JP4952226B2 - ドア用ワイヤハーネスの配索構造 - Google Patents
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Description
また、従来の前記配索構造は、車体とドアとの間でヒンジHの上方位置にワイヤハーネスが配索されているため、ドア開閉時にはワイヤハーネスには曲げ捻りのみが生じ、伸縮は生じないが、ドア1のインナーパネル1aの貫通孔1bがウェザーストリップ4の位置よりも室外側に設けられているため、ワイヤハーネスの架け渡し部分を防水構造とする必要がある。
前記車両用ドアハ−ネスの組み付け構造では、図7に示すように、車両ドア1のドアトリム1cに水平方向に延在するスライドガイド5を設け、ワイヤハーネスW/Hを挿通しているプロテクタ6をスライドガイド5にスライド可能に嵌合して、プロテクタ6の後端から引き出されたワイヤハーネスW/Hを斜め後方に延長し、ドアトリム1cの上部に設けているクリップ1dに揺動自在に支持している。プロテクタ6の後端から引き出されたワイヤハーネスW/Hは、クリップ1dを中心として振り子状に揺動して車輌ドア1の開閉に追従し、ワイヤハーネスW/Hの余長を吸収している。
さらに、特許文献2の自動車のドアへの配線配管構造では、ワイヤハーネスW/Hの余長を吸収することが可能な凹部1eのスペ−スを内板1aにとることは難しい。また、ワイヤハーネスW/Hと内板1aとが干渉して異音を発生する恐れがある。
前記ドア内板の室内側に取り付けるトリムのドア側内面にレール溝を有する上下ガイド板を突設する一方、前記ドアに配索したワイヤハーネスを貫通する樹脂成形品からなる断面矩形状のボックス状の渡りプロテクタを設け、
前記渡りプロテクタの上下壁の外面に前記レール溝を摺動するローラを回転自在に取り付け、かつ、該渡りプロテクタの上下壁の内面に長さ方向に千鳥配置で挟持部を設け、該挟持部に弾性片の先端の固定部を挿入し、該弾性片の他端側の円弧状の押さえ部を該渡りプロテクタの中空部に突設し、さらに、該渡りプロテクタの車体側に回転自在に基部を嵌合すると共に先端を車体の貫通孔に嵌合係止した回転連結材を設け、前記渡りプロテクタ内を貫通する前記ワイヤハーネスを前記回転連結材の内部を通して車体側へと配索し、ドア開放時には前記渡りプロテクタがドア側より引き出されると共に、ドア閉鎖時には前記渡りプロテクタが前記上下ガイド板の間に収納されると共に該渡りプロテクタ内部を貫通するワイヤハーネスを前記弾性片で蛇行させて余長を吸収できる構成としていることを特徴とするドア用ワイヤハーネスの配索構造を提供している。
前記構成とすると、ドアの開閉時には渡りプロテクタのローラが上下ガイド板のレール溝を摺動しているため、ドアトリムの上下ガイド板に対して渡りプロテクタがスムーズに移動し、上下ガイド板と渡りプロテクタとが摩擦を起こすことなく、異音の発生を防止することができる。
一方、ドア閉鎖時には、ワイヤハーネスに余長が発生するため、ワイヤハーネスが弾性片を上下方向に押圧する力が小さくなり、弾性片が撓んだ状態から元に戻ろうと上下互い違いにワイヤハーネスを押圧してワイヤハーネスを蛇行させ、ドア閉鎖時のワイヤハーネスの余長を吸収する。
このように、渡りプロテクタ内だけでワイヤハーネスの余長を吸収しているため、ワイヤハーネスの配索領域を狭くすることができ、小さなスペースでもワイヤハーネスの余長を吸収することができる。
さらに、ドアトリム下側には、部材が収容されていない空間があるため、該空間のドアトリムに上下ガイド板を設けて渡りプロテクタを組み付けると、他の部材の位置を設計変更せずに、ワイヤハーネスの余長吸収機構を設けることができる。
前記回転連結材を弾性材とすることで、車体の穿設されている貫通孔に容易に回転連結材を嵌合することができ、作業者に負担とならないと共に、軽量化することができる。
さらに、回転連結材を弾性材とすると、車体の穿設されている貫通孔に容易に回転連結材を嵌合することができ、作業者に負担とならないと共に、軽量化することができる。
自動車のサイドドア10(以下、ドア10と称す)に配索して車体20側へと架け渡すドア用ワイヤハーネスW/H(以下、ワイヤハーネスW/Hと称す)に渡りプロテクタ30を外装している。
図1(A)に示すように、ドア10内に配索したワイヤハーネスW/Hは、ドア外板11と接合するドア内板12と該ドア内板12の室内面側に被せて取り付けるドアトリム13との間の空間から車体20側へと引き出している。
ドアトリム13の下部にはスピーカー15が配置されており、該スピーカー15の下方位置にドアトリム13の車体対向壁13aからドアトリム13の一部を水平方向に切欠いたワイヤハーネス引出口13cを設け、該ワイヤハーネス引出口13cを通してワイヤハーネスW/Hを車体20側へと引き出している。
前記渡りプロテクタ30内を通して、ワイヤハーネス引出口13cより引き出したワイヤハーネスW/Hは、ドア10に設けたウェザーストリップ14よりも室内側を通して車体20へと架け渡している。
該渡りプロテクタ30の長さ方向の両端に開口30a、30bを設け、車体側D1の開口30aから車体側にワイヤハーネスW/Hを引き出し、ドア側D2の開口30bからドア側へワイヤハーネスを引き出している。
前記ローラ30hは後述するドアトリム13の上下ガイド板13e、13fに設けたレール溝13dと摺動に嵌合させ、渡りプロテクタ30をレール溝13dに沿って摺動自在としている。
前記弾性片31は、図1(B)に示すように、ドア開放時には略直線状のワイヤハーネスW/Hが弾性片31を押圧することで、弾性片31が上下に撓む一方、ドア閉鎖時には、図2(B)に示すように、撓んでいた弾性片31が原状に復帰して、余長が発生したワイヤハーネスW/Hを上下方向に互い違いに押圧して蛇行させる機能を有する。
前記上下ガイド板13e、13fは、車体側D1からドア側D2に向かってワイヤハーネス引出口13cから延在しており、前記したように、渡りプロテクタ30のローラ30hをレール溝13dに嵌合させ、渡りプロテクタ30を上下ガイド板13e、13fに摺動自在に取り付ける。
一方、前記渡りプロテクタ30は車体側開口30aを上方に屈曲させ、該開口30aの端縁からは係合部30cを突設し、該係合部30cを前記回転連結材16の基部16cと回転可能に嵌合している。該回転連結部16の車体係止部16bは車体20の貫通孔23aに嵌合係止している。
これにより、ワイヤハーネスW/Hは渡りプロテクタ30の車体側開口30aから回転連結材16の内部を通り、車体係止部16bの開口16aから車体20へと引き出している。
ドア開放時には、図1に示すように、車体20に取り付けている回転連結材16に対して、渡りプロテクタ30がドア10の開放方向に回転する。同時に、渡りプロテクタ30のローラ30hが、ドアトリム13の上下ガイド板13e、13fのレール溝13dを車体側D1に摺動し、ワイヤハーネス引出口13cより渡りプロテクタ30を引き出す。
ドア開放時には、ワイヤハーネスW/Hの余長がなくなり略直線状となるため、ワイヤハーネスW/Hが渡りプロテクタ30の上下壁に設けている弾性片31bを上下方向に押圧する力が大きく、図1(B)に示すように、該弾性片31bが撓んだ状態となる。
渡りプロテクタ30内部ではドア10の閉鎖に伴って、ワイヤハーネスW/Hに余長が発生するため、ワイヤハーネスW/Hが弾性片31bを上下方向に押圧する力が小さくなり、弾性片31bが撓んだ状態から元に戻ろうと上下互い違いにワイヤハーネスW/Hを押圧するため、図2(B)に示すように、ワイヤハーネスW/Hが蛇行し、ドア閉鎖時のワイヤハーネスW/Hの余長を吸収する。
このようにして、ドア10と車体20との間に架け渡したワイヤハーネスW/Hをドア10の開閉に追従して伸縮可能としている。
また、渡りプロテクタ30内で千鳥配置に突設している弾性片31bの弾性力によって、ワイヤハーネスW/Hを蛇行させることで、ドア閉鎖時の余長を吸収することができ、余長吸収におけるワイヤハーネスW/Hの配索領域を小さくすることができるため、狭いスペースでもワイヤハーネスW/Hの余長を吸収することができる。
さらにまた、回転連結材16をゴムとすることで、車体20の穿設されている貫通孔23aに容易に嵌合することができ、作業者に負担とならないと共に、軽量化することができる。
他の構成および作用は前記実施形態と同様であるため、説明を省略する。
11 ドア外板
12 ドア内板
13 ドアトリム
13d レール溝
13e、13f 上下ガイド板
14 ウェザーストリップ
16 回転連結材
16c 基部
20 車体
23a 貫通孔
30 渡りプロテクタ
31b 弾性片
W/H ドア用ワイヤハーネス(ワイヤハーネス)
Claims (2)
- ドア内板側から車体側へとウェザーストリップより室内側の経路で架け渡す自動車のドア用ワイヤハーネスの配索構造であって、
前記ドア内板の室内側に取り付けるトリムのドア側内面にレール溝を有する上下ガイド板を突設する一方、前記ドアに配索したワイヤハーネスを貫通する樹脂成形品からなる断面矩形状のボックス状の渡りプロテクタを設け、
前記渡りプロテクタの上下壁の外面に前記レール溝を摺動するローラを回転自在に取り付け、かつ、該渡りプロテクタの上下壁の内面に長さ方向に千鳥配置で挟持部を設け、該挟持部に弾性片の先端の固定部を挿入し、該弾性片の他端側の円弧状の押さえ部を該渡りプロテクタの中空部に突設し、さらに、該渡りプロテクタの車体側に回転自在に基部を嵌合すると共に先端を車体の貫通孔に嵌合係止した回転連結材を設け、前記渡りプロテクタ内を貫通する前記ワイヤハーネスを前記回転連結材の内部を通して車体側へと配索し、ドア開放時には前記渡りプロテクタがドア側より引き出されると共に、ドア閉鎖時には前記渡りプロテクタが前記上下ガイド板の間に収納されると共に該渡りプロテクタ内部を貫通するワイヤハーネスを前記弾性片で蛇行させて余長を吸収できる構成としていることを特徴とするドア用ワイヤハーネスの配索構造。 - 前記渡りプロテクタは樹脂成形品の本体とカバーとからなり、前記回転連結材はゴムまたはエラストマーからなる弾性材からなる請求項1に記載のドア用ワイヤハーネスの配索構造。
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