う湾曲部42の擦れや折れ曲がりや波打ち等を防止する
際に効果的である。
【0074】リンクアーム29は、棒板状に形成されて
おり、軸部43を介してその一端がスライダ28に回動
自在に連結されている。リンクアーム29の上記一端
は、上記間隙(スペーサ35の板厚分の間隙)内に位置
し、ガイドレール27の裏面に沿ってスライダ28と一
体に移動する。リンクアーム29の他端には、リンクア
ーム30の後述する一端に対する他端が軸部44を介し
ラップした状態で回動自在に連結されている。
【0075】リンクアーム30は、リンクアーム29と
同様に棒板状に形成されており、軸部45を介してその
一端がガイドレール27の固定部32に回動自在に連結
されている。リンクアーム30の上記一端も、上記間隙
内に位置している。
【0076】ドア側ワイヤハーネス23は、図1に示さ
れる如く、スライダ28からリンクアーム29、30の
各表面に沿って略逆V字状に配索されている(スライダ
28の移動量に応じた分の長さが確保される)。その状
態は、図示しないバンドクリップ等で固定されることに
より維持される。リンクアーム29、30には、ドア側
ワイヤハーネス23に対する固定用の孔46が複数個形
成されている。
【0077】ドア側ワイヤハーネス23は、軸部44の
上方に若干の余長を有している。また、ドア側ワイヤハ
ーネス23は、若干の余長を有してリンクアーム30か
ら導出されている。上記コネクタ24は、リンクアーム
30の上記他端の近傍、或いは固定部32の近傍に配置
形成された上記回路体露出部16aに接続されている
(回路体露出部16aに接続されることで、ドア側ワイ
ヤハーネス23の全長が従来のものよりも短くなる)。
【0078】上記給電装置7の作用を説明する。また、
その給電装置7の作用を説明した後に、スライドドア3
の動作を含めた作用を説明する。
【0079】図2において、スライドドア3(図1参
照)の全開状態では、リンクアーム29、30が実線で
示す如く完全に閉じて上向きに垂直に起立する。これに
対し、スライドドア3(図1参照)が操作され、スライ
ドドア3(図1参照)の全閉状態に移行させると、リン
クアーム29、30が二点鎖線の如くへ字状に開く。こ
の時、リンクアーム29、30を連結する軸部44は、
円弧状の軌跡Lを描いて移動する。
【0080】尚、当然ではあるが、スライドドア3(図
1参照)が上記前後方向へ移動するから、スライダ28
の位置は変わらず、その他の部材が相対的に移動するこ
とになる(説明の都合上、スライダ28がスライドする
ように上述では説明していた)。
【0081】また、上記軌跡Lと、実線で示したリンク
アーム30と、二点鎖線で示したリンクアーム29と、
ガイドレール27とで囲まれる範囲内が、特許請求の範
囲に記載したドア側ワイヤハーネスの移動範囲内に相当
する。その範囲内には、上記回路体露出部16が存在し
ないように構成されている(リンクアーム29、30の
開閉動作が円滑に行われる)。
【0082】図5において、スライドドア3は、そのス
ライドドア3の閉じた状態で車両1の外側面に一致す
る。また、スライドドア3の下端側に設けられるヒンジ
ローラ3aの端部は、レール9の傾斜部11の前端に位
置する。ドア側ワイヤハーネス23(図1参照)の湾曲
部42は、車両1の上方から見ると根本が狭まった略U
字状或いは逆J字状に屈曲し、スライドドア3の後端側
に位置する。
【0083】図6において、スライドドア3を開き、そ
の操作の途中状態にあっては、スライドドア3がレール
9の屈曲形状に沿って車両1の外方へ突出する。スライ
ダ28(図2参照)は、ガイドレール27(図2参照)
の中間に位置し、ドア側ワイヤハーネス23(図1参
照)の湾曲部42は、幅広に開いた略U字状に屈曲す
る。ヒンジローラ3aがレール9の上記前後方向に延在
する部分に位置すると、スライドドア3は後方へ移動す
る。
【0084】図7において、スライドドア3が完全に開
くと、ヒンジローラ3aは、レール9の後端に位置す
る。スライダ28(図2参照)も、ガイドレール27
(図2参照)の端部に位置し、リンクアーム29、30
(図2参照)が開いた状態になる。ドア側ワイヤハーネ
ス23(図1参照)の湾曲部42は、やや後方へ引っ張
られて傾斜した略U字状に屈曲する。
【0085】以上、図1ないし図7までを参照しながら
説明してきたように、インナパネル5は、そのインナパ
ネル本体14に回路体15が一体となっていることか
ら、作業者によるドア側ワイヤハーネス23の配索作業
を軽減することができる。また、回路体15を一体に配
索することで、配索の自由度を向上させることができ
る。さらには、配索スペースの確保も容易に行うことが
できる。
【0086】一方、ドア側ワイヤハーネス23のコネク
タ24と補機6の接続部6aとを各々回路体露出部16
に直接又は間接的に接続すれば、補機6等への給電がな
されるから、ドア側ワイヤハーネス23を従来のように
広範囲に配索する必要がなくなる。また、ガイドレール
27やリンクアーム29、30を回避しながらドア側ワ
イヤハーネス23を配索する必要もない。これにより、
作業性を格段に向上させることができる。
【0087】従って、スライドドアの製造に係る作業性
を向上させ、また、ドア側ワイヤハーネスの配索に係る
自由度を高め、さらには、配索スペースを十分に確保し
得るスライドドア用のインナパネルを提供することがで
きる。
【0088】図8は補機の接続部の他の例を示してい
る。即ち、補機47は、その裏側に導出したワイヤハー
ネス48の端部にコネクタ49を備えて構成されてい
る。そして、コネクタ49を介し補機47への給電が図
られるようになっている。
【0089】コネクタ49は、電線48a、48bの端
末に設けられる端子49a、49aと、合成樹脂製のコ
ネクタハウジング49bとから構成されている。
【0090】端子49a、49aは圧接端子である(例
えば弾性接触片を有する端子を用いることも当然に可能
である)。コネクタハウジング49bには、上記幅方向
に端子収容室49c、49cが並んで形成されている。
また、コネクタハウジング49bの接続側には、略U字
状の切り欠き49dが複数形成されている。上記幅方向
の側壁には、可撓性を有するアーム49e、49eが一
体に設けられており、そのアーム49e、49eの中間
には、開口22(図1又は図2参照)の上記縁部に係合
する略爪形状の突起49f、49f(一方のみ図示)が
形成されている。
【0091】図9は本発明によるスライドドア用インナ
パネルの他の一実施の形態を示している。上述同様のス
ライドドア51は、金属製のアウタパネル4と、そのア
ウタパネル4よりも車室内側に設けられるインナパネル
52(特許請求の範囲に記載したスライドドア用インナ
パネルに相当)と、更に車室内側に設けられ、図示しな
い車室内に面するドアトリム(不図示)とを備えて構成
されている。
【0092】スライドドア51の内部には、パワーウイ
ンドモータ、ドアロックユニット、及びスピーカ等の各
種補機(不図示、上記補機6でもよい)が装備されるよ
うになっている。また、スライドドア51には、そのス
ライドドア51に対して常時、本体2(図1参照)側か
ら給電がなされるように構成した給電装置53が設けら
れている。尚、上述と基本的に同一の構成部材にあって
は、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0093】上記インナパネル52のインナパネル本体
54は、例えばアウタパネル4と同厚の鋼板を用いて製
造されており、給電装置53等が取り付けられるてい
る。
【0094】インナパネル本体54には、所望の配索パ
ターンで配索、固定される回路体55と、その回路体5
5の一部を車室内側に露出させる回路体露出部56(引
用符号56a〜56dの四つを総称する場合に引用符号
56を付す)と、アウタパネル4に対する複数の固定部
57とが設けられている。
【0095】回路体55は、複数の(図9においては六
つ。これに限定されるものではない。一つであってもよ
い)電線から成る回路55a〜55fから構成されてい
る。尚、回路55a〜55fは、バスバーでも当然に対
応することができるものとする。配索パターンは、図中
に示された経路に限定されるものではない。回路体55
の配索状態は図3の状態に準ずるものとする。
【0096】回路体露出部56は、インナパネル本体5
4の表面58より回路体55を臨むことが可能な開口2
2を有して構成されている。また、回路体露出部56
は、インナパネル本体54の上部側に配置形成されてい
る。
【0097】回路体露出部56についてもう少し詳しく
説明すると、回路体露出部56aは、ドア側ワイヤハー
ネス23のコネクタ24に対応して配置形成されてお
り、その開口22には、回路55a〜55fが等ピッチ
で露出(不図示)している。
【0098】尚、図9におけるドア側ワイヤハーネス2
3は、回路55a〜55fに対応して製造されているも
のとする。コネクタ24、25等も同様である。
【0099】回路体露出部56b〜56dは、各種補機
に対応して配置形成されており、各開口22には、回路
55a〜55fのうちの二つの回路が所望のピッチで露
出している。回路体露出部56b〜56dは、上記中継
コネクタ26(図1参照)を接続することができるよう
になっている。
【0100】上記給電装置53は、インナパネル本体5
4の表面58側に配設されるガイドレール27と、その
ガイドレール27に対してスライド自在となるスライダ
28と、インナパネル本体54の上記上部に配設される
ガイドローラ59(特許請求の範囲に記載したハーネス
支持ガイドに相当)と、巻き取りリール60とを備えて
構成されている。ガイドレール27の配設状態は上述と
同じである。
【0101】ガイドローラ59は、ドア側ワイヤハーネ
スを吊り下げ支持する部材であって、インナパネル本体
54に固定される軸部61を有している。また、軸部6
1には、例えばベアリングによって回動自在となるプー
リ状の溝付きローラ62が設けられている。ローラ62
には、断面視において内方へ凹む半円状の溝(不図示)
が形成されている。ガイドローラ59に代えて固定式の
ガイド軸(不図示、ハーネス支持ガイド)を用いること
も可能である。
【0102】ガイドローラ59の近傍には、ドア側ワイ
ヤハーネス23のコネクタ24に対応する回路体露出部
56aが配置形成されている。
【0103】巻き取りリール60は、リール本体63の
内側にワイヤ64を巻き取るための図示しないバネ手段
を有しており、ノズル65から伸びたワイヤ64は常に
引っ張り方向に付勢されている。ワイヤ64の先端は、
スライダ28に連結されている。これによりスライダ2
8は常に後方へ付勢されている。巻き取りリール60
は、スライドドア51を閉じる際にスライダ28を後方
へ移動させやすくするための部材であり、これに生じる
張力はドア側ワイヤハーネス23をピンと張っておく程
度であるものとする。
【0104】ドア側ワイヤハーネス23は、ガイドロー
ラ59から吊り下げられた状態でスライダ28の移動に
追従する。ドア側ワイヤハーネス23は、湾曲部42を
有した状態でコネクタ25が、本体側ワイヤハーネス1
2のコネクタ13に接続されている。
【0105】図9の実線で示される如く、スライドドア
51の閉じた状態でスライダ28は、巻き取りリール6
0のワイヤ64に引っ張られてガイドレール27の後端
部に位置する。また、ドア側ワイヤハーネス23は、ス
ライダ28から前方に傾斜して立ち上がり、ガイドロー
ラ59に支持された状態で回路体露出部56aに接続さ
れる。
【0106】この状態から、スライドドア51を矢線P
方向に操作し、スライドドア51の開いた状態にする
と、スライダ28は恰も矢線Q方向に移動したかの如く
作用する。これにより、ドア側ワイヤハーネス23は、
スライダ28から後方に傾斜し立ち上がったような状態
に位置を変える。この状態において、ガイドレール27
の先端部に移動したスライダ28は、巻き取りリール6
0によって後方へ付勢されている。
【0107】尚、スライドドア51の開閉状態における
ドア側ワイヤハーネス23と、ガイドレール27とで囲
まれる略三角形状の範囲内が、特許請求の範囲に記載し
たドア側ワイヤハーネスの移動範囲内に相当する。その
範囲内には、上記回路体露出部56が存在しないように
構成されている。
【0108】以上のように、インナパネル52は、上記
インナパネル5と同様、そのインナパネル本体54に回
路体55が一体となっていることから、作業者によるド
ア側ワイヤハーネス23の配索作業を軽減することがで
きる。また、回路体55を一体に配索することで、配索
の自由度を向上させることができる。さらには、配索ス
ペースの確保も容易に行うことができる。
【0109】その他、本発明は本発明の主旨を変えない
範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【0110】尚、回路体15及び55を備えたインナパ
ネル5及び52の構成は、乗用車の一般的なドアに配設
されるインナパネルにも応用することができるのは言う
までもない。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載さ
れた本発明によれば、インナパネル本体に回路体が一体
となっていることから、作業者によるドア側ワイヤハー
ネスの配索作業が軽減される。また、配索の自由度も向
上し、配索スペースの確保も良好である。ドア側ワイヤ
ハーネスの他方と補機の接続部とを各々回路体露出部に
直接又は間接的に接続することで、補機への給電がなさ
れるようになるから、ドア側ワイヤハーネスを広範囲に
配索する必要はない。ガイドレールや例えばリンクアー
ム等を回避しながらドア側ワイヤハーネスを配索する必
要もないから、作業性が格段に向上することになる。従
って、スライドドアの製造に係る作業性を向上させ、ま
た、ドア側ワイヤハーネスの配索に係る自由度を高め、
さらには、配索スペースを十分に確保し得るスライドド
ア用インナパネルを提供することができるという効果を
奏する。
【0112】請求項2に記載された本発明によれば、回
路体露出部は、インナパネル本体の表裏面を貫通させて
形成した開口を有することから、その開口の縁部を用い
てコネクタ接続が可能になる。従って、ドア側ワイヤハ
ーネスの他方や補機の接続部との接続が容易になし得ら
れるようになるから、作業性を一層向上させることがで
きるという効果を奏する。
【0113】請求項3に記載された本発明によれば、回
路体露出部に、露出する回路体に対応して形成された第
一接続部と、補機の接続部又はドア側ワイヤハーネスの
他方に対応して形成された第二接続部とを有する中継用
コネクタを接続していることから、ドア側ワイヤハーネ
スの他方又は補機の接続部の形態を回路体露出部に対応
させる必要がなくなる。また、中継用コネクタを、その
第一接続部を介して回路体露出部に接続すれば、第二接
続部によって、容易にドア側ワイヤハーネスの他方や補
機の接続部を接続することができる。従って、中継用コ
ネクタを用いることで、ドア側ワイヤハーネスの他方や
補機との接続が容易になし得られるようになるから、作
業性を一層向上させることができるという効果を奏す
る。
【0114】請求項4に記載された本発明によれば、ド
ア側ワイヤハーネスの他方に対応する回路体露出部を、
ガイドレールの端部近傍に配設していることから、スラ
イダの移動量に応じた分の長さを確保したドア側ワイヤ
ハーネスを必要とする給電装置を配設する場合に、ドア
側ワイヤハーネスの全長を従来よりも短くすることがで
きる。従って、スライドドア内におけるドア側ワイヤハ
ーネスの占有率が低くなり、配索スペースの確保が一層
容易になるという効果を奏する。
【0115】請求項5に記載された本発明によれば、イ
ンナパネル本体の、ガイドレールの延在方向に対し直交
する方向に、ドア側ワイヤハーネスを吊り下げ支持する
ハーネス支持ガイドを形成し、そのハーネス支持ガイド
近傍には、ドア側ワイヤハーネスの他方に対応する回路
体露出部を配設していることから、スライダの移動量の
例えば約半分に応じた分の長さを確保したドア側ワイヤ
ハーネスを必要とする給電装置を配設する場合に、ドア
側ワイヤハーネスの全長を従来よりも短くすることがで
きる。従って、スライドドア内におけるドア側ワイヤハ
ーネスの占有率が低くなり、配索スペースの確保が一層
容易になるという効果を奏する。
【0116】請求項6に記載された本発明によれば、回
路体を、インナパネル本体に対しはめ込み、つけ、或い
はインサート成形のいずれかにより配索、固定している
ことから、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスライドドア用インナパネルの一
実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のインナパネル本体と給電装置を示す正面
図である。
【図3】回路体の配索状態を説明するための図面であ
り、(a)はインナパネル本体の裏面につけた状態の断
面図、(b)はインナパネル本体の裏面側からはめ込ん
だ状態の断面図、(c)はインナパネル本体にインサー
ト成形した状態の断面図である。
【図4】ドア側ワイヤハーネスの他方側に対応して形成
された回路体露出部とその近傍の拡大斜視図である。
【図5】スライドドアを閉じた時の状態を示す車両の平
面図である。
【図6】スライドドアを開く途中での状態を示す車両の
平面図である。
【図7】スライドドアを開いた時の状態を示す車両の平
面図である。
【図8】補機の接続部の他の例を示す斜視図である。
【図9】本発明によるスライドドア用インナパネルの他
の一実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車両 2 本体 3 スライドドア 4 アウタパネル 5 インナパネル(スライドドア用インナパネル) 6 補機 6a 接続部 7 給電装置 8 ステップ 9 レール 10 側壁部 11 傾斜部 12 本体側ワイヤハーネス 13 コネクタ 14 インナパネル本体 15 回路体 16 回路体露出部 17 固定部 18 裏面 19 表面 20 絶縁部 21 凹部 22 開口 23 ドア側ワイヤハーネス 24、25 コネクタ 26 中継コネクタ 27 ガイドレール 28 スライダ 29、30 リンクアーム 31 板部 32〜34 固定部 35 スペーサ 36 長孔 37 ボルト 38 支軸 39 段部 40 押さえ板 41 アーチ部 42 湾曲部 43、44、45 軸部 46 孔 47 補機 48 ワイヤハーネス 49 コネクタ 51 スライドドア 52 インナパネル 53 給電装置 54 インナパネル本体 55 回路体 56 回路体露出部 57 固定部 58 表面 59 ガイドローラ 60 巻き取りリール 61 軸部 62 ローラ 63 リール本体 64 ワイヤ 65 ノズル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の側部において該車両の前後方向に
    スライド自在に設けられるスライドドアのアウタパネル
    とドアトリムとの間に配設されるとともに、前記車両の
    本体及び前記スライドドア間に介在する給電装置のガイ
    ドレールを設けたインナパネル本体を備え、 前記ガイドレールは、該ガイドレールに対してスライド
    自在となるスライダを有し、 前記インナパネル本体は、所望の配索パターンで配索、
    固定される一つ又はそれ以上の回路から成る回路体を一
    体に備え、 前記スライダには、一方を前記本体に配索される本体側
    ワイヤハーネスに直接又は間接的に接続した前記スライ
    ドドアのドア側ワイヤハーネスを固定し、 前記インナパネル本体には、前記回路体の一部を露出さ
    せて、前記ドア側ワイヤハーネスの他方と前記インナパ
    ネル本体に取り付けられる補機の接続部とが、各々直接
    又は間接的に接続される複数の回路体露出部を形成し、 且つ、該回路体露出部を、前記スライダに追従する前記
    ドア側ワイヤハーネスの移動範囲内を除く位置に配置形
    成したことを特徴とするスライドドア用インナパネル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスライドドア用インナ
    パネルにおいて、 前記回路体露出部は、前記インナパネル本体の表裏面を
    貫通させて形成した開口を有することを特徴とするスラ
    イドドア用インナパネル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のスライド
    ドア用インナパネルにおいて、 前記回路体露出部に、露出する前記回路体に対応して形
    成された第一接続部と、前記補機の前記接続部又は前記
    ドア側ワイヤハーネスの前記他方に対応して形成された
    第二接続部とを有する中継用コネクタを接続したことを
    特徴とするスライドドア用インナパネル。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3いずれか記載の
    スライドドア用インナパネルにおいて、 前記ドア側ワイヤハーネスの前記他方に対応する前記回
    路体露出部を、前記ガイドレールの端部近傍に配設した
    ことを特徴とするスライドドア用インナパネル。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3いずれか記載の
    スライドドア用インナパネルにおいて、 前記インナパネル本体の、前記ガイドレールの延在方向
    に対し直交する方向に、前記ドア側ワイヤハーネスを吊
    り下げ支持するハーネス支持ガイドを形成し、該ハーネ
    ス支持ガイド近傍には、前記ドア側ワイヤハーネスの前
    記他方に対応する前記回路体露出部を配設したことを特
    徴とするスライドドア用インナパネル。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5いずれか記載の
    スライドドア用インナパネルにおいて、 前記回路体を、前記インナパネル本体に対しはめ込み、
    つけ、或いはインサート成形のいずれかにより配索、固
    定したことを特徴とするスライドドア用インナパネル。
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